JP2007052140A - 感光性樹脂組成物、表示パネル用スペーサーおよび表示パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)オキセタニル基を有する特定の単量体、ならびに、
(a3)前記(a1)および(a2)以外のエチレン性不飽和化合物の共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、ならびに
[C]特定O−アシルオキシム型カルバゾール系化合物を必須成分とする光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
そこで、これらの問題を解決するために、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が採用されるようになってきた。この方法は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して紫外線を露光したのち現像して、ドット状やストライプ状のスペーサーを形成するものであり、画素形成領域以外の所定の場所にのみスペーサーを形成することができるため、前述したような問題は基本的には解決される。
近年、製造コストの観点から、従来使用していた材料と同一プロセスで使用されるケースが増えてきた。こうした場合、層間絶縁膜用感光性樹脂組成物やスペーサー用感光性樹脂組成物が最適プロセス条件からずれた条件で使用される場合が多く、特にプレベーク温度が最適条件からずれた場合、十分な解像度が得られなかったり、パターンが剥れたりする問題が生じている。また基板の大型化に伴い、プロキシミティベーク時の基板の反りがより顕著になり、同一基板上でも温度分布が生じることで、より広いプロセスマージンを有する層間絶縁膜用感光性樹脂組成物、およびスペーサー用感光性樹脂組成物が必要とされている。
そこで、このような問題を解決すべく、本出願人は既に、特許文献1に、プロセス条件の変化に対応出来る十分なプロセスマージンを有し、かつ、層間絶縁膜、スペーサーとして必要な耐熱性、耐薬品性、透明性、硬度を併せ持つ硬化物を与えうる感光性樹脂組成物を明らかにしている。
しかし、特許文献1記載のものも含め、スペーサーの形成に用いられる従来の感光性樹脂組成物では、基板との密着性および透明性の面では依然として十分とはいえず、これらの特性も併せ備えた感光性樹脂組成物の開発が強く望まれていた。
また、近年、液晶表示装置の大面積化や生産性の向上等からマザーガラス基板の大型化が進んでいる。従来の基板サイズ(680×880mm程度)では、マスクサイズよりも基板サイズが小さいことから、一括露光方式で対応が可能であった。
しかし、大型基板(例えば、1500×1800mm程度)では、この基板サイズと同程度のマスクサイズを作成することはほぼ不可能であり、一括露光方式では対応が難しい。そこで大型基板対応露光方式として、ステップ露光方式が提唱されている。しかし、ステップ露光方式では、一枚の基板において数回露光し、その度事に、位置合せ、ステップ移動に要する時間が発生する。ステップ露光方式では、一括露光方式に比較して、スループット低減が危惧される。一括露光方式では、3000J/m2程度の露光感度で許容されていたが、ステップ露光方式では露光感度を1500J/m2以下にすることが求められている。しかしながら、既存の材料では、1500J/m2以下の露光量で十分なスペーサー形状および膜厚を得ることは難しい。
また、スペーサーの形状、膜厚の制御性に関する要求値は近年、益々厳しくなってきており、スペーサーを形成する際のプロセスの変動による形状、膜厚の変動、組成物溶液の経時変化に伴う、形状、膜厚の安定性に関して課題を残していた。さらに、近年の液晶表示パネル製造に使用される感光性樹脂組成物は、保存期間、使用中に組成物中の成分が結晶化するなどにより異物が発生し装置を汚染するなど問題が深刻化しておりそのような問題の低減された感光性樹脂組成物が望まれていた。
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)下記一般式(I)または一般式(II)で示される単量体、
[ここで、一般式(I)および一般式(II)のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜4のパーフロロアルキル基であり、そしてnは1〜6の整数である。]
ならびに、
(a3)前記(a1)および(a2)以外のエチレン性不飽和化合物の共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、ならびに
[C]下記一般式(III)または一般式(IV)で表される化合物を必須成分とする光重合開始剤、
を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物(以下、「感光性樹脂組成物(イ)」いう。)によって達成される。
感光性樹脂組成物(イ)から形成された液晶表示素子用スペーサーによって達成される。
少なくとも以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示素子用スペーサーの形成方法によって達成される。
(イ)上記に記載の感光性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
感光性樹脂組成物(イ)
−共重合体〔A〕−
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を溶媒中で、重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって製造することができる。
感光性樹脂組成物(イ)において、不飽和カルボン酸系単量体(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体[A]において、他の単量体は、単独もしくは2種類以上を混合して使用することができる。
上記の共重合体[A]を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に良好なアルカリ溶解性を示し、容易に所定パターンのスペーサーを形成することができる。
エーテル類として、例えばテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールとして、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
ジプロピレングリコールとして、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとして、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなど;
ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
このようにして得られた共重合体〔A〕は、溶液のまま感光性樹脂組成物の調製に供しても、また溶液から分離して感光性樹脂組成物の調製に供してもよい。
感光性樹脂組成物(イ)における〔B〕成分は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「重合性化合物〔B〕」という。)
重合性化合物〔B〕としては、特に限定されるものではないが、単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類が、重合性が良好であり、得られるスペーサーの強度が向上する点から好ましい。
