図1は、本発明の一実施例の遊技機1の概観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の正面には、液晶表示装置131が設けられている。また、液晶表示装置131の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
液晶表示装置131の下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、後述のメダルセンサ10Sによって検出され、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。
メダル投入口10の左側には、遊技に関する情報を表示する各種の表示部16,18,19が設けられている。各種の表示部16,18,19は、夫々7セグメントLEDにより構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、ボーナス(BB遊技状態やRB遊技状態)中の遊技情報を表示する。払出表示部18は、入賞が成立した際に、入賞役に対応するメダルの払出枚数を表示する。クレジット表示部19は、クレジットされたメダルの枚数を表示する。
各種の表示部16,18,19の左側には、押下操作により、クレジットされたメダルを賭ける(BETする)ための1−BETスイッチ11及び最大BETスイッチ13が設けられている。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされたメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。
遊技機1には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した際に、停止した図柄に基づいて、所定の役が成立したか否かを判定する基準となる表示ラインが設けられている。例えば、所定の役(例えば、後述のRB1)に対応する図柄組合せを構成する図柄(例えば、後述の“赤7(図柄91)”)がいずれかの表示ライン8a〜8eに対応する位置に沿って並んで停止表示されることにより、所定の役(例えば、後述のRB1)が成立することとなる。
表示ラインとしては、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。前述のメダル投入口10にメダルを投入すること、又は、BETスイッチ11,13を押下操作することにより、これら5本の表示ラインの全てが有効化される(有効化された表示ラインを、以下「有効ライン」という)。表示ラインが有効化されたかは、後述の有効ライン表示領域27により表示される。有効ライン8a〜8eは、入賞の成否に関わる。ここで、BETスイッチ11,13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
また、BETスイッチ11,13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、液晶表示装置131の液晶表示部2に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)/払出し(Pay)を押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。
メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により3つのリール3L,3C,3Rを回転させ、リール3L,3C,3Rに外周面上に描かれた複数の図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、1回のゲームは、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
次に、図2を参照して、液晶表示装置131の液晶表示部2について説明する。
液晶表示部2は、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R、演出表示領域23、投入メダル表示領域24、クレジット表示領域25、払出メダル表示領域26、及び有効ライン表示領域27により構成される。液晶表示部2は、例えば、20インチ程度の大きさで構成される。この液晶表示部2の表示内容は、後述の副制御回路72により制御される液晶表示装置131の動作により変化するようになっている。例えば、リール3L,3C,3Rの回転又は停止、入賞の成否、遊技状態、前述の各種スイッチ(BETスイッチ、メダルセンサ、C/Pスイッチ、停止ボタン、スタートレバーなど)の検出などに基づいて、表示内容が変化するように制御が行われる。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、基本的に、リール3L,3C,3Rの外周面上に配置された図柄の一部を視認可能とさせるための表示窓としての機能を有する。また、領域内に表示された図柄上で種々の演出表示などを行う。図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び、対応する停止ボタン7L,7C,7Rが押下操作可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
ここで、各図柄表示領域21L,21C,21Rには、夫々縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21L,21C,21Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでいる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられ、基本的に、図柄を表示する表示窓の窓枠を表示する。
投入メダル表示領域24、クレジット表示領域25、払出メダル表示領域26、及び有効ライン表示領域27は、図柄表示領域21L,21C,21Rの上方に設けられている。
投入メダル表示領域24は、遊技機1に投入(BET)されたメダル枚数を表示する。クレジット表示領域25は、遊技機1にクレジットされているメダル枚数を表示する。払出メダル表示領域26は、遊技機1で入賞が成立した場合、入賞役に対応するメダルの払出枚数を表示する。有効ライン表示領域27は、遊技機1に投入(BET)されたメダルに応じて有効化された表示ライン8a〜8eを表示する。
演出表示領域23は、液晶表示部2の領域のうち、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R、投入メダル表示領域24、クレジット表示領域25、払出メダル表示領域26、及び有効ライン表示領域27以外の表示領域である。この演出表示領域23は、ゲームの興趣を増大するための種々の演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等の表示を行う。また、これらの演出や情報の表示は、演出表示領域23のみに限らず、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R、投入メダル表示領域24、クレジット表示領域25、払出メダル表示領域26、及び有効ライン表示領域27を含めた液晶表示部2の全体を使用して行われる場合がある(例えば、後述の図7〜図9など)。
図3は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。はじめに、リール3L,3C,3Rの内部構造について説明する。リール3L,3C,3Rの内部には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に各図柄表示領域21L,21C,21Rに現われる縦3列の図柄(合計9個の図柄)の裏側にLED収納用回路基板が設置されている。LED収納用回路基板は、夫々3つ(即ち合計で9つ)のLED収納部を有し、ここに複数のLEDランプが設けられている。
このLEDランプは、リール3L,3C,3Rの外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を白色の光で照明する。より詳細には、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する領域を照明する。このリールシートは、透光性を有して構成され、LEDランプにより出射された光は前面側へ透過するようになっている。
また、左リール3Lは、同形の2本の環状フレームを所定の間隔(例えばリール幅)だけ離して複数本の連結部材で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ49Lの駆動力を環状フレームへ伝達する伝達部材とにより構成される。また、左リール3Lの外周面に沿ってリールシートが装着されている。
リール3Lの内側に配置されたLED収納用回路基板は、夫々複数のLEDランプを収納する3つのLED収納部を備えている。LED収納用回路基板は、遊技者が図柄表示領域21Lを通して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部が位置するように設置されている。なお、中央リール3C,右リール3Rについては図示しないが、図示した左リール3Lと同様の構造を有し、各々の内部にLED収納用回路基板が設けられている。
次に、透過型の液晶表示装置131について説明する。液晶表示装置131は、保護ガラス132、表示板133、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rの表示領域より正面から見て手前側(即ち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及び表示板133は、透光性部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(即ち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。即ち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。
よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、図柄表示領域21L,21C,21Rを透してリール3L,3C,3R上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(即ち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(即ち透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されている。非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。
また、非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。尚、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、図柄表示領域21L,21C,21R(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BL,136BC,136BR以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139g,139hにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。
さらに、LEDランプ及び蛍光ランプ137a,137b,138a,138bの機能について説明する。
はじめに、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加しない場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LED収納用回路基板に設けられたLEDランプから出射された光の一部は、リールシートを透過する。これらの光は、非反射領域136BL,136BC,136BR、液晶表示装置131を構成する導光板135及び液晶パネル134を透過するので、遊技者は、リール上に配置された図柄を視認することができる。
また、蛍光ランプ137a,137bから出射され、導光板135に向けて導入された光は、液晶パネル134を透過して遊技者の目に入る。つまり、蛍光ランプ137a,137bによって、窓枠表示領域22L,22C,22R及び演出表示領域23に対応する液晶パネル134の領域が照明される。
次に、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動する場合(即ち、液晶パネル134の、図柄表示領域21L,21C,21Rに対応する個所に電圧を印加する場合)の各ランプの機能について説明する。
蛍光ランプ138a,138bから出射された光の一部は、リールシートにより反射される。また、LEDランプから出射された光の一部は、リールシートを透過する。液晶パネル134の領域のうち、液晶が駆動された領域では、これらの光の一部が反射或いは吸収されたり透過したりするので、遊技者は、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示された演出画像等を視認することができる。
図4は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄91)”、“青7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“スイカ(図柄95)”、“チェリー(図柄96)”、“リプレイ(図柄97)”、及び“ブランク(図柄98)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
