JP2007051207A - フィラーの製造方法およびそれにより得られるフィラー、ならびに該フィラーを含有する樹脂組成物 - Google Patents

フィラーの製造方法およびそれにより得られるフィラー、ならびに該フィラーを含有する樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な補強効果を示すフィラーの製造方法を提供する。
【解決手段】水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有するフィラーを、(1)水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、エステル基、イソシアナト基、酸ハロゲン基、オキシム基、アジリジン基からなる群から選ばれる1種以上の官能基および(2)ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオール基およびスルフィド基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する表面処理剤により処理するフィラーの製造方法、およびそれにより得られるフィラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィラーの製造方法およびそれにより得られるフィラー、ならびに該フィラーを含有する樹脂組成物に関する。
ゴム成分等の樹脂の物性を向上させるために、補強用フィラーを充填することが一般的におこなわれている。しかし、樹脂とフィラーとの親和性が小さく、フィラーの表面処理を施す必要があった。
たとえば、補強用フィラーとして、シリカ系フィラーを用いる場合、シランカップリング剤が併用されるが、シリカ系フィラーと樹脂の親和性を充分に高めるにいたっておらず満足できる物性が出ていない。また、ゴムに対して最も一般的な補強用フィラーであるカーボンブラックは、表面処理自体が困難である。
また、フィラーの表面処理を行なうことで樹脂とフィラーのなじみを改善する方法として、特許文献1には、ゴムと無機充填材を含む充填材と、同一分子内にゴムと反応する成分と無機充填材に吸着成分を有する化合物を配合することで良好な力学補強を行なう方法が開示されている。しかし、充填材の30質量%以上が無機充填材であることから、無機充填材となじみの悪い有機化合物でその表面を完全に被覆することは難しい。また、一般に無機充填材とマトリックスを反応させることは無機充填材とマトリックスの相溶性の観点から難しく反応ではなく吸着で結合させているので、充分な補強を発現するにはいたっていないという問題があった。
特開2005−23144号公報
本発明は、樹脂に配合することで、良好な補強効果を示すフィラーの製造方法およびそれにより得られるフィラー、ならびに該フィラーを含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有するフィラーを、(1)水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、エステル基、イソシアナト基、酸ハロゲン基、オキシム基、アジリジン基からなる群から選ばれる1種以上の官能基および(2)ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオール基およびスルフィド基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する表面処理剤により処理するフィラーの製造方法に関する。
前記フィラーは、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル化合物、ビニルエステル化合物およびビニルエステル化合物の加水分解物からなる群から選ばれる単量体を重合して得られることが好ましい。
本発明は、前記製造方法により得られるフィラーに関する。
前記フィラーのヨウ素価が1.5g/100g以上であることが好ましい。
本発明は、ヨウ素価が1.5g/100g以上の樹脂、および前記フィラーからなる樹脂組成物に関する。
前記樹脂は、ジエン系ゴムであることが好ましい。
本発明は、前記樹脂組成物を加硫することにより得られるゴム組成物に関する。
本発明によれば、特にタイヤ用ゴム組成物に配合することで非常に優れた耐摩耗性を付与しうる表面処理されたフィラーの製造方法を提供することができる。
本発明のフィラー(以下、表面処理フィラー)の製造方法は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステル基からなる群から選ばれる1種以上の置換基を有するフィラー(以下、処理前フィラー)を、2種の官能基を有する表面処理剤により処理する工程からなる。
処理前フィラーの有する置換基は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステルからなる群から選ばれる1種以上である。好ましい官能基は、表面処理剤が有する官能基との組み合わせで決まるが、酸−塩基の組み合わせが好ましい。フィラーと表面処理剤の反応がラジカル反応性であれば、後の樹脂との反応に用いる官能基の選出が難しくなる。酸塩基の組み合わせとしては、例えば、塩基性の官能基としてアミノ基、水酸基、チオール基があげられ、酸性の官能基としては、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルボキシル基、酸ハロゲン基などがあげられる。低分子量のアルコールからなるエステル基も塩基性官能基との反応の組み合わせに用いることができる。塩基性官能基としてアミノ基または水酸基を選ぶ場合には、特に1級または2級が好ましい。
処理前フィラーとしては、表面処理剤との親和性に優れることから、有機物からなるフィラー(以下、有機フィラー)であることが好ましい。
