JP4447672B2 - カーボンブラック用表面処理剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンブラック用表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーボンブラックはプラスチックやゴムの補強用の充填剤として従来より広く使用されている。
【0003】
近年、ゴムの品質たとえば耐摩耗性に対する要求が高くなり、カーボンブラックも高補強性を有する高比表面積のものを配合するようになってきている。
【0004】
しかし、高比表面積のカーボンブラックはゴム組成物中のゴム成分と結合しにくく、そしてカーボンブラック粒子同士の凝集が起こりやすい。そのため、ゴム成分中に均一に分散させることが容易ではなく、通常の加工条件では目的とする補強効果が充分えられず、また、均一に分散させようとすると大量の混練りエネルギーが必要となり生産性が低下してしまう。
【0005】
とくにタイヤの分野では、機械的強度と同時に低燃費性(低損失係数)が要求されるが、高比表面積のカーボンブラックを配合してタイヤの機械的強度を向上させるとタイヤの損失係数(tanδ)が大きくなり燃費が高くなってしまう。
【0006】
そこで高比表面積のカーボンブラックのゴム成分への分散性を改善する方法として、カーボンブラック粒子の表面を改質する方法が提案され、一部実施されている。
【0007】
たとえば特公昭45−5643号、特公昭58−24462号および特公昭43−30417号各公報ならびに米国特許第3282719号明細書では、油状物質ないし高分子物質を添加してカーボンブラック粒子同士の凝集力を低下させる技術が提案されている。しかし、この技術は高比表面積のカーボンブラックには効果が少なく、また、タイヤにおける機械的特性の向上と低燃費性とを両立できない。
【0008】
また高比表面積のカーボンブラック粒子の表面に存在する極性基、たとえば水酸基、カルボキシル基、カルボニル基などに着目し、それらの極性基と親和性をもつ化合物で表面処理することにより、マトリックスポリマーへの分散性を改善する試みも提案されている(たとえば特開昭62−250042号、特開昭62−250073号、特開平1−152165号、特開平1−284564号各公報)。
【0009】
これらのうち特開昭62−250042号および特開昭62−250073号各公報記載の技術は、ゴム老化防止剤であるアミン系化合物でカーボンブラック粒子の表面を処理する技術であり、カーボンブラックの分散性は改善され、えられるゴムの機械的特性も幾分向上する。しかし、マトリックスポリマーとの親和性が不充分である。さらに、タイヤの分野での低燃費性の点でも不充分である。
【0010】
特開平1−152165号および特開平1−284564号各公報記載の技術は、カーボンブラック粒子の表面極性基と親和性を有する官能基含有飽和高分子化合物でカーボンブラック粒子を表面処理するものであり、飽和高分子鎖部分でマトリックスポリマーとの親和性の向上を図ろうとする技術である。しかし、いずれも飽和高分子鎖部分のマトリックスポリマーへの化学的親和性を利用するものであり、ゴムなどのマトリックスポリマーと化学的に結合するものではない。そのため、マトリックスポリマーとの結合力が不充分となることがあり、とくにタイヤの分野では低燃費性を改善する(損失係数を低める)効果が充分とはいえない。
【0011】
さらに、ゴムなどのマトリックスポリマーと化学的に結合させることが、特開平6−100730号公報で提案されているが、官能基が分子鎖の片末端にしかなく、充分な改善効果がえられてはいない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術を検討し、さらに研究を重ねた結果、補強性にすぐれかつ分散性が良好で加工性がよく、しかもゴムなどのマトリックスポリマーとの結合力の強いカーボンブラックの表面処理剤は、
(1)カーボンブラック粒子表面の酸性官能基と相互作用をもち、カーボンブラック粒子に結合しうる官能基を有すること、
(2)カーボンブラックと強い相互作用をうるためには該官能基の数を多くすること、
(3)マトリックスポリマー、たとえばジエン系ゴムと強固な結合を生ずる反応性部分を有すること、
