JP2007055975A - メタノール製造装置及びメタノール製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素と水素を含むガスを原料ガスとするメタノール合成であって、メタノール転化率を十分に高めることができ、反応生成物である水による触媒劣化の問題を無くすことができ、更にメタノール蒸留工程が要らないメタノール製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを反応器内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒の存在下で反応させてメタノールを製造するものであって、前記反応器は、反応生成物のメタノールは気体となり、他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ該水和物が液体となる反応条件で反応させるよう成され、前記反応器内から前記水和物を含む液相を一部抜き出して脱水反応させて前記水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去する脱水・膜分離装置を備え、水が分離された有機溶媒を含む相を前記反応器に戻して循環する。
【選択図】図2

Description

本発明は、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを触媒の存在下で反応させてメタノールを製造するメタノール製造装置及びメタノール製造方法に関するものである。
メタノールの合成方法として、一般に水素と一酸化炭素および/または二酸化炭素から成る原料ガスを、所定の反応条件下で触媒反応させる接触水素化法が知られている。これらの合成法には気相合成法と液相合成法がある。これらの反応式は以下の通りである。

CO +2H=CHOH (1)
CO+3H=CHOH
+ HO (2)

水素と二酸化炭素を含む原料ガスを用いる場合、上記(2)式に示したように、メタノールと等モルの水が生成する。この水は触媒を劣化させる問題がある。
また、上記(2)式は発熱反応で、モル数減少型平衡反応である。したがって、化学平衡上、低温高圧条件ほどメタノール合成に有利な反応である。
メタノールの平衡転化率は上記(2)式の熱力学的平衡定数によって決定され、例えば250℃、5MPaの条件下で21%と低い値である。反応圧力を例えば15MPaに高めると平衡転化率は40%まで改善されるが、原料ガスの圧縮動力が大きくなってしまう。したがって、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを用いたメタノール合成反応において、化学平衡の制約から解放されない限り、高いワンパス転化率を得ることはできない。化学平衡の制約から解放するには、化学平衡を生成側にシフトさせる必要があり、これまで、以下のような方法が検討されている。
(A)メタノール水溶液をほとんど溶解しないドデカン等を反応溶媒とし、反応容器から反応溶媒とメタノール水溶液を連続的に系外に排出する液相合成法が、特公平7−47554号公報(特許文献1)又は特開平9−227423号公報(特許文献2)に記載されている。
前者の公報には、原料ガスからメタノールを製造する際に、反応器内におけるメタノール及び水の少なくとも一部が液体として存在するのに十分な高圧力下で反応させ、反応生成物であるメタノールと水をメタノール水溶液として分離除去して反応器外に排出すると記載されている。
(B)水に不溶の溶媒に触媒を懸濁させ、反応器の下方から原料ガス(COベース)を吹き込み、生成したメタノールと未反応原料ガスとを反応器上方から気体で排出する液相合成法が特開平5−97732号公報(特許文献3)に記載されている。
特公平7−47554号公報 特開平9−227423号公報 特開平5−97732号公報
上記(A)の特公平7−47554号公報等に記載されたメタノール合成法では、反応器から取り出した液相を有機溶媒とアルコール水溶液に分離するために温度を下げて行っており、そのため分離した有機溶媒を再循環して反応器に戻す前に再加熱して反応温度まで高める必要がある。
更に、反応生成物がメタノール水溶液として分離されるので、メタノールと水を分離するためにメタノールの蒸留工程が更に必要となる。このため前記再加熱や蒸留のためのエネルギーがかかりコストダウンの妨げとなっていた。
上記(B)の特開平5−97732号公報に記載されたメタノール合成法は、装置構成及び記載内容的にメタノール合成反応におけるメタノール転化率については化学平衡の制約を受けており、高いワンパス転化率を得ることは未だできない。
また、上記従来技術のいずれも、反応生成物である水が触媒を含んだ液相中で生成するので、該水と触媒が僅かの間であっても接触することになり、水で触媒を劣化する虞があった。
