JP2007063053A - 圧電磁器組成物及び圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁寿命の低下が抑えられた信頼性の高い圧電磁気組成物及び圧電素子を提供する。
【解決手段】 Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を含む圧電磁器組成物である。150℃での比抵抗値をIR(150℃)、50℃での比抵抗値をIR(50℃)としたときにIR(150℃)/IR(50℃)≧0.05である。還元焼成後、酸素分圧10−5atm以上の雰囲気中でアニール処理することにより作製される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、アクチュエータや圧電ブザー、発音体、センサ等の各種圧電素子の圧電層に用いて好適な圧電磁器組成物に関するものであり、さらには、これを用いた圧電素子に関する。
例えば圧電効果によって発生する変位を機械的な駆動源として利用したアクチュエータは、消費電力や発熱量が少なく、応答性も良好であること、小型化や軽量化が可能であること等の利点を有し、広範な分野で利用されるようになってきている。
この種のアクチュエータに用いられる圧電磁器組成物には、圧電特性、特に圧電歪定数が大きいことが要求され、これを満たす圧電磁器組成物として、例えば、チタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、及び亜鉛・ニオブ酸鉛[Pb(Zn1/3Nb2/3)O]により構成される3元系の圧電磁器組成物や、前記3元系の圧電磁器組成物の構成元素であるPbの一部をSr、Ba、Ca等で置換した圧電磁器組成物等が開発されている。
ただし、これら従来の圧電磁器組成物は、比較的高温で焼成する必要があり、また焼成が酸化性雰囲気下で行われるため、例えば内部電極を同時焼成する積層型アクチュエータ等においては、高い融点を持ち、酸化性雰囲気下で焼成しても酸化されない貴金属(例えば、PtやPd等)を用いる必要がある。その結果、コスト増を招き、製造される圧電素子の低価格化に支障をきたしている。
このような状況から、本願出願人は、前記3元系の圧電磁器組成物に、Fe、Co、Ni、及びCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分、及びSb、Nb及びTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分を加えることにより低温焼成を可能とし、内部電極にAg−Pd合金等の安価な材料を使用可能とすることを提案している(特許文献1を参照)。
特許文献1記載の発明は、前記3元系の圧電磁器組成物や、当該3元系の圧電磁器組成物においてPbの一部をSr、Ba、Ca等で置換した圧電磁器組成物に、Fe、Co、Ni、及びCuから選ばれる少なくとも1種を含む第1副成分と、Sb、Nb及びTaから選ばれる少なくとも1種を含む第2副成分を加えることで、高い圧電歪定数を持ち、低温で焼成しても各種圧電特性を損なうことなく緻密化され、機械的強度が高められた圧電磁器組成物を実現し、この圧電磁器組成物で構成される圧電層を有する圧電素子を提供するというものである。
特開2004−137106号公報
しかしながら、より安価な金属(Cu)を電極材料として用いる場合、前記副成分の添加による低温焼成化だけでは不十分であり、例えば空気中等の酸化性雰囲気での焼成では、低温で焼成したとしても電極材料が酸化し、導電性が損なわれるという不都合が発生するおそれがある。