特に9官能以上の(メタ)アクリレートは、アルキレン直鎖および脂環構造を有し、2個以上のイソシアネート基を含む化合物と分子内に1個以上の水酸基を含有する3官能、4官能および5官能の(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタンアクリレート化合物が挙げられる。
上記市販品として、例えば、アロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1450(東亜合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。9官能以上の多官能ウレタンアクリレートの市販品は、例として、ニューフロンティア R−1150(以上、第一工業製薬(株)製)、KAYARAD DPHA−40H(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
前記単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル類は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
感光性樹脂組成物(イ)における〔C〕成分は、前記式(III)または式(IV)で表されるO−アシルオキシム型カルバゾール系化合物(以下、「カルバゾール化合物(C1)」という。)を必須成分とし、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等による露光により、重合性化合物〔B〕の重合を開始しうる活性種を発生する感放射線性重合開始剤からな。
また、R6 及びR7の各フェニル基に対する置換基のうち、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
これらの置換基は、各アルキル基および各フェニル基に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
本発明において、O−アシルオキシム型カルバゾール系化合物(C1)は、単独でまたは2種類以上混合して使用することができる。
他のO−アシルオキシム型重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−ブタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−(4―メチルベンゾイルオキシム))等を挙げることができる。
これらの他のO−アシルオキシム型重合開始剤のうち、特に1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)が好ましい。
前記α−ヒドロキシケトン系化合物の具体例としては、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等を挙げることができ、前記α−アミノケトン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1−オン等を挙げることができる。
これらのアセトフェノン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、他の重合開始剤としてアセトフェノン系化合物を用いることにより、感度、得られるスペーサーの形状や圧縮強度等をさらに改善することが可能である。
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
等を挙げることができる。
前記ビイミダゾール系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
これらのビイミダゾール系化合物を用いることにより、感度、解像度、及び密着性をさらに良好にすることが可能である。
ジアルキルアミノ基含有増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸i−アミル、p−ジエチルアミノ安息香酸i−アミル等を挙げることができる。
これらのジアルキルアミノ基含有増感剤のうち、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記、ジアルキルアミノ基含有増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ジアルキルアミノ基含有増感剤の使用量は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜20重量部である。この場合、ジアルキルアミノ基含有増感剤の使用量が、0.1重量部未満の場合は得られるスペーサーの膜べりを生じたり、パターン形状が損なわれたりするおそれがあり、一方、50重量部を超えると、スペーサーのパターン形状が損なわれるおそれがある。
これらのチオール化合物は、単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。
また、メタロセン化合物類として、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(1+)六フッ化リン酸(1−)等が挙げられる。
これらの感放射線カチオン重合開始剤の市販品としては、例えばジアゾニウム塩であるアデカウルトラセットPP−33(旭電化工業(株)製)、スルホニウム塩であるOPTOMER SP−150、同−170(旭電化工業(株)製)、およびメタロセン化合物であるIrgacure261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
上記の光重合開始剤は、単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。
感光性樹脂組成物(イ)には、本発明の所期の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、前記成分以外の添加剤を配合することもできる。
例えば、塗布性を向上するために、界面活性剤を配合することができる。その界面活性剤は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができ、その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。この場合、界面活性剤の配合量が5重量部を超えると、塗布時に膜荒れを生じやすくなる傾向がある。
前記接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、その例としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基を有するシランカップリング剤を挙げることができ、より具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これらの接着助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
接着助剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。この場合、接着助剤の配合量が20重量部を超えると、現像残りが生じやすくなる傾向がある。
