JP2007063831A - 防護体の支柱構造とその防護体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 使用するアンカーの数を減らすことが可能で、施工性に優れた防護体の支柱構造とその防護体とを提供する
【解決手段】 斜面2に立設する主支柱11と、この主支柱11と交差して設けられ主支柱11の前側に下部が位置する斜め支柱13と、主支柱11の上部と斜め支柱13の上部とを連結する上後ロープ材31と、斜め支柱13の上部と主支柱11の下部とを連結する下後ロープ材32と、斜め支柱13の下部を斜面2に固定する固定手段たるアンカー21とを備える。雪崩・落石などにより主支柱11を前方に倒す方向の力が加わると、斜め支柱13の上部に連結した上後ロープ材31と下後ロープ材32に張力が発生し、斜め支柱13の下部は斜面2に固定されているから、それらロープ材31,32により前記前方に倒す方向に力に対抗することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 斜面2に立設する主支柱11と、この主支柱11と交差して設けられ主支柱11の前側に下部が位置する斜め支柱13と、主支柱11の上部と斜め支柱13の上部とを連結する上後ロープ材31と、斜め支柱13の上部と主支柱11の下部とを連結する下後ロープ材32と、斜め支柱13の下部を斜面2に固定する固定手段たるアンカー21とを備える。雪崩・落石などにより主支柱11を前方に倒す方向の力が加わると、斜め支柱13の上部に連結した上後ロープ材31と下後ロープ材32に張力が発生し、斜め支柱13の下部は斜面2に固定されているから、それらロープ材31,32により前記前方に倒す方向に力に対抗することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、防護体の支柱構造とその防護体に関する。
従来、この種の防護体として、所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を設け、各支柱間を水平ロープ材に掛止させたワイヤ製のネットで遮蔽した防護柵(例えば特許文献1)や、各支柱間にコンクリート製や金属製などからなる横杆を多段に設けた防護柵や、斜面に所定の間隔を隔てて立設され、防護ネットを張り巡らす防護柵用支柱において、支柱の下端が斜面に載置され、斜面に設けたアンカーと前記支柱の下部の間が据付用ロープで接続されて位置決めされている支柱を用いる防護柵(例えば特許文献2及び特許文献3)などが知られている。
前記特許文献1の防護柵では、支柱を斜面に固定しているため、落石などの大きな荷重を受ける防護柵に適しており、一方、上記特許文献2の防護柵では、支柱を載置して据付用ロープにより保持するから、下部工が不要又は小型で済み、施工が簡易となるという利点を有し、比較的荷重の小さい落石条件や雪崩防止などに好適なものとなる。
図12は下部工を不要とした支柱構造の一例を示し、設置場所である斜面に支柱101を立設し、斜面の谷側及び谷側には山側及び谷側アンカー102,103を設け、各アンカー102,103と支柱101の上部間に山側及び谷側控えロープ104,105を接続し、支柱101の前側には網体106が張設されている。
特開平6−173221号公報
特開2000−248515号公報(段落0013段、0011段)
そして、図12のような支柱構造を備えた防護体においては、前面に雪崩などを受けると、支柱101を前側に倒そうとする力が加わるため、これに対抗するため谷側アンカー103と谷側控えロープ105が必要となる。
また、前記支柱101を前側に倒そうとする力と、控えロープ104,105との張力により、矢印Yに示す支柱101を沈下させる力が加わるため、軟弱地盤などでは支柱101の下部が斜面に食い込み、これを防止するにはコンクリート基礎などが必要となり、下部工を不要とする利点が損なわれる。
さらに、雪崩などにより防護体を山側に押す力が加わるため、山側アンカー102の上部を谷側に引っ張る力が加わる。これに対して、アンカー102は長さ方向に引張力に対しては大きな力で対抗できるが、長さ方向と交差方向の力が増大すると、斜面の表土層は比較的脆弱であるため、表土層が崩壊し、一点鎖線に示すように、アンカー102が変形する虞がある。
