JP6053391B2 - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置として用いれば好適な加熱装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
画像形成装置に具備される加熱装置は、未定着トナー像を担持した記録材を互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成される圧接ニップ部を通過させ、定着させる熱ローラ方式が広く用いられている。
しかしながら、熱ローラ方式の像加熱装置においては、熱容量の大きな熱ローラを加熱するため、多大な電力と時間を必要とする。これに対して、近年増大している省エネ、クイックスタートへの需要にこたえるため、特許文献1に示すような定着ベルトを用いたベルト方式の加熱装置が提案されている。
ベルト方式の加熱装置においては、定着ベルトと加圧部材が圧接配置され、定着ベルトの内側には、加圧部材との対向部の内面に加圧部材に定着ベルトを密着従動させるための摺動部材、定着ベルト内面および摺動部材を加熱するための熱源が配置される。摺動部材は、加圧部材との間に均一なニップを形成するための、摺動部材ホルダに支持され、摺動部材ホルダは、さらに摺動部材ホルダを長手均一に加圧するための、支持部材によって、加圧支持される。
また、画像形成を行う速度が比較的遅く、熱源の消費電力が小さい場合には、単一の熱源が用いられている。しかし、近年の画像形成装置においては、高速化や一枚目出力時間(First Page Out Time:FPOT)短縮の要求が大きい。これらを達成するためには、定着ベルトを急速に加熱する必要が生じる。そのためには、熱源の消費電力をある程度大きくする必要がある。このとき、熱源のオン・オフに伴う、フリッカ(同一電源に接続された蛍光灯やCRTモニタ等のちらつき)が問題となる。
フリッカを防止するためには、急激な負荷変動を避ける必要がある。すなわち、複数の熱源を用い、オン・オフ・のタイミングをずらすことにより、フリッカを軽減することが可能である。熱源としては、ハロゲンランプ、電熱線ヒータ、セラミックヒータ、等が用いられる。
特にハロゲンランプは、入手の容易さ、配置の自由度から、加熱装置に用いるのには好適である。複数の熱源を配置する方法としては、ニップに対する略垂線に沿って配置することで、支持部材との干渉を防ぐことができる。
特開2009−93141号公報
しかしながら、複数の熱源を配置した場合、一方の熱源から輻射された輻射熱の一部は、もう一方の熱源に吸収されてしまうため、本来加熱したい加熱ベルト及び摺動部材の加熱には効率的に用いられなかった。
したがって、本発明の目的は、複数の熱源を配置した場合であっても効率的にベルト部材及び摺動部材の加熱を行うことができる加熱装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の加熱装置は、基層と、前記基層の外側に形成された離形層と、を有する筒状のベルト部材と、前記ベルト部材が回転した場合に前記ベルト部材の内面と摺動する摺動部材と、前記摺動部材との間で前記ベルト部材を挟持しつつ前記ベルト部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、前記ベルト部材の内側に前記ベルト部材に接触しないように設けられ、前記ベルト部材を輻射熱によって加熱する第1の熱源と、前記ベルト部材の内側の前記第1の熱源よりも前記摺動部材に近い位置に前記ベルト部材に接触しないように設けられ、前記摺動部材を輻射熱によって加熱する第2の熱源と、を有し、前記ニップ部で画像が形成されたシートを搬送しながら前記ベルト部材の熱によって前記画像を加熱する加熱装置において、前記摺動部材の基材の熱伝導率は、前記ベルト部材の前記基層の熱伝導率よりも高く、前記シートの幅が、前記加熱装置が加熱できる最大幅よりも小さい場合に、前記第1の熱源の消費電力よりも前記第2の熱源の消費電力が大きくなるように前記第1の熱源及び前記第2の熱源を制御することを特徴とする。
本発明によれば、シートの幅が、加熱装置が加熱できる最大幅よりも小さい場合に、熱伝導率の大きい摺動部材からの伝熱による加熱作用が支配的になり、長手方向の熱伝達が大きくなって非通紙部昇温を抑制することができる。
