JP7435553B2 - 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法 - Google Patents

膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7435553B2
JP7435553B2 JP2021106597A JP2021106597A JP7435553B2 JP 7435553 B2 JP7435553 B2 JP 7435553B2 JP 2021106597 A JP2021106597 A JP 2021106597A JP 2021106597 A JP2021106597 A JP 2021106597A JP 7435553 B2 JP7435553 B2 JP 7435553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
space
condensable
membrane
separation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021106597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023004716A (ja
Inventor
祐太 西川
伸行 紫垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2021106597A priority Critical patent/JP7435553B2/ja
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to KR1020237042968A priority patent/KR20240007262A/ko
Priority to AU2022303845A priority patent/AU2022303845A1/en
Priority to EP22832769.8A priority patent/EP4349454A1/en
Priority to CN202280041618.5A priority patent/CN117479996A/zh
Priority to PCT/JP2022/023450 priority patent/WO2023276612A1/ja
Priority to TW111123787A priority patent/TWI836487B/zh
Publication of JP2023004716A publication Critical patent/JP2023004716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7435553B2 publication Critical patent/JP7435553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/22Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion
    • B01D53/228Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion characterised by specific membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/22Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/86Catalytic processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/04Tubular membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/02Inorganic material
    • B01D71/028Molecular sieves
    • B01D71/0281Zeolites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2256/00Main component in the product gas stream after treatment
    • B01D2256/16Hydrogen

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法に関する。
近年、二酸化炭素排出削減技術の1つとして、二酸化炭素(以下「CO」とも言う。)ガスを水素(以下「H」とも言う。)ガスと化学反応させ、有価物へ変換して再利用するCCU(Carbon Capture and Utilization)と呼ばれる技術の開発が検討されている。
様々なCCU技術が検討されている中、使われる化学反応には、例えば、逆水性ガスシフト反応(式(1))と、メタノールへの変換反応(式(2))やエタノールへの変換反応(式(3))を組み合わせた反応などがある。
CO+H⇔CO+HO (1)
CO+2H⇔CHOH (2)
2CO+4H⇔COH+HO (3)
これらのアルコール合成反応は化学平衡が関与し、熱力学的上限を有する。そのため収率向上には、反応の高圧化や未反応ガスのリサイクルが必要である。さらに、アルコールと同時に生成する水蒸気の分離設備を必要とし、設備が大型化する課題がある。
熱力学的上限を突破し、かつメタノールと水蒸気の分離設備コストを削減するためのアプローチとして、反応系からメタノールまたは水蒸気のいずれか1つを選択的に分離することにより、生成物側への反応平衡のシフトと、メタノールと水蒸気の分離を同時に行う手法がある。例えば、ゼオライト膜を具えた膜反応器によって非透過側で生成したメタノールまたは水蒸気を透過側へ選択的に分離し、熱力学的上限を突破可能かつ従来法よりもメタノール濃度を向上可能な、膜反応器を用いたプロセスが提案されている(特許文献1、2、3)。メタノールまたは水蒸気の透過駆動力は、非透過側と透過側における透過成分の分圧差であるため、非透過側ではメタノール合成反応を熱力学的に有利な高圧で行うとともに、生成物を低圧の透過側へ分離することで、反応平衡のシフトと分離促進の相乗効果を発揮できる。