そこで、本発明は、使用するアンカーの数を減らすことが可能で、施工性に優れた防護体の支柱構造とその防護体とを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、設置場所に立設する主支柱と、この主支柱と交差して設けられ前記主支柱の前側に下部が位置する斜め支柱と、前記主支柱の上部と斜め支柱の上部とを連結する上後連結材と、前記斜め支柱の上部と主支柱の下部とを連結する下後連結材と、前記斜め支柱の下部を前記設置場所に固定する固定手段とを備えるものである。
また、請求項2の発明は、前記主支柱の下部と前記斜め支柱の下部側とを連結する前後連結材とを備えるものである。
また、請求項3の発明は、前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記アンカー位置より前方で前記支圧板に前記斜め支柱の下部を連結したものである。
また、請求項4の発明は、前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記斜め支柱の下部を前記支圧板に連結すると共に、前記主支柱の下部を前記支圧板に連結したものである。
また、請求項5の発明は、前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記斜め支柱の下部を前記支圧板に連結すると共に、前記主支柱の下部を前記支圧板に回動且つ所定範囲で前後移動可能に設けたものである。
また、請求項6の発明は、前記主支柱と斜め支柱との一方を2本、他方を1本備えると共に、前記2本の一方の間に前記1本の他方を配置したものである。
また、請求項7の発明は、前記一方が前記主支柱であり、前記他方が前記斜め支柱であるものである。
また、請求項8の発明は、前記連結材がロープ材である。
また、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の支柱構造を複数間隔をおいて配置し、前記主支柱の上部位置と斜め支柱の下部側位置と各支柱構造との間に網体を張設したものである。
請求項1の構成によれば、雪崩・落石などにより主支柱を前方に倒す方向の力が加わると、斜め支柱の上部に連結した上後連結材と下後連結材に張力が発生し、斜め支柱の下部は設置場所に固定されているから、それら連結材により前記前方に倒す方向の力に対抗することができる。このため、従来の後側の控えロープなどが不要となる。
また、施工においては、主支柱,斜め支柱及び連結材を設定場所で簡便に組立てることもでき、搬入性及び施工性に優れたものとなる。
また、請求項2の構成によれば、主支柱の下部を後側に押す力を受けると、前後連結材に張力が発生し、主支柱下部の後側への移動が防止され、一方、主支柱の下部を前側に押す力を受けると、前後連結材に張力が発生し、主支柱下部の後側への移動が防止される。
また、請求項3の構成によれば、斜め支柱によってアンカー位置より前方に引抜き力が加わると、支圧板には、アンカー位置を中心とした回転モーメントが発生するが、この回転モーメントに対して、アンカー位置より後方の支圧板部分が設置場所から反力を受け、対抗することができる。
また、請求項4の構成によれば、支圧板を後側下方に押す力が大となって、アンカーの上端と支圧板が後側に移動しても、斜め支柱の下部と共に、支圧板に連結した主支柱の下部も移動し、支柱構造を保持することができる。また、主支柱の下部を支圧板に連結することにより、この支圧板により主支柱の下部と斜め支柱の下部との間隔が保持されるから、前後連結材が不要となる。
また、請求項5の構成によれば、支圧板を後側下方に押す力が大となって、アンカーの上端と支圧板が後側に移動しても、斜め支柱の下部と共に、主支柱の下部も移動し、支柱構造を保持することができる。また、主支柱の下部が回動可能で且つ所定範囲で前後方向移動可能に設けられているから、下後連結材に張力が発生して主支柱が後に移動すると、前後連結材に張力が発生して釣り合うことができ、連結箇所に応力が集中することがない。
また、請求項6の構成によれば、1本の主支柱と1本の斜め支柱とを交差させて配置した場合、荷重を受けると、偏心が生じ易いが、一方を2本として間に他方を挟むことにより、安定した構造が得られる。
また、請求項7の構成によれば、軸力が加わる主支柱を2本とすることにより、その軸力に効果的に対抗することができる。
