JP2009091756A - 連動引戸 - Google Patents
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Abstract
【課題】連動引戸において、全ての戸を複雑な構造にすることを不要にさせ、施工性やメンテナンス性を向上させることを課題とする。
【解決手段】一方に第一の戸31又は壁34が隣接し他方に第二の戸33が隣接した第三の戸32に連動機構40を備え、該連動機構は、前記第一の戸31又は壁34において前記第三の戸32に対向する面に接触して前記第一の戸31又は壁34と前記第三の戸32とが相対的に開閉動作する際に回る第一の接触部50と、前記第二の戸33において前記第三の戸32に対向する面に接触して前記第二の戸33と前記第三の戸32とが相対的に開閉動作する際に回る第二の接触部60と、同じ向きに回るように前記第一の接触部50の回る動作と前記第二の接触部60の回る動作とを連動させる連動手段70とを設けた。
【選択図】図1
【解決手段】一方に第一の戸31又は壁34が隣接し他方に第二の戸33が隣接した第三の戸32に連動機構40を備え、該連動機構は、前記第一の戸31又は壁34において前記第三の戸32に対向する面に接触して前記第一の戸31又は壁34と前記第三の戸32とが相対的に開閉動作する際に回る第一の接触部50と、前記第二の戸33において前記第三の戸32に対向する面に接触して前記第二の戸33と前記第三の戸32とが相対的に開閉動作する際に回る第二の接触部60と、同じ向きに回るように前記第一の接触部50の回る動作と前記第二の接触部60の回る動作とを連動させる連動手段70とを設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、並行して配された複数の戸を有する連動引戸に関する。
浴室の出入口には、引戸タイプの扉が広く採用されている。特許文献1には、ドア枠に対して3枚の戸を重合状かつ摺動自在に納めた3枚引きの浴室引戸が記載されている。
なお、浴室引戸の技術ではないが、特許文献2に記載されるように、平行に配される3枚の戸をドア枠でスライド自在に支持して戸の開閉動作を連動させるようにした三連式引戸も知られている。同文献に記載される三連式引戸は、3枚の戸のうちの中央の戸が上端において両側端部にプーリを備えるとともに該プーリに架け渡された無端ワイヤを備えている。この無端ワイヤに固定された2つの連結部のうちの一方の連結部が3枚の戸のうちの片側の戸に上端部で連結され、他方の連結部が3枚の戸のうちの他側の戸に上端部で連結されている。ここで、両連結部は、隣接した戸の方向に突出した突起とされている。隣接した戸は、該突起がはまり込む凹部を一面に備えている。そして、各突起が各凹部にはまり込んで係合することにより、中央の戸と片側の戸とが連結され、また、中央の戸と他側の戸とが連結されている。
以上より、上記片側の戸を固定した状態で上記他側の戸を開閉操作すると、上記中央の戸が上記他側の戸の1/2の移動速度で開閉動作する。
以上より、上記片側の戸を固定した状態で上記他側の戸を開閉操作すると、上記中央の戸が上記他側の戸の1/2の移動速度で開閉動作する。
また、特許文献3には、戸の開閉方向にわたる長尺状の掘込ベースを戸の上端面または下端面に取り付け、この掘込ベースの内部の端部に複数のプーリを設け、これら複数のプーリの間に無端条体を掛け渡し、隣接する戸に係合されるスライダを無端条体に固設した連動引戸が記載されている。スライダは、隣接する戸と係合する係合片を有している。一方、隣接する戸は、スライダの係合片と嵌合する係合溝を有するガイド受け部材が設けられている。
ガイド受け部材にスライダが係合していることにより、上述した隣接する戸を開閉操作すると、掘込ベースを取り付けた戸が上述した隣接する戸の1/2の移動速度で開閉動作する。
ガイド受け部材にスライダが係合していることにより、上述した隣接する戸を開閉操作すると、掘込ベースを取り付けた戸が上述した隣接する戸の1/2の移動速度で開閉動作する。
さらに、特許文献4には、前側吊戸の上端面の両端部に取付手段を介して一対の滑車を設け、後側吊戸に接続する第一の継手と薄壁に接続する第二の継手とを備えた無端ロープを両滑車に巻回した連動装置が記載されている。第一の継手は薄壁の方立に固設され、第二の継手は後側吊戸の内側端面に固定されている。従って、後側吊戸を開閉操作すると、前側吊戸が後側吊戸の1/2の移動速度で開閉動作する。
特開平10−220121号公報
特許第3035224号公報
特開2003−82933号公報
特開平1−165894号公報
隣接した戸同士を部材同士の係合や固設により連結して連動させる機構を設けると、連動させるための構造を全ての戸に設ける必要がある。従って、連動引戸の全ての戸が複雑な構造となってしまう。特に、浴室引戸は、戸の上端部と下端部に止水構造や気密構造を設ける必要がある。このため、戸の上端や下端で戸同士を部材同士の係合や固設により連結すると、戸の上端部や下端部に止水構造や気密構造を設け難くなる。
また、戸同士を部材同士の係合や固設により連結して物理的に接続すると、ドア枠に対して各戸を単体で着脱し難くなるため、連動引戸の施工性やメンテナンス性が良くないことになる。
また、戸同士を部材同士の係合や固設により連結して物理的に接続すると、ドア枠に対して各戸を単体で着脱し難くなるため、連動引戸の施工性やメンテナンス性が良くないことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、連動引戸において、全ての戸を複雑な構造にすることを不要にさせ、施工性やメンテナンス性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、並行して配された複数の戸を有する連動引戸であって、一方に第一の戸又は壁が隣接し他方に第二の戸が隣接した第三の戸に連動機構を備え、該連動機構は、前記第一の戸又は壁において前記第三の戸に対向する面(第一の対向面とする)に接触して前記第一の戸又は壁と前記第三の戸とが相対的に開閉動作する際に回る第一の接触部と、前記第二の戸において前記第三の戸に対向する面(第二の対向面とする)に接触して前記第二の戸と前記第三の戸とが相対的に開閉動作する際に回る第二の接触部と、同じ向きに回るように前記第一の接触部の回る動作と前記第二の接触部の回る動作とを連動させる連動手段とを有することを特徴とする。
すなわち、第三の戸に対向する面に接触した両接触部の回る動作が同じ向きに回るように連動するので、第二の戸と第三の戸とが相対的に開動作するときには第一の対向面に接触した第一の接触部が第一の戸又は壁と第三の戸とを相対的に開動作させる。一方、第二の戸と第三の戸とが相対的に閉動作するときには、第一の接触部が第一の戸又は壁と第三の戸とを相対的に閉動作させる。
