JP2007062364A - 中空発泡成形体の製造方法および中空発泡成形体 - Google Patents

中空発泡成形体の製造方法および中空発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、軽量、薄肉で且つ厚さの均一な中空発泡成形体を製造可能な発泡ブロー成形方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の中空発泡成形体の製造方法においては、物理発泡剤を含有するポリプロピレン系発泡性溶融樹脂をダイ3から押し出して軟化状態の発泡パリソン2を形成し、該発泡パリソン2を金型4に挟み込んで発泡パリソン内側に気体を吹き込み所望形状に成形し、その後金型4から取り出して、平均成形体厚さ及び成形体厚さの変動係数Cvが特定範囲内の中空発泡成形体を得る方法であって、平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1であり、且つスウェルSが2.5以下であるポリプロピレン系樹脂を用いて発泡パリソンの発泡層21を形成し、得られる中空発泡成形体の発泡層の見かけ密度を0.35〜0.65g/cmに形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡ブロー成形による中空発泡成形体の製造方法および中空発泡成形体に関する。
近年、発泡ブロー成形により発泡層を有する中空成形体を製造することが行われるようになってきた。発泡ブロー成形としては、従来より種々の方法が提案されているが、押出機により発泡剤と基材樹脂とを溶融混練し、これをダイより押出して筒状の発泡パリソンを形成し、この発泡パリソンを金型で挟み込んで成形する方法が一般的である。例えば特許文献1、特許文献2等に記載されている技術が知られている。
このようにして得られた中空発泡成形体は軽量性、断熱性等に優れていることから、例えば、容器、ダクト、自動車部品や電化製品部品等に利用することが可能である。特に、ポリプロピレン系樹脂からなる中空発泡成形体は、耐熱性、剛性にも優れていることから自動車の空調ダクトに使用することが期待されている。
自動車の空調ダクトとしては非発泡樹脂のブロー成形により製造された、従来広く使用されてきたものがある。この自動車用空調ダクトは、限られた空間に設置されるにもかかわらず、一定の風量を確保するため通気抵抗を小さくすることが要求される。そのために、空調ダクトの中空部断面積を広くするために、側壁の厚みの薄い空調ダクトが要求され製造されてきた。
しかしながら、上記の発泡ブロー成形技術では軽量で厚さの薄いポリプロピレン系樹脂からなる中空発泡成形体を得ることができなかった。例えば、化学発泡剤を使用してブロー成形してなるポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体がある。しかし、化学発泡剤を用いると薄肉のものが得られるものの、得られる中空成形体の見かけ密度が0.7g/cmを超えるようなもので軽量性、外観において不十分なものであった。
これに対し、溶融張力の高い特殊なポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として使用し、ブタン等の物理発泡剤を使用してブロー成形してなるポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体がある。しかし、ブタン等の物理発泡剤を用いると、見かけ密度が0.3g/cm以下の軽量な成形体を得ることはできるが、得られる成形体は厚さの厚いものであった。
なお、従来の化学発泡剤を使用するブロー成形技術において、化学発泡剤の使用量を増やしても見かけ密度を0.7g/cm以下で成形体厚みの均一性に優れるポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体を得ることは難しかった。また、従来の物理発泡剤を使用するブロー成形技術において、薄肉のポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体を得るために、押出される発泡パリソンの厚さを薄くしようとして、ダイリップのクリアランスを絞ると大きなコルゲートが発生して、得られる中空発泡成形体の厚さの均一性が低下してしまい、厚みが薄くしかも均一なものを得ることはできず、発泡剤の量を少なくしても得られる中空発泡成形体の厚みは多少薄くなるものの十分に薄くすることはできず厚みの均一性が低下してしまい、やはり、厚みが薄くしかも均一なものを得ることはできなかった。
このような従来のポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体は、厚さが薄く見かけ密度が大きいものか、厚さが厚く見かけ密度が小さいものかのどちらかであった。即ち、従来技術では、その間のもの、具体的には、厚さが1.0〜5.0mmで、見かけ密度が0.35〜0.65g/cmであり、しかも厚み精度の良いポリプロピレン系樹脂中空発泡成形体を得ることが難しかった。
尚、特許文献3や特許文献4に代表されるようなポリプロピレン系樹脂の押出発泡シート成形においては、厚さが1.0mm前後で厚み精度に優れるポリプロピレン系樹脂発泡シートが得られている。発泡シートの押出発泡成形の場合、ダイリップのクリアランスを絞らないでも、厚く且つ厚み精度の良い発泡体をダイから押出し、引取スピードを上げることで強制的に延伸をかけられるため、発泡シートの薄肉化を容易に図れるからである。
しかし、発泡ブロー成形に発泡シートの薄肉化の技術を応用することはできない。即ち、発泡ブロー成形に発泡シート成形の技術を応用することができないのは、発泡パリソンを下方(押出し方向)に引伸ばすことのできる距離に限界があり、しかも後工程に連続する金型成形工程が控えている為、発泡シートの押出発泡成形のように冷却をかけながら伸ばすことが困難なために、発泡パリソンを薄く且つ均一に引き延ばすことができないこと等によるものである。
このような状況下、従来の発泡ブロー成形方法では、薄肉で且つ厚さの均一な中空発泡成形体を製造することができなかった。
国際公開WO99/28111号公報 特開2004−122488号公報 特開平7−266413号公報 特開2004−359917号公報
本発明は、軽量、薄肉で且つ厚さの均一な中空発泡成形体を製造可能な発泡ブロー成形方法および軽量、薄肉で且つ厚さの均一な中空発泡成形体を提供することを目的とする。
上記従来技術の課題に鑑み、本発明者らは、物理発泡剤を使用する発泡ブロー成形において中空発泡成形体の厚さが薄く、厚み精度が高いものを得ることが難しい原因について鋭意研究した結果、ダイから押出された樹脂に樹脂自体のスウェルに加え発泡によるスウェルが生じることで、発泡パリソンの厚さが大きくなることにより、得られる成形体の薄肉化が難しくなっていることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す中空発泡成形体の製造方法が提供される。