本発明の第1実施形態の加熱装置の横断面の概略構成図である。 本発明の第1実施形態の画像形成装置の構成を示す模式図である。 比較例1の加熱装置の横断面の概略構成図である。 第1実施形態及び比較例1における、定着ベルトの昇温速度の違いを示すグラフである。 従来の画像形成装置において、小サイズ紙を通紙した時の非通紙部昇温を模式的に説明したグラフと定着装置のニップ部に小サイズ紙が通過している様子を示す斜視図である。図5(a)は、小サイズ紙を通紙した時の定着ベルトの長手方向の温度を示すグラフである。図5(b)は定着装置の定着ニップ部に小サイズ紙が通紙している様子を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態における小サイズ紙を連続通紙した時の通紙枚数とメインヒータ及び、サブヒータの点灯比率の関係を表である。 本発明の第2実施形態及び比較例2における、定着ベルトの昇温速度の違いを示すグラフ。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
(画像形成装置の概略構成)
図2は第1実施形態に係る加熱装置を搭載する画像形成装置の一例の構成模式図である。この画像形成装置は、電子写真技術を利用して記録シートやOHPシートなどの記録材(シート)に画像を形成するレーザープリンタ(以下、プリンタと記す)である。本実施形態に示すプリンタは、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から出力されるプリント指令に応じて制御部(不図示)が所定の画像形成制御シーケンスを実行し、この画像形成制御シーケンスに従って所定の画像形成動作を行う。制御部はCPUとROMやRAMなどのメモリとからなり、メモリには画像形成制御シーケンス及び画像形成に必要な各種プログラムなどが記憶されている。
本実施形態のプリンタは、記録材上にトナー画像を形成する画像形成部と、記録材上の未定着のトナー画像を記録材に加熱定着する加熱装置である定着装置7とを有している。画像形成制御シーケンスが実行されると、画像形成部において、先ずドラム型の電子写真感光体である感光ドラム1が所定の周速度で矢印方向に回転される。そしてこの感光ドラム1の外周面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次にこの感光ドラム1表面の帯電面に対し光走査装置3により画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザー光による走査露光が施され、感光ドラム1表面の帯電面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。そしてこの静電潜像が現像装置4によりトナー(現像剤)を用いてトナー画像として現像される。
一方、給送カセット(不図示)より所定の記録材搬送機構(不図示)によって給送されてきた記録材Pは、感光ドラム1表面と転写ローラ5の外周面との間の転写ニップ部へと搬送される。この記録材Pは転写ニップ部で感光ドラム1表面と転写ローラ5表面とで挟持搬送される。そして感光ドラム1表面のトナー画像は記録材Pの搬送過程において転写ローラ5により記録材P上に転写される。これによって記録材Pはトナー画像を担持する。
トナー画像を担持した記録材Pは定着装置7に導入され、熱と圧力を受けることによってトナー画像は記録材P上に加熱定着される。トナー画像が加熱定着された記録材Pは所定の記録材排出機構(不図示)によって排出トレイ(不図示)上に排出される。
トナー画像の転写後の感光ドラム1表面は、感光ドラム1表面に残留する残トナーがクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に供される。
(定着装置の構成)
次に加熱装置である定着装置について説明する。なお、以下の説明において、定着装置7及び定着装置7を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。長さとは長手方向の寸法である。幅とは短手方向の寸法である。