また、第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開動作するときには、第二の対向面に接触した第二の接触部が第二の戸と第三の戸とを相対的に開動作させる。一方、第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に閉動作するときには、第二の接触部が第二の戸と第三の戸とを相対的に閉動作させる。
以上により、複数の戸が連動して引戸が開閉する。
また、第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開動作するときには、第二の対向面に接触した第二の接触部が第二の戸と第三の戸とを相対的に開動作させる。一方、第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に閉動作するときには、第二の接触部が第二の戸と第三の戸とを相対的に閉動作させる。
以上により、複数の戸が連動して引戸が開閉する。
ここで、第一の接触部が第一の対向面に接触して回る動作をするだけで第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開閉動作し、第二の接触部が第二の対向面に接触して回る動作をするだけで第二の戸と第三の戸とが相対的に開閉動作するので、第一の戸又は壁及び第二の戸の構造が複雑とならない。
また、連動引戸を構成する戸同士の間が物理的に接続されていないので、各戸を単体で着脱することが容易となる。
従って、全ての戸を複雑な構造とする必要が無く、連動引戸の施工性やメンテナンス性が向上する。
また、連動引戸を構成する戸同士の間が物理的に接続されていないので、各戸を単体で着脱することが容易となる。
従って、全ての戸を複雑な構造とする必要が無く、連動引戸の施工性やメンテナンス性が向上する。
ところで、本発明を適用可能な複数の戸には、平行に配される複数の戸のみならず、曲線状の各レールに沿って配される複数の戸等のように、平行でない状態で並行して配された複数の戸が含まれる。
戸が4枚以上、又は、上記壁があって戸が3枚以上の場合、連動機構を複数の戸に設けてもよい。ここで、上記第三の戸は一方に第一の戸又は壁が隣接し他方に第二の戸が隣接した戸であればよく、ある戸を第三の戸とみた場合に該第三の戸の一方に隣接する戸を第一の戸として該第三の戸の他方に隣接する戸を第二の戸とするものとする。従って、第一の戸は第三の戸に隣接した面とは反対側に戸が隣接することがあり、第二の戸は第三の戸に隣接した面とは反対側に戸が隣接することがある。
第一及び第二の接触部の回る動作には、回転動作や周回動作が含まれる。
第一及び第二の接触部には、回転可能なローラ、周回可能な無端材、等が含まれる。
第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開閉動作することには、第一の戸と第三の戸がともに開閉動作すること、第三の戸が動作せずに第一の戸が開閉動作すること、第一の戸又は壁が動作せずに第三の戸が開閉動作すること、が含まれる。第二の戸と第三の戸とが相対的に開閉動作することには、第二の戸と第三の戸がともに開閉動作すること、第三の戸が動作せずに第二の戸が開閉動作すること、第二の戸が動作せずに第三の戸が開閉動作すること、が含まれる。
同じ向きに回るように回る動作を連動させることは、接触部の回る中心となる軸に沿った同じ方向(例えば上又は下)から見て、一方の接触部が右回りなら他方の接触部も右回り、一方の接触部が左回りなら他方の接触部も左回りとなるように連動させることをいい、第一の接触部の回る中心となる軸と第二の接触部の回る中心となる軸とが平行である場合のみならず、これらの軸が平行でない場合も含まれる。
戸が4枚以上、又は、上記壁があって戸が3枚以上の場合、連動機構を複数の戸に設けてもよい。ここで、上記第三の戸は一方に第一の戸又は壁が隣接し他方に第二の戸が隣接した戸であればよく、ある戸を第三の戸とみた場合に該第三の戸の一方に隣接する戸を第一の戸として該第三の戸の他方に隣接する戸を第二の戸とするものとする。従って、第一の戸は第三の戸に隣接した面とは反対側に戸が隣接することがあり、第二の戸は第三の戸に隣接した面とは反対側に戸が隣接することがある。
第一及び第二の接触部の回る動作には、回転動作や周回動作が含まれる。
第一及び第二の接触部には、回転可能なローラ、周回可能な無端材、等が含まれる。
第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開閉動作することには、第一の戸と第三の戸がともに開閉動作すること、第三の戸が動作せずに第一の戸が開閉動作すること、第一の戸又は壁が動作せずに第三の戸が開閉動作すること、が含まれる。第二の戸と第三の戸とが相対的に開閉動作することには、第二の戸と第三の戸がともに開閉動作すること、第三の戸が動作せずに第二の戸が開閉動作すること、第二の戸が動作せずに第三の戸が開閉動作すること、が含まれる。
同じ向きに回るように回る動作を連動させることは、接触部の回る中心となる軸に沿った同じ方向(例えば上又は下)から見て、一方の接触部が右回りなら他方の接触部も右回り、一方の接触部が左回りなら他方の接触部も左回りとなるように連動させることをいい、第一の接触部の回る中心となる軸と第二の接触部の回る中心となる軸とが平行である場合のみならず、これらの軸が平行でない場合も含まれる。
請求項1に係る発明によれば、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させることが可能となる。
請求項2、請求項3に係る発明では、第一の接触部と第一の戸又は壁とが滑りにくくなり、第二の接触部と第二の戸とが滑りにくくなるので、より確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
請求項4に係る発明では、連動機構が目に付きにくいので、連動引戸の見た目を向上させることができる。
請求項2、請求項3に係る発明では、第一の接触部と第一の戸又は壁とが滑りにくくなり、第二の接触部と第二の戸とが滑りにくくなるので、より確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
請求項4に係る発明では、連動機構が目に付きにくいので、連動引戸の見た目を向上させることができる。
(1)連動引戸の構成:
