JP2007050983A - 搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長尺のテープ形状を有するテープ部材に樹脂成形する際に、特別の加工を施すことなく、精度良くテープ部材の位置決めをすることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】 長尺のテープ形状を有するフープ部材25には、金型17に対してフープ部材25を位置決めするために、所定ピッチで長手方向に整列するように複数の開孔26が形成されている。搬送装置1は、ボールネジ6及びフープクランプ5によって、フープ部材25を上方に所定量移送した後、撮像部9によって撮像された画像における開孔26の位置が、予め定められた位置に一致するように、フープ部材25の移動量を微調整する。よって、搬送装置1は、フープ部材25の構造を利用して、搬送時の位置決めと成形時の位置決めとを効率的に行うことが可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】 長尺のテープ形状を有するフープ部材25には、金型17に対してフープ部材25を位置決めするために、所定ピッチで長手方向に整列するように複数の開孔26が形成されている。搬送装置1は、ボールネジ6及びフープクランプ5によって、フープ部材25を上方に所定量移送した後、撮像部9によって撮像された画像における開孔26の位置が、予め定められた位置に一致するように、フープ部材25の移動量を微調整する。よって、搬送装置1は、フープ部材25の構造を利用して、搬送時の位置決めと成形時の位置決めとを効率的に行うことが可能となる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、搬送装置に関し、より特定的には、長尺のテープ形状を有するテープ部材を搬送するための搬送装置に関するものである。
従来、テープ状の部品材を長手方向に搬送しながら、部品材を打ち抜き加工するための供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている供給装置においては、テープ状の部品材の表面に、所定の打ち抜き位置を示すための基準マークが付される。当該供給装置は、部品材を所定量ずつ搬送する度に、カメラによって部品材に付された基準マークを撮像し、撮像された画像位置を認識することによって、部品材の打ち抜き対象箇所と、打ち抜き装置との位置関係を調整する。
特開2004−56008号公報
上記のような従来の部品材の供給装置において、部品材の打ち抜き位置を調整するためには、部品材の態様にかかわらず、部品材に予め基準マークを付す必要がある。
しかしながら、部品材の種類や用途によっては、部品材に特殊な表面処理がなされている場合や、製品としての外観にとって不要な表示を付すことが好ましくない場合等がある。このような場合には、部品材に基準マークを付すことができないため、部品材を搬送するために、上記の供給装置を適用することはできない。
また、上記のような部品材の供給装置が用いられる場合には、予め部品材に基準マークを付すための別途の製造工程が必要となるため、製造コストが高くなることが考えられる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、長尺のテープ形状を有するテープ部材に樹脂成形する際に、特別の加工を施すことなく、精度良くテープ部材の位置決めをすることができる搬送装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の発明は、長尺のテープ形状を有し、光を透過する光透過部が長手方向において所定間隔毎に複数形成されたテープ部材を、樹脂成形を行うための成形部に搬送するための搬送装置であって、テープ部材を長手方向の一方向である第1の方向と、長手方向の他方向である第2の方向とに移動させる移送部と、成形部に対して位置関係が固定され、前方に位置する光透過部の画像を撮像する撮像部と、テープ部材を第1の方向に所定量移送した後、撮像部によって撮像された画像における光透過部の位置が、予め定められた位置に一致するように、移送部によるテープ部材の移動量を微調整する制御部とを備える。
このような構成によれば、テープ部材が有する光透過部を利用して、成形部に対するテープ部材の位置が調整されるため、テープ部材に特別の加工を施すことなく、テープ部材の搬送時の位置決めを行うことが可能となる。
また、第1の発明において、光透過部は、テープ部材の幅方向の端縁から所定の範囲を切り欠くことによって形成される切欠であっても良い。
