JP2007054279A - 吸収性物品の吸収体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2層以上の吸収材41,46からなり、実質的に縦長の形状を有する、吸収性物品の吸収体4であって、第1吸収材41と第1吸収材より肌当接面側に位置する第2吸収材46とを具備し、第1吸収材41及び第2吸収材46は、それぞれ、長手方向の両側部に切込部42,43,47,48を有し、且つ第1吸収材の切込部42,43と第2吸収材の切込部47,48とがそれぞれの少なくとも一部において重なって閉鎖用開口領域40,45を形成しており、閉鎖用開口領域40,45の縁部から該縁部に直交する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材の層数が増加するようにされている。
【選択図】 図4
Description
特に、充分な吸収容量を確保するために2層以上の吸収材を積層してなる吸収体において装着感の悪化の程度が大きい。
本実施形態の吸収性物品の吸収体4は、図1〜図3に示すように、使い捨ておむつ、特にパンツ型の使い捨ておむつに好ましく用いられる吸収体である。
吸収体4は、図3及び図4に示すように、2層以上の吸収材からなり、実質的に縦長の形状を有している。
吸収体4は、第1吸収材41と、吸収体4の厚み方向において第1吸収材41より肌当接面側に位置する第2吸収材46とを具備し、第1吸収材41及び第2吸収材46は、それぞれ、長手方向の両側部に2対の切込部42,43,47,48を有し、且つ第1吸収材41の切込部42,43と第2吸収材46の切込部47,48とがそれぞれの少なくとも一部において重なって閉鎖用開口領域40,45を形成しており、各閉鎖用開口領域40,45の縁部から該縁部に直交する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材41,46の層数が増加するようにされている。尚、第1吸収材41及び第2吸収材46それぞれの長手方向は、吸収体4の長手方向と同じ方向(図4において上下方向)とする。
本実施形態の吸収体4における閉鎖用開口領域40,45は、図4(a)に示すように、吸収体4を、該吸収体4の長手方向の全長Lを3等分して腹側部4A、中央部4C及び背側部4Bに区分したときの、腹側部4A及び背側部4Bにそれぞれ一対形成されている。
吸収体4の長手方向の一方の側部に形成された閉鎖用開口領域40,45と他方の側部に形成された閉鎖用開口領域40,45とは、吸収体4の長手方向に延びる中央線に対して左右対称に形成されている。
閉鎖用開口領域40は、図5に示すように、相対向する一対の縁部401,402を有し、図5(b)に示すように、一方の縁部401は、第1吸収材の切込部の縁部421により形成され、他方の縁部402は、第1吸収材の切込部の縁部421及び第2吸収材の切込部の縁部471により形成されている。
閉鎖用開口領域45は、図6に示すように、相対向する一対の縁部401,402を有し、図6(b)に示すように、何れの縁部401,402も、第1吸収材の切込部の縁部431により形成されている。閉鎖用開口領域45においては、相対向する何れの縁部401,402側においても、第1吸収材の切込部の縁部431の位置よりも第2吸収材の切込部の縁部481が後退した位置に位置しており、その結果、何れの縁部401,402側においても、縁部から該縁部に直交する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材の層数が増加している。
他方、本実施形における閉鎖用開口領域45のように、閉鎖用開口領域の相対向する一対の縁部401,402のうちの何れの縁部401側においても、第1吸収材の切込部の縁部431の位置と第2吸収材の切込部の縁部481の位置とが、閉鎖用開口領域の該縁部401,402それぞれに直交する方向にずれている場合、そのずれ幅L2〔図6(b)参照〕は、3〜20mmであることが好ましく、3〜12mmであることがより好ましい。
各吸収材41,46それぞれの平均坪量を600g/m2以下とすることにより、閉鎖用開口領域が閉鎖したときに吸収材にシワが発生し、該シワが装着感等に悪影響を及ぼすことを防止することができる。各吸収材41,46の平均坪量は、500g/m2以下であることがより好ましい。各吸収材41,46の平均坪量の下限値は、特に制限されるものではないが、吸収容量確保の点からは、60g/m2以上、特に90g/m2以上とすることが好ましい。
