JP2007053606A - 画像読取装置、読取精度評価方法、及び補正係数決定方法 - Google Patents

画像読取装置、読取精度評価方法、及び補正係数決定方法 Download PDF

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斉 小勝
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昌彦 久保
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理夫 菊地
Yoshifumi Takebe
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Abstract

【課題】 画像読取装置の読取精度を向上させる。
【解決手段】 画像読取ユニット12は、有彩色の基準板及び無彩色の基準板を有し、これらの基準板を切り替えながら、各基準板の反射光を読み取り、読み取られた複数の読取値に基づいて、読取むらを補正する補正係数を算出する。基準板は回転式で切り替えられるため、画像読取ユニット12を大型化することなく、複数の基準板を読み取ることができる。また、複数の基準板を用いて算出される補正係数は、種々の濃度範囲に有効である。また、有彩色の基準板を用いることにより、画像読取ユニット12の分光特性の変化を検知することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、色信号の読取精度を判定する画像読取装置に関する。
例えば、特許文献1は、黒基準板と白基準板とを読み取り、読み取られた反射光を色分解して検出する方法を開示する。
また、特許文献2は、白色のシェーディング板を読み取って出力ゲインを一定になるように制御し、この状態で、原稿を読み取って得た画像信号に基づいて輝度補正を行う画像処理装置を開示する。
また、特許文献3は、蛍光灯を点灯及び消灯することにより、白色板から白のシェーディングデータと黒のシェーディングデータとを読み込む画像入力装置を開示する。
特開昭61−227468号公報 特開平5−344332号公報 特開平6−105144号公報
本発明は、上述した背景からなされたものであり、画像読取装置の読取精度を向上させることを目的とする。
[画像読取装置]
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像読取装置は、光学的に画像信号を読み取る読取手段と、濃度及び色の少なくとも一方の値が異なる複数の基準部を有する基準表示手段と、この基準表示手段を移動させて前記読取手段により読み取られるべき前記基準部を切り替える切替手段とを有する。
好適には、前記基準部は、回転体の表面に保持されており、前記切替手段は、前記回転体を回転させることにより、前記読取手段の読取位置にある前記基準部を切り替える。
好適には、前記切替手段による前記基準部の切替えに連動して、複数の前記基準部のいずれかを清掃する清掃手段をさらに有する。
好適には、複数の前記基準部は、互いに異なる有彩色を基準色として表示し、前記切替え手段は、互いに異なる有彩色が表示された複数の前記基準部を切り替える。
また、本発明にかかる画像読取装置は、光学的に画像信号を読み取る読取手段と、基準となる有彩色が表示された有彩色基準部と、前記読取手段により前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、前記読取手段の読取精度を判定する判定手段とを有する。
好適には、基準となる無彩色が表示された無彩色基準部と、前記読取手段により前記無彩色基準部から読み取られた色信号に基づいて、前記読取手段により読み取られる画像信号に対する補正係数を決定する補正係数決定手段と、動作モードに応じて、この画像読取装置の動作を制御する制御手段とをさらに有し、前記制御手段は、第1の動作モードが設定されている場合に、前記読取手段に前記無彩色基準部を読み取らせ、読み取られた画像信号に基づいて前記補正係数決定手段に補正係数を決定させ、第2の動作モードが設定されている場合に、少なくとも、前記読取手段に前記有彩色基準部を読み取らせ、読み取られた画像信号に基づいて前記判定手段に読取精度を判定させる。
好適には、前記無彩色基準部及び前記有彩色基準部を切り替えて、前記読取手段の読取位置に配置する切替手段をさらに有する。
また、本発明にかかる画像読取装置は、光学的に画像信号を読み取る読取手段と、基準となる有彩色が表示された有彩色基準部と、前記読取手段により前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、前記読取手段により読み取られる画像信号に対する補正係数を決定する有彩色補正係数決定手段とを有する。
好適には、前記有彩色基準部には、イエロー、マゼンダ又はシアンが表示されている。
[読取精度評価方法]
また、本発明にかかる読取精度評価方法は、基準となる有彩色が表示された有彩色基準部から、画像信号を読み取り、前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、読取処理の読取精度を判定する。
