JP5689730B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物の製造方法、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法、該製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の低燃費化に対する要求はますます厳しくなり、自動車用タイヤについても、転動抵抗を小さくすることにより、低燃費化に寄与することが要求されている。この要求に応えるため、タイヤ用ゴム組成物の低発熱化(低燃費性の改善)が検討されている。
低燃費性を改善する方法として、シリカ及びシランカップリング剤を併用する方法が知られている。近年では、低燃費性をより改善する方法として、反応性の高いメルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプト系シランカップリング剤)の使用が検討されている。しかし、メルカプト系シランカップリング剤は、良好な低燃費性が得られる一方で、加工性が悪化する傾向がある。
低燃費性を改善する他の方法として、シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴムを配合する方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、良好な低燃費性が得られる一方で、加工性が悪化する傾向がある。
このように、メルカプト系シランカップリング剤や変性ジエン系ゴムを配合した場合に、良好な低燃費性が得られるものの、これらを配合したことにより得られる良好な低燃費性を維持しつつ、更に良好な加工性も確保する点については改善の余地がある。
特開2002−114872号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られるタイヤ用ゴム組成物の製造方法、該製造方法により得られるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、酸化亜鉛と、加硫剤とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する工程を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練するベース練り工程と、
ベース練り工程により得られた混練物と、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する仕上げ練り工程を含むことが好ましい。
本発明はまた、上記タイヤ用ゴム組成物の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部、酸化亜鉛を0.1〜3.0質量部、シリカ100質量部に対して、メルカプト基を有するシランカップリング剤を0.1〜30質量部含むことが好ましい。
本発明はまた、上記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、酸化亜鉛と、加硫剤とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する工程を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、変性ジエン系ゴム、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合したことにより得られる良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に良好な加工性も確保でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られるタイヤ用ゴム組成物を製造できる。従って、該ゴム組成物をキャップトレッドなどのタイヤ部材に使用することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能に優れ、かつ製造が容易な空気入りタイヤを提供できる。
本発明は、シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴム(以下においては、単に変性ジエン系ゴムともいう)と、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、酸化亜鉛と、加硫剤とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する工程を含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法である。
ゴム組成物の混練工程は、一般的に、加硫剤及び加硫促進剤以外の薬品を混練するベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤及び加硫促進剤を添加して混練する仕上げ練り工程とで構成され、例えば、酸化亜鉛、変性ジエン系ゴム、メルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプト系シランカップリング剤)を含むゴム組成物では、酸化亜鉛、変性ジエン系ゴム、メルカプト系シランカップリング剤はベース練り工程において混練されていたため、加工性が悪化するという問題があった。
これに対し、本発明では、酸化亜鉛をベース練り工程ではなく、仕上げ練り工程において、加硫剤と共に混練するため、変性ジエン系ゴム、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合した場合であっても、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に加工性の悪化を抑制でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られる。これは、酸化亜鉛の亜鉛と加硫剤の硫黄とが反応し、硫化亜鉛が形成されることによるものと推測される。
本発明のゴム組成物は、例えば、上記変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練するベース練り工程と、ベース練り工程により得られた混練物と、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する仕上げ練り工程を含む製造方法により好適に得られる。
(ベース練り工程)
ベース練り工程では、上記変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練し、酸化亜鉛は混練しない。混練方法としては特に限定されず、バンバリーミキサー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される混練機を使用できる。なお、以下に述べる混練工程でも同様の混練機を使用できる。
ベース練り工程の混練温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは140℃以上であり、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは180℃以下である。混練温度が低すぎると、シランカップリング剤とシリカの反応が十分に進まず、シリカを良好に分散させることができなくなり、低燃費性、ウェットグリップ性能の向上効果が小さくなる傾向がある。一方、混練温度が高すぎると、ムーニー粘度が上昇し、加工性が悪化する傾向がある。
