JP2007053543A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユーザが所望する色変換を実現する色変換テーブル、を作成するための色指定が容易な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】 元画像データ302の領域を領域指定枠303により指定することにより変換対象となる元色を指定する。また、変換後の色についても、目標色指定用の画像306中の所定領域を領域指定枠307により指定することにより指定する。これら2つの領域中に含まれる画素を、所定条件に基づいて対応づけし、対応づけ結果に基づいて色変換テーブルを生成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、特にデジタル画像の色調整を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
デジタルカメラやデジタルビデオカメラといった、デジタル画像を生成する装置が普及するにつれて、家庭や業務においてデジタル画像を扱う機会が増えている。デジタル画像は色味やシャープネス等の画像調整が容易に行えるため、ユーザが自分の好みに合わせてデジタル画像の画質を調整できるような機能を有する撮像装置やコンピュータアプリケーションが実現されている。
ユーザがデジタル画像の色を調整する際の、代表的な手法として、調整項目を赤・緑・青(RGB)や、色相・彩度・明度(HSV)などの要素に分け、調整項目の値を変更することで、画像全体の色を調整する手法がある。また近年、デジタル画像の色調整の応用的手法として、ユーザが行なった調整内容から色変換テーブルを作成し、画像中の特定の色のみを調整する手法がある(特許文献1参照)。
ここで、特許文献1記載の手法について簡単に説明する。まず、任意の変換元(ソース)画像データ(以下Src画像)と、ユーザがソース画像データの所望の領域に対して好みの画質に調整して得られた調整後の画像データ(ディスティネーション画像データ(以下Dst画像))とを記録しておく。
そして、Src画像とDst画像とを比較して色変換リストを作成し、撮像装置が撮像画像に対して行なう画像処理において、この色変換リストに対応する色変換が実現されるようなパラメータを決定する。
例えば、ユーザがSrc画像の青空をより鮮やかな色にレタッチしたDst画像を生成したとすると、青空(に対応する色)がより鮮やかな色となるようなパラメータが決定される。そして、変更後のパラメータを用いる撮影モードで撮影すると、ユーザの好みを反映した、青空がより鮮やかな色となった撮像画像が得られる。
特開2004−129226号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、パラメータを変更するために、ユーザはSrc画像を意図通りにレタッチしなければならない。画像中の任意領域には通常多数色画素が含まれているので、Src画像中のレタッチした部分にはユーザが変換を意図しない色の画素が含まれる可能性があり、この場合、意図しない色が色変換対象として設定されてしまう。そのため、ユーザが、自分の希望する色だけについて所望の色変換が行なわれるようなパラメータ変更を実現するようなレタッチを行なうにはかなりの熟練を要する。加えて、画像中の複数の色を調整したい場合、Src画像とDst画像から数多く画素を指定しなければならず、色変換リストを作成するのに手間がかかる。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、ユーザが所望する色変換を実現する色変換テーブル、を作成するための色指定が容易な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、元画像データ中の色を変換するための色変換テーブルを生成する画像処理装置であって、元画像データを含む複数の画像データを、領域指定可能にユーザに提示するユーザインタフェース提示手段と、元画像データ中で指定された領域に含まれる第1の画素群と、他の画像データ中で指定された領域に含まれる第2の画素群とを抽出する抽出手段と、第1の画素群に含まれる画素と、第2の画素群に含まれる画素とを対応付ける対応づけ手段と、対応づけ結果に基づいて、色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成手段とを有することを特徴とする画像処理装置によって達成される。
上述の目的は、元画像データ中の色を変換するための色変換テーブルを生成する画像処理方法であって、元画像データを含む複数の画像データを記憶装置から読み出し、領域指定可能にユーザに提示するユーザインタフェース提示ステップと、元画像データ中で指定された領域に含まれる第1の画素群と、他の画像データ中で指定された領域に含まれる第2の画素群とを抽出する抽出ステップと、第1の画素群に含まれる画素と、第2の画素群に含まれる画素とを対応付ける対応づけステップと、対応づけ結果に基づいて、色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成ステップとを有することを特徴とする画像処理方法によっても達成される。
