JP2008307821A - 光学フィルム、その製造方法及び製造装置、光学フィルムを用いた偏光板、並びに表示装置 - Google Patents

光学フィルム、その製造方法及び製造装置、光学フィルムを用いた偏光板、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学フィルムの連続生産において、クリーニング手段に工夫をこらすことにより、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とし、ひいては近年の偏光板用保護フィルム等の薄膜化、広幅化、及び高品質化の要求に応えることができる、光学フィルム、その製造方法及び製造装置、光学フィルムを用いた偏光板、並びに表示装置を提供する。
【解決手段】 溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法において、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置(LCD)に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム等にも利用することができる光学フィルム、その製造方法及び製造装置、光学フィルムを用いた偏光板、並びに表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置(LCD)は種々のところに使用されるに伴って、LCDに使用される液晶表示素子すなわち偏光板についても高生産性化(生産量増大)が求められている。しかも、LCDについては薄型化が進んでおり、LCDに使用される偏光板についても薄膜化が要望されている。
このようなセルロースエステルフィルムは、一般に、溶液流延製膜法により製造されている。このセルロースエステルフィルムの製造方法は、まず、セルロースエステルを、例えばメチレンクロライド等のセルロースエステルに対する良溶媒と、例えばメタノール、エタノール、ブタノールあるいはシクロヘキサン等のセルロースエステルに対する貧溶媒とを加えた混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や紫外線吸収剤を添加して、セルロースエステル樹脂溶液(以下、ドープとも呼ぶ)を調製し、ドープを、鏡面処理された表面を有する無限移行する無端の支持体(例えばエンドレスベルト、以下、支持体とも呼ぶ)上に流延ダイから均一に流延し、支持体上で溶媒を蒸発させ、ドープ膜(以下、ウェブとも呼ぶ)が固化した後、これを剥離ロールで剥離し、これを移送ロールで移送し、さらに乾燥装置あるいはテンターを通して乾燥させ、セルロースエステルフィルムを得るものである。
このような溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、上記偏光板の高生産性化に伴い、偏光板用保護フィルムとしてのセルロースエステルフィルムの高生産性化(生産量増大)が進むと、製膜速度の高速化に伴って、流延用エンドレスベルト支持体が汚れるサイクルも、短くなってきている。
従来のエンドレスベルト流延方式では、一対の巻回ドラム間を回動するエンドレスベルトの長期間にわたる走行安定性が重要な技術課題となっている。
しかしながら、長期間にわたり溶液流延製膜を行なっていると、エンドレスベルト裏面またはエンドレスベルト裏面に接するロール表面や同裏面に接する巻回ドラム表面に汚れが付着し、この汚れは、光学フィルムの原料中に含まれる可塑剤やエンドレスベルトの回転を円滑にする潤滑油等の機械油などで代表される有機物に、エンドレスベルト裏面がバックロール、サポートロール、あるいは巻回ドラムと接触することによってベルト裏面から磨耗したステンレス粉やセルロースエステル原料に含まれるカルシウム塩やナトリウム塩といった無機物が吸着されたものであり、このような汚れが経時により堆積することによって、エンドレスベルトの上下振動を発現し、光学フィルムの表面平滑性を悪化させ、フィルムにキャスト横段故障を発現させるという問題があった。
ここで、フィルムのキャスト横段故障とは、流延ダイからエンドレスベルト支持体にドープが流延される際に、エンドレスベルト支持体の振動等で流延リボンが揺れて、フィルムの幅手方向に伸びるスジが、フィルムの長手方向に数mm〜数10mmピッチで並んだスジ状故障である。
特開2002−28943号公報 特許文献1には、溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造におけるエンドレスベルト支持体の清掃方法が開示されているが、特許文献1に記載された技術は、ドープ(樹脂溶液)が流延される側の支持体表面の汚れを除去するものである。
このように、ドープ(樹脂溶液)が流延される側のエンドレスベルト支持体表面の汚れを除去する清掃技術は、従来より種々開発されているが、堆積した有機物や無機物で汚れたエンドレスベルトの裏面あるいはエンドレスベルト裏面に接するロール表面や同裏面に接する巻回ドラム表面を清掃する技術は、従来よりあまり知られていない。
そこで、従来は、堆積した有機物や無機物で汚れたエンドレスベルトの裏面あるいはエンドレスベルト裏面に接するロール表面や同裏面に接する巻回ドラム表面を清掃するために、一旦、溶液流延製膜装置の稼動を止めて、エンドレスベルトの裏面あるいはエンドレスベルト裏面に接するロール表面、さらには同裏面に接する巻回ドラム表面の汚れを拭き取り、付着物の除去を行なってきた。
しかし、このような清掃作業では、非常に効率が悪く、光学フィルムの生産性の大幅な低減につながるという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、溶液流延製膜法による光学フィルムの連続生産において、エンドレスベルトの裏面および/またはエンドレスベルト裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面のクリーニング手段に工夫をこらすことにより、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とし、ひいては近年の偏光板用保護フィルム等の薄膜化、広幅化、及び高品質化の要求に応えることができる、光学フィルム、その製造方法及び製造装置、光学フィルムを用いた偏光板、並びに表示装置を提供することにある。
一般に、大気圧プラズマやエキシマUV(エキシマ紫外線)は、有機物のエッチングには有効であるものの、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどの無機物に対しては、除去効果がないため、溶液流延製膜法におけるエンドレスベルト裏面あるいは同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面の汚れ除去については期待されていなかったが、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、エンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、これらに付着した汚れに含まれる塩の有機部分を分解することで、塩成分とエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面との固着がほぐれ、塩成分(汚れ)が除去されることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延して流延膜(ウェブ)を形成し、溶剤の一部を蒸発させた後に、エンドレスベルトから剥離する工程を含み、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、エンドレスベルト裏面に接するロールが、バックロールまたはサポートロールであることを特徴としている。
請求項3の光学フィルムの発明は、請求項1または2に記載の方法で製造されたことを特徴としている。
請求項4の偏光板の発明は、請求項3に記載の光学フィルムを、少なくとも一方の面に有することを特徴としている。
請求項5の表示装置の発明は、請求項4に記載の偏光板を用いることを特徴としている。
請求項6の発明は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延する流延装置と、エンドレスベルト上に形成された流延膜(ウェブ)に含まれる溶剤の一部を蒸発させた後にエンドレスベルトから剥離する剥離ロールとを具備し、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に近接して、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置が備えられ、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6に記載の光学フィルムの製造装置であって、エンドレスベルト裏面に接するロールが、バックロールまたはサポートロールであることを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の光学フィルムの製造装置であって、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置のそれぞれ両側にエアカーテンが設けられ、さらにその両外側に排気装置が設けられたことを特徴としている。
請求項1の発明は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延して流延膜(ウェブ)を形成し、溶剤の一部を蒸発させた後に、エンドレスベルトから剥離する工程を含み、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去するもので、請求項1の発明によれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とし、ひいては近年の偏光板用保護フィルム等の薄膜化、広幅化、及び高品質化の要求に応えることができるという効果を奏する。
