JP2007042765A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属板からなる放熱部材を内層部に有する多層プリント配線板において、積層時に生じる反り不具合の抑制。
【解決手段】 積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板が設けられた両面基板の当該金属板側に、適宜数の他の基板が絶縁材を介して積層加熱により一体化せしめられている多層プリント配線板;積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板と銅箔とを絶縁材を介して張り合わせる工程と、当該金属板に回路形成して両面基板を形成する工程と、当該両面基板の金属板側に、他の基板を絶縁材を介して積層加熱により一体化する工程とを有する多層プリント配線板の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、放熱機能を有する多層プリント配線板の不具合、特にその積層工程における、反り不具合を抑制した多層プリント配線板及びその製造方法に関する。
近年、LED(発光ダイオード)などに代表される電子部品は、その利便性より多く使用されるに至っている。しかしながら、LEDなどに代表される電子部品は発熱するために、電子機器内で当該電子部品が正常に機能するためには、発生した熱源を適切な媒体により放熱処理を施すことが必要とされる。
従来における電子機器は、発熱部品の周辺に放熱用のフィンやファン及びペルチェ素子またはそれらを組み合わせてヒートシンクを構成させ放熱問題の解決を図っていたが、その一方で、プリント配線板に搭載される前記発熱部品を、当該プリント配線板によって放熱させることができる、いわゆる放熱機能を有するプリント配線板に関する技術開発もなされている。
これまで、前記放熱機能を有するプリント配線板としては、高い熱伝導性を有し、放熱や伝熱もしくは蓄熱部となる銅板やアルミ板などの金属板をプリント配線板の内層部に導入した構造体が知られている。その一例としては、図6に示される積層配置図により得られる放熱型の多層プリント配線板の構造体が挙げられる。
この図6に示される積層配置図の放熱型プリント配線板は、次のようにして作成される。
まず、両面基板の片面のみに回路配線62を形成した両面基板63を用意する。また、あらかじめ金属板67と絶縁材68と銅箔69とを積層して両面基板を作成し、次いで当該両面基板の金属板67部のみに所望の形状に回路形成した両面基板64を用意する。
次いで、前記両面基板63と所望の形状に形成した金属板67を有する両面基板64とを、絶縁材60を介して積層により張り合わせて放熱型のプリント配線板を得る。斯くして得られた放熱型のプリント配線板は、両面基板63の銅箔61部の導体層をL1(Lは層を示し、L1は1層目の配線層を示す。以下同じ。)、回路配線62の導体層をL2とし、また、両面基板64の金属板67の導体層をL3、銅箔69部の導体層をL4とする4層構造の多層プリント配線板となっている。
前記4層構造の多層プリント配線板は、前記LEDなどの発熱する電子部品を実装し、当該電子部品と放熱部となる金属板67とを層間接続ビアなどにより電気的及び伝熱的に接続することにより、放熱機能を有する多層プリント配線板の構造となる。
しかしながら、前記図6に示される積層配置図により得られる4層構造の多層プリント配線板は、良品のプリント配線板を製造することが困難であった。以下、その問題について順に説明をする。
前記所望の形状に形成した金属板67は、図6に示されるように、導体間において間隙部66を有する形状となる。加えて、当該間隙部66は、金属板67が放熱もしくは伝熱などの熱的な機能を向上させるため、比較的厚さのある部材を使用することから、当該金属板67の厚さに伴って、深さのある凹部形状となる。
前記間隙部66の凹部構造を絶縁材により埋設することができない場合には、間隙部66に空隙部が残存することとなる。然るとき、当該空隙部は電気ショート不具合などを生じやすく、プリント配線板の品質を低下させることとなるので、空隙部を残存させることなく当該間隙部66を絶縁材にて完全に埋設することが必要となる。而して、深さのある凹部形状となる間隙部66を埋設するためは、相応の厚みのある絶縁材60を使用することが必要であり、例えば、金属板67に250μmの厚みの部材を使用した場合には、絶縁材60に対応する300μm程度の部材が用いることが必要となり、図6に示されるように100μmの絶縁材60を3枚重ねて使用することなどが行なわれる。