〔1〕 物理発泡剤を含有するポリプロピレン系発泡性溶融樹脂をダイから押し出してポリプロピレン系樹脂発泡層を有する軟化状態の発泡パリソンを形成し、該発泡パリソンを金型に挟み込んで発泡パリソン内側に気体を吹き込み所望形状に成形し、その後金型から取り出して、平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下の中空発泡成形体を得る方法であって、平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1であり、且つスウェルSが2.5以下であるポリプロピレン系樹脂を用いて発泡パリソンの発泡層を形成し、得られる中空発泡成形体の発泡層の見かけ密度を0.35〜0.65g/cmに形成することを特徴とする中空発泡成形体の製造方法。
〔2〕 該物理発泡剤が50〜100モル%の二酸化炭素を含有することを特徴とする前記〔1〕に記載の中空発泡成形体の製造方法。
〔3〕 該発泡パリソンの最大幅が中空発泡成形体の最大幅の0.7〜1.5倍となるように、発泡パリソン内側に気体を吹き込んで拡幅することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の中空発泡成形体の製造方法。
〔4〕 発泡パリソンとして、発泡層の外側表面及び/又は内側表面に非発泡熱可塑性樹脂層を有する多層パリソンを用いることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の中空発泡成形体の製造方法。
〔5〕 ポリプロピレン樹脂発泡層を有する中空発泡成形体において、該ポリプロピレン樹脂発泡層の平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1、且つスウェルSが2.5以下、該発泡層の見かけ密度が0.35〜0.65g/cm、該中空発泡成形体の平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下であることを特徴とする中空発泡成形体。
本発明の請求項1に係わる中空発泡成形体の製造方法によれば、特定範囲の平衡コンプライアンス及びスウェルを有するポリプロピレン系樹脂を用いて発泡パリソンの発泡層を形成し、得られる中空発泡成形体の発泡層の見かけ密度を特定範囲に調整するので、厚さが薄く且つ成形体厚さの変動係数Cvが小さい中空発泡成形体を得ることができる。
本発明の請求項2に係わる中空発泡成形体の製造方法によれば、特定量の炭酸ガスを含む物理発泡剤を用いるので、成形サイクルの短縮や得られる中空発泡成形体の寸法安定性を図ることができる。
本発明の請求項3に係わる中空発泡成形体の製造方法によれば、発泡パリソンに気体を吹き込んで、得られる中空発泡成形体の最大幅の0.7〜1.5倍なるように発泡パリソンの最大幅を拡幅するので、得られる中空発泡成形体の厚さの均一性において更に優れたものを得ることができる。
本発明の請求項4に係わる中空発泡成形体の製造方法によれば、非発泡熱可塑性樹脂を設けた多層構造の発泡パリソンを用いるので、強度に優れる中空発泡成形体、外観に優れる中空発泡成形体を得ることができ、更に該樹脂層に機能性添加剤を含有させることにより抗菌性や消臭性等の付加的機能を有する中空発泡成形体を得ることができる。
本発明の請求項5に係わる中空発泡成形体は、軽量、薄肉で且つ厚さの均一な中空発泡成形体である。
以下、本発明の中空発泡成形体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の中空発泡成形体の製造方法は、特定のポリプロピレン系樹脂を用いる発泡ブロー成形により、厚みが薄く均一な中空発泡成形体(以下、単に「成形体」ともいう。)を製造する方法である。尚、本発明における発泡ブロー成形とは、物理発泡剤を含有するポリプロピレン系発泡性溶融樹脂をダイから押し出してポリプロピレン系樹脂からなる発泡層を有する軟化状態の発泡パリソンを形成し、該発泡パリソンを金型に挟み込んで内部に気体を吹き込み所望形状に成形し、その後金型から取り出すことにより、中空発泡成形体を得る方法である。
次に、本発明の中空発泡成形体の製造方法の一例を、図面を用いて説明する。本発明では、図1に示すように、押出機(図示しない)内でポリプロピレン系樹脂と物理発泡剤とを混練して得られる発泡性溶融樹脂をダイ3から低圧域に押出してポリプロピレン系樹脂発泡層21(以下単に「発泡層」ともいう。)を有する発泡パリソン2を形成し、軟化状態にある発泡パリソン2を所望形状の分割形式の金型4、4内に配置し、金型4、4を閉鎖することにより発泡パリソン2を金型に挟み込み、発泡パリソン2の内部に気体吹き込み口5から発泡層21の気泡を破壊しない程度の加圧気体(通常は、空気)を吹き込んで、発泡パリソン2を中空状に成形し、冷却し、金型から取り出すことにより中空発泡成形体を得る。
尚、図1は本発明の製造方法の一例を示す説明図であり、図1中、2は発泡パリソン、21は発泡パリソンの発泡層、22は非発泡熱可塑性樹脂層、3はダイ、4は金型、5は気体吹き込み口、6は発泡パリソン2の外側表面、7は金型4の内面をそれぞれ示す。但し、図1は本発明の製造方法の一例を概念的に示す説明図であり、本発明の製造方法の具体的な操作手順は図示するものには限られない。
但し、図1に示す発泡パリソン2は発泡層21と非発泡熱可塑性樹脂層(以下、単に「樹脂層」ともいう。)22とからなる二層構造を有するが、本発明はこれに限定するものではなく、図2に示すように、発泡層21のみからなるものを用いることができ(図2(a))、発泡層21の外側又は内側に樹脂層22が設けられた二層構造のものを用いることができ(図2(b)(c))、発泡層21の外側及び内側に樹脂層22が設けられた三層構造のものを用いることもできる(図2(d))。
尚、図2(a)は発泡層のみからなる発泡パリソンの説明図、同(b)は外側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図、同(c)は内側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図、同(d)は外側及び内側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図である。
前記多層構造の発泡パリソンは、発泡層21を構成するポリプロピレン系樹脂と物理発泡剤を押出機に供給して発泡性溶融樹脂を形成し、樹脂層22を構成する熱可塑性樹脂を他の押出機に供給して溶融樹脂を形成し、これらを共押出用ダイに供給して合流し積層させながら低圧域に押出して、積層することにより形成することができる。
本発明の方法においては、より大きな発泡パリソンを形成できることから、ダイ3内にアキュムレーターを配置すること、更に押出機とダイ3との間にアキュムレーターを配置することが好ましい。
また、金型4に減圧用配管(図示しない)を設けた金型を使用すれば、減圧しながら成形することにより発泡パリソン2の外側表面6と金型4の内面7とを充分に密着させることにより、金型形状を良好に反映した中空発泡成形体を得ることができ、成形体の表面平滑性も良好なものとなる。
