JP2007059096A - 雌端子金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度低下並びに生産性の低下を招くことなく雌端子金具の小型化を実現し、なおかつ寸法のばらつきを抑える。
【解決手段】 雌端子金具20には、相手の雄端子金具10のタブ14が前面から挿入される箱形の接続部22が備えられ、左右の側板25の内面には、タブ14の幅方向の両側縁と対向する高さ位置に、長さ方向に沿って溝部40が圧延加工により形成される。溝部40を設けたことにより、接続部22の幅Bを小さくしながらもタブ14の両側縁の外側に、大きなクリアランスCが確保できる。一連のプレス加工の途中において、溝部40を圧延する前に、その形成領域40A内に、予め逃がし孔42が形成される。溝部40を圧延加工した場合に肉厚の延びが逃がし孔42で吸収され、圧延後の寸法、ひいては組付後の接続部22の寸法にばらつきが出ることを防止できる。
【選択図】 図6
Description
ところで、端子金具の小型化は漸次要求されるところであるが、対をなす雄雌の端子金具のうちで、雄端子金具側の接続部であるタブについては、電気接続における信頼性等を考慮して一定以上小さく、すなわち幅狭にできない。そこで勢い、雌端子金具側において、例えばタブが挿入される接続部について小型化(幅狭化)が図られることになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、大幅な強度低下並びに生産性の低下を招くことなく雌端子金具の小型化を実現するところにある。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記溝部における前記タブの挿入方向の手前側の端縁が閉じているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記溝部が前記接続部の対向した両側面にそれぞれ形成されているところに特徴を有する。
接続部の側面に溝部を凹み形成したことにより、タブの端縁の外側に所定のクリアランスを確保した上で、接続部の幅を小さくすることができる。溝部は圧延加工により形成されているから、当該雌端子金具を製造するべく一連のプレス成形工程の途中で形成が可能であり、またタブと接続部の側面との間に所定のクリアランスが確保されることで、両端子金具の製造精度が必要以上に求められず、生産性の低下を招くおそれもない。溝部は、接続部の側面の一部のみに凹み形成されているのであるから、接続部全体の強度低下は最小限に留められる。もって、強度低下並びに生産性の低下を招くことなく雌端子金具の小型化を実現することができる。
そこで本発明では、接続部に対し、溝部を形成する前の状態で予め逃がし孔が形成されている。したがって、溝部を圧延加工した場合には肉厚の延びが逃がし孔で吸収され、圧延後の寸法、ひいては組付後の接続部の寸法にばらつきが出ることを防止することができる。
逃がし孔が溝部内に形成されているのであるから、圧延する面積自体が小さく留められ、肉厚の延びをより抑えることができる。また、圧延面積が小さいことで、能力の小さいプレス機で対応することができる。
<請求項3の発明>
溝部の端縁が閉じられているから、雌端子金具が裸の状態で取り扱われた場合に、雌端子金具同士が絡みつくおそれが少ない。
<請求項4の発明>
接続部の幅をさらに小さくでき、雌端子金具のさらなる小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図9によって説明する。
この実施形態では、雄雌一対の端子金具10,20を備えている。相手端子である雄端子金具10は、導電性に優れた金属板をプレス加工することによって形成され、図1に示すように、本体部11の後方に、電線wの端末に圧着されるバレル12が設けられるとともに、前方に、接続部となる一定長さのタブ14が形成されている。
このタブ14は例えば二重板構造であって、図9に概略を示すように、横長の長円形断面をなし、一定の幅Aを持って形成されている。タブ14の先端は、ガイド用に先細りとされている。
この接続部22は、二重の天板23、底板24及び左右の側板25を組み付けることによって、前後両面が開口された前後方向に細長い箱形に形成されており、雄端子金具10のタブ14よりも若干大きい長さ寸法と、タブ14の幅Aよりも所定寸法大きい幅Bを有している。
逃がし孔42は、溝部40の形成領域40Aを長さ方向においてほぼ3等分する位置、言い換える、溝部40の入口41と奥とからそれぞれ所定寸法入った位置において互いに間隔を開けて形成されており、逃がし孔42自身の長さは、例えば溝部40の幅(高さ)の約1.5倍となっている。
上記の構造により、図9に参照して示すように、接続部22内に挿入されたタブ14の両側縁の外側に、所定のクリアランスCが設けられる。なお、溝部40の上下と奥の側面は、テーパ面44とされている。また、前側の逃がし孔42は、溝部40の入口41よりも所定寸法奥に入った箇所に開口されているのであるから、溝部40の入口41は閉じた状態にある。
この間、タブ14の両側縁と接続部22の側板25との間にはクリアランスCが確保されているから、タブ14は接続部22内にスムーズにかつ確実に挿入される。
そこでこの実施形態では、接続部22に対し、溝部40を圧延加工により形成する前の状態で予め逃がし孔42が形成されている。したがって、溝部40を圧延加工した場合には金属板の肉厚の延びが逃がし孔42で吸収され、圧延後の寸法、ひいては組付後の接続部22の寸法にばらつきが出ることを防止することができる。
また、逃がし孔42が溝部40の入口41から奥に入っ位置に形成され、溝部40の入口41すなわち前縁は閉じているから、各雌端子金具20が電線wの端末に固着されたのち、電線wが束ねられて搬送される場合等、雌端子金具20が裸の状態で取り扱われた場合に、雌端子金具20同士が絡みつくおそれが少ない。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)逃がし孔は、圧延に伴う肉厚の延びを吸収する機能を果たせば良いのであるから、接続部を構成する範囲内であれば、溝部の形成領域の外部に形成してもよい。
(2)逃がし孔の形状や個数は、任意に設定できる。
(3)溝部の深さは、側板の板厚にもよるが、板厚の半分程度の深さまでは許容される。
(5)本発明は、相手の雄端子金具が、機器直結型のコネクタに装備された雄端子金具であってもよく、要は本発明は、相手の雄端子金具のタブが前面から挿入されて接続される略箱形をなす接続部が備えられた雌端子金具全般に広く適用することができる。
14…タブ
20…雌端子金具
22…接続部
25…側板(側面)
40…溝部
40A…(溝部40の)形成領域
41…入口
42…逃がし孔
Claims (4)
- 相手の雄端子金具のタブが前面から挿入されて接続される略箱形をなす接続部が備えられた雌端子金具であって、
前記接続部における前記タブの幅方向の端縁と対向した側面には、圧延加工により溝部が凹み形成されているとともに、前記接続部には前記溝部が形成される前に予め逃がし孔が形成されていることを特徴とする雌端子金具。 - 前記逃がし孔は、前記溝部内に形成されていることを特徴とする請求項1記載の雌端子金具。
- 前記溝部における前記タブの挿入方向の手前側の端縁が閉じていることを特徴とする請求項2記載の雌端子金具。
- 前記溝部が前記接続部の対向した両側面にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の雌端子金具。
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