特開2007-055970号公報 特開2018-008940号公報 特開2020-023488号公報 特開2020-132439号公報
膜反応器を用いた上記プロセスにおいて使用される分離膜は、メタノールまたは水蒸気のいずれか1つを選択的に透過させる機能を有する。しかしながら、特許文献1および3では、透過性能の詳細について記述は無く、透過性能がメタノール製造コストに与える影響は検討されていない。特許文献2では、メタノールに対する水蒸気の分離係数が230以上の場合、生成したメタノールのうち99%以上が透過せずに回収できるため好ましいと述べられているが、透過した1%未満のメタノールの回収・利用方法については検討されていない。透過側で透過した水がメタノールを含む場合、これを排水するためには、事業所排水中の化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand、以下「COD」とも言う)を、環境基準値である日間平均120mg/L(リットル)、すなわち0.012質量%以下としなければならないところ、特許文献2に記載の膜反応器を用いてCOと水素からメタノールと水を合成し、透過側の排水を環境基準値以下とするためには、メタノールに対する水蒸気の分離係数は少なくとも1480000以上が必要である。
以上のように、非常に高い膜性能でないと高純度な生成物を得ることができず、膜反応器を用いたプロセスにおいてもエネルギーコストの大きい蒸留を省略することが難しい課題があった。
また、特許文献4において、膜反応器において分離された水を、一酸化炭素または炭化水素系ガスを含む掃引ガスで掃引後、水性ガスシフト反応または水蒸気改質反応により水素ガスを製造する設備列で利用することが提案されている。特許文献4では、生成する水を別工程で利用するため排水処理量が減少するが、掃引ガスに用いる一酸化炭素または炭化水素系ガスは、原料ガスとして必ずしも必要ではないガスであり、原料ガスとは別に掃引ガス用のガス設備の設置を必要とする課題がある。
膜反応器に具備された分離膜は特定の化合物を選択的に反応系から分離するが、現在合成可能な分離膜は特定の化合物以外のガスの透過もゼロではない。工業用メタノールのJIS規格である99.8質量%の高純度なメタノールや、COD日間平均120mg/L以下の高純度な水を、透過側で得るためには、分離性能の非常に高い分離膜が必要である。しかしながら、現在合成可能な分離膜の分離性能は十分ではなく、高純度なメタノールまたは水を得るためには、後段の蒸留設備自体は依然必要である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、後段にエネルギーコストの大きい蒸留設備を要することなく、幅広い分離性能の分離膜を具備した膜反応器において、膜反応器の透過側に透過した2種以上の凝縮性生成物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比を向上させ、高純度化することができる、膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、膜反応器を用いたプロセスにおいて、分離膜を介して透過して分離された凝縮性生成物を分解触媒によって分解することで上記課題が解決できることを見出した。
具体的には、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 分離膜(M)と、合成触媒(C1)が充填された非透過側の第1空間(E1)と、透過側の第2空間(E2)とを備える膜反応器(E)の上記第1空間(E1)に、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入することで、上記合成触媒(C1)の作用によって、2種以上の凝縮性生成物を合成する、合成反応工程と、
上記分離膜(M)が、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、上記2種以上の凝縮性生成物のうち少なくとも1つの透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜であり、上記合成反応工程において上記第1空間(E1)に生成した上記2種以上の凝縮性生成物が、上記分離膜(M)を介して上記第2空間(E2)に透過して分離される、膜分離工程と、
上記膜分離工程において上記第1空間(E1)から上記第2空間(E2)に透過した上記2種以上の凝縮性生成物を分解触媒(C2)の作用によって分解し、上記透過した2種以上の凝縮性生成物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比を向上させる、分解反応工程とを有する、膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(2) 上記分解触媒(C2)が上記第2空間(E2)に充填され、上記分解反応工程が上記第2空間(E2)で行われる、上記(1)に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(3) 上記2種以上の凝縮性生成物が、アルコール及び水である、上記(1)又は(2)に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(4) 上記分解反応工程において、上記2種以上の凝縮性生成物の分解によって水素ガスを含む分解生成ガスが生成し、
上記分解反応工程によって物質量比が向上した1種の凝縮性生成物と上記分解生成ガスとを含む混合ガスを気液分離法によって分離する、気液分離工程をさらに有する、上記(1)~(3)のいずれかに記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(5) 上記気液分離工程によって分離された分解生成ガスを、上記合成反応工程の原料ガスとして再利用する、上記(4)に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(6) 上記第2空間(E2)に掃引ガスを流通させる、上記(1)~(5)のいずれかに記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(7) 上記掃引ガスが、水素ガスを含む、上記(6)に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
(8) 上記2種以上の凝縮性生成物が、メタノール及び水であり、