さらに、上述の目的は、コンピュータ装置を本発明の画像処理装置として機能させるコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体によっても達成される。
以上の構成により、本発明の画像処理装置によれば、ユーザは元色と目標色を直感的に指定すれば、所望する色変換を実現する色変換テーブルが作成される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図9は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置として利用可能な汎用コンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。
図9において、ディスプレイ701はアプリケーションプログラムによって処理中のデータの情報、各種メッセージメニューなどを表示し、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される。ディスプレイコントローラ702は、ディスプレイ701への画面表示制御を行う。キーボード703及びポインティングデバイス704は、文字などを入力したり、GUI(Graphical User Interface)におけるアイコンやボタンなどを指し示すためなどに用いられる。CPU(Central Processing Unit)705は画像処理装置全体の制御を司る。
ROM(Read Only Memory)706はCPU705が実行するプログラムやパラメータ等を記憶している。RAM(Random Access Memory)707は各種プログラムをCPU705が実行するときのワークエリア、エラー処理時の一時退避エリア等として用いられる。
ハードディスクドライブ(HDD)708、リムーバブルメディアドライブ(RMD)709は、外部記憶装置として機能する。リムーバブルメディアドライブは、着脱可能な記録媒体の読み書き又は読み出しを行う装置であり、フレキシブルディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、メモリカードリーダはもとより、着脱式HDDなどであってもよい。
なお、アプリケーションプログラムやエラー処理プログラムをはじめ、本実施形態において説明する画像処理装置の各種機能を実現するプログラムを始め、OSや、ブラウザ等のアプリケーションプログラム、データ、ライプラリなどは、その用途に応じてROM706、HDD708、RMD709(の記録媒体)の1つ以上に記憶されている。
拡張スロット710は、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)バス規格に準拠した拡張カード装着用スロットであり、ビデオキャプチャボードや、サウンドボード、GPIBボードなど、様々な拡張ボードを装着することが可能である。
ネットワークインタフェース711は、USB(Universal Serial Bus)規格、IEEE1394規格、LAN等に準拠した有線通信機能またはIEEE802.11a/b/g規格、Bluetooth規格等に準拠した無線通信機能を有する。本実施形態に係る画像処理装置は、ネットワークインタフェース711を用いて外部装置と通信できるように構成されている。バス712はアドレスバス、データバスおよび制御バスからなり、上述した各ユニット間を接続する。
このような画像処理装置は、OSや必要なドライバソフトウェア等を用いることによって、ネットワークインタフェース711を介して必要に応じて接続されるルータ(ダイアルアップルータを含む)や、シリアルインタフェースを介して接続されるモデムやTA等を用いて、コンピュータネットワークや公衆電話網上の他の機器と通信可能である。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
図1において、元色領域指定枠101は、ユーザが色を変更したい画像(元画像)から、変更したい色(元色)を領域の指定により指定するためのユーザインタフェースである。また、目標色領域指定枠102は、元色をこのように変換したいという変換後の色(目標色)を含んだ画像(目標画像)から、領域指定により目標色を指定するためのユーザインタフェースである。具体的には、CPU705の制御によりディスプレイ701に表示されるGUIと、キーボード703及び/又はポインティングデバイス704が元色領域指定枠101及び目標色領域指定枠102として機能する。
元画像(調整前画像109)及び目標画像は画像処理装置が利用可能な記憶装置、例えばHDD708やRMD709などに予め記録されている。
元色領域保存部103は、元色領域指定枠101によって指定された元画像中の領域(元色領域)内の画素の集合を、RGB色空間の値で記録する。目標色領域保存部104は、目標色領域指定枠102によって指定された目標画像中の領域(目標色領域)内の画素の集合を、元色領域保存部と同じ色空間の値で記録する。元色領域保存部103及び目標色領域保存部104は例えばRAM707やHDD708である。なお、本実施形態では画素の色空間にRGB空間を採用しているが、HSV空間などであってもよい。