本発明により得られる中空発泡成形体の一例を図3に示す。図3の中空発泡成形体11は自動車用の空調ダクトであり、成形体の筒部12が空調ダクトの周壁を構成し、成形体の中空部13が空調ダクトの通風路を構成している。但し、本発明方法により製造される中空発泡成形体は自動車用の空調ダクトに限定されるものではない。
尚、図3(a)は自動車用の空調ダクトとして形成した中空発泡成形体の正面図であり、同(b)はその側面図であり、同(c)はその平面図である。図3中、11は中空発泡成形体を、12は成形体の筒部を、13は中空部を、14は金型によって切断されることにより形成された食い切り部(パーティングライン)をそれぞれ示す。
本発明により得られる中空発泡成形体においては、成形体側壁の厚さの平均値である平均成形体厚さが1.0〜5.0mmであると共に、その成形体厚さの変動係数Cvが50%以下である。
前記平均成形体厚さが1.0mm未満になると、厚みが薄すぎて曲げ強度などの機械的強度や、断熱性が低下しすぎる虞がある。一方、該厚さが5.0mm超になると、複雑な形状の中空発泡成形体において厚みの均一性が不十分となる虞があり、特に自動車用空調ダクトに用いる場合には上記不具合に加えて、相対的に中空部断面積が小さくなることから通気抵抗が大きくなりすぎる虞がある。かかる観点から、平均成形体厚さは、1.0〜3.0mmが好ましく、1.5〜2.5mmがより好ましい。
前記成形体厚さの変動係数Cvが50%超になると、圧縮強度や曲げ強度などの機械的強度や断熱性が部分ごとに不均一になる虞がある。かかる観点から、変動係数Cvの上限は35%が好ましく、25%がより好ましく、15%が更に好ましい。尚、変動係数Cvの下限は0である。
本願明細書における中空発泡成形体の平均成形体厚さの測定は、中空発泡成形体の貫通方向(通常は長手方向)中央部および貫通方向両端部付近の計3箇所の長手方向に対する垂直断面(但し、中空発泡成形体の特殊な形状部分は避けることとする。)に対して行い、各垂直断面の開口周縁(周方向)に沿って等間隔に6箇所の垂直断面の厚み方向の厚さの測定を行い、得られた18箇所の厚さの算術平均値を平均成形体厚さとする。また、上記18箇所の厚さ測定にて求められる成形体の厚さの最大値及び最小値を夫々中空発泡成形体の最大厚さ及び最小厚さとする。
本願明細書における成形体厚さの変動係数Cvとは、成形体厚さの標準偏差(mm)を成形体厚さの平均値(mm)で割った値の百分率をいい、平均値からのばらつき度合を表す指標である。なお、成形体厚さの標準偏差Vは次式(1)により求めるものとする。
V={Σ(T−Tav/(n−1)}1/2 (1)
(1)式においてTは前記18箇所の個々の厚さの測定値を、Tavは前記平均成形体厚さを、nは測定数(具体的には「18」である)をそれぞれ表し、Σは個々の測定値について計算した(T−Tavを全て足し算することを示す。
変動係数Cvは(1)式を用い、下記(2)式によって求められる。
Cv(%)=(V/Tav)×100 (2)
本発明の中空発泡成形体の製造方法においては、ポリプロピレン系樹脂を用いて発泡パリソンの発泡層を形成し、該パリソンが軟化状態を維持している間に金型に挟み込んでブロー成形することにより、発泡層を有する中空発泡成形体を形成する。
該ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。なお、本発明の目的、効果が達成される範囲において上記ポリプロピレン系樹脂としては、他の重合体を含むものであってもよい。
但し、平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下の成形体を得るためには、平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1であると共に、スウェルSが2.5以下であるポリプロピレン系樹脂を用いなければならない。かかる樹脂を用いると、ダイリップのクリアランスを狭くする調整と発泡パリソンの発泡層の見かけ密度を軽量性が失われない程度に大きくする調整にて厚さが薄い発泡パリソンを形成することができる。しかも、発泡パリソンにコルゲートが生じないので、得られる中空発泡成形体は厚さが薄くしかも厚み精度が均一なものとなる。
平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3×Pa−1未満では、ポリプロピレン系樹脂の発泡性が低いため、十分な気泡の成長やその気泡径の均一性に欠け、機械的強度や断熱性等の物性の低い成形体になる虞がある。一方、1.8×10−3Pa−1超では、発泡性が良すぎて厚みの薄い良好な発泡層を形成できなくなる虞がある。かかる観点から、平衡コンプライアンスJeoは0.8×10−3〜1.6×10−3Pa−1が好ましく、1.0×10−3〜1.5×10−3Pa−1がより好ましく、1.2×10−3〜1.5×10−3Pa−1が特に好ましい。
スウェルSが2.5超では、発泡パリソンの発泡層が厚くなりすぎて、所望される厚さが薄い中空発泡成形体を形成できなくなる虞がある。かかる観点から、スウェルSは2.3以下が好ましく、1.5〜2.3がより好ましい。尚、スウェルSの下限は概ね1である。
次に、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂が、特定の平衡コンプライアンスJeoと特定のスウェルSを有しなければ、厚みが均一で薄い発泡層を形成することができないことの意味について説明する。
平衡コンプライアンスJeoは樹脂の粘弾性(特に、弾性)の尺度であり、溶融状態のポリプロピレン系樹脂を平板に挟んで一定応力σを加え続け、時間tに対する歪τ(t)を測定することによって求めることができる。即ち、平板に挟んだポリプロピレン系樹脂に一定応力σを加えると歪τは急激に増大するが、時間tの経過につれて時間tとτ(t)の関係が平衡状態に達する(直線関係が成立つようになる。)。ここで、時間t(横軸)に対してクリープコンプライアンスJ(t)=τ(t)/σを縦軸にプロットし、平衡状態に達した直線関係を時間t=0に外挿して得られるJ(t)の切片が平衡コンプライアンスJeoである。時間tとクリープコンプライアンスJ(t)の測定結果の一例を図4に示す。
尚、理論的には、時間tとJ(t)の間には下記(3)式の関係が成立つ。
J(t)=τ(t)/σ=Jeo+t/ηo (3)
(3)式において、Jeoが平衡コンプライアンスであり、ηoは無剪断粘度である。
このようにして求められる平衡コンプライアンスJeoは、高分子の絡み合いの影響を受け、絡み合いの程度が大きいと、弾性が強くなり平衡コンプライアンスJeoも大きくなると考えられる。このことから、平衡コンプライアンスJeoは樹脂の発泡性の尺度であると考えることができる。即ち、適度な平衡コンプライアンスJeoを有する樹脂は適度な弾性を有することから、溶融状態の樹脂を発泡させて得られる発泡体において、適度な弾性を有する気泡膜は変形に対する抵抗力が強く、好ましい気泡の状態が保持されると考えられる。