“ブランク”は、基本的に、役の成立に直接関係のない図柄である。すなわち、“ブランク”がいずれかの有効ラインに沿って並んで表示された場合でも、メダルの払出し、メダルの自動投入、後述の遊技状態の移行などの利益が遊技者に付与されることはない。
ここで、実施例の役には、RB1、RB2、チェリー、ベル、スイカ、及びリプレイが設けられている。また、RB(RB1とRB2とを含む)は、RBは、第1種特別役物である。
役(役データ)は、基本的に、遊技者に付与される利益と図柄組合せとが対応付けられた制御情報であり、リール3L,3C,3Rの停止制御、遊技状態の切り換え(移行)、遊技価値の付与などに用いられる。
また、実施例の遊技状態には、基本的に、一般遊技状態及びRB遊技状態がある。遊技状態は、基本的に、内部当選役の決定に用いる後述の内部抽選テーブルの種類により区別できる。具体的には、遊技状態は、内部当選する可能性のある役の種類、内部当選する確率などにより区別できる。
一般遊技状態は、持越役のある持越区間(ボーナスが内部当選役として持ち越された遊技区間)と持越役のない非持越区間とで構成される。持越区間では、ボーナスに内部当選することがなく、非持越区間では、ボーナスに内部当選することがある。したがって、持越区間と非持越区間とは、基本的に、異なる遊技状態である。持越役は、対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容される役である。
一般遊技状態は、いわゆる「出玉率」(遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値)の期待値が1よりも小さい遊技状態であり、他の遊技状態に比べて遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
RB遊技状態は、基本的に、「第1種特別役物」が作動しているゲームにより構成される遊技状態である。
また、RB遊技状態は、RB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグがオンに更新される条件は、RB1又はRB2が成立することである。また、RB作動中フラグがオフに更新される条件は、遊技可能回数が0となること、入賞可能回数が0となることである。遊技可能回数は、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数である。入賞可能回数は、RB遊技状態において入賞できる回数である。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラム(後述の図22〜図29)に従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる内部抽選テーブル(後述の図13)や、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群(図示せず)などの各種テーブル等が格納されている。また、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
RAM33には、種々の情報が格納され、後述の図11に示す格納領域が設けられている。RAM33には、例えば、内部当選役、持越役、現在の遊技状態、後述のRB作動中フラグ、後述の遊技可能回数カウンタ、後述の入賞回数カウンタなどの情報が格納される。
図6の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。停止スイッチ7LS,7CS,7RSは、対応する停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている内部抽選テーブル(後述の図13)などに基づいて内部当選役などが決定される。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、図柄組合せテーブル(後述の図10)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せ(後述の表示役に対応する図柄の組合せ)と、後述の表示役に対応するメダル払出枚数と、その入賞(成立)を表わす図示しない入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、左リール3L,中央リール3C,右リール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)及び払出枚数の決定を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(内部抽選処理など)により内部当選役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当選した役の入賞を示す停止態様(即ち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図6は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a又は音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報等を入力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM(CROM(キャラクタROM))88及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納された制御プログラムに従って各種の処理を行う。尚、画像制御回路(gSub)72aは、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、画像制御マイコン81の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラム(後述の図30〜図38)や各種テーブル(後述の図15〜図21)等が格納される。ワークRAM84は、画像制御マイコン81が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM84には、例えば、後述の初当たりチェックフラグ、後述の入賞率カウンタ、前回にボーナスに内部当選したときに選択された後述の演出選択モード(前回の演出選択モード)の種類、前々回にボーナスに内部当選したときに選択された後述の演出選択モード(前々回の演出選択モード)の種類などの情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データを記憶する。画像制御マイコン81には、操作部17が接続されている。実施例では、この操作部17を遊技場の従業員等が操作することにより日付の設定等が行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部17から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報はバックアップされることとなる。
また、前述のワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された画像情報(後述の演出データなど)に応じた画像を生成し、液晶表示装置131に出力する(後述の図7〜図9)。
制御RAM87は、画像制御IC86の中に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルとを所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置131と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。尚、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。
画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を格納する。例えば、人物や動物などのキャラクタ、記号、文字、図形、リール上に配置された図柄の変動表示或いは停止表示を視認可能とするために白色が指定された領域を含む図形などのスプライト画像データ、背景画像データなどを格納する。スプライト画像データは、背景画像(バックグラウンド面)上に重畳して表示させる画像である。
ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置131に転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定された演出に基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調節制御を除く)。また、画像制御回路(gSub)72aは、主制御回路71から後述の表示コマンドを受信することに基づいて、計時を開始し、計時を開始してからの時間情報を生成する初当たりチェックタイマ(図示せず)を備えている。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン91、シリアルポート92、プログラムROM93、ワークRAM94、音源IC95、パワーアンプ96、音源ROM97で構成される。
音・ランプ制御マイコン91は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン91に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM93内に格納された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン91には、LED類101及びランプ類102が接続されている。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED類101及びランプ類102に出力信号を送信する。これにより、LED類101及びランプ類102が演出に応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート92は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM93は、音・ランプ制御マイコン91で実行する制御プログラム等を格納する。ワークRAM94は、音・ランプ制御マイコン91が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。
音源IC95は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ96に出力する。パワーアンプ96は増幅器であり、このパワーアンプ96にはスピーカ9L,9Rが接続されている。パワーアンプ96は、音源IC95から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ9L,9Rから出力させる。音源ROM97は、音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を格納する。
また、音・ランプ制御マイコン91には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L,9Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン91は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ9L,9Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う。
図7〜図9を参照して、演出として演出表示領域23に表示される画像の表示例について説明する。
実施例の演出には、野球勝ち演出(図7)、野球負け演出(図8)、ボーリング勝ち演出(図示せず)、ボーリング負け演出(図示せず)、紙飛行機(白)演出(図9の(2))、紙飛行機(赤)演出(図示せず)、紙飛行機(黄)演出(図示せず)、紙飛行機(緑)演出(図示せず)、及び紙飛行機(青)演出(図示せず)がある。
野球勝ち演出及び野球負け演出を、以下「野球演出」という。ボーリング勝ち演出及びボーリング負け演出(図9の(1))を、以下「ボーリング演出」という。紙飛行機(白)演出、紙飛行機(赤)演出、紙飛行機(黄)演出、紙飛行機(緑)演出、及び紙飛行機(青)演出を、以下「小役報知演出」という。
図7は、野球勝ち演出として演出表示領域23に表示される画像の表示例である。これらの画像は、後述の演出テーブル(図21)に基づいて選択された演出データが野球勝ちである場合に、当該演出データに基づいて演出表示領域23に表示される。演出データは、演出に対応する画像(動画)を表示するために必要なデータ(情報)であり、演出表示領域23における演出の態様を識別可能な情報である。
図7の(1)は、BET操作が行われた際(BET時)に表示される画像の表示例である。図7の(1)の表示例では、野球勝ちの演出データに対応する画像は表示されていない。
図7の(2)は、スタートスイッチ6Sがオンされた際(スタートスイッチオン時)に表示される画像の表示例である。図7の(2)の表示例では、バッターに扮する主人公キャラクタ301がバットを構え打撃の体勢に入り、ピッチャーに扮する敵キャラクタ302が投球の体勢に入った様子を示す画像が表示されている。
図7の(3)は、第1停止操作が行われ、1つ目のリールが停止された際(第1停止時)に表示される画像の表示例である。図7の(3)の表示例では、敵キャラクタ302が拡大表示され、腕を振りかぶり投球を行うまでの様子を示す画像が表示されている。
図7の(4)は、第2停止操作が行われ、2つ目のリールが停止された際(第2停止時)に表示される画像の表示例である。図7の(4)の表示例では、主人公キャラクタ301が拡大表示され、バットを振り、球を打とうとするまでの様子を示す画像が表示されている。
図7の(5)は、第3停止操作が行われ、3つ目のリールが停止された際(第3停止時)に表示される画像の表示例である。図7の(5)の表示例では、主人公キャラクタ301が打った打球がホームランとなった様子(主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に勝つ様子)を示す画像が表示されている。