上記分離膜の性能として、メタノールに対する水蒸気の分離係数が8.5以上、又は、水蒸気に対するメタノールの分離係数が3以上である、上記(1)~(7)のいずれかに記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
本発明によれば、幅広い性能の分離膜を具えた膜反応器に対して、透過した凝縮性生成物について蒸留設備を新たに要することなく、簡便な設備で高純度な生成物を透過側で得ることができる。
また、本発明によれば、エネルギーコストの大きい蒸留設備を省略できるため、従来の膜反応器プロセスよりも低コストで、高純度な生成物を得ることができる。
本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法の一態様を示す図である。 本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法の好適な態様の一態様を示す図である。 本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法の別の好適な態様の一態様を示す図である。 本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法の一実施例を示す図である。
以下に、本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法について説明する。
本発明の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法(以下、「本発明の方法」とも言う)は、
分離膜(M)と、合成触媒(C1)が充填された非透過側の第1空間(E1)と、透過側の第2空間(E2)とを備える膜反応器(E)の上記第1空間(E1)に、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入することで、上記合成触媒(C1)の作用によって、2種以上の凝縮性生成物を合成する、合成反応工程と、
上記分離膜(M)が、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、上記2種以上の凝縮性生成物のうち少なくとも1つの透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜であり、上記合成反応工程において上記第1空間(E1)に生成した上記2種以上の凝縮性生成物が、上記分離膜(M)を介して上記第2空間(E2)に透過して分離される、膜分離工程と、
上記膜分離工程において上記第1空間(E1)から上記第2空間(E2)に透過した上記2種以上の凝縮性生成物を分解触媒(C2)の作用によって分解し、上記透過した2種以上の凝縮性生成物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比を向上させる、分解反応工程とを有する、膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法である。
最初に図面を用いて本発明の方法について説明する。
[図面を用いた説明]
〔図1〕
図1は、本発明の方法の一態様を示す図である。
図1において、膜反応器Eは、反応管10と分離管20との二重管構造を有する。反応管10と分離管20との間には第1空間E1(非透過側の第1空間E1)が区画され、分離管20の内部には第2空間E2(透過側の第2空間E2)が区画されている。分離管20は、内管25と、その反応管10側の表面に存在する分離膜Mとからなる。第1空間E1には合成触媒C1が充填されている。
まず、合成反応工程では、膜反応器Eの第1空間E1に、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入する。これにより、合成触媒C1の作用によって、2種の凝縮性生成物(凝縮性生成物1と凝縮性生成物2(目的生成物))を合成する。
凝縮性生成物及び未反応ガス(反応しなかった原料ガス)のうち分離膜Mを透過しなかったものは、第1空間E1の出口側aから流出され、凝縮性生成物2(目的生成物)は回収される。
膜分離工程では、合成反応工程において第1空間E1に生成した凝縮性生成物が分離膜Mを介して第2空間E2に透過して分離される。
なお、分離膜Mは、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、凝縮性生成物1の透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜である。また、分離膜Mは、凝縮性生成物(凝縮性生成物1、凝縮性生成物2)の透過係数が異なる分離膜であり、凝縮性生成物2よりも凝縮性生成物1の方が、透過係数が大きい。すなわち、凝縮性生成物1は透過し易く、凝縮性生成物2は透過し難い。そのため、透過した凝縮性生成物中の凝縮性生成物1の物質量比は透過前よりも高い。
分解反応工程では、第1空間E1から第2空間E2に透過した凝縮性生成物(凝縮性生成物1、凝縮性生成物2)を分解触媒C2が充填された分解用反応器30に導入する。分解触媒C2の作用によって凝縮性生成物(凝縮性生成物1、凝縮性生成物2)の分解反応(典型的には合成反応工程の合成反応の逆反応)が進行し、凝縮性生成物が消費されて、分解生成物が生成する。
ここで、上述のとおり、透過した凝縮性生成物中の凝縮性生成物1の物質量比は透過前よりも高い。そのため、分解反応が進行して凝縮性生成物が消費されると、凝縮性生成物中の凝縮性生成物1の物質量比はさらに向上し、最終的には凝縮性生成物2が先に消失する。
その結果、凝縮性生成物中の凝縮性生成物1が高純度化される。
〔図2〕
図2は、本発明の方法の好適な態様の一態様を示す図面である。
図2において、膜反応器Eは、反応管10と分離管20との二重管構造を有する。反応管10と分離管20との間には第1空間E1(非透過側の第1空間E1)が区画され、分離管20の内部には第2空間E2(透過側の第2空間E2)が区画されている。ここで、分離管20は、内管25と、その反応管10側の表面に存在する分離膜Mとからなる。そして、第1空間E1には合成触媒C1が充填され、第2空間E2には分解触媒C2が充填されている。
図2は、合成反応工程及び膜分離工程は図1と同じであるが、違いは、第2空間に充填されている分解触媒C2の作用によって、第1空間E1から第2空間E2に透過した凝縮性生成物(凝縮性生成物1、凝縮性生成物2)の分解反応(典型的には合成反応工程の合成反応の逆反応)が進行し、分解生成物が生成する(分解反応工程)点である。