図1は本発明の一実施形態に係る浴室用の連動引戸10を示す斜視図、図2は縦枠23の図示を省略して連動引戸10を図1の左側面から見て示す図、図3(a)は蓋材72の図示を省略して連動ユニット40の構成を示す平面図、図3(b)は連動ユニット40の要部を示す分解斜視図、図3(c)はローラ50,60がねじりコイルばね73,74の付勢力に抗して退避方向へ移動した様子を示す平面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る浴室用の連動引戸10を示す斜視図、図2は縦枠23の図示を省略して連動引戸10を図1の左側面から見て示す図、図3(a)は蓋材72の図示を省略して連動ユニット40の構成を示す平面図、図3(b)は連動ユニット40の要部を示す分解斜視図、図3(c)はローラ50,60がねじりコイルばね73,74の付勢力に抗して退避方向へ移動した様子を示す平面図である。
図1に示すように、連動引戸10は、浴室1と脱衣室R1との間に設置したドア枠20に対して横滑り可能な3枚の戸31,32,33を並行して配している。ドア枠20は、長手方向を左右方向に向けて配置された上枠21及び下枠22、並びに、長手方向を上下方向に向けて配置された縦枠23,23で構成されている。本実施形態の引戸10は上吊式の引戸であり、左右の戸31,33には従来から存在する上吊式の戸を用いている。そして、中央の戸(第三の戸)32に、接触部50,60及び連動手段70を有する連動ユニット(連動機構)40を設けている。
なお、本実施形態では本発明にいう第一の戸を浴室側の戸31、第二の戸を脱衣室側の戸33として説明するが、第一の戸や第二の戸は発明を表現するための便宜的な記載にすぎないため、脱衣室側の戸33が第一の戸、浴室側の戸31が第二の戸となってもよい。
なお、本実施形態では本発明にいう第一の戸を浴室側の戸31、第二の戸を脱衣室側の戸33として説明するが、第一の戸や第二の戸は発明を表現するための便宜的な記載にすぎないため、脱衣室側の戸33が第一の戸、浴室側の戸31が第二の戸となってもよい。
各戸31,32,33は、長手方向を上下方向に向けた左右の縦框30a,30b、長手方向を左右方向に向けた上框30cと下框30dと中桟30e、ガラス等の面材30f,30g、縦框30a,30bの上に取り付けられた左右のランナー部材30h,30hを有している。図2に示すように、上枠21には、ランナー部材30hを挿入するための3条の平行な溝からなるレール21aが設けられている。従って、各戸31,32,33は、ランナー部材30hでレール21aに吊られ、該レールの各溝に沿って平行に配される。むろん、各戸31,32,33の開閉方向D1は上框30cの長手方向であり、浴室側の戸31を固定する場合に図1の左へ進む方向が開方向D2で右へ進む方向が閉方向D3となる。
框30a,30b,30c,30dや中桟30eは、合成樹脂や金属の成形品、木材の加工品、等を用いることができ、塗装されていてもよい。また、縦框間の止水のため図1に示すパッキンP1が縦框30bに設けられ、上框30c及び縦框30a,30bの上端とレール21aとの間の止水のため図2に示すパッキンP2がレール21a(又は上框30c)に設けられ、下框30d及び縦框30a,30bの下端と下枠22との間の止水のため図2に示すパッキンP3が下框30d(又は下枠22)に設けられる。
框30a,30b,30c,30dや中桟30eは、合成樹脂や金属の成形品、木材の加工品、等を用いることができ、塗装されていてもよい。また、縦框間の止水のため図1に示すパッキンP1が縦框30bに設けられ、上框30c及び縦框30a,30bの上端とレール21aとの間の止水のため図2に示すパッキンP2がレール21a(又は上框30c)に設けられ、下框30d及び縦框30a,30bの下端と下枠22との間の止水のため図2に示すパッキンP3が下框30d(又は下枠22)に設けられる。
連動ユニット40は、中央の戸32の縦框30a,30b及び中桟30eに設けられている。この連動ユニット40は、中央の戸の縦框30aから浴室側へ一部突出した第一のローラ(第一の接触部)50と、中央の戸の縦框30bから脱衣室側へ一部突出した第二のローラ(第二の接触部)60と、両ローラの回転動作(回る動作)を連動させる連動手段70とを有している。
第一のローラ50は、上下に向いた回転軸を中心として水平面内で回転可能であり、浴室側で隣接する第一の戸31において中央の戸32に対向する面(第一の対向面)31aに接触し、この状態で戸31,32が相対的に開閉動作する際に回転する(回る)。すなわち、浴室側の戸31に対して中央の戸32が開方向D2へ相対的に移動すればローラ50が上から見て右回りに回転し、浴室側の戸31に対して中央の戸32が閉方向D3へ相対的に移動すればローラ50が左回りに回転する。
第二のローラ60は、上下に向いた回転軸を中心として水平面内で回転可能であり、脱衣室側で隣接する第二の戸33において中央の戸32に対向する面(第二の対向面)33aに接触し、この状態で戸32,33が相対的に開閉動作する際に回転する。すなわち、中央の戸32に対して脱衣室側の戸33が開方向D2へ相対的に移動すればローラ60が上から見て右回りに回転し、中央の戸32に対して脱衣室側の戸33が閉方向D3へ相対的に移動すればローラ60が左回りに回転する。
第二のローラ60は、上下に向いた回転軸を中心として水平面内で回転可能であり、脱衣室側で隣接する第二の戸33において中央の戸32に対向する面(第二の対向面)33aに接触し、この状態で戸32,33が相対的に開閉動作する際に回転する。すなわち、中央の戸32に対して脱衣室側の戸33が開方向D2へ相対的に移動すればローラ60が上から見て右回りに回転し、中央の戸32に対して脱衣室側の戸33が閉方向D3へ相対的に移動すればローラ60が左回りに回転する。
なお、戸の対向面にローラが接触していることには、対向する戸にローラが係合していたり連結していたりすることが含まれない。すなわち、戸の対向面にローラが接触していると、各戸を脱衣室側から順番に脱衣室側へ外すときに係合や連結を解除することなく各戸が分離され、対向する戸に対するローラの接触位置が各戸の位置関係に応じて変わる。
図3に示すように、連動手段70は、ケース71、蓋材72、ねじりコイルばね73,74、傾動部材75,76、プーリ77,78、無端ワイヤ(無端材)79,81,82、を有している。ローラ50,60の表面51,61には、ワイヤ81,82を入れるための溝が形成されている。
ケース71には、ねじりコイルばね73,74と傾動部材75,76とプーリ77,78に挿入するための支軸71a,71bや、傾動部材75,76の軸部75a,76aの一端を挿入して傾動部材75,76の傾動範囲を所定範囲に規制する長穴71c,71dが形成されている。蓋材72には、支軸71a,71bの先端部を挿入するための支軸挿入穴(72bのみ破線で図示)や、傾動部材の軸部75a,76aの他端を挿入して傾動部材75,76の傾動範囲を所定範囲に規制する長穴(72dのみ破線で図示)が形成されている。
