JP2007050308A - 遊技機、およびその遊技機を用いた不正監視システム - Google Patents

遊技機、およびその遊技機を用いた不正監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】ICタグの監視手段に記憶された内容を改竄する不正や、監視手段の作動制御プログラムを改竄する不正を防止し得る遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機のコントロールボックス201は、カバー部材202に、識別データを記憶したICタグ86が取り付けられている。また、R/Wユニット56を収納した外ケース本体204に、取付片33が突設されており、その取付片33に、アンテナ68が取り付けられている。さらに、主制御基板41を収納した中ケース本体203に、アンテナ挿通孔226が穿設されている。かかるカコントロールボックス201は、カバー部材202が閉じられている場合には、取付片33がアンテナ挿通孔226を挿通しており、アンテナ68とICタグ86とのRF送受信が可能であるが、カバー部材202開放された場合には、アンテナ68とICタグ86とのRF送受信ができなくなる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものであり、詳しくは、不正行為が行われやすい部位を監視手段によって常に監視することにより、不正行為をリアルタイムで発見することができ、不正行為を効果的に防止することが可能な遊技機に関するものである。
遊技機の一種であるパチンコ機においては、作動内容を制御するROM等の制御素子を偽造されたものにすり替える不正行為が行われることがある。このため、かかる不正行為を防止するために、たとえば、識別情報を記憶したICタグを制御基板収納ボックスの表面に貼着するとともに、そのICタグの近傍に、監視手段であるID読取装置を設置し、そのID読取装置によりICタグの識別情報を確認することによって、制御基板収納ボックスが正常な状態であるか否かを判断する不正防止方法(たとえば、特許文献1)が考案されている。
特開2000−288218号公報
しかしながら、上記した特開2000−288218号公報に記載の不正防止方法は、ICタグの監視手段であるID読取装置が制御基板収納ボックスの外側に配置されているため、ID読取装置に記憶された内容が改竄される事態や、ICタグの識別情報を確認できないようにID読取装置が破壊される事態が起こり得る。また、ID読取装置の監視動作を制御するプログラムが勝手に変更されてしまう事態も起こり得る。さらに、ICタグとID読取装置の相対位置を変えることなく制御基板収納ボックスが開放されて、作動内容を制御する制御素子がすり替えられてしまう虞もある。
本発明の目的は、上記従来の不正防止手段が有する問題点を解消し、ICタグの監視手段に記憶された内容を改竄する不正、監視手段を破壊したり監視手段の作動制御プログラムを改竄したりする不正、制御基板収納ボックスを開放して制御素子をすり替える不正等の不正を効果的に防止することが可能な遊技機を提供することにある。
かかる本発明の構成のうち、請求項1に記載された発明の構成は、無線による所定の呼出波を受信すると記憶している固有の識別データを含む反射波を無線により所定範囲内に出力する複数のICタグが、所定の可動部位および/または開放部位に設置されており、それらの各ICタグに対して呼出波を送信するとともに、各ICタグが出力する反射波を受信し、かつ、呼出波を送信してから所定時間内に反射波を受信しなかった場合、あるいは、受信した反射波に含まれた識別データが予め登録されている識別データと異なっている場合に異常と判定する監視手段と、その監視手段から送信された呼出波を外部に出力するとともに各ICタグからの反射波を入力する複数のアンテナとが設けられているとともに、前記監視手段が、分割式の収容ケースに収納されており、かつ、その分割式の収容ケースの片方に、前記ICタグの内の1つが設置されており、なおかつ、他方に、前記アンテナの内の1つが設けられており、そのアンテナの位置が、分割式の収納ケースを組み付けた場合にICタグによる反射波の出力範囲内となり、収納ケースを開放した場合にICタグによる反射波の出力範囲外となるように調整されている遊技機にある。
請求項2に記載された発明の構成は、請求項1に記載された発明において、監視手段による判定結果、監視手段が反射波を受信できる状態から反射波を受信できない状態に変わった時刻、監視手段が通信できない状態から通信できる状態に変わった時刻、または、監視手段が予め登録されている識別データと異なる識別データを受信した時刻の内の少なくとも1つを含む監視履歴データを記憶する記憶手段が設けられており、その記憶手段が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されていることにある。
請求項3に記載された発明の構成は、請求項2に記載された発明において、監視履歴データを外部に出力する出力手段が設けられていることにある。
請求項4に記載された発明の構成は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、作動内容を制御するための制御素子を搭載した主制御基板が設けられており、その主制御基板が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されていることにある。
請求項5に記載された発明の構成は、請求項4に記載された発明において、分割式の収納ケースが、監視手段および/または記憶手段を収納する第一ケース本体と、主制御基板を収納する第二ケース本体と、ICタグを取り付けたカバー部材とからなるものであるとともに、第一ケース本体に取付片が突設されており、かつ、その取付片にアンテナが取り付けられている一方、第二ケース本体に挿通孔が穿設されており、第一ケース本体の取付片が第二ケース本体の挿通孔を挿通した状態で、第一ケース本体の取付片に取り付けられたアンテナが、カバー部材に取り付けられたICタグと近接した状態になっていることにある。
請求項6に記載された発明の構成は、請求項1〜5のいずれかに記載された発明において、所定条件の成立により動作する可動部材が設けられており、その可動部材に、ICタグが取り付けられているとともに、そのICタグによる反射波の出力範囲内であって前記可動部材とは異なる部位にアンテナが取り付けられていることにある。
請求項7に記載された発明の構成は、請求項2〜6のいずれかに記載された発明において、監視手段による判定結果が前回の判定から継続して正常である場合、および、監視手段による判定結果が前回の判定から継続して異常である場合には、記憶手段が監視履歴データを記憶しないことにある。
請求項8に記載された発明の構成は、請求項1〜7のいずれかに記載された発明において、監視手段が、ICタグに対して呼出波を送信して異常か否かの判定を行った後、直ちに、再度、ICタグに対して呼出波を送信することにある。
請求項9に記載された発明の構成は、請求項3〜8のいずれかに記載された遊技機と、その遊技機の出力手段が出力した監視履歴データの管理を行う管理コンピュータとを接続した遊技機の不正監視システムにある。
請求項1に記載された遊技機は、複数のICタグが、所定の可動部位および/または開放部位に設置されており、監視手段と複数のアンテナとが設けられているとともに、監視手段が、分割式の収容ケースに収納されており、かつ、その分割式の収容ケースの片方に、ICタグの内の1つが設置されており、なおかつ、他方に、アンテナの内の1つが設けられており、そのアンテナの位置が、分割式の収納ケースを組み付けた場合にICタグによる反射波の出力範囲内となり、収納ケースを開放した場合にICタグによる反射波の出力範囲外となるように調整されているため、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグとアンテナとによって、直ちにその事態を検知することができるので、監視手段に記憶された監視履歴データを改竄する不正や、監視手段を破壊して監視不能としたり、R/Wユニット56を破壊して監視不能としたり、R/Wユニット56の監視動作を制御するプログラムを変更したりする不正を、非常に効果的に防止することができる。
請求項2に記載された遊技機は、監視履歴データを記憶する記憶手段が設けられており、その記憶手段が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されているため、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグとアンテナとによって、直ちにその事態を検知することができるので、記憶手段に記憶された監視履歴に関するデータを改竄する不正を、非常に効果的に防止することができる。
請求項3に記載された遊技機は、監視履歴データを外部に出力する出力手段が設けられているため、監視手段によって異常と判断された場合に、外部で光や音により報知することが可能であるので、不正行為をきわめて効果的に防止することができる。また、出力手段を外部のコンピュータと接続することによって、外部から一括した不正監視をすることができる。
請求項4に記載された遊技機は、作動内容を制御するための制御素子を搭載した主制御基板が設けられており、その主制御基板が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されているため、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグとアンテナとによって、直ちにその事態を検知することができるので、主制御基板上に搭載された制御素子を不正な制御素子とすり替える不正を、非常に効果的に防止することができる。また、一組のICタグとアンテナとによって、監視手段および主制御装置に対する不正を監視することができるので、製造コストも安価である。
