JP2012236879A - タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】フィラーの分散性が改善され、低燃費性などの性能に優れたタイヤ用ゴム組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ゴム成分と有機溶媒とシリカ及び/又はカーボンブラックとの混合液を三本ロールミルで混練して得られるタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、その製造方法及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
一般にタイヤ用ゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用い、ゴムやフィラーを固体状態で混練することで作製されている。しかし、かかる方法では、フィラーの分散性が悪く、特に変性基を有する変性ゴムを用いた場合、分散性が極端に悪化してしまうため、破壊性能、摩耗性能、燃費性能などの性能を充分に得ることが困難である。
これらの性能のなかでも、近年では省資源や炭酸ガス排出抑制の規制強化の観点から燃費性能の向上が重要視され、フィラー分散性を高めることで該性能を向上することが望まれている。
特許文献1には、ジエン系ゴムの有機溶媒溶液、カーボンブラックなどから作製したウェットマスターバッチと、ジエン系ゴムとをバンバリーミキサーで混練するゴム組成物の製法が開示されている。しかし、フィラーの分散性、低燃費性の更なる改善が望まれており、三本ロールミルを用いて混練することも一切開示されていない。
特開2008−156419号公報
本発明は、前記課題を解決し、フィラーの分散性が改善され、低燃費性などの性能に優れたタイヤ用ゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と有機溶媒とシリカ及び/又はカーボンブラックとの混合液を三本ロールミルで混練して得られるタイヤ用ゴム組成物に関する。
本発明はまた、有機溶媒中にゴム成分とシリカ及び/又はカーボンブラックとを分散又は溶解させた混合液を調製する工程1、並びに上記混合液を三本ロールミルで混練する工程2を含む上記タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
上記ゴム成分が共役ジエン化合物系重合体を含むことが好ましい。また、上記共役ジエン化合物系重合体が変性基を有することが好ましい。
上記工程1におけるシリカ及びカーボンブラックの合計配合量が、該工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して10〜150質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と有機溶媒とシリカ及び/又はカーボンブラックとの混合液を三本ロールミルで混練して得られるタイヤ用ゴム組成物であるので、フィラーの分散性を改善でき、低燃費性などの性能を改善できる。
実施例3のゴム組成物のSEM写真を示す。 比較例3のゴム組成物のSEM写真を示す。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と有機溶媒とシリカ及び/又はカーボンブラックとの混合液を三本ロールミルで混練して得られるものである。
有機溶媒中にゴム成分、フィラーなどを溶解又は分散させ、フィラーが良好に分散した混合液を予め調製した上で、三本ロールミルを適用することで、良好な分散状態を維持しながら、有機溶媒を揮発させつつ混練できる。そのため、本発明では、バンバリーなどによる従来の固体状態の混練方法に比べ、フィラーの分散性を飛躍的に高めることができ、低燃費性などの性能を改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、具体的には、有機溶媒中にゴム成分とシリカ及び/又はカーボンブラックとを分散又は溶解させた混合液を調製する工程1、並びに該工程1で調製された混合液を三本ロールミルで混練する工程2を含む製造方法などにより調製できる。
(工程1)
工程1では、有機溶媒中にゴム成分とシリカ及び/又はカーボンブラックとを分散又は溶解させた混合液が調製される。
上記ゴム成分は、通常、共役ジエン化合物系重合体を含む。
上記共役ジエン化合物系重合体は、共役ジエン化合物を構成モノマーとするポリマーであれば特に限定されず、例えば、共役ジエン化合物と任意に芳香族ビニル化合物などの他のモノマーとを構成モノマーとするポリマーが挙げられる。
ここで、共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点から1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点からスチレンが特に好ましい。
上記共役ジエン化合物系重合体としては、変性基を有する変性ゴムを使用することが好ましく、例えば、下記一般式で表される窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有する変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)を好適に使用できる。変性ゴムを用いて固体状態でバンバリーミキサーで混練すると、一般にフィラー分散性が悪くなり、所望の低燃費性が得られない傾向があるが、変性ゴムなどを含む混合液を三本ロールミルを用いて混練することで分散性を効率的に高め、低燃費性などの性能を顕著に改善できる。
下記一般式;
(式中、Rは水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基又は炭素数5〜30の芳香族炭化水素基を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素、
又は
であり、少なくともR及びRのいずれかは水素ではない。Rは水素又は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。Xは2価の飽和炭化水素基を表し、窒素、酸素又は硫黄を含んでいてもよく、
又は
で置換されていてもよい。Zは2価の飽和炭化水素基を表し、窒素、酸素又は硫黄を含んでいてもよい。R〜Rは、同一若しくは異なって、水素、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環族炭化水素基、炭素数5〜30の芳香族炭化水素基、又は環構成原子数3〜30の複素環基を表す。)で表される窒素含有化合物に由来する構成単位を主鎖中に有する変性SBR又は変性BR。