尚、高分子の絡み合いの態様としては、分子構造中に自由末端長鎖分岐を有することや超高分子量成分を含むことが挙げられる。
以上説明したように、平衡コンプライアンスJeoは発泡性の尺度であることから、平衡コンプライアンスJeoは大きすぎても小さすぎてもいけないことが求められる。即ち、平衡コンプライアンスJeoが小さすぎるポリプロピレン系樹脂は発泡性が悪いので使用することができない。一方、平衡コンプライアンスJeoがあまりにも大きすぎるポリプロピレン系樹脂は弾性が強すぎて、発泡温度、発泡剤による発泡力と溶融樹脂の粘弾性との関係において発泡させることが困難になる。更に、厚さが薄くて均一な発泡層を形成するためには、好ましい発泡性を示す平衡コンプライアンスJeoの範囲内でも、高い値を示す範囲のものは使用することができない。即ち、発泡性が良すぎるポリプロピレン系樹脂は、発泡しすぎることから発泡パリソンの厚みも厚くなりすぎるので、使用することができない。
厚みが薄く均一な発泡パリソン(発泡層)を形成するためには、平衡コンプライアンスJeoが特定範囲内であることに加え、スウェルSも特定範囲内であることが求められる。スウェルSは、発泡時の厚み方向の膨張性の尺度であり、平衡コンプライアンスJeoが特定範囲内にあって、好ましい発泡性を有する樹脂であってもスウェルSが大きければ、厚み方向に膨張しすぎるので、薄い発泡層を形成することができない。尚、スウェルには樹脂自体の膨張によるスウェルと発泡による膨張のスウェルがあり、本明細書のスウェルSは樹脂自体の膨張によるものである。また、発泡ブロー成形では、シートの押出発泡成形とは異なり押出方向に発泡パリソンを延伸することが制限されるため、該延伸より成形体の厚みの均一性、厚みの薄肉化を調整することは難しい。本発明ではJeoを小さくすることと発泡層の見かけ密度を軽量性が失われない範囲で大きく調整することにより発泡による膨張のスウェルを抑え、更に樹脂自体の膨張によるスウェルを抑えることにより、発泡層の薄肉化を達成するものである。
本発明においては、以上説明したように特定のポリプロピレン系樹脂を用いることと、ダイリップのクリアランスを狭くする調整と発泡パリソンの発泡層の見かけ密度を軽量性が失われない程度に大きくする調整にて薄肉の発泡層を形成することができる。また、ダイリップのクリアランスを狭くする調整を行っても、大きなコルゲートが発生することがない。その結果、発泡層の偏肉が起きないので、厚みが均一な発泡層を有する発泡パリソン、更に厚みが均一な発泡層を有する中空発泡成形体を形成することができる。
本明細書において、平衡コンプライアンスJeoの測定、スウェルSの測定は次のように行う。
平衡コンプライアンスJeoは、動的粘弾性測定機(レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製のダイナミックアナライザーSR200型)により測定する。
まず、ヒートプレスにより温度260℃、圧力8000kPaの条件下で5分間プレス成形することにより得た、厚さ2mmの測定用サンプル樹脂板から直径25mmの円盤サンプルを調製する。次に、このサンプルを動的粘弾性測定機の直径25mmのパラレルプレート間に挟んで210℃に昇温し、窒素雰囲気下において約10分間放置した後、パラレルプレートの間隔を1.4mmに調整し、パラレルプレートからはみ出した、溶融樹脂を取除く。次いで、窒素雰囲気下において溶融したサンプルに100Paの一定応力σcが加わるように上方のパラレルプレートを回転させて、一定応力σcを加え始めた時間t=0を基準に歪量γ(t)の経時変化を測定する。該歪量γ(t)は最初は急激に増加するが経時と共になだらかに増加するようになり、充分な時間が経過すると時間に対して直線的に変化する。
尚、ダイナミックアナライザーSR200型の装置設定は表1に示す通りとし、平衡コンプライアンスは装置上のオート機能により算出する。
Figure 2007062364
スウェルSの測定は株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型を使用し行なう。すなわち、孔の直径2.095mm、長さ8mmの円筒状オリフィスから、樹脂温度210℃、ピストン速度10mm/分の押出し条件で樹脂を押出し、オリフィスの下面より10mm下の位置における弾性回復膨張状態の紐状樹脂直径を測定し、前記オリフィス孔の直径との比を計算することで求める。
平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1であると共に、スウェルSが2.5以下であるポリプロピレン系樹脂としては、分子構造中に自由末端長鎖分岐を有するものや超高分子量成分を含むもの等の高溶融張力ポリプロピレンから選択、調整される。平衡コンプライアンスJeo及びスウェルSが前記特定範囲の高溶融張力ポリプロピレンとしては、単一のものを製造又は選択することが好ましいが、該特定範囲を超える高溶融張力ポリプロピレン(a)と他のポリプロピレン系樹脂(b)を混合することにより、平衡コンプライアンスJeo及びスウェルSを特定範囲内に調整しても良い。尚、ポリプロピレン系樹脂が2種類以上のポリプロピレン系樹脂を混合することにより調整されるものの場合は、上記平衡コンプライアンスJeo及びスウェルSの測定には、熱履歴及びせん断履歴を十分に考慮して、できるだけ分子量の低下を引起さない条件にて当該ポリプロピレン系樹脂を溶融、混練して作成した測定用試料を使用する。
平衡コンプライアンスJeo及びスウェルSが前記特定範囲のポリプロピレン系樹脂の具体例としては、例えば、サンアロマー社製の高溶融張力ポリプロピレン「PF814」(ホモポリプロピレン)や「SD632」(エチレン−プロピレンブロック共重合体)の回収原料が挙げられ、前記のように高溶融張力ポリプロピレン(a)と他のポリプロピレン系樹脂(b)を混合して調整したものの場合は、高溶融張力ポリプロピレン(a)としては、例えば、サンアロマー社製の高溶融張力ポリプロピレン「PF814」(ホモポリプロピレン)、「SD632」(エチレン−プロピレンブロック共重合体)等が挙げられ、他のポリプロピレン系樹脂(b)としては、平衡コンプライアンスJeoやスウェルSが前記特定範囲に対して低い、一般的なポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
本発明においては、平衡コンプライアンスJeo及びスウェルSが前記特定範囲内でさえあれば、発泡パリソンの発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂には、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等の熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレンゴム、ポリスチレン系樹脂等が副成分として添加されていても良い。