(4)加工性の点から(3)の反応性部分は混練りなどの加工時には反応しないこと、
(5)カーボンブラックとの反応性の点から全体の分子量が比較的小さいこと、が必要であると考え、これらの性質を有するものとして、アミノ基含有低分子量ジエン系重合体を見出し、本発明を完成した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分子量1,000〜29,000液状ポリイソプレンを主鎖とし、該主鎖がジエンユニットに対して0.25〜20モル%のアミノ基含有側鎖を少なくとも主鎖の末端以外の部分に有しているアミノ基含有液状ポリイソプレンからなるファーネスブラック用表面処理剤に関する。
【0014】
また、本発明は、前記アミノ基含有液状ポリイソプレン(以下、「低分子量ジエン系重合体」ともいう)と水素結合しているカーボンブラック(以下、「表面処理カーボンブラック」ともいう)に関する。
【0015】
また、本発明は、ジエン系ゴムを含むゴム成分と表面処理カーボンブラックが配合されてなるゴム組成物に関する。
【0016】
さらに、本発明は、前記ファーネスブラック用表面処理剤、ジエン系ゴムを含むゴム成分およびファーネスブラックが配合されてなるゴム組成物にも関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のカーボンブラック用表面処理剤においては、該表面処理剤を構成するアミノ基含有低分子量ジエン系重合体が、アミノ基の部分で、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基および/またはキノン基などの官能基をその表面に有するカーボンブラックと水素結合する。すなわち、本発明においてカーボンブラックを表面処理するということは、表面処理剤を構成する前記低分子量ジエン系重合体をカーボンブラックと水素結合させることをいう。
【0018】
したがって、本発明における表面処理されたカーボンブラックのもつカーボンブラック粒子同士の凝集力は、表面処理前に比べて弱まる。そして表面処理カーボンブラックは、カーボンブラック粒子の表面に水素結合している低分子量ジエン系重合体と親和性を有するマトリックスポリマー中において良好な分散性を示す。
【0019】
また、カーボンブラックと結合した前記低分子量ジエン系重合体はその炭素−炭素二重結合部分でマトリックスポリマーと化学的に結合しうる。つまり、カーボンブラックは低分子量ジエン系重合体を介してマトリックスポリマーと結合しうる。
【0020】
このようなマトリックスポリマーとしては、前記低分子量ジエン系重合体の炭素−炭素二重結合部分と化学的に結合しうるものであればよく、加硫活性基をもつ各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、たとえばスチレン−ブタジエンブロック共重合体、1,2−ポリブタジエン、トランスポリイソプレン、各種ジエン系ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、EPDMなどのゴムがあげられ、とくにタイヤの分野で使用されている炭素−炭素二重結合をもつジエン系ゴムが表面処理剤の低分子量ジエン系重合体鎖と親和性があり、かつ両者の炭素−炭素二重結合部分で化学的に結合しうるという点で適している。ジエン系ゴムとしては、たとえば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などがあげられる。これらは単独でまたは任意に組合せて用いてもよい。
【0021】
本発明の表面処理剤で表面処理されたカーボンブラックはタイヤの分野に用いると有効である。従来、とくにジエン系ゴムをそのゴム成分とするタイヤ用のゴム組成物に従来のカーボンブラックを添加したばあい、前述したように、えられるタイヤに機械的特性の向上は認められるが燃費が高くなる。しかし、本発明の表面処理剤で表面処理されたカーボンブラックを用いると、その理由は明らかではないが、機械的特性および低燃費性の両方にすぐれたタイヤをうることができる。
【0022】
