JP2007056368A - アルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法及びアルミニウム押出し加工用ダイス - Google Patents

アルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法及びアルミニウム押出し加工用ダイス Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えたアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法を提供する。
【解決手段】ダイス表面処理方法は、材質が工具鋼であるダイス本体5を、浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、ダイス本体5の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層6を形成する第1窒化処理工程と、第1窒化処理工程が行われたダイス本体5を、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、拡散硬化層6の表面に実質的に炭素を含まない化合物層7を形成する第2窒化処理工程と、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えたアルミニウム(その合金を含む。)押出し加工用ダイスの表面処理方法、およびそれによって得られたアルミニウム押出し加工用ダイスに関する。
アルミニウム材料は軽量でありかつ耐食性に優れることから建築用部材等に幅広く使用されている。その中でも光輝性が必要とされる部材には、押出しによる成形加工が広く採用されてきている。このような押出し加工用ダイスには、主としてJIS(日本工業規格) SKD61、SKD62をベースとした工具鋼がダイス母材として使用されている。
また、アルミニウム合金の押出しによってダイスのベアリング面等において摩耗が進行すると、得られる押出し材の寸法や表面性状に大きな影響を及ぼす。特にアルミニウム合金が3000系のものである場合には、ダイスのベアリング面等に摩耗が生じ易い。そこで、摩耗を抑制するため、上記工具鋼に各種の窒化処理を施すことが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−30164号公報
上記のような窒化処理では、押出し加工用ダイスを窒化処理することによって最表面に一般に化合物層と呼ばれるFe2NおよびFe3Nを主体とする窒化化合物層が形成され、その母材側に窒素が拡散した拡散硬化層が形成される。
このとき、最表面の化合物層は硬度が1000MHv以上と高く、かつ母材と比較して接触するアルミニウム合金との親和力が低いために、アルミニウム合金の押出しによる凝着を含めた摩耗を抑制する効果がある。また、その母材側の拡散硬化層は化合物層と母材の硬度差が大きいことによる剥離を防止するための中間層として機能する。
しかしながら、アルミニウム押出し加工工程では、アルミニウム合金のビレットから押出し加工のみで最終形状を得ることになるため、ダイス表面に加わる応力はかなり大きなものとなる。一方、窒素が拡散することによって硬度が上昇した拡散硬化層は脆くなり易い。このため、押出し加工等の応力に耐えきれずに拡散硬化層に割れが生じ拡散硬化層の剥離を生ずる場合がある。このように拡散硬化層に剥離が生じると、押出し材の形状不良や表面性状の不良が生じ、場合によっては、剥離片が押出材中に混入するというトラブルが生じかねない。したがって、窒化処理を施した押出し加工用ダイスは耐剥離性を備えた性質を持つことが要求される。
すなわち、カーボン源を窒化ガス(窒化処理用ガス)に添加しないガス窒化処理では、窒素(N)を母材表面から拡散させることによって、材料中に固溶していた炭素(C)を母材側へ押し込むこととなり、その結果、拡散硬化層中のC濃度が低下するとともにN濃度が高くなることによって窒化層が脆化し易くなるのである。このような拡散硬化層の脆化は、押出し加工時に大きな応力が加わった場合に亀裂の発生と進展を起こし易くするため、結果的に拡散硬化層の大部分が剥離するような大きな表面の欠損が生じ易い。
ここで、窒化層の脆性を抑制するためには、窒素だけでなく炭素も同時に拡散させることで、窒化物単独ではなく、窒化物と比較して硬度がやや低く靭性の高い化合物である炭窒化物もしくは炭化物も形成させる方法が有効である。その方法として、カーボン源を含んだ雰囲気で窒化処理を行うガス軟窒化処理や塩浴窒化処理が存在している。そこで、上記特許文献1に示すように、カーボン源を有するガスを添加した窒化ガス雰囲気中で浸炭窒化することにより、母材からの剥離性を向上させる技術が提案されている。
しかしながら、アルミニウム合金の押出し温度は通常450℃以上で、特に押出されるアルミニウム合金が強加工を受けることでさらに高温となるダイスのベアリング部では500℃以上となる場合が多い。一方、Fe2NおよびFe3Nを主体とする化合物層は、炭素を多量に固溶する性質を持っている。しかるに、上記の浸炭窒化処理を行った場合、化合物層への炭素の固溶量が多くなるほど高温(約500℃以上)での分解を起こしやすくなることが、研究の結果から明らかになっている。
