JP2019031619A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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洋樹 阿部
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Abstract

【課題】良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
近年、安全性等の観点から優れたウェットグリップ性能や耐カットチップ性能、省資源等の観点から優れた低燃費性能を有する自動車用タイヤの開発が望まれている。
ウェットグリップ性能や耐カットチップ性能を改善する手法としてロジン系樹脂が使用されている。ロジン系樹脂としては固形、液状の両方が使用されており、ロジン系樹脂中の二重結合は熱酸化劣化を受けやすいため、エステル化されたものやマレイン変性等の変性が行われたものも使用されている。そして、ロジン系樹脂は、適当な酸価、すなわちカルボキシル基を有し、かつ、環状構造を有するためカーボンブラックや硫黄等との親和性が良好であるという特徴がある。
このようなロジン系樹脂は、ウェットグリップ性能や、破断伸びを向上させて耐カットチップ性能を改善できるが、低燃費性能が大幅に悪化するという欠点があるため、低燃費性能が比較的要求されないトラック・バス用タイヤや産業用タイヤのトレッドにしか使用されてこなかった。
そこで、他の用途にも使用できるように、良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できるロジン系樹脂の開発が求められている。
本発明は、前記課題を解決し、良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
前記混合物において、前記ロジン類及び前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体の合計含有量100質量%中の前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体の含有量が2〜20質量%であることが好ましい。
前記混合物の軟化点が30〜100℃であることが好ましい。
前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上であることが好ましい。
本発明によれば、ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであるので、良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できる。
本発明の空気入りタイヤは、ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する。
ロジン系樹脂を配合することによって破断伸び等の引張性能の改善効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
硫黄は、ポリマーに混合される過程でフリーラジカルを発生してポリマーを切断するため、ブチルゴムやSBR、NR等のいずれのポリマーにおいても、硫黄を増量するほど、粘度が低下し、破断伸び等の引張性能が悪化すると考えられる。
これに対して、ロジン系樹脂を配合した場合、ロジン系樹脂中の芳香族部位が、ポリマーへの分散過程で生じる粉末硫黄のラジカルを吸収し、ゴム中に適切なせん断トルクを発生させるので、硫黄分散を促進させると考えられ、また、ロジン系樹脂中のCOOH基も硫黄を吸着し、その分散を促進させると考えられる。これらによって、分子切断が少なく、硫黄を均一に分散させることが出来るため、引張性能が改善されると考えられる。このことは、ロジン系樹脂を配合した場合、粘度が高く、破断抗力及び破断伸びが大きいことから裏付けられる。
このようなロジン系樹脂の添加による作用効果で破断伸び等の引張性能が改善されるものの、従来のロジン系樹脂では、低燃費性能が悪化するため、これらの性能を両立することは困難であった。
本発明者の検討の結果、従来のロジン系樹脂を配合したゴム組成物は、テルペン系樹脂を配合したゴム組成物と比較して、ゴムとの親和性を示すTanδ粘弾性カーブにおいてTanδピークが低いことを発見した。このことから、従来のロジン系樹脂は、SBR、BR、NR等のゴムに対するミクロでの絡み合いが悪い、すなわち相溶性が悪いため、低燃費性能を悪化させるものと考えられる。
一方、本発明のロジン類及び所定スチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、所定酸価である混合物は、スチレン系モノマー由来の構造単位を有するため、SBR等のゴムと相互作用することで、樹脂とポリマーのミクロでの絡み合いが促進され、低燃費性能を改善でき、かつ、芳香族基、COOH基が粘着グリップや硫黄分散を促進できるため、良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できると推察される。
(ゴム組成物)
上記ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、SBR、BR、イソプレン系ゴムが好ましく、上記混合物と相互作用し、本発明の効果が顕著(相乗的)に得られる傾向があるという点から、SBRがより好ましく、より良好な耐摩耗性能又は引張性能が得られる傾向があるという点から、SBRと、BRやイソプレン系ゴムとの併用が更に好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは47質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン量は、H−NMR測定により算出される。
SBRのMwは、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上である。また、該Mwは、好ましくは160万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは140万以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
また、SBRとしては、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。10質量%以上であると、上記混合物との相互作用により、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。また、該含有量の上限は特に限定されず、例えば競技用タイヤの場合は100質量%であってもよい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性BRとしては、上述の変性SBRと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、ウェットグリップ性能と耐摩耗性能の両立の観点からは、特に好ましくは40質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、加工性能、引張性能、グリップ性能の期待レベルに応じて適値が異なる。上記含有量は、例えば、競技用タイヤの場合は0質量%、トラック・バス用タイヤ(悪路用)の場合は100質量%、汎用乗用車用タイヤの場合は5〜70質量%であってもよい。
上記ゴム組成物は、ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物を含有する。
ロジン類は、針葉樹などの樹木(例えば、松など)から分泌される固体炭化水素などとして得られ、反応性二重結合を有する樹脂酸を含んでいる。
樹脂酸とは、樹木由来のカルボキシル基を有する化合物であり、反応性二重結合を有する樹脂酸として、具体的には、例えば、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、レボピマール酸などが挙げられる。
