JP2007047420A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 立ち上げ時にベルト非張架側の加熱ローラ部分の温度が過度に上昇することを防止してベルトの劣化を防止したり、立ち上がり時間が遅延することを防止する定着装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 定着ローラ2と、内部に2つの熱源を有する加熱ローラ4と、これらに張架された無端状の定着ベルト6と、定着ベルトを介して定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラ3と、を有した定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に加熱ローラ内部の2つの熱源5aは該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源5a−1と第2の熱源5a−2とからなり、且つ第1の熱源の電力値の方が第2の熱源の電力値よりも大きいものにおいて、第1の熱源を該定着ベルト張架側の加熱ローラ部分側に配置し、第2の熱源を該定着ベルト非張架側の加熱ローラ部分側に配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体上に未定着トナー像を定着する定着装置、及び定着装置を有する電子写真方式の複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、或いはそれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置に関するものである。
図5(a)は従来技術の一つである定着ベルトを用いた定着装置の概略図である。
この定着装置1は、定着ローラ2と、定着ローラ2に対向する加熱ローラ4と、両ローラ2、4に巻き掛けられた無端状の定着ベルト6と、定着ベルト6を介して定着ローラ2に圧接しニップ部を形成する加圧ローラ3と、を有している。加熱ローラ4及び加圧ローラ3内には加熱源(ヒータ等)5a、5bが夫々内蔵されており、加熱ローラ4が定着ベルト6を張架している部分と、加圧ローラ3の表面には夫々温度を制御する温度センサ(サーミスタ)7a、7bが配置されており、図示しない制御手段は各温度センサ7a、7bからの温度検知情報に基づいて各加熱源5a、5bを制御して加熱ローラ4と加圧ローラ3が夫々狙いの温度になるように制御する。
なお、Pは転写紙、Tは未定着のトナー、Gは転写紙を定着装置1に搬送するガイド板である。
図5(b)は定着ベルト6の一部拡大断面図である。内側から基材6a、弾性層6b、離型層6cという構成を有している。基材6aとしては耐熱性樹脂から形成した無端状のベルト状基体を用いる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を使用する。定着ベルト6の剛性および熱容量から、基材の厚さは20μm〜100μmが望ましい。弾性層6bは、画像の光沢度の均一性を得るために必要であり、100〜300μm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムが用いられる。離型層6cは、転写紙及びトナーと直接加圧接触する部分であるため、耐熱性、耐久性に優れたフッ素系樹脂等を10〜50μm厚で被覆した構成としてある。
加熱ローラ4は、通常は、胴部外径がΦ25〜Φ30mmで、芯金は金属(SUS、鉄、アルミ)であり、その肉厚は0.7〜2mmの範囲であるが、0.7〜1mmの範囲の肉厚が望ましい。また、芯金の表面には芯金の削れ防止の為の表面処理(アルマイト又はテフロン(登録商標)コーティング)が施され、内部には光吸収性がよくなるように塗装が施され黒色化されている。
定着ローラ2は、例えば径がφ40mmで、アルミあるいは鉄等の芯金2aの外側に断熱層2bを有し、断熱層2bとしては低硬度の弾性を有する材料が使用されている。断熱層2bは耐熱性が必要であり、シリコーンゴム(スポンジを含む)などが使用される。断熱層に使用される材料の熱伝導率は低ければ低い程、効果的であり、概ね0.2W/m/K以下が望ましい。
加熱ローラ4の内部の加熱源5aは、電力値が600〜800Wのハロゲンヒータであり、加圧ローラ3の内部の加熱源5bは電力値が200〜400Wのハロゲンヒータである。
