JP2007039494A - ポリエステルフィルムの洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステルフィルムの表面に付着した異物を、洗浄によるフィルムに対するダメージを抑えながら、高い異物除去効果を発現することのできる洗浄方法を提供する。
【解決手段】 溶解度パラメータが16〜30MPa1/2の範囲であり、沸点が55〜160℃の範囲にある有機溶媒を超音波で振動させて、少なくとも一方向に延伸されたポリエステルフィルムの表面に接触させることを特徴とするポリエステルフィルムの洗浄方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステルフィルムの洗浄方法に関するものであり、詳しくは、超音波で振動された有機溶媒を利用して、ポリエステルフィルム表面を洗浄する方法に関する。
プラスチックフィルムは軽量で可撓性があるため、様々な分野で広く利用されている。また、塗工、蒸着、高周波処理などの表面改質手段により、フィルム基材の性質のみでは達成できない機能をフィルム表面に付与可能であることから、表面改質を行うことで、プラスチックフィルムは医療分野、光学分野、電子材料分野などの高付加価値分野でも利用されている。
近年、高付加価値分野において、製品の更なる高性能化が進むに従い、製品内への微小異物混入が問題視され始めた。特に、医療分野は、製品内の異物混入が人命に関わる恐れもあることから最も留意しなければならない分野である。例えば、医療用容器として、血液および血液成分を収納する「血液バッグ」、点滴用の薬液を収納する「輸液バッグ」、中心静脈に直接投与するために栄養分を収納する「IVHバッグ」、経腸栄養剤を収納するバッグ、各種薬液を収納するバッグなど各種バッグなどがある。血液バッグや輸液バッグなどは、古くはガラスの容器が使われていた時代もあったが、現在は、軽量で可撓性があり、内容液を取出すときに通気針が不要であるといった特徴を持つプラスチック製のソフトバッグが利用されている。ソフトバッグはプラスチックフィルムをシールすることによって、容器の形状が形成されている。プラスチックフィルム表面に異物が付着していると、採取した血液、輸液に異物が混入してしまうという問題が生じる。異物混入に気付かず、異物混入している血液、輸液を体内に投与してしまうと、重大な医療事故へ繋がる恐れは高い。よって、医療分野の製品群への異物混入は絶対に防がなくてはならない。
一方、電化製品でもプラスチックフィルムは広く使用されている。TVモニター,PCモニターとして利用されている液晶ディスプレー(LCD)、プラズマディスプレーでは、プラスチックフィルムが非常に多く使用されているが、このようなディスプレー製品に異物が混入すると、異物により、映像光が遮蔽、乱反射、拡散などを起こし、ディスプレーの視認性が著しく低下してしまう。特に、LCDでは、偏光板、位相差板など幾種類もの特性の異なったフィルムが粘着剤を介して貼り合わせられて構成されている。そのため、フィルム内部に存在する異物はもちろんのこと、フィルム表面に存在する、または、粘着剤表面に付着された異物も製造工程でLCDに取り込まれてしまうため、異物は極力除去しなければならない。
近年、インターネットが高速で利用できるような通信環境が整備されつつあるが、さらに高速大容量の光通信技術が開発されようとしている。このような状況の下、光信号を効率よく伝送させるための光導波路デバイスが開発されている。このデバイスは、光導波路用ポリマー材料に紫外線露光、現像による感光性プロセス技術を用いて、プラスチックフィルム基板上に光導波路パターンを形成することで作成されている。光導波路デバイスの基板となるフィルム表面に付着異物が存在すると、形成された光導波路パターンに異物混入し、光伝送が遮られるため、情報伝送性能が達成できない。よって、光学分野では、従来以上の異物除去が求められている。
プラスチックフィルムは、原料からフィルムが成形される過程で、様々な異物の混入の可能性がある。フィルム内部に存在する異物は、原料を製造する段階、輸送する段階で異物が混入し、その異物を除去できずにフィルムを成形してしまうことで生じる。フィルム内部の異物の除去は、一般的に、異物をフィルターでろ過により行われている(非特許文献1参照)。