請求項5に記載された遊技機は、分割式の収納ケースが、監視手段および/または記憶手段を収納する第一ケース本体と、主制御基板を収納する第二ケース本体と、ICタグを取り付けたカバー部材とからなるものであるとともに、第一ケース本体に取付片が突設されており、かつ、その取付片にアンテナが取り付けられている一方、第二ケース本体に挿通孔が穿設されており、第一ケース本体の取付片が第二ケース本体の挿通孔を挿通した状態で、第一ケース本体の取付片に取り付けられたアンテナが、カバー部材に取り付けられたICタグと近接した状態になっている。したがって、第一ケース本体をカバー部材と分離しなければ、主制御基板を収納した第二ケース本体をカバー部材と分離することができず、第一ケース本体をカバー部材と分離した場合には、カバー部材に取り付けられたICタグと第一ケース本体に取り付けられたアンテナとによって、直ちにその事態を検知することができるので、主制御基板上に搭載された制御素子を不正な制御素子とすり替える不正を、きわめて効果的に防止することができる。また、監視手段および/または記憶手段を収納する第一ケース本体に比べて、主制御基板を収納する第二ケース本体が十分に大きい場合であっても、同様に、第一ケース本体をカバー部材と分離しなければ、主制御基板を収納した第二ケース本体をカバー部材と分離することができないので、主制御装置を大型なものにした場合でも、主制御基板に対する不正を、きわめて効果的に防止することができる。
請求項6に記載された遊技機は、所定条件の成立により動作する可動部材が設けられており、その可動部材に、ICタグが取り付けられているとともに、そのICタグによる反射波の出力範囲内であって前記可動部材とは異なる部位にアンテナが取り付けられているため、可動部材が作動すると反射波が受信できなくなるので、その反射波が受信できなくなった時刻や回数を、所定条件の成立の時刻や回数と照らし合わせることによって、所定条件の成立により動作する可動部材に対する不正行為の事態を、迅速かつ正確に検知することができる。
請求項7に記載された遊技機は、監視手段による判定結果が前回の判定から継続して正常である場合、および、監視手段による判定結果が前回の判定から継続して異常である場合には、記憶手段が監視履歴データを記憶しないため、記憶手段のデータ記憶量を最小限に留めることができ、記憶手段が監視履歴のデータを過剰に記憶することに起因した異常事態の検知ミスの発生を防止することができる。
請求項8に記載された遊技機は、監視手段が、ICタグに対して呼出波を送信して異常か否かの判定を行った後、直ちに、再度、ICタグに対して呼出波を送信するため、ICタグ設置部位の異常をリアルタイムで検知することができる。
請求項9に記載された遊技機の不正監視システムは、請求項3〜8のいずれかに記載された遊技機と、その遊技機の出力手段が出力した監視履歴データの管理を行う管理コンピュータとを接続したものであるため、不正情報管理コンピュータによって、各遊技機のICタグ設置部位の異常を一括して把握することができるので、多くの遊技機に対する不正行為の有無を、きわめて短時間の内に容易にチェックすることができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ機、および、そのパチンコ機を用いた不正監視システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の構成]
図1は、パチンコ機1の正面を示したものである。パチンコ機1は、中央よりやや上側に略正方形の遊技盤2が設けられており、その遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。また、遊技盤2の前方には、、ガラス板を嵌め込んだガラス枠13が片開き自在に設置されている。さらに、遊技盤2の下側には、発射装置(図示せず)に遊技球を供給するための供給皿5が設けられており、その供給皿5の下側には、供給皿5から溢れた遊技球を貯留する貯留皿6が設けられている。加えて、供給皿5と貯留皿6との間には、効果音を発生させるスピーカー48が設けられており、その貯留皿6の右側には、発射装置を操作するための発射ハンドル7が設けられている。
また、遊技領域4の略中央には、特別図柄表示装置8が設けられている。特別図柄表示装置8は、液晶画面235に、種々の動画やメッセージ等を表示することができるようになっている。さらに、液晶画面235の上方には、普通図柄表示部8aが設けられており、数字、アルファベット、記号、マーク等を表示することができるようになっている。さらに、特別図柄表示装置8の左右上方には、それぞれ、電飾風車9,10が設けられており、それらの各電飾風車9,10の下側には、それぞれ、普通図柄始動ゲート11,12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には、図柄始動口15が設けられており、その図柄始動口15の下方には、所定条件の成立により扉部材16aを開閉する可変入賞装置であるアタッカ部材部材160が設けられている。そして、アタッカ部材160の扉部材16aと開口部16bとによって、大入賞口16が構成されている。なお、遊技盤2には、上記した部材以外にも、種々の電飾ランプ、風車および多数の障害釘等が設けられている。
また、図2、図3は、大入賞口16の設置部位(アタッカ部材160)を示したものであり、扉部材16aの表面には、小型で扁平な長方形状のICタグ186が貼り付けられている。なお、そのICタグ186の上側には装飾シール等が貼付されており、ICタグ186が遊技者から見えないようになっている。一方、開口部16bの周囲には、ICタグ186との間で、ノイズの影響を受けにくい所定の周波数の短波帯でRF(Radio Frequency)送受信(高周波無線による送受信)を行うアンテナ168が設けられている。なお、ICタグ186は、送受信方向に指向性があり、アンテナ168に対して略平行に位置した場合にのみアンテナ168と送受信することができるようになっている。また、扉部材16aを閉じた状態においては、ICタグ186とアンテナ168とが略同一平面上に位置するように調整されている。したがって、図2の如く、扉部材16aが閉じた状態においては、ICタグ186とアンテナ168との間でRF送受信をすることができるが、図3の如く、扉部材16aが所定の角度以上に開成すると、ICタグ186とアンテナ168との間でRF送受信をすることができなくなる。なお、アンテナ168とICタグ186は、電磁波を媒体としてRF送受信を行うので、誤動作を防止するために、大入賞口開放ソレノイド70等の電磁波を発生する装置から離れた位置に配置されている。
一方、図4は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ1の背面の中央よりやや上側には、特別図柄表示装置8の裏面を覆うようにセンターカバー90が配置されている。そして、そのセンターカバー90の左下側には、監視手段であるR/W(リーダ/ライタ)ユニット56とパチンコ機1の作動内容を制御する主制御基板41とを一緒に収納したコントロールボックス201が設けられている。また、コントロールボックス201の右側には、効果音の発生を制御する音基板43、各種の装置、部材への電源供給を制御する電源基板42、遊技球の貸出や払出を制御する払出制御基板45が、それぞれ、透明な樹脂製のボックスに収納された状態で設置されている。
[パチンコ機の制御機構]
一方、図5は、パチンコ機1の制御機構を示したものである。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、発射基板66等によって構成されている。そして、主制御基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うLSI50等の種々の制御素子が設けられている。LSI50は、各種の演算処理を行うCPU51、データやプログラム等を一時的に記憶するRAM52、各種のデータや制御プログラム等を記憶したROM53等を一体にモールディングしたものである。また、主制御基板41には、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等と信号の送受信を行うためのI/Oインターフェイス54が設けられており、そのI/Oインターフェイス54には、各種のデータや信号を外部に出力するための出力ポート55が接続されている。
[コントロールボックスの構成]
図6は、コントロールボックス201を示したものであり、図7、図8は、コントロールボックス201を分解して示したものである。コントロールボックス201は、カバー部材202、中ケース本体203、外ケース本体204、主制御基板41、R/Wユニット56等によって構成されている(なお、カバー部材202、中ケース本体203、外ケース本体204によって、収納ケースが構成されている)。
カバー部材202は、透明な合成樹脂によって開口した箱状に形成されており、長方形状のフロントパネル208の周囲が、略直角に後方(図6〜8においてカバー部材202の左側を前方とした場合の後方、以下同じ)に折り返された状態になっている。フロントパネル208の右側の折返し部209の後端縁際には、4個の縦長な係止孔211,211・・が等間隔で穿設されている。また、フロントパネル208の左側の折返し部210には、2個の螺着翼212,212が連設されており、各螺着翼212,212には、4個ずつ、筒状のネジ保持部213,213・・が設けられている。各ネジ保持部213,213・・は、中心から放射方向に配置された切断容易な2つの小径連結体によって、螺着翼212に一体的に設けられており、各ネジ保持部213,213・・の内部には、図示しないワンウェイタイプの封印ネジ(ドライバを利用して一方向にのみ回転させることができ、他方向に回転させることができないかしめネジ)が保持されている。さらに、上側の螺着翼212の上端、および、下側の螺着翼212の下端には、それぞれ、係合孔215が穿設されている。また、フロントパネル208の上側には、コネクタ保護体216が突設されており、そのコネクタ保護体216の上端際には、コネクタ挿通窓217が穿設されている。そして、右側の折返し部209の中央よりやや上方の内側には、小型で扁平な長方形状のICタグ86が、接着剤等によって接着されている。