通常、定着装置の立ち上げ時には、両加熱源5a、5bの電力値のMAXが1200Wであり、通紙時は800W〜1000W前後になるように点灯率を制御し電力値を抑えている。なお、通紙時は、定着以外にも電力を使うので電力を下げている。
加圧ローラ3は、通常胴部外径がΦ20〜Φ50mm、芯金3aは金属(SUS、鉄、アルミ)でその肉厚は0.7〜3mm、この芯金3aの外周に肉厚0.2〜5mmのシリコーンゴム等の耐熱性弾性層3bと、膜厚10〜200μmで被膜したフッ素樹脂等からなる表面離型層3cを形成したものである。
また、転写紙Pの定着ベルト6からの分離性を良くするため、加圧ローラ3の表面硬度を定着ローラ2よりも硬くし、定着ベルト6と加圧ローラ3の間に上向きに湾曲した定着ニップ部Nを形成し、転写紙Pの先端がニップ部Nから排出される際に、加圧側(下側)を向いて出るように構成して分離性を向上させている。
この定着装置1における立ち上がり時の制御は、加熱ローラ4と加圧ローラ3の各加熱源5a、5bを発熱させ、加熱ローラ4側が狙いの定着温度以下の所定温度に達する迄は定着ベルト6を動かさず、加熱ローラ4が前記所定の温度に達したことを温度センサ7aが検知してから定着ベルト6を回転開始させることで、定着ベルト6全体を加熱させ、加熱ローラ4と加圧ローラ3の各温度センサ7a、7bが狙いの定着温度を検知したら通紙を行い未定着のトナーTを熱と圧力によって転写紙Pに定着させる。
この際、立ち上げの当初から定着ベルトを回転させる場合と、定着温度よりも低い所定の温度に昇温する迄回転させないで加熱する場合とでは、図6(a)に示すように、定着ベルトの回転に伴う放熱の影響で立ち上がり時間がT1遅くなる。
また、定着ベルト表面にある温度センサ7aが定着温度に達したことを検知した時点で定着ベルトを回転開始させると、定着ベルトが張架されていない側の温度は定着ベルトが無い分だけ非常に高温となり、その状態で回転させると定着ベルトを劣化させてしまう。
更にこの時のベルト回転速度は通紙時の回転速度よりも遅い方(半分以下の速度であると効果が大)が立ち上がりを早くする上では望ましく、半分の速度とすれば、通常回転時よりも約T2早く立ち上がることとなる(図6(b))。これは加熱源と定着ベルトとの接触時間が長くなる為であると考えられる。この場合、通紙された後で、定着ベルトの回転数は元に戻るようになっている。
なお、ここで加熱ローラ4側の狙いの設定温度は加圧ローラ3側の設定温度より高くしている。通紙が終了したら、定着ベルト6の回転駆動を停止し、各ローラを夫々の狙いの温度で制御するようになっている。
次に、図7(a)は他の従来例に係る定着装置の構成図であり、転写紙Pは加熱ローラ4と加圧ローラ3間のニップ部Nを通過することで熱と圧力によって転写紙P上のトナーTを転写紙に定着させる。この際、加熱ローラ4内部にある加熱源(ハロゲンヒータ)5aは2本あり、夫々転写紙サイズの違い応じて加熱されるように制御手段(CPU)によって制御され、加熱ローラ端部の温度が高温にならない様にしている(図7(b))。
更に、加熱源と加熱ローラ内壁との間の距離のみを変えた場合の温度上昇変化は、図8の様に距離が遠いほど上昇が遅くなる反比例曲線を描いている。
しかしながら近年、加熱ローラ構成の様にランプを2本配置し用紙サイズに合わせてランプの配光分布を変えた構成の定着ベルト方式の定着装置が出てきた。
又、更に立ち上がり時間を早くする為、加熱Rの外径は小径化され(Φ20〜Φ25)且つその肉厚も0.1mm〜0.3mmと薄くなり、その上、加圧ローラ側の加熱源(ハロゲンランプ)は立上げ時に通電せずその分の電力を加熱ローラの加熱源側に与えるように構成し、加熱ローラ側のみでMAX1200Wを入力するようになった。この場合、立ち上げ時の定着ベルトが回転しない時に定着ベルトが張架されている部分はベルト基材や弾性層の影響を受ける(熱伝導が悪い)のに対し、定着ベルトが張架されていない部分はその影響を受けない。このように加熱ローラ肉厚が薄くなり且つ電力が増えた為、図9に示すように張架部ベルト表面と張架されていない加熱ローラ表面部での温度上昇差が更にT3も広がってしまい、ベルトが張架されてない部分が高温となりこの状態でベルトを空回転させるとベルトはその高温部に触れて劣化するといった問題が生じた。