上記変性SBRとしては、例えば、特開2010−116545号公報、特開2010−116546号公報に記載のものを使用できる。また、上記変性BRとしては、例えば、特開2010−132872号公報に記載のものを使用できる。
Xで表される飽和炭化水素基が窒素、酸素又は硫黄を含む形態としては、例えば、(CR1011−NR12−(CR1314、(CR1011−O−(CR1314、(CR1011−S−(CR1314などが挙げられる。R10〜R14は、同一若しくは異なって、水素、炭素数1〜30(好ましくは1〜5)の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30(好ましくは3〜10)の脂環族炭化水素基又は炭素数5〜30の芳香族炭化水素基(好ましくは5〜10)を表す。m及びnは1〜9(好ましくは1〜6)の整数を表す。mが2以上の場合、複数の(CR1011)のそれぞれは同じであっても異なってもよく、nが2以上の場合、複数の(CR1314)のそれぞれは同じであっても異なってもよい。
Zで表される飽和炭化水素基が窒素、酸素又は硫黄を含む形態についても、Xで表される飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
シリカをより良好に分散できるという点から、Rは、水素又は炭素数1〜2の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。また、Rは、水素又は炭素数1〜2の炭化水素基であることが好ましい。また、R〜Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基であることが好ましく、脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。また、R10〜R14は、水素又は炭素数1〜2の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上記変性SBR、変性BRは、ブタジエン(1,3−ブタジエン)、上記一般式で表される窒素含有化合物(モノマー)、及び必要に応じてスチレンを共重合して得られる共重合体であって、該窒素含有化合物に由来する構成単位は、主鎖部に含まれている。
上記一般式で表される窒素含有化合物としては、例えば、3−または4−(2−アゼチジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ピロリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ピペリジノエチル)スチレン、3−または4−(2−ヘキサメチレンイミノエチル)スチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を組み合わせて用いても良い。なかでも、シリカをより良好に分散できるという点から、3−または4−(2−ピロリジノエチル)スチレンが好ましい。
上記変性SBR、変性BRは、少なくとも一方の末端が、窒素、酸素、ケイ素の中からなる群より選択される少なくとも1種を含む官能基を有する変性剤で変性されていることが好ましく、両末端が該変性剤で変性されていることがより好ましい。これにより、低燃費性などの性能の改善効果を高めることができる。
上記変性剤が有する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ピリジル基などが挙げられ、好ましくはアミノ基、アルコキシシリル基である。また、上記変性剤としては、例えば、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、四塩化ケイ素などが挙げられ、好ましくは3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランである。
上記変性SBR、変性BRにおける窒素含有化合物の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。0.05質量%未満では、低燃費性の改善効果が得られにくい傾向がある。また、該含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。10質量%を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
上記変性SBR、変性BRの重量平均分子量Mwは、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは2.0×10以上である。1.0×10未満では、低燃費性が悪化する傾向がある。また、該Mwは、好ましくは2.0×10以下、より好ましくは1.5×10以下である。2.0×10を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量Mwは、後述の実施例に記載の方法により測定される。
工程1で使用するゴム成分100質量%中、上記変性ゴムの配合量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは55質量%以上である。また、該配合量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。このような配合量であると、フィラーの分散性が効率的に改善でき、優れた低燃費性が得られる傾向がある。
他に使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)などが挙げられる。なかでも、低燃費性の点から、NRを上記変性ゴムと併用することが好ましい。
工程1で使用するゴム成分100質量%中、NRの配合量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。また、該配合量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。このような配合量とすることで、低燃費性を改善できる。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは120m/g以上である。100m/g未満であると、補強効果が小さく、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは230m/g以下である。250m/gを超えると、シリカ分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し、燃費性能が低下する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される。
