JP2007040015A - 建具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】障子10Bにおける縦框(召合せ框)13の摺動部材18にローラー18Dが設けられ、このローラー18Dが障子10Aの少なくとも上框11と上枠3の上レール3Bとに当接して転動することで、2枚の障子10A,10Bが連動して開閉移動されるので、簡単な構造で連動機構20を構成することができ、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。ガタが全くなく見込み方向にずれることのない上レール3Bにローラー18Dが当接して転動することで、ローラー18Dと上レール3Bおよび障子10Aの上辺部とのずれ量を小さくすることができ、2枚の障子10A,10Bを円滑に連動させて良好な操作性を確保することができる。
【選択図】 図6
Description
特許文献1の引き戸は、3枚の戸のうち見込み方向中間に位置する第2の戸の上面両端に設けられた2つの歯車と、これらの歯車に懸け渡された無端帯状体(ベルトやチェーン)と、見込み方向両側の第1および第3の戸に設けられて無端帯状体と噛み合うラックとを有して構成されている。そして、第1の戸を固定した状態で、第3の戸を開閉操作することで、第3の戸のラックを介して無端帯状体および歯車が回転するとともに、第1の戸のラックに噛み合った無端帯状体を介して第2の戸に開閉力が伝達されて、第2の戸が第1の戸と同一方向かつ半分の開閉速度で連動開閉されるようになっている。
また、従来の連動三連式引き戸では、第2の戸に設けられた無端帯状体が第1および第3の戸のラックに噛み合う構造となっているため、レールに支持された第1および第3の戸がガタにより見込み方向にずれると、ラックとの噛み合いが外れて無端帯状体が空回りし、第1および第2の戸が円滑に連動せず、操作性が悪くなってしまうという問題もある。
また、第3の障子に限らず、枠体に固定された壁体(面状体)に略重なって第1および第2の障子が開放されてもよく、また枠体に設けられた戸袋に収納されて第1および第2の障子が開放されるような構成でもよい。この際、第2の障子が閉鎖状態で壁体や戸袋側に位置する障子となり、第1の障子が壁体や戸袋の反対側(戸先側)の障子となる。
さらに、転動部材を摺動部材に設けたことで、第2の障子における左右の縦框のいずれか一方に摺動部材を取り付けるだけで、開き勝手を左右反転した勝手違いの建具に対応でき、摺動部材自体の共通化も図ることができる。
このような構成によれば、転動面が弾性材料で形成されたローラーを被当接部材に押圧して若干変形させた状態で当接させることで、より一層確実に当接状態を維持することができる。そして、被当接部材との間に所定の摩擦力を生じさせることで、ローラーと被当接部材との滑りが防止でき、障子の開閉操作がより円滑にできる。
また、歯車、無端帯状体およびラックを介した従来の連動引き戸においては、障子を強引に開閉操作するなど連動機構に過負荷が掛かった場合、連動機構が破損して開閉操作できなくなるが、本発明の転動部材では、転動部材と被当接部材とに所定の摩擦力以上の負荷が掛かるような開閉操作が行われても、転動部材が被当接部材に対して滑るだけで破損することがなく、連動開閉しないものの開閉操作は可能である。また、その後の開閉操作により閉鎖位置または開放位置まで第1および第2の障子を移動すれば、再度連動開閉が可能となり、初期の性能を回復することができる。
また、被当接部材が第1の障子の少なくとも上框および第2の障子を案内する上枠の案内部に取り付けられるので、障子の框材や枠体の上枠自体に加工を施す必要がなく、部品の共通化を図ることができるとともに、勝手違いの建具においても被当接部材の取付位置を変更するだけで容易に対応することができる。
このような構成によれば、転動部材と噛合部材とが噛み合う、つまり噛合部材がラックとして機能し、転動部材がピニオンとして機能する(ラック&ピニオン)ことで、滑りを防止して障子の開閉操作がより円滑にできる。また、噛合部材が第1の障子の少なくとも上框および第2の障子を案内する上枠の案内部に取り付けられるので、障子の框材や枠体の上枠自体に凹凸加工を施す必要がなく、部品の共通化を図ることができるとともに、勝手違いの建具においても噛合部材の取付位置を変更するだけで容易に対応することができる。
この際、前記押圧手段は、前記第1の障子に取り付けられた前記摺動部材に設けられ、この摺動部材を案内する前記上枠の案内部に当接して転動するサブローラーを有して構成されたものが採用可能である。
また、前記押圧手段は、前記第1の障子の上框に少なくとも1箇所設けられ、当該第1の障子の摺動部材を案内する前記上枠の案内部に当接する当接部材を有して構成されたものでもよい。
ここで、押圧手段としては、サブローラーと当接部材とを併用してもよく、いずれか一方のみを用いてもよい。
このような構成によれば、押圧手段であるサブローラーや当接部材によって、第1の障子の摺動部材や上框が第2の障子側、つまり転動部材に向かって押圧されるので、転動部材と第1の障子の上框や縦框の上端部との当接状態を良好に維持することができる。