有機フィラーは、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル化合物、ビニルエステル化合物およびビニルエステル化合物の加水分解物からなる群から選ばれるモノマーを重合することにより得られることが好ましい。これらのモノマーにより重合されて得られた有機フィラーとしては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などがあげられ、ジエン系ゴムなどの樹脂との親和性に優れるため、該樹脂中での分散性が向上する。有機フィラーは、耐熱性が向上し、弾性率も増加して補強効果は増大することから架橋されていても構わない。
処理前フィラーが非晶性である場合、有機フィラーのガラス転移温度は70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が70℃未満では、100℃に達した瞬間にフィラーは補強効果を失ってしまうので、用途が限定されてしまう傾向がある。
また、有機フィラーは、ポリエステルまたはポリアミドであってもよい。
ポリエステルとしては融点を有し、その融点が使用温度以上であれば特に限定されないが、芳香環を有するポリエステルは耐熱性も高く良好なフィラー効果を示す。融点が100℃以上であるポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどがあげられる。
ポリアミドとしては融点を有し、その融点が使用温度以上であれば特に限定されないが100℃以上の融点を有するポリアミドとしては、例えばポリアミド6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、アラミド樹脂などがあげられる。芳香環が導入されたポリアミド樹脂も好適に用いられる。
さらには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂なども高い耐熱性を示し、官能基修飾も容易であることから、好適に用いられる。
ポリエステルまたはポリアミドは結晶性であり、非晶性の樹脂と比較して耐熱性に優れる。これらの樹脂も前述の単量体からなる樹脂と同様架橋されていても構わない。またフィラーがこのような結晶性高分子の場合、融点は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。
上記以外の樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する樹脂もまた耐熱性に優れ、かつ良好な反応性を期待できるので好適に用いられる。他に官能基の導入が比較的容易で、分子設計の自由度が高く、また、樹脂単体の弾性や耐熱性が優れているのでアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルを共重合したアクリル樹脂も好適に用いられる。
2種の官能基を有する表面処理剤は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、エステル基、イソシアナト基、酸ハロゲン基、オキシム基、アジリジン基からなる群から選ばれる1種以上の官能基(以下、官能基(1))、ならびに、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオール基およびスルフィド基からなる群から選ばれる1種以上の官能基(以下、官能基(2))を有する。
官能基(1)は、処理前フィラーの有する水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステルからなる群から選ばれる1種以上の置換基との反応性に優れるものをいう。反応性が高く、かつ共有結合を形成することで熱安定性や機械的安定性の高い表面処理を施すことが可能である。
官能基(1)は、反応選択性が高く制御させやすく、例えば、エポキシ基とアミノ基、カルボキシル基または水酸基とイソシアナト基、酸ハロゲン基と水酸基の組み合わせは、混合後、直ちにほぼ化学量論的に反応が進行するので好適に用いられる。
官能基(1)としては、特に、反応する官能基の選択性が高く、また、反応を制御しやすいことから、イソシアナト基、アミノ基、水酸基、チオール基からなる塩基性官能基群と、エポキシ基、脂環式エポキシ基、酸ハロゲン基、カルボキシル基、エステル基からなる酸性官能基群の組み合わせが好ましく、特にアミノ基または水酸基とエポキシ基、脂環式エポキシ基、カルボキシル基が好ましい。イソシアナト基と水酸基やカルボキシル基との反応は、高い反応効率で不可逆に反応することができるので、とくに好適に用いられる。
官能基(2)は、不飽和性官能基およびラジカル性官能基のいずれかである。
不飽和性官能基としては、ビニル基、アクリロイル基およびメタクリロイル基があげられる。
また、ラジカル性官能基としては、硫黄を含む官能基が好ましく、チオール基およびスルフィド基があげられる。樹脂のもつ官能基とフィラーのもつ官能基の反応性が悪い場合には、表面処理剤と樹脂の反応性を高める目的で公知のラジカル開始剤や連鎖移動剤または触媒などを用いても構わない。
官能基(2)としては、アクリロイル基やメタアクリロイル基、ビニル基、チオール基、トリスルフィド基やジスルフィド基に代表されるスルフィド基、ジアゾ基などのラジカル活性なものが好ましい。
不飽和性官能基の反応の組み合わせとしては、不飽和基同士のラジカル反応や、チオール基などの非不飽和性ラジカル性官能基との反応があげられる。
官能基(2)としてラジカル性官能基を使用する場合、処理前フィラーの有する官能基とラジカル性官能基の反応性が小さい場合、表面処理剤の有する官能基と樹脂の有する官能基の両方と反応し得る別成分をバインダーとして添加しても構わない。バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの2官能アクリル化合物やペンタエリスリトールアクリレートなどの3官能アクリル化合物、3,4−ジメルカプトトルエンなどがあげられる。