ケース71には、ねじりコイルばね73,74と傾動部材75,76とプーリ77,78に挿入するための支軸71a,71bや、傾動部材75,76の軸部75a,76aの一端を挿入して傾動部材75,76の傾動範囲を所定範囲に規制する長穴71c,71dが形成されている。蓋材72には、支軸71a,71bの先端部を挿入するための支軸挿入穴(72bのみ破線で図示)や、傾動部材の軸部75a,76aの他端を挿入して傾動部材75,76の傾動範囲を所定範囲に規制する長穴(72dのみ破線で図示)が形成されている。
ねじりコイルばね73,74と傾動部材75,76とプーリ77,78には、上記支軸71a,71bが挿入される。傾動部材75,76は、ローラ50,60とプーリ77,78を上下に挟む2枚の本体部の他、長穴71c,71d(,72d)に挿入する軸部75a,76a、長手方向を上下に向けてローラ50,60を回転可能に軸支する軸部75b,76b、を有し、支軸71a,71bを中心として傾動可能とされている。ねじりコイルばね73,74は、支軸71a,71bを中心として傾動部材75,76をそれぞれ戸31,33の方向へ付勢する。これにより、中央の戸32から浴室側の戸31に向かう内方向D4及びその反対方向へ所定範囲内で進退可能とされた第一のローラ50が内方向D4へ付勢される。また、中央の戸32から脱衣室側の戸33に向かう外方向D5及びその反対方向へ所定範囲内で進退可能とされた第二のローラ60が外方向D5へ付勢される。従って、ローラ50,60は、図3(c)に示すように、中央の戸32の方へ押されるとばね73,74による付勢力に抗して退避する。
プーリ77は、支軸71aを中心として回転可能とされ、表面にワイヤ79,81を入れるための溝が形成されている。プーリ78は、支軸71bを中心として回転可能とされ、表面にワイヤ79,82を入れるための溝が形成されている。両プーリ77,78には、ワイヤ79が交叉しないように架け渡されている。また、ローラ50とプーリ77とにワイヤ81が交叉しないように架け渡され、ローラ60とプーリ78とにワイヤ82が交叉しないように架け渡されている。従って、ローラ50,60とプーリ77,78は、回転動作が同じ向きの回転、すなわち、上又は下から見て全て右回り又は全て左回りとなるように連動する。
ここで、ローラ50,60に同じ形状のローラを用い、プーリ77,78に同じ形状のプーリを用いると、ローラ50,60の回転速度が同じになり、戸31,32の相対的な移動速度と戸32,33の相対的な移動速度が同じになる。
ここで、ローラ50,60に同じ形状のローラを用い、プーリ77,78に同じ形状のプーリを用いると、ローラ50,60の回転速度が同じになり、戸31,32の相対的な移動速度と戸32,33の相対的な移動速度が同じになる。
上述したケース71、蓋材72、傾動部材75,76、プーリ77,78には、合成樹脂や金属の成形品、木材の加工品、等を用いることができる。ローラ50,60及びプーリ77,78を架け渡す無端材は、無端ベルト等でもよい。ローラ50,60には、ゴムや合成樹脂や金属の成形品、木材の加工品、等を用いることができる。滑り止めの観点から、図9(a)(b)に示すように、ローラの表面にゴム等の滑り止め材52,53を設けてもよい。
以上の構成を有する連動引戸10は、例えば、以下のようにして形成され、浴室1の出入口に設けられる。
連動ユニット40を形成する際、ローラ50,60とプーリ77,78とにワイヤ81,82を架け渡し、ローラ50,60に傾動部材の軸部75b,76bを通し、プーリ77,78にワイヤ79を架け渡し、ローラ50,60とプーリ77,78とを傾動部材75,76の2枚の本体部で挟む。次に、ケースの支軸71a,71bにねじりコイルばね73,74を嵌め、傾動部材の軸部75a,76aをケースの長穴71c,71dに挿入しながら、プーリ77,78を間に挟んだ傾動部材75,76を支軸71a,71bに嵌める。最後に、支軸71a,71bの先端部を蓋材の支軸挿入穴(72b)に挿入し軸部75a,76aの上端部を蓋材の長穴(72d)に挿入するように蓋材72をメース71に被せると、連動ユニット40が形成される。
連動ユニット40を形成する際、ローラ50,60とプーリ77,78とにワイヤ81,82を架け渡し、ローラ50,60に傾動部材の軸部75b,76bを通し、プーリ77,78にワイヤ79を架け渡し、ローラ50,60とプーリ77,78とを傾動部材75,76の2枚の本体部で挟む。次に、ケースの支軸71a,71bにねじりコイルばね73,74を嵌め、傾動部材の軸部75a,76aをケースの長穴71c,71dに挿入しながら、プーリ77,78を間に挟んだ傾動部材75,76を支軸71a,71bに嵌める。最後に、支軸71a,71bの先端部を蓋材の支軸挿入穴(72b)に挿入し軸部75a,76aの上端部を蓋材の長穴(72d)に挿入するように蓋材72をメース71に被せると、連動ユニット40が形成される。
中央の戸32については、ローラ50,60の一部を突出させるための開口を縦框30a,30bに形成する。次に、中桟30eを構成する部材に連動ユニット40を挿入し、連動ユニット40を挿入した中桟30eと、上下の框30c,30dと、面材30f,30gとを組み合わせ、その後、開口を有する縦框30a,30bを組み合わせ、ローラ50の一部を中央の戸の浴室面32aから突出させローラ60の一部を中央の戸の脱衣室面32bから突出させた状態とする。さらに、ランナー部材30hやパッキンP1〜P3を組み付けると、中央の戸が形成される。
浴室1の出入口に上枠21や下枠22や縦枠23,23を設置してドア枠20を形成すると、浴室側から順に1枚ずつ戸31,32,33を取り付けていくことにより、戸同士を係合させたり連結したりすることなく連動引戸10が形成される。
浴室1の出入口に上枠21や下枠22や縦枠23,23を設置してドア枠20を形成すると、浴室側から順に1枚ずつ戸31,32,33を取り付けていくことにより、戸同士を係合させたり連結したりすることなく連動引戸10が形成される。
(2)連動引戸の作用、効果:
以下、図4を参照して、本連動引戸の作用、効果を説明する。
図4は、浴室出入口及びその近辺で各戸31,32,33の位置を上から見て示している。同図(a)は、引戸10が閉じた状態を示している。この状態で人が脱衣室R1から浴室1に入る場合に、脱衣室側の戸33を左方へスライドさせる操作を行うものとする。この場合、浴室側の戸31は移動せず、戸32,33の開方向D2は左へ向かう方向となる。
以下、図4を参照して、本連動引戸の作用、効果を説明する。
図4は、浴室出入口及びその近辺で各戸31,32,33の位置を上から見て示している。同図(a)は、引戸10が閉じた状態を示している。この状態で人が脱衣室R1から浴室1に入る場合に、脱衣室側の戸33を左方へスライドさせる操作を行うものとする。この場合、浴室側の戸31は移動せず、戸32,33の開方向D2は左へ向かう方向となる。
