JP2007056912A - 小径転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐フレッチング摩耗性に優れた小径転がり軸受を提供する。
【解決手段】内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪と内輪との間の空間内に潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受において、前記潤滑油組成物の40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであるとともに、
前記小径転がり軸受の内外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)が0.010μm以下であることを特徴とする小径転がり軸受。
【選択図】図1
【解決手段】内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪と内輪との間の空間内に潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受において、前記潤滑油組成物の40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであるとともに、
前記小径転がり軸受の内外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)が0.010μm以下であることを特徴とする小径転がり軸受。
【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受に関し、特に耐フレッチング摩耗性に優れた小径転がり軸受に関する。
コンピュータ等のハードディスクドライブ(HDD)やフレキシブルディスクドライブ(FDD)、ビデオテープレコーダー(VTR)等の磁気記憶装置、レーザービームプリンタ(LBP)等の印刷機器、コンパクトディスクドライブ(CDD)、CD−ROM等、といった情報機器に用いられるような小径転がり軸受に注目されている問題として、情報機器の搬入や搬出、又は情報機器の携帯の際に生じる5〜300ヘルツ程度の低周波数の振動により、軸受内の転動体と内外輪のレース面が損傷を受け劣化するフレッチング摩耗という現象が特に問題となっている。フレッチング摩耗が生じると軸受の音響特性が悪くなってしまうだけでなく、情報機器自体にも悪影響を及ぼすこともあることが分かっている。
そのためフレッチング摩耗の対策としてこれまで様々な対策がとられている。 例えば、グリース組成物中の基油動粘度を限定することによって耐フレッチング性を向上させる発明が提示されている(特許文献1、2)。
そのためフレッチング摩耗の対策としてこれまで様々な対策がとられている。 例えば、グリース組成物中の基油動粘度を限定することによって耐フレッチング性を向上させる発明が提示されている(特許文献1、2)。
しかしながら、上記対策によって幾分改善の余地はみられるものの、情報機器に用いられるような小径転がり軸受において、フレッチング摩耗の発生を抑制するには不十分である。
そこで本発明は、より耐フレッチング摩耗性に優れた小径転がり軸受を提供することを目的とする。
そこで本発明は、より耐フレッチング摩耗性に優れた小径転がり軸受を提供することを目的とする。
すなわち、本発明における小径転がり軸受は、次のような構成からなる。
内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪と内輪との間の空間内に潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受において、前記潤滑油組成物の40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであるとともに、
前記小径転がり軸受の内外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)が0.010μm以下であることを特徴とする小径転がり軸受。
内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪と内輪との間の空間内に潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受において、前記潤滑油組成物の40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであるとともに、
前記小径転がり軸受の内外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)が0.010μm以下であることを特徴とする小径転がり軸受。
本発明における小径転がり軸受は、耐フレッチング摩耗性に優れ、軸受の音響長寿命化も図ることができる。
以下に本発明の小径転がり軸受について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の小径転がり軸受は、その構成自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図として示す玉軸受10を挙げることができる。この玉軸受10は、内輪軌道6を有する内輪1と、外輪軌道7を有する外輪2との間に、保持器4を介して転動体3を転動自在に保持し、内輪1と外輪2と転動体3とで形成される空隙部S内に潤滑油組成物(図示せず)を封入するための潤滑油組成物封入部材5を備えて構成されている。
本発明の小径転がり軸受は、その構成自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図として示す玉軸受10を挙げることができる。この玉軸受10は、内輪軌道6を有する内輪1と、外輪軌道7を有する外輪2との間に、保持器4を介して転動体3を転動自在に保持し、内輪1と外輪2と転動体3とで形成される空隙部S内に潤滑油組成物(図示せず)を封入するための潤滑油組成物封入部材5を備えて構成されている。
本発明の小径転がり軸受において、内輪軌道面、外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)は0.010μm以下、好ましくは0.008μm以下である。
そして封入される潤滑油組成物の基油動粘度は、40℃において20〜200mm2/sである。基油動粘度が上記範囲外であると、焼付き寿命の低下や油膜厚さの観点から好ましくない。
基油動粘度と算術平均粗さの最適化にあたり、表面のぬれ性の観点からも明できる。試験結果により、基油動粘度はぬれ性(接触角)と相関性にあることが分かっている。本発明の基油動粘度範囲である潤滑油組成物を本発明の算術平均粗さである軸受鋼上に滴下した場合、接触角が小さい、つまりぬれ性が高いことが分かった。すなわちフレッチング摩耗を抑えるにはぬれ性の高い潤滑油組成物を使用することが良いとも考えられる。また、転動部材表面の算術平均粗さ(Ra)が変化すると、表面のエネルギー状態が変化するため、ぬれ性に変化が生じる。したがってフレッチング抑制に最適な基油動粘度の範囲も変わることになる。
潤滑油組成物としては、40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであれば各種のものが使用できる。例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、エステル油、エーテル油、ポリグリコール油、シリコン油、合成炭化水素油、フルオロシリコーン油、フッ素油等である。