このようなロジン類は、変性の有無によって分類され、具体的には、ロジン類としては、無変性ロジン(未変性ロジン)、ロジン変性体(ロジン誘導体)が挙げられる。
無変性ロジンとしては、例えば、トールロジン(別名トール油ロジン)、ガムロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、その他の化学的に修飾されたロジンなどが挙げられる。
これら無変性ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
無変性ロジンとして、好ましくは、トールロジンが挙げられる。
ロジン変性体は、上記した無変性ロジンの変性体であって、例えば、ロジンエステル類、不飽和カルボン酸変性ロジン類、不飽和カルボン酸変性ロジンエステル類、ロジンのアミド化合物、ロジンのアミン塩などが挙げられる。
ロジンエステル類は、例えば、上記した無変性ロジンと多価アルコールとを、公知のエステル化法により反応させることによって、得ることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタンなどの3価アルコール、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの4価アルコール、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−ノルマルブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。これら多価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
無変性ロジンと多価アルコール類との配合割合は、無変性ロジンのカルボキシル基に対する、多価アルコールの水酸基のモル比(OH/COOH)が、例えば、0.2〜1.2である。また、無変性ロジンと多価アルコール類との反応では、反応温度が、例えば、150〜300℃であり、反応時間が、例えば、2〜30時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
不飽和カルボン酸変性ロジン類は、例えば、上記した無変性ロジンにα,β−不飽和カルボン酸類を公知の方法により反応させることによって、得ることができる。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸、および、その酸無水物などが挙げられ、具体的には、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらα,β−不飽和カルボン酸類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
無変性ロジンとα,β−不飽和カルボン酸類との配合割合は、無変性ロジン1モルに対して、α,β−不飽和カルボン酸類が、例えば、1モル以下である。また、無変性ロジンとα,β−不飽和カルボン酸類との反応では、反応温度が、例えば、150〜300℃であり、反応時間が、例えば、1〜24時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
不飽和カルボン酸変性ロジンエステル類は、例えば、上記した無変性ロジンに、上記した多価アルコール類、および、上記したα,β−不飽和カルボン酸類を順次または同時に反応させることにより、得ることができる。
上記成分を順次反応させる場合は、まず、無変性ロジンと多価アルコールとを反応させ、その後、α,β−不飽和カルボン酸類を反応させるか、または、まず、無変性ロジンとα,β−不飽和カルボン酸類とを反応させ、その後、多価アルコールを反応させる。無変性ロジンと多価アルコールとのエステル化反応や、無変性ロジンとα,β−不飽和カルボン酸類との変性反応における反応条件は、上記と同様とすることができる。
ロジンのアミド化合物は、例えば、上記した無変性ロジンと、アミド化剤とを反応させることによって、得ることができる。
アミド化剤としては、例えば、1級および/または2級ポリアミン化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
1級および/または2級ポリアミン化合物は、1分子中に1級および/または2級アミノ基を2つ以上含有する化合物であって、無変性ロジンに含有されるカルボキシル基との縮合反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリアミン化合物として、具体的には、例えば、エチレンジアミン、N−エチルアミノエチルアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エ−テル、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4−ジアミノブタン、ラウリルアミノプロピルアミンなどの鎖状ジアミン類、例えば、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、1,3−ジ(4−ピペリジル)−プロパン、ホモピペラジンなどの環状ジアミン類、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなどのポリアミン類、さらには、これらのハロゲン化水素酸塩などが挙げられる。
これら1級および/または2級ポリアミン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキサゾリン化合物は、1分子中にポリオキサゾリン環を2つ以上含有する化合物であって、無変性ロジンに含有されるカルボキシル基との付加反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリオキサゾリン化合物としては、例えば、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。
これらポリオキサゾリン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2つ以上含有する化合物であって、無変性ロジンに含有されるカルボキシル基との付加縮合脱炭酸反応により、ロジンをアミド化することができる。このようなポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)、4,4’−トルイジンジイソシアネートなど)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)など)、脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ジイソシアネート(例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどのジイソシアネートなど)、さらには、これらの誘導体(例えば、多量体、ポリオール付加体など)などが挙げられる。
これらポリイソシアネート化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、これらアミド化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
無変性ロジンとアミド化剤との配合割合は、無変性ロジンのカルボキシル基に対する、アミド化剤の活性基(1級および/または2級アミノ基、ポリオキサゾリン環、イソシアネート基)のモル比(OH/活性基)が、例えば、0.2〜1.2である。また、無変性ロジンと多価アルコール類との反応では、反応温度が、例えば、120〜300℃であり、反応時間が、例えば、2〜30時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
ロジンのアミン塩は、無変性ロジンに含有されるカルボキシル基を、3級アミン化合物で中和することにより、得ることができる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリC1−4アルキルアミン、例えば、モルホリンなどの複素環式アミンなどが挙げられる。