ここで、上述のとおり、透過した凝縮性生成物中の凝縮性生成物1の物質量比は透過前よりも高い。そのため、分解反応が進行して凝縮性生成物が消費されると、凝縮性生成物中の凝縮性生成物1の物質量比はさらに向上し、最終的には凝縮性生成物2が先に消失する。その結果、凝縮性生成物中の凝縮性生成物1が高純度化される。
〔図3〕
図3は、本発明の別の好適な態様の一態様を示す図面である。
図3において、膜反応器Eは図2と同じである。
まず、合成反応工程では、膜反応器Eの第1空間E1に、二酸化炭素ガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入する。これにより、合成触媒C1の作用によって、2種の凝縮性生成物(水(水蒸気)とアルコール(例えば、メタノール)(目的生成物))を合成する。
凝縮性生成物及び未反応ガス(反応しなかった原料ガス)のうち分離膜Mを透過しなかったものは、第1空間E1の出口側aから流出され、アルコール(目的生成物)は回収される。
膜分離工程では、合成反応工程において第1空間E1に生成した凝縮性生成物が分離膜Mを介して第2空間E2に透過して分離される。
なお、分離膜Mは、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、水蒸気の透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜である。また、分離膜Mは、凝縮性生成物(水蒸気、アルコール)の透過係数が異なる分離膜であり、アルコールよりも水蒸気の方が、透過係数が大きい。すなわち、水蒸気は透過し易く、アルコールは透過し難い。そのため、透過した凝縮性生成物中の水蒸気の物質量比は透過前よりも高い。
分解反応工程では、第2空間に充填されている分解触媒C2の作用によって、第1空間E1から第2空間E2に透過した凝縮性生成物(水蒸気、アルコール)の分解反応(典型的には合成反応工程の反応の逆反応)が進行し、分解生成ガス(二酸化炭素ガス、水素ガス)が生成する。
ここで、上述のとおり、透過した凝縮性生成物中の水蒸気の物質量比は透過前よりも高い。そのため、分解反応が進行して凝縮性生成物が消費されると、凝縮性生成物中の水蒸気の物質量比はさらに向上し、最終的にはアルコールが先に消失する。
こうして水蒸気が高純度化される。
さらに、図3では、第2空間E2に水素ガスを含む掃引ガスを流通させる。これにより、水素ガス(掃引ガス)と、上述のとおり物質量比が向上した水蒸気と、分解生成ガスとを含む混合ガスが第2空間E2から流出される。
そして、第2空間E2から流出した混合ガスを気液分離器90によって分離する(気液分離工程)。これにより、液体(高純度水)と、気体(水素ガス、分解生成ガス)とに分離され、水が高純度化される。
次に本発明の方法で使用される膜反応器(E)(以下、単に「膜分離器」とも言う)について詳述する。
[膜反応器]
膜反応器は、分離膜(M)(以下、単に「分離膜」とも言う)と、合成触媒(C1)(以下、単に「合成触媒」とも言う)が充填された非透過側の第1空間(E1)(以下、単に「第1空間」とも言う)と、透過側の第2空間(E2)(以下、単に「第2空間」とも言う)とを備える。
〔分離膜〕
分離膜は、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、合成反応工程において合成される2種以上の凝縮性生成物のうち少なくとも1つの透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜である。
分離膜は、本発明の効果がより優れる理由から、高純度化する1種の凝縮性生成物の透過係数が、その他の凝縮性生成物の透過係数よりも大きいことが好ましいが、凝縮性生成物や必要な純度によって求められる性能は異なる。
合成反応工程において2種の凝縮性生成物が生成する場合、分離膜は、本発明の効果がより優れる理由から、2種の凝縮性生成物の透過係数が異なる分離膜であることが好ましい。
例えば、合成反応工程の合成反応がメタノールへの変換反応(式(1)および式(2)の組み合わせ)であり、凝縮性生成物としてメタノール及び水(水蒸気)が生成する場合、分離膜は、本発明の効果がより優れる理由から、メタノールと水蒸気の透過係数が異なる分離膜であることが好ましい。
水蒸気を選択的に透過させる分離膜(水蒸気分離膜)としては、例えば、A型(LTA型)ゼオライト膜、T型ゼオライト膜等の親水性ゼオライト膜、等が挙げられる。
メタノールを選択的に透過させる分離膜(メタノール分離膜)としては、例えば、Faraday Discuss.,2017,198,509-527に記載のSi/Al比や水熱合成条件を精密に制御したMFI型ゼオライト膜等が挙げられる。
〔分離管〕
膜分離器は、本発明の効果がより優れる理由から、多孔質(例えば、多孔質のアルミナ)の内管とその表面に存在する分離膜とからなる分離管を備えるのが好ましい。なお、分離膜自体が分離管として機能するのでもよい。
〔第1空間〕
第1空間は、分離膜の非透過側の空間である。通常、膜分離管は、反応管(外管)と分離管との二重構造を有する。この場合、第1空間は、反応管と分離管との間の空間である。
<合成触媒>
第1空間には合成触媒が充填されている。合成触媒は、後述する合成反応の触媒であれば特に制限されない。合成触媒は、本発明の効果がより優れる理由から、金属触媒であることが好ましく、銅系または銅亜鉛系触媒であることがより好ましい。
〔第2空間〕
第2空間は、分離膜の透過側の空間である。通常、膜分離管は、反応管(外管)と分離管との二重構造を有する。この場合、第2空間は分離管の内部の空間である。
第2空間には後述する分解触媒が充填されていてもよい。この場合、後述する分解反応工程が第2空間で行われることになる。
次に各工程について詳述する。
[合成反応工程]
合成反応工程は、分離膜と、合成触媒が充填された非透過側の第1空間と、透過側の第2空間とを備える膜反応器の第1空間に、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入することで、合成触媒の作用によって、2種以上の凝縮性生成物を合成する工程である。
〔膜反応器〕
膜反応器については上述のとおりである。
〔原料ガス〕
原料ガスは、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む。原料ガスは、本発明の効果がより優れる理由から、二酸化炭素ガスと水素ガスとを含むのが好ましい。