本発明の目的は、二酸化炭素と水素を含むガスを原料ガスとするメタノール合成であって、ある温度及び圧力下における平衡転化率を超えてメタノール転化率を十分に高めることができ、反応生成物である水による触媒劣化の問題を無くすことができ、更に反応生成物であるメタノールと水を分離するためのメタノール蒸留工程が要らず、以てコストダウンを図ることができるメタノール製造装置及びメタノール製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るメタノール製造装置は、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを反応器内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒の存在下で反応させてメタノールを製造するメタノール製造装置であって、前記反応器は、反応生成物の一方のメタノールは気体となり、副生する他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ該水和物が液体となる反応条件で反応させるように構成され、前記反応器内から副生した前記水和物を含む液相を一部抜き出して、脱水触媒存在下で脱水反応させて前記有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去する脱水・膜分離装置を備え、前記脱水・膜分離装置で水が分離された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相を前記反応器に戻して循環するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、反応生成物であるメタノールは生成と同時に気体となって反応液相から分離し、副生する水は有機溶媒の不飽和結合を利用して該有機溶媒の水和物の形で且つ液体となって反応液相中に留まる。この「有機溶媒の水和物」が脱水処理されて再生した「不飽和結合を有する有機溶媒」と生成した「水」との混合物から、水が選択的に分離除去された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相、すなわち有機溶媒に富む相が連続的に反応器に戻されるので、反応系から水が除かれて減ることになり、平衡反応はメタノール生成側にシフトし、メタノール転化率を高めることができる。
本発明によれば、特にCOの水素化メタノール合成反応で本来水の状態で副生する反応を、不飽和結合を有する有機溶媒中で行わせることにより、例えば以下の反応式(3)に示すように、水は有機溶媒の水和物の形で生成され、結果的に反応系に水が生成されない状態でメタノール合成反応が進行するため、水による触媒劣化の問題が無くなり、触媒活性の耐久性を向上させることができる効果が得られる。(4)式は脱水触媒による脱水反応を示す。

CO+3H+CH=CHR → RCHCHOH+CHOH (3)

RCHCHOH → CH=CHR+HO [脱水反応](4)
また、合成反応と同時にメタノールと水(水和物)を分離することができるので、メタノール蒸留工程が不要となり、その蒸留に必要なエネルギーを大幅に削減できることに加えて、共沸蒸留に必要な第3成分も不要となり、以て大幅なコストダウンを図ることができる。
尚、有機溶媒に富む相とは、脱水反応で再生した前記有機溶媒と水との混合物である液相が、水の選択的な分離除去処理によって、該分離処理前よりも水の割合が減少して有機溶媒の割合が増えた状態の液相を言う。すなわち、反応器内の液相より有機溶媒の割合が多く、水の割合が少ない状態に水が分離除去された液相を意味する。
また、本発明の第2の態様に係るメタノール製造装置は、第1の態様において、前記脱水・膜分離装置は、ゼオライト膜を多孔質支持体上に成膜させた水選択透過膜体と該水選択透過膜体の外側に充填された脱水触媒とを備えた脱水分離膜モジュールと、該脱水分離膜モジュールの後段に連結された凝縮手段および吸引手段と、を備え、前記脱水触媒の脱水反応により有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、生成した水を前記水選択透過膜体により選択的に透過させて分離するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、構造簡単にして、有機溶媒の水和物を、元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると同時に、生成した水を前記水選択透過膜体により選択的に分離除去することができるので、第1の態様の作用効果を一層効果的に得ることができる。