また、中ケース本体203は、透明な合成樹脂によって、扁平な直方体状に形成されており、前方に位置した長方形の平板状の基板支持体(図示せず)の周囲が、略直角に後方に折り返された状態になっている。そして、右側の折返し部221の前端際には、4つの縦長な係止突起223,223・・が等間隔で突設されている。また、基板支持体の右端縁際で右側の折返し部221と隣接した位置には、縦長なアンテナ挿通孔226が穿設されている。さらに、左側の折返し部222には、2個の支持翼224,224が連設されており、各支持翼224,224には、4個ずつ、ネジ孔225,225・・が等間隔に穿設されている。加えて、上側の支持翼224の上端、および、下側の支持翼224の下端には、それぞれ、先端を矢尻状に形成した係合体227,227が突設されている。また、左右の折返し部221,222の内面には、それぞれ、嵌合凹部(図示せず)が設けられている。そして、中ケース本体203の基板支持体には、主制御基板41が螺着されており、主制御基板41の右端に設けられた長方形状の切り欠き228が、基板支持体のアンテナ挿通孔226と合致した状態になっている。なお、主制御基板41には、パチンコ機1の作動内容を制御するためのLSI50(ROM53)等の種々の制御素子が搭載されている。
一方、外ケース本体204は、透明な合成樹脂によって開口した箱状に形成されており、長方形の平板状の基板支持体(図示せず)の周囲が、略直角に前方に折り返された状態になっている。そして、右側の折返し部231には、長方形状の取付片233が、他の部分より前方に突出するように延設されており、その取付片223の内面には、ICタグ86とRF送受信を行うコイル状のアンテナ68が設置されている。また、右側の折返し部231、左側の折返し部232には、それぞれ、嵌合突起234,234・・が突設されている。そして、外ケース本体204の基板支持体には、R/Wユニット56が螺着されている。なお、R/Wユニット56には、各種の演算処理を行うCPU56a、フラグやデータ等を一時的に記憶するRAM56b、制御プログラムおよび各種の初期値のデータ等を記憶したROM56c、ICタグ86,186との通信履歴を記憶する記憶手段であるEEPROM56d、ICタグ86,186へ呼出波を送信しICタグ86,186から反射波を受信する送受信回路であるRF回路56g、外部の管理用のコンピュータ等にデータや信号を出力するためのLANカード56h、パチンコ機1の主制御基板41から各種信号を受信する入力ポート56i、エラー表示をするための7セグメント表示器69等が搭載されている。
コントロールボックス201は、外ケース本体204に設けられた取付片233を、中ケース本体203に設けられたアンテナ挿通孔226に挿通させた状態で、外ケース本体204の左右の折返し部231,232の外側に設けられた嵌合突起234,234・・を、中ケース本体203の左右の折返し部221,222の内側に設けられた嵌合凹部に嵌合させることによって、外ケース本体204と中ケース本体203とが一体になっている。また、中ケース本体203に螺着された主制御基板41上のコネクタ236を、カバー部材202のコネクタ挿通窓217に挿通させ、中ケース本体203の右側の折返し部221の外側に突設された各係止突起223,223・・を、カバー部材202の右側の折返し部209に穿設された各係止孔211,211・・に係止させた状態で、中ケース本体203の左側の各支持翼224,224に突設された各係合体227,227を、カバー部材202の左側の各螺着翼212,212に穿設された各係合孔215,215に係止させ、カバー部材202の上側の螺着翼212のネジ保持部213,213・・の内の1つに保持された封印ネジと、下側の螺着翼212のネジ保持部213,213・・の内の1つに保持された封印ネジとを、それぞれ、中ケース本体203の上下の支持翼224,224に螺着させることによって、外ケース本体204と一体になった中ケース本体203が、カバー部材202と一体になっている。そして、カバー部材202に取り付けられたICタグ86と、外ケース本体204の取付片233に取り付けられたアンテナ68とが、約1mmの距離を隔てて対峙した状態になっている。
かかるコントロールボックス201は、カバー部材202のネジ保持部213,213と中ケース本体203の支持翼224,224とが、ワンウェイタイプの封印ネジによって螺着されているため、封印ネジを螺着時と反対方向に回転させても、螺着状態が解除されない。それゆえ、カバー部材202を取り外す場合には、中ケース本体203の支持翼224,224と螺着したネジ保持部213,213の前方に設けられた小径連結体を、ニッパ等の工具で切断し、各ネジ保持部213,213をカバー部材202から切り離さなければならない。反対に、小径連結体を切断したネジ保持部213以外のネジ保持部213,213・・を中ケース本体203の支持翼224と螺着することによって、再度、カバー部材202を中ケース本体203に合着させることができる。それゆえ、コントロールボックス201は、カバー部材202と中ケース本体203との合着、分離を4回繰り返すことができ、カバー部材202と中ケース本体203との合着、分離回数を目視によって確認することができる。
また、アンテナ68とICタグ86は、約2mm以内の間隔である場合には、所定の周波数(たとえば、13.56MHz)の短波帯で、ノイズの影響の少ないRF送受信を行うことができ、R/Wユニット56のRF回路56gから呼出波を送信するとICタグ86が予め登録された識別データを含む反射波を返信する。一方、アンテナ68とICタグ86は、間隔が約2mmを超えると、通信することができなくなる。したがって、カバー部材202が取り外されたり、外ケース本体204が取り外されたりすると、アンテナ68とICタグ86は、通信することができなくなる。また、コントロールボックス201は、組み付けられた状態においては、アンテナ68とICタグ86との距離が約1mmに設定されているため、振動等によるわずかな揺れでは、通信できなくなる事態が生じたりしない。なお、アンテナ68とICタグ86との通信可能距離は、アンテナ68のコイルの巻き数やリアクタンス値により調節することができる。加えて、アンテナ68とICタグ86は、電磁波を媒体としてRF送受信を行うので、誤動作を防止するために、賞品球払出装置49のソレノイドや発射モータ67等の電磁波を発生する装置から離れた位置に配置されている。
[ICタグの構成]
また、図9は、ICタグ86の外観を示したものであり、図10は、ICタグ86の制御機構を示したものである。ICタグ86は、薄いフレキシブルプリント基板219上に、R/Wユニット56のアンテナ68からの呼出波に応答して反射波を放出するRF回路86aとEEPROM86cとを一体にしたICチップ86d、およびアンテナ回路86bを設けたものであり、RF回路86aにEEPROM86cとアンテナ回路86bとが接続された状態になっている。そして、EEPROM86cの上書消去禁止区域には、ICタグ86を他のICタグ86と識別するためのIDコード、メーカーID、ホールID等の識別データが記憶されている。ICタグ86は、R/Wユニット56からアンテナ68を介して呼出波が送信されてくると、その呼出波をアンテナ回路86bが受信し、呼出波に含まれた搬送波成分をRF回路86aで整流することによって直流電圧を得ることができる。したがって、ICタグ86は、外部からの電源供給を受けることなく必要な時にいつでも反射波を返信することができる。反射波の返信は、EEPROM86cからIDコード等の識別データを読み出し、識別データを反射波に乗せてRF回路86aから送信することによって行う。また、R/Wユニット56のRAM56bから呼出波に乗せて送信されたデータをEEPROM86cに記憶しておくこともできる。なお、大入賞口16の扉部材16aに取り付けられたICタグ186の構造は、コントロールボックス201に取り付けられたICタグ86の構造と同じである。
[R/Wユニットの構成]
また、図11は、R/Wユニット56の制御機構を示したものであり、R/Wユニット56のCPU56aは、RAM56b、ROM56c、EEPROM56d、タイマ56f、RF回路56gと接続されている。さらに、CPU56aは、I/Oインターフェイス56eを介して、LANカード56h、入力ポート56i、7セグメント表示器69と接続されている。加えて、RF回路56gは、同軸ケーブル56kを介して、コントロールボックス201の外ケース本体204に取り付けられたアンテナ68、および、大入賞口16の開口部16bの周囲に取り付けられたアンテナ168と接続されている。また、R/Wユニット56は、電源基板42を介した電源供給を受けず、パチンコ機1が設置される島設備から直接に電源供給を受けるように構成されている。
[パチンコ機の作動内容]
かかるパチンコ機1は、LSI50のROM53に記憶されたメインプログラムにしたがって、CPU51が各種の演算を行い、特別図柄表示装置8、賞品球払出装置49等の各種の装置との信号の送受信を行うことによって、主たる作動を実行する。そして、発射ハンドル7の回転操作によって遊技領域4に打ち出された遊技球が図柄始動口15に入賞すると、特別図柄表示装置8に表示された図柄を変動させ(他の図柄と順々に入れ替わる動画を表示し)、所定時間後に停止させて新たな図柄を表示し、その新たな図柄として、予め設定された「大当たり図柄」を表示した場合には、「大当たり」を生起させ、主制御基板41から電飾基板46、図柄表示基板44、音基板43、R/Wユニット56等に、所定の「大当たり信号」を送信する。そして、それらの基板を介して、大入賞口16の扉部材16aを所定回数だけ断続的に開成させるとともに、特別図柄表示装置8において所定の動画を表示し、各種の電飾ランプ等を所定の態様で発光させ、スピーカ48から所定の効果音を発生させる。さらに、大入賞口16等の入賞装置に遊技球が入賞すると、賞品球払出装置49が、所定数の遊技球を賞品球として供給皿5に払い出す。