このような構成によれば、切欠に基づいてテープ部材の位置が調整されるため、所定間隔毎に予め切欠が形成されたテープ部材が材料として用いられる場合に、テープ部材の構造を利用して、効率的にテープ部材の搬送時の位置決めを行うことが可能となる。
また、第1の発明において、光透過部は、テープ部材に形成された開孔であっても良い。
このような構成によれば、開孔に基づいてテープ部材の位置が調整されるため、所定間隔ごとに予め開孔が形成されたテープ部材が材料として用いられる場合に、テープ部材の構造を利用して、効率的にテープ部材の搬送時の位置決めを行うことが可能となる。
また、第1の発明おいて、成形部は、テープ部材の両面の各々と対向するように配置され、かつ、テープ部材側へと突出する少なくとも一本のガイドピンを有する金型を含み、光透過部は、成形部による成形時にガイドピンが嵌合する開孔であっても良い。
このような構成によれば、金型に対する位置決め用に形成された開孔を利用して、成形部に対するテープ部材の位置が調整されるため、金型に対する位置決め用の開孔を、テープ部材の搬送のために共用することが可能となる。
また、移送部は、軸方向が第1の方向と平行に配置されるネジ部と、ネジ部に螺合するナット部とを含むボールネジと、ボールネジのナットに取り付けられ、かつ、制御部からの指示に従って、テープ部材を把持することができるクランプと、制御部からの指示に従って、ボールネジのネジ部を回動させるサーボモータとを含み、制御部は、クランプがテープ部材を離した状態において、クランプを第2の方向へと移動させた後、クランプがテープ部材を把持した状態において、クランプを第1の方向へと所定量移動させるように、サーボモータを制御し、更に、テープ部材の移動量を微調整するために、撮像部によって撮像された画像と予め定められた基準画像とが一致するように、サーボモータの回転方向と回転量とを制御しても良い。
このような構成によれば、クランプによって把持されたテープ部材の位置は、ボールネジを介して調整されるため、テープ部材の位置調整の精度が向上する。
また、成形部に対して位置関係が固定され、前方に位置するテープ部材における光透過部と、光透過部以外の部分とを識別するフォトセンサを更に備え、制御部は、テープ部材を第1の方向へと所定量移送させる間に、フォトセンサによる光透過部の識別に基づいて、フォトセンサを通過する光透過部の数が所定数となるように移送部を制御しても良い。
このような構成によれば、制御部は、フォトセンサの前方を通過した光透過部の数に基づいて、一回当たりのテープ部材の移送量を制御することができるため、テープ部材の移送量を所望の値に設定することが可能となる。
本発明によれば、テープ部材に特別の加工を施すことなく、テープ部材の搬送時の位置決めを行うことが可能となる。特に、移送部にボールネジが用いられる場合には、テープ部材の位置決め精度が向上するため、テープ部材と成形部との位置のずれに起因して、テープ部材が損傷したり、変形したりすることが抑制される。また、成形部とテープ部材との不必要な接触等によって生じる成形部の磨耗が抑制され、成形部の耐久性が向上する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示される搬送装置の正面図であり、図3は、図1に示される搬送装置の側面図である。尚、図1〜図3においては、制御部の記載が省略されている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示される搬送装置の正面図であり、図3は、図1に示される搬送装置の側面図である。尚、図1〜図3においては、制御部の記載が省略されている。
図1〜図3に示される搬送装置1は、長尺のテープ形状を有するフープ部材25の表面に成形部23によって樹脂成形を行うために、フープ部材25を成形部23へと搬送するための装置である。
成形部23は、フープ部材25の両面の各々と対向するように配置される金型17及び18を含んでいる。金型18は、フープ部材25側へと突出するガイドピン19を備える。尚、本実施形態においては、一対の金型17及び18のみが示されているが、成形部23は、樹脂成形の内容に応じて、3つ以上の金型を備えていても良い。
また、成形部23は、各々の軸方向が水平方向に延びるように配置された一対のボールネジ13a及び13bと、ボールネジ13a及び13bの各々に接続された一対のサーボモータ14a及び14bを含んでいる。サーボモータ14a及び14bは、搬送装置1の制御部(図示せず)によって、回転方向と回転量とが制御されている。
金型18は、ボールネジ13a及び13bを介して水平方向に移動することができる一対のリフタ用クランプ16a及び16bによって支持されている。また、他方の金型17は、金型18と対向する位置に固定されている。これにより、金型18は、サーボモータ14a及び14bの回動に伴って、水平方向に移動することができる。