吸収体の平均坪量が250g/m2未満の場合は、本発明の技術を用いなくともシワの程度が小さく違和感も少ないが、使い捨ておむつのように、比較的吸収容量が要求される吸収性物品の吸収体については充分な吸収容量を確保することが難しくなる。他方、吸収体の平均坪量を700g/m2以下とすることにより、吸収容量は十分確保できると共に、吸収体の柔軟性の低下により閉鎖用開口領域の閉鎖性が低下し、装着感とともに吸収体の肌への密着性が低下することを防止することができる。吸収体の平均坪量は、350〜600g/m2であることが、十分な吸収容量を確保しつつ優れた装着感と吸収体の肌への密着性を容易に実現できることからより好ましい。
吸収体の平均坪量は、各吸収材の重量の総和を各吸収材が積層されて形成された積層物の外縁部で囲まれた面積で除して算出する。
また、第2吸収材の切込部の縁部同士がぶつかった際のシワの程度を抑制するためには、第2吸収材の剛性を低下させておくことが好ましく、その手段としては第2吸収材を、吸収性ポリマーを含まない繊維組成物(パルプ、レーヨン、アセテートトウ等の繊維組成物あるいは、それらの組み合わせ)から構成することが好ましい。
閉鎖用開口領域を形成する総ての切込部を、それらの開放端が、吸収体の長手方向の両端部のうちの何れか一方の端部側に向くように形成することにより、吸収体の生産性が向上し、従来設備の大幅な改造を必要とすることなく比較的簡易で安価に製造することができる。切込部の一方が腹側方向、他方が背側方向を向いている場合には、生産時に進行方向と反対側に向いた切込部周辺において、風圧によって吸収体の一部に折れ千切れ等が発生しやすく、生産効率の低下を招く恐れがある。
着用者の臀部又は腹部付近は、着用者の胴周り方向の曲率が大きい部位であるため、吸収体を着用者の肌に沿わせようとした場合には吸収体に不規則なシワが発生しやすい。吸収体4の腹側部4A又は背側部4B、特にその両者に閉鎖用開口領域を形成することで、吸収体のシワの発生を防止しつつ、おむつ着用時の装着感を効果的に向上させることができる。
背側部4Bの閉鎖用開口領域45は、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から、その長手方向中心線L45と、吸収体4の長手方向中心線又はそれに平行な直線L4とのなす角度のうち鋭角の角度θ2(図6(a)参照〕が30〜80°であることが好ましく、より好ましくは30〜60°である。
臀部と腹部の形状の違いを考慮すると、吸収体のフィット性向上、装着感向上の観点から、背側部4Bの閉鎖用開口領域45の前記角度θ2の値が、腹側部4Aの閉鎖用開口領域40の前記角度θ1の値よりも大きいことが好ましい。
尚、閉鎖用開口領域の長手方向中心線は、図6(a)に示すように、閉鎖用開口領域の切込部深さ方向の先端点P上に頂角の頂点403を有すると共に閉鎖用開口領域の相対向する一対の縁部401,402それぞれの上に底角の頂点404,405を有し、且つ一対の縁部401,402それぞれと2つの等辺とが交差しない、できるだけ大きな2等辺三角形を想定した場合に前記頂角を2等分する直線とする。閉鎖用開口領域の長手方向中心線が複数存在する場合は、それぞれについて測定する。閉鎖用開口領域の切込部深さ方向の先端付近が曲線ではなく直線であった場合は、直線を形成する線の長さを2等分する点を先端点Pとして長手方向中心線を引く。
背側部4Bの閉鎖用開口領域45の長さは、不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、脚周りないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から20〜120mmであることが好ましく、より好ましくは20〜70mmである。
各閉鎖用開口領域の長さは、各閉鎖用開口領域毎に上記の2等辺三角形を想定したときの該2等辺三角形の頂角の頂点と底辺(両端に底角を有する辺)との間の距離とする。
開放端側の開口幅は、各閉鎖用開口領域毎に上記の2等辺三角形を想定したときの該2等辺三角形の底辺(両端に底角を有する辺)の長さとする。
使い捨ておむつ1は、図1〜3に示すように、パンツ型の使い捨ておむつであり、図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3及び上述した吸収体4を備えている。
おむつ1は、図2に示すように、股下部に配される股下領域C並びにその前後に位置する腹側領域A及び背側領域Bに区分することができる。また、本おむつ1は、図2に示すように、おむつ横方向に延びるおむつ中心線CLを境にして前身頃Fと後身頃Gとに区分することができる。おむつ1は、腹側部Aの両側縁部A1,A1と背側部Bの両側縁部B1,B1とが接合されて一対のサイド接合部23,23、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