ここで、エンドレスベルト裏面に接するロールとは、バックロールまたはサポートロールである。
請求項3の光学フィルムの発明は、請求項1または2に記載の方法で製造されたもので、請求項3の発明によれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とした方法により作製されているから、経時によるフィルム表面の横段故障の発現が軽減され、光学フィルムは、透明性、平面性に優れているという効果を奏する。
請求項4の偏光板の発明は、請求項3に記載の透明性、平面性に優れた光学フィルムを、少なくとも一方の面に有するものであるから、請求項4の発明によれば、偏光板を液晶パネルに組み込んだ際、液晶パネルのコントラスト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視認性に優れているという効果を奏する。
請求項5の表示装置の発明は、請求項4に記載の偏光板を用いるものであるから、請求項5の発明によれば、液晶パネルのコントラスト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視認性に優れているという効果を奏する。
請求項6の発明は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延する流延装置と、エンドレスベルト上に形成された流延膜(ウェブ)に含まれる溶剤の一部を蒸発させた後にエンドレスベルトから剥離する剥離ロールとを具備し、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に近接して、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置が備えられ、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去するもので、請求項6の発明によれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とし、ひいては近年の偏光板用保護フィルム等の薄膜化、広幅化、及び高品質化の要求に応えることができるという効果を奏する。
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の光学フィルムの製造装置であって、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置のそれぞれ両側にエアカーテンが設けられ、さらにその両外側に排気装置が設けられているもので、請求項8の発明によれば、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置によって、エンドレスベルトの裏面または同裏面に接するロール表面もしくは同裏面に接するドラム表面に付着した汚れを確実に除去することができて、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化が可能であるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延して流延膜(ウェブ)を形成し、溶剤の一部を蒸発させた後に、エンドレスベルトから剥離する工程を含み、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に大気圧プラズマまたはエキシマUV(エキシマ紫外線)を照射して高エネルギー表面処理を施し、エンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去するものである。
上記において、エンドレスベルト裏面に接するロールとは、エンドレスベルトのドープ流延部の裏面に接するバックロール、及びエンドレスベルトの搬送部の裏面に接する複数のサポートロールをいう。
ここで、有機付着物とは、主として可塑剤に由来するもので、工程で発生する種々の有機化合物を生成するものである。さらに空気中に含まれる昇華物や油脂、塵芥などもこれに含まれる。また、無機付着物とは、主としてステンレス製のエンドレスベルトに由来するもので、工程で発生する種々の無機化合物を生成するものである。さらに空気中に含まれる昇華物や塵芥などもこれに含まれる。
本発明の方法によれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とする。
本発明による光学フィルムの製造装置は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延する流延装置と、エンドレスベルト上に形成された流延膜(ウェブ)に含まれる溶剤の一部を蒸発させた後にエンドレスベルトから剥離する剥離ロールとを具備し、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に近接して、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置が備えられ、回転駆動するエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUV(エキシマ紫外線)を照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去するものである。
本発明の光学フィルムの製造装置によれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とする。
本発明による光学フィルムの製造装置では、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置のそれぞれ両側にエアカーテンが設けられ、さらにその両外側に排気装置が設けられるのが、好ましい。このような大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置によって、エンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを確実に除去することができて、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れた光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化が可能である。
また、本発明の光学フィルムの製造方法は、製膜中に、フィルムが搬送されているエンドレスベルトの裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、エキシマ紫外線やプラズマ波を照射することにより、エンドレスベルトの裏面または同裏面に接するロール表面もしくは同裏面に接する巻回ドラム表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去できるので、これらの清掃のために、製膜作業を中断する回数が激減し、光学フィルムの生産性を大幅に向上させることができる。
以下、本発明による光学フィルムの製造方法について詳しく述べる。光学フィルムは、溶液流延製膜方法により作製できる。
図1は、溶液流延製膜法による本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置の具体例を示すフローシートである。なお、本発明の実施にあたっては、以下に示す図面のプロセスに限定されるものではない。
同図において、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法は、まず、溶解釜(1)で、例えばセルロースエステル系樹脂を、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や紫外線吸収剤等の添加剤を添加して樹脂溶液(ドープ)を調製する。
ついで、溶解釜で調整されたドープを、例えば加圧型定量ギヤポンプ(2)を通して、導管によって流延ダイ(3)に送液し、無限に移送する例えば回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなるエンドレスベルト(6)上の流延位置に、流延ダイ(3)からドープを流延する。
流延ダイ(3)によるドープの流延には、流延されたドープ膜(ウェブ)をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調製でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。
なお、流延ダイ(3)としては、口金部分のスリット形状を調製でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。また、流延ダイ(3)には、通常、減圧チャンバ(4)が付設されている。
ここで、セルロースエステル溶液(ドープ)の固形分濃度が、20〜30重量%であるのが、好ましい。セルロースエステル溶液(ドープ)の固形分濃度が、20重量%未満であれば、エンドレスベルト(6)上で充分な乾燥ができず、剥離時にドープ膜の一部がエンドレスベルト(6)上に残り、ベルト汚染につながるため、好ましくない。また固形分濃度が30%を超えると、ドープ粘度が高くなり、ドープ調整工程でフィルター詰まりが早くなったり、エンドレスベルト(6)上への流延時に圧力が高くなり、押し出せなくなるため、好ましくない。
回転駆動エンドレスベルト(6)の前後両端巻回部の巻回ドラム(5)(5)の一方、もしくは両方に、エンドレスベルト(6)に張力を付与する駆動装置が設けられ、これによってエンドレスベルト(6)は張力が掛けられて張った状態で使用される。
回転駆動エンドレスベルト(6)は、前後一対のベルト端部巻回ドラム(5)(5)、エンドレスベルト(6)のドープ流延部をベルトの裏側から支持するバックロール(7)、及びエンドレスベルト(6)の中間搬送部をベルトの裏側から支持する複数のサポートロール(8)によって保持されている。