すなわち、図1(a)は、50%NH3+50%浸炭性ガス(RXガス)の混合ガス雰囲気中で、加熱温度570℃×保持時間3時間の条件でガス軟窒化処理を行った試料のEPMA分析結果を示し、図1(b)は、加熱温度580℃×保持時間2時間の条件で塩浴窒化処理を行った試料のEPMA分析結果を示している。なお、これらの図において「白層」とは、化合物層のことである。この方法では、最表面に形成される化合物層も炭素を多く含んだ窒化物となる。ここで、炭素を多く含んだ化合物層が高温で分解しやすい理由は、Feとの結合力がNに比較しCのほうが弱くなるからと考えられている。
このように、炭素が固溶した化合物層は、押出し加工中に高温に曝された場合に窒化物のみの化合物層よりも分解し易いという欠点を持っている。そのため、押出し加工中に単純な摩耗ではない分解による化合物層の厚さ減少が顕著となってしまう。
このように、炭素を含む化合物層は分解によって消滅しやすくなることから、上記特許文献1記載のダイスは、拡散硬化層の靭性は向上するものの、化合物層が分解消滅して押出し加工中に拡散硬化層が露出しやすくなるという問題がある。このように、化合物層が消滅し拡散硬化層が露出した場合、拡散硬化層の硬度は900〜1100MHvと高いものの、アルミニウム合金との親和性が母材と同様に大きくなるため、急激に摩耗が進行することとなる。その結果、押出し材の表面性状が大きく悪化するトラブルが生じることとなる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えたアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法、それによって得られたアルミニウム押出し加工用ダイス、およびアルミニウム押出し加工用ダイスの製造方法の提供を目的とする。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 材質が工具鋼であるダイス本体を、浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、ダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層を形成する第1窒化処理工程と、
前記第1窒化処理工程が行われたダイス本体を、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、前記拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層を形成する第2窒化処理工程と、
を含むことを特徴とするアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[2] 前記第1窒化処理工程において、加熱温度が500〜580℃である前項1記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[3] 前記第1窒化処理工程において、保持時間が1〜5時間である前項1又は2記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[4] 前記第1窒化処理工程において、浸炭性ガスはブタン又はプロパンの変成ガスであり、窒化ガスは、NH3ガスであるか、あるいはNH3ガスと非窒化性ガスとを含む混合ガスである前項1〜3のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[5] 前記浸炭性ガスはRXガスである前項4記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[6] 前記第1窒化処理工程において、前記拡散硬化層を厚さ50μm以上形成する前項1〜5のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[7] 前記第2窒化処理工程において、加熱温度が500〜580℃である前項1〜6のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[8] 前記第2窒化処理工程において、保持時間が1〜5時間である前項1〜7のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[9] 前記第2窒化処理工程において、窒化ガスは、NH3ガスであるか、あるいはNH3ガスと非窒化性ガスとを含む混合ガスである前項1〜8のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[10] 前記第2窒化処理工程において、前記化合物層を厚さ2〜10μm形成する前項1〜9のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[11] 前記第2窒化処理工程で形成された前記化合物層が、押出しによってその厚さが減少もしくは消滅したとき、このダイスに前記第2窒化処理工程を含む再窒化処理を施す前項1〜10のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[12] 前記ダイスは、3000系のアルミニウムの合金押出し加工用のものである前項1〜11のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[13] 前記ダイス本体の材質は、焼入れ及び焼戻し処理が施された熱間工具鋼である前項1〜12のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