図8は、野球負け演出として演出表示領域23に表示される画像の表示例である。これらの画像は、後述の演出テーブル(図20)に基づいて選択された演出データが野球負けである場合に、当該演出データに基づいて演出表示領域23に表示される。
図8の(1)〜(4)に示す、BET時、スタートスイッチオン時、第1停止時、及び第2停止時に表示される画像の表示例は、図7の(1)〜(4)のものと同様である。
図8の(5)は、3つ目のリールが停止された際(第3停止時)に表示される。図8の(5)の表示例では、主人公キャラクタ301の打った打球がファールとなった様子(主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に負ける様子)を示す演出が表示されている。
図9の(1)は、ボーリング演出として演出表示領域23に表示される画像の表示例である。この画像は、後述の演出テーブル(図21)に基づいて選択された演出データがボーリング勝ち又はボーリング負けである場合に、当該演出データに基づいて演出表示領域23に表示される。
図9の(1)の表示例では、主人公キャラクタ301がボーリングの玉を持ち上げ、敵キャラクタ302とボーリングで対決する様子を示す画像が表示されている。この画像は、スタートスイッチ6Sがオンされた際(スタートスイッチオン時)に表示される。また、BET時、第1操作時、第2操作時、及び第3操作時等に表示される画像については図示を省略しているが、ボーリング負け演出では、野球演出と同様に、ある時点(例えば、第3停止時など)までは、ボーリング勝ち演出のものと同様の画像が表示される。
また、演出の最後(例えば、第3停止時など)においては、ボーリング勝ち演出の場合は、主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に勝つ様子を示す画像が表示され、ボーリング負け演出の場合は、主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に負ける様子を示す画像が表示される。
ここで、野球勝ち演出及びボーリング勝ち演出は、ボーナスに内部当選した場合又は持越役がある場合においてのみ行われるので、ボーナスに内部当選していること(所定の図柄組合せに係る内部当選役が決定されたこと)を確定的に遊技者に報知する演出である。野球勝ち演出及びボーリング演出では、演出の最後(例えば、第3停止時)で主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に勝つ様子を示す画像が表示され、遊技者は、ボーナスに内部当選したこと又はボーナスを持ち越していることを認識する。
野球負け演出及びボーリング負け演出は、ボーナスに内部当選していないにも拘らず、ボーナスに内部当選していることに対して遊技者が期待を寄せる場合がある演出である。野球負け演出及びボーリング負け演出は、ボーナスに内部当選していない場合に行われるが、演出の最後(例えば、第3停止時)において主人公キャラクタ301が敵キャラクタ302に負ける様子を示す画像が表示されることにより、遊技者は、ボーナスに内部当選していないことを認識する。
他方、演出の途中までは、野球勝ち演出及びボーリング勝ち演出において表示される画像と同様の画像が表示されるので、遊技者は、ボーナスに内部当選していないことを認識することはできない。よって、遊技者は、演出の最後までは、ボーナスに内部当選していないにも拘らず、ボーナスに内部当選していることに対する期待を抱きながら遊技操作(例えば、停止ボタン7L,7C,7Rの操作など)を行うことができる。
野球演出及びボーリング演出のように、遊技者の遊技操作(例えば、停止ボタン7L,7C,7Rの操作など)に応じて物語の場面が変化して物語が進行する演出を、以下「継続演出」という。ボーナスに内部当選している場合には、継続演出のうち野球勝ち演出及びボーリング勝ち演出が行われる場合があり、ボーナスに内部当選していない場合には、継続演出のうち野球負け演出及びボーリング負け演出が行われる場合がある。したがって、継続演出は、ボーナスに当選している場合及びボーナスに当選していない場合のいずれの場合においても行われる演出である。
図9の(2)は、小役報知演出である紙飛行機(白)演出として演出表示領域23に表示される画像の表示例である。この画像は、後述の演出テーブル(図20、図21)に基づいて選択された演出データが紙飛行機(白)である場合に、当該演出データに基づいて演出表示領域23に表示される。
図9の(2)の表示例では、白い紙飛行機303が主人公キャラクタ301の周囲を旋回する様子を示す画像が表示されている。この画像は、スタートスイッチ6Sがオンされた際(スタートスイッチオン時)に表示される。
小役報知演出は、基本的に、内部当選役を報知する演出である。実施例の小役報知演出では、表示する紙飛行機の色により内部当選役を報知している。例えば、赤の紙飛行機を表示することにより、内部当選役がチェリー(図柄の色が赤)であることを報知する。また、白の紙飛行機は、内部当選役の種別に拘らず表示されることがある。
ただし、ボーナスに内部当選した場合又はボーナスを持ち越している場合には、小役報知演出は、リール3L,3C,3Rの停止態様との関係において内部当選役がボーナスであることを報知するものになる。例えば、内部当選役がチェリーでないにも拘らず赤の紙飛行機を表示することにより、遊技者は、チェリーが成立しないにも拘らず赤の紙飛行機が表示されているので、内部当選役がボーナスであることを把握できる。なお、白の紙飛行機は、内部当選役がボーナスである場合にも表示される。よって、小役報知演出は、ボーナスに当選している場合及びボーナスに当選していない場合のいずれの場合においても行われ得る演出である。
ここで、実施例では、内部当選役にボーナスを含まない通常区間のゲームでは、演出モードA、演出モードB、フェイクモードの3種類の演出モード(状態)が設けられる。各演出モードにおける演出は、後述の演出テーブル(図20)に基づいて決定される。
演出モードAは、基本的に、小役報知演出(紙飛行機(白)演出を除く)のみが行われ、紙飛行機(白)演出、野球負け演出、及びボーリング負け演出(これらの演出を総称して、以下「フェイク演出」という)が行われない演出モードである。一般遊技状態のゲームでは、3種類の演出モードのうち、演出モードAであるゲームが最も多い。
演出モードBは、基本的に、野球負け演出、又はボーリング負け演出のいずれかが行われる演出モードである。演出モードBには、演出モードAにおいて演出モード移行決定テーブル(後述の図15)に基づく抽選により演出モードBへの移行が決定されるという条件が充足することにより移行する。演出モードBにおいて1回のゲームが行われるという条件が充足することにより演出モードAに移行する。
フェイクモードは、基本的に、フェイク演出が行われる演出モードである。フェイクモードには、演出モードAにおいてフェイクモード移行決定テーブル(後述の図19)に基づく抽選によりフェイクモードへの移行が決定されるという条件が充足することにより移行する。フェイクモードにおいて4回のゲームが行われるという条件が充足することにより演出モードAに移行する。
なお、内部当選役にボーナスを含む通常区間、又は持越区間のゲームでは、後述の演出テーブルD〜Hのいずれかに基づいて演出が決定される。
図10を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄の組合せに対応する表示役と、表示役に対応する投入枚数毎の払出枚数の情報を備えている。この図柄組合せテーブルは、全リール3L,3C,3Rが停止した後、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて払出枚数を決定する場合に参照される。
後述の内部当選役がチェリーの場合、表示役がチェリーとなる場合がある。このチェリーには、角チェリーと中チェリーとが含まれる。表示役が角チェリー又は中チェリーのいずれになるかは、左の停止ボタン7Lの操作タイミングが関わる。表示役が中チェリーとなるのは、センターライン8cの位置に“チェリー”のいわゆる「ビタ押し」が行われたときである。
有効ラインに沿って“チェリー(角)−ANY−ANY”が並ぶと表示役が角チェリーになり、投入枚数に拘らず、8枚のメダルが払出される。“チェリー(角)”は、左の図柄表示領域21Lの上段又は下段に停止表示された“チェリー”を示す。“ANY”は、任意の図柄を示す。
有効ラインに沿って“チェリー(中)−ANY−ANY”が並ぶと表示役が中チェリーになり、投入枚数に拘らず、4枚のメダルが払出される。“チェリー(中)”は、左の図柄表示領域21Lの中段に停止表示された“チェリー”を示す。
有効ラインに沿って“ベル−ベル−ベル”が並ぶと表示役がベルになり、投入枚数に拘らず、15枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“スイカ−スイカ−スイカ”が並ぶと表示役がスイカになり、投入枚数に拘らず8枚のメダルが払出される。有効ラインに沿って“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が並ぶと表示役がリプレイになり、メダルが自動投入される。
有効ラインに沿って“青7−青7−青7”が並ぶと表示役がRB2になり、RB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態に移行する。有効ラインに沿って“赤7−赤7−赤7”が並ぶと表示役がRB1になり、RB作動中フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態に移行する。
図11を参照して、内部当選役及び持越役の格納領域(記憶領域)について説明する。
図11の(1)は、内部当選役格納領域を示す。この内部当選役格納領域では、内部当選役の情報(データ)は、1バイトからなる内部当選役格納領域に格納(記憶)されている。内部当選役格納領域において、ビット0(第1ビット)は、チェリーに対応する格納領域である。ビット1(第2ビット)は、ベルに対応する格納領域である。ビット2(第3ビット)は、スイカに対応する格納領域である。ビット3(第4ビット)は、リプレイに対応する格納領域である。
ビット4(第5ビット)は、RB2に対応する格納領域である。ビット5(第6ビット)は、RB1に対応する格納領域である。ビット6(第7ビット)及びビット7(第8ビット)は、未使用の格納領域である。内部当選役格納領域において、1であるビットに対応するもの(役)が内部当選役となる。例えば、内部当選役格納領域に“00000010”が格納されているとき(ビット1(第2ビット)が1のとき)は、内部当選役はベルである。
内部当選役(内部当選役データ)は、基本的に、停止制御の態様を識別したり、表示役となりうる役(表示役として許容されうる役)を識別したりするための情報である。内部当選役は、基本的に、その内部当選役に対応する停止制御の態様などを介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
図11の(2)は、持越役格納領域を示す。この持越役格納領域では、持越役の情報は、1バイトからなる持越役格納領域に格納されている。持越役格納領域において、ビット4(第5ビット)は、RB2に対応する格納領域である。ビット5(第6ビット)は、RB1に対応する格納領域である。ビット0(第1ビット)、ビット1(第2ビット)、ビット2(第3ビット)、ビット3(第4ビット)、ビット6(第7ビット)、及びビット7(第8ビット)は、未使用の格納領域である。持越役がある場合(持越区間である場合)には、持越役格納領域のRB2又はRB1に対応するビット4(第5ビット)又はビット5(第6ビット)に1が格納される(持越役格納領域に“00001000”又は“00010000”が格納される)。
図12を参照して、内部抽選テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽選テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応する内部抽選テーブル(後述の図13)及び抽選回数の情報を備えている。一般遊技状態の場合は、一般遊技状態用の内部抽選テーブル(後述の図13の(1))が選択され、基本的に、抽選回数として6が決定される(後述の図25のステップS51)。抽選回数は、内部当選役を決定するために必要な処理をする回数である。
具体的には、乱数値が所定の範囲(後述の図13で説明する当選番号に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲)内か否かを判別する回数である。ただし、持越区間の場合には、6と決定された抽選回数が3に更新される(後述の図25のステップS53)。
図13を参照して、内部抽選テーブルについて説明する。内部抽選テーブルは、遊技状態毎に設けられ、投入枚数毎に抽選回数に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲の情報、及び内部当選役の情報を備えている。図13の(1)は、一般遊技状態用内部抽選テーブルを示す。図13の(2)は、RB遊技状態用内部抽選テーブルを示す。
内部抽選テーブルに基づく内部当選役の決定(抽選)では、遊技状態毎に定められた抽選回数から降順に、抽選回数が0になるまで、乱数値が抽選回数に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する。乱数値が下限値及び上限値により示される数値範囲内にある場合、抽選回数に対応する内部当選役が決定される。また、抽選回数に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にあるか否かを判断する回数は、図12の内部抽選テーブル決定テーブルで定められた抽選回数と同じである。