また、積層加熱により前記多層プリント配線板を接着して一体化する際に、絶縁材60が積層加熱により体積的な収縮を伴って硬化する、いわゆる加熱硬化収縮現象を生じる。加えて、前記記載の間隙部66を埋設するために、枚数を重ねるなどをして厚さを持たせた絶縁材60は、一般的な多層プリント配線板よりもの厚くなるので、絶縁材60部の硬化収縮量もそれに比例して多くなる。
このようなプリント配線板の内部絶縁材の硬化収縮は、収縮に伴う内部応力を発生させるために、プリント配線板に不均一な応力が生じるため、プリント配線板に反りを発生させることが多い。
さらに、図6に示される積層配置図の放熱型多層プリント配線板においては、表裏の両面基板63と両面基板64において、前記記載の放熱機能を持たせる理由により構造が異なり、それに伴い剛性力が異なる。つまり、両面基板63よりも両面基板64の方が金属板67を有するために剛性力が高く、曲がりにくいため、図6に示される積層配置図の放熱型多層プリント配線板においては、上面の両面基板63に基づく面が、下面の両面基板64に基づく面よりも内部応力の発生により曲がり易い構造体となる。
そのため、図6に示される積層配置図の放熱型多層プリント配線板を製造すると、特に積層工程において、図7に示されるような、前記図6内のL1面を図7内凹部面側とし、前記図6内のL4面を図7内凸部面側とする、大きな反りを発生する、と云う問題があった。
一方、半導体装置については、金属放熱板を使用して、反りの発生などを抑制する技術が既に知られている(特許文献1参照)。この技術について図8を用いてその内容を説明をする。
図8に示される構造体は、当該半導体装置の基板断面図であり、製品寿命の長い高信頼性電力制御半導体装置を提供することを目的として発明されたのもである。また、接合時の金属支持板81あるいは金属放熱板83の接合時の熱応力による基板の反りを抑制することによって、前記金属放熱板83あるいは金属支持板81と絶縁基板82の間の接合部のろう層86の割れ、空隙部の発生を少なくすることができる効果を有するものである。
この半導体装置は、半導体素子85、金属放熱板83、熱応力緩和材84、絶縁基板82、金属支持板81等から構成される半導体装置において、前記金属放熱板83または金属支持板81の少なくとも一方の部材が高温での材料硬度が室温での硬度の1/2となる軟化温度が350℃以上であるCu合金を用いたことを特徴としている。
この半導体装置は、絶縁基板82ないしろう層86が比較的薄い場合においては反りが抑制でき有効である。しかしながら、例えば図6に示されるような多層プリント配線板の場合、特に絶縁材部の体積が多く、積層時に大きな硬化収縮を発生させ、それに基づき反りが発生するといった場合においては、絶縁材の硬化収縮量が大きいが故に、反りを抑制することは困難であった。
加えて、図6に示されるような多層プリント配線板の場合においては、前記のように非対称構造であることや両面基板の剛性の違いなどに起因する、反りが発生しやすいため、ますます反りを抑制することは困難である。
特許2936987号公報
このような背景に基づき本発明は、金属板からなる放熱部材をプリント配線板の内層部に有し、絶縁材と共に積層し、多層プリント配線板を形成する際に、当該積層工程における反り不具合を抑制した多層プリント配線板及びその製造方法を提供することを課題としている。
本発明者は上記課題を解決するために種々検討を重ねた。その結果、放熱機能を有する多層プリント配線板の内部に配置される金属板として、積層の際に加熱される温度もしくは当該温度付近において、軟化する特性を有する金属板を使用すれば、当該金属板に接する絶縁部材の硬化収縮により生じる内部応力を緩和し、プリント配線板全体の反りを抑制することができることを見出して発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板が設けられた両面基板の当該金属板側に、適宜数の他の基板が絶縁材を介して積層加熱により一体化せしめられていることを特徴とする多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、前記金属板の上に配置されている絶縁層が、他の基板間に配置されている絶縁層より厚い多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、前記金属板の厚さが、150μm以上である多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、前記金属板が圧延銅箔である多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、前記圧延銅箔が無酸素銅からなる多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