前記のような不都合を解消するためには、酸素分圧の低い還元雰囲気(酸素分圧が1×10−9〜1×10−6atm程度)において焼成を行う必要がある。ただし、還元雰囲気下で焼成を行った場合、得られた焼成体は空気中で焼成した焼結体に比較して多くの酸素空孔を含むため、絶縁寿命の低下を招く可能性が高い。絶縁寿命が低下すると、製品の信頼性を損なうことになり、大きな問題である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、絶縁寿命の低下が抑えられた信頼性の高い圧電磁気組成物を提供することを目的とし、さらには圧電素子を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明者らは、長期に亘り種々研究を重ねてきた。その結果、例えば焼成後のアニール条件を適正なものとすることで、圧電磁器組成物の焼結体に含まれる酸素空孔を抑えることができること、比率抵抗値の温度変化が焼結体に含まれる酸素空孔の指標となり、これを規定することで絶縁寿命に優れた圧電磁器組成物を実現し得ることを見出すに至った。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の圧電磁器組成物は、Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を含み、150℃での比抵抗値をIR(150℃)、50℃での比抵抗値をIR(50℃)としたときにIR(150℃)/IR(50℃)≧0.05であることを特徴とするものである。また、本発明の圧電素子は、前記圧電磁器組成物を用いたことを特徴とするものである。
本発明の圧電磁器組成物は、前記の通り、150℃での比抵抗値と50℃での比抵抗値の比率を所定の値以上とするものであり、これは比抵抗値の温度変化が小さいことを意味する。この比抵抗値の温度変化は、圧電磁器組成物に含まれる酸素空孔量の指標となり、前記温度変化が小さければ酸素空孔量が少なく、前記絶縁寿命の低下が少ないということになる。
本発明によれば、前記の通り、150℃での比抵抗値と50℃での比抵抗値の比率を規定することにより、酸素空孔の少ない圧電磁器組成物を提供することが可能である。したがって、絶縁寿命に優れ、信頼性の高い圧電磁器組成物及び圧電素子を提供することが可能である。
以下、本発明を適用した圧電磁器組成物及び圧電素子について、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本発明の圧電磁器組成物は、Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を主成分とするものである。ここで、前記複合酸化物は、例えばチタン酸鉛(PbTiO)とジルコン酸鉛(PbZrO)、及び亜鉛・ニオブ酸鉛[Pb(Zn1/3Nb2/3)O]により構成される3元系の複合酸化物や、前記3元系の複合酸化物においてPbの一部をSr、Ba、Ca等で置換した複合酸化物である。
具体的な組成としては、下記(1)式、あるいは(2)式で表される複合酸化物等を挙げることができる。なお、これら(1)式、あるいは(2)式において、酸素の組成は化学量論的に求めたものであり、実際の組成においては、化学量論組成からのずれは許容されるものとする。
Pb[(Zn1/3Nb2/3TiZr]O ・・・(1)
(ただし、0.96≦a≦1.03、0.05≦x≦0.15、0.25≦y≦0.5、0.35≦z≦0.6、x+y+z=1である。)
(Pba−bMe)[(Zn1/3Nb2/3TiZr]O ・・・(2)
(ただし、0.96≦a≦1.03、0<b≦0.1、0.05≦x≦0.15、0.25≦y≦0.5、0.35≦z≦0.6、x+y+z=1である。また、式中のMeは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種を表す。)
前記複合酸化物は、いわゆるペロブスカイト構造を有しており、Pb、及び(2)式における置換元素Meについては、ペロブスカイト構造のいわゆるAサイトに位置する。ZnやNb、Ti、Zrは、ペロブスカイト構造のいわゆるBサイトに位置する。
前記(1)式や(2)式で表される複合酸化物において、Aサイト元素の割合aは、0.96≦a≦1.03であることが好ましい。Aサイト元素の割合aが0.96未満であると、低温での焼成が困難になるおそれがある。逆に、Aサイト元素の割合aが1.03を越えると、得られる圧電磁器の密度が低下し、その結果、十分な圧電特性が得られなくなるおそれがあり、機械的強度も低下するおそれがある。