[補正係数決定方法]
また、本発明にかかる補正係数決定方法は、濃度及び色の少なくとも一方の値が異なる複数の基準部を移動させて、読取位置にある基準部を切り替え、切り替えられた基準部から、画像信号を読み取り、複数の基準部から読み取られた画像信号に基づいて、画像信号の補正係数を決定する。
本発明の画像読取装置によれば、色信号の読取精度をより正確に判定することができる。
[ハードウェア構成]
まず、本発明が適用されるプリンタ装置10について説明する。
図1は、タンデム型のプリンタ装置10の構成を示す図である。
図1に示すように、プリンタ装置10は、画像読取ユニット12、画像形成ユニット14、中間転写ベルト16、用紙トレイ17、用紙搬送路18、定着器19、及び画像処理装置20を有する。このプリンタ装置10は、クライアントPCから受信した画像データを印刷するプリンタ機能、原稿から画像を読み取りクライアントPCに送信するスキャナ機能、及び、画像読取装置12を用いたフルカラー複写機としての機能に加えて、ファクシミリとしての機能を兼ね備えた複合機であってもよい。
まず、プリンタ装置10の概略を説明すると、プリンタ装置10の上部には、画像読取装置12及び画像処理装置20が配設され、画像データの入力手段として機能する。画像読取装置12は、原稿に表示された画像を読み取って、画像処理装置20に対して出力する。画像処理装置20は、画像読取装置12から入力された画像データに対して、色変換、階調補正及び解像度補正などの画像処理を施し、画像形成ユニット14に対して出力する。
画像読取装置12の下方には、カラー画像を構成する色に対応して、複数の画像形成ユニット14が配設されている。本例では、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応して第1の画像形成ユニット14K、第2の画像形成ユニット14Y、第3の画像形成ユニット14M及び第4の画像形成ユニット14Cが、中間転写ベルト16に沿って一定の間隔を空けて水平に配列されている。中間転写ベルト16は、中間転写体として図中矢印Aの方向に回動し、これら4つの画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cは、画像処理装置20から入力された画像データに基づいて各色のトナー像を順次形成し、これら複数のトナー像が互いに重ね合わせられるタイミングで中間転写ベルト16に転写(一次転写)する。なお、各画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cの色の順序は、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順に限定されるものではなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順序など、その順序は任意である。
用紙搬送路18は、中間転写ベルト16の下方に配設されている。用紙トレイ17から供給された記録用紙32は、この用紙搬送路18上を搬送され、上記中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像が一括して転写(二次転写)され、転写されたトナー像が定着器19によって定着され、矢印Bに沿って外部に排出される。
次に、プリンタ装置10の各構成についてより詳細に説明する。
図1に示すように、画像読取ユニット12は、原稿を載せるプラテンガラス124と、この原稿をプラテンガラス124上に押圧するプラテンカバー122と、プラテンガラス124上に載置された原稿の画像を読み取る画像読取装置130(像読取手段)とを有する。
この画像読取装置130は、プラテンガラス124上に載置された原稿を光源132によって照明し、原稿からの反射光像を、フルレートミラー134、第1のハーフレートミラー135、第2のハーフレートミラー136及び結像レンズ137からなる縮小光学系を介して、CCD等からなる画像読取素子138上に走査露光して、この画像読取素子138によって原稿30の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
画像処理装置20は、画像読取ユニット12により読み取られた画像データに対して、シェーディング補正、原稿の位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理を施す。
なお、本例において、画像読取ユニット12により読み取られた原稿の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データであり、画像処理装置20による画像処理によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit:256階調)の4色の原稿色材階調データに変換される。