また、前記少なくとも2枚の障子の上框または縦框の上端部には、それぞれ戸車が設けられ、前記枠体の上枠には、前記戸車を案内しかつ前記少なくとも2枚の障子を各々吊り下げ支持する吊下げ支持部が形成されていてもよい。
このような構成によれば、障子の下部に戸車が設けられて下枠のレールに支持される下支持形式の建具、または障子の上部に戸車が設けられて上枠の吊下げ支持部に支持される上吊り形式の建具のいずれにおいても、上述したような作用効果を得ることができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略することがある。
本発明の第1実施形態に係る建具である浴室出入口用建具について説明する。
図1は、本実施形態の浴室出入口用建具1を示す縦断面図である。図2および図3は、それぞれ浴室出入口用建具1の横断面図であり、図2には、閉鎖状態が示され、図3には、開放状態が示されている。図4および図5は、それぞれ浴室出入口用建具1における障子を示す斜視図であり、図4には、閉鎖状態の障子が示され、図5には、開放状態の障子が示されている。
建具枠2は、上枠3、下枠4、および左右の縦枠5を四周枠組みして構成されており、上枠3および縦枠5は、それぞれアルミ押出形材製の部材であり、下枠4は、それぞれアルミ押出形材製の下枠本体4Aと、この下枠本体4A上に載置された下枠上面部材4Bとで構成されている。そして、下枠上面部材4Bの上面には3本の下レール4Cが形成されており、これら3本の下レール4Cで3枚の障子10を支持するように構成されている。一方、上枠3には、下方に突出して各障子10の上部を案内する案内部としての3つの上レール3A,3B,3Cが、上枠3の長手方向に沿って連続して形成されている。
このように、障子10Bを障子10Aの開閉移動に連動させる連動機構20が、障子10A,10B上部と上枠3との間に設けられている。
図6および図7は、浴室出入口用建具1の上部を拡大して示す縦断面図および横断面図である。図8〜図10 (A),(B)は、それぞれ障子10の縦框13,14上端に取り付けられる摺動部材16,17,18を示す斜視図および平面図である。図11(A),(B)は、障子10Aの上框11に取り付けられる当接部材を示す側面図である。
以上のような、ローラー18D、障子10Aの上辺部、および上レール3Bによって連動機構20が構成されており、障子10Aの開閉操作に伴い障子10Aの上辺部に沿ってローラー18Dが転動し、この回転したローラー18Dが上レール3Bに沿って転動することで、障子10Bも連動して障子10Aの半分の速度で開閉移動するようになっている。
さらに、図11に示すように、障子10Aの上框11には、上レール3Aの脱衣室側側面に当接して押圧する押圧手段としての当接部材19が設けられている。この当接部材19は、上框11にビス止め固定される支持部19Aと、この支持部19Aから上方に延びるとともに上レール3A側に折れ曲がった当接部19Bとを有して形成された樹脂製一体部材であって、上框11の長手方向略中央の1箇所、または上框11を長手方向に等分した2箇所以上に取り付けられている。このような当接部材19が、上レール3Aの脱衣室側側面を押圧することで、障子10Aの上辺部(上框11)が脱衣室側に付勢されるようになっている。
以上のようなサブローラー16B,17Bおよび当接部材19からなる押圧手段によって、障子10Aの上辺部が脱衣室側に付勢されることで、障子10Aの上辺部とローラー18Dとが押圧され、およびローラー18Dと上レール3Bとが押圧され、これらの間の摩擦力が確保されてローラー18Dの空転(滑り)が防止できるようになっている。
(1)すなわち、障子10Bにおける縦框(召合せ框)13の摺動部材18にローラー18Dが設けられ、このローラー18Dが障子10Aの上辺部と上枠3の上レール3Bとに当接して転動することで、2枚の障子10A,10Bが連動して開閉移動されるので、簡単な構造で連動機構20を構成することができ、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る浴室出入口用建具における連動機構20Aについて、図12に基づいて説明する。
図12は、浴室出入口用建具1の上部を拡大して示す横断面図である。
第2実施形態における連動機構20Aは、転動部材、障子10Aの上辺部、および上レール3Bの構成が前記第1実施形態と相違するもので、その他の構成は、第1実施形態と略同様である。すなわち、本実施形態では、転動部材としてのローラー18Dに替えて周面に歯形を有した歯車(ピニオン)18Eが摺動部材18に軸支されている。そして、障子10Aの上辺部の脱衣室側側面、および上レール3Bの浴室側側面には、歯車18Eと噛み合う凹凸(歯形)を有した噛合部材(ラック)21,22が取り付けられている。これらの噛合部材21,22は、片側に接着面を有したテープ状の部材に歯形を形成したもので、障子10Aの上辺部および上レール3Bに接着固定されている。
そして、歯車18Eと噛合部材21,22とが噛み合うことで、これらの滑りを防止して障子10A,10Bの開閉操作がより円滑にでき、操作性を向上させることが可能である。
また、噛合部材21,22が障子10Aの上辺部および上枠3の上レール3Bに取り付けられるので、障子10Aの框材11,13,14や上枠3自体に凹凸加工を施す必要がなく、部品の共通化を図ることができるとともに、勝手違いの建具においても噛合部材21,22の取付位置を変更するだけで容易に対応することが可能である。