また、請求項8の構成によれば、連結材はロープ材からなり、これらロープ材は引張力が生じる箇所に配置され、圧縮力に対抗する必要がないから、構造が簡易で材料費が安価となる。
また、請求項9の構成によれば、搬入性及び施工性に優れた支柱構造を有する防護体を提供でき、この防護体では、網体に雪崩や落石を受け、主支柱を前方に倒す力が加わっても、支柱構造は安定したものとなる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な防護体の支柱構造を採用することにより、従来にない防護体の支柱構造が得られ、その防護体の支柱構造と防護体について記述する。
以下、本発明の実施例1について、図1〜図8を参照して説明する。同図に示すように、防護体である雪崩予防柵1は、設置場所である斜面2に所定間隔を置いて複数の支柱構造3,3…を設け、これら支柱構造3,3…の間に網体4を設けてなる。
前記支柱構造3は、斜面2に主支柱11,11を立設し、この主支柱11,11は斜面2に対して略直角に設けられ、それら主支柱11,11の下部にベースプレート12が設けられている。尚、各主支柱11,11にそれぞれベースプレート12,12を設けるようにしてもよい。さらに、それら主支柱11,11と交差する斜め支柱13を備え、この斜め支柱13は、前記主支柱11,11の間に配置され、その下部を主支柱11より前側(山側)に位置させると共に、その上部を主支柱11より谷側に位置させ、その下部を支圧板14に枢着部15により回動可能に連結している。前記枢着部15は、前記斜め支柱13の下部に枢着板15Aを一体に設け、この枢着板15Aを両側から挟む受板15B,15Bを、支圧板14の上面に設け、それら受板15B,枢着板15A,受板15Bの孔(図示せず)に、枢軸たるボルト15C挿通し、該ボルト15Cにナット15Dを螺合してなる。尚、主支柱11及び斜め支柱13は鋼材などからなり、引張力及び圧縮力の両方に対抗できる材料からなる。また、主支柱11,11と斜め支柱13とは交差しているが、交差箇所で連結されておらず、主支柱11,11の下部の構造に係わらず、斜め支柱13は枢着部15を中心に回動可能となっている。
また、前記支柱構造3は、前記支圧板14を斜面2に固定するアンカー21を備え、この固定手段たるアンカー21は、斜面2を掘削した掘削孔22に、アンカー本体たるワイヤー23を挿入し、前記掘削孔22にグラウト材などの固定用充填材24が充填固化して固定してなり、前記ワイヤー23の上端に折り返し部からなる輪部23Aを形成し、前記支圧板14の上面に前記輪部23Aを挿通し、その輪部23Aに枢軸たるピンボルト25を挿通し、そのピンボルト25を前記支圧板14に固定し、これによりアンカー21の上端を支圧板14にピン結合Pしている。そして、このピン結合Pの位置より前側に前記枢着部15が設けられている。
さらに、前記支柱構造3は、連結材たる複数のロープ材31,32,33を備える。図1及び図8などに示すように、前記主支柱11,11の上部と斜め支柱13の上部とを、上後ロープ材31により連結する。この場合、一例として、上後ロープ材31の両端に輪部31A,31Aを形成し、主支柱11の上部には横杆状の掛け部11Uを設け、両側の輪部31A,31Aを主支柱11,11の上部に外装すると共に、掛け部11U,11Uに係止(引っ掛け)し、その上後ロープ材31の中間折り返し部31Bを、斜め支柱13の上部に外装すると共に、その斜め支柱13の上部の掛け部13U,13Uに係止する。また、その折り返し部31Bは、図5に示すように、両側を交差させる。尚、2本の上後ロープ材を用意して、2本の主支柱11の上部と斜め支柱13の上部とを連結するようにしてもよい。
また、前記連結材には、前記ロープ材31,32,33以外にも、鋼棒,鋼板,形鋼などを用いることができ、さらに、ロープ材はワイヤーロープや樹脂ロープなどの各種材質のものを用いることができる。
また、斜め支柱13の上部と主支柱11の下部とを、下後ロープ材32により連結する。この場合、一例として、下後ロープ材32の両端に輪部32A,32Aを形成し、主支柱11の上部には横杆状の掛け部11Sを設け、両側の輪部32A,32Aを主支柱11,11の下部に外装すると共に、横杆状の掛け部11S,11Sに係止(引っ掛け)し、その下後ロープ材32の中間折り返し部32Bを、斜め支柱13の上部に外装すると共に、その斜め支柱13の上部の横杆状の掛け部13U,13Uに係止する。また、その折り返し部32Bは、上記上後ロープ材31と同様に、両側を交差させるようにしてもよい。尚、2本の下後ロープ材を用意して、2本の主支柱11の下部と斜め支柱13の上部とを連結するようにしてもよい。