指定領域画素処理部105は、元色領域保存部103、目標色領域保存部104に保存された画素群を所定の規則に基付いて並べ替え、対応付けさせる。本実施形態ではCPU705により実現される。ここでの処理の詳細は後述する。
色変換テーブル作成部106は、指定領域画素処理部105で対応付けされた画素を基に、用意されたアルゴリズムに従って色変換テーブルの作成処理を行う。本実施形態ではCPU705により実現される。
色変換テーブル保存部107は、色変換テーブル作成部106にて作成された色変換テーブルを記録する。例えばRAM707やHDD708である。
色変換テーブル適用部108は、元画像である調整前画像109に、色変換テーブル保存部107に記録された色変換テーブルを適用する。本実施形態ではCPU705により実現される。色変換テーブルが適用された画像である調整後画像110は、ディスプレイに701に出力される。
図2は、本実施形態の画像処理装置の動作手順を示すフローチャート、図3は本実施形態の画像処理装置がディスプレイ701に表示するユーザインタフェースの例を示す図である。
画像処理装置又はHDD708に格納されている色変換処理アプリケーションを起動すると、CPU705の制御により、図3に示すユーザインターフェイスがディスプレイ701に表示される。図3に示すユーザインタフェースは所謂GUIであり、キーボード703やポインティングデバイス(以下、代表的にマウスという)704を用いて操作を行なう。301はマウスポインタである。
まず、ステップS11において、CPU705は、あらかじめHDD708やRMD709などへ記録されている画像を選択するためのGUI(ファイルブラウザ)をディスプレイ701に表示する。そして、ユーザがマウス704によりで所望の画像を選択し、読み込みを指示すると、選択された画像データを読み出し、元画像として第1の表示領域302に表示する。第1の表示領域302には、領域指定枠303も表示する。
次に、ステップS12において、ユーザからの領域指定指示を受け付ける。CPU705は、例えば領域指定枠303のドラッグ操作により領域指定枠303を移動させるとともに、領域指定枠303内の画素を抽出画素表示部304に表示する。ユーザは、抽出画素表示部304により色を確認し、所望の色が表示されたならば、抽出画素表示部304を元色登録部305のいずれかに、例えばドラッグアンドドロップ操作することで登録する。CPU705はこの操作に対応して、抽出画素表示部304に表示していた画素を元色登録部305の表示に反映させる。また、領域指定枠303内の画素を元色領域保存部103に記録する。元画像中に元色が複数存在している場合、ユーザは上述の登録操作を繰り返し行い、複数の元色を登録することができる。なお、図3の例では元色として3色が登録可能となっているが、登録可能な元色の数は任意に設定可能である。
なお、本実施形態において、領域指定枠303は矩形であるが、円形など他の任意の形状であってよい。また、領域指定枠303の大きさを変更可能としても良い。
元色の登録が行なわれると、ステップS13において、所定の規則に基づき、元画像中から指定した領域内の画素を処理する。図4は、ステップS13で行なう処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、元色領域保存部103に記録されている画素群を読み込む。ステップS22にて、各画素の出現頻度を算出する。具体的には、図5のように、検出された画素値(RGB)に基づき、同じ色の画素の個数をカウントする。ステップS23において、図6のように、個数が多い順に画素を並べ替える。もし、複数の画素が同じ個数である場合は、RGB色空間上において、最も個数が多い画素の色との距離が近い順にソートする。
本実施形態における色空間中の距離の算出方法は、ユークリッド距離である以下の式で求める。Dは距離、Rmax、Gmax、Bmaxは最も個数が多い画素のR、G、B値、Rn、Gn、Bnは距離を測る対象となる画素のRGB値である。
Figure 2007053543
並べ替えられた画素はRAM707に一時保存される。なお、複数の元色が登録されている場合には、個々の元色に対して同様の処理を行なう。
図2に戻り、ステップS14において、登録されている元色305に対する目標色310が登録されているかどうかを確認する。未登録の場合は、ステップS15へ進み、例えば「目標色が設定されていません」等の警告メッセージを表示し、ユーザに目標色の登録を行わせる。
警告メッセージに応答してユーザから目標色を指定するための画像選択指示があった場合には、ステップS11へ戻って元画像の読み込み時と同様のGUIを表示し、ユーザに所望の画像を選択させる。そして、指定された画像を読み出し、第2の表示領域306に表示するとともに、領域指定枠307も合わせて表示する。
S12では、ユーザの操作に応じて領域指定枠306を移動させ、また、抽出画素表示部308の表示を領域指定枠306の移動に追従させて変更する。そして、周出画素表示部308のドラッグアンドドロップ操作に応答して、目標色310の登録を行なう。