ベース練り工程の混練時間は特に限定されないが、通常30秒以上であり、好ましくは1〜30分間である。
ベース練り工程では、上記変性ジエン系ゴム、シリカ、メルカプト基を有するシランカップリング剤以外にも、上記変性ジエン系ゴム以外のゴム成分、カーボンブラック、オイル、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、粘着付与やグリップ性能の向上を目的に配合されるレジン等を混練してもよい。
また、ベース練り工程は、前述の成分をすべて1工程で混練してもよいが、2以上のベース練り工程に分けて、各工程で各成分の全部又は一部を混練してもよい。
なかでも、ベース練り工程は、上記変性ジエン系ゴムの全部と、一部のシリカと、一部のメルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物と、残りのシリカと、残りのメルカプト基を有するシランカップリング剤と、その他の成分(ステアリン酸、ワックス、老化防止剤などの全部)とを混練するベース練り工程2とを含むことが好ましい。これにより、シリカの分散性がより向上し、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能、加工性が得られる。
ベース練り工程1において投入(混練)されるシリカの量は、本発明のゴム組成物に配合されるシリカ100質量%中、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
また、ベース練り工程1において投入(混練)されるメルカプト基を有するシランカップリング剤の量は、ベース練り工程1において投入(混練)されるシリカの量に応じて決めればよいが、本発明のゴム組成物に配合されるメルカプト基を有するシランカップリング剤100質量%中、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴムとしては、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、シリカと相互作用する官能基(好ましくは、窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基)を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴムや、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等があげられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、低燃費性、ウェットグリップ性能の向上効果が高く、本発明において、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に良好な加工性も確保できるという理由から、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)、水酸基、エポキシ基が好ましい。
上記官能基が導入されるジエン系ゴム(上記変性ジエン系ゴムの骨格を構成するポリマー)としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。なかでも、IR、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましい。なお、以下において、上記変性ジエン系ゴムの骨格を構成するポリマーがBR、SBRの変性ジエン系ゴムをそれぞれ変性BR、変性SBRともいう。
SBR、BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。例えば、SBRとしては、乳化重合SBR(S−SBR)、溶液重合SBR(E−SBR)などを、BRとしては、高シスBR、高トランスBRなどを使用できる。
上記変性剤としては、下記式(1)で表される化合物(特開2010−111753号公報に記載の化合物)が好ましい。これにより、ポリマーの分子量をコントロールし易く、tanδを増大させる低分子量成分を少なくすることができ、シリカとポリマー鎖の結合を強め、ウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性をより向上できる。
Figure 0005689730
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)、又は環状エーテル基(好ましくはエーテル結合を1つ有する炭素数3〜5の環状エーテル基(例えば、オキセタン基))を表す。pは整数(好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3)を表す。)
、R及びRとしては、アルコキシ基が望ましく、R及びRとしては、アルキル基が望ましい。これにより、優れたウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性を得ることができる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるジエン系ゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報、特表2003−514078号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ジエン系ゴムと変性剤とを接触させればよく、アニオン重合によりジエン系ゴムを合成した後、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加し、ジエン系ゴムの重合末端(活性末端)と変性剤とを反応させる方法、ジエン系ゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法などが挙げられる。
また、上記主鎖変性ジエン系ゴムは、従来公知の手法を用いて重合できる。例えば、重合に使用するモノマーの一部として、上記官能基を有するモノマー(例えば、p−メトキシスチレン等)を使用して重合することにより得られる。また、上記主鎖末端変性ジエン系ゴムは、例えば、上記主鎖変性ジエン系ゴムと変性剤とを接触させることにより得られる。
上記変性ジエン系ゴムのなかでも、低燃費性、ウェットグリップ性能の向上効果が高く、本発明に適用した場合に、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に良好な加工性も確保できるという理由から、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)された末端変性ジエン系ゴムが好ましく、少なくとも一方の末端を上記式(1)で表される化合物で変性された変性BR、上記多官能化合物により変性(カップリング)された変性SBRがより好ましい。なお、このような変性SBRとしては、旭化成ケミカルズ(株)製のアサプレンE15等を使用することができる。