また本発明は、積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板と銅箔とを絶縁材を介して張り合わせる工程と、当該金属板に回路形成して両面基板を形成する工程と、当該両面基板の金属板側に、他の基板を絶縁材を介して積層加熱により一体化する工程とを有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、厚さ150μm以上の金属板を用いる多層プリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、金属板として圧延銅箔を用いる多層プリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
また本発明は、特に、圧延銅箔として無酸素銅からなる箔を用いる多層プリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
本発明によれば、積層の加熱の際に生じやすい多層プリント配線板の反りを抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態に関し、図1〜図3を使用して説明する。
図1は、本発明の多層プリント配線板の製造方法において、あらかじめ用意する各両面基板(P1、P2、P3)について示したものである。以下順に各両面基板についての製造方法の説明を行なう。
◎図1(a)に示される両面基板P1
始めに、両面銅張積層板3を用意する。次いで、ソフトエッチング液などを用いて、両面銅張積層板3の表裏の銅箔面を粗化処理した後に、表裏の銅箔の表面にドライフィルムエッチングレジストをラミネートする。次いで、図1(a)に示される図面における両面銅張積層板3の下側の銅箔面のみに回路配線形成用のマスクを張り合わせ、次いで、表裏の銅箔面に露光を行なう。
次いで、ドライフィルムエッチングレジスト用の現像液を使用して現像を行ない、塩化第二鉄液などを用いてエッチングを行なう。次いで、ドライフィルムエッチングレジストの剥離を行ない、前記マスクを張り合わせた片側の面のみに回路配線2を有する両面基板P1を得る。ここで、図1(a)に示される銅箔1の面においては、前記回路配線形成用のマスクを張り合わせずに露光と現像をすることで、回路形成がされない状態で両面基板P1を得る。
◎図1(b)に示される両面基板P2
始めに、両面銅張積層板5を用意する。次いで、ソフトエッチング液などを用いて、両面銅張積層板5の表裏の銅箔面を粗化処理した後に、表裏の銅箔の表面にドライフィルムエッチングレジストをラミネートする。次いで、両面銅張積層板5の表裏の銅箔面に回路配線形成用のマスクを張り合わせ、次いで、表裏の銅箔面に露光を行なう。
次いで、ドライフィルムエッチングレジスト用の現像液を使用して現像を行ない、塩化第二鉄液などを用いてエッチングを行なう。次いで、ドライフィルムエッチングレジストの剥離を行ない、表裏の銅箔面に回路配線2を有する両面基板P2を得る。
前記回路形成により表裏の銅箔面に回路配線2を有する両面基板P2には、求められるプリント配線板の構造に従い貫通スルーホール4を設けても良い。当該貫通スルーホール4は従来のプリント配線板の製造方法と同様に行なうことができ、具体的には、前記両面銅張積層板5を回路形成する前に、所望の位置にドリルを使用して貫通穴を設け、デスミアによる貫通穴内の洗浄を行なった後に、銅めっきを行ない、次いで前記同様に回路形成を行なうことにより貫通スルーホール4を設けることができる。
◎図1(c)に示される両面基板P3
始めに、金属板7と絶縁材8と銅箔9を材料として用意し、これらの材料を絶縁材8を中心として金属板7と銅箔9を当該絶縁材8の外側に配置し、次いで積層することによりあらかじめ両面基板10を作成する。ここに金属板7は、積層の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えたものを使用する。斯かる金属板7としては、例えば圧延銅箔、特に無酸素銅からなる圧延銅箔が好適に用いられる。また、金属板7の厚さは150μm以上とするのが好ましい。
次いで、ソフトエッチング液などを用いて、前記両面基板10の表裏の銅面を粗化処理した後に、金属板7と銅箔9の表面にドライフィルムエッチングレジストをラミネートする。次いで、図1(a)に示される金属板7の面のみに回路配線形成用のマスクを張り合わせ、次いで、表裏の面に露光を行なう。次いで、ドライフィルムエッチングレジスト用の現像液を使用して現像を行ない、塩化第二鉄液などを用いてエッチングを行なう。