[14] 前項1〜13のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法により処理されたアルミニウム押出し加工用ダイス。
[15] 材質が工具鋼であるダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層が形成されるとともに、前記拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層が形成されていることを特徴とするアルミニウム押出し加工用ダイス。
[16] 前項1〜13のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法を含む、アルミニウム押出し加工用ダイスの製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明では、ダイスの表面の化合物層が比較的分解を起こしづらく、かつ拡散硬化層の剥離も起こしづらい構造とするため、第1窒化処理工程において、カーボン源を有する浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第1窒化処理)を行った後、引き続き第2窒化処理工程において、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第2窒化処理)を行う。これにより、拡散硬化層中には窒素と炭素の両方を拡散させることで該拡散硬化層の脆化を抑制して剥離を防止する。加えて、最表面に形成する化合物層の炭素濃度を極力低下させることにより、鉄窒化物単体よりもFeとの結合力が弱い化合物である炭化物や炭窒化物の形成を抑制し、特に高温領域において分解されにくい化合物層を形成する。このようにして、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた窒化層構造のアルミニウム押出し加工用ダイスが得られるのである。以上のように、本発明の方法で表面処理されたアルミニウム押出し加工用ダイスは、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた窒化層構造となっており、特に比較的押出し温度が高いアルミニウム押出しパイプ加工用ダイスで摩耗量の低減に効果を発揮し、さらに剥離発生によるトラブルを極めて起こしづらいことから、押出し材の品質の向上と更に生産性の向上も期待できる。
[2]の発明では、ダイスの軟化を防止できるとともに、必要な拡散硬化層の厚さと高い生産性を確実に確保することができる。
[3]の発明では、十分な厚さの拡散硬化層を確実に形成できるし、高い生産性を確実に確保することができる。
[4]の発明では、拡散硬化層を確実に形成することができる。
[5]の発明では、拡散硬化層を更に確実に形成することができる。
[6]の発明では、耐摩耗性に加え耐剥離性にも優れるダイスを提供できる。
[7]の発明では、ダイスの軟化を防止できるとともに、必要な化合物層の厚さと高い生産性を確実に確保することができる。
[8]の発明では、化合物層中のC濃度を確実に低下させることができるし、拡散硬化層中のCの母材側への撹拌を確実に防止できる。
[9]の発明では、化合物層を確実に形成することができる。
[10]の発明では、高い生産性を確保することができる。
[11]の発明では、押出しによって化合物層が減少もしくは消滅し、拡散硬化層が露出して急激に摩耗が進行しやすくなったタイミングで、改めて炭素濃度が極めて低く分解しにくい化合物層を形成し、再使用することが可能となる。
この場合において、上記再窒化処理として、上記第1窒化処理工程と第2窒化処理工程を含む処理を行った場合には、再窒化処理によって拡散硬化層の深さが増すことから、拡散効果層は、拡散硬化層の化合物層を支持して母材まで硬度を徐々に低下させる傾斜層としての機能が向上し、より剥離を起こしづらい構造とすることができる。
[12]の発明では、各種アルミニウム合金のうち特にダイスに摩耗が生じ易い合金である3000系のアルミニウム合金を押出し加工するための、耐摩耗性に優れたダイスを提供できる。
[13]の発明では、母材がより高強度のダイスを提供できる。