[R/Wユニットの作動内容]
R/Wユニット56は、パチンコ機1が設置される島設備から電源供給を受けている間中、常時、コントロールボックス201および大入賞口16の不正監視動作を実行する。すなわち、R/Wユニット56は、RF回路56gからアンテナ68,168を介して、コントロールボックス201に取り付けられたICタグ86および大入賞口16に取り付けられたICタグ186に対して、ポーリング(呼出波の発信)を実行する。上述したように、コントロールボックス201が開放され、ICタグ86とアンテナ68とが離れると、R/Wユニット56のRF回路56gは、ICタグ86から反射波を受信できなくなる。また、大入賞口16が開放し、ICタグ186とアンテナ168とが離れると、R/Wユニット56のRF回路56gは、ICタグ186から反射波を受信できなくなる。したがって、R/Wユニット56のRF回路56gがICタグ86から反射波を受信できない場合には、コントロールボックス201が開放されている事態が想定され、RF回路56gがICタグ186から反射波を受信できない場合には、大入賞口16が開放されている事態が想定される。それゆえ、R/Wユニット56は、コントロールボックス201に取り付けられたICタグ86から直ちに反射波が返信されなかったり、返信までの時間が変化したりした場合には、コントロールボックス201に異常が発生した(開放された)と判定して、EEPROM56dに、ポーリングを実行した時刻を記憶するとともに、LANカード56hによって、そのポーリングを実行した時刻を含むデータ(監視履歴データ)を、外部に出力する。
また、「大当たり」が生起した場合には、不正行為を伴うことなく大入賞口16の扉部材16aが開放するため、かかる扉部材16aの正常な開放を不正による開放と誤認しないように、R/Wユニット56は、大入賞口16の扉部材16aに取り付けられたICタグ186から直ちに反射波が返信されなかったり、返信までの時間が変化したりした場合には、「大当たり」生起時に主制御基板41から送信される「大当たり信号」を受信しているか否か判断し、「大当たり信号」を受信していないと判断した場合にのみ、大入賞口16に異常が発生した(扉部材16aが不正に開放された)と判定して、EEPROM56dに、ポーリングを実行した時刻を記憶するとともに、LANカード56hによって、そのポーリングを実行した時刻を含む監視履歴データを、外部に出力する。さらに、R/Wユニット56は、ICタグ86,186から予め登録されている識別データと異なる識別データを含む反射波を受信した場合には、ICタグ86,186が別のもの(偽造をしたもの)にすり替えられた事態が想定されるため、コントロールボックス201あるいは大入賞口16に異常が発生したと判定して、EEPROM56dに、ポーリングを実行した時刻を記憶するとともに、LANカード56hによって、そのポーリングを実行した時刻を含む監視履歴データを、外部に出力する。加えて、所定時間内に反射波が返信された場合、反射波が返信されない場合ともに、直ちに、次のポーリングを実行する。加えて、異常が発生したと判定した場合には、7セグメント表示器69が異常発生箇所(コントロールボックス201あるいは大入賞口16)、異常の累積発生回数等を表示する。
[不正監視システムの構成]
上記の如く構成されたパチンコ機1,1・・は、たとえば、図12の如き不正監視システムに利用することができる。不正監視システム200は、パチンコホールの各設置島に、パチンコ機1,1・・が背中合わせに2列に並べられており、各設置島に、それぞれ、パチンコ機1,1・・から送信されたデータの管理を行う管理コンピュータである管理機100が設置されている。また、設置島に設置された各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56が、LANケーブル等の通信ケーブル150を介して、管理機100に接続されている。さらに、各設置島に設置された管理機100,100・・は、パチンコホール全体を管理するホールコンピュータ300に接続されている。
[管理機の構成]
図13は、管理機100を示したものであり、管理機100は、正面に表示器107が設けられており、上部に警告ランプ108が設けられている。警告ランプ108は、上段に、大入賞口16の扉部材16aの異常(不正な開放)を報知する第一ランプ108aが設けられており、下段に、コントロールボックス201の異常(不正な開放)を報知する第二ランプ108bが設けられている。なお、第一ランプ108aと第二ランプ108bは異なる色に発光するように構成されている。また、表示器107は、液晶画面を有しており、その液晶画面に、異常が発生したパチンコ機1の機台番号、および異常が発生した箇所等のメッセージを表示することができるようになっている。さらに、警告ランプ108は、所定時間(たとえば、5秒間)点滅した後に消灯するようになっており、表示器107は、テンキー237を利用して暗証番号を入力し、クリアボタン110をプッシュ操作することにより、表示内容を消去することができるようになっている。
また、図14は、管理機100の制御機構を示したものであり、各種の演算を行うCPU101には、フラグやデータ等を一時的に記憶するRAM102、管理プログラムおよび各種の初期値のデータ等を記憶したROM103、暗証番号データベースや、履歴データベースを記憶したEEPROM104等が接続されている。また、CPU101は、I/Oインターフェイス105を介して、クリアボタン110、警告ランプ108、表示器107等と接続されており、I/Oインターフェイス105、通信回路106を介して、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56から送信された「監視履歴データ」を受信したり、R/Wユニット56に対して各種の指令信号等を送信したりすることができるようになっている。
[不正監視システムの作動内容]
以下、不正監視システム200による不正の監視処理の内容について説明する。不正監視システム200においては、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56が、常時、コントロールボックス201と大入賞口16の扉部材16aとに取り付けられたICタグ86,186に対してポーリングを実行し、ICタグ86,186から反射波を受信し、反射波に含まれたIDコードを読み取ることによって、各パチンコ機1,1・・のコントロールボックス201の状態、および、大入賞口16の扉部材16aの状態を検知している。また、その結果、異常事態が発生したと判定された場合には、R/Wユニット56が、その異常事態に関する「監視履歴データ」を記憶するとともに、管理機100に送信する。さらに、不正監視システム200は、管理機100に対して所定の操作をすることにより、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56に信号を送信し、コントロールボックス201に取り付けられたICタグ86および大入賞口16の扉部材16aに取り付けられたICタグ186に対してポーリングを実行させることによって、各パチンコ機1,1・・のコントロールボックス201の状態、および、大入賞口16の扉部材16aの状態を瞬時に検知することができる。加えて、各パチンコ機1,1・・のコントロールボックス201あるいは大入賞口16の扉部材16aにおいて異常が発生した場合には、管理機100によって、速やかに報知することができる。
[R/Wユニットによるコントロールボックスの監視処理]
図15は、監視システム200において各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56がコントロールボックス201の状態を監視する際の処理内容を示すフローチャートである。R/Wユニット56は、常時、島電源から電源供給を受けており、パチンコホールの営業中・夜間を問わず、常時、コントロールボックス201の監視処理を行う。コントロールボックス201の監視処理においては、まず、CPU56aの指令により、RF回路56gが、アンテナ68を介してICタグ86に呼出波を送信することによってポーリング(呼び出し)を実行する(S1)。そして、ICタグ86が反射波にIDコード(識別データ)を乗せて返信してくるのを待ち、設定時間(たとえば、50ms)内にICタグ86から反射波が返信されたか否かを判断する(S3)。
設定時間内に反射波が返ってきた場合(S3でYESの場合)には、返信されたIDコードが正しいものであるかどうかを判断し(S13)、IDコードが正しい場合(S13でYESの場合)には、IDエラーフラグがONにされているかどうかを判断する(S23)。なお、前回のポーリング時に正しいIDコード(予めICタグに記憶させたIDコード)を含む反射波が返信されてきた場合には、IDエラーフラグはOFFにされており、前回のポーリング時に間違ったIDコード(正しいIDと異なるIDコード)を含む反射波が返信された場合には、IDエラーフラグはONにされている。そして、IDエラーフラグがOFFの場合(S23でNOの場合)には、消失フラグがONになっているかどうかを判断する(S27)。なお、前回のポーリング時に設定時間内に反射波が返信された場合には、消失フラグはOFFにされており、前回のポーリング時に設定時間内に反射波が返信されなかった場合には、消失フラグはONにされている。消失フラグがOFFになっていれば(S27でNOの場合)、前回のポーリングから継続して設定時間内に正しいIDコードを含む反射波が返信されていることとなるので、コントロールボックス201が正常(閉じられたまま)であると判定し、「監視履歴データ」の記憶、管理機100へのデータ送信を行うことなく、処理終了かどうかを判断し(S35)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S1)。