なお、発泡パリソンの発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂のメルトフローレイトは、成形性と得られる中空発泡成形体の物性のバランスを考慮すると、3〜20g/10分が好ましい。
上記のメルトフローレイトは、JIS K 7210(1999)の試験方法A法により測定されるメルトマスフローレイトを意味し、試験温度230℃、荷重2.16kgの条件を採用する。
本発明で形成する発泡パリソンは、発泡層と樹脂層とから構成される多層構造とすることができる。この場合、樹脂層は発泡層のいずれの面に設けられてもよく、また発泡層を樹脂層の間に存在させた構成(サンドイッチ構造)とすることもできる。
樹脂層が設けられた中空発泡成形体は強度において優れたものとなり、少なくとも該発泡層の外側に樹脂層が設けられることにより外観においても優れたものとなる。更に、該樹脂層を機能性の樹脂で構成することにより抗菌性、消臭性等の付加的機能を中空発泡成形体に兼備させることが容易にできる点からも好ましい。
なお、多層の発泡パリソンを用いる場合、樹脂層の厚さは、得られる中空発泡成形体の樹脂層の厚さが、好ましくは0.1〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mmとなるように発泡パリソンを形成することが望ましい。そのためには、多層の発泡パリソンにおける樹脂層の厚さを、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1.0〜2.0mmに形成すればよい。
前記の樹脂層を形成する樹脂としては、発泡層を形成する樹脂と同様の樹脂を使用することができる。それ以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他の樹脂を使用することもできる。そのような樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が例示される。なお、樹脂層を構成する樹脂が、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂との接着性が低いものの場合には、当然のことながら両者の間に接着層を設ける方法等、従来公知の接着手段により両者を積層接着することができる。
本発明方法においては、前記ポリプロピレン系樹脂を押出機に供給して、加熱、混練して溶融樹脂とし、これに物理発泡剤を圧入して発泡性溶融樹脂とし、該発泡性溶融樹脂をダイ3から押し出して、前記発泡層21を有する軟化状態の発泡パリソン2を形成する。このとき、最終的に得られる中空発泡成形体の発泡層の見かけ密度が0.35〜0.65g/cmとなるように発泡パリソンの発泡層21を形成する。
得られる中空発泡成形体の発泡層(以下、単に成形体発泡層ともいう。)の見かけ密度が0.35g/cm未満になるように発泡パリソンの発泡層を形成すると、得られる中空発泡成形体の厚さが厚くなりすぎて、成形体厚さの変動係数Cvが50%を超える虞がある。また、曲げ強度、圧縮強度などの機械的物性が不十分となる虞もある。一方、見かけ密度が0.65g/cm超になるように発泡パリソンの発泡層を形成すると、得られる中空発泡成形体の軽量性、断熱性が低下する虞がある。
かかる観点から、成形体発泡層の見かけ密度は、0.35〜0.50g/cmが好ましく、0.35〜0.45g/cmがより好ましく、0.4〜0.45g/cmが特に好ましい。なお、中空発泡成形体の見かけ密度は、該中空発泡成形体を得る為の発泡パリソンの見かけ密度を調整することにより目的の値に調整される。そして、発泡パリソンの見かけ密度の調整は、後述する発泡剤の使用量にて調整することができる。但し、本発明において発泡パリソンは、軟化状態にあるため、見かけ密度を測定することができない。よって、中空発泡成形体の見かけ密度は、得られた中空発泡成形体の見かけ密度と目的とする中空発泡成形体の見かけ密度との相違に基づいて、発泡パリソンを得る為の発泡剤の使用量を調整し、この操作を繰り返すことにより行われる。
前記成形体発泡層の見かけ密度は、発泡樹脂中空成形体の貫通方向中央部分及び貫通方向両端付近(但し、中空発泡成形体の特殊な形状部分は避けることとする。)のそれぞれの部分について周方向に等間隔に3箇所から発泡層からなる試験片を切り取り、各々の試験片9個所の見かけ密度の算術平均値を見かけ密度とする。見かけ密度は試験片の重量(g)を試験片の体積(cm3)で除した値である。尚、成形体が樹脂層を有する場合には、樹脂層を剥がして発泡層のみについて見かけ密度を測定する。
発泡パリソンの発泡層を形成するために添加される発泡剤は、物理発泡剤が使用され、好ましくは、物理発泡剤のみが使用される。物理発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、シクロブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノールなどのアルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル、二酸化炭素,窒素、アルゴン、水等が挙げられる。これらの発泡剤は単独で、または他の発泡剤と混合して使用することが可能である。また、物理発泡剤と共に化学発泡剤も使用することができる。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。
本発明においては、これらの発泡剤のうち、物理発泡剤においては二酸化炭素を50〜100モル%含有するもの(二酸化炭素のみを含む)が、成形サイクルの短縮や得られる中空発泡成形体の寸法安定性を図ることができると共に、薄肉の中空発泡成形体を得る上で好適である。
前記の発泡剤の使用量は、所望する見かけ密度(発泡倍率)を考慮して適宜決められるが、概ねポリプロピレン系樹脂1kgに対して、物理発泡剤は0.01〜1.2モルの割合で使用される。
また、発泡パリソンの発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂には、タルク等の気泡調整剤が添加される。気泡調整剤は通常、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材樹脂と気泡調整剤とらからなるマスターバッチの形態で使用されることが一般である。気泡調整剤の使用量は、通常、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部である。
