JP3675040B2 - 小型振動コアレスモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はペイジャー,携帯電話等の振動発生源として使用する小型振動コアレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ぺージャー,携帯電話等の無音呼び出しの振動発生源に使用される振動モータとしては、特開平5−64391号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
その振動モータを図9に示す。円筒形状の磁性材料からなるフレーム7の一方の端面に突き出たシャフト12には、ラジアル方向に非均一な分銅14が取り付けられ、この分銅14を回転させることにより振動が発生する。また、振動モータから出たリード線40を通じて、振動モータに給電を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この振動モータにおいては、セットの小型化に伴い、取り付けスペースがより少なくなっている。また、セットのコストダウンも厳しく、モータの取付を簡素化し、工数を削減することが要望されている。
【0005】
本発明は、このような振動モータにおいて、取付スペースを少なくするとともに、セットへの電気的接続の簡素化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の小型振動コアレスモータは、刷子と通電端子を分離し、刷子を絶縁材料にて固定した刷子組立と、通電端子を絶縁材料にて固定した端子組立とを別々にフレームに組み込んだ後、刷子と通電端子の電気的接続を行うものである。このような構成により、モータからセットに応じた適切な形状の通電端子を出すことができ、モータ取付スペースを少なくするとともに、セットへの電気的接続の簡素化を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、少なくとも1つの平面部を持ちかつその側部曲面に対向する一対の角孔を設けた磁性材料からなるフレームと、このフレームの内周部と空隙をおいて対向配置され端面部にメタル軸受を設けた円柱状のマグネットとからなる固定子と、前記メタル軸受で回転可能に支持されたシャフトと、このシャフトに固定された整流子と、この整流子に機械的に固定され、かつ電気的に接続され、前記フレームの内周部と前記マグネットとの空隙に位置する無鉄心型コイルとから構成される回転子と、この回転子に給電するための一対の刷子を備え、前記フレームの側部曲面に設けた一対の角孔の一方より前記フレーム内部に挿入固定された刷子組立と、前記フレームの側部曲面に設けた一対の角孔の他方より前記刷子組立に対向するようにフレーム内部に挿入固定され、前記刷子と電気的に接続されかつセット側より給電するための一対の通電端子を備えた端子組立と、前記シャフトに固定された振動発生用分銅とを備えることを特徴とする小型振動コアレスモータであり、モータの側面方向に変形しにくい強固な通電端子を配置することができ、端子の位置が安定することにより、セット実装時にモータの位置を決めるだけで通電端子の位置も決まり、通電端子半田付け時の位置決め工数が削減できるという作用を有する。
【0008】
本発明の請求項2記載の発明は、端子組立をフレーム側面にスポット溶接にて固定する際に、一対の通電端子のうち片方をスポット溶接することで、フレーム片方の通電端子と同電位とすることを特徴とする請求項1記載の小型振動コアレスモータであり、モータのフレーム全体を一方の通電電極とすることができるという作用を有する。
【0009】
本発明の請求項3記載の発明は、フレームの外側面を包囲し、フレームと電気的に接続され、かつセット側基板へ取り付けるための爪を持つ取付ホルダーを備えることを特徴とする請求項2記載の小型振動コアレスモータであり、セット側基板へあけたモータ取付孔に前記爪を挿入し、前記基板に半田付け等の手段により前記爪を固定することにより、モータの固定を行うことができるばかりでなく、前記爪の固定部にモータへの通電パターンを配設することにより、モータへの通電を同時に行うことができるという作用を有する。
【0010】
本発明の請求項4記載の発明は、一対の通電端子をバネ性を有する接点としたことを特徴とする請求項2記載の小型振動コアレスモータであり、この構成により、セット側のモータへの給電端子を板状にしておき、モータの通電端子を十分な接圧のとれる範囲に固定すれば、バネ性を有する通電端子とセット側の給電端子との接触によりモータへの給電を行うことができるという作用を有する。
【0011】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図1から図8を用いて説明する。
【0012】
(実施例1)