脱衣室側の戸33が左方へ移動していくと、第二の対向面33aに接触したローラ60が右回りに回転動作し、戸32,33が相対的に開動作する。また、連動手段70により、第一の対向面31aに接触したローラ50も右回りに回転動作し、戸31,32が相対的に開動作する。ローラ50,60が同じ形状でプーリ77,78が同じ形状であれば、同図(b)(c)に示すように、中央の戸32が脱衣室側の戸33の1/2の速度で開方向D2へ移動する。
同図(c)に示す状態から引戸10を閉める場合、脱衣室側の戸33を右方へスライドさせる操作を行うことになる。浴室側の戸31が固定されていれば、戸32,33の閉方向D3は左へ向かう方向となる。脱衣室側の戸33が右方へ移動していくと、第二の対向面33aに接触したローラ60が左回りに回転動作し、戸32,33が相対的に閉動作する。また、連動手段70により、第一の対向面31aに接触したローラ50も左回りに回転動作し、戸31,32が相対的に閉動作する。その結果、同図(b)(a)に示すように、中央の戸32が脱衣室側の戸33よりも遅い速度で閉方向D3へ移動する。
同図(c)に示す状態から引戸10を閉める場合、脱衣室側の戸33を右方へスライドさせる操作を行うことになる。浴室側の戸31が固定されていれば、戸32,33の閉方向D3は左へ向かう方向となる。脱衣室側の戸33が右方へ移動していくと、第二の対向面33aに接触したローラ60が左回りに回転動作し、戸32,33が相対的に閉動作する。また、連動手段70により、第一の対向面31aに接触したローラ50も左回りに回転動作し、戸31,32が相対的に閉動作する。その結果、同図(b)(a)に示すように、中央の戸32が脱衣室側の戸33よりも遅い速度で閉方向D3へ移動する。
また、浴室側の戸31を開閉操作する場合、戸31,32の開方向が右へ向かう方向、戸31,32の閉方向が左へ向かう方向となる。同図(a)に示す状態から浴室側の戸31を左方へスライドさせる操作を行うと、ローラ50,60が右回りに回転動作し、戸31,32が相対的に開動作し、戸32,33も相対的に開動作して、最終的に同図(d)に示す状態となる。この状態から浴室側の戸31を右方へスライドさせる操作を行うと、ローラ50,60が左回りに回転動作し、戸31,32が相対的に閉動作し、戸32,33も相対的に閉動作する。その結果、中央の戸32が浴室側の戸31よりも遅い速度で開閉動作する。
ここで、第一のローラ50が第一の対向面31aに接触して回転動作をするだけで戸31,32が相対的に開閉動作し、第二のローラ60が第二の対向面33aに接触して回転動作をするだけで第二の戸と第三の戸とが相対的に開閉動作するので、浴室側の戸31及び脱衣室側の戸33の構造が複雑とならない。
また、連動引戸10を構成する戸同士の間が係合したり連結したりしていないので、同図(e)に示すように、容易に各戸31,32,33を単体で外すことができる。むろん、ドア枠に対して容易に各戸31,32,33を単体で取り付けることができる。このように、各戸を単体で着脱するのが容易であるので、連動引戸の施工が容易となり、パッキンの交換等のメンテナンスも容易となる。
従って、本連動引戸によると、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させることが可能となる。また、連動ユニットを取り付ける戸だけで構造が完結するので、連動引戸を低コスト化させることができる。
また、連動引戸10を構成する戸同士の間が係合したり連結したりしていないので、同図(e)に示すように、容易に各戸31,32,33を単体で外すことができる。むろん、ドア枠に対して容易に各戸31,32,33を単体で取り付けることができる。このように、各戸を単体で着脱するのが容易であるので、連動引戸の施工が容易となり、パッキンの交換等のメンテナンスも容易となる。
従って、本連動引戸によると、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させることが可能となる。また、連動ユニットを取り付ける戸だけで構造が完結するので、連動引戸を低コスト化させることができる。
さらに、各戸の上端や下端で戸同士を部材同士の係合やねじ止め等により連結しなくてもよいので、図2に示すように、各戸31,32,33の上端部や下端部にパッキンP2,P3等の止水構造や気密構造を設けることが容易となる。
さらに、ローラ50,60が中央の戸32から隣接する戸31,33に向かう方向D4,D5へ付勢されているので、ローラ50,60と対向面31a,33aとが滑りにくくなる。また、対向面31a,33aに凹凸があってもローラ50,60が凸部を乗り越えながら凹部に接触することが可能となるので、この点でもローラ50,60と対向面31a,33aとが滑りにくくなる。図4に示すように、中央の戸に対向する面31a,33aのうち、中桟の部分が縦框の部分よりも中央の戸から離れている場合でも、縦框の部分よりも中桟の部分でローラ50,60がさらに突出して接触する。これにより、戸の開閉動作をより確実に連動させることができる。
さらに、連動ユニット40が框30a,30b及び中桟30eに設けられているので、連動ユニット40が目に付きにくく、連動引戸の外観が良好である。
(3)変形例:
本発明の連動引戸は、種々の変形例が考えられる。
上述した接触部50,60及び連動手段70を有する連動機構は、ユニット化されていると連動機構の交換が容易となるものの、ユニット化されていなくてもよい。ユニット化されない場合、例えば、中桟及び縦框に上述したケース71及び蓋材72の構造を形成すればよい。
各戸は、浴室側や脱衣室側の面が曲面とされてもよい。これらの戸も、並行して配することができ、本発明の連合引戸を構成することができる。
本発明の連動引戸は、種々の変形例が考えられる。
上述した接触部50,60及び連動手段70を有する連動機構は、ユニット化されていると連動機構の交換が容易となるものの、ユニット化されていなくてもよい。ユニット化されない場合、例えば、中桟及び縦框に上述したケース71及び蓋材72の構造を形成すればよい。
各戸は、浴室側や脱衣室側の面が曲面とされてもよい。これらの戸も、並行して配することができ、本発明の連合引戸を構成することができる。
図5は、連動引戸の各種変形例を上から見て示している。同図(a)に示す連動引戸11は、浴室側の戸の代わりに壁34が設けられ、2枚の戸32,33がドア枠20に対して並行して配されている。中央の戸(第三の戸)32には、壁34において中央の戸32に対向する面(第一の対向面)34aに接触して中央の戸32が開閉動作する際に回転する第一のローラ50と、脱衣室側の戸(第二の戸)33において中央の戸32に対向する面(第二の対向面)33aに接触して戸32,33が相対的に開閉動作する際に回転する第二のローラ60と、同じ向きに回るようにローラ50,60の回転動作を連動させる連動手段とを有する連動ユニット40が設けられている。