一方、フィルム表面に付着している異物は、フィルムを延伸、熱処理する過程で、成形機の劣化、破損由来の無機物、フィルムの破片、フィルムの成形時のフィルムの熱分解による有機化合物、人的作業によるたんぱく質などの塵埃が発生して空中に舞い、フィルム表面に沈降、次いで、付着により生じる。さらに、フィルムは巻き取られて保管されることから、表面付着異物は巻きの圧力を受けて、フィルム表面に固着してしまう。
プラスチックフィルム表面に付着した異物を除去するため、様々な洗浄方法が実施されている。洗浄方法として、乾式、湿式の洗浄方法がある。乾式洗浄方法としては、1)粘着性を有する樹脂ロールをフィルム表面に接触させて付着異物を樹脂ロール側へ転写させる方法(非特許文献2.739頁参照)、2)洗浄度の高い空気を高速或いは超音波振動を付与させてフィルム表面に吹き付けて、付着異物をフィルム表面から剥離させて、近接された吸い込み口に異物を導くという方法(非特許文献2.744頁参照)、3)フィルム表面にブレード、布等を押し付けて付着異物を掻き取る方法がある(特許文献1参照)。湿式洗浄方法としては、4)洗浄液を高圧でフィルム表面に吹き付けて異物を剥離させ、洗い流す方法(特許文献2参照)、5)有機溶媒をフィルムに塗工し、ロッド部材をフィルムに押し付けて、付着異物を溶媒と伴に掻き落とす方法(特許文献3参照)、6)洗浄液に超音波振動を付与させて、フィルム表面に接触させることにより、フィルム表面の付着異物を剥離、除去する方法がある(特許文献4参照)。
乾式洗浄は、簡便に対応ができるため広く利用されているが、湿式洗浄と比較して洗浄効果は低い。乾式洗浄方法の3)は洗浄効果が高いが、直接、フィルム表面に他の材料が接触するため、フィルム表面に傷が発生する。一方、湿式洗浄は、洗浄効果は高いが、4)の高圧の洗浄液を吹き付けて異物を剥離除去する方法は、フィルム表面に頑強に固着した有機化合物の異物に対しては除去効果が低く、5)の付着異物を溶媒と伴に掻き落とす方法は、洗浄効果は高いが、ロッドにわずかな突起、もしくは、異物がフィルム/ロッド間に詰まるなどをすると、傷を誘発してしまうという弊害がある。6)の超音波洗浄方法は、異物除去効果が高く、フィルムダメージが最小限に抑えることが可能である。さらに、洗浄液を選択することで、除去できる異物の種類、除去率が大きく変化する(特許文献5参照)。
ポリエステルフィルムの代表的なフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムは、無機物の塵埃以外に、次に説明する有機物が表面付着異物として問題となっている。フィルム基材であるポリエチレンテレフタレートがフィルム成形過程で熱分解し、分解物である低分子有機化合物が製造装置内でガス化する(非特許文献1参照)。発生したガスが装置内の低温部で析出、成長して異物となり、塵埃となって大気中に飛散し、フィルム表面に沈降、付着が起こる。このような異物は、基材のポリエチレンテレフタレートと構造が類似していることから化学的に親和性が高いため、フィルムが巻き取られて保管されている間に、巻きの圧力で該異物はフィルム表面に頑強に密着してしまう。このような異物は乾式洗浄でほとんど除去できない。よって、湿式での洗浄の必要があるが、通常、5)洗浄液の高圧吹きつけ、6)の超音波洗浄には超純水が利用されているが、水は、ポリエチレンテレフタレートの熱分解物の有機化合物と親和性が低いため、異物の除去効果は低い。また、洗浄溶剤として有機溶媒を選択した場合でも、溶媒種によっては、親和性が低いため洗浄効果がない、または、沸点が高いため、洗浄後、次工程までの溶媒をフィルムから除去できないという問題、沸点が低い場合は、防爆の観点から使用不可能という問題がある。