また、前記発泡パリソンの発泡層並びに必要に応じて該発泡層の外側及び/又は内側に設けられる樹脂層を形成するポリプロピレン系樹脂等には、所望に応じて、難燃剤、流動調整剤、紫外線吸収剤、導電性付与剤、帯電防止剤、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤、無機充填材等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明においては、前記軟化状態にある発泡パリソンを金型4、4内に配置し、金型4、4を閉鎖することにより発泡パリソン2を金型に挟み込み、所望形状に成形する。このとき、発泡パリソン2を金型に挟み込む前に予め発泡パリソン2の内側に気体吹き込み口5から発泡層21の気泡を破壊しない程度に空気等の気体を吹き込んで、発泡パリソンの最大幅が中空発泡成形体の最大幅の0.7〜1.5倍、更に0.8〜1.5倍、特に0.85〜1.3倍(以下、発泡パリソンの最大幅/中空発泡成形体の最大幅の値を拡幅率ともいう。)となるように発泡パリソンを拡幅することが好ましい。このことにより、発泡パリソンがブロー成形時に過度に伸ばされて中空発泡成形体の厚さの偏肉が発生してしまうこと、或いは金型凹部に対する発泡パリソンの曲率半径が大きくなりすぎて、型締め後のブロー成形時に中空発泡成形体の厚さの偏肉が発生してしまうことを防ぐことができ、得られる中空発泡成形体は厚みの均一性が更に優れたものとなる。尚、発泡パリソンを拡幅するに際し、発泡パリソンの下部をピンチすることにより潰してもよい。このようにすると、発泡パリソンの拡幅が容易になる。
本明細書における発泡パリソンの最大幅とは、図5に示すように、発泡パリソンの押出方向に対して直交する方向の、発泡パリソン断面の外径の内の最大外径(W2)をいう。中空発泡成形体の最大幅とは、図6(a)、(b)に示すように、矢印にて示す成形体押出方向に対して直交する方向の、成形体の左端と右端との幅の内の最大幅(W3)をいい、通常、中空発泡成形体を成形する金型が閉じられた状態の金型成形室における、発泡パリソン侵入方向に対して直交する方向の、該成形室の左端と右端との間隔の内の最大間隔に相当する。
尚、図5は発泡パリソンの最大幅を説明する図面であり、図6は中空発泡成形体の最大幅を説明する図面である。図中、3はダイ、2は発泡パリソン、11は中空発泡成形体、13は中空部をそれぞれ示す。
また、本発明においては、前記中空発泡成形体の最大幅に対して0.2〜0.5倍、更に0.3〜0.45倍のリップ径を有する環状ダイを使用することにより、得られる中空発泡成形体は厚みの均一性を更に優れたものとすることができるため好ましい。
尚、図7は環状ダイのリップ径(W1)を説明する図面であり、図中、15はダイコア、16はダイリップをそれぞれ示す。
本発明においては更に、環状ダイから押出された軟化状態の発泡パリソンの押出方向の下流側端部をクランプして発泡パリソンを押出方向に可能な範囲において延伸し、且つ前記の通りに発泡パリソンの最大幅が中空発泡成形体の最大幅の0.7〜1.5倍になるように拡幅し、その後型締めを行い、発泡パリソン内に空気等の加圧気体を吹き込んで成形することにより、より一層均一な厚さを有する中空発泡成形体を得ることが好ましい。
このように発泡パリソンを延伸することにより、中空発泡成形体の押出方向における厚みの均一性を高めることができる。
また、本発明においては、発泡パリソンの内部最大圧力が0.01〜0.40MPa(G)の範囲内の状態にて金型間に配置され型締めを行うことが好ましい。このことにより、得られる中空発泡成形体の偏肉性低減効果が更に高まる。この観点から、該内部最大圧力は、0.03〜0.30MPa(G)、更に0.15〜0.30MPa(G)の範囲内にて型締めを行うことが好ましい。
なお、本発明において、発泡パリソンの最大幅および発泡パリソンの内部最大圧力の調整は、パリソン内側に吹き込む加圧気体の圧力により調整できる。また、内部最大圧力は、パリソン内部に加圧気体を吹き込むノズルに圧力計を付設する等の方法によりゲージ圧として測定される。
本発明においては、上記のように発泡パリソンを金型内に配置して発泡パリソンの内部最大圧力が0.01〜0.40MPa(G)の範囲内にて金型の閉鎖を完了し、さらに上記の発泡パリソンの内部最大圧力よりも高圧の空気などの気体を圧入する場合、この際に圧入される気体の圧力は、概ね0.05〜0.50MPa(G)、好ましくは0.20〜0.40MPa(G)であり、非発泡樹脂のブロー成形に比べて遥かに低い値である。
本発明においては、前記発泡パリソン2を金型に挟み込んで、所望の形状に形成してから、冷却し、金型から取り出せば中空発泡成形体を得ることができる。
このようにして得られる本発明中空発泡成形体は、中空発泡成形体を構成するポリプロピレン樹脂発泡層の平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1、且つスウェルSが2.5以下、該発泡層の見かけ密度が0.35〜0.65g/cm、該中空発泡成形体の平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下である。所期の目的を達成する上で、平衡コンプライアンスJeoは0.8×10−3〜1.5×10−3Pa−1が好ましく、スウェルSは2.3以下が好ましく、1.4〜2.1がより好ましい。尚、スウェルSの下限は概ね1である。なお、ポリプロピレン樹脂発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの測定は、発泡層をヒートプレスにより脱泡した樹脂に基づいて測定を行う以外は、前記ポリプロピレン樹脂の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの測定と同様に測定される。
本発明の上記中空発泡成形体は、軽量性に優れ、厚さが薄く、且つ均一なので、容器、ダクト、自動車部品や電化製品部品等に広く利用され、特に、自動車の空調ダクトに好適に使用できる。
但し、金型から取り出された成形体は、通常、内部は中空状であるが、開口部は未だ形成されておらず、気体吹き込み口の跡以外は成形体の全ての面は塞がれた状態である。従って、図3に示す中空発泡成形体を得るには、得られた成形体の一部を切断して開口部が形成される。
以下に、本発明の中空発泡成形体の製造方法について、具体的な実施例により詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例に使用したポリプロピレン系樹脂Aは、サンアロマー社製のプロピレン単独重合体『PF814』であり、密度:0.900g/cm、平衡コンプライアンスJeo:2.52×10−3Pa−1、スウェルs:3.0、MFR:3.0g/10分である。
また、ポリプロピレン系樹脂Bは、プロピレン単独重合体『PF814』の回収原料であり、密度:0.900g/cm、平衡コンプライアンスJeo:1.35×10−3Pa−1、スウェルS:1.8、MFR:7.0g/10分である。
また、ポリプロピレン系樹脂Cは、プライムポリマー社のプロピレン単独重合体『プライムポリプロJ−700GP』であり、密度:0.900g/cm、平衡コンプライアンスJeo:0.36×10−3Pa−1、スウェルS:1.4、MFR:9.0g/10分である。
実施例1