次に、本発明の第3実施形態に係る浴室出入口用建具1Aについて、図13に基づいて説明する。
図13は、浴室出入口用建具1Aの上部を拡大して示す縦断面図である。
第3実施形態の浴室出入口用建具1Aは、前記第1実施形態の建具が障子10の下框12に設けられた戸車12Aが下枠4の下レール4Cに支持された下支持形式であったのに対し、上吊り形式の建具である点が相違するもので、その他の構成は、第1実施形態と略同様である。すなわち、浴室出入口用建具1Aでは、上枠3の上レール3A,3B,3Cにおける浴室側側面に浴室側に突出した吊下げ支持部3Dが形成されている。そして、障子10の上框11には、戸車11Aが設けられ、この戸車11Aが吊下げ支持部3Dに支持されている。このような浴室出入口用建具1Aによれば、下枠4の上面から上方に突出したレールを省略することが可能となり、下枠上面をフラットに形成することができる。
例えば、前記各実施形態においては、浴室出入口用建具について説明したが、本発明の建具はこのような浴室出入口用建具に限られず、玄関に用いてもよく、部屋や収納、倉庫等の出入り口、あるいは窓に本発明の建具を用いてもよい。
また、本発明の建具は三連引き戸に限らず、前記実施形態の固定障子(障子10C)に替えて壁体(面状体)や戸袋が設けられていてもよく、この壁体に略重なって2枚の障子が開放されるような構成や、2枚の障子が戸袋に収納されて開放されるような構成が採用可能である。
また、前記実施形態において押圧手段を構成するサブローラー16B,17Bは、回転可能なローラーに限らず、樹脂製の突片等でもよく、さらに、サブローラー16B,17Bや当接部材19を付勢手段によって付勢するように構成し、所定の付勢力で第1の障子の上框や縦框上端部を転動部材に押圧するようにしてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (8)
- 枠体と、この枠体にスライド開閉自在に支持された少なくとも2枚の障子とを備え、前記少なくとも2枚の障子のうちの第1の障子と第2の障子とが連動して開閉される建具であって、
前記枠体の上枠には、前記第1および第2の障子を各々案内する案内部が当該上枠の長手方向に沿って形成され、
前記第1および第2の障子は、それぞれ上下框および左右縦框からなる框材と、これらを四周框組みした内部に嵌め込まれた面材とを有し、前記縦框のうちの召合せ框同士が見込み方向に重なって閉鎖される閉鎖位置から、各々同一方向に開移動され当該第1の障子と第2の障子とが見込み方向に略重なって開放される開放位置まで開閉移動可能に構成され、かつ前記各縦框の上端には、各々開閉移動時に前記上枠の前記各案内部に沿って案内される摺動部材が取り付けられ、
前記閉鎖位置にて開移動方向側に位置する第2の障子における前記召合せ框上端の前記摺動部材には、前記第1の障子の少なくとも上框と前記第2の障子を案内する上枠の案内部とに当接しかつ前記第1の障子の開閉移動に伴って転動する転動部材が設けられ、この転動部材を介して前記第2の障子が前記第1の障子の移動に連動して開閉される建具。 - 前記転動部材は、その転動面が弾性材料で形成されたローラーであり、
前記転動部材が当接する前記第1の障子の少なくとも上框および前記第2の障子を案内する上枠の案内部には、所定の摩擦係数を有した被当接部材が取り付けられている請求項1に記載の建具。 - 前記転動部材は、その転動面に凹凸が形成された歯車であり、
前記転動部材が当接する前記第1の障子の少なくとも上框および前記第2の障子を案内する上枠の案内部には、前記歯車と噛み合う凹凸を有した噛合部材が取り付けられている請求項1に記載の建具。 - 前記第1の障子には、当該第1の障子の上框を前記第2の障子に向かって押圧する押圧手段が設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
- 前記押圧手段は、前記第1の障子に取り付けられた前記摺動部材に設けられ、この摺動部材を案内する前記上枠の案内部に当接して転動するサブローラーを有して構成されている請求項4に記載の建具。
- 前記押圧手段は、前記第1の障子の上框に少なくとも1箇所設けられ、当該第1の障子の摺動部材を案内する前記上枠の案内部に当接する当接部材を有して構成されている請求項4または請求項5に記載の建具。
- 前記枠体は、前記少なくとも2枚の障子を各々案内するレールが上面に形成された下枠を有し、
前記少なくとも2枚の障子の下框または縦框の下端部には、それぞれ前記レールに案内される戸車が設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。 - 前記少なくとも2枚の障子の上框または縦框の上端部には、それぞれ戸車が設けられ、
前記枠体の上枠には、前記戸車を案内しかつ前記少なくとも2枚の障子を各々吊り下げ支持する吊下支持部が形成されている請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。
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