JP2007063808A - コンクリート部材の亀裂補修具 - Google Patents

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英明 大野
Hayato Kaneko
隼人 金子
Yasutomi Aiko
安富 愛甲
Shinji Miyamae
晋爾 宮前
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Abstract


【課題】 コンクリート部材に発生した細長い亀裂、特に直線状に入った亀裂の補修にかかる作業を簡素化できる亀裂補修具を提供する。
【解決手段】 亀裂補修具1には電柱Pの亀裂C部分を覆うゴム部材10が設けられ、このゴム部材10において電柱Pへの当接面11には、補修剤Rを亀裂Cに沿って案内する案内溝14が設けられている。これにより、長い亀裂Cにも一度の注入作業で補修剤Rを充填することができる。また、亀裂補修具1は、押さえ板20およびゴム部材10を電柱Pごと巻き付け固定可能なナイロンバンド25によって、電柱Pに巻き付けられる。これにより、固定作業にかかる時間を短縮でき、補修作業を簡素化できるとともに、亀裂補修具1の再利用が可能となる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、コンクリート部材に発生した亀裂の補修に用いる亀裂補修具に関するものである。
電柱に使用されるコンクリート管は、ヒューム管と称されるパイプ状のコンクリート製品である。このヒューム管は以下のようにして製造される。まず、半筒状の型枠の一対を結合し、内部にコンクリートを注入しつつ回転させる(遠心成形)。すると、遠心力によってコンクリートは型枠の内面に押し付けられながら均等に広がり、円筒を形成する。次いで、形成された円筒を養生することによって、ヒューム管が完成する。
ここで、ヒューム管において一対の型枠の合わせ目に対応する部分は、遠心成形時にバリが発生するなど構造的に弱くなりがちな部分であり、ここには、後々直線状の亀裂を生じることがある。
このような亀裂を補修するための工法のひとつとして、亀裂に補修剤を注入する注入工法がある。この注入工法に用いる補修具として、特許文献1に記載の亀裂補修用注入器が知られている。この注入器は、手持ちポンプのシリンダ先端に筒状の安定脚体を取り付けたものであり、この安定脚体の先端にはフランジ状の先広部が形成されている。注入を行う際には、安定脚体の先広部をコンクリート壁の表面において亀裂の生じている部分に当接させ、モルタル等の固定材で固定した状態で、手持ちポンプを操作して補修剤を亀裂に押し出し注入する。
特開平6−2443号公報
しかしながら、上記のような構造では、注入器の固定にモルタル等の固定材を用いるため、固定材の硬化時間の分だけ補修作業が長引いてしまう。また、使用後の安定脚体を再利用することができないため、資源の無駄遣いとなる。
さらに、亀裂が長い場合には、補修剤が途中で目詰まり等を起こすため、一箇所からの注入により亀裂の全長にわたって補修剤を行き渡らせることが困難である。このため、所定の距離をおいて複数個の注入器を固定し、シリンダによる注入作業も複数回行う必要がある。加えて、目詰まりした部分から補修剤が大きく溢れ出すため、補修剤が無駄になるとともに、注入後に漏出した補修剤をはつり取る作業が必要となる。このため、補修作業が煩雑なものとなっていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コンクリート部材に発生した細長い亀裂、特に直線状に入った亀裂の補修にかかる作業を簡素化できる亀裂補修具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、コンクリート部材の表面に直線状に入った亀裂を補修するための亀裂補修具であって、前記コンクリート部材の亀裂部分を覆う弾性部材と、前記弾性部材に取り付けられるとともに補修剤を注入するための補修剤注入孔が設けられた注入部材と、前記弾性部材を前記コンクリート部材の表面に圧接固定する固定部材と、を備えるとともに、前記弾性部材において前記コンクリート部材に当接する当接面には、前記補修剤注入孔に連通するとともに前記補修剤を前記亀裂に沿って案内する案内溝が形成されているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記弾性部材において前記当接面とは逆側の面にはこの弾性部材を押さえる押さえ板が設けられているとともに、前記固定部材が、この押さえ板および前記弾性部材を前記コンクリート部材ごと巻き付け固定可能な固定用バンドであるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記亀裂補修具において前記案内溝の長さ方向の端部には、この亀裂補修具を他の亀裂補修具と連結可能な連結部材が設けられているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記弾性部材が、前記コンクリート部材との当接面側に配されるクッション層と、前記コンクリート部材との当接面側とは逆側に配されるとともに前記クッション層よりも硬質の硬質層との積層構造となっているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、亀裂補修具にはコンクリート部材の亀裂部分を覆う弾性部材が設けられ、この弾性部材においてコンクリート部材への当接面には、補修剤を亀裂に沿って案内する案内溝が設けられている。このような構成によれば、案内溝により補修剤が案内されるから、溝の全長にわたって補修剤を行き渡らせることができ、長い亀裂にも一度の注入作業で補修剤を充填することができる。また、亀裂の周囲が弾性部材により覆われており、補修剤の亀裂からのはみ出しは案内溝の体積分に限られる。このため、補修剤の無駄を減らすことができるとともに、はみ出した補修剤の除去は、ふき取り作業程度の容易なものとすることができる。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、弾性部材において当接面とは逆側の面にはこの弾性部材を押さえる押さえ板が設けられているとともに、固定部材が、この押さえ板および弾性部材をコンクリート部材ごと巻き付け固定可能な固定用バンドである。このような構成によれば、弾性部材は固定用バンドの締付力により容易にコンクリート部材に圧接され、固定材により固着する必要がないから、固定材の硬化に要していた分だけ作業時間を短縮でき、補修作業を簡素化できるとともに、補修具の再利用が可能となる。また、押さえ板によって固定用バンドの締付圧を弾性部材の広い範囲にわたって均等に伝えることができ、弾性部材全体をコンクリート部材の表面に均等に圧接することができる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、亀裂補修具において案内溝の長さ方向の端部には、この亀裂補修具を他の亀裂補修具と連結可能な連結部材が設けられている。このような構成によれば、亀裂の長さに応じて亀裂補修具を案内溝の長さ方向に複数個連ねて使用することができるから、長い亀裂にも容易に対応することができる。
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、弾性部材が、コンクリート部材との当接面側に配されるクッション層と、コンクリート部材との当接面側とは逆側に配されるとともにクッション層よりも硬質の硬質層との積層構造となっている。このような構成によれば、クッション層のクッション作用により、例えば電柱のように表面が曲面をなすコンクリート部材にも弾性部材を密着させることができる。一方、硬質層の存在によって、弾性部材に強い圧接力が加えられても、案内溝の溝形状をある程度保持してその案内機能を損なわないようにすることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図11によって説明する。
本実施形態では、本発明を、電柱Pに生じる直線状の亀裂Cを補修するために適用する場合について説明する。ところで、電柱Pはヒューム管と称されるパイプ状のコンクリート管により構成されており、製造時の型枠の合わせ目に対応する部分に、上下方向に延びる直線状の亀裂Cを生じることがある。本実施形態の亀裂補修具1は、このような直線状の亀裂Cの補修に適したものである。