これら3級アミン化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
さらに、ロジン変性体としては、例えば、ロジン変性フェノール類、例えば、ロジン類(無変性ロジン、不飽和カルボン酸変性ロジン類など)のカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類なども挙げられる。
これらロジン変性体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ロジン変性体として、好ましくは、ロジンエステル類が挙げられる。
また、ロジン類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ロジン類として、好ましくは、トールロジンの変性体が挙げられ、より好ましくは、トールロジンのロジンエステル類が挙げられる。
また、ロジン類として、好ましくは、カルボキシル基の含有量が過度に高くなく、適度な酸価を有していることが挙げられる。
具体的には、ロジン類の酸価は、通常、0mgKOH/gを超過し、例えば、100mgKOH/g以下、好ましくは、30mgKOH/g以下、より好ましくは、10mgKOH/g以下である。
なお、酸価は、後述する実施例に準拠して測定される(以下同様。)。
また、酸価が過度に高い場合などには、公知のエステル化処理によって、ロジン類のカルボキシル基を低減し、酸価を上記範囲に調整することもできる。
スチレン−(メタ)アクリル共重合体は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマー成分の重合体である。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルと定義される。
スチレン系モノマーとしては、スチレンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、スチレン(ビニルベンゼン)、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼンなどの芳香族ビニルモノマーが挙げられる。
これらスチレン系モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
スチレン系モノマーとして、好ましくは、スチレンが挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル基を有する共重合性モノマーであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
これら(メタ)アクリル系モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、(メタ)アクリル系モノマーが2種類以上併用される場合、それらの併用割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
(メタ)アクリル系モノマーとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸イソボルニルを含み、より好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニルを含む。
また、モノマー成分は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの他、それらと共重合可能な共重合性モノマーを含有することができる。
共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸、例えば、無水フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和ジカルボン酸モノエステル、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキシエチルピロメリット酸などの不飽和トリカルボン酸モノエステル例えば、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの塩などのスルホニル基含有ビニルモノマー、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系モノマーなどが挙げられる。
共重合性モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
共重合性モノマーが用いられる場合、その共重合性モノマーとして、好ましくは、ジエン系モノマーを含有しないことが挙げられる。
モノマー成分は、好ましくは、共重合性モノマーを含有せず、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーからなる。
スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの含有量は、モノマー成分の総量に対して、スチレン系モノマーが、例えば、50質量%以上、好ましくは、50質量%を超過し、より好ましくは、60質量%以上、さらに好ましくは、70質量%以上であり、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下、より好ましくは、80質量%以下である。また、(メタ)アクリル系モノマーが、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、20質量%以上であり、例えば、50質量%以下、好ましくは、50質量%未満、より好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル系モノマーの含有量が上記範囲であれば、グリップ性および機械強度の向上を図ることができる。
そして、スチレン−(メタ)アクリル共重合体は、上記のモノマー成分を、公知の方法で重合させることにより得ることができる。
具体的には、例えば、所定の反応容器に、モノマー成分、重合開始剤および溶剤を仕込み、反応させる。なお、この方法では、重合開始剤の一部または全部を反応容器中に滴下しながら、反応を進行させることもできる。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤が挙げられ、好ましくは、アゾ系化合物以外のラジカル重合開始剤、具体的には、パーオキサイド系化合物、スルフィド類、スルフィン類、スルフィン酸類などが挙げられ、さらに好ましくは、パーオキサイド系化合物が挙げられる。なお、パーオキサイド系化合物は、還元剤と併用し、レドックス系重合開始剤として使用してもよい。
パーオキサイド系化合物としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物などが挙げられ、好ましくは、無機過酸化物が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、カプリエルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビパレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、イソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキシジカーボネート、s−ブチルパーオキシジカーボネート、n−ブチルパーオキシジカーボネート、2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサエノート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−エチルヘキサノエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソノナエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−イソノナエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられる。