工程1におけるシリカの配合量は、工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。5質量部未満では、転がり抵抗特性やゴム強度が低下するおそれがある。また、該配合量は好ましくは120質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。120質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
工程1では、シランカップリング剤を配合することが好ましい。これにより、優れた低燃費性が得られる。シランカップリング剤としては、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。ここで、工程1におけるシランカップリング剤の配合量は、工程1で配合されるシリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは4質量部以上であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。50m/g未満では、十分な補強性が得られず、耐摩耗性が低下する傾向がある。該NSAは200m/g以下が好ましく、120m/g以下がより好ましい。200m/gを超えると、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
工程1におけるカーボンブラックの配合量は、工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満であると、十分な補強性が得られないおそれがある。該配合量は好ましくは50質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。50質量部を超えると、低燃費性が低下する傾向がある。
工程1におけるシリカ及びカーボンブラックの合計配合量は、工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは70質量部以上である。10質量部未満であると、フィラーが少なく、フィラー分散性の改善による低燃費性の改善効果が十分に得られないおそれがある。該合計配合量は好ましくは150質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
また工程1では、上記のゴム成分やフィラーとともに、他の材料も分散又は溶解させることが好ましい。他の材料としては、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、硫黄、加硫促進剤などのタイヤ工業において一般的に用いられている各種材料が挙げられる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などが挙げられる。
工程1におけるオイルの配合量は、工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。5質量部未満であると、充分な加工性が得られない傾向がある。該配合量は好ましくは40質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。40質量部を超えると、低燃費性が低下する傾向がある。
工程1における有機溶媒としては、ゴム成分やフィラーを溶解又は分散できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチルモノエチルエーテル等のエステル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロリド、エチレンクロリド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロビドリン、ジクロロベンゼン等の塩素含有系溶剤などが挙げられる。なかでも、フィラーの分散性の点から、トルエン、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
工程1では、上記材料(ゴム成分、有機溶媒、シリカ、カーボンブラックなど)を有機溶媒中で公知の方法により混合し、該材料を分散又は溶解させることにより、混合液を調製できる。なお、有機溶媒量は、分散性や溶解性を考慮して適宜設定すればよい。
(工程2)
工程2では、前記工程1で得られた混合液が三本ロールミルで混練される。これにより、フィラーが良好に分散したゴム組成物が得られる。
混練に使用される三本ロールミルとしては特に限定されず、公知の三本ロールミルを使用できる。三本ロールミルは、三本のロール(後ロール、中ロール、前ロール)を備え、互いに異なる方向・速度比で回転・接触し圧力・せん断力を与え材料を混練(分散)する。このような三本ロールミルとしては、(株)井上製作所製の三本ロールミルなどが挙げられる。
工程2では、混合液を三本ロールミルに投入し、混合液中の有機溶媒が揮発するまでせん断力を徐々に印加しながらロール混練することが好ましい。混練温度、時間は、適宜設定できるが、通常、0〜100℃、3〜120分間である。混練の最大せん断力は、30〜70kg/cmが好ましい。また、ロール間隔、ロール回転数は適宜設定すればよい。
本発明のゴム組成物は、工程2のロール混練により得られた混練物を公知の方法で加硫することにより調製できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド(特にキャップトレッド)、サイドウォールに好適に使用できる。
本発明のゴム組成物を用い、通常の方法で本発明の空気入りタイヤを製造できる。すなわち、前記ゴム組成物を用いてトレッドなどのタイヤ部材を作製し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成型機上にて加熱加圧することにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤなどとして好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとしてより好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、モノマー(1)の合成で用いた各種薬品について説明する。
シクロへキサン:関東化学(株)製
ピロリジン:関東化学(株)製
ジビニルベンゼン:シグマアルドリッチ社製
1.6M n−ブチルリチウムへキサン溶液:関東化学(株)製
イソプロパノール:関東化学(株)製
製造例1(モノマー(1)の合成)
