JP2007043759A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ライザ部に電線及びリングバリスタを接合させるにあたって、電線と電線接合部との溶接作業、電極接合部とリングバリスタとの接合作業において、それぞれの作業性を良好にしたモータを提供する。
【解決手段】 モータ1において、ライザ部15は、並設された電線接合部20と電極接合部25とを有しているので、電線接合部20と電極接合部25とが離間する結果、リングバリスタ30の電極31の電極接合部20側に溶接塊が付着し難く、電線接合部20とコイルCの電線Wとの溶接作業と、電極接合部25とリングバリスタ30の電極31との接合作業(例えば、溶接作業、ハンダ付け作業、導電性接着剤の塗布作業)とを同時に行うことが可能になり、このことは、モータ製造の自動化を行う上で極めて効果的である。
【選択図】 図5
【解決手段】 モータ1において、ライザ部15は、並設された電線接合部20と電極接合部25とを有しているので、電線接合部20と電極接合部25とが離間する結果、リングバリスタ30の電極31の電極接合部20側に溶接塊が付着し難く、電線接合部20とコイルCの電線Wとの溶接作業と、電極接合部25とリングバリスタ30の電極31との接合作業(例えば、溶接作業、ハンダ付け作業、導電性接着剤の塗布作業)とを同時に行うことが可能になり、このことは、モータ製造の自動化を行う上で極めて効果的である。
【選択図】 図5
Description
本発明は、特に小型モータに係り、火花消去及びノイズ防止に利用されるリングバリスタを有する整流子を備えたモータに関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開平9−140103号公報がある。この公報に記載されたモータの整流子片にはライザ部が設けられており、ライザ部の途中には、切り起こし部分が設けられている。そして、この切り起こし部分とライザ部との隙間を利用して、電機子の巻線がライザ部に巻き付けられ、ライザ部の背面側にリングバリスタが当接された状態で、導電性接着剤により、ライザ部と巻線とリングバリスタとが一体化され、導電性が確保される。このように、ライザ部と巻線とリングバリスタとの接合に導電性接着剤が利用されることで、ハンダフリーを可能にし、ハンダの洗浄工程が不要になるので、環境汚染物質の排除が可能になる。
しかしながら、前述した従来のモータでは、切り起こし部分とライザ部の間の隙間を利用して、電機子巻線がライザ部に巻き付けられており、電機子巻線を介してライザ部にリングバリスタを当接させているので、ライザ部と巻線とリングバリスタとを一体化させるにあたって、溶接作業を行い難く、その結果として、特許文献1の発明は、導電性接着剤に適している。なお、特許文献1の発明は、環境汚染物質の排除を目的にしたハンダフリーの技術に関するものである。
本発明は、ライザ部に電線及びリングバリスタを接合させるにあたって、電線と電線接合部との溶接作業、電極接合部とリングバリスタとの接合作業において、それぞれの作業性を良好にしたモータを提供することを目的とする。
本発明に係るモータは、シャフトに固定された鉄心に巻かれたコイルを有する回転子と、シャフトに固定されると共にコイルの電線に電流を供給する整流子と、回転子を包囲するように配置されたマグネットとを有するモータにおいて、
整流子は、シャフトに固定されると共に、鍔部を有するスリーブと、スリーブの表面に沿って配置されるベース部と、鍔部の外周面から突出するようにベース部の端部から起立するライザ部とを有する整流子片と、ライザ部の背面側に配置されたリングバリスタとを備え、
ライザ部には、電線が溶接される電線接合部と、リングバリスタの前面に設けられた電極に当接して接合される電極接合部とが並設されていることを特徴とする。
整流子は、シャフトに固定されると共に、鍔部を有するスリーブと、スリーブの表面に沿って配置されるベース部と、鍔部の外周面から突出するようにベース部の端部から起立するライザ部とを有する整流子片と、ライザ部の背面側に配置されたリングバリスタとを備え、
ライザ部には、電線が溶接される電線接合部と、リングバリスタの前面に設けられた電極に当接して接合される電極接合部とが並設されていることを特徴とする。