無機過酸化物としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩、過ホウ素酸ナトリウム、過ホウ素酸カリウム、過ホウ素酸アンモニウムなどの過ホウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸アンモニウムなどの過炭酸塩、過リン酸ナトリウム、過リン酸カリウム、過リン酸アンモニウムなどの過リン酸塩などが挙げられ、好ましくは、過硫酸塩が挙げられ、より好ましくは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが挙げられ、さらに好ましくは、過硫酸アンモニウムが挙げられる。
これら重合開始剤は、単独使用または、2種類以上併用することができる。
重合開始剤の配合割合は、モノマー成分の総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、7質量部以下である。
溶剤としては、例えば、水、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの1価アルコール系溶剤、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステルエーテル系溶剤、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられ、好ましくは、炭化水素系溶剤、より好ましくは、トルエンが挙げられる。
これら溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、溶剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、この方法では、上記のモノマー成分、重合開始剤および溶剤とともに、さらに、架橋剤、連鎖移動剤などを適宜配合することができる。
架橋剤としては、例えば、2官能性架橋剤(例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなど)、多官能性架橋剤(例えば、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドローS−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、ジアクリロイルイミドなど)、N−置換アクリルアミド系モノマー(例えば、N,N’−ジメチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド)などが挙げられ、好ましくは、2官能性架橋剤、N−置換アクリルアミド系モノマーが挙げられ、より好ましくは、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミドが挙げられる。これら架橋剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらの架橋剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
連鎖移動剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、例えば、メルカプト類(例えば、メルカプトエタノール、チオ尿素、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、チオ乳酸、アミノエタンチオール、チオグリセロール、チオリンゴ酸など)、例えば、アリル類(例えば、アリルアルコール、アリルスルホン酸ナトリウム、メタアリルスルホン酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
これら連鎖移動剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらの連鎖移動剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、重合条件は、モノマー成分、重合開始剤、溶剤などの種類によって異なるが、重合温度が、例えば、85℃以上、好ましくは、100℃以上である。また、重合時間は、例えば、5時間以上、好ましくは、7時間以上である。
そして、このような重合反応によって、スチレン−(メタ)アクリル共重合体を得ることができる。
得られるスチレン−(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、3000以上、好ましくは、4000以上、より好ましくは、5000以上、更に好ましくは、7000以上である。3000以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。また、該重量平均分子量は、例えば、35000以下、好ましくは、20000以下、より好ましくは、13000以下、さらに好ましくは、10000以下である。35000以下であると、樹脂分散がより良好となり、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、スチレン−(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、後述する実施例に準拠して測定される(以下同様。)。
そして、ロジン類と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体とを、公知の方法で混合することにより、上記混合物を得ることができる。
混合方法は特に限定されないが、ロジン類やスチレン−(メタ)アクリル共重合体が溶解している状態で混合する方法が好ましく、例えば、ロジン類やスチレン−(メタ)アクリル共重合体をトルエン等の公知の有機溶媒に溶解させて混合する方法、ロジン類やスチレン−(メタ)アクリル共重合体を高温で溶融してから混合する方法等が挙げられる。
上記混合物において、ロジン類及びスチレン−(メタ)アクリル共重合体の合計含有量100質量%中のロジン類の含有量は、例えば、80質量%以上、好ましくは、83質量%以上、より好ましくは、88質量%以上、さらに好ましくは、93質量%以上であり、例えば、98質量%以下、好ましくは、97質量%以下、より好ましくは、96質量%以下である。
上記混合物において、ロジン類及びスチレン−(メタ)アクリル共重合体の合計含有量100質量%中のスチレン−(メタ)アクリル共重合体の含有量は、好ましくは、2質量%以上、より好ましくは、3質量%以上、更に好ましくは、4質量%以上、特に好ましくは、6質量%以上であり、例えば、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、17質量%以下、更に好ましくは、12質量%以下、特に好ましくは、7質量%以下である。
上記範囲であれば、グリップ性および機械強度の向上を図ることができる。
なお、上記混合物には、必須であるロジン類及びスチレン−(メタ)アクリル共重合体に加えて、ロジン類及びスチレン−(メタ)アクリル共重合体以外の固体樹脂(他の固体樹脂)や、液状軟化剤を更に混合してもよい。なかでも、液状軟化剤を更に混合することが好ましい。これにより、上記混合物の軟化点を低下させ、樹脂の分散性がより向上するため、より良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
本明細書において液状軟化剤とは室温(23℃)において液状である軟化剤であり、例えば、液状クマロンインデン樹脂、オイル、液状ロジンエステル、低温可塑剤(TOP、BXA−N等)等が挙げられる。なかでも、液状クマロンインデン樹脂、オイルが好ましく、上記混合物の軟化点の低下及び樹脂の分散性の向上を図り、タイヤのグリップ性能を向上させる観点から、液状クマロンインデン樹脂がより好ましい。
液状クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