十分に窒素置換した100ml容器に、シクロヘキサン50ml、ピロリジン4.1ml、ジビニルベンゼン8.9mlを加え、0℃にて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.7mlを加えて撹拌した。1時間後、イソプロパノールを加えて反応を停止させ、抽出・精製を行うことでモノマー(1)を得た。
以下に、重合体(1)〜(3)の合成で用いた各種薬品について説明する。
シクロヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製
1.6M n−ブチルリチウムへキサン溶液:関東化学(株)製
変性剤:アヅマックス社製の3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
イソプロパノール:関東化学(株)製
製造例2(重合体(1)の合成)
十分に窒素置換した1000ml耐圧製容器に、シクロヘキサン600ml、スチレン12.6ml、ブタジエン71.0ml、モノマー(1)0.06g、テトラメチルエチレンジアミン0.11mlを加え、40℃で1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液0.2mlを加えて撹拌した。3時間後、変性剤を0.5ml加えて撹拌した。1時間後、イソプロパノール3mlを加えて重合を停止させた。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、メタノールで再沈殿処理を行い、加熱乾燥させて重合体(1)を得た。
製造例3(重合体(2)の合成)
モノマー(1)を0.17gとした以外は、製造例2と同様にして重合体(2)を得た。
製造例4(重合体(3)の合成)
モノマー(1)を0.29gとした以外は、製造例2と同様にして重合体(3)を得た。
(重量平均分子量Mwの測定)
重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用いて測定した。校正は、標準ポリスチレンによって行った。
(重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量の測定)
重合体中の窒素含有化合物誘導体モノマー量は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて測定した。
以下、実施例及び比較例で使用した材料について説明する。
NR:RSS#3
重合体(1):主鎖及び末端変性SBR(製造例2にて製造、Mw:5.0×10、窒素含有化合物誘導体モノマー量:0.1質量%)
重合体(2):主鎖及び末端変性SBR(製造例3にて製造、Mw:5.0×10、窒素含有化合物誘導体モノマー量:0.3質量%)
重合体(3):主鎖及び末端変性SBR(製造例4にて製造、Mw:5.0×10、窒素含有化合物誘導体モノマー量:0.5質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
アロマオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH40
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
有機溶媒:和光純薬工業(株)製のトルエン
実施例1〜3
表1に示す配合内容に従い、材料を有機溶媒(トルエン)中に常温(25℃)で溶解、分散させて、混合液を調製した。調製した混合液を三本ロールミル((株)井上製作所製のS−7X16)に流し込み、有機溶媒が揮発するまで、せん断力を徐々に印加しながらロール混練を行い(最終的に印加したせん断力:50kg/cm)、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物(加硫物)を得た。
比較例1〜3
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫することにより、加硫物を得た。
比較例4
有機溶媒を使用せず、材料の混合物を三本ロールミルに流し込んだ以外は、実施例3と同様にして加硫物を得た。
得られた加硫物について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(フィラー分散性の評価)
作製した加硫物を、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM/フィリップ社製XL30 ESEM)を用いて観察した。視野中に存在するフィラーサイズの平均値を算出し、比較例1を3点として、5点満点でフィラー分散性を評価した。点数が高いほどフィラーサイズが小さく、分散性が高いことを示す。
(低燃費性の評価)
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃でtanδを測定した。tanδの逆数の値について比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費であることを示す。
比較例では白い塊(フィラー)を確認できたのに対し、実施例では塊が確認出来ないほど分散性が向上した(図1〜2)。特に変性基量が多い重合体(3)を用いた場合、従来の混練方法では分散性がかなり悪いが、三本ロールミルを用いて混練することで分散性が向上することが明らかとなった(実施例3、比較例3)。また、実施例では、優れた低燃費性が得られた。

Claims (6)

  1. ゴム成分と有機溶媒とシリカ及び/又はカーボンブラックとの混合液を三本ロールミルで混練して得られるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 有機溶媒中にゴム成分とシリカ及び/又はカーボンブラックとを分散又は溶解させた混合液を調製する工程1、並びに
    前記混合液を三本ロールミルで混練する工程2を含む請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記ゴム成分が共役ジエン化合物系重合体を含む請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記共役ジエン化合物系重合体が変性基を有する請求項3に記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記工程1におけるシリカ及びカーボンブラックの合計配合量が、該工程1で配合されるゴム成分100質量部に対して10〜150質量部である請求項2〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. 請求項1に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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