なお、抽選回数が0になるまで乱数値が一度も下限値及び上限値により示される数値範囲内になかった場合、内部当選役はハズレとなる。内部当選役のハズレは、内部抽選で遊技者の利益と対応付けられた役に当選しなかったことを示す。また、実施例におけるハズレは、遊技価値と対応付けられた役ではない。また、内部当選役としてのハズレに対応する図柄組合せは、予め設けられた複数の役に対応する図柄組合せとは別の任意の図柄組合せであるとも考えることができるが、実施例では、ハズレに対応する図柄組合せは設けられていないものとする。
また、抽選回数から降順に、抽選回数が0になるまで当選か否かを判断するとともに、抽選回数の各々に対応する上限値及び下限値により規定される数値範囲が重複するように設定されていることから、複数の内部当選役が決定されることがある。抽選回数、遊技状態、投入枚数に基づいて内部当選役が決定される。
例えば、一般遊技状態(持越区間以外の遊技区間)において投入枚数が3の場合に、0〜65535の範囲から抽出した乱数値が550である場合、初めに、抽選回数6について乱数値R(550)−下限値L(479)を計算する。この計算結果は0以上になる。次に、乱数値R(550)−上限値U(678)を計算する。この計算結果は0以下になる。したがって、乱数値が抽選回数6に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内(L≦R≦U)にあるので、抽出した乱数値が550である場合、抽選回数6に対応するRB1が内部当選役となる。
次に、抽選回数5について乱数値R(550)−下限値L(1750)を計算する。この計算結果は0以上になる。したがって、乱数値が抽選回数に対応する下限値及び上限値により示される数値範囲内にないので、抽出した乱数値が550である場合、抽選回数5に対応するRB2に不当選となる。
このようにして、乱数値R(550)−下限値Lの計算及び乱数値R(550)−上限値Uの計算を、抽選回数が0となるまで繰り返すことで、抽選回数6〜1の各々に対応する役に当選しているか否かを判断する。抽出した乱数値が550である場合は、抽選回数6〜2については不当選となる。これに対し、抽選回数1については、下限値Lが0であり、上限値Uが599なので当選となる。したがって、抽出した乱数値が550である場合は、抽選回数1及び6で当選し、内部当選役として抽選回数1に対応するRB1及び抽選回数6に対応するチェリーの両方が決定される。なお、持越区間では、抽選回数が4に更新(後述の図24のステップS53)されるので、当選番号5〜6に決定される場合がないので、持越区間では、一般遊技状態用内部抽選テーブルに基づいて、RB1又はRB2が内部当選役として決定される場合はない。
ここで、一般遊技状態用内部抽選テーブルによれば、一般遊技状態(持越区間以外の遊技区間)において投入枚数が3の場合に、抽出した乱数値が479〜599の範囲内にある場合には、内部当選役として抽選回数6に対応するRB1及び抽選回数1に対応するチェリーの両方が決定される。また、一般遊技状態(持越区間以外の遊技区間)において投入枚数が3の場合に、抽出した乱数値が1785〜1951の範囲内にある場合には、内部当選役として抽選回数3に対応するスイカ及び抽選回数5に対応するRB2の両方が決定される。
すなわち、この一般遊技状態用内部抽選テーブルによれば、チェリー及びRB1、又はスイカ及びRB2の両方が同時に内部当選役として決定される場合がある。したがって、表示役がチェリーであった場合(有効ラインに沿ってチェリーに対応する図柄組合せが並んだ場合)には、遊技者は、チェリーとRB1の両方が同時に内部当選役となり、当該RB1が持ち越されていることに期待して遊技を進める場合がある。同様に、表示役がスイカであった場合には、遊技者は、スイカとRB2の両方が同時に内部当選役となり当該RB2が持ち越されていることに期待して遊技を進める場合がある。また、RB1又はRB2と同時に内部当選役となる可能性のあるチェリー及びスイカを、以下「特定小役」という。
なお、抽選回数が0で内部当選役がハズレの場合には、内部当選役を示すデータ(情報)は“00000000”である。抽選回数が1で内部当選役がチェリーの場合には、内部当選役を示す情報は“00000001”である。抽選回数が2で内部当選役がベルの場合には、内部当選役を示す情報は“00000010”である。抽選回数が3で内部当選役がスイカの場合には、内部当選役を示す情報は“00000100”である。抽選回数が4で内部当選役がリプレイの場合には、内部当選役を示す情報は“00001000”である。抽選回数が5で内部当選役がRB2の場合には、内部当選役を示す情報は“00010000”である。抽選回数が6で内部当選役がRB1の場合には、内部当選役を示す情報は“00100000”である。
図14を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、作動中フラグの情報と、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに格納される値の情報とを備えている。このボーナス作動時テーブルは、後述の図28のステップS82の処理において参照される。
作動中フラグは、作動している遊技状態(現在の遊技状態)を識別するための情報である。作動中フラグには、RB作動中フラグがある。遊技可能回数カウンタは、RB遊技状態において行うことが可能な残りの単位遊技の回数を識別するための情報である。入賞可能回数カウンタは、RB遊技状態において入賞する(役が成立する)ことが可能な残りの単位遊技の回数を識別するための情報である。
図15を参照して、演出モード移行決定テーブルについて説明する。
演出モード移行決定テーブルは、演出モードA継続カウンタの値毎に、演出モードBへ移行する確率及び演出モードBへ移行しない確率の情報を備えている。このテーブルは、一般遊技状態において演出モードAである場合に、演出モードBに移行するか否かを決定するために参照される(後述の図33のステップS141)。演出モードA継続カウンタは、演出モードAである状態が継続したゲームの回数を識別するための情報である。
演出モードAであるゲームでは、演出モードA継続カウンタに格納されている値に1が加算される(後述の図33のステップS139)。また、このテーブルは、演出モードA継続カウンタに格納されている値が大きくなるほど、すなわち、演出モードAである状態が継続したゲームの回数が多くなるほど、演出モードBへ移行する確率が相対的に高くなるように構成されている。
ここで、演出モード移行決定テーブルに基づいて演出モードBへ移行するようにすることで、演出モードAである状態が継続したゲーム回数が多くなるほど相対的に高い確率で演出モードBへ移行し、演出モードAである場合には行われることのない野球負け演出又はボーリング負け演出のいずれかが行われる。このようにすることで、ボーナスに内部当選しなかった場合又は持越役がない場合であっても、ボーナスに内部当選した可能性を遊技者に容易に察知させ、ボーナスに内部当選したことに対して遊技者が期待を寄せる場合がある演出(野球負け演出又はボーリング負け演出)を適度に発生させることができる。したがって、ボーナスに内部当選しないゲームが続いた場合でも、遊技者のボーナスに内部当選することに対する期待感を損なわないようにすることができる場合がある。
図16を参照して、演出選択モード決定テーブル選択テーブル群について説明する。
演出選択モード決定テーブル選択テーブル群は、演出選択モード決定テーブル選択テーブルA及び演出選択モード決定テーブル選択テーブルBを含んでいる。
このテーブルは、入賞率カウンタの値毎に、演出選択モード決定テーブル(後述の図17)を識別するための情報を備えている。また、演出選択モード決定テーブル選択テーブルAは、後述の初当たりである場合(後述の図35のステップS152の判別がNOの場合)に、演出選択モード決定テーブル(後述の図17)を選択するために参照される(後述の図35のステップS153)。
入賞率カウンタの値が30以上である場合には、演出選択モード決定テーブルI(後述の図17)が選択される。また、入賞率カウンタの値が−30を超え、かつ30未満である場合には、演出選択モード決定テーブルII(図示せず)が選択される。また、入賞率カウンタの値が−30以下の場合には、演出選択モード決定テーブルIII(図示せず)が選択される。
入賞率カウンタは、内部当選した特定小役が成立したこと、或いは成立しなかったことに応じて、所定の値が加算或いは減算されるカウンタである。具体的には、チェリーが成立した場合には、入賞率カウンタの値に8が加算される(後述の図36のステップS175)。また、スイカが成立した場合には、入賞率カウンタの値に10が加算される(後述の図37のステップS179)。なお、入賞率カウンタに格納される値は、電源の供給を停止した場合にクリアされる。
また、内部当選役がチェリーであるゲームにおいて表示役がチェリーではなかった場合には、入賞率カウンタの値から4が減算される(後述の図36のステップS177)。内部当選役がスイカであるゲームにおいて表示役がスイカではなかった場合には、入賞率カウンタの値から5が減算される(後述の図37のステップS181)。すなわち、チェリーに対応する8(第1の数値)とスイカに対応する10(第1の数値)、チェリーに対応する4(第2の数値)とスイカに対応する5(第2の数値)は、いずれも異なる。なお、スイカとチェリーにおいて、第1の値又は第2の値のいずれか一方を同じにするようにしてもよい。
ここで、目押し操作の技量に乏しい初心者は、目押し操作の技量が高い上級者に比べて、相対的に高い確率で内部当選したチェリー又はスイカを成立させることができず、入賞率カウンタの値が減算される(加算されない)ことになる。よって、初心者が遊技を行う場合は、上級者が遊技を行う場合に比べて、相対的に小さい値が入賞率カウンタに格納される。すなわち、入賞率カウンタに格納される値は、遊技者の目押し操作の技量を反映するものとなる。
内部当選役がスイカの場合に目押し操作でスイカを成立させるためには、遊技者は3つのリール3L,3C,3Rの各々について目押し操作を行う必要がある。一方、内部当選役がチェリーの場合には、中央のリール3C及び右のリール3Rは、どのような表示態様となってもチェリーの成立が実現されるので、遊技者は、3つのリール3L,3C,3Rのうち、左のリール3Lについてのみ目押し操作を行えばよい。
したがって、スイカを成立させるための目押し操作の難易度は、チェリーを成立させるための目押し操作の難易度に比べて相対的に高いと考えられる。そこで、実施例では、このような難易度を考慮して、表示役がスイカである場合には、表示役がチェリーである場合に入賞率カウンタに加算される値に比べて相対的に高い値を入賞率カウンタに加算するようにしている。このようにすることで、遊技者の目押し操作の技量をより反映した値が入賞率カウンタに格納される場合がある。
演出選択モード決定テーブル選択テーブルBは、前々回にボーナスに内部当選したとき(前々回のボーナス当選時)に選択された後述の演出選択モードの種類毎に、後述の図17の演出選択モード決定テーブルの種類を識別するための情報を備えている。このテーブルは、ボーナス(RB1又はRB2)に内部当選し、かつ初当たりではない場合(後述の図35のステップS152の判別がYESの場合)に、後述の図17の演出選択モード決定テーブルを選択するために参照される(後述の図35のステップS154)。
ここで、実施例では、演出選択モードX、演出選択モードY、及び演出選択モードZの3つの演出選択モードが設けられている。演出選択モードXは、後述の演出テーブルD(図21)を識別するための情報である。演出選択モードYは、後述の演出テーブルE(図21)を識別するための情報である。演出選択モードZは後述の演出テーブルF(図21)を識別するための情報である。
初当たりは、一般に、ある遊技機で初めて遊技を開始した遊技者が、当該遊技機において最初にボーナスに内部当選すること(内部当選役にRB1又はRB2が含まれること)であるが、遊技機で初めて遊技を開始した遊技者を遊技機が判別することは実際には困難である。そこで、実施例では、後述の表示コマンドを受信してから5分を経過した後(後述の図32のステップS122の判別がYESとなった後)に、ボーナスに最初に内部当選すること(後述の図35のステップS152の判別でNOとなること)を初当たりとしている。
この演出選択モード決定テーブル選択テーブルBに基づいて、前々回のボーナス当選時に選択された演出選択モードが演出選択モードXであった場合には、演出選択モード決定テーブルIV(後述の図17)が選択される。また、前々回のボーナス当選時に選択された演出選択モードが演出選択モードYであった場合には、演出選択モード決定テーブルV(図示せず)が選択される。また、前々回のボーナス当選時に選択された演出選択モードが、演出選択モードZであった場合には、演出選択モード決定テーブルVI(図示せず)が選択される。
図17を参照して、演出選択モード決定テーブル群について説明する。
演出選択モード決定テーブル群は、演出選択モード決定テーブルI〜VIを含む。演出選択モード決定テーブルは、前回にボーナスに内部当選したとき(前回のボーナス当選時)に選択された演出選択モードの種類毎に、各演出選択モードが選択される確率の情報を備えている、このテーブルは、後述の図35のステップS155の処理において、演出選択モードを決定するために参照される。
演出選択モード決定テーブルI〜IIIは、演出選択モードXが選択される確率に比べて演出選択モードY及び演出選択モードZが選択される確率が相対的に高くなるように構成されている。また、演出選択モード決定テーブルI〜IIIは、今回のゲームが初当たりである場合に選択される(後述の図35のステップS153)。したがって、今回のゲームが初当たりである場合には、演出選択モード決定テーブルI〜IIIを参照することにより、演出選択モードXが選択される確率に比べて演出選択モードY及び演出選択モードZが選択される確率が相対的に高くなる。