液状クマロンインデン樹脂の軟化点は、例えば、−20℃以上、好ましくは、−10℃以上、より好ましくは、−5℃以上であり、例えば、20℃以下、好ましくは、15℃以下である。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記混合物には、固体樹脂(上記ロジン類、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、及び他の固体樹脂)及び液状軟化剤の他、これら以外の成分(他の成分)を含有することができる。
他の成分としては、例えば、分散剤、加硫促進助剤、補強剤、老化防止剤、劣化防止剤、亀裂防止剤、シランカップリング剤、加硫遅延剤、加硫活性化剤など、公知の添加剤が挙げられる。これら他の成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記混合物100質量%中の他の成分の含有量は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲であれば、特に制限されないが、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下であり、通常、0質量%以上である。
上記混合物100質量%中の固体樹脂及び液状軟化剤の含有量は、本発明の効果を良好に奏する観点から、例えば、80質量%以上、好ましくは、90質量%以上、より好ましくは、95質量%以上であり、通常、100質量%以下である。
上記混合物において、固体樹脂及び液状軟化剤100質量%中のロジン類の含有量は、例えば、70質量%以上、好ましくは、75質量%以上、より好ましくは、80質量%以上であり、例えば、98質量%以下、好ましくは、97質量%以下、より好ましくは、96質量%以下である。
上記混合物において、固体樹脂及び液状軟化剤100質量%中のスチレン−(メタ)アクリル共重合体の含有量は、例えば、2質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、4質量%以上であり、例えば、20質量%以下、好ましくは、17質量%以下、より好ましくは、12質量%以下、更に好ましくは、7質量%以下である。
上記混合物において、固体樹脂及び液状軟化剤100質量%中のロジン類及びスチレン−(メタ)アクリル共重合体の合計含有量は、例えば、70質量%以上、好ましくは、75質量%以上、より好ましくは、80質量%以上、更に好ましくは、85質量%以上であり、上限は特に限定されず、樹脂分散性が良好な配合系、例えば軟化剤の多い場合は、100質量%であってもよいが、好ましくは、95質量%以下である。
上記混合物において、固体樹脂及び液状軟化剤100質量%中の他の固体樹脂及び液状軟化剤の合計含有量(好ましくは、液状軟化剤の含有量、より好ましくは液状クマロンインデン樹脂の含有量)は、例えば、0質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、5質量%以上であり、例えば、25質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。これにより、樹脂の分散性とグリップ性能を両立できる。例えば、液状軟化剤が多すぎると、肝心のグリップ性能、引張性能を向上させる主成分であるロジン類が足りなくなる傾向がある。
上記範囲であれば、グリップ性および引張特性の向上を図ることができる。
また、上記混合物として、好ましくは、カルボキシル基の含有量が過度に高くなく、適度な酸価を有していることが挙げられる。
具体的には、上記混合物の酸価は、2mgKOH/g以上であり、好ましくは、5mgKOH/g以上、より好ましくは、7mgKOH/g以上、更に好ましくは、9mgKOH/g以上である。2mgKOH/g以上であると、樹脂の凝集力が不足せず、良好な破断伸び、ウェットグリップ性能が得られる。また、該酸価は、30mgKOH/g以下であり、好ましくは、25mgKOH/g以下、より好ましくは、20mgKOH/g以下、更に好ましくは、15mgKOH/g以下、特に好ましくは、12mgKOH/g以下である。30mgKOH/g以下であると、凝集力が大きすぎず、分散が良好となり、本発明の効果が良好に得られる。
上記混合物の酸価が上記範囲であれば、グリップ性および機械強度の向上を図ることができる。
なお、上記混合物の酸価は、好ましくは、ロジン類の酸価のみに由来する。
また、酸価が過度に高い場合などには、公知のエステル化処理によって、上記混合物のカルボキシル基を低減し、酸価を上記範囲に調整することもできる。
上記混合物の軟化点は、例えば、30℃以上、好ましくは、35℃以上、より好ましくは、40℃以上、更に好ましくは、60℃以上、特に好ましくは、65℃以上である。30℃以上であると、良好な破断伸び、ウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、該軟化点は、例えば、130℃以下、好ましくは、120℃以下、より好ましくは、100℃以下、更に好ましくは、90℃以下、特に好ましくは80℃以下である。130℃以下であると、分散が良好となり、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記混合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは、1質量部以上、より好ましくは、3質量部以上、更に好ましくは、5質量部以上、特に好ましくは、10質量部以上、最も好ましくは、15質量部以上である。0.1質量部以上であると、本発明の効果が得られる。また、該含有量は、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下、より好ましくは、30質量部以下である。50質量部以下であると、良好な低燃費性能を維持できる傾向がある。
なお、上記ゴム組成物は、上記混合物とは別に、樹脂を含有していてもよい。樹脂としては、タイヤ工業で汎用されているものであれば特に限定されず、クマロンインデン樹脂、α−メチルスチレン系樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、硫黄を含有する。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、使用後(酸化劣化後)でも、良好な引張性能、Hsが得られる傾向があり、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。5m/g以上であると、補強性が向上し、充分な破断伸びが得られる傾向がある。また、上記NSAは、300m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましく、150m/g以下が更に好ましい。300m/g以下であると、カーボンブラックの良好な分散が得られやすく、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部以上であると、十分な耐紫外線クラック性能、補強性を得ることができ、良好な破断伸びが得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは65質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。なお、耐摩耗性能が高度に求められる商用車用タイヤやトラック・バス用タイヤ(良路用)の場合は、30〜65質量部とすることが多い。