第1の画像形成ユニット14K、第2の画像形成ユニット14Y、第3の画像形成ユニット14M及び第4の画像形成ユニット14Cは、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置され、形成する画像の色が異なる他は、ほぼ同様に構成されている。そこで、以下、第1の画像形成ユニット14Kについて説明する。なお、各画像形成ユニット14の構成は、K、Y、M又はCを付すことにより区別する。
画像形成ユニット14Kは、画像処理装置20から入力された画像データに応じてレーザ光を走査する光走査装置140Kと、この光走査装置140Kにより走査されたレーザ光により静電潜像が形成される像形成装置150Kとを有する。
光走査装置140Kは、半導体レーザ142Kを黒色(K)の画像データに応じて変調して、この半導体レーザ142Kからレーザ光LB(K)を画像データに応じて出射する。この半導体レーザ142Kから出射されたレーザ光LB(K)は、第1の反射ミラー143K及び第2の反射ミラー144Kを介して回転多面鏡146Kに照射され、この回転多面鏡146Kよって偏向走査され、第2の反射ミラー144K、第3の反射ミラー148K及び第4の反射ミラー149Kを介して、像形成装置150Kの感光体ドラム152K上に照射される。
像形成装置150Kは、矢印Aの方向に沿って所定の回転速度で回転する像担持体としての感光体ドラム152Kと、この感光体ドラム152Kの表面を一様に帯電する帯電手段としての一次帯電用のスコロトロン154Kと、感光体ドラム154K上に形成された静電潜像を現像する現像器156Kと、クリーニング装置158Kとから構成されている。感光体ドラム152Kは、スコロトロン154Kにより一様に帯電され、光走査装置140Kにより照射されたレーザ光LB(K)により静電潜像を形成される。感光体ドラム152Kに形成された静電潜像は、現像器156Kにより黒色(K)のトナーで現像され、中間転写ベルト16に転写される。なお、トナー像の転写工程の後に感光体ドラム152Kに付着している残留トナー及び紙粉等は、クリーニング装置158Kによって除去される。
他の画像形成ユニット14Y、14M及び14Cも、上記と同様に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成し、形成された各色のトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
中間転写ベルト16は、ドライブロール164と、第1のアイドルロール165と、ステアリングロール166と、第2のアイドルロール167と、バックアップロール168と、第3のアイドルロール169との間に一定のテンションで掛け回されており、駆動モータ(不図示)によってドライブロール164が回転駆動されることにより、矢印Aの方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト16は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等によって接続することにより無端ベルト状に形成されたものである。
また、中間転写ベルト16には、各画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cに対向する位置にそれぞれ第1の一次転写ロール162K、第2の一次転写ロール162Y、第3の一次転写ロール162M及び第4の一次転写ロール162Cが配設され、感光体ドラム152K、152Y、152M、152C上に形成された各色のトナー像は、これらの一次転写ロール162により中間転写ベルト16上に多重に転写される。なお、中間転写ベルト16に付着した残留トナーは、二次転写位置の下流に設けられたベルト用クリーニング装置189のクリーニングブレード又はブラシにより除去される。
用紙搬送路18には、用紙トレイ17から記録用紙32を取り出す給紙ローラ181と、用紙搬送用の第1のローラ対182、第2のローラ対183及び第3のローラ対184と、記録用紙32を既定のタイミングで二次転写位置に搬送するレジストロール185とが配設される。
また、用紙搬送路18上の二次転写位置には、バックアップロール168に圧接する二次転写ロール185が配設されており、中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像は、この二次転写ロール185による圧接力及び静電気力で記録用紙32上に二次転写される。各色のトナー像が転写された記録用紙32は、第1の搬送ベルト186及び第2の搬送ベルト187によって定着器19へと搬送される。
定着器19は、上記各色のトナー像が転写された記録用紙32に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナーを記録用紙32に溶融固着させる。
[背景]
図1に例示したような画像読取ユニット12の課題として、CCDなどからなる画像読取素子138に一定の光量を与えた場合の受光感度のバラツキにより、面内の読取むらが発生することがある。
これを解決する手段として、白基準板の読取データを基に受光感度のバラツキを補正するシェーディング補正が広く用いられている。