このモータにおいて、ライザ部は、並設された電線接合部と電極接合部とを有しているので、電線接合部と電極接合部とが離間する結果、リングバリスタの電極の電極接合部側に溶接塊が付着し難く、電線接合部とコイルの電線との溶接作業と、電極接合部とリングバリスタの電極との接合作業(例えば、溶接作業、ハンダ付け作業、導電性接着剤の塗布作業)とを同時に行うことが可能になり、このことは、モータ製造の自動化を行う上で極めて効果的である。さらに、電線と電線接合部との接合において、環境を考慮して、鉛フリーハンダを利用すると、高温でのハンダ付けが強いられることになり、その結果として、電線が細くなってしまういわゆる「銅食われ現象」を引き起こし、電線が断線する可能性が高くなる。特に、モータの小型化を促進させるに伴って、電線が細くなればなるほど、この事態が問題化する。そこで、電線と電線接合部との接合に溶接を利用し、「銅食われ現象」を回避させることで、接合強度アップ(高信頼性)を可能にしている。さらに、溶接を採用すると、モータ製造の自動化の促進にも寄与することになる。
また、電線接合部の遊端部分は、リングバリスタから遠ざかるように折り曲げられて電線巻付け部として形成され、電線と電線巻付け部とが溶接されていると好適である。このような構成を採用した場合、電線接合部の遊端部分を、リングバリスタから遠ざかるように折り曲げて電線巻付け部として形成することで、ライザ部の電線巻付け部に巻かれている電線とリングバリスタとを所定間隔だけ離間させることができる。その結果として、電線と電線巻付け部との溶接作業、ライザ部とリングバリスタとの接合作業(例えば、溶接作業、ハンダ付け作業、導電性接着剤の塗布作業)をそれぞれ良好にする。さらに、電線と電線巻付け部との溶接作業時に、リングバリスタの電極に付着した溶接塊により、ライザ部とリングバリスタの電極との接合強度の低下を招来するので、電線巻付け部とリングバリスタとを所定間隔だけ離間させる結果として、電線と電線巻付け部との溶接時にリングバリスタ側に溶接塊が付着し難くなる。
また、電線接合部は、リングバリスタの前面に沿うように延在する電線接合基部の端部から略L字状に突出し、電線接合基部の背面が、リングバリスタの電極に当接すると好適である。このように、電線巻付け部を電線接合基部の端部から略L字状に突出させることで、電線の巻き付け作業が良好になり、しかも、電線巻付け部とリングバリスタとを適切な間隔に保つことができる。さらに、電線接合基部の背面がリングバリスタの電極に当接するので、リングバリスタの電極とライザ部との通電面積を拡大することができる。
本発明によれば、ライザ部に電線及びリングバリスタを接合させるにあたって、電線と電線接合部との溶接作業、電極接合部とリングバリスタとの接合作業において、それぞれの作業性を良好にできる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るモータの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、モータ1は、コアードモータからなると共に、円筒状の金属製ハウジング2を有し、ハウジング2の後端部には、一対のブラシが組み付けられた樹脂製のブラケット(図示せず)が固定されている。このモータ1は、小型のモータに属するものであり、ハウジング2は、直径10mm以下(例えば6〜3mm)で長さ約1cm程度の円筒形を有し、このような小さなハウジング2内に固定子3や回転子6が収容されている。
ハウジング2の内壁面2aには、N,S極をもった永久磁石からなる固定子(マグネット)3が固定され、ハウジング2の内部には、三本の鉄心溝(スロット)をもった鉄心5のポールに巻かれたコイルCを有する回転子6が収容されている。そして、回転子6の鉄心5は、厚さ0.2〜0.5mm程度の珪素鋼板を打ち抜き加工することにより作り出された薄板状のコア9をシャフト7の軸線方向に積層して構成され、積層コアとも呼ばれている。また、このような回転子6の中心にはシャフト7が固定され、シャフト7は、ハウジング2の前端を貫通するように延在すると共に、前後一対の軸受(図示せず)によって軸支されている。