前記(2)式で表される複合酸化物においては、Pbの一部を置換元素Me(Sr,Ca,Ba)で置換しているが、これにより圧電歪定数を大きくすることができる。ただし、置換元素Meの置換量bが多くなりすぎると、焼結性が低下してしまい、その結果、圧電歪定数が小さくなり、機械強度も低下する。また、キュリー温度も置換量bの増加に伴って低下する傾向にある。したがって、置換元素Meの置換量bは、0.1以下とすることが好ましい。
一方、Bサイト元素のうち、ZnとNbの割合xは、0.05≦x≦0.15とすることが好ましい。前記割合xは焼成温度に影響を与え、この値が0.05未満であると焼成温度を低下させる効果が不足するおそれがある。逆に0.15を越えると、焼結性に影響を及ぼし、その結果、圧電歪定数が小さくなるとともに、機械的強度が低下するおそれがある。
Bサイト元素のうちTiの割合y及びZrの割合zは、圧電特性の観点から好ましい範囲が設定される。具体的には、Tiの割合yは、0.25≦y≦0.5であることが好ましく、Zrの割合zは、0.35≦z≦0.6であることが好ましい。前記範囲内に設定することで、モルフォトロピック相境界(MPB)付近において、大きな圧電歪定数を得ることができる。
本発明の圧電磁器組成物は、前記複合酸化物を主成分とするものであるが、これに加えて副成分を含んでいてもよい。この場合、副成分としては、Ta、Sb、Nb、及びWから選ばれる少なくとも1種である。前記副成分を添加することで、圧電特性及び機械的強度を向上させることができる。ただし、これら副成分の含有量は、酸化物換算で1.0質量%以下とすることが好ましい。例えばTaの場合、Ta換算で1.0質量%以下、Sbの場合、Sb換算で1.0質量%以下、Nbの場合、Nb換算で1.0質量%以下、Wの場合、WO換算で1.0質量%以下である。前記副成分の含有量が、前記酸化物換算で1.0質量%を越えると、焼結性が低下し、圧電特性が低下するおそれがある。
本発明の圧電磁器組成物は、前記の通り、Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を主成分とするものであるが、比抵抗値の温度変化(温度による低下度)が小さいことが特徴である。具体的には、150℃での比抵抗値をIR(150℃)、50℃での比抵抗値をIR(50℃)としたときに、IR(150℃)/IR(50℃)≧0.05である。
圧電磁器組成物の比抵抗値は、温度の上昇とともに低下するが、前記の規定においてはは、その値が大きいほど温度上昇に伴う比抵抗値の低下が小さいことを意味している。理想的には、IR(150℃)/IR(50℃)=1であるが、現実的には難しく、本発明では前記の通り0.05以上とする。より好ましくは、IR(150℃)/IR(50℃)≧0.1である。
前記IR(150℃)/IR(50℃)の値は、圧電磁器組成物の焼結体に含まれる酸素空孔の指標となるものであり、前記規定により、圧電磁器組成物の焼結体に含まれる酸素空孔量が規定されることになる。そして、前記IR(150℃)/IR(50℃)を0.05以上とすることにより、例えば還元雰囲気下で焼成を行った場合においても、絶縁寿命の長い圧電磁器組成物を提供することが可能になる。
前述の圧電磁器組成物は、例えば複数の圧電体層の間に内部電極層を挿入する形で形成した積層型の圧電素子等に使用可能である。以下、本発明の圧電磁器組成物を用いた圧電素子について説明する。
図1は、積層型の圧電素子の一例を示すものである。積層型の圧電素子1は、図1に示すように、複数の圧電体層2の間に内部電極層3が挿入された積層体4を備えており、この積層体4が活性部分として変位に寄与する。圧電体層2の1層当たりの厚さは、任意に設定することができるが、例えば1μm〜100μm程度に設定するのが通常である。積層体4の両側には、不活性領域として内部電極層3が形成されていない圧電層領域を有するが、この部分の圧電層の厚さは、内部電極層3間の圧電体層2の厚さよりも厚く設定される場合もある。