エンドレスベルト(6)は、例えばステンレス鋼(SUS316やSUS314)製であり、エンドレスベルト(6)の幅は1700〜2400mm、セルロースエステル溶液の流延幅は1600〜2500mm、巻き取り後のフィルムの幅は1400〜2500mmであるのが好ましく、また、エンドレスベルト(6)の周速度は40〜200m/minであるのが、好ましい。
製膜時のエンドレスベルト(6)の温度は、一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度、混合溶剤では最も沸点の低い溶剤の沸点未満の温度で流延することができ、さらには5℃〜溶剤沸点−5℃の範囲が、より好ましい。このとき、周囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要がある。
上記のようにしてエンドレスベルト(6)表面に流延されたドープは、剥ぎ取りまでの間で乾燥が促進されることによってもゲル膜の強度(フイルム強度)が増加する。
エンドレスベルト(6)上に流延されたドープにより形成されたドープ膜(ウェブ)(10)を、エンドレスベルト(6)上で加熱し、エンドレスベルト(6)から剥離ロール(9)によってウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法、及び/またはエンドレスベルト(6)裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等がある。
エンドレスベルト(6)上では、ウェブ(10)中の残留溶媒量が150重量%以下まで乾燥させるのが好ましく、30〜120重量%が、より好ましい。また、エンドレスベルト(6)からウェブ(10)を剥離するときのウェブ温度は、0〜30℃が好ましい。また、ウェブ(10)は、エンドレスベルト(6)からの剥離直後に、エンドレスベルト(6)密着面側からの溶媒蒸発で温度が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶剤蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすいため、剥離時のウェブ温度は5〜30℃がさらに好ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを温度110℃で、3時間乾燥させたときの重量である。
ウェブ(10)をエンドレスベルト(6)上から剥離ロール(9)によって剥離する際の剥離張力は、通常、50N/m〜200N/mで剥離が行なわれるが、従来よりも薄膜化されている本発明による光学フィルムでは、剥離の際にウェブ(10)の残留溶媒量が多く、搬送方向に伸びやすいために、幅手方向にフィルムは縮みやすく、乾燥と縮みが重なると、端部がカールし、折れ込むことにより、シワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜170N/mで剥離することが好ましく、さらに好ましくは、最低張力〜140N/mで剥離することである。
こうして、エンドレスベルト(6)上でウェブ(10)が剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させた後に、ウェブ(10)を剥離ロール(9)によって剥離し、ついで、搬送ロール(11)から前部乾燥装置(12)を経て、後述する延伸工程のテンター(14)においてウェブ(10)を延伸する。
本発明による光学フィルムの製造方法においては、回転駆動するエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面(6a)に接するバックロール(7)表面および/または同裏面(6a)に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面(6a)に接する巻回ドラム(5)(5)表面に、大気圧プラズマ装置(19)により反応ガス(18)をプラズマ化して憤射して、あるいはまたエキシマUV(エキシマ紫外線)装置(後述の図3参照)によりエキシマUV(エキシマ紫外線)を照射して、高エネルギー表面処理を施し、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去するものである。
上記において、エンドレスベルト(6)裏面(6a)に接するロールとは、エンドレスベルト(6)のドープ流延部の裏面(6a)に接するバックロール(7)、及びエンドレスベルト(6)の搬送部の裏面(6a)に接する複数のサポートロール(8)をいう。
上記のような溶液流延製膜方法によりフィルムを作製することにより、通常は、経時でエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面上に有機付着物が堆積し、エンドレスベルト(6)の上下振動を発現し、フィルムの平滑性を悪化させることになるが、このようなエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面上の有機付着物を、本発明の主たる特徴であるプラズマ波またはエキシマUVの照射により分解して除去させ、有機付着物から脱着された無機付着物を吸引装置で除去することによって、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面をクリーンに保つことができ、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)と、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、および同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)との密着性が一定になるよう維持し、エンドレスベルト(6)の上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とし、経時によるフィルム表面の横段故障の発現を軽減することによって、透明性、平面性に優れかつ表面平滑性の良い高品質な光学フィルムの連続かつ安定な高生産性化を可能とするものである。
つぎに、大気圧プラズマ装置について、詳細に説明する。
大気圧プラズマ装置は、対向する電極間に、高周波電圧を印加して放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面をこのプラズマ状態の反応性ガスに晒すことによって、エンドレスベルト(6)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去するものである。
大気圧プラズマ装置には、被処理基盤をはさむように対向配置された電極間に高周波電力を加えて、供給ガスをプラズマ化するプラナー方式と、反応ガスを高周波電圧が加えられた電極の間を通してプラズマ化するダウンストリーム方式があるが、本発明の製膜用エンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の処理には、後者のダウンストリーム式を用いる。
図2は、大気圧プラズマ装置の原理を説明するための説明図である。
同図において、(a)と(b)はリアクタの対向電極、(h)は電極長、(g)は反応ガス、(w)は固体誘電体間隙、(i)はエアーカーテン兼ランプ装置冷却風、(d)はプラズマ憤射スリットからエンドレスベルト裏面あるいはエンドレスベルト裏面に接するロール表面までの間隙、(s)は製膜用エンドレスベルト、(e)排気である。
図2における大気圧プラズマ装置の簡単な構造として、高周波電圧が加えられたリアクタの対向電極(a),(b)間に、反応ガス(g)を通過させてプラズマ化し、例えばエンドレスベルト(s)の裏面に、噴射供給し、該裏面を高エネルギー処理するものである。
本発明において、リアクタの対向電極(a),(b)間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、好ましくは200kHz以上、さらに好ましくは800kHz以上である。
また、リアクタの対向電極(a),(b)間に供給する電力の下限値は、好ましくは1.2W/cm以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm以下、さらに好ましくは20W/cm以下である。なお、電極における電圧の印加面積(/cm)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、リアクタの対向電極(a),(b)間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
本発明においては、このようなハイパワーの電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
このような電極としては、金属母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアース電極の片側に誘電体を被覆すること、さらに好ましくは、対向する印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。誘電体としては、比誘電率が6〜45の無機物であることが好ましく、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等が挙げられる。
放電電極間の距離は、均一な放電を行なう観点から0.5mm〜20mmが好ましく、より好ましくは0.5mm〜5mmであり、特に好ましくは1〜3mmである。