しかしながら、特許文献2でも述べられているように、白基準板の読取データのみでシェーディング補正を行っても、十分な補正効果が得られず、グレーチャートなどの他の無彩色の基準板の読取データを併用することが好ましい。
また、画像読取ユニット12に設けられた光学系の読取位置による分光感度のバラツキなどが存在するため、通常の白基準板によるシェーディング補正では、画像読取ユニット12の面内における読取むらが完全に補正されないといった問題点がある。
図2は、無彩色の基準板を用いてシェーディング補正を行った場合の色むらを例示する図である。
また、図3(A)は、黒色、白色及び黄色の分光特性を例示し、図3(B)は、画像読取装置130の分光特性を例示する図である。
まず、シェーディング補正が行われる前の読取むらを検討すると、主走査方向の中央部の読取値と端部の読取値との差分は、図2に例示するように、白色を読み取った場合(R成分で差分値6.7)、黒色を読み取った場合(R成分で差分値0.6)、及びY色を読み取った場合(R成分で差分値15.5)のいずれにおいて大きい。これは、主走査方向に配列された画像読取素子138の個体差や光学系のむらなどに起因している。
これに対して、白基準板及び黒基準板を用いてシェーディング補正を行うと、主走査方向の中央部の読取値と端部の読取値との差分は、図2に例示するように、白色を読み取った場合(R成分で差分値0.0)、及び、黒色を読み取った場合(R成分で差分値0.0)には小さくなっている。各色成分(R,G,B)の差分を自乗平均して誤差dRGBを算出してみると、白色を読み取った場合には、誤差dRGBが0.1であり、黒色を読み取った場合には、誤差dRGBが0.0である。このように、白基準板及び黒基準板を用いてシェーディング補正を行うと、白色を読み取った場合、及び、黒色を読み取った場合に、高い精度で読取むらを抑制することができる。
一方、黄色を読み取った場合の読取値をみてみると、白基準板及び黒基準板を用いてシェーディング補正を行った後であっても、誤差dRGBが1.4も残っている。
これは、図3(A)に例示するように、黒色及び白色の分光特性が広い周波数にわたってほぼ均一であるのに対して、黄色の分光特性は、特定の周波数で急峻に変化するため、画像読取装置130の分光特性の変化が、黄色の読取値に大きな影響を与えうるからである。すなわち、画像読取装置130の分光特性が多少変化した場合であっても、黒色及び白色の読取値はそれ程変化しないが、黄色の分光特性が急峻に変化する周波数領域内で画像読取装置130の分光特性が変化すると、黄色の読取値が大きく変化することになる。
なお、図2に例示する黄色の読取誤差dRGB1.4は、人間が視認する場合にはそれほど気にならないため、問題とされてこなかった。
しかしながら、画像読取ユニット12が測色計として用いられる場合には問題となる。
例えば、画像形成ユニット14により記録用紙32に形成されたテストチャートを、画像読取ユニット12で読み取らせて、画像形成ユニット14により生ずる面内むら(画像形成むら)を補正することが検討されており、このような場合には、画像読取ユニット12の読取むらが、画像形成むらの補正精度に悪影響を与えるため問題となる。
そのため、画像読取装置130の面内読取むらを高精度に補正するためには、白基準板及び黒基準板だけでなく、グレーの基準板又は有彩色の基準板を併用する必要がある。
しかしながら、特許文献2に記載されているように、オペレータによって基準チャートを交換させる構成では、シェーディング補正に時間がかかるという問題がある。
また、複数の基準板を一列にならべた構成を取ると、画像読取ユニット12の全長が長くなるという問題が生じる。
そこで、本実施形態におけるプリンタ装置10は、複数の基準板を同一の読取位置で切替える切替え機構を有する。
本例のプリンタ装置10は、有彩色の基準板及び無彩色の基準板を有し、これらの基準板を切り替えながら、各基準板の反射光を読み取り、読み取られた複数の読取値に基づいて、読取むらを補正する補正係数を算出する。
なお、プリンタ装置10は、無彩色の基準板(白、黒及びグレー)を複数有し、これら無彩色の基準板を切り替えながら読み取り、読取むらを補正する補正係数を算出してもよい。
[実施形態]
まず、本発明の実施形態を説明する。
図4は、第1の基準板切替装置40の構成を例示する図である。
図4に例示するように、基準板切替装置40は、プラテンガラス124(図1)の上面端部に設けられている。すなわち、基準板切替装置40は、画像読取装置130(図1)により読み取られる領域の端部に配置されている。
基準板切替装置40には、画像読取装置130の主走査方向に回転軸を有する回転体402が設けられている。回転体402は、カバー部材412に回転自在に固定されている。本例の回転体402は多角柱(四角柱)であり、回転体402の表面には、複数の基準板404〜410が保持されている。本例の基準板には、白色が表示された白基準板404、Y色が表示されたY基準板406、M色が表示されたM基準板408、及び、C色が表示されたC基準板410が含まれている。