〔合成反応〕
原料ガスが二酸化炭素ガスと水素ガスとを含む場合の合成反応の具体例としては、上述した式(1)および式(2)を組み合わせた反応や、式(1)および式(3)を組み合わせた反応等が挙げられる。原料ガスが一酸化炭素ガスと水素ガスとを含む場合の合成反応の具体例としては、下記式(2)および式(3)が挙げられる。
〔凝縮性生成物〕
合成反応工程では、2種以上の凝縮性生成物を合成する。本明細書において「凝縮性」とは、150℃、1気圧の条件で気体であり、25℃、1気圧の条件で液体であることを意味する。
2種以上の凝縮性生成物は特に制限されるものではないが、アルコール合成反応が進行する温度域においてアルコールと水の分解反応が進行し得るため、分解反応を進行させるのに必要な熱の少なくとも一部を第2空間から流出したガスが有する熱で賄うことができることから、2種以上の凝縮性生成物はアルコールと水を含むことが好ましい。
[膜分離工程]
膜分離工程は、分離膜が、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、上記2種以上の凝縮性生成物のうち少なくとも1つの透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜であり、合成反応工程において第1空間に生成した2種以上の凝縮性生成物が、分離膜を介して第2空間に透過して分離される工程である。
合成反応工程で生成した凝縮性背生物を非透過側から透過側へ除去し、平衡を生成物側へシフトさせることで、合成反応工程が効率的に進行する。膜分離工程で第2空間へ透過した2種以上の凝縮性生成物は、自圧で反応器外へ排出されるが、第2空間に掃引ガスを流通すると、膜反応器外への排出を促進でき、分解反応の平衡をシフトできる。組成条件を変えることによって分解反応を促進できるため、掃引ガスを流通させることが好ましい。
〔分離膜〕
分離膜については上述のとおりである。
〔掃引ガス〕
掃引ガスは特に種類を制限されるものではないが、分解触媒を還元雰囲気として耐久性を保持するとともに、掃引ガスと水素を含む分解生成ガスとの分離設備を要することなく、分解生成物(分解生成ガス)を合成反応工程の原料ガスとして再利用することができる水素を含むことが好ましい。
[分解反応工程]
分解反応工程は、膜分離工程において第1空間から第2空間に透過した2種以上の凝縮性生成物を分解触媒(C2)(以下、単に「分解触媒」とも言う)の作用によって分解し、透過した2種以上の凝縮性生成物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比を向上させる工程である。
〔分解反応〕
分解反応は、典型的には合成反応工程の合成反応の逆反応である。
例えば、合成反応が上述した式(1)および式(2)を組み合わせたメタノールへの変換反応である場合、分解反応は典型的には式(4)の反応である。
CHOH+HO⇔CO+3H (4)
分解反応によって、分離膜を透過した2種以上の凝縮性生物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比が向上する。
この分解反応を進行させるのに必要な熱は、第2空間から流出したガスが有する熱を有効利用することができる。
分解反応は、第2空間から流出したガスを、分解触媒を充填した反応設備において行ってもよいが、合成反応工程の温度域が分解反応工程の進行し得る温度域であれば、分解触媒を第2空間に充填し、分解反応工程を第2空間で行えば、膜反応器の他に設備を要することなく凝縮性生成物を高純度化できる。
加えて、第2空間に固体である分解触媒が充填されていることによって、第1空間から第2空間への伝熱性が向上するとともに、空間体積が減少することで、第2空間から生成物の排出が促進されるため、より好ましい。
〔分解触媒〕
分解触媒は、分解反応の触媒であれば特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、金属触媒であることが好ましく、銅系または銅亜鉛系触媒であることがより好ましく、銅亜鉛系触媒であることがさらに好ましい。
〔分解生成物〕
2種以上の凝縮性生成物の分解反応によって精製する分解生成物は、気液分離によって分離できる理由から、非凝縮性ガス(分解生成ガス)であることが好ましい。分解生成ガスは、水素ガスを含むことが好ましい。
[気液分離工程]
凝縮性生成物と分解反応工程で生成した水素ガスを含む分解生成ガスとの混合ガスは、そのまま利用することも可能だが、高純度な凝縮性生成物のみを得るために気液分離設備を設置することが好ましい。すなわち、本発明の方法は、分解反応工程によって物質量比が向上した1種の凝縮性生成物と水素ガスを含む分解生成ガスとを含む混合ガスを気液分離法によって分離する、気液分離工程をさらに有するのが好ましい。
また、気液分離工程によって分離された分解生成ガス(特に水素ガスを含む場合)は、合成反応工程の原料ガスとして再利用することが好ましい。
[合成反応が式(1)および式(2)を組み合わせたメタノールへの変換反応である場合]
本発明の方法の典型的な態様として、合成反応が式(1)および式(2)を組み合わせたメタノールへの変換反応である場合について説明する。
式(1)および式(2)を組み合わせたメタノールへの変換反応では、二酸化炭素ガスと水素ガスからメタノールと水が物質量比1対1で生成する。また、透過した水蒸気はメタノールと物質量比1対1で分解反応(式(4))に供されるため、透過したメタノールと水蒸気のうち高濃度の凝縮性生成物は未反応となり、凝縮性生成物に占めるメタノールまたは水蒸気のいずれか1つの物質量比を増加させ、純度を上げることができる。
このとき副反応として式(5)が進行するが、Applied Catalysis B:Environmental 99、43(2010)に示されるように、分解触媒(C2)を適切に選択することよって式(4)を選択的に進行させるよう制御することができる。
CHOH⇔CO+2H (5)
膜反応器(E)におけるメタノール合成は150℃以上で効率的に進行し、第2空間(E2)の圧力は10~500kPaAの範囲であることが好ましい。このような条件下、膜反応器(E)の排熱を利用する場合、第2空間(E2)に流出するガスは150℃以上、10~500kPaAとなる。
ここで、水蒸気を選択的に透過させる分離膜(M)を用いる場合、透過した水に含まれるメタノール濃度は、事業所排水における環境基準値(COD日間平均120mg/L)を下回る、0.012質量%以下であることが好ましい。