また、本発明のカーボンブラック用表面処理剤を構成するものとして炭素−炭素二重結合を有する低分子量ジエン系重合体を選択したのは、マトリックスポリマーとの混練りなどの加工時には反応しにくく、良好な加工性が確保できる点を考慮してのことである。マトリックスポリマーと低分子量ジエン系重合体とを化学的に結合させる手段としては、マトリックスポリマーが熱可塑性樹脂のばあいはイオウまたはフェノール樹脂系加硫剤による加硫という方法など、ジエン系ゴムなどのばあいはイオウによる加硫などの方法があげられる。とくに、マトリックスポリマーがジエン系ゴムであるタイヤの分野では、ジエン系ゴムをイオウで加硫する際に本発明の表面処理剤中の不飽和基とジエン系ゴムとの架橋も生じるので、特別の反応工程を加えることなく強固な結合がえられる。
【0023】
本発明のカーボンブラック用表面処理剤を構成するアミノ基含有低分子量ジエン系重合体の低分子量ジエン系重合体とは、ジエン系単量体としてたとえばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエンをそれぞれ単独でまたは任意に組合せて、またはスチレン、アクリロニトリルなどを共単量体成分として含む低分子量の重合体である。このような低分子量ジエン系重合体としては、液状ポリイソプレン、液状イソプレン−スチレン共重合体、液状ポリブタジエン、液状イソプレン−ブタジエン共重合体、液状スチレン−ブタジエン共重合体、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などがあり、ジエン系ゴムとなじむという点から液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエンが好ましく、さらに強度を出すという点から液状ポリイソプレンがとくに好ましい。
【0024】
低分子量ジエン系重合体の分子量は、分子量が小さすぎるととくにえられるタイヤの機械的特性向上および低燃費性の両立が図れず、大きすぎると粘度が高くなってカーボンブラックと反応しにくくなり、カーボンブラックの表面処理の作業効率が低下するという点から、1,000〜100,000、さらに粘度が適当で作業上の取扱いがよいという点から好ましくは3,000〜80,000、さらにタイヤの機械的特性と低燃費性の両立という点からとくに好ましくは5,000〜50,000であるのがよい。
【0025】
また、本発明においては、該低分子量ジエン系重合体にアミノ基を導入することにより、該アミノ基部分がカーボンブラックの有する水酸基、カルボキシル基、カルボニル基および/またはキノン基などの酸性の官能基部分と水素結合する。
【0026】
本発明のアミノ基含有低分子量ジエン系重合体は、カーボンブラックと水素結合するための官能基の数が多いほうがいいという点、該低分子量ジエン系重合体とジエン系ゴムなどのマトリックスポリマーとの化学的結合を妨げない(たとえば加硫特性を低下させない)、またマトリックスポリマーとの混練り時の加工性を低下させないという点から、主鎖を構成するジエンユニットに対して0.25〜20モル%、とくに粘度の上昇による加工性の低下を防ぐという点から好ましくは0.5〜15モル%、さらにスコーチタイムをある程度長くするという点からとくに好ましくは1〜10モル%のアミノ基を含むのがよい。
【0027】
また、構造的には、低分子量ジエン系重合体の主鎖および/または側鎖を構成する炭素原子上の水素原子がアミノ基で直接に置換されているばあい、炭素数1〜6のアルキレン基を介してアミノ基を有するばあい、イオウ原子および/または酸素原子と炭素数1〜6のアルキレン基とを介してアミノ基を有するばあいなどが考えられる。
【0028】
低分子量ジエン系重合体へのアミノ基の導入方法としては、通常用いられる方法であればよく、何ら限定されないが、低分子量ジエン系重合体にアミノ基を有する化合物を結合させてもよいし、アンモニアなどを作用させてアミノ基を導入してもよい。
【0029】
具体的には、たとえば、まず低分子量ジエン系重合体をキシレンまたはトルエンなどの有機溶媒に溶解させてえられる溶液に、システアミンまたはアミノチオフェノールなどの第1級アミン、エチルチオ尿素などの第2級アミン、ジエチルチオ尿素などの第3級アミンを単独でまたは任意に組合せて混合する。この混合液を窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、60〜160℃で30〜120分間攪拌して低分子量ジエン系重合体とアミンとを付加反応させる。ついで、反応後の溶液を自然放冷などにより室温にまで冷却した後、水の中にあけてギ酸、塩酸または炭酸水素ナトリウムなどの酸で中和し、再度水洗する。さらに、真空加熱乾燥で有機溶媒を除去して目的の化合物をうるという方法がある。