また、ユーザは、第2の表示領域306に表示されている目標色指定用画像中から所望の目標色が指定できない場合は、画素値調整部309のスライダーをマウス704で操作し、抽出画素表示部308に表示される色を調整し、目標色310として登録することができる。すなわち、CPU705は、画素値調整部309の操作に応じ、抽出画素表示部308の表示を変更する。なお、画素値調整部309において、本実施形態では、RGBの各項目を変更して調整を行うが、HSVなどであってもよい。
また、ユーザが図3中のカラーサンプル参照ボタン311を押下した場合、ステップS16において、CPU705は、例えば図8に示すような色見本を例えば別ウィンドウとして表示する。そして、色見本画面中でユーザが選択した色を、抽出画素表示部308に表示する。
このように、本実施形態では、画像中の領域を指定するだけでなく、画像中の指定領域の色を調整したり、色見本から色を指定することにより目標色を設定することが可能である。
いずれかの方法により選択された目標色が抽出画素表示部308から登録されると、CPU705は、抽出画素表示部308の画素を目標色310の表示に反映させると共に、目標色領域記録部104に記録する。
そして、ステップS13において、元色の指定時と同様に、抽出画素表示部308に表示していた画素を処理する。すなわち、ステップS21において、104にて記録した画素群を読み込む。ステップS22にて、各画素の頻度を算出する。具体的には、図5のように、検出された画素値(RGB)と発生した個数をカウントする。ステップS23において、図6に示すように個数の多い順に画素を並べ替える。複数の画素において個数が同じ場合は、式1を用いて最も個数の多い画素とのRGB空間上での距離を求め、近い画素を同数頻度の画素の先頭になるよう並べ替える。並べ替えられた画素値はRAM707上に一時保存される。
以上の操作で、登録した元色と登録した目標色の対312が作成される。元画像中に変更したい色が複数ある場合には、上記の操作を繰り返し、登録した元色と目標色の対312を複数作成する。
元色と対応する目標色の対312が少なくとも1つ登録されている状態でユーザが図3の適用ボタン313を押下すると、ステップS17へ移行する。ここでは、ステップS13で処理され、頻度順に並べ替えられた画素群を基に、所定の色変換テーブル作成アルゴリズムに従い、色変換テーブルを作成する。以下、本実施形態における色変換アルゴリズムについて説明する。
並べ替えられた元画像中の画素群をsrtPs(N1)、目標色指定用画像中の画素群をsrtPd(N2)とする。m1、m2は抽出領域の横方向の画素数、n1、n2は抽出領域の縦方向の画素数に等しい。つまり、本実施形態のように矩形で領域を指定した場合、元画像の抽出画素数はm1×n1個、目標色指定用画像の抽出画素数はm2×n2個となる。従って、0≦N1≦m1×n1−1,0≦N2≦m2×n2−1である。
これらの画素を、図7に示す通り、srtPs(0)、srtPd(0)に最も頻度の高い画素値を有する画素が当てはまるようにして、順に画素を対応付ける。例えば、元色を指定した抽出領域内の画素を出現頻度が図6に示すような場合、目標色を指定した抽出領域内の画素のうち、並び替え後の最初の125画素が(200,30,70)の画素と対応づけされる。
本実施形態では、領域指定枠303、307の大きさを等しくしたため、m1=m2、n1=n2であったが、領域指定の大きさが異なる場合には、画素数が多い抽出画素群のうち、対応付けできない余分な画素(頻度の低い画素)が除かれる。
なお、画素数が等しい場合であっても、頻度の低い画素同士の対応づけを行なわないようにすることで、領域中に含まれるノイズ画素の影響を抑制することが可能である。
対応付けされたsrtPs(N1)、srtPd(N2)の画素値はそれぞれ(Rs,Gs,Bs)と(Rd,Gd,Bd)のRGB値に分解され、srtPsとsrtPdのRGB各値の差分値であるdR、dG、dBを、
dR=Rd(N1)−Rs(N2) …式(2)
dG=Gd(N1)−Gs(N2) …式(3)
dB=Bd(N1)−Bs(N2) …式(4)
(0<=N1<=m1×n1−1、0<=N2<=m2×n2−1)
により対応付けされた画素全てにおいて求める。
また、元画像の抽出画素群中に含まれる同じ画素値の画素に対しては、差分データの平均値を求める。
以上で求めた差分値を色の変化量として、RGB値を図10のように対応付けた色変換テーブルを作成し、HDD708に格納する。
ステップS18において、作成された色変換テーブルを元画像に適用する。具体的には、元画像を構成する画素のうち、ステップS17で作成した色変換テーブルに含まれる画素値に対応する画素値(R,G,B)に、テーブル中に規定される変化量(R,G,B)をR,G,B毎に加算する。ステップS19において、色変換テーブルが適用された元画像(変換後画像)を第1の表示領域302に表示する。S19において、図3のインタフェースの保存ボタン314が押下されれば、変換後画像をHDD708やRMD709に保存し、処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、色変換テーブルを作成するにあたり、元画像中の変更したい色である元色と、目標色指定用画像に含まれる目標色を、移動可能な枠内に含まれる複数画素の集合である領域で指定する。そのため、元画像を厳密にレタッチする必要なしに、容易に元色と目標色の指定が可能である。また、基本的に目標色は任意の画像中から指定することができる。例えば、空の色や人肌の色、また草原の色などがユーザの所望する色が写るお気に入りの画像の中から目標色を選択することができる。また、同一の画像から複数の目標色を指定することも容易である。