図1は本実施形態の定着装置7の構成を示す図である。
定着装置7は、一般的な電子写真方式の画像形成方法により形成されたトナー像を加熱定着するためのものである。すなわち、トナー像を担持した記録材Pが、不図示の搬送手段により搬送され、定着装置7を通過することにより、トナー像が加熱定着される。
11は、記録材を加熱する、定着ベルト(ベルト部材)である。この定着ベルト11は、回転可能に支持され外面が記録材Pに接して熱を伝達する。
12は、定着ベルト11に圧接し、定着ベルト11を回転駆動しつつ、記録材Pを搬送する加圧部材としての加圧ローラである。
13は、定着ベルト11の裏面側(内側)で、定着ベルト11が回転した場合に定着ベルト11の内面に接触して摺動し、定着ベルト11を介して、加圧ローラ12との間で定着ニップNを形成する摺動部材である。また、不図示の加圧手段により、摺動部材13は加圧ローラ12側に加圧されている。この摺動部材13は定着ベルト11が回転した場合に該ベルト11の内面を摺動する。そして、加圧ローラ12と摺動部材13との間で定着ベルト11と記録材Pが挟持される。14は、摺動部材13を保持するための、摺動板保持部材である。
15aは、熱源としてのヒータのうち、上側、すなわち、定着ベルト11に近い側に配置され、定着プロセスに主に使用されるメインヒータ(第1の熱源)である。15bは、熱源としてのヒータのうち、下側、すなわち摺動部材13に近い側に配置され、補助的な役割を果たす、サブヒータ(第2の熱源)である。このように複数の熱源が定着ベルト11の内側に設けられている。
また、定着ベルト11の外側には、定着ベルト11の表面温度を検出する温度検出手段(不図示)が設けられる。この温度検出手段により検出された温度は、不図示の制御手段に送られ、制御手段によりメインヒータ15aおよびサブヒータ15bの通電が制御される。
また、本実施形態における定着装置7に、さらに、摺動部材13や摺動板保持部材14等に温度検知手段を設け、定着装置7の内部の構造物温度を測定し、その結果に基づいてメインヒータ15a、サブヒータ15bの通電条件を決定しても良い。
定着ベルト11は、少なくともポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂またはニッケルやSUSといった金属製の基材上に離型層を設けることにより構成される。特に、カラートナー像のように、複数色を混色し、均一な定着画像を得る必要がある場合は、基材上に100〜1000μm程度の厚みの弾性層を設け、その上に離型層を設ける構成とすることが望ましい。また、定着ベルト11の裏面(内面)に、黒色塗料等による、吸熱層を設けても良い。本実施形態の定着ベルト11は、厚み50μmのSUS基材上に、離型層としてフッ素樹脂チューブを被覆している。また、定着ベルト11の裏面には、耐熱性の黒色塗料を塗布し、熱源からの熱を効率よく吸収する構成としている。
加圧ローラ12は、芯材12a上に弾性層12b、離型層12cを設けることにより構成される。本実施形態においては、芯材12aとして鉄製の芯金、弾性層12bとしてシリコーンゴム層を設けた上に、離型層12cとしてフッ素樹脂チューブを被覆したものを用いている。
摺動部材13は、金属板、セラミック板等の板材を用いる。定着ニップ内での圧力分布を変化させる凹凸形状等を設けてもよい。また、板材にフッ素樹脂等の樹脂コーティングまたはガラスコーティング等を設けてもよい。本実施形態においては、摺動部材13として、厚み1mmのアルミ板をプレス加工により図1に示す断面形状に加工した。また、摺動部材13の定着ベルト11と摺動している面(図1の矢印20で示す幅)にフッ素樹脂コーティングを施したものを用いている。
摺動板保持部材14は、耐熱樹脂、金属等により構成され、摺動部材13を保持する。また、摺動板保持部材14は、定着ベルト11の軌道をガイドする機能を持っている。本実施形態においては、摺動板保持部材14を、LCP(液晶ポリマー)の成型により得た。
メインヒータ15aおよびサブヒータ15bは、ランプヒータ、電熱線または抵抗パターンが備えられた面状発熱体等が主に用いられる。メインヒータ15aとサブヒータ15bは、異なる形式の熱源を用いてもよい。本実施形態においては、メインヒータ15a、サブヒータ15bとも、円筒状(長尺状)のハロゲンランプを用いた。メインヒータ15a、サブヒータ15bともに、発熱体長は220mmであり長手に亘って均一な発熱分布を持っている。