なお、白基準板404は、無彩色表示部材の一例であり、無彩色基準板と総称される場合がある。また、Y基準板406、M基準板408及び基準板410は、有彩色表示部材の具体例であり、有彩色基準板と総称される場合がある。本例の有彩色基準板406〜410は、画像読取装置130(図1)により読み取られる色成分R、G、Bの補色であるため、感度検知に適している。
回転体402が回転することにより、これらの基準板404〜410が順に画像読取装置130(図1)の読取位置に配置される。
カバー部材412は、アーム部材414によって画像読取装置130(図1)の上部に保持されており、回転体402を覆っている。アーム部材414は、カバー部材412を図の上下方向に移動自在に支持している。したがって、回転体402も上下方向に移動可能であり、回転体402を回転させる場合には、回転体402がカバー部材412ごと上方に移動する。
また、カバー部材412には、開閉自在に設けられた基準板ドア416が設けられており、基準板404〜410の交換又は清掃する場合に、基準板ドア416が開けられる。
[動作]
次に、プリンタ装置10における補正値決定処理の動作を説明する。
図5は、プリンタ装置10の補正値決定処理(S10)を説明するフローチャートである。なお、本図では、白基準板404が画像読取装置130の読取位置にある状態が初期状態である場合を具体例として説明する。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、ユーザが、プリンタ装置10を起動させた場合、又は、補正係数の更新を指示した場合に、画像処理装置20(図1)は、シェーディング補正の補正係数を初期値に戻し、さらに、画像読取ユニット12に対して基準板の読取りを行うよう指示する。
画像読取ユニット12は、画像処理装置20からの指示に応じて、基準板の位置を初期化する。すなわち、回転体402(図4)は、白基準板404が画像読取装置130の読取位置にくるよう回転する。
ステップ110(S110)において、画像読取装置130は、光源132を消灯した状態で、白基準板404からの色信号を読み取る。
読み取られた色信号は、黒色の読取値として画像処理装置20に入力される。
ステップ120(S120)において、画像読取装置130は、光源132を点灯して、白基準板404からの色信号を読み取る。
読み取られた色信号は、白色の読取値として画像処理装置20に入力される。
ステップ130(S130)において、プリンタ装置10は、現在設定されている動作モードが通常モードであるか分光特性検知モードであるかを判定し、通常モードが設定されている場合に、S180の処理に移行し、分光特性検知モードが設定されている場合に、S140の処理に移行する。通常モード又は分光特性検知モードは、予めユーザによって設定されている。
ステップ140(S140)において、基準板切替装置40は、回転体402を回転させて、次の基準板406〜410を、画像読取装置130の読取位置に移動させる。本例では、C基準板410、M基準板408、Y基準板406の順で読取位置に移動させる。
ステップ150(S150)において、画像読取装置130は、光源132を点灯して、次の基準板404(C基準板410、M基準板408又はY基準板406)からの色信号を読み取る。
C基準板410から読み取られた色信号はC色の読取値として、M基準板408から読み取られた色信号はM色の読取値として、Y基準板406から読み取られた色信号はY色の読取値として、それぞれ画像処理装置20に入力される。
ステップ160(S160)において、画像読取ユニット12は、全ての基準板から色信号を読み取ったか否かを判定し、読み取っていない基準板が存在する場合には、S140の処理に戻って次の基準板の色信号を読み取り、全ての基準板から色信号を読み取った場合には、S170の処理に移行する。
ステップ170(S170)において、画像処理装置20(図1)は、画像読取ユニット12から入力された黒色、白色、C色、M色及びY色の読取値に基づいて、シェーディング補正の補正係数を算出する。より具体的には、画像処理装置20は、黒色、白色、C色、M色及びY色の読取値と、各基準板402〜410に対応する基準色値との差分ができるだけ小さくなるような補正係数を、主走査方向の読取位置毎に算出する。
すなわち、画像処理装置20は、分光特性モードが設定されている場合には、無彩色(白色)の基準板から読み取られた読取値(白色及び黒色の読取値)と、有彩色(C色、M色及びY色)の基準板から読み取られた読取値とを用いて、シェーディング補正の補正係数を算出する。
ステップ180(S180)において、画像処理装置20(図1)は、画像読取ユニット12から入力された黒色及び白色の読取値に基づいて、シェーディング補正の補正係数を算出する。
すなわち、画像処理装置20は、通常モードが設定されている場合には、無彩色(白色)の基準板のみを用いて、シェーディング補正の補正係数を算出する。
上記のように算出されたシェーディング補正の補正係数は、画像処理装置20に設定され、画像読取ユニット12により読み取られた画像データに対するシェーディング補正に用いられる。