また、耐熱性向上のため、N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物および2官能以上のエポキシ基を1分子中に有する化合物を添加することができる。前記N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物の具体例としては、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。前記N−(アルコキシメチル)メラミン化合物の具体例としては、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましい。これらの市販品としては、ニカラックN−2702、MW−30M(以上 三和ケミカル(株)製)等が挙げられる。
2官能以上のエポキシ基を1分子中に有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。これら市販品の具体例としては、エポライト40E,エポライト100E,エポライト200E,エポライト70P,エポライト200P,エポライト400P,エポライト40E,エポライト1500NP,エポライト1600,エポライト80MF,エポライト100MF,エポライト4000、エポライト3002(以上 共栄社化学(株)製)等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上の組み合わせで使用できる。
感光性樹脂組成物(イ)は、その使用に際して、通常、共重合体〔A〕、重合性化合物〔B〕、光重合開始剤〔C〕等の構成成分を適当な溶剤を溶解して、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、感光性樹脂組成物(イ)を構成する各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものが用いられる。
このような溶媒としては、上述した共重合体[A]を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
このように調製された組成物溶液は、必要に応じて、孔径が例えば0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタ等によりろ過して、使用に供することもできる。
感光性樹脂組成物(イ)を用いて表示パネル用スペーサーを形成する際には、組成物溶液を基板の表面に塗布したのち、プレベークして溶剤を除去することにより、塗膜を形成する。
組成物溶液の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法を採用することができ、特にスピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
また、プレベークの条件は、各構成成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常、70〜90℃で1〜15分間程度である。
次いで、プレベークされた塗膜に、所定パターンのマスクを介し露光して重合させたのち、現像液により現像し、不要な部分を除去して、パターンを形成する。
露光に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を適宜に選択できるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
現像方法としては、例えば、液盛り法、浸漬法、シャワー法等の何れでもよく、現像時間は、通常、30〜180秒間である。
また、前記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加することもできる。
現像後、例えば流水洗浄等により、例えば30〜90秒間洗浄して、不要な部分を除去したのち、圧縮空気や圧縮窒素を吹きつけて乾燥させることにより、所定のパターンが形成される。
その後、このパターンを、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、ホットプレート上では例えば5〜30分間、オーブン中では例えば30〜90分間、加熱処理することにより、目的とするスペーサーを得ることができる。
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸16重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル18重量部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.0%であり、重合体の重量平均分子量は、24,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸16重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル18重量部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.0%であり、重合体の重量平均分子量は、23,200であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸16重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル18重量部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は32.7%であり、重合体の重量平均分子量は、24,600であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、酢酸3-メトキシブチル200部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ] デカン−8−イル18部、スチレン5部、ブタジエン5部、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン17部、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル17部を仕込んで、窒素置換したのち、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−4]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は32.5%であり、重合体の重量平均分子量は、18,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、スチレン5重量部、メタクリル酸トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン−8−イル32重量部を仕込んで、窒素置換したのち、さらに1,3−ブタジエン5重量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合させて、共重合体〔A−5〕の溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、重合体の重量平均分子量は、20,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
組成物溶液の調製
共重合体〔A〕として合成例1で得た共重合体〔A−1〕の溶液100重量部(固形分)、重合性化合物〔B〕としてKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)80重量部、光重合開始剤〔C〕として1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 CGI−242)5重量部を、固形分濃度が30重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.2μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液(S−1)を調製した。