更に、シャフト7の後端には、回転子6のコイルCに流れる電流を反転させる整流子10が固定され、この整流子10にはブラシ(図示せず)が摺動接触し、このブラシと整流子10との協働によってコイルCへの適切な給電を図っている。また、シャフト7の前端には、略半円柱状の分銅(図示せず)が圧入され、シャフト7の回転力で分銅を高速に回転させることで、ハウジング2自体が振動する。このような分銅は、携帯用小型無線呼出器(例えば携帯電話等)で機器自体の筺体を振動させる場合に採用されている。
図2〜図4に示すように、整流子10は、シャフト7を圧入する貫通孔12eが設けられていると共に、前側に円形の鍔部12aを有する樹脂製のスリーブ12と、銅製薄板のプレス成形によって作られた3枚の整流子片11と、整流子片11をスリーブ12に固定させるための固定リング13と、火花消去及びノイズ防止に利用されるセラミックス製のリングバリスタ30からなる。
また、各整流子片11は、スリーブ12の筒部12bの表面に沿って配置される断面円弧状のベース部14と、ベース部14の端部から起立すると共に、円形の鍔部12aの外周面12cから先端部分が突出するライザ部15とを有する。このライザ部15には、リングバリスタ30の径方向(すなわちベース部14から直立する方向)に延在してリングバリスタ30の前面30aに沿うように延在するライザ基部17が設けられている。そして、ライザ基部17の端部には、電線Wが溶接される電線接合部20と、リングバリスタ30の前面30aに設けられた電極31に当接して接合される電極接合部25とが並設されている。
電線接合部20は、ライザ基部17からリングバリスタ30の径方向に延在してリングバリスタ30の前面に沿うように延在する電線接合基部21と、電線接合基部21の端部から略L字状に突出する電線巻付け部22とからなる。そして、電線接合部20の遊端部分は、電線巻付け部22として形成される。また、電線接合基部21及び電極接合部25は、ライザ基部17の延長上に形成されている。
このようなモータ1では、整流子10からコイルCへの適切な給電を図るために、コイルCの電線Wを整流子10の整流子片11に確実に接続させる必要がある。そこで、電線巻付け部22は、電線Wとの溶接を考慮して、ライザ部15の遊端部分に形成されると共に、リングバリスタ30から遠ざかるように折り曲げられている。さらに、電線巻付け部22には、U字状の凹部22aが形成され、この凹部22aによって電線Wの巻き付けを確実なものにしている。
このように、電線巻付け部22が、リングバリスタ30から遠ざかるように折り曲げられ、電線接合基部21の端部から略L字状に突出されることで、電線Wの巻き付け作業が良好になり、しかも、電線巻付け部22とリングバリスタ30との間に適切な間隔Sを確保することができる。このような間隔Sの確保は、電線巻付け部22と電線Wとの溶接作業と、後述するリングバリスタ30の電極31と電極接合部25とのハンダ付け作業とを良好にするものである。
リングバリスタ30は、ベース部14が貫通した状態でライザ部15の背面15a側に配置されている。このリングバリスタ30の前面30aには、円弧状の3個の電極31が設けられ、各電極31が各電極接合部25の背面25a(図5参照)に当接状態でハンダ付けされることにより、リングバリスタ30はライザ部15にしっかりと固定され、リングバリスタ30とライザ部15との導電状態を確実に保持することができる。さらに、電線接合基部21の背面21a(図6参照)もリングバリスタ30の電極31に当接するので、リングバリスタ30の電極31とライザ部15との通電面積を拡大することができる。
さらに、ライザ基部17は、スリーブ12の鍔部12aに設けられたライザ収容凹部12d内に収容されるのでコイルCの電線Wの張力で整流子片11のライザ部15が回転子6の方向に引っ張られた場合であっても、ライザ部15は鍔部12aによって十分に支持されるので、ライザ部15が回転子6の方向に折れ曲がることはない。なお、ライザ収容凹部12dは、整流子片11の位置決めにも寄与する。
前述したように、モータ1においては、電線接合部20の遊端部分を、リングバリスタ30から遠ざかるように折り曲げて電線巻付け部22として形成することで、ライザ部15の電線巻付け部22に巻かれた電線Wとリングバリスタ30とを所定間隔だけ離間させることができる。その結果として、電線Wと電線巻付け部22との溶接A(図6参照)を行う作業と、電極接合部25とリングバリスタ30の電極31とをハンダB(図5参照)を介して接合する作業とがそれぞれ良好になる。