また、前記上後ロープ材31及び下後ロープ材32には、緩み復元装置41が設けられている。この緩み復元装置41は、前記上後ロープ材31の中央に端部31T,31Tを形成し、一方の端部31Tを鋼管などからなる本体42に連結し、他方の端部31Tを前記本体42に対して移動可能に設けた移動体43に連結し、この移動体43と本体42との間にコイルバネなど圧縮バネにより構成した付勢手段44を設けてなり、この付勢手段44は前記端部31T,31T同士を近づける方向の力を発し、その付勢手段44が収縮することにより上後ロープ材31に所定の張力を付与する。また、同様に、下後ロープ材32の端部32T,32Tを前記緩み復元装置41により連結している。
また、主支柱11の下部と前記斜め支柱13の下部側、この例では下部を、前後ロープ材33により連結する。この場合、一例として、前後ロープ材33の両端に輪部33A,33Aを形成し、両側の輪部33A,33Aを主支柱11,11の下部に外装すると共に、前記掛け部11S,11Sに係止(引っ掛け)し、その前後ロープ材33の中間折り返し部33Bを、斜め支柱13の下部に外装すると共に、その斜め支柱13の下部の掛け部13S,13Sに係止する。また、その折り返し部33Bは、上記ロープ材31,32と同様に両側を交差させるようにしてもよい。尚、2本の前後ロープ材を用意して、2本の主支柱11の下部と斜め支柱13の下部とを連結するようにしてもよい。尚、掛け部11U,11S,13U,13Sは、ロープ材が係止する係止受け部である。
さらに、図5などに示すように、主支柱11,11の上部を連結横杆11Rにより一体に連結してもよく、この連結横杆11Rは輪部31U,31Uが係止する係止受け部である。また、隣り合う支柱構造3,3の主支柱11,11間に、上下横ロープ材51,52を張設し、これら横ロープ材51,52間に前記網体4を張設して、隣り合う支柱構造3,3間を塞ぐ。そして、上横ロープ材51は両端に輪部51A,51Aを形成し、この輪部51Aを主支柱11の上部を挿通して係止するようにしてもよい。また、下横ロープ材51も両端に輪部(図示せず)を形成し、主支柱11の下部に係止するようにしてもよい。
尚、図中53は雪崩予防柵1の両側に設けた控えロープ材であり、54は両側の支柱構造2,2の外前側に設けたアンカーであり、前記アンカー54,54と両側の支柱構造2,2の上部とが前記控えロープ材53,53により連結されている。
次に、前記構成につき、その作用を説明すると、支柱構造3は、斜面2又は斜面2の近くにおいて、主支柱11,斜め支柱13及びロープ材31,32,33を組立てることができる。そして、アンカー21により支柱構造3を固定し、網体4を張設する。尚、両側のアンカー54及び控えロープ材53を設置する。
このようにして構築した基礎を不要とした雪崩予防柵1において、網体4に積雪圧を受けると、主支柱11を倒す方向の力が加わる。主支柱11が前側に倒れようとすると、上後ロープ材31に張力が発生し、この上後ロープ材31を連結した斜め支柱13は、枢着部15により回動可能であるから、下後ロープ材32に張力が発生し、この下後ロープ材32の張力により主支柱11の下部を後に引張る力が発生するが、前後ロープ材33により主支柱11の下部が後に移動することはなく、前記上後ロープ材31の張力により主支柱11の前方への倒れが規制される。
また、雪崩予防柵1が積雪圧を受けると、図3に示すように、斜め支柱13によりアンカー21を引き抜く力Fが加わる。この引き抜く力Fは、アンカー21位置より前方に加わり、支圧板14には、ピンボルト25を中心に図中時計方向の回転モーメントが発生するが、この回転モーメントに対して、ピンボルト25位置より後方の支圧板14部分が斜面2より反力F´を受け、対抗することができ、斜め支柱13の下端をアンカー21に連結した場合に比べて、アンカー21に加わる力を抑制することができる。したがって、ピンボルト25位置より後方の支圧板14部分の前後方向寸法を大きくすることが好ましい。