メインヒータ15aとサブヒータ15bは、定着ニップNに略垂直で長手方向に平行な平面上に互いに平行に設けられている。また、本実施形態において、メインヒータ15aとサブヒータ15bの定格電力は、メインヒータ15aを600W、サブヒータ15bを400Wとした。
また、本実施形態のヒータは、長手に亘って均一な発熱分布を持っているが、相対的に中央部の発熱量が多いヒータと、相対的に端部の発熱量が多いヒータを組合せて定着ベルト11に内包する構成としてもよい。
(反射板の構成)
本実施形態の定着装置にあっては、前記2個のヒータ15a、15bのうち一方のヒータから他方のヒータに向かう輻射熱を前記定着ベルト11の内面又は摺動部材13に向けて反射させる反射部材が設けられている。
本実施形態では2個のヒータ15a、15bにそれぞれ反射部材が設けられている。第1の反射部材である反射板16aは、曲面形状を有し、メインヒータ15aから放射される輻射熱がサブヒータ15b及び、摺動板保持部材14に吸収されるのを防ぐための反射ミラーである。この反射板16aは輻射熱を主に定着ベルト11へ反射させて吸収させるために設けられている。図1に示す定着ベルト11の上側約半分の領域に、メインヒータ15aの輻射熱が吸収されることが望ましいので、反射板16aの曲率半径は大きく設定するのがよい。
第2の反射部材となる反射板16bも曲面形状を有し、サブヒータ15bから放射される輻射熱を図1に示す摺動部材13の矢印20の領域(以下、定着ニップ裏面と記す)に反射させて集熱するための反射ミラーである。この反射板16bの形状は、より効率的に集熱させるために楕円形状とし、この楕円の一方の焦点に相当する位置にサブヒータ15bを配置し、もう楕円の他方の焦点に相当する位置が定着ニップNの中心になるように設置している。
このように位置させることで、一方の焦点に位置するサブヒータ15bから輻射された熱は、反射板16bにより反射して他方の焦点に位置する定着ニップNの中心に集熱する。また、反射板16a、16bは厚み0.5mmのアルミを用いた。なお、反射板16aの曲面形状の曲率半径は、反射板16bの曲率半径より大きくなっている。このように反射板は複数設けられ、それぞれ、曲面形状を有している。なお、ヒータ15a、15b、反射板16a、16bは加熱部材を構成する。
(定着装置の動作)
次に上記定着装置の動作について説明する。画像形成装置が動作を開始した後、一定のタイミングで、定着装置7の動作を開始する。不図示の定着モータにより、加圧ローラ12を回転駆動し、加圧ローラ12による駆動力により、定着ベルト11の回転駆動も行う。メインヒータ15a、サブヒータ15bはともに不図示の制御手段によりオン・オフ制御される。
加圧ローラ12の駆動開始とともに、メインヒータ15aを点灯し、定着ベルト11内面を加熱しつつ、サブヒータ15bが摺動部材13の定着ニップNの裏面を加熱することにより、定着動作に必要な熱が供給される。
すなわち、本実施形態における室温状態からの定着装置7の立ち上げ時は、メインヒータ15a、サブヒータ15bともに点灯する。本実施形態の構成において、十分な定着性を得るためには、定着ベルト11の表面温度が160℃まで立ち上がっていることが必要となるため、160℃を定着ベルト11表面温度の目標とした。
定着ベルト11の表面温度が160℃以上となるタイミング以降に、転写処理された記録材Pが定着装置7に突入し、トナー画像の加熱定着処理が施されたのち、画像形成装置の本体の外へと排出される。
定着ベルト11の表面温度が160℃に到達すると定着動作が可能になることから、定着ベルト11のみを加熱することが効率的と考えられる。しかし、定着装置7が室温まで完全に冷えている場合、定着ベルト11のみを加熱しても、定着ニップN近傍においては、摺動部材13に熱を奪われてしまい、定着ベルト11の昇温に時間がかかってしまう。