図1,図2および図3において、1は刷子組立でナイロン等の樹脂からなるブラケット2と、銀系合金もしくは金系合金からなり刷子給電部3Bを備えた刷子3Aとから構成されている。また端子組立4はセット側と電気的に接続される+通電端子5A、−通電端子5Bを樹脂6にて一体成型を施して形成している。なお、セット側からモータへの通電端子は+,−の2極必要であるが本発明においては+側端子を5A、−側端子を5Bとして以下の説明を行うが、もちろん+,−が逆になっても何ら問題ないことはいうまでもない。
【0013】
7は磁性材料からなるフレームで、その外側面には平面部8が形成されている。フレーム7の内部には、円柱状のマグネット9がフレーム7の内周部と空隙をおいて対向して取り付けられ、このマグネット9の端面部にはメタル軸受13Aが固定されている。また、フレーム7の一端面にはメタル軸受13Bが固定されている。以上により固定子が構成されている。また、フレーム7の内周部とマグネット9との空隙にはコイルを円柱状に形成したコイル組立10が挿入されており、このコイル組立10は、シャフト12に固定された整流子11に圧入,接着等により固定され、各コイルは整流子11に電気的に接続されている。以上により回転子が構成されている。シャフト12は整流子11の両側で前記メタル軸受13A,13Bにより回転自在に支持されている。14はシャフト12にカシメ,圧入等で固定された分銅で、回転することにより振動を発生させる。
【0014】
フレーム7の側部曲面15には一対の角孔16が対向して穿設されており、この角孔16の一方から前記ブラシ組立1が、他方から前記端子組立4がそれぞれ挿入されてフレーム7に固定されている。
【0015】
前記端子組立4の構造を図4(a),図4(b)に示す。図4(a)は+通電端子5A、−通電端子5Bを示し、これを樹脂6にて一体成形を行った端子組立4の構造が図4(b)である。端子組立4の樹脂成形部には、刷子接続孔5Dが形成されており、前記刷子3Aの刷子給電部3Bがこの刷子接続孔5Dの内部で、通電端子5A,5Bの刷子接続部5Cと半田付け等の手段により電気的接続される。
【0016】
以上のように、本実施例によれば刷子とセットからの通電端子を分離し、かつ通電端子に樹脂一体成形を施して端子組立とすることにより、モータ側面より通電端子を取り出すことができるため、セットにモータを組み込む時にモータの位置決めをすれば通電端子の位置も定まり、リード線でセットから給電を行う場合のように特別に手をかけて通電端子の位置決めをする必要がないという効果がある。さらに、刷子と端子とが分離されているため、端子部に力が加わっても刷子の変形を生じないという効果がある。
【0017】
(実施例2)
図5は本発明の第2の実施例の斜視図、図6(a),図6(b)は同様に端子組立4の構造である。図6(a)は+通電端子5A,−通電端子5Bを示し、これを樹脂6にて一
体成形を行なった端子組立4の構造が図6(b)である。端子組立4の樹脂成形部には、刷子接続孔5Dが形成され、さらに−通電端子5Bのスポット溶接部5E付近が露出するように形成されている。前記刷子3Aの刷子給電部3Bがこの刷子接続孔5Dの内部で、通電端子5A,5Bの刷子接続部5Cと半田付け等の手段により電気的接続される。
【0018】
実施例1と異なるのは、端子組立4をフレームにスポット溶接を用いて固定するとともに、スポット溶接部5Eを図6(b)に示すように−通電端子5Bと同一部材とすることによって、スポット溶接時にフレーム7そのものを−通電端子とすることができる。
【0019】
また、図5ではモータ下部に別部品にて−通電端子17Bを取り付けているが、これにより−通電端子17Bの位置を任意に変更することができ、セットへの対応が容易となる効果がある。
【0020】
(実施例3)
図7(a)は本発明の第3の実施例の側面図、図7(b)は同様にモータの取付図である。
【0021】
実施例2のモータと異なるのは、モータの側面を覆うように取り付けられた取付ホルダー18を備えたことで、取付ホルダー18はモータとはスポット溶接等の手段で電気的・機械的に固定されている。また取付ホルダー18はモータの+通電端子5Aと同じ方向に2本以上の−通電端子25Bを備えており、図7(b)のように、セット基板26に設けた孔にこれら+通電端子5A,−通電端子25Bを挿入し、セット基板26の裏面の前記孔の周囲に設けたランドで半田付けを行い、固定することができる。さらに、前記セット基板26上のモータ固定部ランドに+,−のパターンを通しておくことによりモータへの通電を行うことができる。
【0022】
以上の構成により、モータのセットへの固定と、電気的接続を同時に、また極めて容易に行うことができる効果がある。
【0023】
(実施例4)
図8は本発明の第4の実施例の斜視図である。
【0024】
実施例2のモータと異なるのは、モータの+通電端子35A、および−通電端子35Bをバネ性を有する接点で形成したことである。
【0025】
この構成により、セット側のモータへの給電端子を板状にしておき、モータの通電端子35A,35Bを十分な接圧のとれる範囲に固定すれば、バネ性を有する通電端子とセット側の給電端子との接触によりモータへの給電を行うことができる。