150℃以上、10~500kPaAの条件で式(4)の反応を進行させ、メタノールと水蒸気の混合ガスからメタノール濃度0.012質量%以下を達成するためには、メタノールと水蒸気の混合ガスの物質量比は少なくとも水蒸気/メタノール=8.5以上であることが熱力学的に好ましい。以上の制約から、分離膜(M)の性能としてメタノールに対する水蒸気の分離係数は少なくとも8.5以上であることが好ましい。
また、メタノールを選択的に透過させる分離膜(M)を用いる場合、透過したメタノールの濃度は工業用メタノールのJIS規格である99.8質量%以上であることが好ましい。
150℃以上、10~500kPaAの条件で式(4)の反応を進行させ、メタノールと水蒸気の混合ガスからメタノール濃度99.8質量%以上を達成するためには、メタノールと水蒸気の混合ガスの物質量比は少なくとも水蒸気/メタノール=0.33以下であることが熱力学的に好ましい。以上の制約から、分離膜(M)の性能として水蒸気に対するメタノールの分離係数は少なくとも3以上であることが好ましい。なお、本明細書において、透過係数および分離係数は、反応条件によって定まる値である。
このように、反応生成物や必要な純度によって求められる上限または下限の分離膜性能が熱力学的に決定される。
既存の分離膜は、上記分離膜性能を十分に満たしており、本発明により、既存の分離膜を用いた膜反応器プロセスにおいて分解反応工程を設置することによって、蒸留を経ずに高純度な凝縮性生成物を合成可能である。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図4は本発明の方法の一実施例を示す図である。
図4において、膜反応器Eは、反応管10と分離管21との二重管構造を有する。反応管10と分離管21との間には第1空間E1(非透過側の第1空間E1)が区画され、分離管21の内部には第2空間E2(透過側の第2空間E2)が区画されている。分離管21は、多孔質のアルミナ管(内管)26とその反応管10側の表面に存在する水蒸気分離膜M1(LTA型のゼオライトを析出させたもの)とからなる。第1空間E1には、銅亜鉛系の合成触媒C11が充填されている。
コンプレッサー60によって第1空間E1に原料ガス(二酸化炭素ガス、水素ガス)を5MPaA、200℃で導入するともに、ブロワー80によって分離管20の内側である第2空間E2に掃引ガス(水素ガス)を常圧、160℃で導入した。
<合成反応工程>
第1空間E1に原料ガス(25NL/min(分)の二酸化炭素ガス、75NL/minの水素ガス)を導入した。第1空間E1に上記原料ガスを導入することで、合成触媒C11の作用によって、水蒸気とメタノール(目的生成物)とが合成された(上述した式(1))。
なお、未反応ガス(反応しなかった原料ガス)及び凝縮性生成物(水蒸気、メタノール)のうち水蒸気分離膜M1を透過せず第1空間E1に残ったものは、第1空間E1の出口側aから流出され、メタノールは回収された。
<膜分離工程>
合成反応工程によって第1空間に生成した凝縮性生成物(水蒸気、メタノール)が、水蒸気分離膜M1を介して第2空間E2に透過して分離された。
なお、水蒸気分離膜M1は、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、凝縮性生成物の1つである水蒸気の透過係数が大きい、透過選択性を有する分離膜であり、分離膜(M)に該当する。
また、水蒸気分離膜M1の性能として、メタノール(メタノールガス)に対する、水蒸気の分離係数は1000である。そのため、分離された凝縮性生成物の主成分は水蒸気である。
また、第2空間E2に掃引ガス(400NL/minの水素ガス)を流通させることにより、膜分離工程で分離された凝縮性生成物(水蒸気、メタノール)を、第2空間E2から流出させた。
第2空間E2から流出されたガスは、掃引ガスである水素ガス、及び、膜分離工程で分離された凝縮性生成物(水蒸気、メタノール)を含む。
<分解反応工程>
膜分離工程を経て第2空間E2から流出されたガスを、外部と断熱したまま銅亜鉛系の分解触媒C21が充填された分解用反応器31に直接導入した。分解触媒C21の作用によって、凝縮性生成物(水蒸気、メタノール)の分解反応(上述した式(4))(合成反応の逆反応)が進行し、分解生成ガス(二酸化炭素ガス、水素ガス)が生成した。
<気液分離工程>
分解反応工程を経た混合ガス(水素ガス、分解生成ガス)を気液分離器90によって分離して、水を含む液体を回収した。
〔比較例1〕
実施例1と同じ膜反応器Eを用いた。合成反応工程、膜分離工程及び流出工程は実施例1と同様に行った。分解反応工程を経ずに第2空間E2から流出された混合ガスを冷却し、気液分離器によって水を含む液体を回収した。
〔メタノール濃度〕
下記表1に、実施例1及び比較例1について、膜反応器Eの第2空間E2から流出した混合ガスを冷却し、気液分離によって回収した液体に含まれるメタノールの濃度を示す。メタノールの濃度が低い程、水の濃度が高いことを意味する。
表1から分かるように、実施例1のメタノール濃度は0.01質量%であり、比較例1のメタノール濃度は7.08質量%であった。比較例1と比較して、実施例1はメタノール濃度が十分低く、第2空間E2に透過したメタノールが分解されて、事業所排水における環境基準値を満たす高純度な水が回収されたことが分かった。
10 反応管
20 分離管
21 分離管
25 内管
26 多孔質のアルミナ管(内管)
30 分解用反応器
31 分解用反応器
50 原料ガスタンク
51 二酸化炭素ガスタンク
60 コンプレッサー
70 掃引ガスタンク
80 ブロワー
90 気液分離器
E 膜反応器
E1 第1空間
a 第1空間E1の出口側
E2 第2空間
M 分離膜
M1 水蒸気分離膜
C1 合成触媒
C11 合成触媒(銅亜鉛系触媒)
C2 分解触媒
C21 分解触媒(銅亜鉛系触媒)

Claims (8)

  1. 分離膜(M)と、合成触媒(C1)が充填された非透過側の第1空間(E1)と、透過側の第2空間(E2)とを備える膜反応器(E)の前記第1空間(E1)に、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスの少なくとも一方のガスと水素ガスとを含む原料ガスを導入することで、前記合成触媒(C1)の作用によって、2種以上の凝縮性生成物を合成する、合成反応工程と、