前記内部電極層3は、例えば交互に逆方向に延長されており、各延長方向の端部には、それぞれ内部電極層3と電気的に接続された端子電極5,6が設けられている。前記端子電極5,6は、例えばAu等の金属をスパッタリングすることにより形成されていてもよいし、電極用ペーストを焼き付けることにより形成されていてもよい。端子電極5,6の厚さは、用途や積層型圧電素子1のサイズ等によって適宜設定されるが、通常は、10μm〜50μm程度である。
圧電素子において、前記内部電極層3は、各圧電体層2に電圧を印加する電極としての機能を有するものであり、当然のことながら導電材料により構成される。この場合、導電材料として、Ag、Au、Pt、Pd等の貴金属を用いることもできるが、製造コスト等を考えるとCuやNiを含む電極材料を用いることが好ましい。具体的には、Cuペースト等を塗布することにより前記内部電極層3を形成する。前記Cu等の卑金属を電極材料として用いることで、積層型圧電素子1の製造コストの削減に繋がる。
一方、前記圧電体層2には圧電磁器組成物を用いるが、使用する圧電磁器組成物は、前述の通り、Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を主成分とする圧電磁器組成物である。そして、この圧電磁器組成物においては、150℃での比抵抗値をIR(150℃)、50℃での比抵抗値をIR(50℃)としたときに、IR(150℃)/IR(50℃)≧0.05である。
前述の圧電素子において、Cu等の卑金属を内部電極層3に用いることを考慮すると、還元焼成条件において焼成されたものであることが好ましい。圧電素子の作製に際し、酸化性雰囲気中で焼成すると、内部電極層3の電極材料として貴金属を用いる必要が生ずる。これに対して、還元焼成条件において焼成すれば、安価なCu等を内部電極層3に用いることができる。ここで、還元焼成条件としては、例えば、焼成温度800℃〜1200℃、酸素分圧1×10−10〜1×10−6atmである。
ただし、前記還元焼成条件での焼成を行った場合、酸素空孔の増加による絶縁寿命の低下が問題になる。そこで、圧電素子の作製に際して、例えば前記還元焼成後に所定の酸素分圧を有する雰囲気下でアニール処理することにより、前記酸素空孔を抑え、IR(150℃)/IR(50℃)が0.05以上となるようにする。以下、本発明の圧電素子1の製造するのに好適な製造方法の一例について説明する。
圧電素子1を作製するには、先ず、セラミック前駆体層の形成工程、内部電極原料混合物の形成工程、及びそれらを積層する積層工程を行うが、セラミック前駆体層の形成工程では、圧電体層2の原料を用意し、目的とする組成に応じて秤量した後、バインダー等を加えてセラミック原料混合物とする。圧電体層2の原料には、圧電体層2を構成する元素の酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、水酸化物等が用いられるが、例えば圧電体層2が前記チタン酸ジルコン酸鉛である場合、酸化鉛(PbO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)が原料として用いられる。次いで、このセラミック原料混合物をシート状に成形し、セラミック前駆体層を形成する。
同様に、内部電極原料混合物の形成工程では、内部電極層3の原料である例えば金属銅を用意し、バインダー等を加えて内部電極原料混合物とする。内部電極層3の原料としては、前記金属銅を単独で用いても良いし、他の材料と混合して用いても良い。この場合、他の材料としては、例えば焼成後に金属銅となる銅酸化物あるいは有機銅化合物、さらには金属銅以外の金属や金属酸化物、有機金属化合物等を挙げることができる。また、内部電極原料混合物には、必要に応じて分散剤、可塑剤、誘電体材料、絶縁体材料等の添加物を添加してもよい。
積層工程では、前記内部電極原料混合物を前記セラミック前駆体層上に例えばスクリーン印刷することにより、内部電極前駆体層を形成する。以上により内部電極前駆体層を形成したセラミック前駆体層を複数積層し、セラミック前駆体層と内部電極前駆体層を交互に積層した積層体を得る。なお、前記積層体の形成方法としては、これに限らず、セラミック原料混合物と内部電極原料混合物を交互に印刷することにより形成してもよいし、セラミック原料混合物と内部電極原料混合物をそれぞれシート化した後、積層することにより形成してもよい。