変性BRのビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、低燃費性が低下するおそれがある。上記ビニル含量の下限は特に限定されないが、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上であってもよい。
なお、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
変性SBRのビニル含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。ビニル含量が5質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該ビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。ビニル含量が90質量%を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、変性SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
変性SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。スチレン含量が5質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。スチレン含量が90質量%を超えると、発熱性が著しく上昇し、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、変性SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
上記変性ジエン系ゴム以外に使用できるゴム成分としては、例えば、上記ジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記変性ジエン系ゴムとして、変性SBRを使用する場合は、変性SBRと、BR、変性BR及び/又はNRとを併用することが好ましい。また、上記変性ジエン系ゴムとして、変性BRを使用する場合は、良好なウェットグリップ性能及び破壊強度を確保するため、変性BRと、SBR、変性SBR及び/又はNRとを併用することが好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)、コロイダルシリカ等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは50m/g以上である。30m/g未満では、補強効果が小さく、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは400m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。400m/gを超えると、シリカの分散性が低下し、充分な低燃費性、耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、下記式(2)で示される結合単位Aと下記式(3)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤(結合単位Bは必須単位で、結合単位Aは任意単位)等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、メルカプト基を有するとは、SH基を有することを意味する。また、メルカプト基を有するシランカップリング剤と共に、メルカプト基を有さないシランカップリング剤(例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等)を使用してもよい。
Figure 0005689730
Figure 0005689730
(式中、xは0以上の整数である。yは1以上の整数である。R11は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R12は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R11とR12とで環構造を形成してもよい。)
メルカプト系シランカップリング剤のなかでも、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られるという理由から、上記式(2)で示される結合単位Aと上記式(3)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤(上記式(3)で示される結合単位Bと、必要に応じて上記式(2)で示される結合単位Aからなるシランカップリング剤)が好ましい。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤は、結合単位Aと結合単位Bとの合計量に対して、結合単位Bを1〜70モル%の割合で共重合したものが好ましい。
結合単位Aと結合単位Bのモル比が上記条件を満たす場合、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのポリスルフィドシランに比べ、加工中の粘度上昇が抑制される。これは結合単位Aのスルフィド部分がC−S−C結合であるため、テトラスルフィドやジスルフィドに比べ熱的に安定であることから、ムーニー粘度の上昇が少ないためと考えられる。
また、結合単位Aと結合単位Bのモル比が上記条件を満たす場合、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシランに比べ、スコーチ時間の短縮が抑制される。これは結合単位Bはメルカプトシランの構造を持っているが、結合単位Aの−C15部分が結合単位Bの−SH基を覆うためポリマーと反応しにくく、スコーチが発生しにくいためと考えられる。
11のハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素などが挙げられる。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等が挙げられる。該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基等が挙げられる。該アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、1−オクテニレン基等が挙げられる。該アルケニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、へプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基等が挙げられる。該アルキニル基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
11、R12の分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、へプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基、ドデシニレン基等が挙げられる。該アルキニレン基の炭素数は、好ましくは2〜12である。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。この範囲内、かつ、xが1以上であると、結合単位Bのメルカプトシランを、結合単位Aの−C15が覆うため、スコーチタイムが短くなることを抑制できるとともに、シリカやゴム成分との良好な反応性を確保することができる。