本発明の第3の態様に係るメタノール製造方法は、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを反応器内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒の存在下で反応させてメタノールを製造する方法であって、前記反応器にて反応生成物の一方のメタノールは気体となり、副生する他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ該水和物が液体となる反応条件で反応させ、前記反応器内から副生した前記水和物を含む液相を一部抜き出して、脱水触媒存在下で脱水反応させて前記有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去し、前記膜分離装置で水が分離された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相を前記反応器に戻して循環させることを特徴とするものである。本発明によれば、第1の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明によれば、二酸化炭素と水素を含むガスを原料ガスとするメタノール合成であって、ある温度及び圧力下における平衡転化率を超えてメタノール転化率を十分に高めることができ、触媒劣化の問題をほとんど無くし、更に反応生成物であるメタノールと水を分離するためのメタノール蒸留工程が要らず、以てコストダウンを図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明に係るメタノール製造装置の一実施の形態について詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るメタノール製造装置を示す概略構成図、図2は本実施の形態に係る脱水・膜分離装置の概略断面図である。
図1、図2に示したように、本実施の形態に係るメタノール製造装置の反応器1は、水素と二酸化炭素を含む原料ガス15を反応器1内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒を含んだ反応液相2の中で反応させてメタノールを製造するものである。反応器1は、反応生成物の一方のメタノールは気体となり、副生する他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ液体となる反応条件で反応させるように構成されている。
この反応条件は、反応温度を100℃〜220℃、反応圧力を2MPa〜7MPaとすることで実現され、図示しない温度調整手段および圧力可変手段によって維持される。尚、望ましい反応条件は反応温度が150℃〜170℃、反応圧力が3MPa〜5MPaである。
そして、前記反応器1内から、前記水和物を含む液相を一部抜き出して、脱水触媒12の存在下で脱水反応させて、前記有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去する脱水・膜分離装置11を備え、前記脱水・膜分離装置11で水が分離された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相を前記反応器1に戻して循環するように構成されている。
ここで、脱水・膜分離装置11は、図2に示したとように、ゼオライト膜を多孔質支持体上に成膜させた有底筒状の水選択透過膜体22と該水選択透過膜体22の外側に充填された脱水触媒17とを備えた脱水分離膜モジュール20と、該脱水分離膜モジュール20の後段に連結された凝縮手段であるコンデンサー26および吸引手段である真空ポンプ27とを備えて成る。そして、前記脱水触媒17の脱水反応により「有機溶媒の水和物」を元の「不飽和結合を有する有機溶媒」に再生すると共に、生成した「水」を水選択透過膜体22により選択的に透過させて分離するように構成されている。
反応器1内の液相2は、触媒としてCu/ZnOを含有する化合物等が用いられ、その大きさや形状は反応器1の構成や方式により適宜設定される。
また、本発明の不飽和結合を有する有機溶媒としては、二重結合あるいは三重結合を有する炭化水素類で、メタノール合成の反応条件下で副生物の水が有機溶媒の水和物となり且つ液体となるものが選択でき、1−オクテン、1−ノネン、1,7−オクタジエン等が挙げられる。また、複数の種類の有機溶媒を合わせて使用することもできる。また反応に関与しない溶媒を希釈のために加えても良い。
このような構成における本実施の形態に係る装置の更に具体的な構造と動作原理および作用について説明する。原料ガス15はコンプレッサー3、予備加熱器4を介して反応器1の下方から供給される。原料ガス15は反応液相2中で触媒と接触し、通過しながら反応し、メタノールは気体状で生成され、有機溶媒の水和物が液体状で副生される。
生成したメタノールと未反応ガスは、反応器1のトップ位置に設けられた気相排出ライン5から排出される。気相排出ライン5には、有機溶媒と有機溶媒の水和物とがメタノールおよび未反応ガスと一緒に排出されないように冷却器6が設けられ、冷却器6で冷却され、凝縮された有機溶媒と有機溶媒の水和物は反応器1内に戻りライン16を通って戻されるようになっている。その後メタノールと未反応ガスは、コンデンサー7を介して気液分離器8に送られ、メタノールと未反応ガスに分離される。未反応ガスは必要に応じてその一部がパージガスとして除かれ、コンプレッサー9を介して原料ガス15の供給流路に戻される。