一方、設定時間内に反射波が返ってこなかった場合(S3でNOの場合)には、故障でない限り、コントロールボックス201が開放されてICタグ86とアンテナ68とが通信可能範囲外まで離れた事態が想定されるので、コントロールボックス201の状態は異常であると判定される。また、異常事態が継続したものであれば、異常事態が発生した時点で、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われている。したがって、再度、同一の異常事態に関するデータを記憶したり、管理機100に送信したりする必要はないため、EEPROM56dに記憶されている消失フラグがOFFにされているかどうかを判断することにより、今回のポーリングで検知した異常事態が継続したものであるか否かを判断する(S5)。なお、かかるステップを実行することによって、同一の異常事態に関するデータを重ねて記憶することによるEEPROM56dの記憶可能領域の低減を防止することができる。
そして、消失フラグがONになっている場合(S5でNOの場合)には、前回のポーリングでも返信がなく、今回のポーリングで検知した異常事態は前回のポーリングから継続したものであるので、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われている。したがって、「監視履歴データ」の記憶や、管理機100へのデータ送信を行うことなく、処理終了かどうかを判断し(S35)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S1)。
一方、消失フラグがOFFになっている場合(S5でYESの場合)には、今回のポーリングで初めて返信が途絶えたことを意味する。したがって、コントロールボックス201に異常事態が発生した(コントロールボックス201が開放された)と判定して、ポーリングした時刻を消失時刻としてEEPROM56dに記憶する(S7)。そして、消失フラグをONにする(S9)。さらに、IDコードと消失時刻とをセットにして、「監視履歴データ」として、LANカード56hから管理機100に送信する(S11)。なお、「監視履歴データ」を受信した管理機100は、表示器107によって、異常が発生した事態を報知する。
また、設定時間内に反射波が返信されたものの(S3でYESの場合)、返信された反射波に含まれたIDコードが正しいものでない場合(S13でNOの場合)には、ICタグ86が別のもの(偽造されたもの)とすり替えられた可能性があるため、コントロールボックス201の状態は異常であると判定される。また、異常事態が継続したものであれば、異常事態が発生した時点で、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われているため、再度、同一の異常事態に関するデータを記憶したり、管理機100に送信したりする必要はないため、EEPROM56dに記憶されているIDエラーフラグがOFFにされているかどうかを判断することにより、今回のポーリングで検知された異常事態が継続したものであるか否かを判断する(S15)。
そして、IDエラーフラグがONになっている場合(S15でNOの場合)には、前回のポーリングでも返信がなく、今回のポーリングで検知された異常事態は前回から継続したものであるので、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われている。したがって、「監視履歴データ」の記憶、管理機100へのデータ送信を行うことなく、処理終了かどうかを判断し(S35)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S1)。
一方、IDエラーフラグがOFFになっている場合(S15でYESの場合)には、今回のポーリングにおいて初めて間違ったIDコードを含む反射波が返信されたことを意味する。したがって、コントロールボックス201に異常事態が発生した(ICタグ86がすり替えられた)と判定して、ポーリングした時刻をIDエラー発生時刻としてEEPROM56dに記憶する(S17)。そして、IDエラーフラグをONにする(S19)。さらに、IDコードとIDエラー発生時刻とをセットにして、「監視履歴データ」であるIDエラーデータとして、LANカード56hから管理機100に送信する(S21)。なお、「監視履歴データ」を受信した管理機100は、表示器107によって、異常が発生した事態を報知する。
また、反射波に含まれたIDコードが正しい場合(S13でYESの場合)には、IDエラーフラグがONにされているかどうかを判断する(S23)。そして、IDエラーフラグがONになっている場合(S23でYESの場合)には、今回正しいIDコードに戻ったことを意味するので、IDエラーフラグをOFFにする(S25)。しかる後に、消失フラグがONになっているかどうかを判断する(S27)。
消失フラグがONになっている場合(S27でYESの場合)には、前回のポーリングにおいては反射波の返信がなかったが今回のポーリングにおいては反射波を返信してきたことを意味するので、コントロールボックス201の状態に変化が生じたと判定して、反射波の返信時刻を復帰時刻としてEEPROM56dに記憶する(S29)。なお、返信がなくなった時点で消失時刻を記憶しているため、記憶した復帰時刻から、コントロールボックス201が開放されていた時間を算出することができる。復帰時刻を記憶した後には、消失フラグをOFFにする(S31)。そしてIDコードと復帰時刻とをセットにして、「監視履歴データ」として、LANカード56hから管理機100に送信する(S33)。しかる後に、処理終了かどうかを判断し(S35)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S1)。
以上のような監視処理を行うことにより、R/Wユニット56は、前回のポーリングから継続して正しいIDコードを含む反射波が設定時間内に返信された場合には、コントロールボックス201の状態が正常であると判定する。また、設定時間内に返信がない場合、返信された反射波に含まれたIDコードが間違っている場合には、コントロールボックス201が異常であると判定する。さらに、正常であると判定する場合、異常であると判定する場合とも、その状態が前回から継続したものであるか否かを確認し、今回のポーリングで初めて状態の変化が起こっている場合にのみ、変化した時刻を記憶する。加えて、設定時間内に正しいIDコードを含む反射波が返信された場合でも、前回のポーリング時に返信がなかった場合には、コントロールボックス201の状態に変化があったとして、返信された時刻を記憶する。また、状態の変化した時刻を、管理機100へ送信する。さらに、R/Wユニット56は、ポーリングに伴う一連の処理を終了した後には、直ちに、次のポーリングを実行し、ポーリングを常に繰り返す監視処理をすることによって、最小限の「監視履歴データ」のみを記憶しながら、効率的にコントロールボックス201の状態を監視する。
[R/Wユニットによる大入賞口の監視処理]
図16は、監視システム200においてR/Wユニット56が大入賞口16の状態を監視する際の処理内容を示すフローチャートである。R/Wユニット56による大入賞口16の監視処理は、上記したコントロールボックス201の監視処理と略同様であるが、パチンコ機1で「大当たり」が生起した場合に大入賞口16の扉部材16aが開成するため、コントロールボックス201の監視処理と異なり、大入賞口16の扉部材16aに取り付けられたICタグ186から反射波の返信がなかった場合に、主制御基板41から送信される「大当たり信号」を参照することにより、ICタグ186の無応答が「大当たり」の生起による扉部材16aの開成に起因したものであるか否かを判断する。なお、パチンコホールの営業時間が終了し、パチンコ機1の主電源が落とされた後に、「大当たり」の生起を装って大入賞口16の扉部材16aが不正に開放される事態は想定しにくいため、パチンコ機1の主電源が落とされた後には、大入賞口16の監視処理は行われない。
R/Wユニット56による大入賞口16の監視処理においては、コントロールボックス201の監視処理と同様に、CPU56aの指令により、RF回路56gが、アンテナ168を介してICタグ186に呼出波を送信することによってポーリングを実行する(S101)。そして、ICタグ186が反射波にIDコードを乗せて返信してくるのを待ち、設定時間(たとえば、50ms)内にICタグ186から反射波が返信されたか否かを判断する(S103)。
そして、設定時間内に応答が帰ってこなかった場合(S103でNOの場合)には、故障でない限り、ICタグ186を取り付けた扉部材16aが開成した事態が想定されるので、入力ボート56iが主制御基板41の出力ボート55から「大当たり信号」を受信しているか否かを判断する(S104)。「大当たり信号」を受信している場合(S104でYESの場合)には、「大当たり」の生起による扉部材16aの正常な開放であると考えられるので、「監視履歴データ」の記憶、管理機100への「監視履歴データ」の送信を行うことなく、処理終了かどうかを判断し(S135)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S101)。