さらに本発明の所望の目的を達成できれば、酸化防止剤、防錆剤といった各種添加剤を添加しても構わない。使用条件上、防錆剤の使用が好ましく、スルホン酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸の金属塩が好適に使用できる。特にアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩が好適に使用できる。具体的には、バリウムスルホネート、亜鉛スルホネート、カルシウムスルホネート、ナフテン酸亜鉛等である。
上述の特徴を有した本発明に係る小径転がり軸受は、小型モータ等に組み込まれるような、外輪の外径が52mm以下、特に22mm以下の転がり軸受として好適に用いることができる。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
表1に示す8種類の油を用意し、2種類の全振幅によるフレッチング試験を行った。詳細な試験条件は以下に示す。また、表1には接触角も記載した。接触角の測定はジャスコインターナショナル製FTA−200を使用した。なお、接触角の値は鏡面仕上げ(算術平均粗さ0.006μm)したスラスト片に潤滑油組成物を添加し、10秒後の値を採用した(測定値は測定3回の平均値)。
表1に示す8種類の油を用意し、2種類の全振幅によるフレッチング試験を行った。詳細な試験条件は以下に示す。また、表1には接触角も記載した。接触角の測定はジャスコインターナショナル製FTA−200を使用した。なお、接触角の値は鏡面仕上げ(算術平均粗さ0.006μm)したスラスト片に潤滑油組成物を添加し、10秒後の値を採用した(測定値は測定3回の平均値)。
(フレッチング試験)
外部加振方式のフレッチング試験機を用いて、以下の条件でフレッチング試験を行い、短径の最大幅(研削面が消えている部分を境界として)で評価し、表1に記載した。
試験条件
玉軸受:呼び番号695(日本精工製:内径φ5mm、外径φ13mm、幅4mm)
周波数:150、75Hz
時 間:30、60分(2通り)
アキシャル荷重:14.7N
内輪と玉の揺動全振幅:20μm(時間30分)、40μm(時間60分)
潤滑条件:潤滑油組成物(5μl封入)、外輪揺動
玉及び内外輪の算術平均粗さ:0.006μm
また、表1に基づいて、基油と短径幅の関係を図2に、基油と接触角の関係を図3に示した。
外部加振方式のフレッチング試験機を用いて、以下の条件でフレッチング試験を行い、短径の最大幅(研削面が消えている部分を境界として)で評価し、表1に記載した。
試験条件
玉軸受:呼び番号695(日本精工製:内径φ5mm、外径φ13mm、幅4mm)
周波数:150、75Hz
時 間:30、60分(2通り)
アキシャル荷重:14.7N
内輪と玉の揺動全振幅:20μm(時間30分)、40μm(時間60分)
潤滑条件:潤滑油組成物(5μl封入)、外輪揺動
玉及び内外輪の算術平均粗さ:0.006μm
また、表1に基づいて、基油と短径幅の関係を図2に、基油と接触角の関係を図3に示した。
図2より、潤滑油組成物の基油動粘度が20〜200mm2/sである場合が最も短径幅が小さくなる、つまりフレッチング摩耗痕が小さくなることが分かる。また、図3より、基油動粘度と接触角が極小値をもつような相関性があることがわかる。つまり、基油動粘度は油のぬれ性を変化させ、ぬれ性がよいほど油の補修性が向上すると考えられる。そのためフレッチング摩耗に効果的であると考えられる。
以上より、本発明の小径転がり軸受は非常に耐フレッチング摩耗性に優れていることが分かる。また、その理由はぬれ性の面からも説明が可能である。
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4 保持器
5 潤滑油組成物封入部材
6 内輪軌道
7 外輪軌道
10 玉軸受
S 空隙部
2 外輪
3 転動体
4 保持器
5 潤滑油組成物封入部材
6 内輪軌道
7 外輪軌道
10 玉軸受
S 空隙部
Claims (1)
- 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けた複数個の転動体と、複数個の転動体を転動自在に保持する保持器とを備え、外輪と内輪との間の空間内に潤滑油組成物を封入した小径転がり軸受において、前記潤滑油組成物の40℃での基油動粘度が20〜200mm2/sであるとともに、
前記小径転がり軸受の内外輪軌道面、及び転動体表面の算術平均粗さ(Ra)が0.010μm以下であることを特徴とする小径転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005240318A JP2007056912A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 小径転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005240318A JP2007056912A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 小径転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007056912A true JP2007056912A (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=37920577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005240318A Pending JP2007056912A (ja) | 2005-08-22 | 2005-08-22 | 小径転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007056912A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104329373A (zh) * | 2014-10-24 | 2015-02-04 | 德清恒丰机械有限公司 | 高强度汽车轮毂外圈锻件 |
WO2023021786A1 (ja) * | 2021-08-20 | 2023-02-23 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
-
2005
- 2005-08-22 JP JP2005240318A patent/JP2007056912A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104329373A (zh) * | 2014-10-24 | 2015-02-04 | 德清恒丰机械有限公司 | 高强度汽车轮毂外圈锻件 |
CN104329373B (zh) * | 2014-10-24 | 2017-02-15 | 广东槊精实业有限公司 | 高强度汽车轮毂外圈锻件 |
WO2023021786A1 (ja) * | 2021-08-20 | 2023-02-23 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
JP7231117B1 (ja) * | 2021-08-20 | 2023-03-01 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
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