湯木 和男編「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞,1989 コーティング編集委員会編「コーティング」株式会社加工技術研究会,2002 特開2004−35761号公報 特開2004−8990号公報 特開平11−35201号公報 特開平11−23826号公報 特開平8−1122号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、ポリエステルフィルム表面の付着異物を、洗浄によるフィルムダメージを抑えながら、高い異物除去効果を発現する洗浄方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の洗浄方法により、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、溶解度パラメータが16〜30MPa1/2の範囲であり、沸点が55〜160℃の範囲にある有機溶媒を超音波で振動させて、少なくとも一方向に延伸されたポリエステルフィルムの表面に接触させることを特徴とするポリエステルフィルムの洗浄方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう洗浄方法は、以下のポリエステルフィルムに対しての洗浄方法である。フィルムの基材であるポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。かかるポリエステルの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明に適応するポリエステルフィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムであればよい。
作業性を良好にする目的でフィルム中にフィラーを添加し、フィルムの滑り性を向上させることが好ましく、添加するフィラーとしては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト等の無機粒子、またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機粒子を単独または混合体でフィルム中に配合させることが挙げられる。この場合、使用する粒子の平均粒径、添加量、さらに粒径分布は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではないが、平均粒径は0.1〜4.0μm、添加量は0.01〜3.0重量%であることが好ましい。このような添加フィラー群の中でも、ポリエステルに対して0.03重量%以上の添加量でフィルム中に炭酸カルシウム粒子を配合することにより、異物の少ないポリエステルフィルムを作成することができ、好ましい場合がある。さらにポリエステルフィルム中に炭酸カルシウム粒子を使用する場合には、フィルムの中心面平均粗さ(SRa)を10nm以上とすることにより、離型層設置後のフィルムロールを巻き取る際や、フィルムを扱う際の作業性の点で好ましい場合がある。
本発明の対象となるポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない限り、単層フィルムであっても複数の層が積層された多層フィルムであってもよいが、2種2層、2種3層や3種3層といった多層構成のフィルムであることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態であるポリエステルフィルムの洗浄方法を適用した二軸ポリエステルフィルムの洗浄装置の概略構成図である。図1に示したように、ロール状のポリエステルフィルム1を配し、当該フィルム1を連続的に供給する送り出し装置2と、フィルム1の搬送をガイドする複数のガイドローラ3と、搬送中のフィルム1にテンションを適当に付与するテンションローラ4と、洗浄溶媒5が蓄えられた洗浄装置60と、洗浄後にフィルム1に付着した溶媒を除去するためのエアーナイフ7と、さらにフィルムを乾燥させるためのドライヤー8と、乾燥したポリエステルフィルム1をロール状に巻き取る巻き取り装置9から構成される。上記構成において、送り出し装置2から供給されたポリエステルフィルム1は、適宜配置されたテンションローラ4を介して適当なテンションを付与さえた上体で、複数本のガイドローラ3間の装架され、所定の方向に搬送される。
ポリエステルフィルム1の洗浄装置60には、洗浄槽61の床面に超音波振動子62が設置されており、洗浄溶媒5が洗浄槽61に連続的に洗浄溶媒貯蓄タンク63からフィルター64を通過してポンプ65より供給されるライン66、連続的に供給された洗浄溶媒5がオーバーフローさせる構造67、オーバーフローした洗浄溶媒5をライン68より洗浄溶媒タンク62へと戻る機構を備えている。