一方、「大当たり信号」を受信していなければ(S104でNOの場合)、扉部材16aが不正に開放されてICタグ186とアンテナ168とが通信可能範囲外まで離れたためであると考えられるから、大入賞口16の状態が異常であると判定される。また、異常事態が継続したものであれば、異常事態が発生した時点で、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われているので、再度、同一の異常事態に関するデータを記憶したり、管理機100に送信したりする必要はないため、EEPROM56dに記憶されている消失フラグがOFFにされているかどうかを判断することにより、今回のポーリングで検知された異常事態が継続したものであるか否かを判断する(S105)。そして、消失フラグがONになっている場合(S105でNOの場合)には、前回のポーリングでも返信がなく、今回のポーリングで検知された異常事態は前回から継続したものであるので、異常発生時刻の記憶および異常発生データの管理機100への送信がすでに行われている。したがって、「監視履歴データ」の記憶、管理機100へのデータ送信を行うことなく、処理終了かどうかを判断し(S135)、通常は、再度、速やかにポーリングを繰り返す(S101)。
一方、消失フラグがOFFになっている場合(S105でYESの場合)には、今回のポーリングで初めて返信が途絶えたことを意味するので、大入賞口16に異常事態が発生した(扉部材16aが不正に開放された)と判断して、ポーリングした時刻を消失時刻としてEEPROM56dに記憶する(S107)。そして、消失フラグをONにする(S109)。さらに、IDコードと消失時刻とをセットにして、「監視履歴データ」として、LANカード56hから管理機100に送信する(S111)。なお、R/Wユニット56による大入賞口16の監視処理におけるその他のステップは、コントロールボックス201の監視処理におけるステップと同様である。
以上のような監視処理を行うことにより、R/Wユニット56は、前回のポーリングから継続して正しいIDコードを含む反射波が設定時間内に返信された場合には、大入賞口16が正常であると判定する。また、設定時間内に返信がなく「大当たり信号」を受信していない場合、返信された反射波に含まれたIDコードが間違っている場合には、大入賞口16が異常であると判定する。さらに、正常であると判定する場合、異常であると判定する場合とも、その状態が前回から継続したものであるか否かを確認し、今回のポーリングで初めて状態の変化が起こっている場合にのみ、変化した時刻を記憶する。加えて、設定時間内に正しいIDコードを含む反射波が返信された場合でも、前回のポーリング時に「大当たり信号」を検知していないにも拘わらず返信がなかった場合には、大入賞口16の状態に変化があったとして返信された時刻を記憶する。また、状態の変化した時刻を、管理機100へ送信する。さらに、R/Wユニット56は、ポーリングに伴う一連の処理を終了した後には、直ちに、次のポーリングを実行し、ポーリングを常に繰り返す監視処理をすることによって、最小限の「監視履歴データ」のみを記憶しながら、効率的に大入賞口16の状態を監視する。
[管理機の作動内容]
また、図17は、監視システム200において管理機100が行う監視処理の内容を示すフローチャートである。管理機100は、パチンコホールの開店に伴って電源が投入されると、一連の開店時処理(S301〜S311)を実行する。開店時処理においては、まず、暗証番号、パスワード、IDカード等の管理者権限の入力を受け付け、入力された管理者権限が、予め管理機100のEEPROM104内に登録されているものであるか否かを確認し、予め登録されているものである場合には、管理者権限があると判断する(S301)。管理者権限があると判断した場合(S301でYESの場合)には、通信ケーブル150を介して、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56に対してポーリングを実行し(S303)、閉店時間中における「監視履歴データ」を受信する(S305)。なお、管理者権限がないと判断した場合(S301でNOの場合)には、管理機100は、一切の処理を実行しない。そして、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56から消失時刻、復帰時刻等の「監視履歴データ」を受信した場合(S307でYESの場合)には、その「監視履歴データ」をEEPROM104の履歴データベースに記憶するとともに(S309)、その「監視履歴データ」の内容を表示器107に表示する(S311)。
管理機100は、開店時処理を終了した後には、一連の営業中監視処理(S312〜S341)を繰り返し実行する。営業中監視処理においては、まず、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56から「監視履歴データ」を受信したかどうかを判断する(S312)。そして、「監視履歴データ」を受信した場合(S312でYESの場合)には、その「監視履歴データ」がIDエラーデータであるか否かを判断する(S327)。IDエラーデータである場合(S327でYESの場合)には、そのIDエラーデータに含まれたIDコードから、IDエラーデータを送信したパチンコ機1の機台番号とIDエラーを生じたICタグの設置場所(コントロールボックス201または大入賞口16)を判別し、それらの情報とIDエラーを生じた時刻とを、EEPROM104の履歴データベースに記憶する(S329)。履歴データベースは、図18に示すように、IDコード、パチンコ機1の機台番号、間違ったIDコードを含む反射波を送信したICタグの設置場所、消失時刻、復帰時刻、消失時刻から復帰時刻までの時間である識別不能時間、IDエラー時刻等を、約一週間分記憶したものである。しかる後、表示器107に「○○番台 コントロールボックス IDエラー」のようなエラー表示を行い(S335)、警告ランプ108を点灯させる(S337)。かかる警告ランプ108の点灯および表示器107のエラー表示によって、パチンコホールの係員等が、IDエラーデータを送信したパチンコ機1のコントロールボックス201や大入賞口16に異常が発生したことを認識することができる。
受信した「監視履歴データ」がIDエラーデータでない場合(S327でNOの場合)には、IDコードと消失時刻とをセットにした消失データであるかどうかを判断する(S331)。消失データである場合(S331でYESの場合)には、その消失データに含まれたIDコードから、「監視履歴データ」を送信したパチンコ機1の機台番号と反射波を返信しなかったICタグの設置場所とを判断し、それらの情報と消失時刻とをEEPROM104の履歴データベースに記憶する(S333)。しかる後に、表示器107に「○○番台 大入賞口 不正開放」のようなエラー表示を行い(S335)、警告ランプ108を点灯させる(S337)。
一方、受信した「監視履歴データ」が消失データでない場合(S331でNOの場合)には、その「監視履歴データ」は、一旦、R/Wユニット56とICタグとが通信不能状態から通信可能状態に復帰したことを示す復帰データであるため、履歴データベース内で、送信された「監視履歴データ」に含まれたIDコードに関する管理データを検索し、該当した管理データに復帰時刻を記憶するとともに(S339)、消失時刻から復帰時刻までの識別不能時間を算出して、その識別不能時間を該当した管理データに記憶する。
一方、パチンコホールの係員等によってマニュアル操作される場合には、まず、管理者権限があるか否かが判断され(S315)、管理者権限があると判断された場合(S315でYESの場合)にのみ、種々のマニュアル操作が可能となる。そして、クリアボタン110がプッシュ操作されるた場合(S317でYESの場合)には、表示器107のエラー表示を消去する(S319)。かかる処理により、表示器107のエラー表示に対してパチンコホールの係員等が対処した場合に、不要となった表示器107のエラー表示を消去することができる。
また、クリアボタン110がプッシュ操作された場合(S321でYESの場合)には、CPU101が、EEPROM104、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56(場合によっては、ICタグ86,186)に消去指令信号を送信することによって、EEPROM104に記憶された「監視履歴データ」を消去するとともに、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56へ消去指令信号を送信することによって、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56のEEPROM56dに記憶された「監視履歴データ」を消去する(S323)。なお、管理機100のEEPROM104、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56のEEPROM56dに記憶された「監視履歴データ」は、所定の期間を経過した後に、CPU101から消去指令信号を受けると消失するように構成されている。かかる処理により、不要となった「監視履歴データ」を消去し、管理機100のEEPROM104、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56のEEPROM56dの記憶可能領域を確保することができる。
さらに、管理機100のテンキー237によって所定の数字が入力された場合(S317でNOであり、S321でNOの場合)には、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56に対してポーリングを実行し(S325)、各パチンコ機1,1・・のR/Wユニット56のEEPROM56d内の「監視履歴データ」を収集する(S312)。かかる処理により、管理機100に接続された各パチンコ機1,1・・のコントロールボックス201や大入賞口16の状態を、随時チェックすることができる。
加えて、管理機100は、所定の期間(たとえば、一週間)毎に、EEPROM104の履歴データベースに記憶された「監視履歴データ」を、ホールコンピュータ300に送信する。また、ホールコンピュータ300から、「監視履歴データ」の送信指令信号を受信した場合にも、EEPROM104の履歴データベースに記憶された「監視履歴データ」を、ホールコンピュータ300に送信する。
[実施形態のパチンコ機の効果]
