JPH0113184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、障子を一側方又は両側方に開いて窓
を全面開放できるようにした装置に関する。

一般に、開き障子を有する窓装置、即ちヒンジ
を介して障子を室外側又は室内側に回転できるよ
うにした窓装置にあつては窓の全開は可能である
が、いわゆる引戸障子を有する窓装置は通常障子
が窓枠内において左右に移動するだけであるから
障子を取外さない限り窓を全面的に開放させるこ
とができなかつた。

本考案は引戸障子を有するタイプの窓装置にお
いて斯る引戸障子を取外すことなく簡単に窓を全
面開放できる装置を提供することを目的としたも
ので、この目的に沿う本考案の構成は次の通りで
ある。

「窓枠の上・下枠の夫々外側面に全長に亘りガ
イド溝を設けると共に、該窓枠の外側に配される
障子の上下框の夫々内側面に全長に亘りガイド溝
を設け、また窓枠の上・下枠と障子の上・下框と
の間に、夫々障子幅とほぼ同一長のスライドバー
を平行に配し、各スライドバーの障子対向がわ側
面にはその障子開放端部がわ寄りに少なくとも２
個のガイドローラを軸着して該ローラを上下各框
のガイド溝にそれぞれ係合すると共に、各スライ
ドバーの窓枠対向がわ側面にはその障子閉止端部
がわ寄りに少なくとも２個のガイドローラを軸着
して該ローラを上下各枠のガイド溝にそれぞれ係
合してなる」こと。

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は窓装置を室外側から見た正面図で示
し、またこの窓装置の内部構造を第２図、第３図
にそれぞれ拡大断面図にて示している。これらの
図において１は窓開口部２の室外側周縁に配設さ
れた窓枠で、上枠３及び下枠４と左右の竪枠５，
５により構成される。尚、窓開口部２はまぐさ２
ａ及び窓台２ｂと左右の支柱２ｃ，２ｃにより区
画構成されている。６は窓枠１の外側に配備され
た障子で、窓枠１とほとんど同じ大きさを有して
いて、上框７及び下框８と左右の竪框９，９とこ
れらの間に嵌装されたガラス板１０とで構成され
ている。

窓枠１の上枠３及び下枠４のそれぞれ外側面
に、これら枠３，４のそれぞれの全長に亘つて延
びるガイド溝１１，１１が設けられ、また障子６
の上框７及び下枠８のそれぞれ内側面には、これ
ら框７，８のそれぞれの全長に亘つて延びるガイ
ド溝１２，１２が設けられている。そして、窓枠
１の上枠３と障子６の上框７との間、及び窓枠下
枠４と障子下框８との間には、障子６の幅程度の
長さを有する断面略Ｕ字状のスライドバー１３，
１３がそれぞれ配置されていて、第１図、第２図
で明らかなように、これら各スライドバー１３
の、障子６と対向するがわの側面には、２個のガ
イドローラ１４，１４が該スライドバーの障子開
放端部がわ寄りの位置に適当間隔をおいてそれぞ
れ回転自在に軸着されており、即ち、一つのロー
ラ１４は障子開放端部に、他方のローラはほぼ中
央部にそれぞれ軸着されており、また同スライド
バー１３の、窓枠１と対向するがわの側面には、
同様に２個のガイドローラ１５，１５が、該スラ
イドバーの障子閉止端部がわ寄りの位置に適当間
隔をおいてそれぞれ回転自在に軸着されており、
そして障子６に面するがわにある２個のガイドロ
ーラ１４，１４は障子６の上・下框７，８の各ガ
イド溝１２に転動可能に係合され、また窓枠１に
面するがわにある２個のガイドローラ１５，１５
は窓枠１の上・下枠３，４の各ガイド溝１１に転
動可能に係合されている。しかして、上下各スラ
イドバー１３はその障子閉止端部と中央部とにあ
る２個のガイドローラ１５，１５によりガイド溝
１１に沿つて障子６幅の1/2に相当する長さだけ
障子開放がわに張り出し可能であり、また障子６
はスライドバー１３の中央部及び障子開放端部に
ある２個のガイドローラ14，14と該障子６のガイ
ド溝１２との係合によりスライドバー１３に対し
て障子６幅の1/2に相当する長さだけ障子開放が
わに張り出し可能であり、したがつてこれらスラ
イドバー１３及び障子６がそれぞれ障子幅の1/2
分ずつ障子開放側へ張り出したとき障子６はその
幅相当分が窓枠１から張り出すことになつて第１
図に示すような全開状態になるわけである。ま
た、この全開状態から障子６を障子閉止側即ち第
１図の左側へ引き寄せれば、先ず障子対向面がわ
のガイドローラ１４，１４がガイド溝１２の右側
の溝端部に突き当り、それによりスライドバー１
３が左方向へ押動され、そして最終的にこれに障
子６及びスライドバー１３が窓枠１と重なるよう
な位置まで来たとき全閉状態となる。