表面処理剤は平均分子量が100〜20000と小さいものが好ましく、100〜2000と小さいものがより好ましい。表面処理剤の平均分子量が100未満であれば、表面処理層が極めて薄くなり、表面処理剤の平均分子量が20000をこえると、官能基同士が凝集しやすくなり、反応効率が低下する傾向がある。
処理前フィラーと表面処理剤との反応は、ボールミル等で撹拌しながら反応を行なうことが好ましい。
また、生産効率が飛躍的に改善できることから、処理前フィラーおよび表面処理剤を、ゴム組成物の製造工程において、ゴム成分等とともに添加して、表面処理反応、および混練りから成形までを一括して行なってもよい。
処理前フィラーおよび表面処理剤とゴムを一括で行なうと、フィラーに対する表面処理剤の相対的な濃度が低下してしまうために、効率よく表面処理を行なうことは難しく、また、表面処理剤の有する官能基の活性が高いほど、好ましくない副反応がおこるという点から、反応から成形まで一括しておこなうより、はじめに処理前フィラーと表面処理剤との反応を行なったのちに、表面処理フィラーをゴム成分等ともに混練りすることが好ましい。
処理前フィラーと表面処理剤との反応温度としては、用いる官能基の組み合わせで変わるが、25〜100℃が好ましい。反応温度が25℃未満であれば、反応に要する時間が長くなったり、反応がまったく進まなかったりする傾向がある。また、反応温度が100℃をこえると、官能基の分解や好ましくない副反応が起こりやすくなる傾向がある。
表面処理剤の配合量は、処理前フィラー100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。表面処理剤の配合量が1重量部未満では、全フィラーのごく一部の表面しか修飾することができず、表面処理剤を添加した効果がほとんど期待できない。
また、表面処理剤の配合量は、処理前フィラー100重量部に対して、500重量部以下が好ましく、300重量部以下がより好ましい。表面処理剤の配合量が500重量部をこえると、表面処理剤同士の好ましくない副反応がおこる可能性があり、また、未反応物がフィラー表面に残りやすいことから、後の処理に好ましくない影響を与える傾向がある。
得られた表面処理フィラーの平均粒径は50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、500nm以上がさらに好ましい。フィラーの粒径が50nm未満では、フィラーの補強効果を発現しにくい傾向がある。また、表面処理フィラーの平均粒径は500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。平均粒径が500μmをこえると、該フィラーが分散された樹脂組成物が引張挙動を受けたとき、巨視的なボイドを発生しやすくなり、フィラーの補強効果は望めない傾向がある。
表面処理フィラーのヨウ素価は1.5g/100g以上が好ましく、10g/100g以上がより好ましく、40g/100以上がさらに好ましい。表面処理フィラーのヨウ素価が1.5g/100g未満では、10万程度の分子量を有するフィラーであっても二重結合数が1つのフィラーあたり3以下となり、樹脂へ配合させた場合、充分な補強効果が得られない傾向がある。
樹脂組成物は、前記製造方法により得られた表面処理フィラー、および樹脂からなる。
樹脂のヨウ素価は、1.5g/100g以上が好ましく、2.5g/100g以上がより好ましい。表面処理フィラーのヨウ素価が1.5g/100g未満では、樹脂との反応確率が低下するので、フィラーの表面処理効果が極めて小さくなる。
本発明の方法によって表面処理されたフィラーは、1.5g/100g以上のヨウ素価を有する樹脂との混合時に、フィラー表面と樹脂とを共有結合で反応させることで補強効果が増大する。反応の際にはラジカル開裂剤や酸−塩基触媒などの触媒を添加しても構わない。ブレンドの温度も目的に応じて変えることができる。
樹脂としては、ゴムが好ましく、ジエン系ゴムがより好ましい。ジエン系ゴムは、天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴムが好ましく、ジエン系合成ゴムがより好ましい。なかでも、汎用性が最も高く、加硫特性も良好で、好ましい性能を発揮するという理由からスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムおよびこれらの変性体がより好ましく、SBR、BR、NRがさらに好ましく、SBRが特に好ましい。
SBRを用いる場合、樹脂中におけるSBRの含有率は、20重量%以上が好ましく、100重量%が特に好ましい。含有率が20重量%未満では、SBRが有する好ましい物性である伸度が大幅に低下する傾向がある。
表面処理フィラーの弾性率は、樹脂の使用温度範囲においてフィラーを混ぜる樹脂の弾性率よりも高いことが好ましい。フィラーの弾性率がフィラーを混ぜる樹脂の弾性率よりも低い場合、優れた補強効果が期待できない。
表面処理フィラーの含有量は、樹脂100重量部に対して、10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましく、40重量部以上がさらに好ましい。表面処理フィラーの含有量が10重量部未満では、フィラーまたは凝集したフィラー粒子が独立した塊として存在しているので、破断伸度の向上などフィラーに求める物性が出ない傾向がある。また、表面処理フィラーの含有量は、樹脂100重量部に対して、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がさらに好ましい。表面処理フィラーの含有量が200重量部をこえると、ゴムの樹脂がフィラーの表面全てを覆うことが難しくなり、材料として脆くなる傾向がある。
本発明における樹脂組成物には、前記樹脂、表面処理フィラー以外にも、硫黄などの加硫剤、ステアリン酸、亜鉛、老化防止剤、加硫促進剤などの添加剤を配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、80〜170℃にて、5〜45分間加硫することによりゴム組成物を作製することができる。この加硫の際にフィラー表面に結合した表面改質剤と樹脂とを反応させてもよい。