特開2001−201978公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有した定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値と第2の熱源の電力値が異なるものにおいて、立ち上げ時にベルト非張架側の加熱ローラ部分の温度が過度に上昇することを防止してベルトの劣化を防止したり、立ち上がり時間が遅延することを防止することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値の方が第2の熱源の電力値よりも大きいものにおいて、前記第1の熱源を該定着ベルト張架側の加熱ローラ部分側に配置し、第2の熱源を該定着ベルト非張架側の加熱ローラ部分側に配置したことを特徴とする。
請求項2の発明は、定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値と第2の熱源の電力値が異なるものにおいて、前記定着ベルトが張架されていない加熱ローラ側に配置された熱源と加熱ローラ内壁との間に反射板を配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は、定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値の方が第2の熱源の電力値よりも大きいものにおいて、前記第2の熱源を定着ベルト張架側の加熱ローラ部分側に配置すると共に、前記第1の熱源を定着ベルト非張架側の加熱ローラ部分側に配置し、且つ第1の熱源であるヒータのガラス管の定着ベルト非張架側面にセラミックコーティングを施したことを特徴とする。
請求項4の発明に係る画像形成装置は、請求項1、2、又は3の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電力値の高い第1の熱源を定着ベルトを張架した加熱ローラ部分側に配置すると共に、電力値の低い第2の熱源を定着ベルトを張架していない加熱ローラ部分側に配置したので、加熱ローラが薄肉になり電力が増えたとしても、立ち上がりの静止時に加熱ローラの張架されていない側の温度が高くなるのを防止でき、結果的にベルトの劣化を防止できる。
請求項2の発明によれば、定着ベルトが張架されていない加熱ローラ側に配置したヒータと加熱ローラ内壁との間に反射板を配置したので、加熱ローラが薄肉になり電力が増えたとしても、立ち上がりの静止時にベルト非張架側の加熱ローラ部分の温度が高くなるのを防止でき、結果的に定着ベルトの劣化を防止できる。更に集中的に光(熱)を定着ベルトが張架された加熱ローラ部分に照射するので、加熱効率も良くなり、その結果立ち上がり時間も早くなる。
請求項3の発明によれば、電力値の低い第2の熱源を定着ベルトが張架されている側の加熱ローラ部分に配置し、電力値の高い第1の熱源を定着ベルトが張架されていない側の加熱ローラ部分に配置し、且つ第1の加熱源のガラス管の定着ベルト非張架側部分にセラミックコーティングを施してあるので、立ち上がり時間が僅かに遅くなることを防止し、又、加熱ローラの張架されていない側の温度が高くなることを防止し、結果的にベルトの劣化を防止できる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成説明図であり、図5(a)と同一部分には同一符号を付して説明する。また、図5(b)を併せて参照する。
本発明の定着装置1の特徴的な構成は、加熱ローラ4内に配置した加熱源として電力値の異なる2本のヒータ5a−1、5a−2を用い、各ヒータの配置として電力値の高い方のヒータ(第1の熱源)5a−1を定着ベルト6が張架された外周面(温度センサ7aを配置した箇所)に近い箇所に配置すると共に、電力値の低い方のヒータ(第2の熱源)5a−2を定着ベルト6が張架されていない外周面(温度センサ7aを配置した箇所と反対側の箇所)に近い箇所に設置した点である。
第1の熱源5a−1は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源5a−2は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有する(図7(b)参照)。
図1(b)は図1(a)の実施形態に係る本発明(実線部)と従来(鎖線部)における各部(加熱ローラ周面のうちの定着ベルトが張架されている部分と、張架されていない部分)の加熱温度を比較したグラフ図である。実線で示したように本発明の配置であれば、ベルトを張架してない加熱ローラ部分の温度は従来例の同じ部分よりも高温にならない。これは、グラフでも判る様にベルト張架部分に近い側に電力値の高いヒータ5a−1を配置したので温度の立ち上がりが早くなる一方で、張架されていない側には電力値の低いヒータ5a−2を配置した結果、ベルトが張架されていない加熱ローラ部分の温度上昇が抑えられた為である。