ここで、塩化第二鉄液などを用いた金属板7のエッチングにおいては、金属板7の厚みが前記両面銅張積層板の銅箔9よりも厚いために、エッチングの際の時間を長くするなどが必要となるが、前記両面基板P1及び両面基板P2の作製の際に行なった回路形成方法にて同様の手順にて行なえる。
次いで、ドライフィルムエッチングレジストの剥離を行ない、前記金属板7の面のみを回路形成した図1(c)に示される両面基板P3を得る。ここで、図1(c)に示される銅箔9の面においては、前記回路配線形成用のマスクを張り合わせずに露光と現像をすることで、回路形成がされない状態で両面基板P3を得る。
図2は、本発明の多層プリント配線板の積層工程における、積層の前の配置図について示したものである。
前記の製造方法により得られた両面基板P1、両面基板P2、両面基板P3をそれぞれ用いて、図2に示されるように、両面基板P1と両面基板P2との間及び両面基板P2と両面基板P3との間にそれぞれの絶縁材11a,11bを配置して、目的とする多層プリント配線板を積層加熱することにより作製する。
ここで、絶縁材11a,11bに要求される役割としては、多層プリント配線板の構造体における層間の絶縁層を形成することに加えて、前記両面基板上の回路配線2の段差部分に空隙が生じないように埋設すること及びスルーホール4が存在する際は当該スルーホール内を埋設すること、そして重要とされる役割として、両面基板P3の金属板7の間隙部6埋設することである。
前記間隙部6の深さは、背景技術での説明のように金属板7の厚みに依存するところであるが、当該金属板7は放熱や伝熱といった熱的な機能を示すために厚い材料が使用される。したがって、間隙部6を埋設するためには相応の厚みを有する絶縁材11bが必要になる。
このような観点から、図2に示される積層配置図においては、両面基板P1と両面基板P2との間に配置される絶縁材11aよりも両面基板P2と両面基板P3との間に配置される絶縁材11bの方が厚い材料を使用する。より具体的には、前記絶縁材11aには100μmの厚みのものを使用し、前記絶縁材11bには300μmのもの、もしくは図2に示されるように100μmの厚みのものを3枚重ねて使用するのが好ましい。
以上のように各種両面基板P1、P2、P3と絶縁材11a、11bとを配置した後に、積層プレス機を使用して、加圧条件の下で加熱することにより、前記両面基板と絶縁材とを接着する。
ここに積層方法としては、一般的なプリント配線板の積層方式であるマスラミネーション方法及びピンラミネーション方法のいずれをも特に問題を生じることなく使用することができる。
また、当該積層加熱の具体的方法としては、例えば加圧条件下において、第1加熱保持(条件:140℃、20分)を行なった後に、第2加熱保持(条件:200℃、60分)を行なう2段階での加熱方法が好適なものとして挙げられる。
上記第1加熱保持での主な目的としては、図2に示される絶縁材11a及び絶縁材11bを溶融させ、隣接する両面基板(例えば両面基板P2)との親和性などを向上させる意味があり、本加熱前の予備硬化として用いられる。また、第2加熱保持での主な目的としては、図2に示される絶縁材11a及び絶縁材11bを本硬化させることが主目的であり、この第2加熱保持条件において多層プリント配線板が一体化され、図3に示される構造の多層プリント配線板が得られる。
因に、従来このような積層条件において多層プリント配線板を形成した場合には、前記背景技術において記載したように、大きく反り不具合を生じた多層プリント配線板が形成されてしまう、と云う問題があった。
すなわち、図3(a)に示される多層プリント配線板は絶縁材11bが厚さのある材料を使用するために、積層加熱の際に硬化収縮を生じる。加えて金属板7が設けられた両面基板P3は、その構造上、両面基板1及び両面基板2よりも高い剛性力を有するものであるため、両面基板1及び両面基板2よりも反り難い。それにより、前記硬化収縮が生じた際には、図7に示されるような、両面基板1側を凹部面側として、両面基板P3側を凸部面側とした、多層プリント配線板の反りが発生し易いものであった。
しかしながら、本発明における多層プリント配線板及びその製造方法においては、前記積層加熱環境下において多層プリント配線板の反りを抑制することができる。以下にその理由を説明する。
始めに、本発明で使用する金属板7は、前記の如く積層加熱の際に軟化する特性を有している。当該金属板7の軟化について図4を用いて説明する。図4は、本発明で使用する金属板7として、無酸素銅からなる箔を使用した場合の室温及び積層加熱環境を想定した200℃の温度にて、1時間ないし2時間加熱した際のビッカース硬さの測定結果を示すグラフである。前記無酸素銅からなる銅箔は軟化温度が200℃であり、積層加熱により軟化する特性を有するものである。従って、室温においては160Hvのビッカース硬さを有するが、軟化温度が200℃であることに起因して、200℃での加熱環境下においては銅箔のビッカース硬さが60Hvに低下する銅箔である。