尚、ガイドローラ１４，１５は例えば第２図で
示すようにスライドバー１３に固定された支軸１
４ａ，１５ａに回転自在に保持されている。

上述した実施例では窓枠に対し一枚の障子を一
側方へ開放するように構成した装置を示したもの
であるが、窓枠に対し二枚の障子を配備してこれ
らの障子を左右両側方へ開放するように構成し
て、いわゆる両開きタイプにすることもできる。
また実施例では窓枠を窓開口部の室外側に配設す
ると共に該窓枠の室外側に障子を配備した窓装置
を例示しているが、これとは逆に窓枠を窓開口部
の室内側に配設し、この窓枠の室内側において障
子を開閉するような窓装置にも本考案は適用可能
である。

以上説明したように本考案の窓装置は、窓枠の
上・下枠の外側面に全長に亘りガイド溝を設ける
と共に、障子の上・下框の内側面に全長に亘りガ
イド溝を設け、また上・下枠と上・下框との間
に、それぞれ障子幅とほぼ同一長のスライドバー
を配し、各スライドバーの一側面にはその障子開
放端部がわ寄りに少なくとも２個のガイドローラ
を軸着して上下各框のガイド溝に係合すると共
に、該バーの他側面にはその障子閉止端部がわ寄
りに少なくとも２個のガイドローラを軸着して上
下各枠のガイド溝に係合してなるものであるか
ら、窓の開放にあたつては障子を窓枠の外側方へ
引き出すことによりスライドバーを介して簡単に
全開させることができ、そして閉止するには障子
を内側へ引き寄せればよく、したがつて開閉操作
がきわめて容易に行える。またスライドバーは障
子の閉止時及び開放に際して窓枠の外側方へ突出
したり障子の外側方へはみ出したりすることがな
いので、外観上の体裁が損なわれることがなく且
つ安全性の点でも有利である。更に本考案の全開
窓装置は構造が簡単で部品点数が少ないので、製
作が容易で安価にて提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全開窓装置の
室外側からの正面図、第２図は第１図に示す装置
の拡大縦断面図、第３図は拡大横断面図、第４図
はスライドバーを示す斜視図である。 １……窓枠、３……上枠、４……下枠、６……
障子、７……上框、８……下框、１１……ガイド
溝、１２……ガイド溝、１３……スライドバー、
１４……ガイドローラ、１５……ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠の上・下枠の夫々外側面に全長に亘り断面
   略Ｃ状のガイド溝を設けると共に、該窓枠の外側
   に配される障子の上・下框の夫々内側面に全長に
   亘り同じく断面略Ｃ状のガイド溝を設け、また窓
   枠の上・下枠と障子の上・下框との間に、夫々障
   子幅とほぼ同一長のスライドバーを平行に配し、
   各スライドバーの障子対向がわ側面にはその障子
   開放端部がわ寄りに少なくとも２個のガイドロー
   ラを軸着して該ローラを上下各框の上記ガイド溝
   にそれぞれ係合し、且つ各スライドバーの窓枠対
   向がわ側面にはその障子閉止端部がわ寄りに少な
   くとも２個のガイドローラを軸着して該ローラを
   上下各枠の上記ガイド溝にそれぞれ係合し、しか
   して窓枠及び障子に対し障子開閉方向に自由に移
   動可能な上記スライドバーを介して障子を全開可
   能に支持してなる全開窓装置。