しかし、サブヒータ15bを点灯することにより、摺動部材13の定着ニップ裏面を効果的に加熱することにより、定着ベルト11から摺動部材13への伝熱が抑制され、定着装置の立ち上げを急速に行うことができる。そして、本実施形態にあっては前述のようにメインヒータ15aの輻射熱が第1の反射板16aによって定着ベルト11に効果的に集熱され、サブヒータ15bの輻射熱は第2の反射板16bによって効率的に摺動部材13に集熱される。このため、本実施形態においては、定着ベルト11の表面温度が160℃となるまでの時間は、5秒であった。
(比較例との差異)
次に、比較例と本実施形態とを比較して、定着ベルト11の表面温度の推移を評価した。
図3は、比較例1の構成を示す図である。比較例1では、メインヒータ15aとサブヒータ15bの間に反射板を設置していない。その他の構成は、図1に示す本実施形態と同様であるので、説明を省略する。
比較例1では、メインヒータ15a、サブヒータ15bを点灯して立上げ動作を行うと、反射板がないため、定着ベルト11内部の構造物全てを加熱する構成となっている。
図4に、本実施形態と比較例1とで室温(23℃)からの立ち上げた場合の定着ベルト11の表面温度の推移を測定したグラフを示す。図4において、実線は本実施形態における定着ベルト11の表面温度の推移、破線は従来例における定着ベルト11の表面温度の推移を示す。図4に示すように、比較例1においては、定着ベルト11の昇温速度が遅く、一枚目出力時間に対して不利になっていることがわかる。比較例1においては、定着ベルト11表面が目標温度に到達するまでの時間は8秒であった。これは、メインヒータ15aから放射された輻射熱の一部が、サブヒータ15bや摺動板保持部材14に吸収されたことによって、定着ベルト11を効率的に加熱できなかったためである。
以上より、より効率よく定着ベルト11を加熱し、定着性を確保できる温度までより速く昇温させるには、反射板16a、16bを用いてヒータから放射される輻射熱を定着ベルト11内面と、摺動部材13の定着ニップNの裏面部に効率的に吸収させることが効果的である。
<第2実施形態>
次に、本発明の他の実施形態に係るの画像形成装置を説明する。本実施形態においては、連続プリント中のメインヒータとサブヒータの点灯比率、すなわち消費電力の比率を変えることによって、非通紙部昇温を抑制することを特徴とする。
すなわち、薄肉で低熱容量の定着ベルトを定着部材に用いた加熱装置において、プリント動作が行える最大幅の記録材よりも小さい幅の記録材(以下、小サイズ紙と記す)を通紙した場合、記録材が通らない領域(以下、非通紙部と記す)が過昇温しやすい。
よって、従来では、定着ベルトの非通紙部が過昇温して耐熱温度を越えないように、所定時間当たりのプリント枚数を減らす等の対応が必要となる。この実施形態では、所定時間当たりのプリント枚数を減らさなくとも定着ベルトの非通紙部が過昇温して耐熱温度を超えないようにするものである。
また、本実施形態において、画像形成装置、定着装置は、第1実施形態と同様のものを用いている。
本実施形態の画像形成装置でプリントが可能な記録材の最大幅は、A4幅(210mm)である。
図5(b)は、従来の画像形成装置において、定着装置7の定着ベルト11と加圧ローラ12との間の定着ニップNに小サイズ紙が通紙した場合の様子を示す斜視図である。
今、図5(b)に示すように、定着装置7の中央を基準としてA5幅(148.5mm)の小サイズ紙を連続で50枚通紙したとすると、定着ベルト11の長手方向(X-X’)の表面温度分布は、図5(a)のように定着ベルト11の両端部の温度が上昇する。
定着ベルト11内に設置されている熱源は、長手方向にA4幅で均一に定着ベルト11を加熱しており、通紙された記録材PはA5幅である。このため、記録材Pが通らない端部の領域(非通紙部)では、定着ベルト11から記録材Pへの伝熱がないので定着ベルト11の表面温度が高くなったからである。
さらに、この小サイズ紙を連続通紙すると、定着ベルト11の非通紙部がさらに高温になり、定着ベルト11の耐熱温度を越えてしまうので、一旦プリント動作を停止して、定着ベルト11が冷却されるまで待たなかればならなくなる。
このような非通紙部の昇温を抑制するために、本実施形態では小サイズ紙が通紙された場合、連続プリントの通紙枚数に応じて、図1に示すメインヒータ15aとサブヒータ15bの点灯時の消費電力の比率を変えるものである。