尚、成形部23は、射出成形装置(図示せず)を含んでおり、金型17及び18の内部に挿入されたフープ部材25に樹脂成形を行うことができる。
一方、搬送装置1は、ボールネジ13a及び13bを介して水平方向に移動することができる一対のブラケット12a及び12bに取り付けられている。したがって、搬送装置1は、サーボモータ14a及び14bの回動に伴って、水平方向に移動することができる。
ここで、本実施形態に係る搬送装置1によって搬送されるフープ部材25について説明する。
図4は、図1に示される搬送装置によって搬送されるテープ部材の平面図である。フープ部材25は、長尺のテープ形状を有している。フープ部材25には、長手方向に延びる一対の端縁33a及び33bに沿って整列するように、複数の開孔26が所定のピッチで形成されている。複数の開孔26は、光を透過する光透過部に相当する。また、フープ部材25の幅方向の中央に示される被成形部27は、成形部によって樹脂加工が施される部分である。本実施形態における複数の開孔26は、成形部が被成形部27に樹脂成形する際に、後述する金型のガイドピンを開孔26に嵌合させることによって、金型に対する被成形部27の位置を規定するためのものである。
一例として、本実施形態におけるフープ部材25は、銅や鉄等の材料によって、厚さ0.15mm、幅70〜120mmの寸法を有するテープ形状に形成されている。また、フープ部材25は、銅や鉄等にニッケルやパラジウム等がメッキされた材料によって形成される場合もある。また、開孔26の各々のピッチは、10〜15mm程度に設定されている。例えば、フープ部材25は、半導体チップがマウントされるリードフレームとして用いられるものである。ただし、フープ部材25は、このような例に限定されるものではなく、長尺のテープ形状を有し、例えば開孔や切欠等の光を透過する光透過部が所定間隔毎に複数形成されているものであれば良い。
図1〜図3に戻って、本実施形態に係る搬送装置1は、移送部3と、撮像部9と、制御部と、フォトセンサ10と、バックテンション用クランプ20とを備える。
移送部3は、フープ部材25をその長手方向の一方向である第1の方向と、長手方向の他方向である第2の方向とに移動させる。より具体的には、図1〜図3に示されるように、フープ部材25が、成形部23から垂直上方に引き出されるように搬送される場合には、移送部3は、フープ部材25を上方(第1の方向)及び下方(第2の方向)に移動させることができる。
より詳細には、移送部3は、その軸方向が第1の方向と平行に配置されるネジ部32と、ネジ部32に螺合するナット31とを含むボールネジ6と、ボールネジ6のナット31に取り付けられたフープクランプ5と、サーボモータ4とを備える。サーボモータ4は、ベルト7を介してボールネジ6のネジ部32に接続されている。フープクランプ5は、シリンダ機構等を備え、制御部22からの指示に従って、フープ部材25を把持し、また、フープ部材25を離すことができる。サーボモータ4は、制御部22からの指示に従って、ボールネジ6のネジ部32を回動させることによって、ボールネジ6のナット31に取り付けられたフープクランプ5を図1〜図3における上下方向に移動させる。
撮像部9は、カメラ等の撮像装置を含み、成形部23に対して位置関係が固定されている。撮像部9は、その前方に位置するフープ部材25の開孔を撮像する。より具体的には、撮像部9は、フープ部材25の長手方向において金型17のガイドピン19から所定距離だけ離れた位置に配置されるように、ブラケット12aを介して、金型17及び18を含む成形部23に取り付けられている。
フォトセンサ10は、成形部23に対して位置関係が固定され、その前方に位置するフープ部材25における開孔と開孔以外の部分とを識別する。
バックテンション用クランプ20は、シリンダ機構等を備え、制御部からの指示に従って、フープ部材25を把持し、また、フープ部材25を離すことができる。更に、バックテンション用クランプ20は、制御部からの指示に従って、フープ部材25を把持した状態で、上下に移動することができる。これにより、フープクランプ5とバックテンション用クランプ20とによって把持されたフープ部材25の撓みを取り除くことが可能となる。
尚、本実施形態においては、図2に示されるように、撮像部9は、フープ部材25の一方の端縁33a側に配置され、フォトセンサ10は、フープ部材25の他方の端縁33b側に配置されている。撮像部9及びフォトセンサ10は、フープ部材25の少なくとも1つの開孔26と対向する位置において成形部23に対して位置関係が固定されていれば、他の位置に配置されていても良い。