上記結合単位Aと結合単位Bからなるシランカップリング剤としては、例えば、Momentive社製のNXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z60、NXT−Z100等を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなどを用いることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。NSAが50m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。NSAが200m/gを超えると、未加硫時の粘度が非常に高くなり、加工性が悪化する傾向がある。また、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などが挙げられる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。オイルをベース練り工程で混練することにより、仕上げ練工程で混練される酸化亜鉛の分散性をより向上でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をよりバランスよく得られる。
(仕上げ練り工程)
仕上げ練り工程では、ベース練り工程で得られた混練物を冷却した後、ベース練り工程により得られた混練物と、酸化亜鉛と、加硫剤と、必要に応じて加硫促進剤とを混練し、未加硫ゴム組成物を得る。混練方法としては特に限定されず、ベース練り工程と同様の方法を使用できる。本発明では、酸化亜鉛と、加硫剤とを同じ工程で投入し、混練することにより、変性ジエン系ゴム、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合したことにより得られる良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に良好な加工性も確保でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られる。
なお、ベース練り工程で得られた混練物を冷却する温度は、通常100℃以下であり、好ましくは20〜80℃である。
仕上げ練り工程の混練温度は、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下である。110℃を超えると、ゴム焼け(スコーチ)が生じるおそれがある。混練温度の下限は特に限定されないが、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上である。
仕上げ練り工程の混練時間は特に限定されないが、通常30秒以上であり、好ましくは1〜30分間である。
なお、1工程の仕上げ練り工程で、酸化亜鉛を良好に分散できない場合は、仕上げ練り工程を、ベース練り工程により得られた混練物と、酸化亜鉛と、加硫剤とを混練する仕上げ練り工程1と、仕上げ練り工程1により得られた混練物と、加硫促進剤とを混練する仕上げ練り工程2とから構成してもよい。これにより、酸化亜鉛の分散性を向上でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られる。
加硫剤としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できるが、硫黄原子を含むものが好ましい。
本発明の効果が良好に得られるという点から、加硫剤としては、硫黄が好ましく、粉末硫黄がより好ましい。また、硫黄は、他の加硫剤と併用してもよい。他の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS(1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のVulcuren KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)などの硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物などが挙げられる。
酸化亜鉛としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。例えば、表面活性の高い粒径5μm以下のものを用いることができる。具体的には、粒径が0.02〜0.2μmの活性亜鉛華や、0.3〜1μmの亜鉛華などを挙げることができる。
本明細書において、粒径とは、粉体層(酸化亜鉛を充填した層)に対する流体(空気)の透過性から粉体(酸化亜鉛)の比表面積を測定し、測定した比表面積を基に、酸化亜鉛の形状を球と仮定して算出される直径(平均粒径)を意味する。この方法の基礎となるのは粉体層を構成する全粒子の濡れ表面積と、そこを透過する流体(空気)の流速および圧力降下の関係を示すコゼニー・カーマン(Kozeny−Carmann)の式であり、装置によって定められた条件で充填された粉体層に対する流速と圧力降下を測定して、試料の比表面積を求める。この方法は充填された粉体粒子の間隙を細孔と見たてて、空気の流れに抵抗となる粒子群の濡れ表面積を求めるものである。
酸化亜鉛は、難分散性の薬品であるため、ゴム成分と酸化亜鉛を混合したマスターバッチを予め作成しておき、該マスターバッチを仕上げ練り工程において投入、混練することとしてもよい。これにより、酸化亜鉛の分散性がより向上し、引張強度の改善を図ることもできる。なお、マスターバッチを調整する際に使用するゴム成分としては、特に限定されないが、良好な加工性が得られるという理由から、天然ゴムが好ましい。
加硫促進剤としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
(加硫工程)
仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物を公知の方法で加硫することにより、本発明のタイヤ用ゴム組成物が得られる。加硫温度は、本発明の効果が良好に得られるという点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上であり、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。加硫時間は、本発明の効果が良好に得られるという点から、好ましくは5〜30分間である。
(タイヤ用ゴム組成物)
上記製造方法などにより得られる本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の上記変性ジエン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。また、上記変性ジエン系ゴムの含有量は、100質量%であってもよいが、良好な加工性、ウェットグリップ性能、機械的強度及び耐摩耗性が得られるという点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