表2に示す配合のポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、気泡調整剤として低密度ポリエチレン85重量%とステアリン酸ナトリウム5重量%とタルク10重量%とからなるマスターバッチをポリプロピレン系樹脂100重量部に対して3重量部使用し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しリップ径が0.44倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。なお、ダイリップクリアランスは、発泡パリソンを押出中においてダイの樹脂流路の幅が最大になったときの値である。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率:(発泡パリソンの最大幅/中空発泡成形体の最大幅)1.28倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平均成形体厚さ(以下、単に「平均厚さ」ともいう。)が2.1mm、厚さの最大値と最小値との差Rが2.0mm、変動係数Cvが11.9%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。表2及び表3の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を比較すると、原料ポリプロピレン系樹脂と中空発泡成形体発泡層のJeoとSの値は、発泡体層のほうが多少小さな値であるが、ほとんど同じであることが判る。
実施例2
実施例1と同様のポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、実施例1と同様に気泡調整剤を配合し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しリップ径が0.39倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.28倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.27MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.3MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平均厚さが3.2mm、厚さの最大値と最小値との差Rが2.8mm、変動係数Cvが12.2%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
実施例3
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、実施例1と同様に気泡調整剤を配合し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しリップ径が0.44倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.22倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平均厚さが1.9mm、厚さの最大値と最小値との差Rが2.2mm、変動係数Cvが12.1%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
実施例4
実施例2と同様のポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、実施例1と同様に気泡調整剤を配合し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しリップ径が0.50倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.11倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.28MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.32MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた中空発泡成形体は、平均厚さが1.2mm、厚さの最大値と最小値との差Rが1.2mm、変動係数Cvが11.7%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
実施例5
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、実施例1と同様に気泡調整剤を配合し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しダイリップ径が0.44倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.22倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平均厚さが1.9mm、厚さの最大値と最小値との差Rが2.3mm、変動係数Cvが13.7%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
実施例6
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用し、発泡剤として表2に示す量(モル数/ポリプロピレン系樹脂1kg)の炭酸ガスを使用し、実施例1と同様に気泡調整剤を配合し、目的とする中空発泡成形体の最大幅を180mmとし、表2に示すダイリップ径(成形体の最大幅に対しリップ径が0.44倍)の環状ダイを用いて、表2に示すダイリップクリアランスで発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.17倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平均厚さが1.8mm、厚さの最大値と最小値との差Rが2.5mm、変動係数Cvが13.9%で均一な厚さを有するものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
比較例1
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様に発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.39倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平衡コンプライアンスJeo及びスウェルが共に大きすぎるポリプロピレン系樹脂を用いたことにより、平均厚さが3.8mm、厚さの最大値と最小値との差Rが4.5mm、変動係数Cvが52.1%で厚さの均一性が不十分なものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
比較例2