このように、吸収体4は、吸収体4が組み込まれる吸収性物品に配された弾性部材の収縮作用によって各閉鎖用開口領域40,45が閉じるようにして使用されることが好ましい。尚、吸収体4の弾性部材51,61,62,71,72,71,72の形成材料としては、使い捨ておむつ等に用いられる各種公知の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等の伸縮性の素材を広く用いることができ、例えば形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状、マルチフィラメントタイプ等の、糸状や紐状のもの、或いは帯状のもの等を用いることができる。
例えば、本発明の吸収性物品の吸収体は、人の肌に当接させて使用される各種の吸収性物品の吸収体として用いることができ、成人用又は幼児用のパンツ型おむつの他、いわゆる展開型(テープ止め型)の使い捨ておむつ、使い捨ておむつの肌当接面に載置されて該おむつを併用される補助吸収パッド、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、母乳パッドの吸収体として用いることもできる。
不規則なシワの発生を防止しつつ、吸収体4を、下腹部ないし臀部の肌面形状に沿った曲面形状に変形させる観点から、閉鎖用開口領域が吸収体4の長手方向端部にも形成していることが好ましく、少なくとも吸収体4の背側部側の端部4Eに形成していることが好ましい。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
4A 腹側部
4B 背側部
4C 中央部
40,45 閉鎖用開口領域
41 第1吸収材
42,43 第1吸収材の切込部
46 第2吸収材
47,48 第2吸収材の切込部
401,402 閉鎖用開口領域の相対向する一対の縁部
5 ウエスト開口部
51 ウエスト弾性部材
A 腹側領域
B 背側領域
C 股下領域
F 前身頃
G 後身頃
Claims (7)
- 2層以上の吸収材からなり、実質的に縦長の形状を有する、吸収性物品の吸収体であって、第1吸収材と第1吸収材より肌当接面側に位置する第2吸収材とを具備し、第1吸収材及び第2吸収材は、それぞれ、長手方向の両側部に切込部を有し、且つ第1吸収材の切込部と第2吸収材の切込部とがそれぞれの少なくとも一部において重なって閉鎖用開口領域を形成しており、閉鎖用開口領域の縁部から該縁部に直交する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材の層数が増加するようになされている、吸収性物品の吸収体。
- 各吸収材の平均坪量が600g/m2以下であり、吸収体の平均坪量が250〜700g/m2である請求項1記載の吸収性物品の吸収体。
- 閉鎖用開口領域の相対向する一対の縁部の両方が、第1吸収材の切込部の縁部又は第2吸収材の切込部の縁部により形成されている請求項1又は2記載の吸収性物品の吸収体。
- 閉鎖用開口領域の相対向する一対の縁部の少なくとも一方が、第1吸収材の切込部の縁部により形成され、該閉鎖用開口領域の該一方の縁部から3〜20mm離間した位置に、第2吸収材の切込部の縁部が位置している請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品の吸収体。
- 閉鎖用開口領域が、吸収体の長手方向に離間した複数個所に形成されており、各閉鎖用開口領域を形成する第1及び第2切込部の開放端が、何れも該吸収体の長手方向の一方の端部側に向いている請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品の吸収体。
- 使い捨ておむつの吸収体であり、該吸収体をその長手方向の全長を3等分して腹側部、中央部及び背側部に区分したときの、腹側部及び/又は背側部に前記閉鎖用開口領域が形成されている請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品の吸収体。
- 請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品の吸収体を具備する吸収性物品。
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