ゴム組成物、特にタイヤ用ゴム組成物中には、補強用充填剤として一般的にカーボンブラックが使用されており、カーボンブラックを使用することによりゴム組成物の耐摩耗性を向上させてきた。
本発明は、カーボンブラックのかわりに、表面処理フィラーを使用することにより、カーボンブラックを使用した場合よりも大幅にゴム組成物の耐摩耗性を向上することができるという画期的なものである。
本発明のゴム組成物は、タイヤのなかでも特にトレッドに好適に使用される。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例において使用した各種薬品について説明する。
イソシアナトアクリレート:昭和電工(株)製のカレンズAOI(2−イソシアナトエチルアクリレート)
水酸基含有アクリル微粒子(表面未処理フィラー):東洋インキ製造(株)製の水酸基を有するアクリル微粒子リオスフィア(ガラス転移温度120℃、モノマー主成分ポリメチルメタクリレートおよび水酸基を有するメタアクリル酸エステル)
SBR:JSR(株)製のSBR1502(スチレン含量23.5重量%、25℃における弾性率:1.76×106Pa)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)社製のショウワブラックN220
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ステアリン酸:日本油脂(株)製
酸化亜鉛:三菱金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
<微粒子の表面処理>
イソシアナトアクリレート300g(100重量部)中に、水酸基含有アクリル微粒子150g(50重量部)を混合した後、40℃にて約1時間撹拌した。
その後、得られた微粒子を過剰のエタノールで洗浄したのち乾燥することで、表面改質フィラー160g(ヨウ素価40g/100g、25℃における弾性率:2.5×109Pa、平均粒径:500nm)を得た。
実施例1および比較例1〜2
<樹脂組成物の作製>
硫黄および加硫促進剤を除く各種薬品を表1に示す配合量添加して、バンバリーミキサーにて120℃で3分間混練し、さらに、硫黄および加硫促進剤を表1に示す配合量添加してオープンロールにて3分間混練して、実施例1および比較例1〜2の樹脂組成物を作製した。
<ゴム試験片の作製>
実施例1および比較例1〜2の樹脂組成物を160℃で20分間、プレス加硫して、実施例1および比較例1〜2のゴム試験片を作製した。
(ゴム試験片の摩耗特性)
ランボーン摩耗試験機にて、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の条件で、実施例1および比較例1〜2のゴム試験片のランボーン摩耗量を測定し、各配合の容積損失を計算し、比較例の損失量を100として下記計算式で指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
(摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
(タイヤの作製)
実施例1および比較例1〜2の樹脂組成物をトレッド形状に作製し、他のタイヤ部材を貼りあわせて160℃で20分間、プレス加硫することにより、タイヤ(サイズ215/45R17)を作製した。
(タイヤの摩耗特性)
前記タイヤを装着した車により、1周5kmのテストコースを80km/hで走行し、10000km走行後の残溝値を測定した。以下の式により摩耗指数を算出した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。なお、走行後の残溝値とは、タイヤトレッドの溝の深さを示す。
(摩耗指数)=(各配合の残溝値)/(比較例1の残溝値)
結果を表1に示す。
Figure 2007051207

Claims (7)

  1. 水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基およびエステル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有するフィラーを、
    (1)水酸基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、エステル基、イソシアナト基、酸ハロゲン基、オキシム基、アジリジン基からなる群から選ばれる1種以上の官能基および(2)ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、チオール基およびスルフィド基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を有する表面処理剤により処理するフィラーの製造方法。
  2. フィラーが、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル化合物、ビニルエステル化合物およびビニルエステル化合物の加水分解物からなる群から選ばれる単量体を重合して得られる請求項1記載のフィラーの製造方法。
  3. 請求項1または2の製造方法により得られるフィラー。
  4. ヨウ素価が1.5g/100g以上である請求項3記載のフィラー。
  5. ヨウ素価が1.5g/100g以上の樹脂、および請求項3または4記載のフィラーからなる樹脂組成物。
  6. 樹脂が、ジエン系ゴムである請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 請求項5または6記載の樹脂組成物を加硫することにより得られるゴム組成物。
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