演出選択モードY又は演出選択モードZが選択された場合には、演出選択モードY及び演出選択モードZにそれぞれ対応する後述の演出テーブルE、演出テーブルF(図21)に基づいて演出データが選択される。後述のように、演出テーブルE又は演出テーブルFが選択された場合には、野球勝ち又はボーリング勝ちの演出データが必ず選択される。したがって、今回のゲームが初当たりである場合には、ボーナスに内部当選したこと又は持越役があることを確定的に報知する野球勝ち演出又はボーリング勝ち演出が行われる確率が他の演出が行われる確率に比べて相対的に高くなる。
すなわち、初当たりチェックフラグがオフである場合(識別情報が第2識別情報に更新されている場合)、複数の演出の態様のうちから特定の演出の態様(例えば、ボーリング勝ち演出など)が他の演出の態様よりも最も高い確率で決定されることになる。このようにすることで、その遊技台で初めて遊技する遊技者に対して、最初の当たり(最初に内部当選したボーナス)を分かり易いものにし、遊技者に安心を与えることができる(機能を有する)。また、その遊技台に対して初めて、又はあまり知識のない遊技者が遊技した場合に配慮することができる。
ここで、遊技者は、一般に、遊技を開始してからボーナスが成立するまでの期間には、早期にボーナスに内部当選することに期待するとともに、ボーナスに内部当選した場合には、ボーナスに内部当選したことをできる限り早く把握して安心したいという場合が少なくない。そこで、実施例では、初当たりとなった場合には、ボーナスに内部当選したことを確定的に報知する野球勝ち演出又はボーリング勝ち演出が行われる確率が他の演出が行われる確率に比べて相対的に高くなるようにしている。このようにすることで、初当たりとなった場合にボーナスに内部当選した旨を遊技者に認識させ、遊技を開始してからボーナスが成立するまでの期間において不安感を抱きがちな遊技者に対して安心感を与えることができる場合がある。
演出選択モード決定テーブルIV〜VIは、演出選択モード決定テーブル選択テーブルBを参照することにより前々回のボーナス当選時に選択された演出選択モードの種類に基づいて選択される(後述の図35のステップS154)。また、演出選択モード決定テーブルIV〜VIを参照することにより、前回のボーナス当選時に選択された演出選択モードの種類に基づいて演出選択モードが決定される。したがって、演出選択モード決定テーブルIV〜VIに基づいて演出選択モードを選択する場合には、前々回のボーナス当選時に決定された演出選択モード及び前回のボーナス当選時に決定された演出選択モードに基づいて、今回の演出選択モードが決定されることとなる。
また、演出選択モード決定テーブルIV〜VIは、前々回のボーナス当選時に決定された演出選択モード(前々回の演出選択モード)と前回のボーナス当選時に決定された演出選択モード(前回の演出選択モード)が同一である場合に、前々回の演出選択モード及び前回の演出選択モードと同一の演出選択モードが決定される(同一の演出選択モードが3回連続して選択される)確率は、当該同一の演出選択モードが選択されない確率に比べて相対的に低くなるように構成されている。
また、演出選択モード決定テーブルIV〜VIは、前回のボーナス当選時にある演出選択モードが選択された場合に、当該演出選択モードと同一の演出選択モードが選択される確率は、当該演出選択モードと異なる演出選択モードが選択される確率に比べて相対的に低くなるように構成されている。また、前々回のボーナス当選時に決定された演出選択モード(前々回の演出選択モード)と前回のボーナス当選時に決定された演出選択モード(前回の演出選択モード)が異なる場合に、前々回の演出選択モードと前回の演出選択モードのいずれとも異なる演出選択モードが決定される確率は、前々回の演出選択モードと前回の演出選択モードのいずれかと同一である演出選択モードが決定される確率に比べて相対的に高くなるように構成されている。
例えば、演出選択モード決定テーブルIVによれば、前々回のボーナス当選時に演出選択モードXが決定され、前回のボーナス当選時に演出選択モードXが決定された場合に、演出選択モードXが決定される確率(演出選択モードXが3回連続して決定される確率)は16/128である。この確率は、演出選択モード決定テーブルIVに格納される他の確率に比べて相対的に低い。
また、例えば、演出選択モード決定テーブルIVによれば、前回のボーナス当選時に演出選択モードYが選択された場合に、演出選択モードYが選択される確率(2回連続して演出選択モードYが選択される確率)は16/128である。この確率は、前回のボーナス当選時に演出選択モードYが選択された場合に、演出選択モードY以外の演出選択モードX又は演出選択モードZが選択される確率に比べて相対的に低い。また、前回のボーナス当選時に演出選択モードX又は演出選択モードZが選択された場合についても同様である。
また、例えば、演出選択モード決定テーブルIVによれば、前々回のボーナス当選時に演出選択モードXが選択され、前回のボーナス当選時に演出選択モードYが選択された場合に、演出選択モードZが選択される確率は80/128である。この確率は、演出選択モード決定テーブルIVに格納される他の確率に比べて相対的に最も高い値である。
このように、ボーナスに内部当選した場合には、前回及び前々回のボーナス当選時に選択された演出選択モードとは異なる演出選択モードが相対的に高い確率で選択されるので、ボーナス内部当選時に選択される演出選択モードに対応する演出テーブルに基づいて行われる演出は毎回同じような演出ではなく、様々な演出が発生(故意に発生)することとなる。このようにすることで、前回又は前々回に行われた演出と異なる演出が行われた場合には、ボーナスに内部当選したことに対する遊技者の期待感を高めることができる遊技機を提供できる場合がある。また、遊技者は、様々な演出の期待感を持つことができる。
図18を参照して、演出選択モード対応テーブルについて説明する。
演出選択モード対応テーブルは、演出選択モード毎に演出テーブルの種類を識別するための情報を備えている。このテーブルは、演出選択モード決定テーブル(図17)によって演出選択モードが決定された場合に、決定された演出選択モードに対応する演出テーブル(後述の図21)を選択するために参照される(後述の図35のステップS156)。各演出選択モードに対応する演出テーブルの種類は図示の通りである。
図19を参照して、フェイクモード移行決定テーブルについて説明する。
フェイクモード移行決定テーブルは、入賞率カウンタの値毎に、フェイクモードへ移行する確率及び移行しない確率の情報を備えている。このテーブルは、表示役がチェリー又はスイカである場合に、入賞率カウンタに格納された値に基づいてフェイクモードに移行するか否か(移行か非移行か)の抽選を行うために参照される(後述の図37のステップS182)。
また、このテーブルは、入賞率カウンタに格納される値が小さくなるほどフェイクモードへ移行する確率が相対的に高い確率となるように構成されている。具体的には、入賞率カウンタの値が30以上である場合には、フェイクモードへ移行する確率は32/128である。また、入賞率カウンタの値が30以下の場合には、フェイクモードへ移行する確率は64/128である。
ここで、チェリー及びスイカは、RB1又はRB2と同時に内部当選役となる可能性のある特定小役なので、表示役がチェリー又はスイカであった場合(有効ラインに沿ってチェリー又はスイカに対応する図柄組合せが並んだ場合)には、遊技者は、ボーナスに内部当選しなかった場合であっても、チェリー又はスイカと同時にボーナスに内部当選したことに対して期待する場合がある。そこで、実施例では、チェリー又はスイカとともにボーナスに内部当選しない場合においても、フェイクモード移行決定テーブルを参照し、所定の確率でフェイクモードへ移行するようにしている。
フェイクモードである場合には、演出テーブルC(図20)を参照して選択される演出データに基づいて、フェイク演出が行われるので、ボーナスに内部当選したことに対して遊技者が期待を寄せることになる。このように、表示役がチェリー又はスイカとなった後のゲームにおいて、このような演出を行うことにより、表示役がチェリー又はスイカとなった時点においてボーナスに内部当選したことに対して遊技者が一旦抱いた期待感をさらに高めることができる場合がある。
また、このフェイクモード移行決定テーブルは、入賞率カウンタに格納されている値が小さくなるほどフェイクモードへ移行する確率が相対的に高くなるように構成されている。したがって、目押し操作の技量に乏しい初心者が遊技を行う場合には、上級者が遊技を行う場合に比べて相対的に高い確率でフェイクモードへ移行することとなる。このようにすることで、ボーナスに内部当選しないのではないかといった不安感を抱きがちな初心者であっても、ボーナスに内部当選したことに期待しつつ安心してゲームを進めることができる遊技機を提供することができる場合がある。
図20及び図21を参照して、演出テーブル群について説明する。
図20は、一般遊技状態において内部当選役にボーナス(RB1又はRB2)が含まれない場合に使用する演出テーブル群を示す。
図20に示す演出テーブル群は、演出テーブルA〜Cを含む。演出テーブルAでは、基本的に、小役報知演出(紙飛行機(白)演出を除く)のみが選択される。演出テーブルBでは、基本的に、野球負け演出、又はボーリング負け演出のいずれかが選択される。演出テーブルCでは、基本的に、フェイク演出が選択される。
また、演出テーブルAは、演出モードAである場合に使用される。演出テーブルBは、演出モードBである場合に使用される。演出テーブルCは、フェイクモードである場合に使用される。
図21は、一般遊技状態において内部当選役にボーナス(RB1又はRB2)が含まれる場合に使用する演出テーブル群を示す。
図21に示す演出テーブル群は、演出テーブルD〜Hを含む。演出テーブルDでは、小役報知演出のみが選択される。演出テーブルEでは、野球勝ち演出のみが選択される。演出テーブルFでは、ボーリング勝ち演出のみが選択される。演出テーブルG及びHでは、野球負け演出及びボーリング負け演出以外のいずれかの演出が選択される。
また、演出テーブルDは、演出選択モードXが選択された場合に使用される。演出テーブルEは、演出選択モードYが選択された場合に使用される。演出テーブルFは、演出選択モードZが選択された場合に使用される。演出テーブルGは、RB1又はRB2を持ち越しており、かつ内部当選役に小役が含まれる場合に使用される(後述の図35のステップS160の処理)。演出テーブルHは、RB1又はRB2を持ち越しており、かつ内部当選役にハズレの場合に使用される(後述の図35のステップS161の処理)。
図22〜図23に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて、ゲーム終了時のRAM33の指定格納領域(例えば、内部当選役格納領域の情報)を消去(クリア)し(ステップS2)、ステップS3に移る。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
ステップS3では、後で図24を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行い、ステップS4に移る。この処理では、スタートスイッチ6S、メダルセンサ10S、又はBETスイッチ11,13からの入力に基づいて、BET数の更新、後述のデモコマンド送信などの処理を行う。ステップS4では、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納し、ステップS5に移る。この処理で抽出した乱数値は、後述の内部抽選処理において使用される。
ステップS5では、遊技状態監視処理を行い、ステップS6に移る。遊技状態監視処理では、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態を示す識別子(情報)をRAM33に格納し、RB遊技状態用内部抽選テーブル(図13の(2))に切替える。また、RB作動中フラグがオフであれば、一般遊技状態を示す識別子をRAM33に格納し、一般遊技状態用内部抽選テーブル(図13の(1))に切替える。ステップS6では、後で図25を参照して説明する内部抽選処理を行い、ステップS7に移る。
ステップS7では、スタートコマンド送信を行い、ステップS8に移る。スタートコマンドは、遊技状態、内部当選役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。ステップS8では、前回のリールの回転開始から4.1秒経過しているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS10に移り、NOのときは、ステップS9に移る。
ステップS9では、ゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト)を行い、ステップS10に移る。具体的には、前回のゲームが開始してから所定時間(例えば、所定秒(4.1秒など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。ステップS10では、全リールの回転開始を要求し、図23のステップS11に移る。具体的には、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応する後述の3つの有効停止ボタンフラグを全てオンに更新する。
ステップS11では、有効なストップボタンが押圧操作されたか否か、すなわち回転しているリール3L,3C,3Rに対応する停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS12に移り、NOのときは、ステップS11に移る。このステップS11の判別では、具体的には、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグがオンであるか否かを判別し、この判別がYESのときは、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグをオフに更新する。また、このステップS11では、リール3L,3C,3Rが回転を開始してから30秒が経過した場合には、リールの自動停止を行うために、全ての停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグをオフに更新する。