以上説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置10は、複数の基準板404〜410を有し、自動的に基準板404〜410を切り替える。これにより、原稿の色及び濃度によらずシェーディング補正が可能となり、かつ、補正係数を算出する場合にユーザの手間(基準板の交換など)がかからない。
また、本例のプリンタ装置10は、回転体402を回転させることで、複数の基準板404〜410を切り替える。これにより、プラテンガラス124の幅を広くすることなく、複数の基準板を読み取ることができる。
また、本例のプリンタ装置10は、有彩色(本例では、C色、M色及びY色)が表示された基準板410〜406を有する。これにより、画像読取装置130の分光特性が変化した場合にも有効な補正係数を算出することができる。
また、本例のプリンタ装置10は、通常モードと、分光特性検知モードとを有する。これにより、基準板の切替えが分光特性検知モードの設定時のみに限定されるため、処理時間の短縮が実現される。
また、本例のプリンタ装置10は、Y色、M色及びC色の基準板を有し、これらの基準板から読み取られた読取値(すなわち、CMYの補色であるRGB値)に基づいて、RGBの誤差dRGBがほぼ最小となるような補正係数を決定する。これにより、RGBの感度検知が容易になると共に、様々な色に対応した補正係数が作成される。
なお、本例の基準板404〜410は、基準板ドア416を開けることにより交換可能である。これにより、例えば、ユーザが必要とするカラーに対して、より厳しく分光特性変化を検知することができる。
[変形例1]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
まず、第2の基準板切替装置42が適用される形態を変形例1として説明する。
図6は、第2の基準板切替装置42の構成を例示する図である。
図6に例示するように、第2の基準板切替装置42は、シート状の基準ベルトを回転させて、画像読取装置130の読取位置にある基準色を切り替える。より具体的には、基準ベルトは、白色が表示された白基準ベルト424、グレーが表示されたグレー基準ベルト426、黒色が表示された黒基準ベルト428、Y色が表示されたY基準ベルト450、M色が表示されたM基準ベルト452、及び、C色が表示されたC基準ベルト454から構成されている。
この基準ベルトは、第1のベルト支持体422A、第2のベルト支持体422B及び第3のベルト支持体422Cによって回転自在に支持されている。第1のベルト支持体422A及び第3のベルト支持体422Cは、基準ベルトの底面がプラテンガラス124の表面に対して略平行になるように配置されている。
白基準ベルト424、グレー基準ベルト426、黒基準ベルト428、Y基準ベルト450、M基準ベルト452及びC基準ベルト454からなる基準ベルトは、ベルト支持体422の回転に応じて、回転し、これによって、画像読取装置130の読取位置にある色基準が切り替わる。
なお、白基準ベルト424、グレー基準ベルト426、黒基準ベルト428、Y基準ベルト450、M基準ベルト452及びC基準ベルト454は、基準部の具体例である。
また、基準板切替装置42において、基準ベルトの外周と接する位置に、クリーニングロール456が配置されている。クリーニングロール456は、基準ベルトが回転すると、対向する位置にある基準ベルトの表面を清掃する。
このように、変形例1における基準板切替装置42は、白基準ベルト424、グレー基準ベルト426、黒基準ベルト428、Y基準ベルト450、M基準ベルト452及びC基準ベルト454からなる基準ベルトを回転させることにより、画像読取装置130の読取位置にある基準色を切り替える。
また、変形例1における基準板切替装置42は、基準ベルトの回転に応じて(すなわち、基準色の切替えに応じて)、クリーニングロール456に、基準色が表示された部材(基準ベルト)の表面を清掃させる。これにより、基準色の切替えと、基準色が表示される部材の清掃とを同時に実施でき、基準部の汚れが除去されて、シェーディング補正の精度が向上する。
[変形例2]
次に、上記実施形態の変形例2を説明する。
上記実施形態では、分光特性検知モードが設定されている場合には、複数の基準板を用いてシェーディング補正の補正係数を算出したが、変形例2では、画像読取装置130の読取精度の判定のみを行う。
図7は、読取精度判定処理(S20)を説明するフローチャートである。なお、本図では、図6に示された基準板切替装置42が適用される場合を具体例として説明する。
図7に示すように、ステップ200(S200)において、ユーザが、プリンタ装置10を起動させた場合、又は、読取精度の確認を指示した場合に、画像処理装置20(図1)は、画像読取ユニット12に対して分光特性の変化量を検知するよう指示する。
画像読取ユニット12の基準板切替装置42(図6)は、画像処理装置20からの指示に応じて、基準色を順に切り替える。すなわち、基準板切替装置42は、ベルト支持体422A〜Cを回転させると、これに応じて、基準ベルトが回転し、白基準ベルト424、グレー基準ベルト426、黒基準ベルト428、Y基準ベルト450、M基準ベルト452及びC基準ベルト454が、順に画像読取装置130の読取位置にくる。