[14]及び[15]の発明では、拡散硬化層中には窒素と炭素の両方を拡散させることで拡散硬化層の脆化を抑制して剥離を防止する。加えて、最表面に形成する化合物層の炭素濃度を極力低下させることにより、鉄窒化物単体よりもFeとの結合力が弱い化合物である炭化物や炭窒化物の形成を抑制し、特に高温領域における化合物層の分解を抑制する。このように、本発明の方法で表面処理されたアルミニウム押出し加工用ダイスは、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた窒化層構造となっており、特に比較的押出し温度が高いアルミニウム押出しパイプ加工用ダイスで摩耗量の低減に効果を発揮し、さらに剥離発生によるトラブルを極めて起こしづらいことから、押出し材の品質の向上を図り得て、更に生産性の向上も期待できる。
[16]の発明では、上記[1]〜[13]のいずれか1項の発明と同様の効果を奏する。
次に、本発明を実施するための好ましい形態を以下に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)押出し加工用ダイスの概略断面図である。このダイスは、詳述するとポートホールダイス1である。このポートホールダイス1は、押出材として断面円形状のパイプ材(図示せず)を押出すために使用されるものであり、押出時には雌型1Aと雄型1Bとが組み合わされて使用される。
このポートホールダイス1は、押出材の断面形状に対応した断面形状(即ち、断面円形状)のベアリング孔2と、複数個のポート孔3とを有する。このダイス1では、ポート孔3からビレットが流入された後、ベアリング孔2から押出材が押し出される。
このダイス1の少なくともベアリング面2aは、本発明に係る表面処理方法により処理されている。さらに、このダイス1のポート面3aも本発明に係る表面処理方法により処理されている。詳述すると、本実施形態では、このダイス1の全表面が表面処理されている。
ただし本発明では、アルミニウム押出し加工用ダイスは、ポートホールダイスであることに限定されるものではなく、その他に、ブリッジダイス、ソリッドダイス、ホローダイス、セミホローダイス、平ダイス等であっても良い。
図6は、このダイス1のベアリング部の拡大概略断面図である。このダイス1のダイス本体5は工具鋼からなり、詳述すると焼入れ及び焼戻し処理が施された熱間工具鋼からなる。このダイス本体5の表層部には拡散硬化層6が形成され、更にこの拡散硬化層6の表面に化合物層7が形成されている。なお、このダイス1のポート部の断面構造は同図に示した構造と同一構造である。
次に、本発明に係るアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法について以下に説明する。
本発明に係るアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法は、
(1)材質が工具鋼であるダイス本体を、浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、ダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層を形成する第1窒化処理工程と、
(2)第1窒化処理工程が行われたダイス本体を、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層を形成する第2窒化処理工程と、
を含む。
本発明において、ダイスの母材としての工具鋼は、各種のものを用いることができる。例えば、JIS(日本工業規格) SKD4、5等に代表されるCr−W−V系合金鋼、JIS SKD6、61、7等に代表されるCr−Mo−V系合金鋼、JIS SKD62、8等に代表されるCr−W−Mo−V系合金鋼等、JIS SKT3、4等に代表されるNi−Cr−Mo系合金鋼等を挙げることができる。特に、工具鋼は、焼入れ及び焼戻し処理が施された熱間工具鋼であることが望ましい。こうすることにより、ダイスの母材の高強度化を図ることができる。
第1窒化処理工程では、工具鋼からなるダイス本体を、浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、ダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層を形成する。
雰囲気ガスとして使用する窒化ガス(窒化処理用ガス)としては、NH3ガスか、あるいはNH3ガスとN2等の非窒化性ガスとの混合ガスを使用することができる。この窒化ガスに、ブタンやプロパンの変成ガス等の浸炭性ガス(例えばRXガス)を混入させる。
上記第1窒化処理工程での加熱温度は、500〜580℃に設定するのが好ましい。加熱温度が500℃未満では、化合物層とそれを支持する拡散硬化層の十分な厚さを確保するためには保持時間が長くなり過ぎて生産性が悪化する虞があるからである。逆に、加熱温度が580℃を超えると、ダイス母材(即ちダイス本体)の軟化速度が速くダイスの耐久寿命が短くなる虞があるからである。
このように、ダイス本体の焼戻し処理温度よりも数10℃程度低い温度を第1窒化処理温度とすることにより、ダイスの軟化を防止できるとともに、必要な拡散硬化層の厚さと高い生産性を確保することができる。