図1には、本実施形態における亀裂補修具1が2個連結された状態を表す外観斜視図を、図2には、亀裂補修具1をゴム部材10側から視た斜視図を示した。なお、各構成部材において、図1の左上方を上側、右下方を下側として説明する。
亀裂補修具1は全体として上下方向に長い角柱状をなし、電柱Pの亀裂C部分を覆うゴム部材10(本発明の弾性部材に該当する)と、このゴム部材10を押さえる押さえ板20とを備えている。
ゴム部材10は、図1および図2に示すように、電柱Pとの当接面11側に配されるクッションゴム12(本発明のクッション層に該当する)と、当接面11側とは逆側に配されるとともにクッションゴム12よりも硬質な硬質ゴム13(本発明の硬質層に該当する)との積層構造となっており、全体として縦長の厚板状をなしている。クッションゴム12は薄板状をなし、一方、硬質ゴム13は、クッションゴム12よりも層厚が厚く、かつわずかに幅広の厚板状に形成されている。
硬質ゴム13においてクッションゴム12が積層されている側の面には、溝部14Aが設けられている。溝部14Aは、硬質ゴム13の上下両端部を残して形成された上下方向に長い溝であり、硬質ゴム13の幅方向ほぼ中央位置に設けられている。この溝部14Aは、深さ方向に向けて次第に幅が狭くなった断面台形状をなす(図8を併せて参照)。一方、クッションゴム12においてこの溝部14Aに対応する位置には、溝部14Aの開口よりもやや幅広に形成されるとともに厚さ方向に貫通する開口部14Bが形成されている。これら溝部14Aと開口部14Bとは、ゴム部材10の当接面11側に開口して補修剤Rを亀裂Cに沿って案内する案内溝14を構成している。また、硬質ゴム13において溝部14Aの長さ方向ほぼ中央位置には、案内溝14と後述の補修剤注入孔22とを連通する連通孔16が設けられている。この連通孔16は、溝部14Aの奥面15からゴム部材10において当接面11とは逆側の面に向かって硬質ゴム13を厚さ方向に貫通している。
ゴム部材10において当接面11とは逆側の面には、このゴム部材10を押さえる押さえ板20が設けられている。この押さえ板20は木製もしくは合成樹脂製であって、ゴム部材10のほぼ全面を覆う厚板状をなし、その厚みはゴム部材10の厚みよりやや厚くされている。
押さえ板20においてゴム部材10の連通孔16に対応する位置、言い換えると、押さえ板20の長さ方向ほぼ中央位置には、円筒状の樹脂ナット21(本発明の注入部材に該当する)が埋設されている(図3を併せて参照)。この樹脂ナット21の軸線方向の高さは、押さえ板20の厚みよりもやや大きくされている。そして、樹脂ナット21は、軸線方向の一端をゴム部材10に当接させるとともに、他端を押さえ板20からゴム部材10とは逆側に突出させた姿勢で埋め込まれている。また、樹脂ナット21の中心軸に沿って貫通する孔は、補修剤Rを注入するための補修剤注入孔22とされている。この補修剤注入孔22の内周面はねじ切りされており、後述する注入用シリンダ30の注出部31がこの補修剤注入孔22に螺合されるようになっている。
押さえ板20においてゴム部材10側の面とは逆側の面である押さえ面23にはバンド引っ掛け部24が設けられている。バンド引っ掛け部24は、樹脂ナット21の上方に1箇所配されている。このバンド引っ掛け部24は、鋼製の丸棒等によって形成されており、その一端は押さえ板20に埋め込まれ、他端は押さえ面23から略垂直方向に少しだけ突出したのち下側に向けて曲げられている。この下側に曲げられた部分と押さえ面23との間の隙間に、仮固定用のゴムバンド26が入り込んで位置決めされるようになっている。
亀裂補修具1を固定するためのナイロンバンド25(本発明の固定用バンドに該当する)は、押さえ板20およびゴム部材10を電柱Pごと巻き付け可能なものである。このナイロンバンド25は張線器(図示せず)を備えており、この張線器のレバーを反復手動操作することにより、ナイロンバンド25を締め上げることができるようになっている。各亀裂補修具1は、上下2箇所において、ナイロンバンド25により電柱Pに巻き付け固定されて使用される。
亀裂補修具1は、図1に示すように、その長さ方向の端部に蝶番40(本発明の連結部材に該当する)を設けることにより、他の亀裂補修具1と連結可能とされている。この蝶番40を介して複数の亀裂補修具1は互いに着脱自在に連結される。これにより、亀裂Cの長さに応じて複数個の亀裂補修具1を連結して使用することができる。