    前記分離膜(M)が、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス及び水素ガスのいずれのガスの透過係数よりも、前記2種以上の凝縮性生成物のうち少なくとも1つの透過係数の方が大きい、透過選択性を有する分離膜であり、前記合成反応工程において前記第1空間(E1)に生成した前記2種以上の凝縮性生成物が、前記分離膜(M)を介して前記第2空間(E2)に透過して分離される、膜分離工程と、
    前記膜分離工程において前記第1空間(E1)から前記第2空間(E2)に透過した前記2種以上の凝縮性生成物を分解触媒(C2)の作用によって分解し、前記透過した2種以上の凝縮性生成物のうち最も多量の1種の凝縮性生成物の物質量比を向上させる、分解反応工程とを有し、
    前記分解反応工程の分解反応は、前記合成反応工程の合成反応の逆反応である、膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  2. 前記分解触媒(C2)が前記第2空間(E2)に充填され、前記分解反応工程が前記第2空間(E2)で行われる、請求項1に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  3. 前記2種以上の凝縮性生成物が、アルコール及び水である、請求項1又は2に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  4. 前記分解反応工程において、前記2種以上の凝縮性生成物の分解によって水素ガスを含む分解生成ガスが生成し、
    前記分解反応工程によって物質量比が向上した1種の凝縮性生成物と前記分解生成ガスとを含む混合ガスを気液分離法によって分離する、気液分離工程をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  5. 前記気液分離工程によって分離された分解生成ガスを、前記合成反応工程の原料ガスとして再利用する、請求項4に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  6. 前記第2空間(E2)に掃引ガスを流通させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  7. 前記掃引ガスが、水素ガスを含む、請求項6に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
  8. 前記2種以上の凝縮性生成物が、メタノール及び水であり、
    前記分離膜の性能として、メタノールに対する水蒸気の分離係数が8.5以上、又は、水蒸気に対するメタノールの分離係数が3以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法。
JP2021106597A 2021-06-28 2021-06-28 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法 Active JP7435553B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021106597A JP7435553B2 (ja) 2021-06-28 2021-06-28 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法
AU2022303845A AU2022303845A1 (en) 2021-06-28 2022-06-10 Method for highly purifying condensable product in membrane reactor
EP22832769.8A EP4349454A1 (en) 2021-06-28 2022-06-10 Method for highly purifying condensable product in membrane reactor
CN202280041618.5A CN117479996A (zh) 2021-06-28 2022-06-10 膜反应器中的凝结性生成物的高纯度化方法
KR1020237042968A KR20240007262A (ko) 2021-06-28 2022-06-10 막 반응기에 있어서의 응축성 생성물의 고순도화 방법
PCT/JP2022/023450 WO2023276612A1 (ja) 2021-06-28 2022-06-10 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法
TW111123787A TWI836487B (zh) 2021-06-28 2022-06-27 膜反應器中冷凝性生成物之高純度化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021106597A JP7435553B2 (ja) 2021-06-28 2021-06-28 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023004716A JP2023004716A (ja) 2023-01-17
JP7435553B2 true JP7435553B2 (ja) 2024-02-21

Family

ID=84691701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021106597A Active JP7435553B2 (ja) 2021-06-28 2021-06-28 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP4349454A1 (ja)
JP (1) JP7435553B2 (ja)
KR (1) KR20240007262A (ja)
CN (1) CN117479996A (ja)
AU (1) AU2022303845A1 (ja)
WO (1) WO2023276612A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016028812A (ja) 2014-07-18 2016-03-03 三菱化学株式会社 水素分離装置及び水素分離方法
JP2020132439A (ja) 2019-02-13 2020-08-31 Jfeスチール株式会社 水素ガスの製造方法および製造設備列