例えば図3(a)に示される多層プリント配線板を積層加熱にて形成する場合、これまでの説明のように絶縁材11aの硬化に伴い、応力を発生させ、多層プリント配線板の反りを生じることとなるが、積層加熱の際に軟化する銅箔を使用した場合は、絶縁材11aと金属箔7との界面において、銅箔の軟化により前記絶縁材11aの応力が緩和され易いこととなる。この作用により、多層プリント配線板の反りを抑制することができる。
このようにして反りを抑制して得られた図3(a)に示される多層プリント配線板を使用して、要求されるプリント配線板の構造に従い、スルーホール13、層間接続ビア14、表層部の回路配線12を形成することにより、図3(b)に示される多層プリント配線板を得ることができる。
試験例
本発明における反りを抑制することができる効果を、より明確にするために以下の比較試験を行なった。
始めに金属箔として、表1に示される3種類の特性が異なる銅箔を用意した。この3種類の特性が異なる銅箔は、1種類目としては、積層加熱により軟化する特性を有する銅箔(以下、「本発明で使用する銅箔」と云う)であり、室温でのビッカース硬さは160Hvであり、軟化温度が200℃のものである。2種類目としては、比較例1として使用する銅箔(以下、「比較例1で使用する銅箔」と云う)であり、室温でのビッカース硬さは160Hvであり、軟化温度が350℃のものである。3種類目として、比較例2として使用する銅箔(以下、「比較例2で使用する銅箔」と云う)であり、室温でのビッカース硬さは60Hvであり、軟化温度が350℃のものである。
また、積層加熱を行なう際の本硬化条件が200℃で2時間であることを鑑みて、前記3種類の特性が異なる銅箔を用いて、(i)室温、(ii)200℃で1時間加熱、(iii)200℃で2時間加熱の条件下において、銅箔のビッカース硬さを測定し、その結果を図4に示した。
より具体的な説明として、本発明で使用する銅箔は、室温においては160Hvの硬さを有するが、軟化温度が200℃であることに起因して、200℃/1時間加熱及び200℃/2時間加熱の環境下においては銅箔の硬さが60Hvに低下する銅箔である。また、比較例1で使用する銅箔は、軟化温度が350℃であることに起因して、室温においては160Hvの硬さを有し、200℃/1時間加熱及び200℃/2時間加熱の環境下においても同様に160Hvの硬さを有する銅箔である。さらに、比較例2で使用する銅箔は、軟化温度が350℃であることに起因して、室温においては60Hvの硬さを有し、200℃/1時間加熱及び200℃/2時間加熱の環境下においても同様に60Hvの硬さを有する銅箔である。
このような3種類の特性が異なる銅箔を用いた以外は、前記実施の形態で示した製造工程における各条件を同一にし、また、同一の製造ロットにて、図3(a)に示されるような多層プリント配線板を製造し、積層終了後に各多層プリント配線板の反り量を測定した。
ここでの反り量の測定方法として、レーザを使用した反り検査機を使用して、図7に示される反りが発生した各多層プリント配線板の反り量を測定した。具体的な方法としては、あらかじめプリント配線板の板厚さを反り検査機に入力した後、測定用のコンベア上にプリント配線板を流し入れ、レーザによってコンベアからの浮きを測定し、その測定値から板厚さの値を引いた値を反り量として表示する測定方法にて行なった。
このように積層終了後に各多層プリント配線板の反り量を測定し、横軸を反りに伴う変形量(単位:mm)として、縦軸を度数とした結果を図5に示した。上段の図5(a)には本発明で使用する銅箔の場合の反り量結果を示し、中段の図5(b)には比較例1で使用する銅箔の場合の反り量結果を示し、下段の図5(c)には比較例2で使用する銅箔の場合の反り量結果を示した。また、試験に伴う多層プリント配線板のボード数は、試験数としてそれぞれ88ボード、69ボード、90ボードにて実施した。
その結果、上段の図5(a)に示される本発明で使用する銅箔の場合、全ボードの変形量(反り量)の平均値は0.46mmとなり、前記3機種のうち最も反り量が少なく、良好な結果が得られることが確認された。
因に、図5(a)に示される本発明で使用する銅箔の場合と、図5(b)に示される比較例1で使用する銅箔の場合とを比較した場合、室温環境下においては共に160Hvの硬さを有するため、両者の異なる点は、200℃の積層温度環境下において軟化するか否かの違いのみである。しかし、この両者の発生する反り量の結果に徴すれば、図5(a)に示される本発明の場合の方が明らかに反り量が少なく良好であるので、積層温度環境下において軟化する特性を有する銅箔を使用することが、図7に示されるような多層プリント配線板の反りを効果的に抑制する上で重要であることは明らかである。