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用したこと、表2に示すダイリップクリアランスにしたこと以外は実施例1と同様に発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.50倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.30MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.33MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、ポリプロピレン系樹脂の平衡コンプライアンスJeo及びスウェルが共に大きすぎることを補うため、ダイリップクリアランスを狭くしたしたことにより平均厚さ1.4mmを薄くすることができたが、発泡パリソンに激しいコルゲートが発生し、得られた成形体の厚さの最大値と最小値との差Rが5.8mm、変動係数Cvが62.9%となり、厚さの均一性が悪化し良好な中空発泡成形体は得られなかった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
比較例3
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様に発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.33倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた中空発泡成形体は、スウェルSが大きすぎるポリプロピレン系樹脂を用いたことにより、平均厚さが3.3mm、厚さの最大値と最小値との差Rが4.0mm、変動係数Cvが51.8%で厚さの均一性が不十分なものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
比較例4
表2に示す量の発泡剤を用いたこと以外は、実施例1と同様に同様に発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.28倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.23MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.27MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた中空発泡成形体は、得られた発泡層の見かけ密度が小さすぎたことにより、平均厚さが3.1mm、厚さの最大値と最小値との差Rが4.8mm、変動係数Cvが69.7%で厚さの均一性が不十分なものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
比較例5
表2に示すポリプロピレン系樹脂を使用したこと、表2に示すダイリップクリアランスにしたこと以外は実施例1と同様に発泡パリソンを押出した。
次いで発泡パリソン内側に空気を吹き込み、表2に示す最大幅(拡幅率1.11倍)まで発泡パリソンを拡幅して、金型内に配置し、金型を閉じた。その際の発泡パリソンの内部最大圧力は0.25MPa(G)であった。次いで金型内の発泡パリソン内に高圧空気(0.28MPa(G))を圧入し目的の形状に賦形し、冷却してから金型を開いて中空発泡成形体を得た。
得られた成形体は、平衡コンプライアンスJeo及びスウェルが共に小さすぎるポリプロピレン系樹脂を用いたことにより、ダイリップクリアランスを1.0mmに絞ったにもかかわらず、ダイ内での内部発泡が発生した。得られた成形体は、平均厚さが1.1mm、厚さの最大値と最小値との差Rが3.2mm、変動係数Cvが52.7%で厚さの均一性が不十分なものであった。また、得られた中空発泡成形体の発泡層の平衡コンプライアンスJeoとスウェルSの値を表3に示す。
Figure 2007062364
なお、表2中の圧力(MPa)はゲージ圧である。
Figure 2007062364
本発明の製造方法の一例を示す説明図である。 (a)は発泡層のみからなる発泡パリソンの説明図である。(b)は外側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図である。(c)は内側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図である。(d)は外側及び内側に樹脂層が設けられた発泡パリソンの説明図である。 (a)は自動車用の空調ダクトとして形成した中空発泡成形体の正面図である。(b)はその側面図である。(c)はその平面図である。 時間tに対するクリープコンプライアンスJ(t)の測定結果の一例を示す図面である。 発泡パリソンの最大幅を説明する図面である。 中空発泡成形体の最大幅を説明する図面である。 環状ダイのリップ径を説明する図面である。
符号の説明
2 発泡パリソン
21 発泡パリソンの発泡層
22 非発泡熱可塑性樹脂層
3 ダイ
4 金型
5 気体吹き込み口
6 発泡パリソンの外側表面
7 金型の内面
11 中空発泡成形体
12 成形体の筒部
13 中空部
14 食い切り部
15 ダイコア
16 ダイリップ

Claims (5)

  1. 物理発泡剤を含有するポリプロピレン系発泡性溶融樹脂をダイから押し出してポリプロピレン系樹脂発泡層を有する軟化状態の発泡パリソンを形成し、該発泡パリソンを金型に挟み込んで発泡パリソン内側に気体を吹き込み所望形状に成形し、その後金型から取り出して、平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下の中空発泡成形体を得る方法であって、平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1であり、且つスウェルSが2.5以下であるポリプロピレン系樹脂を用いて発泡パリソンの発泡層を形成し、得られる中空発泡成形体の発泡層の見かけ密度を0.35〜0.65g/cmに形成することを特徴とする中空発泡成形体の製造方法。
  2. 該物理発泡剤が50〜100モル%の二酸化炭素を含有することを特徴とする請求項1に記載の中空発泡成形体の製造方法。
  3. 該発泡パリソンの最大幅が中空発泡成形体の最大幅の0.7〜1.5倍となるように、発泡パリソン内側に気体を吹き込んで拡幅することを特徴とする請求項1または2に記載の中空発泡成形体の製造方法。
  4. 発泡パリソンとして、発泡層の外側表面及び/又は内側表面に非発泡熱可塑性樹脂層を有する多層パリソンを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空発泡成形体の製造方法。
  5. ポリプロピレン樹脂発泡層を有する中空発泡成形体において、該ポリプロピレン樹脂発泡層の平衡コンプライアンスJeoが0.5×10−3〜1.8×10−3Pa−1、且つスウェルSが2.5以下、該発泡層の見かけ密度が0.35〜0.65g/cm、該中空発泡成形体の平均成形体厚さが1.0〜5.0mm、且つ成形体厚さの変動係数Cvが50%以下であることを特徴とする中空発泡成形体。
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