前述の積層工程の後、脱バインダ工程において、得られた積層体に対して脱バインダ処理を行う。脱バインダ工程は、積層体を構成する各セラミック前駆体層、内部電極前駆体層に含まれるバインダ等を加熱により分解除去する工程である。
この脱バインダ処理においても、内部電極前駆体層中の導電材料の酸化を考慮する必要があり、還元性雰囲気下での加熱を採用することが好ましい。一方で、脱バインダ処理において、圧電セラミックス層前駆体に含まれる酸化物、例えばPbOが還元されることも考慮する必要がある。還元の度合いによっては、後述の酸素供給加熱では十分な量の酸素を供給することができないおそれがあるからである。したがって、例えば内部電極材料としてCuを用いた場合、CuとCuOの平衡酸素分圧(以下、単にCuの平衡酸素分圧と称する。)及びPbとPbOの平衡酸素分圧(以下、単にPbの平衡酸素分圧と称する。)に基づいて、脱バインダ処理の雰囲気を適正に設定することが好ましい。
図2は、Cuの平衡酸素分圧及びPbの平衡酸素分圧を示すものであるが、理論的には、前記平衡酸素分圧を示す2つの曲線で囲まれた領域内の酸素分圧で脱バインダ処理を行えば、Pbが還元されることなく、またCuが酸化されることもない。脱バインダ処理は、300℃〜650℃の温度範囲で行うことが好ましいため、脱バインダ処理の雰囲気としては、図中、一点鎖線でハッチングが施された領域、またはその近傍の酸素分圧とすることが好ましい。
なお、脱バインダ処理は、前記の通り、300℃〜650℃の温度範囲で行うことが好ましく、脱バインダ処理の温度が300℃未満であると脱バインダを円滑に行うことができない。逆に、脱バインダ処理の温度が650℃を超えても、温度に見合う脱バインダ効果を得ることができず、エネルギーの浪費につながる。また、脱バインダ処理の時間は、温度及び雰囲気によって定める必要があるが、0.5〜50時間の範囲で選定することができる。さらに、脱バインダ処理は、焼成とは別に独立して行ってもよいし、焼成と連続して行ってもよい。後者の場合、焼成の昇温過程で脱バインダ処理を行えばよい。
脱バインダ処理の後、焼成を行うが、当該焼成は還元性雰囲気で行う。内部電極層に用いるCu等の卑金属の酸化を防止または抑制するためである。具体的にどのような還元性雰囲気を採用するかは、脱バインダ処理と同様に、Cuの平衡酸素分圧及びPbの平衡酸素分圧を考慮する必要がある。焼成は、脱バインダ処理よりも高温で行うので、図2から明らかなように、脱バインダ処理の際の還元性雰囲気よりも高酸素分圧の雰囲気で行うことになる。例えば、焼成は800℃〜1200℃の温度範囲で行うことが推奨されるため、焼成の雰囲気としては、図2中、実線でハッチングが施された領域、またはその近傍の酸素分圧とされた還元性雰囲気とすることが好ましい。具体的には、酸素分圧を10−6〜10−10atmとすることが好ましい。なお、焼成温度が800℃未満であると、緻密な焼結体を得ることができず、1080℃を超えると内部電極を構成する電極材料が溶融するおそれがある。
次に、酸素供給熱処理(いわゆるアニール処理)を行う。この熱処理は、絶縁寿命の低下を防止することを目的として、所定の酸素分圧雰囲気で行う。前記還元性雰囲気での焼成により、圧電セラミック層の結晶粒には、格子欠陥が生じて酸素空孔が増加する。前記所定の酸素分圧雰囲気でのアニール処理により、酸素が補完されることになり、酸素空孔が低減される。
内部電極を卑金属で構成する積層型圧電素子を製造する場合、前記アニール処理の雰囲気は、酸素分圧10−5atm以上であることが好ましく、酸素分圧10−3atm以上であることがより好ましい。なお、前記アニール処理において、熱処理雰囲気が過剰な酸素を含んでいると、卑金属によって構成される内部電極層を酸化させてしまうため、含まれる酸素を規制する必要がある。したがって、酸素分圧は10−1atm未満とすることが好ましい。