亀裂補修具1に補修剤Rを注入するための注入用シリンダ30は、円筒状に形成されるとともにその一端部に径小の注出部31を備えたシリンダ部32と、このシリンダ部32内に挿入されているピストン部33とを備えたものである。注出部31の外周面はねじ切りされ、補修剤注入孔22にねじ付け可能とされている(図5を併せて参照)。なお、補修剤Rとしては、例えばシリカ化合物を含む無機系のコンクリート改質剤、低粘性エポキシ樹脂剤等、各種補修剤が用途に応じて使用されるが、使用後に付着した補修剤Rを水洗して亀裂補修具1を再利用するという観点から、無機系のコンクリート改質剤(例えば(株)アストン製「CS−21」)を使用することが好ましい。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
亀裂補修具1は、その亀裂Cの長さに合わせて複数個の亀裂補修具1を連結して使用することが可能であるが、ここでは、1個の亀裂補修具1を単独で使用する場合について説明する。
最初に、亀裂補修具1を電柱Pに固定する。図3には、亀裂補修具1を電柱Pに取り付ける前の状態を表す側断面図を、図4には、亀裂補修具1が電柱Pの亀裂C部分に当接された状態を表す側断面図を示した。まず、亀裂補修具1を、案内溝14が電柱Pの表面に入った亀裂Cに沿うようにして電柱Pに対し位置決めする。次いで、ゴムバンド26を亀裂補修具1の押さえ面23とバンド引っ掛け部24との間に通し、押さえ板20ごと電柱Pに巻き付けて、亀裂補修具1を仮固定する。この状態で、亀裂補修具1の上下2箇所において、ナイロンバンド25を押さえ板20ごと電柱Pに巻き付け、張線器により締め付けつつ固定する。このとき、ナイロンバンド25の締付圧によって押さえ板20が電柱P側へ押しつけられ、その押圧力によってゴム部材10が電柱Pの表面に圧接される。ここで、押さえ板20はゴム部材10のほぼ全面にわたって設けられているから、ナイロンバンド25の締付圧を押さえ板20を介してゴム部材10のほぼ全体にわたって均等に伝えることができ、ゴム部材10の当接面11のほぼ全体を電柱Pの表面に密着させることができる。
また、電柱Pは円筒状のヒューム管により構成されているので、その表面は水平方向に湾曲している。ここで、ゴム部材10は2層構造となっており、電柱Pと当接する当接面11側が柔らかいクッションゴム12とされているから、電柱Pの表面形状に合わせてこのクッションゴム12が弾縮変形し、電柱Pの表面に密着する。一方、案内溝14の溝形状は、硬い硬質ゴム13の存在によって、押さえ板20の押圧力で潰されることなくある程度保持されている(図8を併せて参照)。
次に、注入用シリンダ30を亀裂補修具1に取り付ける。図5および図6には、電柱Pに固定された亀裂補修具1に注入用シリンダ30を取り付ける前の状態を表す斜視図および側断面図を、図7および図8には、電柱Pに固定された亀裂補修具1に注入用シリンダ30を取り付けた状態を表す側断面図および平断面図を示した。亀裂補修具1に注入用シリンダ30を取り付けるには、シリンダ部32内に必要量の補修剤Rを吸引した後、注出部31を樹脂ナット21の補修剤注入孔22に螺合させて固定する。
次いで、補修剤Rの注入を行う。図9には、補修剤Rが亀裂Cに注入されている様子を表す側断面図を、図10には、亀裂Cに補修剤Rが充填された状態を表す側断面図を示した。注入用シリンダ30のピストン部33をシリンダ部32内に押し込むと、注出部31から補修剤Rが押出され、連通孔16を介して案内溝14に送り込まれる。連通孔16から送り込まれた補修剤Rは、案内溝14に沿って上下方向に案内されつつ亀裂Cの奥方に向かって送り込まれていく。このように、亀裂Cに沿って存在する案内溝14により補修剤Rが案内されるから、案内溝14の全長、すなわち亀裂Cの全長にわたって補修剤Rを行き渡らせることができ、長い亀裂Cにも一度の注入作業で補修剤Rを充填することができる。