また、第1窒化処理工程での加熱温度の保持時間(即ち処理時間)については、1〜5時間が好適である。こうすることにより、十分な厚さの拡散硬化層を確実に形成できるし、高い生産性を確実に確保することができる。すなわち、保持時間が1時間未満では、拡散硬化層の脆性を緩和するのに十分なCを拡散させることができない虞がある。保持時間が5時間以下であれば、十分な厚さの拡散硬化層を確実に形成することができる。一方、保持時間が5時間を超えると、生産性が悪化する虞がある。
だだし本発明では、第1窒化処理工程での加熱温度及び保持時間は上記の範囲であることに限定されるものではない。
上記保持時間については、窒化処理温度によって変化させ、ダイスの特性等を考慮した上で窒化処理温度を最適化し、さらに押出し条件に耐え得るのに十分な厚さの拡散硬化層が得られる保持時間を選定することができる。
第2窒化処理工程では、上記第1窒化処理工程が行われたダイス本体を、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層を形成する。
雰囲気ガスとして使用する窒化ガスとしては、NH3ガスか、あるいはNH3ガスとN2等の非窒化性ガスとの混合ガスを使用することができる。
上記第2窒化処理工程での加熱温度は、500〜580℃に設定するのが好ましい。温度が500℃未満では、化合物層の十分な厚さを確保するためには保持時間が長くなり過ぎて生産性が悪化する虞がある。逆に、温度が580℃を超えと、ダイス母材(ダイス本体)の軟化速度が速くダイスの耐久寿命が短くなる虞がある。
このように、ダイス母材の焼戻し温度よりも数10℃程度低い温度を第2窒化処理温度とすることにより、ダイスの軟化を防止できるとともに、必要な窒化層の厚さと生産性を確保することができる。
また、第2窒化処理工程での加熱温度の保持時間(即ち処理時間)については、1〜5時間が好適である。こうすることにより、化合物層中のC濃度を確実に低下させることができるし、拡散硬化層中のCの母材(即ちダイス本体)側への撹拌を確実に防止できる。すなわち、保持時間が1時間未満では、化合物層中のC濃度を十分に低下させることができない虞がある。一方、保持時間が5時間を超えると、拡散硬化層中のCが表面から侵入するNに押されることで母材側に拡散してしまう虞がある。
だだし本発明では、第2窒化処理工程での加熱温度及び保持時間は上記の範囲であることに限定されるものではない。
上記保持時間については、窒化処理温度によって変化させ、ダイスの特性等を考慮した上で窒化処理温度を最適化し、さらに押出し条件に耐え得るのに十分な厚さの化合物層が得られる保持時間を選定することができる。
このように、本発明では、表面の化合物層が比較的分解を起こしづらく、かつ拡散硬化層の剥離も起こしづらい構造とするため、カーボン源を有する浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第1窒化処理)を行った後、引き続き浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第2窒化処理)を行うのである。こうすることにより、拡散硬化層中には窒素と炭素の両方を拡散させることで拡散硬化層の脆化を抑制して剥離を防止する。加えて、最表面に形成する化合物層の炭素濃度を極力低下させることにより、鉄窒化物単体よりもFeとの結合力が弱い化合物である炭化物や炭窒化物の形成を抑制し、特に高温領域において分解されにくい化合物層を形成する。このようにして、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた窒化層構造のアルミニウム押出し加工用ダイスが得られるのである。
以上のように、本発明の方法で表面処理されたアルミニウム押出し加工用ダイスは、耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた窒化層構造となっており、特に比較的押出し温度が高いアルミニウム押出しパイプ加工用ダイスで摩耗量の低減に効果を発揮し、さらに剥離発生によるトラブルを極めて起こしづらいことから、押出し材の品質の向上を図り得て、更に生産性の向上も期待できる。
上記のようにして表面処理されたアルミニウム押出し加工用ダイスは、材質が工具鋼であるダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層が形成され、上記拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層が形成されたものである。なお、工具鋼は、詳述すると焼入れ及び焼戻し処理が施された熱間工具鋼である。ただし、焼入れ及び焼戻し処理が施されていない熱間工具鋼や、その他の工具鋼でも本発明の効果は得られる。
上記実質的に炭素(C)を含まない化合物層とは、Fe−N化合物(鉄窒化物)を主成分とし、そのC濃度は1質量%未満(特に望ましくは0.8質量%未満)であることが好ましい。このようにすることにより、この化合物層は、Cを多く含む化合物層よりも熱分解しづらくなるため、優れた耐摩耗性が得られる。