無アルカリガラス基板上にスピンナーを用いて、上記組成物溶液を塗布した後、90℃で3分間ホットプレート上でプレベークして膜厚4.0μmの塗膜を形成した。
上記で得られた塗膜に10μm角の残しパターンのマスクを介して、露光ギャップを150μmとして、波長365nmにおける露光強度が300W/m2の紫外線による露光を行った。次いで水酸化カリウム0.05重量%水溶液で25℃、60秒間現像した後、純水で1分間リンスした。さらに、オーブン中、150℃で120分間加熱しスペーサーを形成した。
上記(I)でプレベーク温度を80,90,100℃と異なる条件で行った時、得られたパターンにおいて、抜きパターンが解像できている場合を○、解像できていない時を×とした。
上記(I)で得られたパターンにおいて、現像後の残膜率が90%以上になる感度が1500J/m2以下だと、感度が良好と言える。
上記(I)で得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察した結果、その形状が図2に示したA〜Cのどの形状に当たるかを示した。Aのようにパターンエッジが順テーパである場合、パターン形状は良好といえる。Bのようにパターンエッジが垂直状に形成された場合には、パターン形状はやや良好といえる。
また、Cに示した如く、逆テーパ(断面形状において膜表面の辺が、基板側の辺よりも長いもの、逆三角形状)となる形状は、後のラビング工程時にパターンが剥がれる可能性が非常に高くなることから、このような形状は不良とした。
上記(I)で得られた基板に、液晶配向剤としてAL3046(ジェイ・エス・アール(株)製)を液晶配向膜塗布用印刷機により塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの配向剤の塗膜を形成した。
この塗膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。この時のスペーサーパターンの削れや剥がれの有無を表2に示す。
パターンマスクを使用しなかった以外は上記(I)と同様に実施して、密着性評価用の硬化膜を形成し、密着性試験を行った。試験法はJIS K−5400(1900)8.5の付着性試験のうち、8.5・2の碁盤目テープ法に従った。その際、残った碁盤目の数を表2に示す。
感放射線性樹脂組成物を40℃の恒温層中に1週間放置した時の粘度の変化率を測定した。粘度の増加率が5%未満の場合に保存安定性は良好、5%以上の場合に保存安定性は不良といえる。
上記(I)において、プリベーク温度80℃にて形成した薄膜パターンをオーブン中、250℃で60分加熱した。このときの膜厚の寸法変化率を表2に示した。寸法変化率が加熱前後で5%以内の時に耐熱安定性は良好、5%を越える時に耐熱寸法安定性は不良といえる。
実施例1において、〔A〕成分〜〔C〕成分として、表1に記載の通りの種類、量を使用した他は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製し、スペーサーを形成して、評価した。[B]〜[C]の添加量は、共重合体[A]100重量部に対しての重量比である。
表1中、成分の略称は次の化合物を示す。
(B−1):KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
(B−2):KAYARAD DPHA−40H(日本化薬(株)製)
(C−1):1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 CGI−242)
(C−2):1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 CGI−124)
(C−3):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
(C−4):2,2’−ビス(2-クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(C−5):4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(C−6):2−メルカプトベンゾチアゾール
表1中、−印は、該成分が添加されていないことを示す。
評価結果を、表2に示す。
Claims (5)
- [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)下記一般式(I)または一般式(II)で示される単量体、
[ここで、一般式(I)および一般式(II)のRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R1は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜4のパーフロロアルキル基であり、そしてnは1〜6の整数である。]
ならびに、
(a3)前記(a1)および(a2)以外のエチレン性不飽和化合物の共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、ならびに
[C]下記一般式(III)または一般式(IV)で表される化合物を必須成分とする光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
[式(III)及び(IV)において、各R6は相互に独立に炭素数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはフェニル基を示し、各R7 は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基またはフェニル基を示し、各R8は相互に独立に水素原子または炭素数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、各R9、各R10及び各R11は、相互に独立に水素原子または炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示す。但し、R6、R7、R8、R9、R10及びR11のアルキル基はそれぞれ、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を、フェニル基及びハロゲン原子の群から選ばれる置換基で置換されてもよく、R6及びR7のフェニル基はそれぞれ、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を、フェニル基及びハロゲン原子の群から選ばれる置換基で置換されてもよい。] - 液晶表示パネル用スペーサーの形成に用いられる請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項2に記載の感光性樹脂組成物から形成されてなる液晶表示パネル用スペーサー。
- 少なくとも以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示パネル用スペーサーの形成方法。
(イ)請求項2に記載の感光性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。 - 請求項3に記載のスペーサーを具備する液晶表示パネル。
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