ここで、有効停止ボタンフラグは、操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転しているか否かを識別するための情報であり、停止ボタン7L,7C,7Rの各々に対応して3つ設けられる。操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転している場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオンである。操作された停止ボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rが回転していない場合には、当該停止ボタン7L,7C,7Rに対応する有効停止ボタンフラグはオフである。
ステップS12では、内部当選役に基づいて滑りコマ数を決定し、該当リールの停止予定位置を決定し、ステップS13に移る。具体的には、内部当選役に基づいて、ステップS12の処理においてオフに更新された有効停止ボタンフラグに対応する対応するリール3L,3C,3Rの停止予定位置(図柄を停止させる位置)を決定する。ステップS13では、決定された停止予定位置に応じたタイミングでリール停止コマンドを送信し、ステップS14に移る。リール停止コマンドには、停止制御の対象となったリールの情報などが含まれる。
ステップS14では、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する。具体的には、3つの有効停止ボタンフラグのうちいずれかがオンであるか否かを判別する。回転しているリール3L,3C,3Rがある場合には、この判別はYESとなり、ステップS11に移り、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止した場合には、この判別はNOとなり、ステップS15に移る。ステップS15では、図柄組合せテーブル(図10)に基づいて表示役と払出枚数を決定し、ステップS16に移る。このステップS15では、図柄表示領域21L,21C,21Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグをセットする。ステップS16では、表示コマンド送信を行い、ステップS17に移る。この表示コマンドは、ステップS15で決定された表示役の情報を含む。
ステップS17では、メダル払出処理を行い、ステップS18に移る。このメダル払出処理では、表示役がリプレイの場合、自動投入カウンタを更新(例えば、自動投入カウンタに3をセット)する。次回のゲームにおけるメダル受付・スタートチェック処理(後述の図24)では、上記カウンタにセットされた値分投入枚数を更新する。自動投入カウンタは、表示役がリプレイのとき、自動投入するメダルの枚数を計数するカウンタである。
ステップS18では、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS19に移り、NOのときは、ステップS20に移る。RB作動中フラグは、RB遊技状態であるか否かを識別するための情報であり、RB遊技状態であるときにオンであり、RB遊技状態でないときにオフである。
ステップS19では、後で図27を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行い、ステップS20に移る。ステップS20では、後で図28を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い、図22のステップS2に移る。
図24を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RAM33に格納されるデモ用タイマに初期値として40000をセットし、ステップS32に移る(ステップS31)。このデモ用タイマにセットされた値は、メインCPUの制御による定期的割込処理(後述の図29)におけるタイマ更新処理(図29のステップS91)にて1.1173ms毎に1減算されるので、この値は、この値がデモ用タイマにセットされてから約45秒後に0になる。ステップS32では、投入処理か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS33に移り、NOのときは、ステップS38に移る。
具体的には、メダルセンサ10Sからの入力のチェックを行い、メダルセンサ10Sからの入力がある場合には、このステップS32の判別はYESとなる。また、BETスイッチ11,13からの入力のチェックを行い、BETスイッチ11,13からの入力があった場合には、投入枚数カウンタを加算する値が算出され、このステップS32の判別はYESとなる。また、メダルセンサ10S又はBETスイッチ11,13のいずれかからの入力がなかった場合にはこの判別はNOとなる。投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数を計数するカウンタである。
ステップS33では、投入枚数カウンタを更新し、ステップS34に移る。具体的には、ステップS32の処理でメダルセンサ10Sからの入力があった場合には、投入枚数カウンタに1が加算される。また、ステップS32の処理でBETスイッチ11,13からの入力があった場合には、このステップS32の処理で算出された値を投入枚数カウンタに加算する。また、前回のゲームでリプレイが成立した場合には、自動投入カウンタに基づいて投入枚数カウンタを更新する。また、後述のステップS37の処理において、投入枚数カウンタの加算が禁止された場合には、投入枚数カウンタの代わりにクレジットカウンタを加算する。投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数を計数するカウンタである。クレジットカウンタは、クレジットされたメダルの枚数を計数するためのカウンタである。
ステップS34では、ベットコマンド送信を行い、ステップS35に移る。ステップS35では、RB作動中フラグがオンか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS37に移り、NOのときは、ステップS36に移る。ステップS36では、投入枚数カウンタが3か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS37に移り、NOのときは、ステップS38に移る。ステップS37では、一般遊技状態においては最大の投入枚数3が投入されており、RB遊技状態においては最大の投入枚数1が投入されているので、投入枚数カウンタの加算を禁止することでメダルの投入を禁止し、ステップS38に移る。ステップS38では、投入枚数カウンタが1以上か否か、すなわち、投入枚数が1以上か否かを判別する。この判別が、YESのときは、ステップS43に移り、NOのときは、ステップS39に移る。
ステップS39では、デモ用タイマが0か否かを判別する。すなわち、遊技者による操作(BET操作など)が行われない状態(非遊技状態)が所定時間(約45秒)継続したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS40に移り、NOのときはステップS32に移る。ステップS40では、投入枚数を表示するベットランプ(図示せず)は消灯中か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS32に移り、NOのときは、ステップS41に移る。ステップS41では、ベットランプを消灯し、ステップS42に移る。
実施例では、基本的に、ベットランプは常に点灯しているが、後述のステップS42の処理においてデモコマンドを送信する場合には、ベットランプを消灯するようにしている。このため、デモコマンドを一度送信した後に非遊技状態が継続した場合には、ステップS40の判別がYESとなり、ステップS42を経由せず、デモコマンドが再度送信されることはない。このようにすることで、デモコマンドを一度送信した後に非遊技状態が継続する場合であっても、デモコマンドの送信が繰返されることがないようにしている。
ステップS42では、デモコマンド送信を行い、ステップS32に移る。デモコマンドが送信されることにより、遊技機が客待ちの状態であること等を報知するデモンストレーション画像(デモ画像)が表示される。RB遊技状態で投入枚数が1の場合(ステップS35の判別がYES)又はRB遊技状態以外の遊技状態で投入枚数が3の場合(ステップS36の判別がYES)には、デモコマンドの送信は行われず、ステップS43において、スタートスイッチはオンか否かを判別する。この判別では、具体的には、スタートスイッチはオンであるか、即ちスタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。この判別がYESのときは、図22のステップS4に移り、NOのときは、ステップS32に移る。
図25及び図26を参照して、内部抽選処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽選テーブル決定テーブル(図12)に基づいて、遊技状態に応じた内部抽選テーブルの種別と抽選回数を決定し(ステップS51)、ステップS52に移る。ステップS52では、持越役格納領域にRB1又はRB2のフラグが格納されているか否か、すなわち、持越役格納領域のRB2又はRB1に対応するビット4(第5ビット)又はビット5(第6ビット)に1が格納されているか(持越役の有無)を判別する。この判別がYESのときは、ステップS53に移り、NOのときは、ステップS54に移る。ここで、ステップS52の判別がYESとなる場合は、持越区間の場合である。ステップS53では、抽選回数を4に変更し、ステップS54に移る。
ステップS54では、乱数値格納領域に格納されている乱数値と、抽選回数と投入枚数カウンタに応じた下限値を比較し、ステップS55に移る。具体的には、ステップS51で決定された内部抽選テーブルを参照し、抽選回数と投入枚数とに基づいて、下限値(L)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から下限値(L)を減算する(R−L)。ステップS55では、乱数値は下限値以上か否かを判別する。具体的には、ステップS54で求められた(R−L)が正の値であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS56に移り、NOのときは、図26のステップS62に移る。
ステップS56では、乱数値格納領域に格納されている乱数値と、抽選回数と投入枚数カウンタに応じた上限値を比較し、ステップS57に移る。具体的には、ステップS51で決定された内部抽選テーブルを参照し、抽選回数と投入枚数とに基づいて、下限値(U)を取得し、RAM33における乱数値格納領域に格納されている乱数値(R)から上限値(U)を減算する(R−U)。ステップS57では、乱数値は上限値以下か否かを判別する。具体的には、ステップS56で求められた(R−U)が負の値であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS58に移り、NOのときは、ステップS62に移る。
ステップS58では、内部当選役決定テーブルを参照し、抽選回数に基づいて内部当選役を特定し、ステップS59に移る。ステップS59では、ステップS58で決定された内部当選役はRB1又はRB2か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS60に移り、NOのときは、ステップS61に移る。ステップS60では、内部当選役に基づいて、持越役格納領域にそのフラグを格納し、ステップS61に移る。ここで、この判別で、内部当選役にRB1が含まれている場合には持越役格納領域に“00100000”を格納し、内部当選役にRB2が含まれている場合には、持越役格納領域に“00010000”を格納する。
ステップS61では、ステップS58で特定された内部当選役を示す情報と持越役格納領域の論理和を内部当選役格納領域に格納し、ステップS62に移る。ステップS62では、抽選回数を1減算し、ステップS63に移る。ステップS63では、抽選回数が0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS64に移り、NOのときは、図25のステップS54に移る。ここで、この判別がYESとなる場合は、乱数値Rが上限値Uと下限値Lとにより規定された数値範囲に含まれるか否かの判別をした回数が、一般遊技状態では6回、RB遊技状態時では3回、内部当選状態(持越区間)時では4回の場合である。これに対し、この判別がNOとなる場合は、上記判別をした回数が、一般遊技状態では6回未満、RB遊技状態時では3回未満、内部当選状態(持越区間)では4回未満の場合である。
ステップS64では、内部当選役を示す情報と持越役格納領域の論理和を内部当選役格納領域に格納し、図22のステップS7に移る。ここで、内部当選役がハズレである場合には、ステップS61の処理を経由することがないため、持越役がある場合であってもこのステップS61の処理により内部当選役格納領域の持越役に対応するビットが1になることはない。そこで、持越役がある場合に内部当選役がハズレである場合を考慮し、ステップS64の処理を設け、内部当選役を示す情報と持越役格納領域の論理和を内部当選役格納領域に格納することとしている。
図27を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS71)。この判別がYESのときは、ステップS72に移り、NOのときは、ステップS74に移る。ステップS72では、入賞可能回数カウンタを1減算し、ステップS73に移る。ステップS73では、入賞可能回数カウンタが0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS76に移り、NOのときは、ステップS74に移る。