本発明の洗浄方法における洗浄に用いる溶媒は、溶解度パラメータが16〜30MPa1/2の範囲で、沸点が55〜160℃の範囲にある有機溶媒である。本発明で使用する有機溶媒は、本発明の効果を損なわない限り、二成分以上の有機溶媒の混合溶媒でもよく、また、混合溶媒中に水が含まれていてもよい。混合溶媒の場合、含有している成分中の少なくとも一成分が、本発明の溶解度パラメータ、沸点の範囲に含まれていることが必要である。溶解度パラメータが16〜30MPa1/2の範囲を逸脱すると、ポリエステル基材由来の有機化合物と親和性が低いため、異物除去効果が著しく低下する。溶解度パラメータの範囲が、18〜25MPa1/2の範囲であると好適である。
なお、溶解度パラメータは、高分子材料との親和性の指標として広く使用されており、溶媒に対して固有の定数が与えられている(例えば、POLYMER HANDBOOK, FOURTH EDITION, J.Brandrup et.al., JOHN WILEY & SONS, INC. 1999、高分子材料大百科,P401,407〜408,栗原 福次 著,日刊工業新聞,1999等)。
洗浄溶媒の沸点が55〜160℃の範囲の下限を逸脱すると、洗浄中に溶媒が揮発しやすいため、作業環境の溶媒の大気濃度が爆発限界まで達成する恐れがあることから、使用不可能である。一方、上限を逸脱する場合では揮発性が低いため、洗浄後、スキージングロールによる溶媒掻き取り、エアーナイフなどで洗浄溶媒をフィルム表面から除去する段階で、除去が困難という問題がある。
洗浄装置60の洗浄槽61の底面には、底面の面積の0.3〜1.0の有効発信面積を持つフランジ型もしくは投込型超音波振動子62が設置されている。該超音波振動子の発信周波数20〜1000kHzの周波数帯が適しており、さらに、20〜400kHzの周波数の超音波が、ポリエステルフィルム表面の異物洗浄に好適である。1000kHz以上の周波数では、目視できない非常に微細な異物には効果あるが、本発明での洗浄目的である目視可能な可視光線以上のサイズの異物には効果が低い。発信子の出力は、0.05〜5W/cmの範囲にあることが望ましく、さらに、0.4〜2.5W/cmの範囲が好適である。0.05W/cm以下であると、洗浄効果が得られない場合があり、5W/cm以上では、洗浄溶媒の飛散が激しくなり、溶媒の揮発が進行してしまうおそれがある。
本発明の洗浄方法は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、フィルム製膜における延伸処理後の工程、機能性塗膜付与(コーティング)工程の工程内、または別工程として行ってよい。フィルム成形後、ポリエステルフィルムの幅、長さを調整するためのスリティング作業、巻き替え作業時に、本発明の超音波洗浄を行うことが好ましい。また、少なくとも一方向に延伸されたポリエステルフィルムに機能性塗膜を付与する工程で、付与する前で超音波洗浄を行ってもよい。
本発明の効果を損なわない範囲で、以下の洗浄を併用することができる。1)粘着性を有する樹脂ロールをフィルム表面に接触させて付着異物を樹脂ロール側へ転写させる方法(非特許文献2)、2)線浄度の高い空気を高速或いは超音波振動を付与させてフィルム表面に吹き付けて、付着異物をフィルム表面から剥離させて、近接された吸い込み口に異物を導くという方法(非特許文献2)を、本発明の超音波洗浄の前段階、もしくは後段階、または、前段階、高段階の両方で行うことができる。
本発明により、洗浄後のポリエステルフィルムの表面付着異物の個数は以下の数値であることが望ましい。すなわち、フィルム表面に最大径100μm以上の異物は存在せず、かつ、最大径20μm以上の異物は0.3個/m以下であることがそれぞれ好ましい。表面に最大径100μm以上の異物が存在する、または最大径20μm以上の異物が0.3個/m以上の場合には、フィルム表面に付着した異物が、LCDなどのディスプレー装置に組み込まれた場合、ディスプレーの視認性を損なってしまうことがある。
さらに、ポリエステルフィルム表面に洗浄により傷が生じないことも重要であり、フィルム表面に存在する幅10μm以上の傷の数が、20個/m以下、さらには10個/m以下が好ましい。幅10μmの傷の数が20個/mより多い場合も、LCDなどのディスプレー装置に組み込まれた場合、ディスプレーの視認性を損なってしまうことがある。