この場合も、脱衣室側の戸33を開閉操作すれば、該戸33よりも遅い速度で中央の戸32が連動して開閉方向D1へ開閉動作する。むろん、ローラ50,60が対向面34a,33aに接触して回転動作をするだけで戸32,33が開閉動作するので、壁34及び脱衣室側の戸33の構造が複雑とならない。また、ドア枠20に対して容易に各戸32,33を単体で着脱することができるので、連動引戸の施工性やメンテナンス性が向上する。
この場合も、脱衣室側の戸33を開閉操作すれば、該戸33よりも遅い速度で中央の戸32が連動して開閉方向D1へ開閉動作する。むろん、ローラ50,60が対向面34a,33aに接触して回転動作をするだけで戸32,33が開閉動作するので、壁34及び脱衣室側の戸33の構造が複雑とならない。また、ドア枠20に対して容易に各戸32,33を単体で着脱することができるので、連動引戸の施工性やメンテナンス性が向上する。
同図(b)に示す連動引戸12は、4枚の戸35a,35b,35c,35dがドア枠20に対して並行して配されている。両側に戸が隣接した2枚の戸35b,35cには、それぞれ連動ユニット40a,40bが設けられている。ここで、連動ユニット40a,40bのローラ同士が接触しないようにするため、連動ユニット40a,40bを上下にずらして戸35b,35cに配置している。
なお、本発明にいう第一、第二、第三の戸は発明を表現するための便宜的な記載にすぎないため、戸35bを第三の戸とみるときには戸35a,35cが便宜的にそれぞれ第一の戸、第二の戸となり、戸35cを第三の戸とみるときには戸35b,35dが便宜的にそれぞれ第一の戸、第二の戸となる。
なお、本発明にいう第一、第二、第三の戸は発明を表現するための便宜的な記載にすぎないため、戸35bを第三の戸とみるときには戸35a,35cが便宜的にそれぞれ第一の戸、第二の戸となり、戸35cを第三の戸とみるときには戸35b,35dが便宜的にそれぞれ第一の戸、第二の戸となる。
この場合、最も脱衣室側の戸35dを開閉操作すると、脱衣室から2番目の戸35cに設けた連動ユニット40bの両ローラが連動して回転動作し、戸35c,35dが連動する。また、戸35cが開閉動作する結果、脱衣室から3番目の戸35bに設けた連動ユニット40aの両ローラが連動して回転動作し、戸35b,35cが連動する。すなわち、戸35dの開閉操作により3枚の戸35b,35c,35dが連動することになる。むろん、最も浴室側の戸35aの開閉操作により3枚の戸35a,35b,35cが連動する。むろん、最も浴室側の戸35aと最も脱衣室側の戸35dの構造が複雑とならず、ドア枠20に対して各戸35a,35b,35c,35dを着脱するのが容易である。
同図(c)に示すように、浴室側の戸の代わりに壁35eが設けられ、3枚の戸35b,35c,35dがドア枠20に対して並行して配された連動引戸13も、同様の作用、効果を奏する。
同図(c)に示すように、浴室側の戸の代わりに壁35eが設けられ、3枚の戸35b,35c,35dがドア枠20に対して並行して配された連動引戸13も、同様の作用、効果を奏する。
上述した連動機構を第三の戸に取り付ける位置は、縦枠及び中桟が設けられた位置に限定されない。図6は連動ユニットの取付位置を変えた連動引戸14を示す斜視図、図7は縦枠23の図示を省略して連動引戸14を示す左側面図である。本連動引戸14は、各戸31,32,33に中桟が設けられておらず、中央の戸32の縦框30a,30b及び上框30cに上側の連動ユニット(連動機構)40が設けられ、中央の戸32の縦框30a,30b及び下框30dに下側の連動ユニット(連動機構)40が設けられている。むろん、連動機構は、縦框及び上框の部分にのみ設けられてもよいし、縦框及び下框の部分にのみ設けられてもよい。
連動引戸14のように、第三の戸が中桟を有しておらず框を有する戸である場合、連動機構が框に設けられると、連動機構が目に付きにくいので、連動引戸の見た目を向上させることができる。むろん、図7に示すように、各戸の上端や下端で戸同士を部材同士の係合やねじ止め等により連結しなくてもよいので、各戸の上端部や下端部に止水構造や気密構造を設けることが容易となる。
なお、第三の戸が中桟も有する戸であれば、上述した上下の連動機構に加えて縦枠及び中桟に連動機構を設けてもよい。
なお、第三の戸が中桟も有する戸であれば、上述した上下の連動機構に加えて縦枠及び中桟に連動機構を設けてもよい。
上述した連動機構を設ける引戸は、上吊式の連動引戸に限定されない。図8は、縦枠23の図示を省略して下戸車式の連動引戸15の左側面を示している。本連動引戸15は、各戸31,32,33の下端に戸車30iが取り付けられ、下枠22上に各戸車30iを載せるための3条の平行な溝が形成されている。また、各戸31,32,33の上端にはそれぞれ開閉方向に向けた溝30jが形成され、上枠21には各溝30jに挿入するための3条の平行な延出部21bが形成されている。従って、各戸31,32,33は、下枠22の各溝に沿って平行に配される。
また、上框30c及び縦框30a,30bの上端とレール21aとの間の止水のためパッキンP4が上框30c及び縦框30a,30b(又は延出部21b)に設けられ、下框30d及び縦框30a,30bの下端と下枠22との間の止水のためパッキンP5が下框30d及び縦框30a,30b(又は下枠22)に設けられる。
また、上框30c及び縦框30a,30bの上端とレール21aとの間の止水のためパッキンP4が上框30c及び縦框30a,30b(又は延出部21b)に設けられ、下框30d及び縦框30a,30bの下端と下枠22との間の止水のためパッキンP5が下框30d及び縦框30a,30b(又は下枠22)に設けられる。
本連動引戸15も、各戸の上端や下端で戸同士を部材同士の係合やねじ止め等により連結しなくてもよいので、各戸の上端部や下端部に止水構造や気密構造を設けることが容易となる。
ところで、本発明にいう連動機構は、上述した実施形態に限定されない。図9(a)は、第三の戸に設けられる連動ユニット(連動機構)140の構成を示した平面図であり、蓋材の図示を省略している。図に示すように、連動手段170は、ケース171、蓋材、圧縮コイルばね173,174、ローラ軸支部材175,176、ねじりコイルばね177,178、無端ワイヤ(無端材)179、プーリ181,182,183,184、プーリ181,182を軸支するコ字状部材185、プーリ183,184を軸支するコ字状部材186、を有している。ローラ150,160の表面には、ワイヤ179を入れるための溝が形成されている。
ケース171には、圧縮コイルばね173,174に挿入しローラ軸支部材175,176を所定範囲で進退させる軸部171a,171b、ねじりコイルばね177,178に挿入するための支軸171c,171d、コ字状部材185,186の一端を固定するための穴、コ字状部材185,186の他端を所定範囲で移動可能に規制するための長穴、が形成されている。ワイヤ179は、第一のローラ150から左回りに、プーリ183,182、第二のローラ160、プーリ184,181に架け渡されている。ねじりコイルばね177,178は、コ字状部材185,186の他端を左回り方向に付勢して、ワイヤ179の弛みを抑止している。