このように支柱構造3においては、主支柱11及び斜め支柱13には圧縮力が発生する場合があるが、ロープ材31,32,33は引張力が構造上作用する箇所であるから、他の鋼材などを用いる必要がなく、支柱構造3を簡略化することができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、設置場所である斜面2に立設する主支柱11と、この主支柱11と交差して設けられ主支柱11の前側に下部が位置する斜め支柱13と、主支柱11の上部と斜め支柱13の上部とを連結する連結材たる上後ロープ材31と、斜め支柱13の上部と主支柱11の下部とを連結する連結材たる下後ロープ材32と、斜め支柱13の下部を斜面2に固定する固定手段たるアンカー21とを備えるから、雪崩・落石などにより主支柱11を前方に倒す方向の力が加わると、斜め支柱13の上部に連結した上後ロープ材31と下後ロープ材32に張力が発生し、斜め支柱13の下部は斜面2に固定されているから、それらロープ材31,32により前記前方に倒す方向に力に対抗することができる。このため、従来の後側の控えロープなどが不要となる。
また、施工においては、主支柱11,斜め支柱13及びロープ材31,32を設定場所で簡便に組立てることができ、搬入性及び施工性に優れたものとなる。
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、主支柱11の下部と斜め支柱13の下部側とを連結する連結材たる前後ロープ材33とを備えるから、主支柱11の下部を後側に押す力を受けると、前後ロープ材33に張力が発生し、主支柱11下部の後側への移動が防止され、一方、主支柱11の下部を前側に押す力を受けると、下後ロープ材32に張力が発生し、主支柱11下部の後側への移動が防止される。尚、斜め支柱13の下部側には支圧板14なども含まれる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、前記固定手段がアンカー21であり、設置場所たる斜面2にアンカー21により支圧板14を固定し、アンカー21の位置より前方で支圧板14に斜め支柱13の下部を枢着部15により連結したから、斜め支柱13によってアンカー21位置より前方に引抜き力Fが加わると、支圧板14には、アンカー21位置を中心とした回転モーメントが発生するが、この回転モーメントに対して、アンカー21位置より後方の支圧板14部分が斜面2から反力F´を受け、対抗することができる。
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、前記固定手段がアンカー21であり、設置場所たる斜面2にアンカー21により支圧板14を固定し、アンカー21の位置より前方で支圧板14に斜め支柱13の下部を枢着部15により連結したから、斜め支柱13によってアンカー21位置より前方に引抜き力Fが加わると、支圧板14には、アンカー21位置を中心とした回転モーメントが発生するが、この回転モーメントに対して、アンカー21位置より後方の支圧板14部分が斜面2から反力F´を受け、対抗することができる。
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、主支柱11と斜め支柱13との一方である主支柱11を2本、他方である斜め支柱13を1本備えると共に、前記2本の一方である主支柱11,11の間に1本の他方である斜め支柱13を配置したから、1本の主支柱11と1本の斜め支柱13とを交差させて配置した場合、両者を連結又は固定しない状態では、荷重を受けると、偏心が生じ易いが、一方を2本として間に他方を挟むことにより、安定した構造が得られる。尚、2本の斜め支柱13,13の間に、1本の主支柱11を配置するようにしてもよい。
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、前記一方が主支柱11であり、前記他方が斜め支柱13であるから、大きな軸力が加わる主支柱11を2本とすることにより、その軸力に効果的に対抗することができる。
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、前記連結材がロープ材31,32,33であるから、これらロープ材31,32,33は引張力が生じる箇所に配置され、圧縮力に対抗する必要がないから、構造が簡易で材料費が安価となる。