また、前記アニール処理において、熱処理温度が低いと圧電セラミック層の結晶粒界あるいは粒内への酸素の供給が困難になる。逆に、熱処理温度が高すぎると、卑金属で構成される内部電極層を酸化させてしまうおそれがある。これらを考慮して、アニール処理の温度は600℃以上とすることが好ましい。ただし、熱処理温度が900℃を超えると、アニールではなく焼成が進行するため、好ましくない。なお、アニール処理の過程における温度は、前記範囲内において、一定であってもよし、変動させてもよい。また、このアニール処理の温度は、先行する焼成の温度よりも低い温度に設定される。
アニール処理の時間は、アニール処理の雰囲気(酸素分圧)、温度によっても変動させる必要があるが、あまり短すぎると酸素供給を十分に行うことができない。また、必要以上に長時間をかけても、効果が飽和するばかりでエネルギーを浪費することになる。したがって、アニール処理の時間は、2時間〜8時間とすることが好ましい。
以上のアニール処理は、焼成工程とは別の独立した工程として行うこともできるし、焼成と連続して行うことも可能である。図3は、アニール処理を焼成工程とは独立して行う場合の温度プロファイルを示すものである。図3に示すように、焼成工程は、昇温過程、保持及び降温過程を含む。アニール処理を焼成工程と独立して行う場合には、焼成工程の降温過程が終了した後に、アニール温度まで昇温し、且つ所定時間保持した後に降温する。このような態様は、例えば焼成とアニール処理とを別の加熱炉を用いて行う場合に適用することができる。
一方、アニール処理を焼成と連続して行う場合には、図4に示すように、焼成の降温過程を利用する。すなわち、図4に示すように、焼成の降温過程において、アニール処理温度域で所定の時間保持することにより、アニール処理を行うことができる。所定時間前記アニール処理温度に保持した後には、焼成の降温過程と同様に降温すればよい。なお、焼成とアニール処理は、雰囲気が前記の通り異なるので、少なくともアニール処理温度に達する前に、焼成雰囲気からアニール処理の雰囲気に変更する必要がある。このような態様は、例えば焼成とアニール処理とを同一の加熱炉を用いて行う場合に適用することができる。
以上の工程を経て作製された積層型圧電素子は、例えばバレル研磨やサンドブラスト等により端面研磨を施し、端子電極用ペーストを印刷または焼き付けることにより端子電極を形成する。なお、端子電極の形成方法はこれに限らず、前記印刷や焼き付けの他に、電極材料をスパッタリングした後、これをパターニングすることにより端子電極を形成することも可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
実験1:アニール処理時の酸素分圧についての検討
圧電磁器組成物は、次のようにして作製した。先ず、主成分の原料として、PbO粉末、SrCO粉末、ZnO粉末、Nb粉末、TiO粉末、ZrO粉末を用意し、下記主成分の組成となるように秤取した。次に、これら原料をボールミルを用いて16時間湿式混合し、大気中において700℃〜900℃で2時間仮焼した。
主成分:(Pb0.965Sr0.03)[(Zn1/3Nb2/30.1Ti0.43Zr0.47]O
得られた仮焼物を微粉砕した後、ボールミルを用いて16時間湿式粉砕した。これを乾燥した後、バインダとしてアクリル系樹脂を加えて造粒し、1軸プレス成形機を用いて約445MPaの圧力で直径17mm、厚さ1mmの円板状に成形した。成形した後、粒径1.0μmのCu粉末を含むCuペーストを両面に印刷した。得られたペレットを熱処理を行ってバインダを揮発させ、低酸素還元雰囲気中(酸素分圧1×10−10〜1×10−6気圧)において950℃で8時間焼成した。焼成後、酸素分圧10−7atm〜10−1atmの雰囲気中、700℃、2時間のアニール処理を行った。
得られた焼結体をスライス加工及びラップ加工により厚さ0.6mmの円板状とし、印刷したCuペーストを除去すると同時に特性評価が可能な形状に加工した。得られたサンプルの両面に銀ペーストを印刷して350℃で焼き付け、120℃のシリコーンオイル中で3kVの電界を15分間印加し、分極処理を行った。