ケース171には、圧縮コイルばね173,174に挿入しローラ軸支部材175,176を所定範囲で進退させる軸部171a,171b、ねじりコイルばね177,178に挿入するための支軸171c,171d、コ字状部材185,186の一端を固定するための穴、コ字状部材185,186の他端を所定範囲で移動可能に規制するための長穴、が形成されている。ワイヤ179は、第一のローラ150から左回りに、プーリ183,182、第二のローラ160、プーリ184,181に架け渡されている。ねじりコイルばね177,178は、コ字状部材185,186の他端を左回り方向に付勢して、ワイヤ179の弛みを抑止している。
以上の構成により、第三の戸から第一の戸又は壁に向かう方向D4及びその反対方向へ所定範囲内で進退可能とされた第一のローラ150が第三の戸から第一の戸又は壁に向かう方向D4へ付勢される。また、第三の戸から第二の戸に向かう方向D5及びその反対方向へ所定範囲内で進退可能とされた第二のローラ160が第三の戸から第二の戸に向かう方向D5へ付勢される。従って、ローラ150,160は、図中二点鎖線で示したように、第三の戸の方へ押されるとばね173,174による付勢力に抗して退避する。交叉しないように架け渡されたワイヤ179により、ローラ150,160は回転動作が同じ向きの回転となるように連動する。
従って、連動ユニット140を用いても、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させる連動引戸を構成することができる。
従って、連動ユニット140を用いても、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させる連動引戸を構成することができる。
図9(b)は、第三の戸に設けられる連動ユニット(連動機構)240の構成を示した平面図であり、蓋材の図示を省略している。図に示すように、連動手段270は、ケース271、蓋材、圧縮コイルばね273,274、ローラ軸支部材275,276、無端ベルト(無端材)279、ローラ281,282,283,284、を有している。ローラ軸支部材275,276には、隣接する戸において第三の戸に対向する第一及び第二の対向面に対してそれぞれ間接的に接触する第一のローラ252及び第二のローラ262が回転可能に軸支されている。
ケース271には、圧縮コイルばね273,274に挿入しローラ軸支部材275,276を所定範囲で進退させる軸部271a,271b、ローラ281〜284の取付部、が形成されている。ベルト279は、第一のローラ252から左回りに、ローラ283,282、第二のローラ262、ローラ284,281に架け渡され、周回可能とされている。ベルト279は、ゴムのような弾性材等、滑り止め材として用いられる材質の無端ベルトが好ましく、表面に凹凸等の摩擦力を向上させる手段が設けられてもよい。なお、ベルト279の弛みを抑止するため、ローラ283をD4、D5方向に所定範囲内で移動可能としながらD5の向きに付勢し、ローラ284をD4、D5方向に所定範囲内で移動可能としながらD4の向きに付勢してもよい。
ケース271には、圧縮コイルばね273,274に挿入しローラ軸支部材275,276を所定範囲で進退させる軸部271a,271b、ローラ281〜284の取付部、が形成されている。ベルト279は、第一のローラ252から左回りに、ローラ283,282、第二のローラ262、ローラ284,281に架け渡され、周回可能とされている。ベルト279は、ゴムのような弾性材等、滑り止め材として用いられる材質の無端ベルトが好ましく、表面に凹凸等の摩擦力を向上させる手段が設けられてもよい。なお、ベルト279の弛みを抑止するため、ローラ283をD4、D5方向に所定範囲内で移動可能としながらD5の向きに付勢し、ローラ284をD4、D5方向に所定範囲内で移動可能としながらD4の向きに付勢してもよい。
以上の構成により、ベルト279のうち第一のローラ252に接触した部分が第一の戸又は壁に接触する第一の接触部250となり、ベルト279のうち第二のローラ262に接触した部分が第二の戸に接触する第二の接触部260となる。第一の接触部250は第三の戸から第一の戸に向かう方向D4へ付勢され、第二の接触部260は第三の戸から第二の戸に向かう方向D5へ付勢される。また、図中二点鎖線で示したように、接触部250,260は、第三の戸の方へ押されるとばね273,274による付勢力に抗して退避する。そして、第一の接触部250は、第一の戸又は壁の対向面に接触して第一の戸又は壁と第三の戸とが相対的に開閉動作する際に周回する(回る)。第二の接触部260は、第二の戸の対向面に接触して第二の戸と第三の戸とが相対的に開閉動作する際に周回する(回る)。また、交叉しないように架け渡されたベルト279により、両接触部250,260は周回動作が同じ向きの周回動作(回る動作)となるように連動する。
従って、連動ユニット240を用いても、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させる連動引戸を構成することができる。
従って、連動ユニット240を用いても、全ての戸を複雑な構造とすることを不要にさせ、連動引戸の施工性やメンテナンス性を向上させる連動引戸を構成することができる。
ところで、第一の接触部と第一の対向面の少なくとも一方に該対向面と第一の接触部との摩擦力を増加させる手段を設け、第二の接触部と第二の対向面の少なくとも一方に該対向面と第二の接触部との摩擦力を増加させる手段を設けてもよい。図10(a)は、第三の戸に設けられる連動ユニット41の構成を示した平面図であり、蓋材の図示を省略している。本連動ユニット41の連動手段70は上述した連動ユニット40の連動手段70と同じであるが、ローラ50,60の表面にゴム等の滑り止め材(摩擦力を増加させる手段)52,62が設けられている。これにより、第一のローラと第一の戸又は壁とが滑りにくくなり、第二のローラと第二の戸とが滑りにくくなるので、より確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
図10(b)は、第三の戸に設けられる連動ユニット42の構成を示した平面図であり、蓋材の図示を省略している。本連動ユニット42は、ローラ50,60の表面に設けられたゴム等の滑り止め材(摩擦力を増加させる手段)53,63の表面に凹凸が形成されている。これにより、第一のローラと第一の戸又は壁とがさらに滑りにくくなり、第二のローラと第二の戸とがさらに滑りにくくなるので、さらに確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