また、この化合物層の厚さは、2〜10μmに設定するのが好ましく、より好ましくは4〜8μmである。厚さが2μm未満では、1回の押出し可能量が少なくなる上、後述する再窒化処理のサイクルが短くなるため押出しの生産性が悪くなる虞があるからである。逆に、厚さが10μmを超えると、化合物層を得るために高温長時間処理が必要となり、表面処理の生産性の悪化やダイス母材の軟化による再窒化可能回数の減少等の問題が発生する虞があるからである。
だだし本発明では、化合物層の厚さは上記の範囲であることに限定されるものではない。
一方、拡散硬化層は、押出し時のせん断応力で剥離を起こさないようにする必要がある。しかるに、拡散させたNの濃度が大きく減少しビッカース硬度で約900→600MHvに硬度低下する部分は、引張応力が増幅される可能性が高いことから、表面から負荷される応力が内部に向かって減少することを考慮し、拡散硬化層はその位置をできるだけ内部に位置させることが望ましい。
したがって、耐剥離性を向上させるためには、押出し条件によって負荷応力の大きさが異なることを考慮する必要はあるものの、少なくとも拡散硬化層の厚さは50μm以上、より好ましくは80μm以上であることが望ましい。このようなアルミニウム押出し加工用ダイスは耐摩耗性に加え耐剥離性にも優れることになる。拡散硬化層の厚さの上限値は限定されるものではないが、例えば200μm以下、特に150μm以下であることが好ましい。
だだし本発明では、拡散硬化層の厚さは上記の範囲であることに限定されるものではない。
上記アルミニウム押出し加工用ダイスは、上記第2窒化処理工程で形成された化合物層が、押出しによってその厚さが減少もしくは消滅したとき、上記第2窒化処理工程を含む再窒化処理を施すことができる。
すなわち、化合物層の厚さは押出し時の摩耗および分解によって減少していく。しかるに、特に高温となるベアリング部表面の化合物層が消滅し拡散硬化層が露出した場合には、アルミニウムとの親和性が強くなるために摩耗速度が増加し、ベアリング面の形状が変化することによって押出材の寸法精度や面粗度等の品質に影響を与えるだけではなく、押出し後のダイス表面のメンテナンスが困難になり、ダイスの再使用が不可能になる場合もある。
そこで、このため化合物層が消滅する前後、より好ましくは消滅する前に再窒化処理を行うことによって、そのようなトラブルを防止し、ダイスの寿命を延ばすことが可能となる。このようにすることにより、押出しによってFe2NおよびFe3Nを主体とする化合物層が減少もしくは消滅し、拡散硬化層が露出して急激に摩耗が進行しやすくなったタイミングで、改めて炭素濃度が極めて低く分解しにくい化合物層を形成し、もってダイスを再使用することが可能となる。
この場合において、上記再窒化処理として、上記第1窒化処理工程と第2窒化処理工程を含む処理を行った場合には、再窒化処理によって拡散硬化層の厚さがさらに増加することで、拡散硬化層は、化合物層を支持して母材まで硬度を徐々に低下させる傾斜層としての機能が向上し、より剥離を起こしづらい構造とすることができるのである。
なお、再窒化処理する際の化合物層残存の見極め方法については、塩化アンモニウム第二銅(II)水溶液を、ダイス表面をエメリー紙等で軽く研磨した後で該ダイス表面上に滴下し、銅の析出の有無によって簡易的に見分けることができる。したがって、この方法を利用して最適な再窒化処理サイクルを構築することが可能である。
以上のように、本発明では、窒化処理の前段階でカーボン源を有する浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第1窒化処理)を行うことにより、窒素と炭素を同時に拡散させて拡散硬化層の脆性を緩和させ、さらに化合物層を支持し母材まで硬度を徐々に低下させる傾斜層としての役割を持つ拡散硬化層を形成することにより、剥離を起こしづらい構造とする。さらに、後段階でカーボン源を含まない窒化ガス雰囲気中で窒化処理(第2窒化処理)を行うことにより、最表面にC濃度の低い化合物層を形成する。これにより、優れた耐摩耗性と耐剥離性を兼ね備えた、アルミニウム押出し加工用ダイスに理想的な窒化層を形成させることが可能となる。よって、このダイスは、各種アルミニウム合金のうち特にダイスに摩耗が生じ易い合金である3000系(例えば、JIS 3000系)のアルミニウム合金を押出し加工ためのものとして、好適に使用できる。
また、押出しを行うアルミニウム合金の種類や金型の形状等によって加熱温度や押出し速度等が変化し、必要とされる耐摩耗性や耐剥離性のバランスはそれぞれによって異なることになるため、特に押出し温度が高いものや寸法精度や表面品質の要求が厳しいものなどに対しては化合物層および拡散硬化層の厚さ等をそれぞれに最適なものとする必要が発生するが、窒化処理時のガス組成や温度、時間等を最適化することでそれらにも十分対応できる処理となる。
また、本発明に係るアルミニウム押出し加工用ダイスの製造方法は、上記アルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法を含んでいる。したがって、本発明に係るアルミニウム押出し加工用ダイスの製造方法は、上記と同じ効果を奏する。