また、プラズマの吹き出しスリットとエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面との間隙は、0.5〜6mmが好ましく、さらには、1〜4mmがより好ましい。近づけすぎると、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に接触、損傷させる危険があり、離しすぎると、エンドレスベルト(6)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の汚れの除去効果が弱くなる。
また、反応ガス(g)には種々のものが利用可能であるが、環境面、排気の後処理、ランニングコストの観点から、窒素に微量の酸素を混合したものが好ましい。酸素の混合比率は、原料ガスの体積に対して0.005〜0.1体積%の比率が望ましい。
また、ガスの風量は、プラズマ照射の有効幅1m当たり、20〜5000L/minが望ましい。さらには、40〜1000L/minがより好ましい。
エンドレスベルト(6)が移動するときの同伴エアが多いと、プラズマガスが流されて濃度が下がってしまうため、また、製膜中の使用では、ドープから蒸発した溶剤ガス雰囲気下となるため、それらの流入を抑える必要もある。
そのため、本体周囲にエアカーテンあるいはエアナイフを設置し、その外側に、排気ガスおよび装置の外側から入り込もうとするエア、溶剤ガスを吸引する排気ダクト設置するのが好ましい。
また、大気圧プラズマでは、誘導電流あるいはアーク放電によるエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の粗面化等のダメージが懸念されるため、シールド機構を有する装置を用いるのが望ましい。
つぎに、エキシマUV装置について説明する。
図3は、エキシマUV装置の原理を説明するための説明図である。
同図において、(u)はエキシマUVランプ、(r)は反射板、(p)はパージガス、(i)はエアーカーテン兼ランプ装置冷却風、(s)は製膜用エンドレスベルト、(e)排気である。
本発明においては、図3に示すエキシマUVランプ(u)を用いて、主として波長が172nmの紫外線を1〜3,000mJ/cmの光量で、製膜用エンドレスベルト(s)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に照射するものである。このような紫外線は、活性酸素やオゾンを生成し、エンドレスベルト(s)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に接するロール表面の有機付着物を分解することが可能である。
また、エキシマUVランプ(u)と、エンドレスベルト(s)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面との間隙は、近づけすぎると、エンドレスベルト(s)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に、接触、損傷させる危険があり、離しすぎると、酸素や水に、エキシマUVの高エネルギーが吸収されてしまい、エンドレスベルト(s)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の汚れ除去効果が弱くなるため、0.5〜4mmが好ましく、さらには、1〜3mmがより好ましい。
中心波長が200nm以下のエキシマUVランプを選択した場合、空気中の酸素の吸収により、オゾンが発生する。このオゾンは短波長光と同等以上に有機付着物を酸化分解する効果があり、オゾンが発生すると有機付着物の分解効率は非常に高くなる。そのため、紫外線を照射してエンドレスベルト(6)の裏面(6a)および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面を清掃する雰囲気としては、塵埃などが浮遊していないクリーンな酸素雰囲気中が好ましく、該エンドレスベルト(6)の裏面および/または同裏面に接するバックロール(7)表面および/または同裏面に接するサポートロール(8)表面および/または同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面と、紫外線ランプとの囲いに、排気装置を取り付けておき、常にフレッシュエアーを供給することがより好ましい。
つぎに、本発明において、光学フィルムを製造するための樹脂溶液(ドープ)は、主材としてセルロースエステル樹脂等の樹脂を含み、これらに、可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子、及び低分子量物質のうちの少なくとも1種以上の物質と、溶媒とを含むものである。
以下、これらについて説明する。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、フィルム材料として、種々の樹脂を用いることができるが、中でもセルロースエステルが好ましい。
セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
セルローストリアセテートの例としては、アセチル基の置換度が2.0以上3.0以下であることが好ましい。置換度をこの範囲にすることで、良好な成形性が得られ、かつ所望の面内リタデーション(Ro)、及び厚み方向リタデーション(Rt)を得ることができるのである。アセチル基の置換度が、この範囲より低いと、位相差フィルムとしての耐湿熱性、特に湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、置換度が大きすぎると、必要なリタデーション特性が発現しなくなる場合がある。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明において、セルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。さらに70000〜200000が好ましい。
本発明において、セルロースエステルには、種々の添加剤を配合することができる。
本発明による光学フィルムの製造方法において、上記セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
良溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン、アセト酢酸メチルなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩化メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40重量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。これらは、ドープをエンドレスベルトに流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることで、ウェブ(エンドレスベルト上にセルロース誘導体のドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、ウェブを丈夫にして、エンドレスベルトから剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロース誘導体の溶解を促進したりする役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、かつ毒性がないことなどからエタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
このような条件を満たす好ましい高分子化合物であるセルロース誘導体を高濃度に溶解する溶剤として最も好ましい溶剤は塩化メチレン:エチルアルコールの比が95:5〜80:20の混合溶剤である。あるいは、酢酸メチル:エチルアルコール60:40〜95:5の混合溶媒も好ましく用いられる。
本発明におけるフィルムには、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤等を含有させても良い。
本発明において使用する可塑剤としては、特に限定はないが、フィルムにヘイズを発生させたり、フィルムからブリードアウトあるいは揮発しないように、セルロース誘導体や加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の重縮合物と、水素結合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。
このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、ホスホニル基である。
このような可塑剤の例として、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができるが、特に好ましくは多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤等の非リン酸エステル系可塑剤である。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールは、つぎの一般式(1)で表される。
一般式(1) R−(OH)n
(ただし、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数を表す)
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
好ましい多価アルコールの例としては、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることがさらに好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させると、セルロース誘導体との相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は、特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが、さらに好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロース誘導体との相溶性の点では、小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