一方、図5(a)に示される本発明で使用する銅箔の場合と、図5(c)に示される比較例2で使用する銅箔の場合とを比較した場合、両者の異なる点は、室温環境下においての硬さの違いである。しかし、この両者の発生する反り量の結果に徴すれば、図5(a)に示される本発明の場合の方が明らかに反り量が少なく良好であるので、積層時の終始において60Hv程度の硬さ特性を有する銅箔を使用だけでは、図7に示されるような多層プリント配線板の反りを抑制することができないことは明らかである。
而して、上記試験例で使用した金属箔は、室温では160Hvの硬さを有し、200℃の積層温度環境下において軟化して60Hvの硬さを有する特性を有するものであるが、このように積層温度環境下に到達するにおいて金属が軟化することが、図7に示されるような多層プリント配線板の反りを抑制するためには必要である。
以上の結果から明らかな如く、図2に示される構造の多層プリント配線板の積層加熱の際に絶縁材11bに生じる硬化収縮の応力を、本発明においては金属板7が軟化することにより緩和し、当該応力が緩和されることで多層プリント配線板の反りが抑制されているものである。
本発明の多層プリント配線板に用いる各両面基板の概略断面説明図。 本発明の多層プリント配線板の概略断面積層配置図。 本発明の多層プリント配線板例を示す概略断面説明図。 銅箔の硬度測定結果を示すグラフ。 多層プリント配線板の反り量の測定結果を示すグラフ。 従来の多層プリント配線板の概略断面積層配置図。 従来の多層プリント配線板の反り状態を示す模式図。 従来の半導体装置の概略断面説明図。
符号の説明
1:銅箔
2:回路配線
3:両面銅張積層板
4:スルーホール
5:両面銅張積層板
6:間隙部
7:金属放熱板
8:絶縁材
9:銅箔
10:両面基板
11a,11b:絶縁材
12:回路配線
13:スルーホール
14:層間接続ビア
16:絶縁層
20:界面
60:絶縁材
61:銅箔
62:回路配線
63:両面銅張積層板
66.間隙部
67:金属放熱板
68:絶縁材
69:銅箔
81:金属支持板
82:絶縁基板
83:金属放熱板
84:熱応力緩和材
85:半導体素子
86:ろう層
P1:図1(a)に示される両面基板
P2:図1(b)に示される両面基板
P3:図1(c)に示される両面基板

Claims (9)

  1. 積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板が設けられた両面基板の当該金属板側に、適宜数の他の基板が絶縁材を介して積層加熱により一体化せしめられていることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記金属板の上に配置されている絶縁層が、他の基板間に配置されている絶縁層より厚いことを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
  3. 前記金属板の厚さが、150μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記金属板が、圧延銅箔であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多層プリント配線板。
  5. 前記圧延銅箔が、無酸素銅からなることを特徴とする請求項4に記載の多層プリント配線板。
  6. 積層加熱の際に軟化する特性と放熱特性とを兼ね備えた金属板と銅箔とを絶縁材を介して張り合わせる工程と、当該金属板に回路形成して両面基板を形成する工程と、当該両面基板の金属板側に、他の基板を絶縁材を介して積層加熱により一体化する工程とを有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  7. 厚さ150μm以上の金属板を用いることを特徴とする請求項6に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 金属板として圧延銅箔を用いることを特徴とする請求項6又は7に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  9. 圧延銅箔として無酸素銅からなる箔を用いることを特徴とする請求項8に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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