パチンコ機1は、上記の如く、無線による所定の呼出波を受信すると記憶している固有の識別データを含む反射波を無線により所定範囲内に出力するICタグ186が、大入賞口16の扉部材16aに設置されており、そのICタグ186に対して呼出波を送信するとともに、各ICタグが出力する反射波を受信し、かつ、呼出波を送信してから所定時間内に反射波を受信しなかった場合、あるいは、受信した反射波に含まれた識別データが予め登録されている識別データと異なっている場合に異常と判定するR/Wユニット56と、そのR/Wユニット56から送信された呼出波を外部に出力するとともに各ICタグ186からの反射波を入力するアンテナ168が設けられている。また、R/Wユニット56が、分割式の収容ケース(カバー部材202、中ケース本体203、外ケース本体204)に収納されており、かつ、その分割式の収容ケースの片方(カバー部材202)に、ICタグ86が設置されており、なおかつ、他方(外ケース本体204)に、アンテナ68が設けられており、そのアンテナ68の位置が、分割式の収納ケースを組み付けた場合にICタグ86による反射波の出力範囲内となり、収納ケースを開放した場合にICタグ86による反射波の出力範囲外となるように調整されている。したがって、パチンコ機1は、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグ86とアンテナ68とによって、直ちにその事態を検知することができるので、R/Wユニット56に記憶された「監視履歴データ」を改竄する不正や、R/Wユニット56を破壊して監視不能としたり、R/Wユニット56の監視動作を制御するプログラムを変更したりする不正を、非常に効果的に防止することができる。
また、パチンコ機1は、R/Wユニット56による判定手段、R/Wユニット56が反射波を受信できる状態から反射波を受信できない状態に変わった時刻、R/Wユニット56が反射波を受信できない状態から受信できる状態に変わった時刻、または、R/Wユニット56が予め登録されている識別データ(IDコード)と異なる識別データを受信した時刻等の「監視履歴データ」を記憶する記憶手段であるEEPROM56dが設けられており、そのEEPROM56dがR/Wユニット56に搭載された状態で、ICタグ86とアンテナ68とを取り付けた分割式の収容ケースに収納されている。したがって、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグ86とアンテナ68とによって、直ちにその事態を検知することができるので、EEPROM56dに記憶された監視履歴に関するデータを改竄する不正を、非常に効果的に防止することができる。
さらに、パチンコ機1は、「監視履歴データ」を外部に出力する出力手段であるLANカード56hが設けられているため、R/Wユニット56によって異常と判断された場合に、外部で光や音により報知することが可能であるので、不正行為をきわめて効果的に防止することができる。また、LANカード56hを管理機100等の外部のコンピュータと接続することによって、外部から一括した不正監視をすることができる。
加えて、パチンコ機1は、作動内容を制御するための制御素子を搭載した主制御基板41が設けられており、その主制御基板41が、R/Wユニット56とともに、ICタグ86とアンテナ68とを取り付けた分割式の収容ケースに収納されているため、収納ケースが不正に開放された場合には、収納ケースに取り付けられたICタグ86とアンテナ68とによって、直ちにその事態を検知することができるので、主制御基板41上に搭載されたLSI50を不正なLSIとすり替える不正を、非常に効果的に防止することができる。また、一組のICタグ86とアンテナ68とによって、R/Wユニット56および主制御基板41に対する不正を監視することができるので、製造コストも安価である。
また、パチンコ機1は、分割式の収納ケースが、R/Wユニット56を収納する第一ケース本体(外ケース本体204)と、主制御基板41を収納する第二ケース本体(中ケース本体203)と、ICタグ86を取り付けたカバー部材202とからなるものであるとともに、第一ケース本体に取付片33が突設されており、かつ、その取付片33にアンテナ68が取り付けられている一方、第二ケース本体にアンテナ挿通孔226が穿設されており、第一ケース本体の取付片33が第二ケース本体のアンテナ挿通孔226を挿通した状態で、第一ケース本体の取付片33に取り付けられたアンテナ68が、カバー部材202に取り付けられたICタグ86と近接した状態になっている。したがって、第一ケース本体をカバー部材202と分離しなければ、主制御基板41を収納した第二ケース本体をカバー部材202と分離することができず、第一ケース本体をカバー部材202と分離した場合には、カバー部材202に取り付けられたICタグ86と第一ケース本体に取り付けられたアンテナ68とによって、直ちにその事態を検知することができるので、主制御基板41上に搭載されたLSI50を不正なLSIとすり替える不正を、きわめて効果的に防止することができる。また、R/Wユニット56を収納する第一ケース本体に比べて、主制御基板41を収納する第二ケース本体が十分に大きい場合であっても、同様に、第一ケース本体をカバー部材202と分離しなければ第二ケース本体をカバー部材202と分離することができないので、主制御装置41を大型なものにした場合でも、主制御基板41に対する不正を、きわめて効果的に防止することができる。
さらに、パチンコ機1は、「大当たり」の生起により動作する扉部材16aが設けられており、その扉部材16aに、ICタグ186が取り付けられているとともに、そのICタグ186による反射波の出力範囲内であって扉部材16aとは異なる部位にアンテナ168が取り付けられているため、扉部材16aが作動すると反射波が受信できなくなるので、その反射波が受信できなくなった時刻や回数を、「大当たり」の生起の時刻や回数と照らし合わせることによって、扉部材16aの不正開放等の事態を、迅速かつ正確に検知することができる。
加えて、パチンコ機1は、R/Wユニット56による判定結果が前回の判定から継続して正常である場合、および、R/Wユニット56による判定結果が前回の判定から継続して異常である場合には、EEPROM56dが「監視履歴データ」を記憶しないため、EEPROM56dのデータ記憶量を最小限に留めることができ、EEPROM56dが「監視履歴データ」を過剰に記憶することに起因した異常事態の検知ミスの発生を防止することができる。
また、パチンコ機1は、監視手段R/Wユニット56が、ICタグ86,186に対して呼出波を送信して異常か否かの判定を行った後、直ちに、再度、ICタグ86,186に対して呼出波を送信するため、ICタグ設置部位であるコントロールボックス201や大入賞口16の異常をリアルタイムで検知することができる。
[不正監視システムの効果]
一方、不正監視システム200は、パチンコ機1,1・・と、それらのパチンコ機1,1・・のR/Wユニット56のLANカード56hが出力した「監視履歴データ」の管理を行う管理コンピュータである管理機100とを接続したものであるため、管理機100によって、各パチンコ機1,1・・のコントロールボックス201や大入賞口16の異常を一括して把握することができるので、多くのパチンコ機1,1・・に対する不正行為の有無を、きわめて短時間の内に容易にチェックすることができる。
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、R/Wユニット、ICタグ、コントロールボックス、主制御基板、大入賞口等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、遊技機は、上記実施形態の如く、コントロールボックスの他に、大入賞口の扉部材にICタグとアンテナとを設けたものに限定されず、不正にこじ開けられる可能性が高いガラス枠等の別の部位にICタグとアンテナとを設けたものでも良い。また、コントロールボックス以外に、大入賞口の扉部材のみにICタグとアンテナとを設けたものに限定されず、コントロールボックス以外の複数の部位にICタグとアンテナとを設けたものに変更することも可能である。
また、R/Wユニットは、島設備から電源供給を受けるものに限定されず、内蔵したバックアップ電源や外部のバックアップ電源から電源供給を受けるものや、通常時には主電源から電源基板を介して電源供給を受けており主電源が遮断された場合にのみバックアップ電源から電源供給を受けるもの等でも良い。
加えて、遊技機の各部位に設けるICタグは、上記実施形態の如く、小型で扁平な長方形状のものに限定されず、コイン型やスティック型等の別の形状を有するものでも良い。また、上記実施形態の如く、電磁誘導方式によってアンテナ(R/Wユニット)と信号の送受信を行うものに限定されず、電磁結合方式、マイクロ波方式、光方式等の別の方法によって、アンテナ(R/Wユニット)と信号の送受信を行うものに変更することができる。さらに、ICタグの取付方法は、所定の部材や装置に接着する方法に限定されず、所定の部材や装置に一体的にモールディングする方法等の別の方法を採用することができる。加えて、ICタグを、所定の場所から剥がすと機能しなくなるように構成することも可能である。
また、アンテナの取付方法も、所定の部位に接着する方法に限定されず、所定の部材や装置に一体的にモールディングする方法等の別の方法を採用することができる。さらに、上記実施形態の如く、扉部材が前方に片開きする大入賞口にICタグを取り付ける場合には、ガラス枠やガラス板にアンテナを取り付けることも可能である。
さらに、R/Wユニットは、消失時刻や復帰時刻等の監視履歴データをEEPROMに記憶するものに限定されず、ハードディスクや光ディスク等の媒体に記憶するものや、監視履歴データをRAMに一時的に記憶して外部の管理機等に出力した後に消去するもの等でも良い。