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、支柱構造3を複数間隔をおいて配置し、主支柱11の上部位置と斜め支柱13の下部側位置と各支柱構造3,3との間に網体4を張設したから、搬入性及び施工性に優れた支柱構造3を有する防護体たる雪崩予防柵1を提供でき、この雪崩予防柵1では、網体4に雪崩や落石を受け、主支柱11を前方に倒す力が加わっても、支柱構造3は安定したものとなる。
また、実施例上の効果として、斜め支柱13を両側から主支柱11,11により挟むから、安定した構造となる。また、緩み復元装置41により、現場などにおいても、後上及び後下ロープ材31,32を緩みなく張設することができる。さらに、冬期間は、雪崩予防柵1が積雪圧を受けて、後上及び後ロープ材31に張力が発生し、この張力は雪が溶けると開放され、その間に受けた張力により後上及び後ロープ材31に伸びが発生しても、この伸び分を緩み復元装置41により吸収することができる。また、枢着部15により斜め支柱13の下部に応力が集中することがない。尚、主支柱11はベースプレート12上に載置又は下部にベースプレート12を固着しているから、斜面2に対して回動可能なピン結合となる。
図9は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記主支柱11,11の下部を前記ベースプレート12に固定し、このベースプレート12を、前記斜面2に打設した杭61の上部にピン結合P´により回動可能に連結している。そして、この例では、前後ロープ材33が不要となる。
このように斜面2が軟弱地盤の場合は杭61を打設し、この杭61に主支柱11をピン結合P´することにより、支柱構造3を安定させることができる。
図10は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記支圧板14Aを後方のベースプレート12まで延設した支圧板14Aを形成し、この支圧板14Aに、主支柱11,11の下部を枢着部63によりピン結合し、主支柱11,11の下部を支圧板14Aに回動可能に連結している。
したがって、支柱構造3を押す力が所定以上になって、アンカー21の上端が後側に移動すると共に、支圧板14Aが後側に移動しても、これと共に斜め支柱13の下部及び主支柱11の下部が移動し、支柱構造3の性能を保持することができる。
このように本実施例では、さらに、請求項4に対応して、前記固定手段がアンカー21であり、設置場所たる斜面2に1本のアンカー21により支圧板14Aを固定し、主支柱11の下部を前記斜め支柱13の下部より後方で支圧板14Aに連結したから、支圧板14Aを後側下方に押す力が大となって、アンカー21の上端と支圧板14Aが後側に移動しても、斜め支柱13の下部と共に、主支柱11の下部も移動し、支柱構造3の性能を保持することができる。また、この例においても、アンカー21の位置より前方で支圧板14Aに斜め支柱13の下部を枢着部15により連結したから、請求項3に対応して、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
図11は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、前記支圧板14Aを後方のベースプレート12まで延設した支圧板14Aを形成し、この支圧板14Aに、主支柱11,11の下部をローラピン63により回可能で且つ前後移動可能に設け、主支柱11,11は、前記後ロープ材32と前後ロープ材33との釣り合いにより前後方向所定範囲移動可能になっている。
したがって、支柱構造3を押す力が所定以上になって、アンカー21の上端が後側に移動すると共に、支圧板14Aが後側に移動しても、これと共に斜め支柱13の下部及び主支柱11の下部が移動し、支柱構造3の性能を保持することができる。
このように本実施例では、さらに、請求項5に対応して、前記固定手段がアンカー21であり、設置場所たる斜面2に1本のアンカー21により支圧板14Aを固定し、主支柱11の下部を前記斜め支柱13の下部より後方で支圧板14Aに回動且つ所定範囲で前後移動可能に設けたから、支圧板14Aを後側下方に押す力が大となって、アンカー21の上端と支圧板14Aが後側に移動しても、斜め支柱13の下部と共に、主支柱11の下部も移動し、支柱構造3の性能を保持することができる。また、主支柱11の下部が回動可能で且つ所定範囲で前後方向移動可能に設けられているから、下後ロープ材32に張力が発生して主支柱11が後に移動すると、前後ロープ材33に張力が発生して釣り合うことができ、主支柱11の下部に応力が集中することがない。