【0030】
低分子量ジエン系重合体へのアミノ基の他の導入方法としては、水酸基含有低分子量ジエン系重合体をキシレンまたはトルエンなどの有機溶媒に溶解させてえられる溶液にチオニルクロライドなどを添加し、該混合液を80〜140℃で30〜120分間還流させる。ついで該混合液を自然放冷などにより室温にまで冷却した後、水の中にあけて水洗を数回繰返す。つぎに、洗浄後の混合液から分液漏斗で分取した有機層に、アンモニアガスをアンモニア水から発生させるという方法で通し、低分子量ジエン系重合体とアンモニアとを反応させた後、該混合液を水の中にあけて前記酸、水の順に洗浄する。さらに、真空加熱乾燥で有機溶媒を除去して目的の化合物をうるという方法もある。
【0031】
本発明に用いるカーボンブラックとしては、前記表面処理剤を構成するアミノ基含有低分子量ジエン系重合体のアミノ基部分と化学的に結合する水酸基、カルボキシル基、カルボニル基および/またはキノン基などの官能基部分を有していればよく、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックのいずれかの種類のものを、単独でまたは任意に組合わせて用いてよい。
【0032】
本発明によれば、比較的高比表面積のカーボンブラックも表面処理の対象としており、そのBET比表面積は20〜200m2/g、表面処理されたカーボンブラックのマトリックスポリマー中での分散性がよいという点から好ましくは100〜200m2/g、さらに、表面処理されたカーボンブラックを含むゴム組成物の機械的特性の向上という点からとくに好ましくは130〜200m2/gであるのがよい。BET比表面積について、20〜200m2/gのカーボンブラックとしてはたとえばGPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなど、100〜200m2/gのカーボンブラックとしてはたとえばISAF、SAFなど、130〜200m2/gのカーボンブラックとしてはたとえばSAFなどがあげられる。
【0033】
ヨウ素吸着量については30〜160mg/g、好ましくは表面処理剤の効果が大きいという点から80〜160mg/g、さらに好ましくは表面処理されたカーボンブラックを含むゴム組成物の機械的特性の向上という点から110〜160mg/gであるのがよい。ヨウ素吸着量について、30〜160mg/gのカーボンブラックとしてはたとえばFEF、HAF、ISAF、SAFなど、80〜160mg/gのカーボンラックとしてはたとえばISAF、SAFなど、110〜160mg/gのカーボンラックとしてはたとえばSAFなどがあげられる。
【0034】
本発明の表面処理剤によるカーボンブラックの表面処理の方法としては、表面処理剤をキシレンまたはトルエンなどに溶解した溶液に、カーボンブラックを添加し、攪拌、混合し、ついで真空乾燥により有機溶媒を除去して沈殿物を乾燥させ、表面処理カーボンブラックをうるという方法がある。また、ゴム組成物をうることを前提にするなら、予めカーボンブラックを表面処理しなくても、カーボンブラックおよび表面処理剤を別々にゴム成分に配合し、混練りしながらカーボンブラックを表面処理してもよい。
【0035】
本発明のゴム組成物はジエン系ゴムを含むゴム成分を配合してなるが、そのジエン系ゴムの種類はとくに限定されず、すべてのジエン系ゴムに対して本発明の効果が奏される。一般的にタイヤ用ゴム組成物に用いられるジエン系ゴム、たとえば前記のNR、BR、IR、SBR、NBRなどの1種または2種以上があげられる。
【0036】
また、本発明のゴム組成物には、通常用いられるゴム用の添加剤、たとえばイオウなどの加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛および/またはステアリン酸などの添加剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で含んでよい。
【0037】
本発明のゴム組成物は通常の方法で調製および加硫されてもよい。