各アニール処理条件において、それぞれ試料を5個作製し、150℃及び50℃における比抵抗を測定してIR(150℃)/IR(50℃)の値を算出した。また、各試料について、高温負荷寿命試験を行うとともに、高温負荷寿命改善度を評価した。なお、高温負荷寿命試験は、5個の試料について、温度250℃において電界強度が8kV/mmになるように3.2kVの電圧を印加し、その絶縁抵抗の経時変化を求めた。ここでは、各試料の絶縁抵抗が試験開始直後の値を基準として1桁以上低下するまでの時間を寿命時間として計測し、高温負荷寿命とした。高温負荷寿命改善度は、前記寿命時間がゼロである場合を×、絶縁抵抗が1桁低下するまで試料が割れない場合を○、絶縁抵抗が1桁低下するまでに試料が割れてしまった場合を△とした。結果を表1に示す。また、各試料の比抵抗の温度変化の様子を図5に示す。
Figure 2007063053
先ず、図1から明らかなように、アニール処理時の酸素分圧を高めることで、比抵抗の温度変化が少なくなり、酸素分圧を1×10−5atm以上とすることで、150℃における比抵抗の値が1×1012Ω・cmを超えている。また、表1から明らかな通り、酸素分圧の上昇に伴って高温負荷寿命が改善されており、特に酸素分圧1×10−3atm以上では、全ての試料において割れが発生することなく、高温負荷寿命の改善度が高い結果となっている。なお、前記酸素分圧1×10−5atm以上がIR(150℃)/IR(50℃)≧0.05に対応しており、酸素分圧1×10−3atm以上がIR(150℃)/IR(50℃)≧0.1に対応している。
実験2:アニール処理温度についての検討
アニール処理温度を500℃から800℃まで変え、他は先の実験1と同様に圧電磁器組成物の試料を作製した。なお、アニール処理における酸素分圧は1×10−5atm、処理時間は2時間とした。これら試料についても150℃及び50℃における比抵抗を測定してIR(150℃)/IR(50℃)の値を算出するとともに、高温負荷寿命試験を行い、高温負荷寿命改善度を評価した。結果を表2に示す。また、アニール処理温度の相違による比抵抗の温度変化の相違を図6に示す。
Figure 2007063053
表2や図6からも明らかな通り、アニール処理温度を600℃以上とすることにより、IR(150℃)/IR(50℃)≧0.05となっており、絶縁寿命の改善効果が見られる。
実験3:アニール処理時間についての検討
アニール処理時間を2時間から8時間まで変え、他は先の実験1と同様に圧電磁器組成物の試料を作製した。なお、アニール処理における酸素分圧は1×10−5atm、アニール処理温度は700℃とした。これら試料についても150℃及び50℃における比抵抗を測定してIR(150℃)/IR(50℃)の値を算出するとともに、高温負荷寿命試験を行い、高温負荷寿命改善度を評価した。結果を表3に示す。また、アニール処理時間の相違による比抵抗の温度変化の相違を図7に示す。
Figure 2007063053
表3や図7からも明らかな通り、アニール処理時間を2時間以上とすることにより、IR(150℃)/IR(50℃)≧0.05となっており、絶縁寿命の改善効果が見られる。
実験4:アニール処理による酸素空孔量の変化
還元焼成後、酸素分圧10−5atmの雰囲気中、700℃、2時間のアニール処理を行った圧電磁器組成物について、CL(カソードルミネッセンス)スペクトルを測定した。カソードルミネッセンスとは、高速に加速された電子を物質に照射した場合に、結晶の価電子帯にある電子が励起され、それが再結合する過程で発生する光のことを言い、半導体等の格子欠陥を観察する手法として用いられている。
解析に際しては、焼成したサンプルを樹脂に埋め込んでから研磨し、1.0μmのダイヤモンドペーストによる鏡面仕上げをした後、カーボン蒸着を行った。そして、このカーボン蒸着面についてカソードルミネッセンスの測定を行った。測定装置としては、島津製作所社製、X線マイクロアナライザEMX−SM形に取り付けられているカソードルミネッセンス検出装置を用いた。CLスペクトルの測定条件は、加速電圧25keV、照射電流200mA、波長走査速度2000Å/分、ビーム径200μm、積算時間2000m秒である。結果を図8に示す。なお、図8には、空気中で焼成したサンプル及び還元焼成(アニール処理無し)したサンプルの測定結果も併せて示す。