ステップS74では、遊技可能回数カウンタを1減算し、ステップS75に移る。ステップS75では、遊技可能回数カウンタが0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS76に移り、NOのときは、図23のステップS20に移る。ステップS76では、RB終了時処理を行い、ステップS77に移る。具体的には、RB作動中フラグのクリア、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアなどを行う。ステップS77では、ボーナス終了コマンドを副制御回路72に送信し、図23のステップS20に移る。
図28を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はRB1又はRB2であるか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、ステップS82に移り、NOのときは、図22のステップS2に移る。ステップS82では、ボーナス作動時テーブル(図14)に基づいてボーナス作動時処理を行い、ステップS83に移る。例えば、表示役がRB1である場合には、ボーナス作動時テーブル(図14)を参照して、表示役(RB1)に対応する作動中フラグ(RB作動中フラグ)をオンに更新し、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタをセットする。ステップS83では、持越役格納領域をクリアし、図22のステップS2に移る。
図29を参照して、メインCPU(CPU31)の制御による割込処理について説明する。この割込処理は、1.1173ms毎に行われる。
初めに、CPU31は、タイマ更新処理を行い(ステップS91)、ステップS92に移る。具体的には、デモ用タイマにセットされた値を1減算する。ステップS92では、入力ポートチェック処理を行い、ステップS93に移る。具体的には、スタートレバー6の押下によるスタートスイッチ6Sからの入力等の有無を確認する。ステップS93では、リール回転駆動処理を行い、ステップS94に移る。具体的には、制御対象のリールを示す情報をリール識別子として設定し、そのリールの駆動を制御する。
ステップS94では、ランプ・7SEG駆動処理を行い、割込処理を終了する。具体的には、ゲームに賭けられているメダルの枚数に基づいてベットランプ(図示せず)を点灯させる。また、貯留(クレジット)されているメダルの数、役成立時のメダルの払出枚数等をクレジット表示部19に表示させる。
図30〜図38に示すフローチャートを参照して、画像制御回路(gSub)72aの制御動作について説明する。
図30及び図31を参照して、サブCPU(画像制御マイコン81)によるメイン処理について説明する。
初めに電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、画像制御マイコン81は、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROM83に記憶されたサブCPUによるメイン処理を繰返して行うように構成されている。また、このサブCPUによるメイン処理では、デモコマンド、ベットコマンド、スタートコマンド、リール停止コマンドなどのコマンド信号を主制御回路71から受信する。
初めに、画像制御マイコン81は、ワークRAM84、制御RAM87、ビデオRAM89などの初期化を行い(ステップS101)、ステップS102に移る。ステップS102では、デモコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS103に移り、NOのときは、ステップS104に移る。ステップS103では、デモ用の演出データをセットし、ステップS104に移る。このステップS103の処理により、デモ画像が演出表示領域23に表示される。ステップS104では、後述の図32を参照して説明する初当たりチェック処理を行い、ステップS105に移る。
ステップS105では、ベットコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS106に移り、NOのときは、ステップS107に移る。ステップS106では、ベットコマンドの内容に基づいて演出データを決定し、セットする。このステップS106の処理により、ベットコマンドの内容に応じた画像が演出表示領域23に表示される。ステップS107では、スタートコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS108に移行し、NOのときは、図31のステップS109に移行する。ステップS108では、後で図33〜図35を参照して説明するスタート処理を行い、図31のステップS109の処理に移行する。
ステップS109では、リール停止コマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS110に移り、NOのときは、ステップS111に移る。ステップS110では、リール停止コマンドの内容に基づいて演出データ決定し、セットし、ステップS111に移る。このステップS110の処理により、リール停止コマンドの内容に応じた画像が演出表示領域23に表示される。ステップS111では、表示コマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS112に移り、NOのときは、ステップS113に移る。
ステップS112では、後で図36及び図37を参照して説明する表示処理を行い、ステップS113に移る。ステップS113では、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS114に移り、NOのときは、ステップS115に移る。ステップS114では、後で図38を参照して説明するボーナス終了処理を行い、ステップS115に移る。ステップS115では、後で図33〜図35を参照して説明するスタート処理及び後で図36〜図37を参照して説明する表示処理においてセットされた演出データに基づいて演出実行処理を行い、図30のステップS102に移行する。これにより、後で図33〜図35を参照して説明するスタート処理及び後で図36を参照して説明する表示処理においてセットされた演出データに対応する画像が演出表示領域23に表示される。
図32を参照して、初当たりチェック処理について説明する。
初めに、副制御回路72は、メダルの投入は有るか否かを判別する(ステップS121)。具体的には、図30のステップS105においてベットコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、図30のステップS105に移り、NOのときは、ステップS122に移る。ステップS122では、表示コマンドを受信してから5分が経過したか否かを判別する。具体的には、画像制御回路(gSub)72aに設けられた初当たりチェックタイマが生成した時間情報を参照し、表示コマンドを受信してからの時間が5分を経過している場合には、この判別はYESとなり、ステップS123に移り、5分を経過していない場合には、この判別はNOのとなり、図30のステップS105に移る。ステップS123では、初当たりチェックフラグをオフに更新し、図30のステップS105に移る。初当たりチェックフラグは、ステップS122において表示コマンドを受信してから5分が経過したと判別されたか否かを識別するための情報である。
図33〜図35を参照して、スタート処理について説明する。
初めに、副制御回路72は、RB遊技状態(サブ)であるか否かを判別する(ステップS131)。具体的には、RB遊技状態(サブ)に対応する識別子がオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS132に移り、NOのときは、ステップS133に移る。
ここで、副制御回路72は、一般遊技状態(サブ)、内部当選状態(サブ)、及びRB遊技状態(サブ)の3つの遊技状態を識別する。これらの遊技状態は、それぞれ主制御回路71側が識別する通常区間、持越区間、及びRB遊技状態に対応する。ワークRAM84には、これら3つの遊技状態の各々に対応する識別子(情報)が格納される。副制御回路72は、これら識別子を参照することにより、遊技状態を識別する。また、副制御回路72は、これら識別子をオン又はオフに更新することにより、遊技状態のセット又はクリアを行う。
ステップS132では、内部当選役等に基づいて、演出データを決定し、セットする。これにより、決定された演出データに対応する画像が、演出表示領域23に表示される。ステップS133では、入賞率チェックカウンタを1加算し、ステップS134に移る。ステップS134では、入賞率チェックカウンタの値が100であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS135に移り、NOのときは、ステップS136に移る。入賞率チェックカウンタは、一般遊技状態(サブ)又は内部当選状態(サブ)がセットされている状態(RB遊技状態(サブ)とは異なる遊技状態)が継続したゲーム回数を計数するカウンタである。ステップS135では、入賞率チェックカウンタをクリアし、入賞率カウンタの値に1/2を乗算する。
ここで、目押し操作の技量が高い上級者が遊技を行う場合には、入賞率カウンタの値が増加し続けることにより、この値が常に30以上となる場合がある。この場合には、演出選択モード決定テーブル選択テーブルA(図16)に基づいて選択されるテーブルは、常に演出選択モード決定テーブルI(図17)となる。また、この場合には、フェイクモード移行決定テーブル(図19)に基づいて、フェイクモードへ移行する確率が常に32/128となる。したがって、目押し操作の技量が高い上級者が遊技を行う場合には、入賞率カウンタの値が常に30以上になり、入賞率カウンタの値に基づいて行われる演出が変化に乏しくなる場合がある。
そこで、実施例では、入賞率チェックカウンタの値が100である場合(ステップS134の判別がYESの場合)には、入賞率カウンタの値に1/2を乗算することにより、入賞率カウンタに格納される値が半減するようにしている。このようにすることで、目押し操作の技量が高い上級者が遊技を行う場合であっても入賞率カウンタに格納される値が常に30以上にならないようにすることができる場合があり、入賞率カウンタの値に基づいて行われる演出が変化に乏しくなることを回避することができる場合がある。
ステップS136では、内部当選役にRB1又はRB2が含まれているか否かを判別する。この判別がYESのときは、図35のステップS151に移り、NOのときは、ステップS137に移る。ステップS137では、フェイクモードカウンタの値は1以上か否かを判別する。この判別がYESのときは、図34のステップS147に移り、NOのときは、ステップS138に移る。フェイクモードカウンタは、フェイクモードである状態が継続することが可能な残りのゲーム回数を計数するためのカウンタである。
ステップS138では、演出モードAか否かを判別する。具体的には、ワークRAM84に格納された演出モードA識別子がオンであるか否かを判別する。演出モードA識別子は、演出モードAであるか否かを識別するための情報である。演出モードAである場合には、演出モード識別子はオンであり、演出モードAではない場合には、演出モード識別子Aはオフである。この判別がYESのときは、ステップS139に移り、NOのときは図34のステップS145に移る。ステップS139では、演出テーブルA(図20)に基づいて演出データを決定し、セットし、ステップS140に移る。ステップS140では、演出モードA継続カウンタを1加算し、ステップS141に移る。ステップS141では、演出モードA継続カウンタの値、及び演出モード移行決定テーブル(図15)に基づいて演出モードBに移行するか否かの抽選を行い、図34のステップS142に移る。
ステップS142では、図33のステップS141の処理によって演出モードBへ移行が決定されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS143の処理に移り、NOのときは、図31のステップS109に移る。ステップS143では、演出モードBに移行し、ステップS144に移る。具体的には、演出モードB識別子をオンに更新し、演出モードA識別子をオフに更新する。演出モードB識別子は、演出モードBであるか否かを識別するための情報である。演出モードBである場合には、演出モード識別子はオンであり、演出モードBではない場合には、演出モード識別子Bはオフである。ステップS144では、演出モードA継続カウンタをクリアし、図31のステップS109に移る。
ここで、演出モード移行決定テーブルに基づく抽選(図33のステップS141)により、演出モードA継続カウンタの値(識別情報)に基づいて演出モードBに移行するか否かが決定される。演出モードと演出テーブルとは、一対一で対応し、演出モードが移行すると、次のゲームでは、移行先の演出モードに対応する演出テーブルに基づいて演出データが決定される。したがって、演出モードA継続カウンタの値に基づいて複数の演出テーブルのうちから演出テーブルが決定されることになる。
ステップS145では、演出テーブルB(図20)に基づいて演出データを決定し、セットし、ステップS146に移る。ステップS146では、演出モードAに移行し、図31のステップS109に移る。具体的には、演出モードA識別子をオンに更新し、演出モードB識別子をオフに更新する。ステップS147では、演出テーブルC(図20)に基づいて演出データを決定し、セットし、ステップS148に移る。ステップS148では、フェイクモードカウンタを1減算し、ステップS149に移る。ステップS149では、フェイクモードカウンタの値は0か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS150に移り、NOのときは、図31のステップS109に移る。ステップS150では、演出モードAに移行し、図31のステップS109に移る。具体的には、演出モードA識別子をオンに更新する。