グリコレート系可塑剤は、特に限定されないが、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するグリコレート系可塑剤を、好ましく用いることができる。好ましいグリコレート系可塑剤としては、例えばブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を用いることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等を用いることができるが、本発明では、リン酸エステル系可塑剤を実質的に含有しないことが好ましい。
ここで、「実質的に含有しない」とは、リン酸エステル系可塑剤の含有量が1重量%未満、好ましくは0.1重量%であり、特に好ましいのは添加していないことである。
これらの可塑剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
可塑剤の使用量は、1〜20重量%が好ましい。6〜16重量%がさらに好ましく、特に好ましくは8〜13重量%である。可塑剤の使用量が、セルロース誘導体に対して1重量%未満では、フィルムの透湿度を低減させる効果が少ないため、好ましくなく、20重量%を越えると、フィルムから可塑剤がブリードアウトし、フィルムの物性が劣化するため、好ましくない。
本発明におけるセルロース誘導体には、滑り性を付与するために、マット剤等の微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。この中では、ケイ素原子を含有する化合物の微粒子であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,R805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の微粒子の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05〜5.0μm程度が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜1.0μmである。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステルフィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察した際に、フィルムの観察場所における、粒子の長軸方向の長さの平均値を指す。フィルム中で観察される粒子であれば、1次粒子であっても、1次粒子が凝集した2次粒子であってもよいが、通常観察される多くは2次粒子である。
測定方法の一例としては、1つのフィルムにつき、ランダムに10箇所の垂直断面写真を撮影し、各断面写真について、長軸長さが、0.05〜5μmの範囲にある100μm中の粒子個数をカウントする。このときカウントした粒子の長軸長さの平均値を求め、10箇所の平均値を平均した値を平均粒径とする。
微粒子の場合は、1次粒径、溶媒に分散した後の粒径、フィルムに添加されたの粒径が変化する場合が多く、重要なのは、最終的にフィルム中で微粒子がセルロースエステルと複合し凝集して形成される粒径をコントロールすることである。
ここで、微粒子の平均粒径が、5μmを超えた場合は、ヘイズの劣化等が見られたり、異物として巻状態での故障を発生する原因にもなる。また、微粒子の平均粒径が、0.05μm未満の場合は、フィルムに滑り性を付与するのが難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに対して、0.04〜0.5重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.25重量%添加して使用される。微粒子の添加量が0.04重量%以下では、フィルム表面粗さが平滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブロッキングを発生する。微粒子の添加量が0.5重量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが高くなるため、液晶表示装置用フィルムとしての価値を持たなくなるので、上記の範囲が必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶剤を混合した組成物を高圧分散装置で処理することが好ましい。本発明で用いる高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が980N/cm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条件が1960N/cm以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例えばMicrofluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げられ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザーなどが挙げられる。
本発明において、微粒子は、低級アルコール類を25〜100重量%含有する溶剤中で分散した後、セルロースエステル(セルロース誘導体)を溶剤に溶解したドープと混合し、該混合液をエンドレスベルト上に流延し、乾燥して製膜することを特徴とするセルロースエステルフィルムを得る。
ここで、低級アルコールの含有比率としては、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは75〜100重量%である。
また、低級アルコール類の例としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
低級アルコール以外の溶媒としては、特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
微粒子は、溶媒中で1〜30重量%の濃度で分散される。これ以上の濃度で分散すると、粘度が急激に上昇し、好ましくない。分散液中の微粒子の濃度としては、好ましく、5〜25重量%、さらに好ましくは、10〜20重量%である。
フィルムの紫外線吸収機能は、液晶の劣化防止の観点から、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルムなどの各種光学フィルムに付与されていることが好ましい。このような紫外線吸収機能は、紫外線を吸収する材料をセルロース誘導体中に含ませても良く、セルロース誘導体からなるフィルム上に紫外線吸収機能のある層を設けてもよい。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明において、有用な紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、紫外線吸収剤の市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を、好ましく使用できる。
また、本発明において使用し得る紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において、これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステル(セルロース誘導体)に対して、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5重量%が好ましい。紫外線吸収剤の使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不充分の場合があり、紫外線吸収剤の多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合があるので、好ましくない。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
また、本発明の光学フィルムに用いることのできる紫外線吸収剤は、特開平6−148430号公報及び特開2002−47357号公報に記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)を好ましく用いることができる。とりわけ特開平6−148430号公報に記載の一般式(1)、あるいは一般式(2)、あるいは特開2002−47357号公報に記載の一般式(3)(7)で表される高分子紫外線吸収剤が、好ましく用いられる。
酸化防止剤は、一般に、劣化防止剤ともいわれるが、光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。すなわち、液晶画像表示装置などが高湿高温の状態に置かれた場合には、光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えばフィルム中の残留溶媒中のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸などによりフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して重量割合で1ppm〜1.0重量%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