図10(c)は、第三の戸32に設けられた連動ユニット42と第二の戸33の要部を水平断面で示している。第二の戸の対向面33aには、ローラの滑り止め材63が接触する部位に滑り止め材(摩擦力を増加させる手段)33cが設けられている。この滑り止め材33cの表面には、ローラの滑り止め材63の凹凸形状に合わせた凹凸が形成されている。図示していないが、第一の戸又は壁の対向面にも、ローラの滑り止め材53が接触する部位に滑り止め材を設けてもよい。
以上により、第一のローラと第一の戸又は壁とがさらに滑りにくくなり、第二のローラと第二の戸とがさらに滑りにくくなるので、さらに確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
以上により、第一のローラと第一の戸又は壁とがさらに滑りにくくなり、第二のローラと第二の戸とがさらに滑りにくくなるので、さらに確実に戸の開閉動作を連動させることができる。
むろん、第一の対向面において第一の接触部と接触する部位にのみ滑り止め材を設けたり、第二の対向面において第二の接触部と接触する部位にのみ滑り止め材を設けたりしても、同様の作用、効果を奏する。また、別途滑り止め部品を用いることなく、ローラの表面に直接凹凸を形成しても摩擦力を増加させる手段が構成され、第一及び第二の対向面において第一又は第二の接触部と接触する部位に直接凹凸を形成しても摩擦力を増加させる手段が構成される。
上述してきた本発明の連動引戸は、浴室用の引戸に限定されない。例えば、建家内の台所、洗面所、居室、等の出入口に設けられる引戸や、屋外に設けた倉庫等の出入口に設けられる引戸等にも、本発明の連動引戸を適用可能である。
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
1…浴室、10〜15…連動引戸、
20…ドア枠、21…上枠、22…下枠、
30a,30b…縦框、30c…上框、30d…下框、30e…中桟、
30f,30g…面材、30h…ランナー部材、30i…戸車、
31…第一の戸、31a…第一の対向面、
32…第三の戸、32a…浴室面、32b…脱衣室面、
33…第二の戸、33a…第二の対向面、
33c,52,53,62,63…摩擦力を増加させる手段、
34…壁、34a…第一の対向面、
40〜42,140,240…連動ユニット(連動機構)、
50,150…第一のローラ(第一の接触部)、
60,160…第二のローラ(第二の接触部)、
70…連動手段、
73,74…ねじりコイルばね、75,76…傾動部材、
250…第一の接触部、260…第二の接触部、
279…無端ベルト(無端材)、
D1…開閉方向、D2…開方向、D3…閉方向、
D4…内方向(第一の戸に向かう方向)、D5…外方向(第二の戸に向かう方向)、
P1〜P5…パッキン、
R1…脱衣室、
20…ドア枠、21…上枠、22…下枠、
30a,30b…縦框、30c…上框、30d…下框、30e…中桟、
30f,30g…面材、30h…ランナー部材、30i…戸車、
31…第一の戸、31a…第一の対向面、
32…第三の戸、32a…浴室面、32b…脱衣室面、
33…第二の戸、33a…第二の対向面、
33c,52,53,62,63…摩擦力を増加させる手段、
34…壁、34a…第一の対向面、
40〜42,140,240…連動ユニット(連動機構)、
50,150…第一のローラ(第一の接触部)、
60,160…第二のローラ(第二の接触部)、
70…連動手段、
73,74…ねじりコイルばね、75,76…傾動部材、
250…第一の接触部、260…第二の接触部、
279…無端ベルト(無端材)、
D1…開閉方向、D2…開方向、D3…閉方向、
D4…内方向(第一の戸に向かう方向)、D5…外方向(第二の戸に向かう方向)、
P1〜P5…パッキン、
R1…脱衣室、
Claims (4)
- 並行して配された複数の戸を有する連動引戸であって、
一方に第一の戸又は壁が隣接し他方に第二の戸が隣接した第三の戸に連動機構を備え、該連動機構は、前記第一の戸又は壁において前記第三の戸に対向する面に接触して前記第一の戸又は壁と前記第三の戸とが相対的に開閉動作する際に回る第一の接触部と、前記第二の戸において前記第三の戸に対向する面に接触して前記第二の戸と前記第三の戸とが相対的に開閉動作する際に回る第二の接触部と、同じ向きに回るように前記第一の接触部の回る動作と前記第二の接触部の回る動作とを連動させる連動手段とを有することを特徴とする連動引戸。 - 前記第一の接触部が前記第三の戸から前記第一の戸又は壁に向かって付勢され、前記第二の接触部が前記第三の戸から前記第二の戸に向かって付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の連動引戸。
- 前記第一の接触部と前記第一の戸又は壁において前記第一の接触部と接触する部位との少なくとも一方に、該部位と前記第一の接触部との摩擦力を増加させる手段が設けられ、
前記第二の接触部と前記第二の戸において前記第二の接触部と接触する部位との少なくとも一方に、該部位と前記第二の接触部との摩擦力を増加させる手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連動引戸。 - 前記第三の戸が框、又は、框及び中桟を有する戸とされ、
前記連動機構が前記框、又は、前記框及び前記中桟に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の連動引戸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007261564A JP2009091756A (ja) | 2007-10-05 | 2007-10-05 | 連動引戸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007261564A JP2009091756A (ja) | 2007-10-05 | 2007-10-05 | 連動引戸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009091756A true JP2009091756A (ja) | 2009-04-30 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009091756A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2007
- 2007-10-05 JP JP2007261564A patent/JP2009091756A/ja active Pending
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