ゴム成分100質量%中の変性SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。また、変性SBRの含有量は、100質量%であってもよいが、良好な加工性及び耐摩耗性が得られるという点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な低燃費性、耐摩耗性及び耐クラック性が得られないおそれがある。また、変性BRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。80質量%を超えると、充分な機械強度及びウェットグリップ性能が得られないおそれがある。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。10質量部未満では、充分なウェットグリップ性能、低燃費性が得られない傾向がある。また、シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下である。150質量部を超えると、シリカの再凝集により加工性が悪化し、さらに耐摩耗性も低下する傾向がある。
メルカプト基を有するシランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。0.1質量部未満では、充分なシリカの分散性が得られず、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、メルカプト基を有するシランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。30質量部を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
カーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。50質量部を超えると、低燃費性、加工性が悪化する傾向がある。
シリカ及びカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。50質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能、低燃費性が得られない傾向がある。また、シリカ及びカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有量の上限は、特に限定されないが、補強性を向上させるために、97質量%以下であることが好ましい。
オイルを配合する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、酸化亜鉛の分散性が充分に得られず、充分な低燃費性、ウェットグリップ性能、加工性が得られないおそれがある。また、オイルの含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。50質量部を超えると、ウェットグリップ性能が悪化するおそれがある。
加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。上記範囲内であれば、本発明の効果が良好に得られるとともに、良好な引張強度、耐摩耗性及び耐熱性も得られる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。上記範囲内であれば、本発明の効果がより良好に得られる。
本発明のゴム組成物は、上述の成分以外に、活性剤、可塑剤、滑剤、充填剤など、タイヤ工業において一般的に用いられている各種材料が適宜配合されていてもよい。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形することにより未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧して製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR1(変性SBR):旭化成ケミカルズ(株)製のアサプレン E15(分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された変性S−SBR、スチレン含量:23質量%、ビニル含量:63質量%)(シリカ用変性)
SBR2:日本ゼオン(株)製のNipol 1502(E−SBR、非変性、スチレン含量:23.5質量%、Tg:−25℃)
BR1:宇部興産(株)製のBR150B(非変性)
BR2(変性BR):住友化学 (株)製の末端変性BR(シス含量:27質量%、ビニル含量:15質量%、上記式(1)において、R、R及びR=−OCH、R及びR=−CHCH、p=3の化合物により末端が変性)(シリカ用変性)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:125m/g)
シランカップリング剤1:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
シランカップリング剤2:Momentive社製のNXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(上記式(2)、(3)において、結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛1:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号(粒径0.6μm)
酸化亜鉛2:本荘ケミカル社製の活性亜鉛華#1(粒径0.3μm)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のJOMOプロセスX140(アロマ系プロセスオイル)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
Vulcuren KA9188:ランクセス社製のVP KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例
実施例では、表1に示す各工程で各成分の全量又は半量を配合し、加硫剤(硫黄、Vulcuren KA9188)と、酸化亜鉛を仕上げ練り工程において投入、混練した。
具体的には、バンバリーミキサーを用いて、表2に示す配合量のゴム成分、表2に示す配合量の半量のシリカ及びシランカップリング剤を投入して、160℃で3分間混練した(ベース練り工程1)。
次に、ベース練り工程1により得られた混練物(混練物1)を40℃まで冷却後、混練物1に対して、表2に示す配合量のカーボンブラック、アロマオイル、ステアリン酸、表2に示す配合量の半量のシリカ及びシランカップリング剤を投入して、160℃で3分間混練した(ベース練り工程2)。
次に、ベース練り工程2により得られた混練物(混練物2)を40℃まで冷却後、混練物2に対して、表2に示す配合量の硫黄、酸化亜鉛、Vulcuren KA9188及び加硫促進剤を加え、オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分間混練して、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た(加硫工程)。
比較例
比較例では、表1に示す各工程で各成分の全量又は半量を配合し、酸化亜鉛をベース練り工程2において投入、混練し、加硫剤(硫黄)を仕上げ練り工程において投入、混練した。