一方、副生した有機溶媒の水和物を含んだ反応液相2は、反応器1から一部を液相取り出しライン10を通って連続的に反応系外に取り出される。反応器1より取り出された液相2は脱水・膜分離装置11に供給され、この脱水・膜分離装置11を用いて脱水触媒12の存在下で脱水反応させて前記「有機溶媒の水和物」を元の「不飽和結合を有する有機溶媒」に再生すると共に「水」を生成する。同時に、生成した「水」は水選択透過膜体22によって選択的に分離除去される。この分離除去された水は排出ライン12から系外に排出される。再生した有機溶媒を含む未透過液相は、循環ライン13から循環ポンプ14を介して、反応器1内へ戻されて再循環される。
すなわち、図2に示したように、反応器1より液相取り出しラインを通って取り出された反応液相2は、脱水・膜分離装置11の分離膜モジュール20に供給される。脱水・膜分離装置11は、分離膜モジュール20の後段に、順次凝縮手段としてのコンデンサー26および吸引手段としての真空ポンプ27を連結し、分離膜モジュール20において脱水触媒17の存在下で脱水反応させて「有機溶媒の水和物」を元の「不飽和結合を有する有機溶媒」に再生すると共に「水」を生成する。同時に、生成した「水」を水選択透過膜体22によって選択的に分離回収し、該水は透過液として排出ライン12から系外に排出される。この脱水・膜分離装置11は、脱水反応と生成する水の分離を同時に行なうことができる所謂メンブレンリアクタである。尚、本実施の形態に係る分離膜モジュール20では、説明の簡単化のため一本の膜を用いて示したが、実際には、メタノールの製造量や反応条件等を考慮して複数本の膜を用いることができることは勿論である。
分離膜モジュール20は、本体容器21内に脱水触媒12を充填した供給側の室24と透過側の室25とが、有底筒状の水選択透過膜体22を互いの境界壁として設けられ、該水選択透過膜体22は管板23により本体容器21に固定されている。水選択透過膜体22は有底筒状の多孔質支持体上に水選択透過性のゼオライト膜を成膜させたものである。
本実施の形態において、水選択透過性のゼオライト膜としては、A型ゼオライト膜、T型ゼオライト膜等の親水性ゼオライト膜を用いることができる。また、多孔質支持体としては、ステンレス等の金属、アルミナ、シリカ等の無機系材料を用いることができる。多孔質支持体上へのゼオライト膜の形成方法としては、例えば水熱合成法で析出させることができる。脱水触媒としては、例えばAlやSiO/Al等を用いることができる。
このようにして得られた水選択透過膜体22を備えた分離膜モジュール20は、パーべーパレーション法(PV:浸透気化)またはべーパーパーミエーション法(VP:蒸気透過)により、含水混合物の分離を有効に行なうことができる。一般に、このような水選択透過性は、ゼオライト孔および結晶粒界の非ゼオライト細孔への親和性の高い水分子の吸着により細孔が閉塞され、親和性の低い他の分子の透過が阻害されることに起因すると考えられている。
以上説明したように、反応生成物であるメタノールは気体として生成させてそのまま系外に除き、一方、副生する水は有機溶媒の水和物の形で液体として反応液相中に留め、この液相の一部を後段の脱水・膜分離装置に取り出して、脱水触媒存在下で脱水反応させて「有機溶媒の水和物」を元の「不飽和結合を有する有機溶媒」に再生すると同時に、生成した水を選択的に膜分離し、該水を反応系外に排出すると共に、再生された前記「不飽和結合を有する有機溶媒」すなわち有機溶媒に富む相を反応器内に戻すので、メタノール合成反応の化学平衡を生成側にシフトさせながら反応を行なうことができるようになる。
その結果、メタノール合成反応が促進され、化学平衡に制約されない高い反応転化率を得ることが可能となる。そして、平衡転化率を上回るワンパス転化率を得ることができるので、未反応ガス量を低減でき、ガス循環動力を小容量のものにすることができる。
特に、COの水素化メタノール合成反応で本来水の状態で副生する反応を、不飽和結合を有する有機溶媒中で行わせることにより、水は有機溶媒の水和物の形で生成され、結果的に反応系に水が生成されない状態でメタノール合成反応が進行するため、水による触媒劣化の問題が無くなり、触媒活性の耐久性を向上させることができる。
また、水和物となった有機溶媒を脱水・膜分離装置で元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生させるため、有機溶媒の補充を少なくすることができる。さらに、メタノール、有機溶媒、水に関連した従来の複雑な分離、蒸留工程を省略できるので、必要なエネルギーを大幅に削減することができる。さらに、メタノール合成の反応熱は反応液相を一部取り出しての前記分離処理により反応系外(反応器外)へ効率的に除去することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によりその技術的範囲が限定されるものではない。以下の実施例は図1に示したメタノール製造装置のベンチテスト級実験装置を用いた結果を示す。