この実施形態に係る定着装置1によれば、電力値の高い第1の熱源としてのヒータ5a−1を定着ベルト6を張架した加熱ローラ部分側に配置すると共に、電力値の低い第2の熱源としてのヒータ5a−2を定着ベルトを張架していない加熱ローラ部分側に配置したので、加熱ローラが薄肉になり電力が増えたとしても、立ち上がりの静止時に加熱ローラの張架されていない側の温度が高くなるのを防止でき、結果的にベルトの劣化を防止できる。
図2(a)は本発明の他の実施形態に係る定着装置の要部構成説明図であり、この実施形態が図1(a)の実施形態と異なる点は、定着ベルトが張架されていない側の加熱ローラ4の内壁と電力値が低いヒータ(第2の熱源)5a−2との間に各ヒータからの光を反射する反射板(リフレクター)10を設けた点にある。この湾曲した反射面を備えた反射板10により各ヒータ5a−1、5a−2からの光を反射させて定着ベルトが張架された加熱ローラ部分に光を集中させて発熱量をアップさせる一方で、反射板10の後ろ側であるベルト張架されていない加熱ローラ部分の発熱量をダウンさせるので、図2(b)の様に光を受けない定着ベルト非張架側は高温にならない。
ここで反射板10の材質は、アルミニウムやSUS等を用い、反射面には電解研磨や化学研磨、蒸着アルマイト処理、メッキ等の表面処理が施されて反射効率がアップするようになっている。
この実施形態に係る定着装置1によれば、定着ベルト6が張架されていない加熱ローラ側に配置したヒータ5a−2と加熱ローラ内壁との間に反射板10を配置したので、加熱ローラが薄肉になり電力が増えたとしても、立ち上がりの静止時にベルト非張架側の加熱ローラ部分の温度が高くなるのを防止でき、結果的に定着ベルトの劣化を防止できる。更に集中的に光(熱)を定着ベルトが張架された加熱ローラ部分に照射するので、加熱効率も良くなり、その結果立ち上がり時間も早くなる。
なお、この実施形態において、ヒータ5a−1と、ヒータ5a−2の配置を逆にして、反射板10をベルト非張架側の加熱ローラ内壁寄りに配置した構成としてもよい。
次に、図3(a)は本発明の他の実施形態に係る定着装置の要部構成説明図であり、この実施形態が図1の実施形態と異なる点は、電力値の低い方のヒータ(第2の熱源)5a−2がベルト張架側に配置される一方で、電力値が高い方のヒータ(第1の熱源)5a−1がベルト非張架側に配置されている構成と、電力値が高いヒータ5a−1のガラス管面の約半分の領域にセラミックコーティング11を施してヒータ5a−1からの光の放射方向をベルト張架側に極限するようにした構成にある。このように構成した結果、定着ベルト6を張架した側の加熱ローラ部分に光が集中して発熱量がアップし、逆にベルト張架されてない加熱ローラ部分は発熱量がダウンするのでこの部分は高温にならない。
図3(b)は、加熱ローラの各部における発熱量(加熱温度)を、ノーマル状態、セラミックコーティング側(温度センサ7aと反対側)、セラミック非コーティング側(温度センサ7a側)について比較したグラフであるが、図の様にセラミック非コーティング側は発熱量がアップしているのに対し、セラミックコーティング側は発熱量がその分ダウンしている。
次に、図4は図3(a)に示したヒータ部の変形例である。図4のヒータにおいても、図3(a)の実施形態と同様にセラミックコーティング部11が常にベルト非張架側に位置するようにしているが、図4では両ヒータ5a−1、5a−2のヒータベース部15をヒータホルダ部16によって支持するようにしている。具体的には、各ヒータに設けた突起部をヒータベース部15に設けた溝内に嵌合して支持するようにしている。この際、ベルト非張架側に配置されるヒータ5a−1の外周面の一部にはセラミックコーティング部11を形成する。
このようにこの実施形態では、電力値の低い第2の熱源であるヒータ5a−2を定着ベルト6が張架されている側の加熱ローラ部分に配置し、電力値の高い第1の熱源であるヒータ5a−1を定着ベルトが張架されていない側の加熱ローラ部分に配置し、且つ第1の加熱源であるヒータ5a−1のガラス管の定着ベルト非張架側部分にセラミックコーティング11を施してあるので、図2の実施形態のように熱が反射板10に吸収されて立ち上がり時間が僅かに遅くなることを防止し、又、加熱ローラの張架されていない側の温度が高くなることを防止し、結果的にベルトの劣化を防止できる。
なお、この実施形態において、ヒータ5a−1と、ヒータ5a−2の配置を逆にして、セラミックコーティング部11をベルト非張架側の加熱ローラ内壁寄りに配置した構成としてもよい。