次に、具体的な実施例について以下に説明する。
[実施例1]
熱間工具鋼JIS SKD61からなる素材(母材)を順次焼入れ及び焼戻し処理し、硬度HRC49に調質した。この素材から10×10×30mmの試料を複数個作成し、表面をエメリー紙#600で研磨し分析用試料とした。
この分析用試料を熱処理炉内に配置した。そして、浸炭性ガスを含む窒化ガスとして、50%NH3+50%RXガスの混合ガスの雰囲気中において、加熱温度560℃及び保持時間90分の条件で、第1窒化処理を行った。その後、実質的に浸炭性ガスを含まない窒化ガスとして、50%NH3+50%N2ガスの混合ガスの雰囲気中において、加熱温度560℃及び保持時間90分の条件で、第2窒化処理を行った。なお、%とは、全て体積%である。
この試料の断面のEPMA分析結果を図2に示す。同図において「白層」とは、化合物層のことである。同図に示すように、化合物層に相当する部分のC濃度は約0.5質量%であり、すなわち図1(a)及び図1(b)に示したガス軟窒化処理及び塩浴窒化処理でのC濃度である約2質量%と比較して大きく減少していた。したがって、この処理方法によれば、従来例よりも耐摩耗性が向上することが予測される。
[実施例2]
実施例2として、上記実施例1と同様の方法で表面処理を行ったアルミニウム押出し加工用ダイス(詳述するとポートホールダイス)を使用し、JIS 3003のアルミニウム合金のビレットから押出材としてパイプ材を押出した。そして、このダイスについて押出し前後のベアリング面の面粗度を測定した。その結果を図3に示す。
[比較例1及び2]
比較例1として、50%NH3+50%RXガスの混合ガスの雰囲気中において、加熱温度560℃及び保持時間3時間の条件でガス軟窒化処理したダイスを準備した。また、比較例2として、50%NH3+50%N2ガスの混合ガスの雰囲気中において、加熱温度560℃及び保持時間3時間の条件でガス窒化処理したダイスを準備した。なお各ダイスの母材(ダイス本体)は実施例2と同じである。そして、これらのダイスを使用して実施例1と同様にパイプ材を押出した。次いで、これらのダイスについて押出し前後のベアリング面の面粗度を測定した。その結果を図3に合わせて示す。
図3に示すように、ガス軟窒化処理した比較例1は、早期に摩耗の進行による面粗度の著しい悪化が見られた。また同じく、ガス窒化処理した比較例2では、摩耗の進行による面粗度の悪化が見られた。これに対して、実施例2では目立った摩耗は確認できず、押出し量の増加による面粗度の悪化も非常に少なかった。したがって、実施例2は優れた耐摩耗性を有していることを確認し得た。
また、36本押出し後のダイスにおいて、そのベアリング面及びポート面に塩化アンモニウム第二銅(II)10体積%水溶液を滴下し、銅の析出の有無について調べた。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、ベアリング面では、ガス軟窒化処理した比較例1のみに銅の析出が起き、化合物層が既に消滅していることが確認できた。このことから、実施例2のように化合物層中のCの含有量が少ないものは、熱負荷による耐分解性にも優れていることが分かる。また、ガス窒化処理した比較例2については、12本押出し後の段階で、既にアルミニウム合金のビレットを導入するポート面に窒化層の剥離が生じていることを確認できた。このことから、ダイスの比較的温度の低い部分では特に脆性が問題となることが確認できた。
[実施例3]
実施例3として、上記実施例1と同様の方法の窒化処理工程を繰返し行い、最高で10回繰返し窒化処理を行った試料を作成した。このうち、窒化処理の繰返し回数が1回、5回、および10回の試料をそれぞれ樹脂に埋め込み、マイクロビッカース硬度計を使用して表面から25、26、27、28μmの深さ位置に4.9Nの荷重で圧痕をつけ、割れ等の発生の有無で脆性について調べた。その結果を図4に示す。
[比較例3]
比較例3として、上記比較例2のガス窒化処理と同様の方法で、最高で10回繰返し窒化処理を行った試料を作成した。そして、実施例3と同様の方法で脆性について調べた。その結果を図4に合わせて示す。
図4に示すように、比較例3では繰返し回数が増大するほど圧痕の割れの発生が明確になっている。例えば、繰返し回数が5回の試料では亀裂が発生し、特に繰返し回数が10回の試料では25μmの深さ位置の圧痕は崩れてしまい(即ち瓦解し)正常に打つことが出来ない状態となっている。これに対して、実施例3では繰返し回数が10回の試料でも明確な圧痕の割れは発生していない。したがって、実施例3では、繰返し窒化処理を行った場合でも、脆性が低く剥離を起こしづらい構造となっていることを確認できた。
本発明は、アルミニウムの熱間押出し加工用ダイスの表面処理方法に適用することができ、特に、加工温度が高いアルミニウム押出しパイプ加工用ダイスの表面処理方法により好ましく適用することができる。