コンプレッサー3へ原料ガス15(組成 CO:25体積%、H:75体積%)を流量253NL/hで供給した。この原料ガスはコンプレッサー9から送られる未反応ガス(流量97.3NL/h)と合流し、反応器1へ供給される。反応器1には、溶媒として、1−オクテンを2.4L、Cu/ZnO/Al触媒を480gを入れ、170℃、3MPaで反応させた。
液相取り出しライン10からは1−オクタノールを18.5重量%、1−オクテンを80.4重量%を含む溶液が2.4L/hで脱水・膜分離装置11に送られる。脱水・膜分離装置11には、脱水反応触媒として900gのAl触媒を充填した。この条件においては、1−オクタノールが脱水反応を受け、水選択透過膜体22を通してコンデンサー26から、50.9g/hの水が回収された。脱水によって生成した1−オクテンは、循環ポンプ14によって循環ライン13を通って反応器1へ循環される。
反応器1からは気相側にメタノールなどが蒸発する。そのガスは、冷却器6、コンデンサー7で一部が凝縮され、反応器1に戻りライン16を通って戻される。冷却器6の温度を110℃に保つことによって、気液分離器8からメタノール97.8重量%、オクテン2.2重量%の液が92.6g/hで回収された。気液分離器8で分離された未反応ガスは、コンプレッサー9を通して原料ガス15と合流する。このときのワンパスのメタノール転化率は72.3%となった。従来の気相反応の反応装置では170℃、3MPaの反応条件におけるメタノールの平衡反応率33.1%を越えることはないが、この図1の構成の装置によってその平衡転化率を超える72.3%の転化率を達成できた。
本発明は、水素と二酸化炭素を含む原料ガスを触媒の存在下で反応させてメタノールを製造するメタノール製造装置及びメタノール製造方法に利用可能である。
実施の形態に係るメタノール製造装置を示す概略構成図である。 本実施の形態に係る脱水・膜分離装置の概略断面図である。
符号の説明
1:反応器 2:反応液相 3:コンプレッサー
4:予備加熱器 5:気相排出ライン 6:冷却器 7:コンデンサー
8:気液分離器 9:コンプレッサー 10:液相取り出しライン
11:脱水・膜分離装置 12:排出ライン 13:循環ライン
14:循環ポンプ 15:原料ガス 16:戻りライン 17:脱水触媒
20:分離膜モジュール 21:本体容器
22:水選択透過膜体 23:管板 24:供給側の室
25:透過側の室 27:真空ポンプ

Claims (3)

  1. 水素と二酸化炭素を含む原料ガスを反応器内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒の存在下で反応させてメタノールを製造するメタノール製造装置であって、
    前記反応器は、反応生成物の一方のメタノールは気体となり、副生する他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ該水和物が液体となる反応条件で反応させるように構成され、
    前記反応器内から副生した前記水和物を含む液相を一部抜き出して、脱水触媒存在下で脱水反応させて前記有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去する脱水・膜分離装置を備え、
    前記脱水・膜分離装置で水が分離された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相を前記反応器に戻して循環するように構成されていることを特徴とするメタノール製造装置。
  2. 請求項1において、前記脱水・膜分離装置は、ゼオライト膜を多孔質支持体上に成膜させた水選択透過膜体と該水選択透過膜体の外側に充填された脱水触媒とを備えた脱水分離膜モジュールと、該脱水分離膜モジュールの後段に連結された凝縮手段および吸引手段と、を備え、前記脱水触媒の脱水反応により有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、生成した水を前記水選択透過膜体により選択的に透過させて分離するように構成されていることを特徴とするメタノール製造装置。
  3. 水素と二酸化炭素を含む原料ガスを反応器内で触媒及び不飽和結合を有する有機溶媒の存在下で反応させてメタノールを製造する方法であって、
    前記反応器にて反応生成物の一方のメタノールは気体となり、副生する他方の水は有機溶媒の水和物となり且つ該水和物が液体となる反応条件で反応させ、
    前記反応器内から副生した前記水和物を含む液相を一部抜き出して、脱水触媒存在下で脱水反応させて前記有機溶媒の水和物を元の不飽和結合を有する有機溶媒に再生すると共に、該脱水反応で生成する水を選択的に分離除去し、
    前記膜分離装置で水が分離された不飽和結合を有する有機溶媒を含む相を前記反応器に戻して循環させることを特徴とするメタノール製造方法。
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