次に、制御部の構成について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置のブロック図である。図5において、矢印は、制御の流れを示している。制御部22は、フープ部材25を所定量だけ第1の方向へと移送した後に、撮像部9によって撮像された開孔26の画像に基づいて、フープ部材25の位置を微調整する。
より具体的には、制御部22は、まず、フープクランプ5がフープ部材25を離している状態において、フープクランプ5が下方へと移動するように、サーボモータ4を制御する。これによって、フープクランプ5のみが、ボールネジを介して下方へと送られる。次に、制御部22は、フープクランプ5にフープ部材25を把持させ、フープクランプ5が上方へと所定量移動するようにサーボモータ4を制御する。これにより、フープクランプ5及びフープ部材25が一体的に第1の方向へと移動するため、フープ部材25が上方へと所定量搬送される。
また、制御部22は、フォトセンサ10による開孔の識別に基づいて、フォトセンサ10の前方を通過した開孔の数をカウントする。制御部22は、カウントした開孔の数が予め設定された数に一致するように、サーボモータ4の回転を制御する。これにより、制御部22は、外部から設定された開孔の数によって、フープ部材25の上方への搬送量を制御することが可能となる。
尚、フープ部材25の移送過程の更なる詳細については、搬送装置1の動作と併せて後述する。
制御部22は、フープ部材25を上方へと所定量移動させた後、フープ部材25の位置を微調整する。より詳細には、制御部22は、撮像部9によって撮像された開孔の画像と、予め定められた基準画像とが一致するように、サーボモータ4の回転方向と回転量とを制御する。
図6は、図4に示される撮像部が撮像する画像の一例を示す図である。尚、図6(a)は、フープ部材25の位置が微調整される前の画像であり、図6(b)は、フープ部材25の位置が微調整された後の画像である。
図6(a)において、フープ部材25の背面側に光源がある場合、撮像部9からフープ部材25を見ると、光を透過する開孔26は、フープ部材25の他の部分に対して相対的に明るく認識される。したがって、制御部22は、撮像部9が撮像した画像に基づいて、開孔26の位置を特定することができる。
ここで、フープ部材25が上方に所定量移送された直後に、図6(a)に示されるように、フープ部材25の開孔26が、破線で示される予め定められた基準画像29から上方にずれた場合を想定する。
制御部22は、まず、撮像部9によって撮像された画像における開孔26の中心28と、予め定められた基準画像29における開孔の中心30との位置差dを認識する。次に、制御部22は、撮像部9によって撮像された画像と基準画像29とを一致させるために、すなわち、位置差dを0にするために必要なフープ部材25の移動方向と移動量とを算出する。次に、制御部22は、フープ部材25を移動させるために必要なボールネジ6のネジ部32の回転方向と回転数とを算出する。次に、制御部22は、計算したネジ部の回転方向と回転数とをサーボモータに指示し、サーボモータ4を回転させる。図6(a)に示される例においては、制御部22は、フープ部材25を矢印に示される下方へと、距離dだけ移動させるようにサーボモータ4を制御する。そして、制御部22は、図6(b)に示されるように、撮像部9によって撮像された画像が基準画像29に一致すると、フープ部材25の位置の微調整を完了する。
尚、図6に示される例では、開孔26が基準画像29に対して上方にずれた場合の例を示したが、開孔26が基準画像29に対して下方にずれた場合においても、制御部22は、同様にしてフープ部材25の位置を微調整する。
図7は、図4に示される制御部による制御処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、本発明の第1の実施形態に係る搬送装置の動作を模式的に示す側面図であり、図9は、図8に続く搬送装置の動作を模式的に示す側面図である。以下、図7〜図9を参照しながら、本実施形態に係る搬送装置1によってフープ部材25が搬送される過程と、フープ部材25が成形部23によって樹脂成形される過程とについて説明する。尚、図7においては、フープクランプ5を上方に移動させるサーボモータ4の回転方向を正方向とし、フープクランプ5を下方に移動させるサーボモータ4の回転方向を逆方向とする。
まず、制御部は、フープクランプ5を開かせる(ステップS101)。これによって、図8(a)の破線で示されるように、フープクランプ5は、フープ部材25を離した状態となる。