上記ゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、150m/g以上がより好ましい。70m/g以上にすることで、破断伸びが向上する傾向がある。また、該NSAは、300m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。300m/g以下にすることで、加工性能が改善される傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは7質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは60質量部以上、特に最も好ましくは80質量部以上である。7質量部以上であると、引張性能、低燃費性能が改善される傾向がある。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは140質量部以下、更に好ましくは135質量部以下、特に好ましくは130質量部以下である。200質量部以下であると、加工性能、ウェットグリップ性能、低燃費性能のバランスが改善される傾向がある。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が良好に得られる傾向がある点から、スルフィド系シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、添加による効果が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、プルロニック型非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。プルロニック型非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物とも呼ばれ、一般的には、下記式(I)で表わされる非イオン界面活性剤である。下記式(I)で表わされるように、プルロニック型非イオン界面活性剤は、両側にエチレンオキシド構造から構成される親水基を有し、この親水基に挟まれるように、プロピレンオキシド構造から構成される疎水基を有する。
Figure 2019031619
(式(I)中、a、b、cは整数を表す。)
プルロニック型非イオン界面活性剤のポリプロピレンオキシドブロックの重合度(上記式(I)のb)、及びポリエチレンオキシドの付加量(上記式(I)のa+c)は特に限定されず、使用条件・目的等に応じて適宜選択できる。ポリプロピレンオキシドブロックの割合が高くなる程ゴムとの親和性が高く、ゴム表面に移行する速度が遅くなる傾向がある。なかでも、非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、ポリプロピレンオキシドブロックの重合度(上記式(I)のb)は、好ましくは100以下であり、より好ましくは10〜70、更に好ましくは10〜60、特に好ましくは20〜60、最も好ましくは20〜45である。同様に、ポリエチレンオキシドの付加量(上記式(I)のa+c)は、好ましくは100以下であり、より好ましくは3〜65、更に好ましくは5〜55、特に好ましくは5〜40、最も好ましくは10〜40である。ポリプロピレンオキシドブロックの重合度、ポリエチレンオキシドの付加量が上記範囲内であると、非イオン界面活性剤のブルームを好適にコントロールでき、本発明の効果がより好適に得られる。
プルロニック型非イオン界面活性剤としては、BASFジャパン(株)製のプルロニックシリーズ、三洋化成工業(株)製のニューポールPEシリーズ、旭電化工業(株)製のアデカプルロニックL又はFシリーズ、第一工業製薬(株)製のエパンシリーズ、日油(株)製のプロノンシリーズ又はユニルーブ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プルロニック型非イオン界面活性剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。0.1質量部以上であると、より良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。5質量部以下であると、良好な低燃費性能、破断伸びが得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有することが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
上記ゴム組成物は、脂肪酸を含有することが好ましい。
脂肪酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等が挙げられ、本発明の効果が良好に得られる傾向があるという点から、ステアリン酸が好ましい。
脂肪酸としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
脂肪酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、オイルを含有してもよいし、高度なグリップ性能、耐摩耗性能を指向する場合は含有しなくてもよい。
オイルとしては、上記混合物において使用できるオイルと同様のものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという理由から、プロセスオイルが好ましく、アロマ系プロセスオイルがより好ましい。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有することが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、特に好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、有機過酸化物、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、ゴム粉などの充填剤等を例示できる。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、路面と接触するトレッド(キャップトレッド)に好適に用いられる。
(空気入りタイヤ)
上記空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ等に好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で使用した混合物1〜9について説明する。
<スチレン−(メタ)アクリル共重合体の製造>
(製造例1)
撹拌機、コンデンサー、温度計、不活性ガス導入管および滴下ロートを備えたフラスコに、溶剤としてトルエン100質量部を入れ、不活性ガス(窒素ガス)を導入し、100℃に昇温した。
その後、撹拌下、滴下ロートにモノマー成分として、スチレン75質量部(79モル%)、メタクリル酸イソボルニル10質量部(5モル%)、メタクリル酸メチル10質量部(11モル%)およびメタクリル酸エチル5質量部(5モル%)を仕込んだ。
さらに、モノマー成分に対して、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2質量部を加え、2時間かけて滴下した。
滴下終了後、重合開始剤を、適宜0.3質量部ずつ数回添加し、同温度のまま5時間反応させた。
これにより、スチレン−(メタ)アクリル共重合体1のトルエン溶液(50質量%)を得た。
スチレン−(メタ)アクリル共重合体1の重量平均分子量は、31455であった。
また、スチレン−(メタ)アクリル共重合体1の酸価は、0mgKOH/gであった。
(製造例2)
製造例1に対して、反応温度を105℃に変更し、最初に滴下する重合開始剤の量を3質量部に変更した以外は、製造例1と同じ方法により、スチレン−(メタ)アクリル共重合体2のトルエン溶液(50質量%)を得た。
スチレン−(メタ)アクリル共重合体2の重量平均分子量は、13901であった。
また、スチレン−(メタ)アクリル共重合体2の酸価は、0mgKOH/gであった。
(製造例3)
製造例1に対して、反応温度を108℃に変更し、最初に滴下する重合開始剤の量を5.5質量部に変更した以外は、製造例1と同じ方法により、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3のトルエン溶液(50質量%)を得た。
スチレン−(メタ)アクリル共重合体3の重量平均分子量は、8607であった。
また、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3の酸価は、0mgKOH/gであった。
<混合物の製造>