補修剤Rの注入作業が終わったら、ナイロンバンド25を緩め、亀裂補修具1を電柱Pから取り外す。図11には、補修剤R充填後に電柱Pから亀裂補修具1が取り外された状態を表す側断面図を示した。亀裂Cの表側には、案内溝14の体積分だけ補修剤Rがはみ出した形態で残されている。そこで、この亀裂Cからはみ出している補修剤Rをふき取るとともに、亀裂補修具1に付着している補修剤Rを洗い流して補修作業を終える。このとき、電柱Pの表面にはゴム部材10が圧接されており、補修剤Rが亀裂Cと案内溝14によって構成された空間よりも外に漏れ出すことはないから、亀裂Cからの補修剤Rのはみ出しは案内溝14の体積分に限られる。このため、補修剤Rの無駄を減らすことができるとともに、はみ出した補修剤Rのふき取りを容易におこなうことができる。
以上説明したように本実施形態によれば、亀裂補修具1には電柱Pの亀裂C部分を覆うゴム部材10が設けられ、このゴム部材10において電柱Pへの当接面11には、補修剤Rを亀裂Cに沿って案内する案内溝14が設けられている。これにより、案内溝14により補修剤Rが案内されるから、溝の全長にわたって補修剤Rをスムーズに行き渡らせることができ、長い亀裂Cにも一度の注入作業で補修剤Rを充填することができる。したがって、従来のように、所定の距離をおいて複数個の注入器を固定したり、複数回の注入作業を行ったりする必要がなく、補修作業の簡素化が図られる。また、補修剤Rの亀裂Cからのはみ出しは、案内溝14の体積分に限られるから、補修剤Rが大きく漏れ出したりするのに比べ、補修剤Rの無駄を減らすことができるとともに、はみ出した補修剤Rのふき取り作業を容易なものとすることができる。
また、ゴム部材10において当接面11とは逆側の面にはこのゴム部材10を押さえる押さえ板20が設けられ、亀裂補修具1は、この押さえ板20およびゴム部材10を電柱Pごと巻き付け固定可能なナイロンバンド25によって、電柱Pに巻き付けられる。すると、ナイロンバンド25の締付力によりゴム部材10は容易に電柱Pに圧接される。したがって、ゴム部材10を固定材により固着する必要がないから、固定材の硬化に要していた分だけ作業時間を短縮できる。また、ナイロンバンド25を巻き付けるだけで亀裂補修具1を電柱Pに簡単に固定できるから、固定作業に手間がかからず、補修作業を簡素化できる。さらに、使用後の亀裂補修具1は、取り外してそのまま再利用することができるから、資源を無駄にしなくてすむ。また、押さえ板20によってナイロンバンド25の締付圧をゴム部材10の広い範囲にわたって均等に伝えることができ、ゴム部材10全体を電柱Pの表面に均等に圧接することができる。
さらに、ゴム部材10が、電柱Pとの当接面11側に配されるクッションゴム12と、電柱Pとの当接面11側とは逆側に配されるとともにクッションゴム12よりも硬質の硬質ゴム13との積層構造となっている。これにより、クッションゴム12のクッション作用により、表面が曲面をなす電柱Pにもゴム部材10を密着させることができる。一方、硬質ゴム13の存在によって、ゴム部材10に強い圧接力が加えられても、案内溝14の溝形状をある程度保持してその案内機能を損なわないようにすることができる。
また、亀裂補修具1において案内溝14の長さ方向の端部に蝶番40を設けることにより、亀裂Cの長さに応じて、亀裂補修具1を案内溝14の長さ方向に複数個連ねて使用することができる。これにより、長い亀裂Cにも容易に対応することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、電柱Pに生じた亀裂Cの補修に亀裂補修具1を用いる場合について説明したが、本発明の亀裂補修具は電柱以外の各種コンクリート部材、特に柱状のコンクリート部材に対して広く適用可能であり、例えば、コンクリート製の橋脚や建築物の柱もしくは梁等に生じる直線状の亀裂の補修にこの亀裂補修具を用いることにより、その補修にかかる作業を簡素化することができる。
(2)上記実施形態では、案内溝14は全体として断面台形状をなしているが、案内溝内を補修剤が通過可能であればその断面形状はどのような形状でも構わず、例えば、全体として矩形状とされていてもよい。
(3)上記実施形態では、樹脂ナット21は押さえ板20の長さ方向ほぼ中央位置1箇所に埋設されているが、これに限らず、樹脂ナットは押さえ板のどの位置に、また、何箇所設けられていてもよく、例えば、押さえ板の上部と下部に1箇所ずつ、計2箇所に設けられていてもよい。