なお、前述した図1に示す本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置において、延伸工程は、液晶表示装置用フィルムとしては、ウェブ(またはフィルム)(10)の両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が、フィルムの平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。
延伸工程のテンター(14)に入る直前のウェブ(フィルム)(10)の残留溶媒量が、10〜35重量%であることが好ましい。
本発明において、延伸工程のテンター(14)におけるウェブの延伸率が3〜100%であり、5〜80%であることが好ましく、さらに5〜60%であることが望ましい。またテンター(14)における温風吹出しスリット口から吹き出す温風の温度が100〜200℃であり、110〜190℃であることが好ましく、さらに115〜185℃であることが望ましい。
延伸工程のテンター(14)の前後には、乾燥装置(12)(15)を設けることが好ましい。乾燥装置(12)(15)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(13)(16)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)が乾燥せられるものである。また、乾燥装置(12)(15)でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及びフィルム搬送工程での残留溶媒量、乾燥温度等に影響を受けるが、乾燥時のフィルム搬送張力は、30〜300N/幅mであり、40〜270N/幅mが、より好ましい。
なお、ウェブ(フィルム)(10)を乾燥させる手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点から熱風で乾燥するのが好ましく、例えば乾燥装置(12)(15)の底の前寄り部分の温風入口から吹込まれる乾燥風によって乾燥され、乾燥装置(12)(15)の天井の後寄り部分の出口から排気風が排出せられることによって乾燥される。乾燥風の温度は40〜160℃が好ましく、50〜160℃が平面性、寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することは勿論のことである。
搬送乾燥工程を終えた例えばセルロースエステルフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、一般に、エンボス加工装置によりフィルムにエンボスを形成する加工が行なわれる。
ここで、エンボスの高さh(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wは、フィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。エンボスは、フィルムの両面に形成してもよい。この場合、エンボスの高さh1+h2(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚40μmであるとき、エンボスの高さh1+h2(μm)は2〜12μmに設定する。エンボス幅は5〜30mmに設定する。
乾燥が終了したフィルムを巻取り装置(17)によって巻き取り、光学フィルムの元巻を得るものである。乾燥を終了するフィルムの残留溶媒量は、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
フィルムの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。
巻取りコア(巻芯)への、フィルムの接合は、両面接着テープでも、片面接着テープでもどちらでも良い。
本発明による光学フィルムは、巻き取り後のフィルムの幅が、1200〜2500mmであることが好ましい。
本発明においては、セルロースエステルフィルムの乾燥後の膜厚は、液晶表示装置の薄型化の観点から、仕上がりフィルムとして、20〜150μmの範囲が好ましい。ここで、乾燥後のフィルム膜厚とは、フィルム中の残留溶媒量が0.5重量%以下の状態のフィルムを言うものである。
ここで、巻き取り後のセルロースエステルフィルムの膜厚が薄過ぎると、例えば偏光板用保護フィルムとしての必要な強度が得られない場合がある。フィルムの膜厚が厚過ぎると、従来のセルロースエステルフィルムに対して薄膜化の優位性がなくなる。膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、流延ダイの口金のスリット間隙、流延ダイの押し出し圧力、エンドレスベルトの速度等をコントロールするのがよい。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
溶液流延製膜法を通しての流延直後からの乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気で行なってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないことはもちろんである。
本発明において、セルロースエステルフィルムは、含水率としては0.1〜5%が好ましく、0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であることがさらに好ましい。
本発明において、セルロースエステルフィルムは、透過率が90%以上であることが望ましく、さらに好ましくは92%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。
また、本発明の方法により製造された光学フィルムは、3枚重ねた場合のヘイズが、0.3〜2.0であるもので、本発明の光学フィルムによれば、フィルムのヘイズが非常に低いものであり、透明性、平面性に優れた光学特性を有するものである。
ここで、光学フィルムのヘイズの測定は、例えば、JIS K6714に規定される方法に従って、ヘイズ・メーター(1001DP型、日本電色工業株式会社製)を用いて測定すれば、良い。
また、本発明による光学フィルムの製造方法で製造されたセルロースエステルフィルムの機械方向(MD方向)の引張弾性率が、1500MPa〜3500MPa、機械方向に垂直な方向(TD方向)の引張弾性率が、3000MPa〜4500MPaであるのが好ましく、フィルムのTD方向弾性率/MD方向弾性率の比が、1.40〜1.90であるのが好ましい。
ここで、光学フィルムのTD方向弾性率/MD方向弾性率の比が、1.40未満であれば、1650mmを超える幅のフィルムの巻取りでは中央部のたるみが大きくなり、巻き芯のフィルムの貼り付きが多くなるため、好ましくない。また、フィルムのTD方向弾性率/MD方向弾性率の比が、1.90を超えると、偏向板での過熱後のそりが生じたり、液晶パネルに組み込んだ際にバックライトの熱によりバックライト側と表面側の偏光板の寸法変化の挙動が大きく異なることにより、コーナーにムラが生じるので、好ましくない。
フィルムのMD方向、及びTD方向の引張弾性率の具体的な測定方法としては、例えばJIS K7217の方法が挙げられる。
すなわち、引っ張り試験器(ミネベア社製、TG−2KN)を用い、チャッキング圧:0.25MPa、標線間距離:100±10mmで、サンプルをセットし、引っ張り速度:100±10mm/分の速度で引っ張る。その結果、得られた引張応力−歪み曲線から、弾性率算出開始点を10N、終了点を30Nとし、その間に引いた接線を外挿し、弾性率を算出するものである。
本発明の光学フィルムでは、下記式で定義される面内方向リタデーション(Ro)が、温度23℃、湿度55%RHの条件下で30〜300nm、厚み方向リタデーション(Rt)が、温度23℃、湿度55%RHの条件下で70〜400nmであることが好ましい。
Ro=(nx−ny)×d
Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、Roはフィルム面内リタデーション値、Rtはフィルム厚み方向リタデーション値、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率(屈折率は波長590nmで測定)、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。
なお、リタデーション値Ro、Rtは、自動複屈折率計を用いて測定することができる。例えば、KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、温度23℃、湿度55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
本発明の光学フィルムによれば、エンドレスベルトの上下振動現象をできるだけ小さくし、安定なベルトの搬送を可能とした方法により作製されているから、経時によるフィルム表面の横段故障の発現が軽減され、光学フィルムは、透明性、平面性に優れている。
本発明の方法により製造された光学フィルムは、液晶表示用部材、詳しくは偏光板用保護フィルムに用いられるのが好ましい。特に、透湿度と寸法安定性に対して共に厳しい要求のある偏光板用保護フィルムにおいて、本発明の方法により製造された光学フィルムは好ましく用いられる。
さらに、本発明の表示装置は、上記の偏光板を用いるものであるから、液晶パネルのコントラスト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視認性に優れている。
ところで、偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムのような延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルロースエステルフィルムを接着して偏光板としている。