さらに、電線Wと電線巻付け部22との溶接作業時にリングバリスタ30の電極31に溶接塊が付着すると、溶接塊を介在させた状態でライザ部15とリングバリスタ30の電極31とのハンダ付けが行われることになり、このことは、ハンダ付け強度の低下を招来する。そこで、略L字状の電線巻付け部22によって電線Wとリングバリスタ30と所定間隔Sだけ離間させる結果として、電線Wと電線巻付け部22との溶接時にリングバリスタ30側に溶接塊が付着し難くなる。
さらに、ライザ部15は、横方向(周方向)で並設された電線接合部20と電極接合部25とを有しているので、電線接合部20と電極接合部25とが横方向(周方向)で離間する結果、リングバリスタ30の電極31の電極接合部25側に溶接塊が付着し難く、電線接合部20と電線Wとの溶接作業と、電極接合部25とリングバリスタ30の電極31とのハンダ付け作業とを同時に行うことが可能になり、このことは、モータ製造の自動化を行う上で極めて効果的である。
なお、ハンダ付け不良は、落下時における耐衝撃性の低下をもたらすので、的確なハンダ付けは、モータの耐久性や信頼性を高める上で重要である。
さらに、電線Wと電線巻付け部22との接合において、環境を考慮して、鉛フリーハンダを利用すると、高温でのハンダ付けが強いられることになり、その結果として、電線Wが細くなってしまういわゆる「銅食われ現象」を引き起こし、電線Wが断線する可能性が高くなる。特に、モータの小型化を促進させるに伴って、線径が40μm以下の電線Wが必要になり、電線Wが細くなればなるほど、この事態が問題化する。そこで、電線Wと電線巻付け部22との接合にスポット溶接を利用し、「銅食われ現象」を回避させることで、接合強度アップ(高信頼性)を可能にしている。さらに、溶接Aを採用すると、ハンダよりも固化時間を短くすることができ、モータ組立ての自動化の促進にも寄与することになる。
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、電極接合部25とリングバリスタ30の電極31との接合として、ハンダ以外に、溶接、導電性接着剤などが利用される。
1…モータ、2…ハウジング、3…マグネット、5…鉄心、6…回転子、7…シャフト、10…整流子、11…整流子片、12…スリーブ、12a…鍔部、12c…鍔部の外周面、14…ベース部、15…ライザ部、15a…ライザ部の背面、17…ライザ基部、20…電線接合部、21…電線接合基部、21a…電線接合基部の背面、22…電線巻付け部、25…電極接合部、30…リングバリスタ、30a…リングバリスタの前面、31…電極、A…溶接、B…ハンダ、C…コイル、W…電線。
Claims (3)
- シャフトに固定された鉄心に巻かれたコイルを有する回転子と、前記シャフトに固定されると共に前記コイルの電線に電流を供給する整流子と、前記回転子を包囲するように配置されたマグネットとを有するモータにおいて、
前記整流子は、
前記シャフトに固定されると共に、鍔部を有するスリーブと、
前記スリーブの表面に沿って配置されるベース部と、前記鍔部の外周面から突出するように前記ベース部の端部から起立するライザ部とを有する整流子片と、
前記ライザ部の背面側に配置されたリングバリスタとを備え、
前記ライザ部には、前記電線が溶接される電線接合部と、前記リングバリスタの前面に設けられた電極に当接して接合される電極接合部とが並設されていることを特徴とするモータ。 - 前記電線接合部の遊端部分は、前記リングバリスタから遠ざかるように折り曲げられて電線巻付け部として形成され、前記電線と前記電線巻付け部とが溶接されていることを特徴とする請求項1記載のモータ。
- 前記電線接合部は、前記リングバリスタの前記前面に沿うように延在する電線接合基部の端部から略L字状に突出し、前記電線接合基部の背面が、前記リングバリスタの前記電極に当接することを特徴とする請求項1又は2記載のモータ。
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2005
- 2005-07-29 JP JP2005221674A patent/JP2007043759A/ja active Pending
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