(4)上記実施形態では、円筒状の樹脂ナット21を用いることにより、その中心軸に沿って貫通する孔を補修剤Rを注入するための補修剤注入孔22としているが、これに限らず、亀裂補修具に補修剤を注入可能な孔が備えられていればよく、例えば、押さえ板に直接孔をあけ、その孔を補修剤を注入するための孔としてもよい。
(5)上記実施形態では、各亀裂補修具1は、それぞれ上下2箇所においてナイロンバンド25で電柱Pに巻き付け固定されるようになっているが、亀裂補修具が電柱に固定されるのであれば巻き付け箇所は2箇所でなくても構わず、例えば1箇所もしくは3箇所以上であってもよい。
(6)上記実施形態では、亀裂補修具1は蝶番40を介して連結可能とされているが、亀裂補修具同士を連結できるものであればその連結部材は蝶番でなくても構わない。
(7)上記実施形態では、ナイロンバンド25を用いて亀裂補修具1を電柱Pに巻き付け固定しているが、巻き付け固定するために用いる固定用バンドは亀裂補修具を電柱ごと巻き付け固定可能なものであればナイロンバンドでなくても構わず、例えば、ゴムバンドや紐等を用いて亀裂補修具を電柱に巻き付け固定してもよい。
(8)上記実施形態では、ゴム部材10にこのゴム部材10を押さえるための押さえ板20を設けたが、本発明によれば、必ずしも押さえ板を設ける必要はない。
本実施形態における亀裂補修具が2個連結された状態を表す外観斜視図 亀裂補修具をゴム部材側から視た斜視図 亀裂補修具を電柱に取り付ける前の状態を表す側断面図 亀裂補修具が電柱の亀裂部分に当接された状態を表す側断面図 電柱に固定された亀裂補修具に注入用シリンダを取り付ける前の状態を表す斜視図 電柱に固定された亀裂補修具に注入用シリンダを取り付ける前の状態を表す側断面図 電柱に固定された亀裂補修具に注入用シリンダを取り付けた状態を表す側断面図 電柱に固定された亀裂補修具に注入用シリンダを取り付けた状態を表す平断面図 補修剤が亀裂に注入されている様子を表す側断面図 亀裂に補修剤が充填された状態を表す側断面図 補修剤充填後に電柱から亀裂補修具が取り外された状態を表す側断面図
符号の説明
C…亀裂
P…電柱(コンクリート部材)
R…補修剤
1…亀裂補修具
10…ゴム部材(弾性部材)
11…当接面
12…クッションゴム(クッション層)
13…硬質ゴム(硬質層)
14…案内溝
20…押さえ板
21…樹脂ナット(注入部材)
22…補修剤注入孔
25…ナイロンバンド(固定用バンド)
40…蝶番(連結部材)

Claims (4)

  1. コンクリート部材の表面に直線状に入った亀裂を補修するための亀裂補修具であって、
    前記コンクリート部材の亀裂部分を覆う弾性部材と、
    前記弾性部材に取り付けられるとともに補修剤を注入するための補修剤注入孔が設けられた注入部材と、
    前記弾性部材を前記コンクリート部材の表面に圧接固定する固定部材と、を備えるとともに、
    前記弾性部材において前記コンクリート部材に当接する当接面には、前記補修剤注入孔に連通するとともに前記補修剤を前記亀裂に沿って案内する案内溝が形成されていることを特徴とする亀裂補修具。
  2. 前記弾性部材において前記当接面とは逆側の面にはこの弾性部材を押さえる押さえ板が設けられているとともに、
    前記固定部材が、この押さえ板および前記弾性部材を前記コンクリート部材ごと巻き付け固定可能な固定用バンドであることを特徴とする請求項1に記載の亀裂補修具。
  3. 前記亀裂補修具において前記案内溝の長さ方向の端部には、この亀裂補修具を他の亀裂補修具と連結可能な連結部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の亀裂補修具。
  4. 前記弾性部材が、前記コンクリート部材との当接面側に配されるクッション層と、前記コンクリート部材との当接面側とは逆側に配されるとともに前記クッション層よりも硬質の硬質層との積層構造となっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の亀裂補修具。
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