また、この例においても、アンカー21の位置より前方で支圧板14Aに斜め支柱13の下部を枢着部15により連結したから、請求項3に対応して、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、後上,後下,前後ロープ材は、2本又は2本以上でよい。また、それら後上,後下ロープ材を2本にしたなら、緩み復元装置も2本のロープ材に対応して、2個にすることができる。さらに、後上,後下ロープ材の一方のみに緩み復元装置を設けてもよい。さらに、前後ロープ材33は、斜め支柱13下部と主支柱11の下部との間隔が広がることを規制する部材であるから、前後ロープ材の前側を斜め支柱下部に直接連結する必要はなく、前後ロープ材の下部側である支圧板に連結してもよい。
1 雪崩予防柵(防護体)
2 斜面(設置場所)
3 支柱構造
4 網体
11 主支柱
13 斜め支柱
14 支圧板
14A 支圧板
21 アンカー(固定手段)
31 後上ロープ材
32 後下ロープ材
33 前後ロープ材
2 斜面(設置場所)
3 支柱構造
4 網体
11 主支柱
13 斜め支柱
14 支圧板
14A 支圧板
21 アンカー(固定手段)
31 後上ロープ材
32 後下ロープ材
33 前後ロープ材
Claims (9)
- 設置場所に立設する主支柱と、この主支柱と交差して設けられ前記主支柱の前側に下部が位置する斜め支柱と、前記主支柱の上部と斜め支柱の上部とを連結する上後連結材と、前記斜め支柱の上部と主支柱の下部とを連結する下後連結材と、前記斜め支柱の下部を前記設置場所に固定する固定手段とを備えることを特徴とする防護体の支柱構造。
- 前記主支柱の下部と前記斜め支柱の下部側とを連結する前後連結材とを備えることを特徴とする請求項1記載の防護体の支柱構造。
- 前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記アンカー位置より前方で前記支圧板に前記斜め支柱の下部を連結したことを特徴とする請求項1又は2記載の防護体の支柱構造。
- 前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記斜め支柱の下部を前記支圧板に連結すると共に、前記主支柱の下部を前記支圧板に連結したことを特徴とする請求項1記載の防護体の支柱構造。
- 前記固定手段がアンカーであり、前記設置場所に前記アンカーにより支圧板を固定し、前記斜め支柱の下部を前記支圧板に連結すると共に、前記主支柱の下部を前記支圧板に回動且つ所定範囲で前後移動可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の防護体の支柱構造。
- 前記主支柱と斜め支柱との一方を2本、他方を1本備えると共に、前記2本の一方の間に前記1本の他方を配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の防護体の支柱構造。
- 前記一方が前記主支柱であり、前記他方が前記斜め支柱であることを特徴とする請求項6記載の防護体の支柱構造。
- 前記連結材がロープ材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の防護体の支柱構造。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の支柱構造を複数間隔をおいて配置し、前記主支柱の上部位置と斜め支柱の下部側位置と各支柱構造との間に網体を張設したことを特徴とする防護体。
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JP2005250275A JP2007063831A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 防護体の支柱構造とその防護体 |
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- 2005-08-30 JP JP2005250275A patent/JP2007063831A/ja active Pending
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