【0038】
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド用ゴム組成物、サイドウォール用ゴム組成物として用いるとき、低燃費性、耐摩耗性に優れたタイヤを提供できる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例にもとづいて説明するがこれらに限定されるわけではない。
【0040】
製造例1(表面処理剤の調製)
低分子量ジエン系重合体として(株)クラレ製のLIR−30(液状ポリイソプレン、分子量29,000)100gをキシレンに溶解させて10重量%の溶液をえた。該溶液にシステアミン11.7gを混合し、えられた混合液を窒素雰囲気中130℃で2時間攪拌して付加反応をさせた。該混合液を自然放冷で室温にまで冷却した後、水の中にあけてギ酸で中和し再度水洗した。分液漏斗を用いて有機層と水層を分離し、有機溶媒を除去して本発明の表面処理剤1をえた。
【0041】
表面処理剤1のアミノ基含有量はそのジエンユニットに対して2モル%であった。アミノ基含有量の測定方法としては、プロトンNMRにおけるNH2のHとポリイソプレン部のCH3のHの強度比より求めるという方法を用いた。
【0042】
えられた表面処理剤の赤外スペクトル測定および示差熱分析を行なった。赤外スペクトルでは1600cm-1にアミノ基に起因する吸収がみられた。示差熱分析では、システアミン単独のばあいは98℃付近に融点に起因するピークがみられるが、本発明の表面処理剤については98℃付近のピークが消失していた。したがって、アミノ基が低分子量ジエン系重合体に導入されたことが確認された。
【0043】
製造例2(表面処理剤の調製)
用いたシステアミンの量を87.8gにしたほかは、製造例1と同様にして本発明の表面処理剤2をえた。
【0044】
表面処理剤2のアミノ基含有量はそのジエンユニットに対して15モル%であった。アミノ基含有量の測定は製造例1と同様にして行なった。
【0045】
えられた表面処理剤の赤外スペクトル測定および示差熱分析を行なった。赤外スペクトルでは1600cm-1にアミノ基に起因する吸収がみられ、アミノ基が低分子量ジエン系重合体に導入されたことが確認された。
【0046】
製造例3(表面処理剤の調製)
低分子量ジエン系重合体として(株)クラレ製のLIR−506(ヒドロキシル化液状ポリイソプレン、分子量25,000、官能基数5.9 OH/1分子)100gをキシレンに溶解させて10重量%の溶液をえた。該溶液にチオニルクロライドを2.8g混合し、えられた混合液を130℃で2時間還流させた。ついで前記混合液を自然放冷で室温にまで冷却した後、水の中にあけ2回水洗を行った。有機層を分取し、アンモニア水(28%)からアンモニアを発生させて有機層にみちびき、130℃で2時間反応させた。ついで該混合液を水の中にあけ、炭酸水素ナトリウムで中和し、水で洗浄し、分液漏斗で水層と有機層を分離した。そして分取した有機層から真空乾燥により有機溶媒を除去し、本発明の表面処理剤3をえた。
【0047】
表面処理剤3のアミノ基含有量はそのジエンユニットに対して約6モル%であった。アミノ基含有量の測定は製造例1と同様にして行なった。
【0048】
えられた表面処理剤の赤外スペクトル測定および示差熱分析を行なった。赤外スペクトルでは1600cm-1にアミノ基に起因する吸収がみられ、アミノ基が低分子量ジエン系重合体に導入されたことが確認された。
【0049】
製造例4(表面処理剤の調製)
低分子量ジエン系重合体として(株)クラレ製のクラレプレンLIR−50(液状ポリイソプレン、分子量47000)を用いたほかは、製造例1と同様にして本発明の表面処理剤4をえた。
【0050】
表面処理剤4のアミノ基含有量はそのジエンユニットに対して2モル%であった。アミノ基含有量の測定は製造例1と同様にして行なった。
【0051】
えられた表面処理剤の赤外スペクトル測定および示差熱分析を行なった。赤外スペクトルでは1600cm-1にアミノ基に起因する吸収がみられ、アミノ基が低分子量ジエン系重合体に導入されたことが確認された。
【0052】
製造例5(表面処理剤の調製)
低分子量ジエン系重合体として出光石油化学(株)製のLBR:Poly−bd R45M(液状ポリブタジエン、分子量3000)を用いたほかは、製造例2と同様にして本発明の表面処理剤5をえた。