次に、制御部は、サーボモータ4を逆方向に回転させる(ステップS102)。これにより、フープクランプ5のみが、図8(a)の矢印によって示されるように下方に移動する。制御部は、予め定められた回転数だけサーボモータ4を回転させた後、サーボモータを停止させる(ステップS103)。この過程において、フープクランプ5は、図8(a)において二点鎖線によって示される位置まで移動した後、停止する。
次に、制御部は、フープクランプ5を閉じさせる(ステップS104)。これにより、図8(b)において実線で示されるように、フープクランプ5は、フープ部材25を把持する。尚、このとき、制御部は、フープ部材25を離すようにバックテンション用クランプ20の動作を制御する。
次に、制御部は、サーボモータ4を正方向に回転させる(ステップS105)。フープクランプ5とフープ部材25とは、図8(b)の矢印で示されるように、上方へと一体的に移動を開始する。制御部は、フォトセンサ10による開孔の識別に基づいて、フォトセンサの前を通過した開孔の数をカウントし、フォトセンサ10の前を通過した開孔の数が所定数と一致するか否かを判定する(ステップS106)。フォトセンサ10を通過した開孔の数が所定数でない場合(ステップS106でNO)には、フープ部材25は、上方へと所定量移送されていないので、制御部は、再度ステップS106の判定を行う。一方、フォトセンサ10を通過した開孔の数が所定数である場合(ステップS106でYES)には、制御部は、サーボモータ4を停止させる(ステップS107)。この過程において、フープクランプ5は、フープ部材25を把持した状態で、図8(b)の二点鎖線で示される位置まで移動した後、停止する。
次に、制御部は、撮像部9によって撮像された開孔の画像を撮像部9から取得する(ステップS108)。制御部は、撮像部9によって撮像された画像の開孔の位置が、基準位置と一致するか否かを判定する(ステップS109)。撮像部によって撮像された画像の開孔の位置が、基準位置に一致しない場合(ステップS109でNO)には、制御部は、まず、フープ部材25の位置を微調整するために必要なサーボモータ4の回転方向及び回転数を算出する(ステップS110)。次に、制御部は、算出結果に基づいて、サーボモータ4を回転させる(ステップS111)。その後、制御部は、ステップS107に戻って、上記の処理を繰り返し、フープ部材25の位置を微調整する。
一方、撮像部9によって撮像された画像の開孔の位置が基準位置に一致する場合(ステップS109でYES)には、制御部は、フープ部材25を金型18に挿入させる(ステップS112)。より詳細には、制御部は、ブラケット12a及び12bに取り付けられた搬送装置1の全体が図8(c)において矢印によって示される方向に移動するように、成形部23のサーボモータ14a及び14bを同期回転させる。サーボモータ14a及び14bの回転に伴って、フープ部材25及び搬送装置1は、ボールネジ13a及び13bを介して一体的に矢印の方向に移動する。そして、フープ部材25は、図9(a)に示されるように、金型18の内部に挿入される。フープ部材25が金型18に挿入される過程において、金型18のガイドピン19は、フープ部材25の開孔に嵌合する。その結果、フープ部材25は、金型18に対して固定される。尚、制御部22は、バックテンション用クランプ20を制御して、フープ部材25を把持させ、更に、フープ部材25を下方に引っ張らせる。これは、フープ部材25の撓みを取り除くために行われる操作である。
次に、制御部は、成形部23の金型17及び18を閉じさせる(ステップS113)。より詳細には、制御部は、搬送装置1と成形部23とが一体的に金型17の方向へと移動するように、成形部23のサーボモータ14a及び14bを同期回転させる。これにより、搬送装置1及び成形部23は、固定された金型17へと向かって前進し、図9(b)に示されるように、金型17及び18が閉じられる。
そして、制御部は、成形部23によって、金型17及び18の内部に封入されたフープ部材25に樹脂成形させる(ステップS114)。樹脂成形が完了した後、制御部は、成形部23の金型17及び18を開かせる(ステップS115)。制御部は、樹脂成形されたフープ部材25を取り出すために、金型17及び18からフープ部材25を突き出すように成形部23を制御する(ステップS116)。これにより、図9(c)に示されるように、成形されたフープ部材25が金型17及び18から取り出される。
制御部は、成形を終了するか否かを判定する(ステップS117)。例えば、所定回数の樹脂成形が完了した場合など、成形を終了する場合(ステップS117でYES)には、制御部は、制御処理を終了する。一方、成形を終了しない場合(ステップS117でNO)には、制御部は、ステップS101に戻って、上記の処理を繰り返す。この場合、搬送装置1及び制御部は、図8及び図9に示された動作を繰り返す。