上記偏光板には、本発明の方法により製造された光学フィルムを位相差フィルムとして貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の方法により製造された光学フィルムを位相差フィルムと保護フィルムとを兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法は、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行なうことができる。この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。さらに、長手方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の本発明の方法により製造された位相差フィルムとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることができる。偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
このようにして得られた偏光板は、種々の表示装置に使用できる。特に電圧無印加時に液晶性分子が実質的に垂直配向しているVAモードや、電圧無印加時に液晶性分子が実質的に水平かつねじれ配向しているTNモードの液晶セルを用いた液晶表示装置が好ましい。
ところで、偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、光学フィルムあるいはセルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
本発明の方法により製造された光学フィルムには、ハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は塗布あるいは蒸着、スパッタ、プラズマCVD、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができる。
このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片面または両面に設けられ、これを用いて、液晶表示装置が得られる。
本発明の光学フィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。
本発明の偏光板、透明性、平面性に優れた光学フィルムを、少なくとも一方の面に有するものであるから、本発明の偏光板を液晶パネルに組み込んだ際、液晶パネルのコントラスト低下や濃淡ムラを生じることがなく、視認性に優れている。
本発明において、液晶表示装置は、棒状の液晶分子が一対のガラス基板に挟持された液晶セルと、液晶セルを挾むように配置された偏光膜及びその両側に配置された透明保護層からなる2枚の偏光板を持つものである。
本発明の方法により製造された光学フィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。さらに、この偏光板あるいは位相差フィルムを用いた液晶表示装置は、長期間に亘って安定した表示性能を維持することができる。
本発明の方法により製造された光学フィルムは、反射防止用フィルムあるいは光学補償フィルムの基材としても使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1
(ドープの調製)
下記の素材を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解、濾過し、ドープを調製した。なお、二酸化珪素微粒子(アエロジルR972V)は、エタノールに分散した後、添加した。
(ドープ組成)
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 100質量部
トリフェニルホスフェート 8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(液体の可塑剤) 4質量部
5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(液体の紫外線吸収剤) 1質量部
メチレンクロライド 418質量部
エタノール 23質量部
アエロジル R972V 0.1質量部
上記セルローストリアセテート中の不純物として残留するカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の分析方法と、測定値は、以下の通りである。
(分析方法)
酢綿を500mgを電気炉(800℃、1時間)で灰化した後、硝酸で溶解後50mlに仕上げたものをICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)で全元素定性を行ない検出された元素に対し定量を行なった。
(測定値)
Ca:64ppm
Mg:12ppm
(セルローストリアセテートフィルムの作製)
上記のドープを用いて、以下のようにして膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルムを作製した。
図1に示すように、濾過したドープを、ドープ温度35℃で、SUS316製でかつ温度20℃のエンドレスベルト(6)上に、コートハンガーダイ(3)より均一に流延した。
エンドレスベルト(6)からウェブ(10)を剥離した後、該ウェブ(10)を前部乾燥装置(12)において90℃の雰囲気でロール搬送しながら乾燥させ、テンター(14)において、残留溶媒量10%のとき100℃の雰囲気内で幅方向に1.06倍延伸した。その後、幅保持を解放して、延伸フィルム(ウェブ)(10)をロール搬送しながら125℃の乾燥ゾーン(後部乾燥装置)(15)で乾燥を終了させ、乾燥が終了したフィルムを巻取り装置(17)によって巻き取り、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィルムを作製した。
そして、この実施例においては、回転駆動するエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する前後巻回ドラム(5)(5)表面のいずれもに、図2に示す大気圧プラズマ装置により、下記の大気圧プラズマを照射して、高エネルギー表面処理を施し、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去した。
(大気圧プラズマ処理)
リアクタの対向電極の長さhが30mm、その固体誘電体間隙wを1mm、高周波発振機供給電力は9kW、プラズマ噴射スリットから、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面までのそれぞれの間隙dを、3mmとした条件にて、0.1m/minの速度でエンドレスベルト(6)を搬送させながら、大気圧プラズマ照射処理をした。大気圧プラズマ処理に用いた混合ガス(反応ガス)の組成を以下に記す。気圧は1.0気圧とした。
窒素 99.98体積%
酸素 0.02体積%
混合ガス流量 2m/min
上記の条件でセルローストリアセテートフィルムの製膜を2週間連続して行ない、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定するとともに、フィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
膜厚偏差は、ミツトヨ社製の表面粗さ測定機(SURFTEST SV−3100)にて、フィルムを50mm角で測定した。エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面が汚れてくると、表面粗さ測定機で観察されるフィルムの膜厚偏差が増加していることが確認されており、表面粗さ測定機からエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の汚れよるフィルムのキャスト横段故障の進行度合いを評価した。
また、フィルムのキャスト横段故障とは、流延ダイ(3)からエンドレスベルト(6)にドープが流延される際に、エンドレスベルト(6)の振動等で流延リボンが揺れて、フィルムとして幅手方向に伸びるスジが、長手方向に数mm〜数10mmピッチで並んだものである。フィルムのキャスト横段故障が目立つと、フィルムを偏光板の一部として液晶表示パネルに装着した際に、そのスジ部分で散乱してムラ状であったり、スジ状であったり見え、非常に目立ってしまい、フィルムが製品として使えなくなってしまう。
フィルムの膜厚偏差とキャスト横段故障のレベルには、以下のような関係がある。またエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面の汚れは目視による評価も行なった。
◎:膜厚偏差0.15μm以下。目視で全くスジが見られず、フィルムに
キャスト横段故障が全くない
○:膜厚偏差0.20μm以下。点光源光にフィルムを動かしながら、
かざすと、かすかにスジが見られるが、フィルムにキャスト横段故障が
ほとんどなく、製品としての使用には全く問題ない
△:膜厚偏差0.25μm以下。点光源光にフィルムをかざすとスジが
見られ、フィルムにキャスト横段故障がわずかにあるが、製品として
ギリギリ使用可能なレベルである
×:膜厚偏差0.30μm以上。一目でスジがわかり、フィルムにキャスト
横段故障があり、製品として使えない
得られた結果を、下記の表1に示した。
実施例2
上記実施例1の場合と同様に実施するが、上記実施例1の場合と異なる点は、大気圧プラズマ処理を、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)に接するバックロール(7)表面、および同裏面に接するサポートロール(8)表面に対して行なった点にある。
そして、上記実施例1の場合と同様の条件で製膜を2週間連続して行ない、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定し、またフィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)に接するバックロール(7)表面、および同裏面に接するサポートロール(8)表面を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