【0053】
表面処理剤5のアミノ基含有量はそのジエンユニットに対して2モル%であった。アミノ基含有量の測定は製造例1と同様にして行なった。
【0054】
えられた表面処理剤の赤外スペクトル測定および示差熱分析を行なった。赤外スペクトルでは1600cm-1にアミノ基に起因する吸収がみられ、アミノ基が低分子量ジエン系重合体に導入されたことが確認された。
【0055】
表面処理剤1〜5の製造に用いた低分子量ジエン系重合体、アミンおよび表面処理剤のアミノ基含有量を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004447672
【0057】
比較製造例1(比較表面処理剤の調製)
イソプレンモノマーをn−ブチルリチウムを開始剤としてn−ヘキサン中で重合させることにより、リビングポリマーを製造した後、重合活性末端に対して、10倍モルの炭酸ガスを添加することにより、分子鎖の片末端にCOOLiを有するポリイソプレン(I)をえた。
【0058】
えられた分子鎖の片末端にCOOLiを有するポリイソプレン(I)を塩酸で洗浄して、片末端にCOOHを有するポリイソプレン(II)をえた。
【0059】
ついで片末端にCOOHを有するポリイソプレン(II)をトルエンに溶解し、末端COOHに対して100倍モルのヒドラジンを反応させることにより、分子鎖の片末端にNH2を有するポリイソプレン(比較表面処理剤)をえた。
【0060】
COOHからNH2への変換は、赤外吸収スペクトルにより確認した。
【0061】
実験例1
(表面処理カーボンブラックの製造)
製造例1〜5でえた表面処理剤1〜5およびカーボンブラックとして三菱化学(株)製のN110(SAFクラス:BET比表面積163m2/g、ヨウ素吸着量140mg/g)を用い、表面処理カーボンブラック1〜5をえた。表面処理剤1〜5をキシレンにとかし、N110をその溶液につけたのち、室温で1日放置後、溶媒を真空乾燥してとばして表面処理カーボンブラック1〜5をえた。
【0062】
(ゴム組成物の製造)
つぎに、天然ゴム80重量部および表2に示す配合割合で表面処理カーボンブラック1〜5を用い、イオウを除く他の配合剤とともにBR型バンバリーを用いて100℃で4分間の条件で混練し、本発明のゴム組成物1〜3および比較ゴム組成物9〜10をえた。えられたゴム組成物1〜3および比較ゴム組成物9〜10をオープンロール中に移し、イオウを混合した後に150℃で30分間プレス加硫を行なった。加硫後ゴム組成物1〜3および比較ゴム組成物9〜10をえた。
【0063】
なお、前記混練時、すべてのゴム組成物に他の配合剤としてステアリン酸を2重量部、酸化亜鉛を3重量部、イオウを1.5重量部、および加硫促進剤として大内新興化学(株)製のノクセラー NS((N−t−ブチル−2)−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)を1重量部混練した。
【0064】
ついで、本発明のゴム組成物1〜3および比較ゴム組成物9〜10を加硫した加硫ゴム組成物1〜3および比較ゴム組成物9〜10について加工性、機械的特性および低燃費性を調べるために以下の評価を行なった。
【0065】
[評価方法]
ムーニーテスト
130℃の条件でムーニー粘度(ML(1+4))およびスコーチ時間(分)を測定した。結果を表2に示す。ムーニー粘度が小さければ小さいほど加工性が良好であり、スコーチ時間が短ければ短いほど未加硫ゴムの取扱いがむずかしくなる。
【0066】
引張り試験
JIS K6301の規格にもとづいて300%伸び時の引張応力(M300)(MPa)、引張強さ(Tb)(MPa)および破断伸び(Eb)(%)を測定した。結果を表2に示す。
【0067】
硬さ試験
JIS K6301の規格にもとづいて、硬さを測定した。結果を表2に示す。
【0068】
粘弾性試験
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーター VESを用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の測定条件で粘弾性(E*)(MPa)および損失係数(tanδ)を測定した。結果を表2に示す。損失係数が小さいほど低燃費性である。