メインヒータ15a、サブヒータ15bとも、円筒状のハロゲンランプを用いた。メインヒータ15a、サブヒータ15bともに、発熱体長は220mmであり長手に亘って均一な発熱分布を持っている。また、メインヒータ15aとサブヒータ15bの定格電力は、メインヒータ15aが600W、サブヒータ15bが400Wとした。また、本実施形態のヒータは、長手に亘って均一な発熱分布を持っているが、相対的に中央部の発熱量が多いヒータと、相対的に端部の発熱量が多いヒータを組合せて定着ベルト11に内包する構成としてもよい。
定着装置7の立上げ時及び連続プリントの初期はメインヒータ15aとサブヒータ15bは同じ比率の消費電力で点灯するが、連続プリントの枚数が増加するに従って、メインヒータ15aの点灯比率を下げていく。ここで、メインヒータ15aは、主として定着ベルト11を加熱しており、サブヒータ15bは主として摺動部材13を加熱している。また、定着ベルト11は、外径がΦ24で厚みが50μmのSUSを基材としおり、摺動部材13は厚みが1mmのアルミで、定着ニップNの裏面部(図1の矢印20)の幅は8mmである。
また、定着ベルト11及び摺動部材13の長手方向に対しての伝熱しやすさは、部材の熱伝導率λと断面積Sの積に比例する。定着ベルト11の基材であるSUSの熱伝導率は16[W/mK]であり、摺動部材であるアルミの熱伝導率は230[W/mK]なので、摺動部材の方が約14倍の熱伝導率がある。また、定着ベルトの断面積は1.9mmであり、摺動部材の定着ニップ部の断面積は8mmなので、摺動部材の方が約4倍の断面積がある。よって、長手方向に対しての伝熱しやすさは、摺動部材の方が約56倍大きくなると考えられる。
ここで、小サイズ紙を通紙した時の非通紙部昇温を抑制する方法として、熱伝導率が高い部材を加熱源に用いることで、定着ベルト11の長手方向の温度ムラを伝熱により均一化する作用があるので有効である。
(比較例との差異)
図6は、小サイズ紙を複数枚連続して通紙した時の通紙枚数とメインヒータ及び、サブヒータの点灯比率の関係を示すものである。なお、定着装置7は、第2実施形態及び比較例2ともに前述した実施形態で説明した図1に示す構成のものを用いた。比較例2では、メインヒータ15aとサブヒータ15bの消費電力の比率を1:1にしているが、本実施形態では、図6の表に示すように通紙枚数によって変えている。すなわち、本実施形態では最大幅よりも小さい幅の小サイズ紙が複数枚連続して通紙される場合には、メインヒータ15aの消費電力に対するサブヒータ15bの消費電力の割合が徐々に大きくするよう制御する。
本実施形態及び比較例2のそれぞれの点灯比率で、A5サイズ紙を20PPMの速度で100枚通紙した。この時の定着ベルト表面温度が最も高い点の時間推移を図7のグラフに示す。実線が第2実施形態を、破線が比較例2を表している。第2実施形態及び比較例2で、通紙枚数が増加するとともに非通紙部の温度が昇温しているが、比較例2では昇温の傾きが大きくなっているため、定着ベルト11の耐熱温度を越えてしまった。
これは、より熱伝導率が大きな部材である摺動部材13を加熱するためのサブヒータ15bの点灯比率を大きくすることで、摺動部材13で吸収した輻射熱から記録材へ伝熱する割合が相対的に多くなり、定着ベルト11内面で吸収した輻射熱から記録材へ伝熱する割合が相対的に少なくなる。従って、摺動部材13の長手方向で、記録材が通っている領域(中央部)では、摺動部材13から定着ベルト11への熱流速が大きくなるため、摺動部材の温度が下がりやすい。一方、非通紙部では記録材によって熱が奪われないので、摺動部材の温度は上がっていく。よって、摺動部材の長手方向で温度勾配が発生し、より高温な非通紙部から低温な通紙部へ熱が移動していく。
よって、比較例2では連続プリントの途中で、プリント動作を一旦停止して、定着ベルト11の冷却を待つ必要がる。一方、第2実施形態では、メインヒータ15aとサブヒータ15bの点灯比率を変えることで、非通紙部昇温を抑制する作用が働き、定着ベルト11表面の非通紙部の昇温の傾きが小さくなり、耐熱温度を越えずに済んでいる。
摺動部材は熱伝導率の大きな材料を用いているため、移動する熱量が大きくなるため、定着装置7の長手方向の温度ムラを抑制する効果を大きくすることができる。