本発明の定着装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの電子写真式画像形成装置に適用することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成説明図、(b)は図1(a)の実施形態に係る本発明と従来における各部の加熱温度を比較したグラフ図。 (a)は本発明の他の実施形態に係る定着装置の要部構成説明図、(b)は反射板の効果を説明する比較図。 (a)は本発明の他の実施形態に係る定着装置の要部構成説明図、(b)は加熱ローラの各部における発熱量(加熱温度)を、ノーマル状態、セラミックコーティング側、セラミック非コーティング側について比較したグラフ図。 図3(a)に示したヒータ部の変形例の構成説明図。 (a)は従来の定着装置の構成説明図、(b)は定着ベルトの断面図。 (a)は従来例に係る定着ベルトの回転開始タイミングと発熱状態を説明する図、(b)は定着ベルトの回転速度と立ち上がり時間との関係を示す図。 (a)は他の従来例に係る定着装置の構成説明図、(b)はそのヒータ構成を示す図。 加熱ローラ内におけるヒータ位置と温度との関係を示す図。 張架部ベルト表面と張架されていない加熱ローラ表面部での温度上昇差の説明図。
符号の説明
1…定着装置、2…定着ローラ、2a…芯金、2b…断熱層、3…加圧ローラ、4…加熱ローラ、5a…加熱源、5a−1…第1の熱源、5a−2…第2の熱源、5b…加熱源、6…定着ベルト、6a…基材、6b…弾性層、6c…離型層、6b…弾性層、6c…離型層、7a…温度センサ、7b…温度センサ、10…反射板、11…セラミックコーティング部、15…ヒータベース部、16…ヒータホルダ部。

Claims (4)

  1. 定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値の方が第2の熱源の電力値よりも大きいものにおいて、
    前記第1の熱源を該定着ベルト張架側の加熱ローラ部分側に配置し、第2の熱源を該定着ベルト非張架側の加熱ローラ部分側に配置したことを特徴とする定着装置。
  2. 定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値と第2の熱源の電力値が異なるものにおいて、
    前記定着ベルトが張架されていない加熱ローラ側に配置された熱源と加熱ローラ内壁との間に反射板を配置したことを特徴とする定着装置。
  3. 定着ローラと、内部に2つの熱源を有する加熱ローラと、該定着ローラと加熱ローラにより張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接しニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、未定着画像を担持した記録媒体が前記ニップ部を通過するときに熱及び圧力によって該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、定着温度への立ち上げ時に該定着温度よりも低い温度まで加熱ローラを加熱した時に該定着ベルトを回転開始させながら前記定着温度まで上昇させる制御方法を用い、更に前記加熱ローラ内部の2つの熱源は該加熱ローラの軸方向にわたって配された少なくとも第1の熱源と第2の熱源とからなり、第1の熱源は小サイズ用紙にほぼ対応する配光分布を有し、第2の熱源は第1の配光分布をほぼ回避した両端部に配光分布を有し、且つ第1の熱源の電力値の方が第2の熱源の電力値よりも大きいものにおいて、
    前記第2の熱源を定着ベルト張架側の加熱ローラ部分側に配置すると共に、前記第1の熱源を定着ベルト非張架側の加熱ローラ部分側に配置し、且つ第1の熱源であるヒータのガラス管の定着ベルト非張架側面にセラミックコ−ティングを施したことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1、2、又は3の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011118153A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成システム
JP2016024321A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 キヤノン株式会社 定着装置

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