従って、ユーザは所望する色を自ら調整する必要はなく、目標色を得るのに時間がかからない。また、必要に応じて目標色を見本色から選択できるようにしたので、始めから目標色が決まっている場合などには、画像を探す必要がない。また、目標色を調整可能としたため、類似の色をとりあえず画像中から指定し、好みの色に調整することも可能である。
また、指定領域内の画素を頻度順に並び替え、頻度の高い画素値同士の関係から変化量を算出するので、ユーザの意図に沿った色変換が実現できる。また、頻度の低い画素の対応づけを行なわないようにすれば、ノイズと思われる画素に付いては色変換の対象から外すことが可能となるため、厳密に領域指定しなくても、所望の色変換を実現するテーブルが生成できる。また、領域指定には熟練を要しないため、ユーザの熟練度、個性に左右されず安定した品質の色変換テーブルを作成することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、抽出領域内の画素をその頻度に応じて並び替え、頻度の高い画素同士を対応付けた。しかし、より簡便な方法として、抽出領域内の同位置に存在する画素同士を対応付けることを特徴とする。
図11は、本実施形態に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。図2と同じ動作を行なうステップには同じ参照数字を付した。また、画像処理装置の構成は第1の実施形態と同等で良いため、説明を省略する。
元色及び目標色の指定に係る処理(ステップS11〜16)については、ステップS13における頻度順の並び替え処理が無いことを除いて第1の実施形態と共通である。従って、ステップS17’における色変換テーブルの作成処理について説明する。
本実施形態においても、領域指定枠303、307で指定される領域は同じ大きさであり、元画像の抽出画素はm1×n1個、目標画像の抽出画素はm2×n2個(ma=m2,n1=n2)であるとする。
そして、図12に示すように、抽出領域内の同座標に位置する画素同士を対応付ける。すなわち、元画像の抽出画素をPs、目標画像の抽出画素をPdとした場合、図12のように、Ps(0,0)、Pd(0,0)からPs(m1−1,n1−1)、Pd(m2−1,n2−1)まで順に対応付けする。本実施形態では、抽出領域内の画素数が等しいが、領域指定の大きさが異なるなど、画素数に差異があった場合は、対応する座標に画素が存在しない、対応付けできない画素が除かれる。
対応付けされた画素値は、元画像の抽出画素、目標画像の抽出画素がRs、Gs、BsとRd、Gd、BdとRGB値に分解され、PsとPdのRGB各値の差分値であるdR、dG、dBを、
dR=Rd(x2,y2)−Rs(x1,y1) …式(5)
dG=Gd(x2,y2)−Gs(x1,y1) …式(6)
dB=Bd(x2,y2)−Bs(x1,y1) …式(7)
(0<=x1<=m1−1,0<=y1<=n1−1,0<=x2<=m2−1,0<=y2<=n2−1)
により、対応付けされた画素全てにおいて求める。
また、求めた差分データのうち、元画像の抽出画素中の同じ画素値に対応する値については平均値を求める。
以上で求めた差分値を色の変化量として、RGB値を図10のように対応付けた色変換テーブルを作成し、HDD708に格納する。
以下の処理は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
本実施形態によれば、頻度別の並び替えは行なわないが、元画像中の変更したい色である元色と、目標色指定用画像に含まれる目標色を、移動可能な枠内に含まれる複数画素の集合である領域で指定することによる効果は第1の実施形態と同様に達成できる。また、同じ画素値に対して求めた差分値は平均化している。そのため、対応する位置に存在する画素の値が多少ユーザの意図と異なっていても、領域内に多数含まれる画素値(即ち、ユーザが意図していると思われる色)に対する影響は非常に小さくできる。本実施形態では、頻度別の並び替え処理が不要であるため、第1の実施形態よりも処理が容易であり、負荷をあまり増やさずに有意な効果を得ることが期待されるので、処理能力の高くない装置における実装に好適である。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、及びデジタルカメラ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなど)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る色変換装置の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置がディスプレイに表示するユーザインタフェースの例を示す図である。 