以上のように、本実施形態に係る搬送装置1によれば、フープ部材25が有する開孔を利用して、成形部に対するフープ部材25の位置が調整されるため、フープ部材25に特別の加工を施すことなく、フープ部材25の位置決めを行うことが可能となる。
特に、本実施形態においては、フープ部材25には、樹脂成形を行う際に金型17及び18に対する位置決め用の開孔が予め形成されている。搬送装置1は、金型17及び18に対する位置決め用の開孔を利用するため、フープ部材の搬送時の位置決めと、フープ部材の樹脂成形とを効率的に行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る搬送装置1によれば、フープクランプ5によって把持されたフープ部材25の位置は、ボールネジ6を介して微調整されるため、フープ部材25の位置調整の精度が向上する。したがって、フープ部材25と、金型18のガイドピン19との位置ずれに起因して、フープ部材25が損傷したり、変形したりすることが抑制される。更には、フープ部材25の位置あわせ精度が向上する結果、フープ部材25が、ガイドピン19における不必要な箇所に接触することによって生じるガイドピン19の摩耗が低減され、ガイドピン19の耐久性が向上する。
更に、制御部は、フォトセンサ10の前方を通過した光透過部の数に基づいて、一回当たりのフープ部材25の移送量を制御することができるため、外部からフープ部材25の移送量を所望の値に設定することが可能となる。より具体的には、図4において、被成形部27が一度に樹脂成形することができる被成形部27の数は、金型17及び18の寸法等によって相違する。このような場合に、外部からフォトセンサの前を通過する数を設定することによって、金型17及び18に対応する適切なフープ部材25の搬送量を規定することが可能となる。
尚、上記の実施形態においては、フープ部材は、垂直方向に搬送されているが、本発明は、他の方向にフープ部材を他の方向に搬送する搬送装置に適用されても良い。
また、上記の実施形態においては、搬送装置は、フープ部材を成形部から引き出すように搬送しているが、フープ部材を成形部に送り込むように搬送しても良い。
更に、上記の実施形態においては、成形部は、射出成形装置を備えているが、成形部は、射出成形以外の樹脂成形装置を備えていても良い。
更に、上記の実施形態においては、搬送装置は、バックテンション用クランプを備えているが、成形時にフープ部材の撓みを除く必要がない場合には、搬送装置は、バックテンション用クランプを備えていなくても良い。
更に、上記の実施形態においては、搬送装置は、フープ部材の位置を微調整するために、金型に対する位置決め用の開孔を利用しているが、成形以外の他の工程で用いられる開孔や、例えばリードフレーム等が有する開孔の一部を利用しても良い。また、テープ部材の幅方向の端縁の一部を所定間隔毎に切り欠くことによって切欠が形成されている場合には、搬送装置は、開孔の代わりに切欠を利用してテープ部材の位置決めを行っても良い。これらの場合においても、上記の実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る搬送装置は、一定のピッチで形成された開孔や切欠等を有するテープ部材を搬送するための搬送装置として有用である。
1 搬送装置
3 移送部
4 サーボモータ
5 フープクランプ
6 ボールネジ
9 撮像部
10 フォトセンサ
17、18 金型
19 ガイドピン
22 制御部
23 成形部
25 フープ部材
26 開孔
28、30 中心
29 基準画像
31 ナット
32 ネジ部
33 端縁
3 移送部
4 サーボモータ
5 フープクランプ
6 ボールネジ
9 撮像部
10 フォトセンサ
17、18 金型
19 ガイドピン
22 制御部
23 成形部
25 フープ部材
26 開孔
28、30 中心
29 基準画像
31 ナット
32 ネジ部
33 端縁
Claims (6)
- 長尺のテープ形状を有し、光を透過する光透過部が長手方向において所定間隔毎に複数形成されたテープ部材を、樹脂成形を行うための成形部に搬送するための搬送装置であって、
前記テープ部材を長手方向の一方向である第1の方向と、長手方向の他方向である第2の方向とに移動させる移送部と、
前記成形部に対して位置関係が固定され、前方に位置する前記光透過部の画像を撮像する撮像部と、
前記テープ部材を前記第1の方向に所定量移送した後、前記撮像部によって撮像された画像における前記光透過部の位置が、予め定められた位置に一致するように、前記移送部によるテープ部材の移動量を微調整する制御部とを備える、搬送装置。 - 前記光透過部は、前記テープ部材の幅方向の端縁から所定の範囲を切り欠くことによって形成される切欠であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