画像読取装置130は、まず、白基準ベルト424、グレー基準ベルト426、及び、黒基準ベルト428から色信号を読み取り、読み取られた色信号を読取値として画像処理装置20に出力する。
ステップ210(S210)において、画像処理装置20(図1)は、画像読取装置130から入力された黒色、白色及びグレーの読取値に基づいて、シェーディング補正の補正係数を算出する。
ステップ220(S220)において、画像読取装置130は、次に、Y基準ベルト450(図6)、M基準ベルト452及びC基準ベルト454から色信号を読み取り、読み取られた色信号を読取値として画像処理装置20に出力する。
ステップ230(S230)において、画像処理装置20(図1)は、黒色、白色及びグレーの読取値に基づいて算出された補正係数を用いて、画像読取装置130から入力されたY色、M色及びC色の読取値に対してシェーディング補正を行う。
次に、画像処理装置20は、シェーディング補正が施されたY色、M色及びC色の読取値と、予め格納されているY色、M色及びC色の基準値とを比較して、それぞれの差分値を算出する。
ステップ240(S240)において、画像処理装置20は、算出された差分値が既定の許容範囲内であるか否かを判定し、いずれかの色の差分値が許容範囲外である場合に、S250の処理に移行し、いずれの色の差分値も許容範囲内である場合に、分光特性が正常である旨を出力して処理(S20)を終了する。
ステップ250(S250)において、画像処理装置20は、画像読取装置130の分光特性が許容範囲外である旨を示す警告情報を出力して、処理(S20)を終了する。
警告情報は、プリンタ装置10によって記録用紙に印刷されてもよいし、プリンタ装置10のUIに表示されてもよい。
このように、変形例2におけるプリンタ装置10は、有彩色の基準色を読み取ることにより、画像読取装置130の分光特性の変化を検知し、ユーザに通知することができる。
[変形例3]
次に、上記実施形態の変形例3を説明する。
上記実施形態では、有彩色の基準板と無彩色の基準板とを用いてシェーディング補正の補正係数を算出したが、変形例3では、無彩色の基準板が複数設けられた形態を説明する。
変形例3における基準板切替装置は、例えば、図4に示された基準板切替装置40のC基準板410、M基準板408及びY基準板406を、K25%濃度に相当する第1のグレー基準板、K50%濃度に相当する第2のグレー基準板、及び、K75%濃度に相当する第3のグレー基準板で置換した構成をとる。
次に、変形例3における補正値決定処理の動作を説明する。
図8は、第2の補正値決定処理(S30)を説明するフローチャートである。なお、本図に示された各処理のうち、図5に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図8に示すように、S100において、ユーザが、プリンタ装置10を起動させた場合、又は、補正係数の更新を指示した場合に、画像処理装置20(図1)は、シェーディング補正の補正係数を初期値に戻し、さらに、画像読取ユニット12に対して基準板の読取りを行うよう指示する。
画像読取ユニット12は、画像処理装置20からの指示に応じて、基準板の位置を初期化する。すなわち、回転体402(図4)は、白基準板404が画像読取装置130の読取位置にくるよう回転する。
S110において、画像読取装置130は、光源132を消灯した状態で、白基準板404からの色信号を読み取る。
読み取られた色信号は、黒色の読取値として画像処理装置20に入力される。
S120において、画像読取装置130は、光源132を点灯して、白基準板404からの色信号を読み取る。
読み取られた色信号は、白色の読取値として画像処理装置20に入力される。
ステップ340(S340)において、基準板切替装置40(図4)は、回転体402を回転させて、次の基準板を、画像読取装置130の読取位置に移動させる。本例では、第1のグレー基準板、第2のグレー基準板、第3のグレー基準板の順で読取位置に移動させる。
ステップ350(S350)において、画像読取装置130は、光源132を点灯して、次の基準板(第1のグレー基準板、第2のグレー基準板又は第3のグレー基準板)からの色信号を読み取る。
グレー基準板から読み取られた色信号は、それぞれ画像処理装置20に入力される。
ステップ360(S360)において、基準板切替装置40は、全ての基準板から色信号を読み取ったか否かを判定し、読み取っていない基準板が存在する場合には、S340の処理に戻って次の基準板の色信号を読み取り、全ての基準板から色信号を読み取った場合には、S370の処理に移行する。
ステップ370(S370)において、画像処理装置20(図1)は、画像読取ユニット12から入力された黒色、白色、及び、グレー(K濃度25%、50%及び75%)の読取値に基づいて、シェーディング補正の補正係数を算出する。