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2876194B2 (ja) * 1996-06-17 1999-03-31 川崎重工業株式会社 脱水素反応の促進方法及び装置
JP2007055970A (ja) 2005-08-26 2007-03-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd メタノール製造用反応器及びメタノール製造方法
JP5842540B2 (ja) * 2011-10-29 2016-01-13 Jfeスチール株式会社 Co2及び/又はcoからのメタンの製造方法及び装置
CN105692548A (zh) * 2014-11-28 2016-06-22 中国科学院大连化学物理研究所 制备合成氨原料气的系统及方法
JP7049075B2 (ja) 2016-07-04 2022-04-06 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 メタノール製造方法およびメタノール製造装置
JP7430498B2 (ja) 2018-08-02 2024-02-13 三菱ケミカル株式会社 メタノールの製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016028812A (ja) 2014-07-18 2016-03-03 三菱化学株式会社 水素分離装置及び水素分離方法
JP2020132439A (ja) 2019-02-13 2020-08-31 Jfeスチール株式会社 水素ガスの製造方法および製造設備列

Also Published As

Publication number Publication date
KR20240007262A (ko) 2024-01-16
WO2023276612A1 (ja) 2023-01-05
CN117479996A (zh) 2024-01-30
EP4349454A1 (en) 2024-04-10
JP2023004716A (ja) 2023-01-17
AU2022303845A1 (en) 2024-01-18
TW202310913A (zh) 2023-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2328457C2 (ru) Способ очистки воды, полученной в процессе фишера-тропша
JP2007055970A (ja) メタノール製造用反応器及びメタノール製造方法
AU2002357874B2 (en) PSA sharing
JP7151832B1 (ja) 膜反応器における未利用ガスの再利用方法
RU2507163C2 (ru) Способ очистки водного потока, выходящего после реакции фишера-тропша
EA006275B1 (ru) Способ непрерывного получения углеводородов из синтез-газа в шламовых реакторах и отделения получаемой жидкой фазы от твёрдой фазы
RU2648331C2 (ru) Способ получения синтетических жидких углеводородов из природного газа
JP7435553B2 (ja) 膜反応器における凝縮性生成物の高純度化方法
JP5648748B2 (ja) 水素精製装置及びその使用方法
EP2427262B1 (en) Process for the purification of an aqueous stream coming from the fischer-tropsch reaction
RU2511362C9 (ru) Способ очистки водного потока, поступающего после реакции фишера-тропша
EP2485982B1 (en) Process for the purification of an aqueous stream coming from the fischer tropsch reaction
Brunetti et al. CO2 conversion by membrane reactors
TWI836487B (zh) 膜反應器中冷凝性生成物之高純度化方法
EA006933B1 (ru) Способ непрерывного получения углеводородов из синтез-газа в шламовых реакторах и отделения получаемой жидкой фазы от твердой фазы
US4986978A (en) Process for reforming impure methanol
CN106852130B (zh) 用于将生物质转变成氢的催化膜系统
RU2774658C1 (ru) Способ производства метанола
EP4206172A1 (en) Method for producing methanol
JP4429674B2 (ja) 水素製造装置および該装置を用いた高純度水素製造方法
JP2023028524A (ja) メタノールの製造方法
TW202342705A (zh) 不需外加水之製造合成燃料的系統和方法
AU2010304749B2 (en) Process for the purification of an aqueous stream coming from the Fischer Tropsch reaction
WO2015137910A1 (en) Membrane-based gas separation processes to produce synthesis gas with a high co content
JPS61201602A (ja) 合成ガスの発生方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7435553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150