加えて、R/Wユニットは、ICタグから返信がなかった場合に、ポーリング時間を消失時間としてRAMに一時的に記憶し、復帰した場合に、復帰した時刻と合わせてICタグに記憶させるものに変更することも可能である。かかる構成を採用した場合には、万が一、記憶手段や外部の管理機等に記憶された監視履歴データが消去されてしまった場合でも、消去された監視履歴データをICタグから再度読み取ることができるため、R/Wユニットの不正監視機能がより精度の高いものとなる。
また、パチンコ機は、外ケース本体に設けられた取付片が中ケース本体の端縁際を挿通した状態で、取付片に取り付けられたアンテナが、カバー部材に取り付けられたICタグと近接しているものに限定されず、外ケース本体に設けられた取付片が中ケース本体の中央(端縁際以外の部分)を挿通した状態で、取付片に取り付けられたアンテナが、カバー部材に取り付けられたICタグと近接しているものや、カバー部材に設けられた取付片が中ケース本体を挿通した状態で、取付片に取り付けられたICタグが、外ケース本体に取り付けられたアンテナと近接しているもの等に変更することも可能である。そのように変更した場合でも、パチンコ機は、同様な不正防止効果を奏することができる。
加えて、パチンコ機は、R/Wユニットを収納する収納ケースが、外ケース本体と中ケース本体とカバー部材との3つの部材からなるものに限定されず、収納ケースがアンテナを取り付けたケース本体とICタグを取り付けたカバー部材との2つの部材からなり、主制御基板がR/Wユニットと一緒にケース本体内に収納されているもの等に変更することも可能である。
また、パチンコ機は、R/Wユニットが異常を検知した場合に、外部の管理機を利用して、その事態を報知するものに限定されず、報知手段が設けられており、その報知手段によって異常を報知するもの等に変更することもできる。
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態の如きパチンコ機に限定されず、スロットマシーン、スロットマシーン型パチンコ機等の他の遊技機に変更することも可能である。
一方、本発明の不正監視システムの構成も、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、管理機、ホールコンピュータ等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
たとえば、不正監視システムは、有線の通信ケーブルを用いて遊技機のR/Wユニットと管理機とを接続したものに限定されず、R/Wユニットと管理機とが赤外線や無線によって信号の送受信を行うもの等でも良い。
また、不正監視システムは、各設置島に管理機を1台ずつ設置したものに限定されず、複数の設置島に1台の管理機を設置したものでも良い。また、パチンコホール全体を管理するホールコンピュータが管理機の機能を兼ねたものに変更することも可能である。
さらに、不正監視システムは、上記実施形態の如く、R/Wユニットの記憶手段(RAMやEEPROM等)に監視履歴データを記憶するとともに管理機へ監視履歴データの送信を行うものに限定されず、パチンコホールの営業中には、R/Wユニットの記憶手段に監視履歴データを記憶させることなく、管理機への監視履歴データの送信のみを行い、閉店後にのみ、R/Wユニットの記憶手段に監視履歴データを記憶させるもの等に変更することも可能である。
加えて、不正監視システムは、管理機において識別不能時間を算出するものではなく、R/Wユニットが識別不能時間を算出して復帰データとともに管理機に送信するように構成することも可能である。また、不正監視システムは、管理機やホールコンピュータが、パチンコホールの外部に設けられたコンピュータ等に監視履歴データを送信するもの等でも良い。
さらに、上記実施形態においては、ポーリングの際のICタグから返信される反射波の待ち時間が50msに設定されているが、反射波の待ち時間は、数ms〜数秒の範囲内で必要に応じて適宜変更することができる。
本発明の遊技機は、パチンコ機、スロットマシーン等として好適に利用することができる。また、本発明の不正監視システムは、遊技機用の不正監視システムとして好適に利用することができる。
パチンコ機の正面図である。 大入賞口設置部位(アタッカ部材)の斜視図(扉部材が閉じた状態)である。 大入賞口設置部位(アタッカ部材)の斜視図(扉部材が閉いた状態)である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の制御機構を示すブロック図である。 コントロールボックスの斜視図(内部を一部透視した斜視図)である。 コントロールボックスの分解斜視図(内部を一部透視した斜視図)である。 コントロールボックスの分解斜視図である。 ICタグの正面図である。 ICタグの制御機構を示すブロック図である。 R/Wユニットの制御機構を示すブロック図である。 不正監視システムを示すブロック図である。 管理機の正面図である。 管理機の制御機構を示すブロック図である。 コントロールボックスの状態を監視する監視処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口の状態を監視する監視処理の内容を示すフローチャートである。 管理機による処理の内容を示すフローチャートである。 監視履歴データのデータベースを示す説明図である。
符号の説明
1・・パチンコ機、41・・主制御基板、56・・R/Wユニット(監視手段)、56d・・EEPROM(記憶手段)、56h・・LANカード(出力手段)、68,168・・アンテナ、86,186・・ICタグ、201・・コントロールボックス、202・・カバー部材(収納ケース)、203・・中ケース本体(収納ケース)、204・・外ケース本体(収納ケース)、226・・アンテナ挿通孔、233・・取付片、100・・管理機(不正情報管理コンピュータ)、300・・ホールコンピュータ。

Claims (9)

  1. 無線による所定の呼出波を受信すると記憶している固有の識別データを含む反射波を無線により所定範囲内に出力する複数のICタグが、所定の可動部位および/または開放部位に設置されており、
    それらの各ICタグに対して呼出波を送信するとともに、各ICタグが出力する反射波を受信し、かつ、呼出波を送信してから所定時間内に反射波を受信しなかった場合、あるいは、受信した反射波に含まれた識別データが予め登録されている識別データと異なっている場合に異常と判定する監視手段と、
    その監視手段から送信された呼出波を外部に出力するとともに各ICタグからの反射波を入力する複数のアンテナとが設けられているとともに、
    前記監視手段が、分割式の収容ケースに収納されており、かつ、
    その分割式の収容ケースの片方に、前記ICタグの内の1つが設置されており、なおかつ、他方に、前記アンテナの内の1つが設けられており、
    そのアンテナの位置が、分割式の収納ケースを組み付けた場合にICタグによる反射波の出力範囲内となり、収納ケースを開放した場合にICタグによる反射波の出力範囲外となるように調整されていることを特徴とする遊技機。
  2. 監視手段による判定結果、監視手段が反射波を受信できる状態から反射波を受信できない状態に変わった時刻、監視手段が反射波を受信できない状態から受信できる状態に変わった時刻、または、監視手段が予め登録されている識別データと異なる識別データを受信した時刻の内の少なくとも1つを含む監視履歴データを記憶する記憶手段が設けられており、
    その記憶手段が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 監視履歴データを外部に出力する出力手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 作動内容を制御するための制御素子を搭載した主制御基板が設けられており、その主制御基板が、監視手段とともに、ICタグとアンテナとを取り付けた分割式の収容ケースに収納されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 分割式の収納ケースが、
    監視手段および/または記憶手段を収納する第一ケース本体と、主制御基板を収納する第二ケース本体と、ICタグを取り付けたカバー部材とからなるものであるとともに、
    第一ケース本体に取付片が突設されており、かつ、その取付片にアンテナが取り付けられている一方、
    第二ケース本体に挿通孔が穿設されており、
    第一ケース本体の取付片が第二ケース本体の挿通孔を挿通した状態で、第一ケース本体の取付片に取り付けられたアンテナが、カバー部材に取り付けられたICタグと近接した状態になっていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 所定条件の成立により動作する可動部材が設けられており、
    その可動部材にICタグが取り付けられているとともに、そのICタグによる反射波の出力範囲内であって前記可動部材とは異なる部位にアンテナが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 監視手段による判定結果が前回の判定から継続して正常である場合、および、監視手段による判定結果が前回の判定から継続して異常である場合には、記憶手段が監視履歴データを記憶しないことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の遊技機。
  8. 監視手段が、ICタグに対して呼出波を送信して異常か否かの判定を行った後、直ちに、再度、ICタグに対して呼出波を送信することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遊技機。
  9. 請求項3〜8のいずれかに記載された遊技機と、その遊技機の出力手段が出力した監視履歴データの管理を行う管理コンピュータとを接続したことを特徴とする遊技機の不正監視システム。
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