(混合物1)
撹拌装置、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置にトールロジン(未変性ロジン、製品名ハートール R−WW、ハリマ化成社製)を85質量部仕込み、180℃で溶解させた。
次いで、トールロジンにグリセリン9.2質量部を加え、窒素ガス気流下で、系内が260℃になるまで徐々に加熱し、同温度で4時間反応させ、トールロジンをグリセリンによりエステル変性させた。これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を含有するロジン類を、90.3質量部得た。
その後、系内を徐々に冷却して180℃に保ち、得られたトールロジンのエステル変性体に、製造例1のスチレン−(メタ)アクリル共重合体1の50質量%トルエン溶液、30質量部(すなわち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体1の固形分として15質量部)を滴下し、混合しながら溶媒をすべて留去した。
これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体1とを含有する混合物1を得た。
酸価は21.7mgKOH/gであった。
(混合物2)
撹拌装置、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置にトールロジン(未変性ロジン、製品名ハートール R−WW、ハリマ化成社製)を90質量部仕込み、180℃で溶解させた。
次いで、トールロジンにグリセリン9.7質量部を加え、窒素ガス気流下で系内が260℃になるまで徐々に加熱し、同温度で4時間反応させることにより、トールロジンをグリセリンによりエステル変性させた。これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を含有するロジン類を、95.6質量部得た。
その後、系内を徐々に冷却して180℃に保ち、得られたトールロジンのエステル変性体に、製造例2のスチレン−(メタ)アクリル共重合体2の50質量%トルエン溶液、20質量部(すなわち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体2の固形分として10質量部)を滴下し、混合しながら溶媒をすべて留去した。
これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体2とを含有する混合物2を得た。
酸価は19.1mgKOH/gであった。
(混合物3)
撹拌装置、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置にトールロジン(未変性ロジン、製品名ハートール R−WW、ハリマ化成社製)を95質量部仕込み、180℃で溶解させた。
次いで、トールロジンにグリセリン10.3質量部を加え、窒素ガス気流下で、系内が260℃になるまで徐々に加熱し、同温度で4時間反応させ、トールロジンをグリセリンによりエステル変性させた。これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を含有するロジン類を、100.9質量部得た。
その後、系内を徐々に冷却して180℃に保ち、得られたトールロジンのエステル変性体に、製造例3のスチレン−(メタ)アクリル共重合体3の50質量%トルエン溶液、10質量部(すなわち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3の固形分として5質量部)を滴下し、混合しながら溶媒をすべて留去した。
これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3とを含有する混合物3を得た。
酸価は22.6mgKOH/gであった。
(混合物4)
撹拌装置、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置にトールロジン(未変性ロジン、製品名ハートール R−WW、ハリマ化成社製)を95質量部仕込み、180℃で溶解させた。
次いで、トールロジンにグリセリン10.3質量部を加え、窒素ガス気流下で、系内が260℃になるまで徐々に加熱し、同温度で10時間反応させ、トールロジンをグリセリンによりエステル変性させた。これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を含有するロジン類を、100.5質量部得た。
その後、系内を徐々に冷却して180℃に保ち、得られたトールロジンのエステル変性体に、製造例3のスチレン−(メタ)アクリル共重合体3の50質量%トルエン溶液、10質量部(すなわち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3の固形分として5質量部)を滴下し、混合しながら溶媒をすべて留去した。
これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3とを含有する混合物4を得た。
酸価は9.8mgKOH/gであった。
(混合物5)
撹拌装置、冷却器、温度計および窒素導入管を備えた反応装置にトールロジン(未変性ロジン、製品名ハートール R−WW、ハリマ化成社製)を97.5質量部仕込み、180℃で溶解させた。
次いで、トールロジンにグリセリン10.6質量部を加え、窒素ガス気流下で、系内が260℃になるまで徐々に加熱し、同温度で4時間反応させ、トールロジンをグリセリンによりエステル変性させた。これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を含有するロジン類を、103.5質量部得た。
その後、系内を徐々に冷却して180℃に保ち、得られたトールロジンのエステル変性体に、製造例3のスチレン−(メタ)アクリル共重合体3の50質量%トルエン溶液、5質量部(すなわち、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3の固形分として2.5質量部)を滴下し、混合しながら溶媒をすべて留去した。
これにより、トールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)と、スチレン−(メタ)アクリル共重合体3とを含有する混合物5を得た。
酸価は20.3mgKOH/gであった。
(混合物6)
混合物4の製造過程で得られたトールロジンのエステル変性体(ロジンエステル類)を、スチレン−(メタ)アクリル共重合体と混合せず、そのまま単体であるが混合物6とした。
酸価は10.3mgKOH/gであった。
(混合物7)
スチレン−(メタ)アクリル共重合体3のトルエン溶液(50質量%)からトルエンを除去し、単体であるが混合物7とした。
酸価は0mgKOH/gであった。
(混合物8)
混合物4 85質量部を溶融下、液状クマロンインデン樹脂(Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10)15質量部を滴下して混合し、混合物8を得た。
酸価は7.8mgKOH/gであった。
(混合物9)
混合物4 95質量部を溶融下、液状クマロンインデン樹脂(Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10)5質量部を滴下して混合し、混合物9を得た。
酸価は8.8mgKOH/gであった。
得られた混合物1〜9の特性を以下の表1に示す。また、酸価、重量平均分子量の測定方法を以下に詳述する。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量均分子量(Mw)測定>
サンプルをテトラヒドロフランに溶解させ、試料濃度を5.0g/Lとして、示差屈折率検出器(RID)を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって測定し、サンプルの分子量分布を得た。
その後、得られたクロマトグラム(チャート)から、標準ポリスチレンを検量線として、サンプルの重量平均分子量(Mw)を算出した。測定装置および測定条件を以下に示す。