図8から明らかなように、アニール処理した圧電磁器組成物では、単に還元焼成した圧電磁器組成物に比べてCLピーク強度が低下している。CLピーク強度は酸素空孔量に比例するものと推測され、アニール処理により酸素空孔が減少したものと推測される。
積層型圧電素子の一構成例を示す概略断面図である。 Cuの平衡酸素分圧曲線及びPbの平衡酸素分圧曲線を示す特性図である。 焼成とは別にアニール処理を行う場合の温度プロファイルの一例を示す図である。 焼成後の降温過程においてアニール処理を行う場合の温度プロファイルの一例を示す図である。 アニール処理時の酸素分圧による比抵抗の温度変化の相違を示す特性図である。 アニール処理温度による比抵抗の温度変化の相違を示す特性図である。 アニール処理時間による比抵抗の温度変化の相違を示す特性図である。 CLスペクトルの測定結果を示す特性図である。
符号の説明
1 圧電素子、2 圧電体層、3 内部電極、4 積層体、5,6 端子電極

Claims (11)

  1. Pb、Ti、及びZrを構成元素とする複合酸化物を含み、150℃での比抵抗値をIR(150℃)、50℃での比抵抗値をIR(50℃)としたときにIR(150℃)/IR(50℃)≧0.05であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. IR(150℃)/IR(50℃)≧0.1であることを特徴とする請求項1記載の圧電磁器組成物。
  3. 還元焼成条件で焼成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の圧電磁器組成物。
  4. 前記還元焼成条件は、焼成温度800℃〜1200℃、酸素分圧1×10−10〜1×10−6atmであることを特徴とする請求項3記載の圧電磁器組成物。
  5. 前記還元焼成後、酸素分圧10−5atm以上の雰囲気中でアニール処理されたものであることを特徴とする請求項3または4記載の圧電磁器組成物。
  6. 前記アニール処理におけるアニール温度が600℃以上であり、アニール時間が2時間以上であることを特徴とする請求項5記載の圧電磁器組成物。
  7. 前記複合酸化物としてPb[(Zn1/3Nb2/3TiZr]O(ただし、0.96≦a≦1.03、0.05≦x≦0.15、0.25≦y≦0.5、0.35≦z≦0.6、x+y+z=1である。)で表される複合酸化物、及び(Pba−bMe)[(Zn1/3Nb2/3TiZr]O(ただし、0.96≦a≦1.03、0<b≦0.1、0.05≦x≦0.15、0.25≦y≦0.5、0.35≦z≦0.6、x+y+z=1である。また、式中のMeは、Sr、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種を表す。)で表される複合酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の圧電磁器組成物。
  8. 副成分として、Ta、Sb、Nb及びWから選ばれる少なくとも1種を含有し、前記副成分の含有量が酸化物換算で1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の圧電磁器組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか1項記載の圧電磁器組成物を用いたことを特徴とする圧電素子。
  10. 圧電磁器組成物により形成された複数の圧電体層と、これら圧電体層間に挿入する形で形成された内部電極層とを備えることを特徴とする請求項9記載の圧電素子。
  11. 前記内部電極層は、CuまたはNiを含有することを特徴とする請求項10記載の圧電素子。
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