ガス軟窒化処理を行った試料の断面のEPMA分析結果を示す図(グラフ)である。 塩浴窒化処理を行った試料の断面のEPMA分析結果を示す図(グラフ)である。 実施例1の試料の断面のEPMA分析結果を示す図(グラフ)である。 実施例2並びに比較例1及び2のダイスについて行われた押出し前後の面粗度の測定結果を示す図(グラフ)である。 実施例3及び比較例3の試料について行われたマイクロビッカース圧痕試験による脆性の評価結果を示す図(写真)である。 本発明の一実施形態に係るアルミニウム押出し加工用ダイスの概略断面図である。 同ダイスのベアリング部の拡大概略断面図である。
符号の説明
1…ダイス
1A…雌型
1B…雄型
2…ベアリング孔
2a…ベアリング面
3…ポート孔
3a…ポート面
5…ダイス本体(母材)
6…拡散硬化層
7…化合物層

Claims (16)

  1. 材質が工具鋼であるダイス本体を、浸炭性ガスを含む窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、ダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層を形成する第1窒化処理工程と、
    前記第1窒化処理工程が行われたダイス本体を、浸炭性ガスを含まない窒化ガス雰囲気中で加熱保持することにより、前記拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層を形成する第2窒化処理工程と、
    を含むことを特徴とするアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  2. 前記第1窒化処理工程において、加熱温度が500〜580℃である請求項1記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  3. 前記第1窒化処理工程において、保持時間が1〜5時間である請求項1又は2記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  4. 前記第1窒化処理工程において、浸炭性ガスはブタン又はプロパンの変成ガスであり、窒化ガスは、NH3ガスであるか、あるいはNH3ガスと非窒化性ガスとを含む混合ガスである請求項1〜3のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  5. 前記浸炭性ガスはRXガスである請求項4記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  6. 前記第1窒化処理工程において、前記拡散硬化層を厚さ50μm以上形成する請求項1〜5のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  7. 前記第2窒化処理工程において、加熱温度が500〜580℃である請求項1〜6のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  8. 前記第2窒化処理工程において、保持時間が1〜5時間である請求項1〜7のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  9. 前記第2窒化処理工程において、窒化ガスは、NH3ガスであるか、あるいはNH3ガスと非窒化性ガスとを含む混合ガスである請求項1〜8のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  10. 前記第2窒化処理工程において、前記化合物層を厚さ2〜10μm形成する請求項1〜9のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  11. 前記第2窒化処理工程で形成された前記化合物層が、押出しによってその厚さが減少もしくは消滅したとき、このダイスに前記第2窒化処理工程を含む再窒化処理を施す請求項1〜10のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  12. 前記ダイスは、3000系のアルミニウム合金の押出し加工用のものである請求項1〜11のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  13. 前記ダイス本体の材質は、焼入れ及び焼戻し処理が施された熱間工具鋼である請求項1〜12のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法により処理されたアルミニウム押出し加工用ダイス。
  15. 材質が工具鋼であるダイス本体の表層部に炭素と窒素を含む拡散硬化層が形成されるとともに、前記拡散硬化層の表面に実質的に炭素を含まない化合物層が形成されていることを特徴とするアルミニウム押出し加工用ダイス。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項記載のアルミニウム押出し加工用ダイスの表面処理方法を含む、アルミニウム押出し加工用ダイスの製造方法。
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