ステップS151では、一般遊技状態(サブ)か否かを判別(識別)する。具体的には、ワークRAM84に格納される一般遊技状態(サブ)に対応する識別子がオンであるか否かを判別する。ボーナス(RB1又はRB2)が持越されていない場合には、この判別はYESとなり、ステップS152に移る。ボーナス(RB1又はRB2)が持越されている場合には、この判別はNOとなり、ステップS159に移る。
ステップS152では、初当たりチェックフラグがオンであるか否かを判別する。初当たりではない場合には、この判別はNOとなり、ステップS153に移る。初当たりの場合には、この判別がYESとなり、ステップS154に移る。ステップS153では、演出選択モード決定テーブル選択テーブルA(図16)、及び入賞率カウンタの値に基づいて演出選択モード決定テーブル(図17)を決定し、ステップS155に移る。ここで、決定された演出選択モード決定テーブルに基づいて後述のステップS155〜ステップS157が行われるので、入賞率カウンタの値(数値情報)に基づいて演出データ(演出の態様)が決定されることになる。
ステップS154では、ワークRAM84に格納される前々回の演出選択モードの種類の情報を参照し、演出選択モード決定テーブル選択テーブルBに基づいて、演出選択モード決定テーブル(図17)を決定し、ステップS155に移る。例えば、前々回の演出選択モードの種類の情報が演出選択モードXを示すものである場合には、演出選択モード決定テーブルIVを決定する。前々回の演出選択モードの種類の情報が演出選択モードYを示すものである場合には、演出選択モード決定テーブルVを決定する。前々回の演出選択モードの種類の情報が演出選択モードZを示すものである場合には、演出選択モード決定テーブルVIを決定する。
ステップS155では、ワークRAM84に格納される前回の演出選択モードの種類の情報を参照し、ステップS153又はステップS154で決定された演出選択モード決定テーブル(図17)に基づいて、演出選択モードを決定(選択)し、ステップS156に移る。また、このステップS155では、ワークRAM84に格納される前回の演出選択モードの種類の情報及び前々回の演出選択モードの種類の情報が更新される。具体的には、前々回の演出選択モードの種類の情報を前回の演出選択モードの種類の情報に更新し、前回の演出選択モードの種類の情報を決定された演出選択モードの種類の情報に更新する。例えば、演出選択モードXが決定された場合には、前回の演出選択モードの種類の情報を、演出選択モードXを示すものに更新する。演出選択モードYが決定された場合には、前回の演出選択モードの種類の情報を、演出選択モードYを示すものに更新する。演出選択モードZが決定された場合には、前回の演出選択モードの種類の情報を、演出選択モードZを示すものに更新する。
ステップS156では、演出選択モード対応テーブル(図18)に基づいて、ステップS155で決定(選択)された演出選択モードに対応する演出テーブル(図21)を決定(選択)する。ステップS157では、ステップS156で決定(選択)された演出テーブル(図21)に基づいて演出データを決定(選択)し、セットし、ステップS158に移行する。ステップS158では、内部当選状態(サブ)にセットし、図31のステップS109に移行する。具体的には、ワークRAM84に格納された内部当選状態(サブ)に対応する識別子をオンに更新し、一般遊技状態(サブ)に対応する識別子をオフに更新する。
ステップS159では、内部当選役にチェリー、ベル、スイカ、又はリプレイが含まれるか否かを判別する。内部当選役にチェリー、ベル、スイカ、又はリプレイが含まれる場合には、この判別はYESとなり、ステップS160に移る。内部当選役にチェリー、ベル、スイカ、又はリプレイが含まれない場合(ハズレ)には、この判別はNOとなり、ステップS161に移る。ステップS160では、演出テーブルG(図21)に基づいて演出データを決定し、セットし、図31のステップS109に移行する。ステップS161では、演出テーブルH(図21)に基づいて、演出データを決定し、セットし、図31のステップS109に移行する。
図36及び図37を参照して、全てのリール3L,3C,3Rが停止したことを契機に行われる表示処理について説明する。この表示処理では、具体的には、図31のステップS111で受信した表示コマンドに含まれる表示役の情報に基づいて表示役の種類を判別する。また、この表示処理では、図30のステップS107で受信したスタートコマンドに含まれる内部当選役の情報に基づいて、内部当選役の種類を判別する。
初めに、副制御回路72は、表示役に基づいて演出データを決定し、セットし、ステップS172に移行する(ステップS171)。ステップS172では、内部当選役にチェリー又はスイカが含まれているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS173に移り、NOのときは、図37のステップS185に移る。ステップS173では、内部当選役にチェリーが含まれているか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS174に移り、NOのときは、図37のステップS178に移る。ステップS174では、表示役はチェリーか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS175に移り、NOのときは、ステップS176に移る。
ステップS175では、入賞率カウンタの値に8を加算し、図37のステップS182に移る。ステップS176では、表示役はハズレか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS177に移り、NOのときは、図37のステップS182に移る。ステップS177では、入賞率カウンタの値から4を減算し、図37のステップS182に移る。ステップS178では、表示役はスイカか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS179に移り、NOのときは、ステップS180に移る。ステップS179では、入賞率カウンタの値に10を加算し、ステップS182に移る。ステップS180では、表示役はハズレか否かを判別し、ステップS181に移る。ステップS181では、入賞率カウンタの値から5を減算し、ステップS182に移る。
ステップS182では、フェイクモード移行決定テーブル(図19)、及び入賞率カウンタの値に基づいて抽選を行い、ステップS183に移行する。ステップS183では、フェイクモードに移行するか否かを判別する。具体的には、ステップS182の抽選によりフェイクモードへの移行が決定されたか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS184に移り、NOのときは、ステップS185に移る。
ここで、入賞率カウンタの値に基づくステップS182の抽選により、基本的に、演出モードAからフェイクモードに移行するか否かが決定される。フェイクモードに移行する場合には、演出テーブルCに基づいて演出データが決定される(図34のステップS147)。フェイクモードに移行しない場合には、演出テーブルAに基づいて演出データが決定される(図33のステップS139)。
すなわち、入賞率カウンタの値(数値情報)に基づいて演出データ(演出の態様)が決定されることになる。このようにすることで、特定小役成立時にフェイク演出を発生させる機能を持ち、その特定小役の入賞率(例えば、入賞率カウンタの値)に応じてフェイク演出の発生率を変化させることができる。
ステップS184では、フェイクモードカウンタに4を格納し、ステップS185に移る。このステップS184を経由した場合には、フェイクモードに移行する、すなわち、次のゲームにおいて図33のステップS137の判別がYESとなり、さらに、図34のステップS147の処理においてフェイクモードに対応する演出テーブルC(図20)に基づいて、演出データが選択される。フェイクモードカウンタは、ステップS182の抽選の結果に基づいて更新されるので、フェイクモードカウンタに基づいて演出テーブルを選択し、選択した演出テーブルに基づいて演出データを決定することは、入賞率カウンタの値に基づいて演出データを決定することになる。
また、フェイクモードカウンタに4が格納されることを条件に、フェイクモードに移行して演出テーブルC(図20)に基づいて、演出データが選択される。また、演出モードと演出テーブルとは、一対一で対応している。したがって、チェリーのみが内部当選したこと(表示役になること)に基づいて、複数の演出モード(演出テーブル)のうちからフェイクモード(演出テーブルC)を決定することになる。また、演出データは、その演出テーブルCに基づいて決定される。
ここで、従来は、ボーナスの期待感のある特定役(特定小役)当選時にそのゲームでは期待感を表す演出を行っていたが、次ゲームまで期待感を継続させることはなかった。そのため、ボーナスに当選していなかった場合は、次ゲームも通常時と同じ確率で演出の抽選しているため、スタート操作で演出が発生しなかった時点でボーナスの期待感を損ねていた。また、同時当選機能は、特定役の停止制御を選択するので、いわゆる「出目」等でボーナスに気づくことが多くないため、遊技者はより次のゲームの演出に期待することになる。したがって、同時当選機能を搭載した遊技機において、ボーナスと特定役が同時に当選する可能性のある特定役当選時にボーナスが当選しなかった場合においても、遊技者の期待感を損なわないよう次ゲームにボーナスを期待させる演出を行うことができる。
ステップS185では、表示役はRB1又はRB2か否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS186に移り、NOのときは、図31のステップS113に移る。ステップS186では、RB遊技状態(サブ)にセットし、図31のステップS113に移る。具体的には、ワークRAM84に格納されるRB遊技状態(サブ)に対応する識別子をオンに更新し、内部当選状態(サブ)に対応する識別子をオフに更新する。
図38を参照して、ボーナス終了処理について説明する。
初めに、副制御回路72は、ボーナス終了時用の演出データをセットし、ステップS192に移る(ステップS191)。ステップS192では、初当たりチェックフラグをオンに更新しステップS193に移る。ステップS193では、一般遊技状態(サブ)にセットし、図31のステップS115に移る。このステップS193では、具体的には、ワークRAM84に格納された一般遊技状態(サブ)に対応する識別子をオンに更新し、RB遊技状態(サブ)に対応する識別子をオフに更新する。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、演出モードAから演出モードBへの移行が決定した場合には、次の単位遊技おいて、演出モードAに移行するようにしているので、演出モードBである状態は1回の単位遊技に限られるが、これに限られるものではない。例えば、演出モードAから演出モードBへの移行が決定した場合には、演出モードBである状態が複数の単位遊技にわたって継続するようにしてもよい。
この場合、演出モードBである状態が許容される残りの単位遊技回数の値の情報を格納するカウンタを設け、演出モードAから演出モードBへの移行が決定したことを条件に、当該カウンタに所定の値をセットし、演出モードBである状態において単位遊技毎に、当該カウンタに格納される値を更新し、当該カウンタに格納される値に基づいて、演出モードBから演出モードAへ移行するようにしてもよい。
具体的には、演出モードAから演出モードBへの移行が決定した場合には、上記カウンタの値を4にセットし、演出モードBである状態において単位遊技毎に当該カウンタの値を1減算し、当該カウンタの値が0になった場合には、演出モードBから演出モードAに移行するようにすることで、演出モードBである状態が継続する単位遊技の回数を4にすることができる。
実施例では、表示コマンドを受信してから所定の時間を経過した後に、ボーナスに最初に内部当選することを初当たりとしているがこれに限られるものではなく、所定の時間は任意に設定することができる。また、所定の時間は、遊技者が任意に切り換え可能に構成することもできる。
実施例では、表示コマンドを受信することに基づいて計時を開始し、計時を開始してからの時間情報を生成する初当たりチェックタイマを備え、当該時間情報に基づいて表示コマンドを受信してからの時間が5分を経過したか否かを判別するようにしているがこれに限られるものではない。例えば、表示コマンド以外の他のコマンド(例えば、スタートコマンド、リール停止コマンドなど)を受信することに基づいて初当たりチェックタイマが計時を開始するようにしてもよい。
実施例では、入賞率カウンタ(数値情報)の更新は、加算、減算により行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば、掛け算、割り算などにより入賞率カウンタを更新することもできる。
実施例では、表示コマンドが送信されることを条件に、計時手段(初当たりチェックタイマ)により計時を開始するようにしているが、これに限られるものではない。スタート操作、停止操作、単位遊技の開始などを条件に、計時を開始するようにしてもよい。
実施例では、特定小役に内部当選することを条件に、フェイクモードに移行するか否かの抽選を行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば、特定小役が表示役になることを条件に、フェイクモードに移行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。このようにすることで、図柄の停止態様との関係がより密接な演出を実現し、遊技の興趣を向上させることができる。
更に、本実施例のような遊技機1の他、パチンコ遊技機、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。