【0069】
摩耗性試験
ランボーン試験機を用いて、温度23℃、スリップ率20%、試験時間5分間の測定条件で摩耗量を測定し、後述する比較ゴム組成物1の摩耗量を100としたときの指数で表した。結果を表2に示す。指数が大きいほど耐摩耗性にすぐれている。
【0070】
トルエン膨潤度
40℃のトルエン中に、加硫ゴム組成物を48時間浸漬し、膨潤前後の体積変化を調べ、次式によりトルエン膨潤度を求めた。
【0071】
トルエン膨潤度(%)=(膨潤後の体積/膨潤前の体積)×100
結果を表2に示す。トルエン膨潤度が低ければ低いほど架橋密度が高く、良好である。
【0072】
(比較ゴム組成物の製造)
80重量部の天然ゴムおよび前記本発明のゴム組成物に用いたものと同じ配合剤を用い、表2に示す配合および配合割合で、まずイオウを除く成分をBR型バンバリーを用いて100℃で4分間という条件で混練りした。えられた混練物をオープンロール中に移した後、イオウを加えて150℃で30分間加硫を行ない、比較加硫ゴム組成物1〜5をえた。
【0073】
ついで、比較加硫ゴム組成物1〜5について、前記ゴム組成物と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
Figure 0004447672
【0075】
実験例2
(表面処理カーボンブラックおよびゴム組成物の製造)
製造例1でえた表面処理剤1およびカーボンブラックとして三菱化学(株)製のN110(SAFクラス:BET比表面積163m2/g、ヨウ素吸着量140mg/g)、N220(ISAFクラス:BET比表面積121m2/g、ヨウ素吸着量119mg/g)、N330(HAFクラス:BET比表面積82m2/g、ヨウ素吸着量83mg/g)、N550(FEFクラス:BET比表面積43m2/g、ヨウ素吸着量42mg/g)を用い、実験例1と同様にして表面処理カーボンブラック1および6〜8をえ、さらに実験例1と同様にして本発明のゴム組成物1およびならびに加硫ゴム組成物1およびをえた。
【0076】
ついで、実験例1と同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
【0077】
(比較ゴム組成物の製造)
表3に示す配合および配合割合で、実験例1と同様にして比較加硫ゴム組成物2および6〜8をえた。ついで、実験例1と同様の評価を行なった。結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
Figure 0004447672
【0079】
表2および3からわかるように本発明のカーボンブラック用表面処理剤で表面処理したカーボンブラックからなるゴム組成物が提供する加硫ゴム組成物は、いずれも、比較加硫ゴム組成物に比べてすぐれた加工性、機械的特性および低燃費性を有する。
【0080】
実施例で用いた成分に代えて、本明細書中に示した他の成分を用いて実質的に同様の結果をうることができる。
【0081】
【発明の効果】
本発明のカーボンブラック用表面処理剤で表面処理したカーボンブラックをとくにジエン系ゴムなどのマトリックスポリマーに配合したばあい、たとえばタイヤに用いられうる、加工性、機械的特性および低燃費性にすぐれたゴム組成物を提供することができる。

Claims (2)

  1. 分子量5,000〜29,000の液状ポリイソプレンを主鎖とし、該主鎖がジエンユニットに対して2〜15モル%のアミノ基含有側鎖を少なくとも主鎖の末端以外の部分に有しているアミノ基含有液状ポリイソプレンからなるファーネスブラック用表面処理剤で表面処理されたファーネスブラック、および
    ジエン系ゴムを含むゴム成分
    が配合されてなるタイヤ用ゴム組成物
  2. ジエン系ゴムを含むゴム成分と、
    分子量5,000〜29,000の液状ポリイソプレンを主鎖とし、該主鎖がジエンユニットに対して2〜15モル%のアミノ基含有側鎖を少なくとも主鎖の末端以外の部分に有しているアミノ基含有液状ポリイソプレンと水素結合しているファーネスブラックと、
    が配合されてなるタイヤ用ゴム組成物
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