具体的には、バンバリーミキサーを用いて、表2に示す配合量のゴム成分、表2に示す配合量の半量のシリカ及びシランカップリング剤を投入して、160℃で3分間混練した(ベース練り工程1)。
次に、ベース練り工程1により得られた混練物(混練物1)を40℃まで冷却後、混練物1に対して、表2に示す配合量のカーボンブラック、アロマオイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、表2に示す配合量の半量のシリカ及びシランカップリング剤を投入して、160℃で3分間混練した(ベース練り工程2)。
次に、ベース練り工程2により得られた混練物(混練物2)を40℃まで冷却後、混練物2に対して、表2に示す配合量の硫黄及び加硫促進剤を加え、オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分間混練して、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た(加硫工程)。
Figure 0005689730
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを用いて、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
(転がり抵抗指数)
(株)上島製作所製のスペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃で上記加硫ゴムシートのtanδを測定した。tanδの逆数の値について、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)
スタンレー社製のポータブルスキッドテスターを用いてASTM E303−83の方法に従って上記加硫ゴムシートの最大摩擦係数を測定し、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(各配合の最大摩擦係数)/(比較例1の最大摩擦係数)×100
(加工性指数)
JIS K6300の未加硫ゴム物理試験方法のムーニースコーチ試験の記述に従って130.0±0.5℃での未加硫ゴム組成物のML1+4を測定し、比較例1の結果を100として指数表示した。指数が小さいほど、ムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。今回の評価では、指数が130以上になると、混練工程や押し出し工程での加工が困難である。
Figure 0005689730
表2より、加硫剤(硫黄、Vulcuren KA9188)と、酸化亜鉛を仕上げ練り工程において投入、混練した実施例では、変性ジエン系ゴム、メルカプト基を有するシランカップリング剤を配合したことにより得られる良好な低燃費性、ウェットグリップ性能を維持しつつ、更に良好な加工性も確保でき、低燃費性、ウェットグリップ性能及び加工性をバランスよく得られた。一方、酸化亜鉛をベース練り工程2において投入、混練し、加硫剤(硫黄)を仕上げ練り工程において投入、混練した比較例では、実施例に比べて加工性が大幅に劣っていた。

Claims (5)

  1. シリカとの相互作用を有する変性ジエン系ゴムと、シリカと、メルカプト基を有するシランカップリング剤と、酸化亜鉛と、加硫剤とを含むタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    前記変性ジエン系ゴムの全部と、一部の前記シリカと、一部の前記メルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練するベース練り工程1と、
    前記ベース練り工程1により得られた混練物と、残りの前記シリカと、残りの前記メルカプト基を有するシランカップリング剤とを混練するベース練り工程2と、
    前記ベース練り工程2により得られた混練物と、前記酸化亜鉛と、前記加硫剤とを混練する仕上げ練り工程とを含み、
    前記変性ジエン系ゴムが、少なくとも一方の末端を下記式(1)で表される化合物で変性された末端変性BR、及び/又は、少なくとも一方の末端を分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性された末端変性SBRであり、
    前記メルカプト基を有するシランカップリング剤が、下記式(2)で示される結合単位Aと下記式(3)で示される結合単位Bからなるシランカップリング剤であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0005689730
    (式(1)中、R 、R 及びR は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R 及びR は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、又は環状エーテル基を表す。pは整数を表す。)
    Figure 0005689730
    Figure 0005689730
    (式中、xは0以上の整数である。yは1以上の整数である。R 11 は水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基若しくはアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基若しくはアルケニレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基若しくはアルキニレン基、又は該アルキル基若しくは該アルケニル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。R 12 は水素、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基若しくはアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基若しくはアルケニル基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基若しくはアルキニル基を示す。R 11 とR 12 とで環構造を形成してもよい。)
  2. 前記ベース練り工程2において、更に、チッ素吸着比表面積が50〜200m /gのカーボンブラックを混練する請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により得られたタイヤ用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量部に対して、シリカを10〜150質量部、酸化亜鉛を0.1〜3.0質量部、シリカ100質量部に対して、メルカプト基を有するシランカップリング剤を0.1〜30質量部含む請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項3又は4記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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