すなわち本実施形態では、定着ベルトを加熱するための一方の熱源と、摺動部材を加熱するためのもう一方の熱源において、画像形成動作中にそれぞれの熱源に投入する電力の比率を切り替えている。具体的には、熱伝導率がより大きい部材(摺動部材)が加熱される比率を増やすために、摺動部材を加熱する熱源へ投入する電力を増やす。こうすることによって、熱伝導率の大きい部材(摺動部材)からの伝熱による加熱定着作用が支配的になる。
よって、小サイズ紙が通紙された時に非通紙部昇温が発生した場合には、前記のような切り替えを行うことで長手方向の熱伝達が大きくなり、非通紙部昇温を抑制することができる。すなわち、連続プリント中のメインヒータとサブヒータの点灯比率を変えることが、非通紙部昇温を抑制することに効果的であることがわかる。
7…定着装置
11…定着ベルト
12…加圧ローラ
13…摺動部材
15a…メインヒータ
15b…サブヒータ
16a…反射板
16b…反射板

Claims (7)

  1. 基層と、前記基層の外側に形成された離形層と、を有する筒状のベルト部材と、
    前記ベルト部材が回転した場合に前記ベルト部材の内面摺動する摺動部材と、
    前記摺動部材との間で前記ベルト部材を挟持しつつ前記ベルト部材に圧接してニップ部を形成する加圧部材と、
    前記ベルト部材の内側に前記ベルト部材に接触しないように設けられ、前記ベルト部材を輻射熱によって加熱する第1の熱源と、
    前記ベルト部材の内側前記第1の熱源よりも前記摺動部材に近い位置に前記ベルト部材に接触しないように設けられ、前記摺動部材を輻射熱によって加熱する第2の熱源と、を有し、
    前記ニップ部で画像が形成されたシートを搬送しながら前記ベルト部材の熱によって前記画像を加熱する加熱装置において、
    前記摺動部材の基材の熱伝導率は、前記ベルト部材の前記基層の熱伝導率よりも高く、
    前記シートの幅が、前記加熱装置が加熱できる最大幅よりも小さい場合に、前記第1の熱源の消費電力よりも前記第2の熱源の消費電力が大きくなるように前記第1の熱源及び前記第2の熱源を制御することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記加熱装置が加熱できる最大幅よりも小さい幅のシートが複数枚連続して前記加熱装置に供給される場合に、前記第1の熱源の消費電力に対する前記第2の熱源の消費電力の割合を徐々に大きくするよう前記第1の熱源及び前記第2の熱源を制御することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記第1の熱源から前記第2の熱源に向かう輻射熱を前記ベルト部材の前記内面に向けて反射させる第1の反射部材と、
    前記第2の熱源から前記第1の熱源に向かう輻射熱を前記摺動部材に向けて反射させる第2の反射部材とをさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 前記第1の反射部材及び前記第2の反射部材は、それぞれ、曲面形状を有し、 前記第1の反射部材の曲面形状の曲率半径は、前記第2の反射部材の曲面形状の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
  5. 前記第2の反射部材の断面は、楕円の一部の形状をしており、前記第2の熱源からの輻射熱が一方の焦点に位置し、前記ニップが他方の焦点に位置することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の加熱装置。
  6. 前記第1の熱源及び前記第2の熱源は、前記ニップ部のシート搬送面に対して略垂直な方向に並び、互いに平行となるように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の加熱装置。
  7. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の加熱装置と、
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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