データ処理装置:品番GPC−101(昭和電工社製)
示差屈折率検出器:品番GPC−101に内蔵されたRI検出器
カラム:品番KF−803、KF−802、KF−801×2本(昭和電工社製)
移動相:テトラヒドロフラン
カラム流量:1.0mL/min
試料濃度:5.0g/L
注入量:100μL
測定温度:40℃
分子量マーカー:標準ポリスチレン(SHODEX STANDARD.昭和電工社製標
準物質)
<酸価(mgKOH/g)測定>
JIS K 5902(2006年)に準拠し、サンプルを化学天秤で0.5〜0.7g、100mlマイヤーに量り取り、中性溶剤(トルエン/メタノール=2:1)に完全に溶解させるまでよく振った後、1%フェノールフタレインを約5滴加え、N/5KOHにて滴定することにより、酸価を求めた。
なお、滴定の終点は、測定液が、微紅色となり30秒以内に消えなかった点とした。
Figure 2019031619
混合物1〜9以外の実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NS616:日本ゼオン(株)製のNS616(非油展SBR、スチレン量:20質量%、ビニル量:66質量%、Tg:−23℃、Mw:24万)
CB25:ランクセス社製のCB25(Nd系触媒を用いて合成した希土類系BR、Tg:−110℃)
N220:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(カーボンブラック、NSA:114m/g)
VN3:デグッサ社製のウルトラシルVN3(シリカ、NSA:175m/g)
Si75:デグッサ社製のSi75(シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
SE10:ハリマ化成(株)製のハリタックSE10(水添ロジンエステル樹脂、軟化点:82℃、酸価:6mgKOH/g、Mw:900)
TF:ハリマ化成(株)製のハリエスターTF(ロジンエステル樹脂、軟化点:80℃、酸価:8mgKOH/g、Mw:1000)
TO125:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンTO125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:125℃、酸価:0mgKOH/g、Mw:800、Tg:64℃)
4401:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4401(α−メチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体)、軟化点:85℃、酸価:0mgKOH/g、水酸基価:0mgKOH/g、Mw:700、Tg:43℃)
PE−64:三洋化成工業(株)製のニューポールPE−64(プルロニック型非イオン界面活性剤(PEG/PPG−25/30コポリマー)(上記式(I)のa+c:25、b:30))
パラフィンワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
ステアリン酸:日油(株)製の椿
AH−24:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(アロマ系プロセスオイル)
6PPD:住友化学(株)製のアンチゲン6C(老化防止剤、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
粉末硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(加硫促進剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(加硫促進剤、1,3−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表2に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を設定温度150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で10分間プレス加硫して試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を得た。なお、加硫ゴム試験片評価については、試験用タイヤのトレッド部からゴムを切り出して行った。
(ウェットグリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ウェットアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際における、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした(ウェットグリップ性能指数)。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れることを示す。表2では、指数が105以上の場合、ウェットグリップ性能が良好である。
(低燃費性能)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で、加硫ゴム試験片のtanδを測定し、比較例1を100として指数表示した(低燃費性能指数)。指数が大きいほど、低燃費性が優れることを示している。表2では、指数が100以上の場合、低燃費性能が良好である。
(破断伸び)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、加硫ゴムからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、加硫ゴム試験片の破断伸び(引張伸び;EB〔%〕)を常温で測定し、比較例1を100として指数表示した(破断伸び指数)。指数が大きいほど、破断伸びに優れることを示す。表2では、指数が110以上の場合、破断伸びが良好である。
(総合性能)
表2では、ウェットグリップ性能指数、低燃費性能指数及び破断伸び指数の平均を総合性能として評価した。指数が105以上の場合、総合性能が良好である。
Figure 2019031619
表2より、ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有する実施例は、良好なウェットグリップ性能、破断伸び及び低燃費性能を両立できることが明らかとなった。
実施例4、6、7間を比較すれば、クマロンインデン樹脂等の液状軟化剤を更に含む混合物8、9では、特に低燃費性能に優れることが明らかとなった。
実施例8、9間を比較すれば、本願の混合物は、TO125等のテルペン系樹脂やPE−64等の界面活性剤と併用しても、優れた性能が得られることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. ロジン類及び重量平均分子量3000以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体を含み、酸価2〜30mgKOH/gである混合物と、硫黄とを含有するゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記混合物において、前記ロジン類及び前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体の合計含有量100質量%中の前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体の含有量が2〜20質量%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記混合物の軟化点が30〜100℃である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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