このように、変形例3におけるプリンタ装置10は、白基準色、黒基準色、及び、濃度の異なる複数のグレー基準色を読み取って、シェーディング補正の補正係数を算出する。画像処理装置20は、この補正係数を用いてシェーディング補正を行うことにより、種々の濃度域で読取むらを補正することができる。
タンデム型のプリンタ装置10の構成を示す図である。 無彩色の基準板を用いてシェーディング補正を行った場合の色むらを例示する図である。 (A)は、黒色、白色及び黄色の分光特性を例示し、(B)は、画像読取装置130の分光特性を例示する図である。 第1の基準板切替装置40の構成を例示する図である。 プリンタ装置10の補正値決定処理(S10)を説明するフローチャートである。 第2の基準板切替装置42の構成を例示する図である。 読取精度判定処理(S20)を説明するフローチャートである。 第2の補正値決定処理(S30)を説明するフローチャートである。
符号の説明
10・・・プリンタ装置
12・・・画像読取ユニット
40、42・・・基準板切替装置
402・・・回転体
404〜410・・・基準板
412・・・カバー部材
414・・・アーム部
416・・・基準板ドア
422・・・ベルト支持体
424〜454・・・色基準ベルト
456・・・クリーニングロール

Claims (11)

  1. 光学的に画像信号を読み取る読取手段と、
    濃度及び色の少なくとも一方の値が異なる複数の基準部を有する基準表示手段と、
    この基準表示手段を移動させて前記読取手段により読み取られるべき前記基準部を切り替える切替手段と
    を有する画像読取装置。
  2. 前記基準部は、回転体の表面に保持されており、
    前記切替手段は、前記回転体を回転させることにより、前記読取手段の読取位置にある前記基準部を切り替える
    請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記切替手段による前記基準部の切替えに連動して、複数の前記基準部のいずれかを清掃する清掃手段
    をさらに有する請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 複数の前記基準部は、互いに異なる有彩色を基準色として表示し、
    前記切替え手段は、互いに異なる有彩色が表示された複数の前記基準部を切り替える
    請求項1に記載の画像読取装置。
  5. 光学的に画像信号を読み取る読取手段と、
    基準となる有彩色が表示された有彩色基準部と、
    前記読取手段により前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、前記読取手段の読取精度を判定する判定手段と
    を有する画像読取装置。
  6. 基準となる無彩色が表示された無彩色基準部と、
    前記読取手段により前記無彩色基準部から読み取られた色信号に基づいて、前記読取手段により読み取られる画像信号に対する補正係数を決定する補正係数決定手段と、
    動作モードに応じて、この画像読取装置の動作を制御する制御手段と
    をさらに有し、
    前記制御手段は、第1の動作モードが設定されている場合に、前記読取手段に前記無彩色基準部を読み取らせ、読み取られた画像信号に基づいて前記補正係数決定手段に補正係数を決定させ、第2の動作モードが設定されている場合に、少なくとも、前記読取手段に前記有彩色基準部を読み取らせ、読み取られた画像信号に基づいて前記判定手段に読取精度を判定させる
    請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記無彩色基準部及び前記有彩色基準部を切り替えて、前記読取手段の読取位置に配置する切替手段
    をさらに有する請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 光学的に画像信号を読み取る読取手段と、
    基準となる有彩色が表示された有彩色基準部と、
    前記読取手段により前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、前記読取手段により読み取られる画像信号に対する補正係数を決定する有彩色補正係数決定手段と
    を有する画像読取装置。
  9. 前記有彩色基準部には、イエロー、マゼンダ又はシアンが表示されている
    請求項5又は8に記載の画像読取装置。
  10. 基準となる有彩色が表示された有彩色基準部から、画像信号を読み取り、
    前記有彩色基準部から読み取られた画像信号に基づいて、読取処理の読取精度を判定する
    読取精度評価方法。
  11. 濃度及び色の少なくとも一方の値が異なる複数の基準部を移動させて、読取位置にある基準部を切り替え、
    切り替えられた基準部から、画像信号を読み取り、
    複数の基準部から読み取られた画像信号に基づいて、画像信号の補正係数を決定する
    補正係数決定方法。
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