図2のステップS13で行なう処理の詳細を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る画像処理装置が行なう領域内画素処理を説明する図である。 第1の実施形態に係る画像処理装置が行なう画素の対応づけを説明する図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置がディスプレイに表示する色見本画面の例を示す図である。 本発明の実施形態にかかる色変換装置として利用可能な汎用コンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態にかかる色変換装置が生成する色変換テーブルの内容を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の動作手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像処理装置が行なう画素の対応づけを説明する図である。

Claims (11)

  1. 元画像データ中の色を変換するための色変換テーブルを生成する画像処理装置であって、
    元画像データを含む複数の画像データを、領域指定可能にユーザに提示するユーザインタフェース提示手段と、
    前記元画像データ中で指定された領域に含まれる第1の画素群と、他の画像データ中で指定された領域に含まれる第2の画素群とを抽出する抽出手段と、
    前記第1の画素群に含まれる画素と、前記第2の画素群に含まれる画素とを対応付ける対応づけ手段と、
    前記対応づけ結果に基づいて、色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記対応づけ手段が、
    前記第1の画素群に含まれる画素と、前記第2の画素群に含まれる画素とを、前記指定された領域内における位置関係に基づいて対応付けることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記対応づけ手段が、
    前記第1の画素群に含まれる画素と、前記第2の画素群に含まれる画素とを、前記指定された領域内における出現頻度によって並び替えた後、同じ順番の画素同士を対応付けることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記他の画像データが、色見本を示す画像データであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記ユーザインタフェース提示手段が、前記複数の画像データを、ユーザが移動可能な領域指定枠と共に提示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記ユーザインタフェース提示手段が、前記他の画像データから指定された領域中に含まれる画像データを、ユーザが色調整するためのユーザインタフェースと共に提示することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記色変換テーブル生成手段が、前記対応づけされた画素の色成分毎に差分値を求め、前記第1の画素群に含まれる画素の値と、対応する前記差分値に基づいて前記色変換テーブルを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項6にいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の画素群に含まれる同値の画素については、前記差分値を平均化した結果を用いて前記色変換テーブルを生成することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
  9. 元画像データ中の色を変換するための色変換テーブルを生成する画像処理方法であって、
    元画像データを含む複数の画像データを記憶装置から読み出し、領域指定可能にユーザに提示するユーザインタフェース提示ステップと、
    前記元画像データ中で指定された領域に含まれる第1の画素群と、他の画像データ中で指定された領域に含まれる第2の画素群とを抽出する抽出ステップと、
    前記第1の画素群に含まれる画素と、前記第2の画素群に含まれる画素とを対応付ける対応づけステップと、
    前記対応づけ結果に基づいて、色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータ装置を請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるコンピュータプログラム。
  11. 請求項10記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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