- 前記光透過部は、前記テープ部材に形成された開孔であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
- 前記成形部は、前記テープ部材の両面の各々と対向するように配置され、かつ、前記テープ部材側へと突出する少なくとも一本のガイドピンを有する金型を含み、
前記光透過部は、前記成形部による成形時に前記ガイドピンが嵌合する開孔であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。 - 前記移送部は、
軸方向が前記第1の方向と平行に配置されるネジ部と、前記ネジ部に螺合するナット部とを含むボールネジと、
前記ボールネジの前記ナットに取り付けられ、かつ、前記制御部からの指示に従って、前記テープ部材を把持することができるクランプと、
前記制御部からの指示に従って、前記ボールネジの前記ネジ部を回動させるサーボモータとを含み、
前記制御部は、前記クランプが前記テープ部材を離した状態において、前記クランプを前記第2の方向へと移動させた後、前記クランプが前記テープ部材を把持した状態において、前記クランプを前記第1の方向へと前記所定量移動させるように、前記サーボモータを制御し、更に、前記テープ部材の移動量を微調整するために、前記撮像部によって撮像された画像と予め定められた基準画像とが一致するように、前記サーボモータの回転方向と回転量とを制御することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の搬送装置。 - 前記成形部に対して位置関係が固定され、前方に位置する前記テープ部材における前記光透過部と、前記光透過部以外の部分とを識別するフォトセンサを更に備え、
前記制御部は、前記テープ部材を前記第1の方向へと前記所定量移送させる間に、前記フォトセンサによる前記光透過部の識別に基づいて、前記フォトセンサを通過する前記光透過部の数が所定数となるように前記移送部を制御する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の搬送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005237859A JP2007050983A (ja) | 2005-08-18 | 2005-08-18 | 搬送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005237859A JP2007050983A (ja) | 2005-08-18 | 2005-08-18 | 搬送装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007050983A true JP2007050983A (ja) | 2007-03-01 |
Family
ID=37915703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005237859A Withdrawn JP2007050983A (ja) | 2005-08-18 | 2005-08-18 | 搬送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007050983A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013086351A (ja) * | 2011-10-18 | 2013-05-13 | Fanuc Ltd | テープ搬送装置を備えた射出成形機 |
JP2013130783A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 光学フィルムの切断方法および切断装置 |
-
2005
- 2005-08-18 JP JP2005237859A patent/JP2007050983A/ja not_active Withdrawn
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TWI574805B (zh) * | 2011-12-22 | 2017-03-21 | 住友化學股份有限公司 | 光學薄膜切斷裝置、光學薄膜切斷方法及記錄媒體 |
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