【0026】
また、セット側でモータを抱きかかえる形状で一方の電極を構成し、他方の電極を前記バネ性を有する接点に対向する位置に配置することで半田付けを用いることなくモータとセットとの通電を行うことができるという作用を有する。
【0027】
以上の構成により、モータをセット基板に取り付ける際、最も工数のかかる通電端子の半田付けという作業を廃止することができ、大幅なコストダウンを図ることができる効果がある。
【0028】
なお、以上の実施例では通電端子にバネ性を持たせたが、逆にセット側の給電端子にバネ性を持たせ、モータの通電端子に押圧接触させる構造としても同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明は、請求項1の発明によれば、セットへのモータ実装時にモータの位置決めだけで通電端子の位置を決定することができ、通電端子半田付け時の位置決め工数を削減できる。さらに、刷子と端子とが分離されているため、端子部に力が加わっても刷子の変形を生じないという効果がある。また、請求項2の発明によれば、一対の通電端子の片方をフレームにスポット溶接して、フレームと一対の通電端子のうち片方とを同電位にすることにより、セットとの電気的接続の融通が利き、セットへの対応が容易になる。また、請求項3の発明によれば、フレームの外側面を包囲し、フレームと電気的に接続され、かつセット側基板へ取り付けるための爪を持つ取付ホルダーを備えることにより、セットへのモータの固定とセットとの電気的接続を同時に行うことができる。さらに、請求項4の発明によれば、一対の通電端子にバネ性を持たせたことにより、半田付けを行うことなくセット側との電気的接続を行うことができる優れた小型振動コアレスモータを実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の小型振動コアレスモータの斜視図
【図2】 本発明の実施例1の小型振動コアレスモータの組立途中の斜視図
【図3】 本発明の実施例1の小型振動コアレスモータの斜視図
【図4】 (a)本発明の実施例1の小型振動コアレスモータの通電端子の構造図
(b)本発明の実施例1の小型振動コアレスモータの端子組立の構造図
【図5】 本発明の実施例2の小型振動コアレスモータの斜視図
【図6】 (a)本発明の実施例2の小型振動コアレスモータの通電端子の構造図
(b)本発明の実施例2の小型振動コアレスモータの端子組立の構造図
【図7】 (a)本発明の実施例3の小型振動コアレスモータの側面図
(b)本発明の実施例3の小型振動コアレスモータの取付図
【図8】 本発明の実施例4の小型振動コアレスモータの斜視図
【図9】 従来の小型振動コアレスモータの斜視図
【符号の説明】
1 刷子組立
2 ブラケット
3A 刷子
3B 刷子給電部
4 端子組立
5A,35A +通電端子
5B,17B,25B,35B −通電端子
5C 刷子接続部
5D 刷子接続孔
5E スポット溶接部
6 樹脂
7 フレーム
8 平面部
9 マグネット
10 コイル組立
11 整流子
12 シャフト
13A,13B メタル軸受
14 分銅
15 側部曲面
16 角孔
18 取付ホルダー
26 セット基板
27 半田
40 リード線

Claims (4)

  1. 少なくとも1つの平面部を持ちかつその側部曲面に対向する一対の角孔を設けた磁性材料からなるフレームと、このフレームの内周部と空隙をおいて対向配置され端面部にメタル軸受を設けた円柱状のマグネットとからなる固定子と、前記メタル軸受で回転可能に支持されたシャフトと、このシャフトに固定された整流子と、この整流子に機械的に固定され、かつ電気的に接続され、前記フレームの内周部と前記マグネットとの空隙に位置する無鉄心型コイルとから構成される回転子と、この回転子に給電するための一対の刷子を備え、前記フレームの側部曲面に設けた一対の角孔の一方より前記フレーム内部に挿入固定された刷子組立と、前記フレームの側部曲面に設けた一対の角孔の他方より前記刷子組立に対向するようにフレーム内部に挿入固定され、前記刷子と電気的に接続されかつセット側より給電するための一対の通電端子を備えた端子組立と、前記シャフトに固定された振動発生用分銅とを備えることを特徴とする小型振動コアレスモータ。
  2. 端子組立をフレーム側面にスポット溶接にて固定する際に、一対の通電端子のうち片方をスポット溶接することで、フレーム片方の通電端子と同電位とすることを特徴とする請求項1記載の小型振動コアレスモータ。
  3. フレームの外側面を包囲し、フレームと電気的に接続され、かつセット側基板へ取り付けるための爪を持つ取付ホルダーを備えることを特徴とする請求項2記載の小型振動コアレスモータ。
  4. 一対の通電端子をバネ性を有する接点としたことを特徴とする請求項2記載の小型振動コアレスモータ。
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