本発明は、ポリエステルフィルム表面の付着異物を、洗浄によるフィルムダメージを抑えながら、高い異物除去効果を発現する洗浄方法を提供することができ、その工業的価値は極めて高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本発明で使用した評価方法は次のとおりである。
(1)異物個数の定量
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製T100−38,幅1000mm×長さ1000m×厚み38μm)を、実施例1〜4、比較例1〜3の洗浄方法にて洗浄し、洗浄後の異物個数を、幅1000mm、長さ10m(面積10m)の範囲を、クロスニコル法を用いた目視による異物検査を行い、異物が確認された場合、異物が存在する箇所を中央に含むように3cm角の正方形サンプルを切り出した。該正方形サンプル中の異物の存在位置(表面または内部)、大きさを光学顕微鏡により決定し、存在位置ごとに長軸が100μm以上の大きさの異物個数、長軸が20μm以上の大きさの異物個数をカウントした後、単位面積あたりに換算した。本実施例では、長尺サンプルにより異物検査を実施したが、例えばA4サイズのような小さなサンプルであっても上記と同様な手法により、異物個数の測定は可能である。
(2)異物の同定
(1)の異物個数の定量にて確認された20μm以上の異物を全て採取し、異物の同定を行った。同定には、FT−IR、走査型電子顕微鏡に併設されているX線分析により、異物が有機物か無機物かを判定した。
(3)乾燥性
洗浄後の乾燥性を、洗浄装置の巻き取り前で、触診により評価した。濡れている場合×、濡れていないと感じた場合○とした。なお、洗浄液を使用していない場合は○とした。
(実施例1)
洗浄有機溶媒としてアセトンを使用し、図1記載の洗浄装置により、超音波振動子としてフランジ型超音波振動子を用いて、周波数25KHz、周波数密度1W/cm、フィルムの搬送速度100m/min、洗浄槽の浸漬時間(1秒)としてフィルム洗浄を行った。洗浄後の乾燥は、エアーブロー、次いで、80℃で20秒間乾燥を行った。
(実施例2)
実施例1において、洗浄溶媒をメチルエチルケトンとしたこと以外は実施例1と同様にして洗浄を行った。
(実施例3)
実施例1において、洗浄溶媒をシクロヘキサンとしたこと以外は実施例1と同様にして洗浄を行った。
(実施例4)
実施例1において、洗浄溶媒をエタノールとしたこと以外は実施例1と同様にして洗浄を行った。
(比較例1)
実施例1において、洗浄溶媒を水としたこと以外は実施例1と同様にして洗浄を行った。
(比較例2)
実施例1において、洗浄溶媒をジエチルエーテルとしたこと以外は実施例1と同様に洗浄を行った。
(比較例3)
実施例1において、洗浄溶媒をジメチルアセトアミドとしたこと以外は実施例1と同様にして洗浄を行った。
(比較例4)
超音波洗浄を用いず、粘着ロールと、超音波ウエブクリーナを併用して洗浄を行った。
(比較例5)
洗浄槽に溶媒を入れず、超音波振動も発生させずに、フィルムを搬送した。
実施例および比較例で得られた異物個数(全数、無機、有機)を下記表1にまとめて示す。
Figure 2007039494
Figure 2007039494
本発明は、ポリエステルフィルムの洗浄として好適に利用でき、本発明により得られるフィルムは、各種用途に好適に使用することができる。
図1は、本発明の一実施形態であるポリエステルフィルムの洗浄方法を適用した二軸ポリエステルフィルムの洗浄装置の概略構成図である。
符号の説明
1. ポリエステルフィルム
2. 送り出し装置
3. ガイドローラ
4. テンションローラ
5. 洗浄溶媒
60.洗浄装置
61.洗浄槽
62.超音波発振子
63.洗浄溶媒貯蓄タンク
64.フィルター洗浄溶媒貯蓄タンク
65.ポンプ
66.ライン
67.オーバーフロー機構
68.ライン
7. エアーナイフ
8. ドライヤー
9. 巻き取り装置

Claims (1)

  1. 溶解度パラメータが16〜30MPa1/2の範囲であり、沸点が55〜160℃の範囲にある有機溶媒を超音波で振動させて、少なくとも一方向に延伸されたポリエステルフィルムの表面に接触させることを特徴とするポリエステルフィルムの洗浄方法。
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