実施例3
上記実施例1の場合と同様に実施するが、上記実施例1の場合と異なる点は、大気圧プラズマ処理を、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)に対して行なった点にある。
そして、上記実施例1の場合と同様の条件で製膜を2週間連続して行ない、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定し、またフィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
実施例4
上記実施例1の場合と同様に実施するが、上記実施例1の場合と異なる点は、大気圧プラズマ処理を、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)に接する巻回ドラム(5)(5)表面に対して行なった点にある。
そして、上記実施例1の場合と同様の条件で製膜を2週間連続して行ない、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定し、またフィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)に接する前後巻回ドラム(5)(5)表面を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
比較例1
上記実施例1の場合と同様に実施するが、上記実施例1の場合と異なる点は、大気圧プラズマ処理を行なわずに、2週間製膜を行なった点にある。
そして、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定し、またフィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
実施例5〜8
上記実施例1〜4の場合と同様に実施するが、上記実施例1〜4の場合と異なる点は、図2に示す大気圧プラズマ装置に代えて、図3に示すエキシマUV装置を使用し、エキシマUV処理を施した点にある。すなわち、下記のエキシマUV処理を、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面に施し、それぞれに付着した有機付着物及び無機付着物よりなる汚れを除去した。
(エキシマUV処理)
幅1600mm、照射ガラス長手長約300mm、放射照度40mW/cmの、Xe波長172nmエキシマUVランプが4本入った装置にて、ランプのガラス外部表面から、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面までのそれぞれの間隙が3mmの照射条件で、0.1m/minの速度でエンドレスベルト(6)を搬送させながら、エキシマUV照射処理を行なった。
上記の条件で製膜を2週間連続して行ない、製膜開始時と1週間後、2週間後のセルローストリアセテートフィルムの膜厚偏差を表面粗さ計により測定し、またフィルム表面のキャスト横段故障のレベルを判断した。さらに、製膜開始時と1週間後、2週間後経過したときのエンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面を目視によって観察し、それぞれの汚れを評価した。
得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
Figure 2008307821
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜8によれば、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面上に堆積する有機付着物を、本発明の主な特徴である大気圧プラズマ波またはエキシマUV波の照射により分解して除去させ、有機付着物から脱着された無機付着物を吸引装置で除去することによって、エンドレスベルト(6)の裏面(6a)、同裏面に接するバックロール(7)表面、同裏面に接するサポートロール(8)表面、同裏面に接する巻回ドラム(5)(5)表面をクリーンに保つことができ、表面平滑性の良い高品質なセルローストリアセテートフィルムを長期間にわたり安定に製造することができた。
実施例9
つぎに、上記実施例1〜8および比較例1で作製したセルローストリアセテートフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いて、以下に述べる方法に従って、本発明の偏光板を作製し、評価を行った。
1.偏光膜の作製
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光膜を得た。
2.偏光板の作製
ついで、下記工程1〜5に従って、偏光膜とセルローストリアセテートフィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
工程1:実施例1〜8および比較例1で作製した長尺のセルローストリアセテートフィルムを、2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に50℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。反射防止膜を設けた面にはあらかじめ再剥離可能なの保護フィルム(ポリエチレンテレフタレート製)を貼り付けて保護した。
同様に、市販の長尺のセルロースエステルフィルム(商品名KC4UY、コニカミノルタオプト株式会社製)を2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に50℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。
工程2:前述の長尺の偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1でアルカリ処理したセルローストリアセテートフィルムと、セルロースエステルフィルムとで挟み込んで、積層配置した。
工程4:2つの回転するローラにて20〜30N/cmの圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき気泡が入らないように注意して実施した。
工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作製した試料を、2分間乾燥処理し、偏光板を作製した。
(偏光板の評価)
市販の液晶表示パネル(NEC製カラー液晶ディスプレイ、MultiSync、LCD1525J、型名LA−1529HM)の最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた本発明の実施例1〜8のセルローストリアセテートフィルムを用いた偏光板、比較例1のセルローストリアセテートフィルムを用いた偏光板をそれぞれ貼り付けた。そして、各液晶表示パネルについて、複数の評価者で目視にて、正面および斜めから見たときの白っぽく見えるムラを観察した。得られた結果を、前記の表1にあわせて示した。
ムラの評価基準
○ どの評価者もムラ全く見えず
△ 評価者によってかすかにムラ見える場合あるが、製品としては
使えるレベル
× 多くの評価者で、かすかではあるがムラが見られた
前記の表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜〜8のセルローストリアセテートフィルムを用いた偏光板を貼り付けた液晶表示パネルは、異物による欠陥もなく、比較例1のセルローストリアセテートフィルムを用いた偏光板を貼り付けた液晶表示パネルに対し、反射光のムラもなく、表示性能に優れていることが確認された。
本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置の具体例を示すフローシートである。 本発明の光学フィルムの製造方法において使用する大気圧プラズマ装置の原理を説明するための説明図である。 本発明の光学フィルムの製造方法において使用するエキシマUV装置の原理を説明するための説明図である。
符号の説明
1:溶解釜
2:ポンプ
3:流延ダイ
4:減圧チャンバ
5,5:前後巻回ドラム
6:回転駆動エンドレスベルト
6a:エンドレスベルトの裏面
7:バックロール
8:サポートロール
9:剥離ロール
10:ウェブ(フィルム)
12:前部ロール搬送乾燥装置
14:テンター
15:後部ロール搬送乾燥装置
17:巻取り機
18:反応ガス
19:大気圧プラズマ照射装置
a:リアクタの対向電極
b:リアクタの対向電極
h:電極長
g:反応ガス
w:固体誘電体間隙
i:エアーカーテン兼ランプ装置冷却風
d:プラズマ憤射スリットからエンドレスベルト裏面までの間隙
s:製膜用エンドレスベルト
e:排気
u:エキシマUV装置のエキシマUVランプ
r:反射板
p:パージガス
q:石英ガラス

Claims (8)

  1. 溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延して流延膜(ウェブ)を形成し、溶剤の一部を蒸発させた後に、エンドレスベルトから剥離する工程を含み、回転駆動するエンドレスベルト裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. エンドレスベルト裏面に接するロールが、バックロールまたはサポートロールであることを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で製造されたことを特徴とする、光学フィルム。
  4. 請求項3に記載の光学フィルムを、少なくとも一方の面に有することを特徴とする、偏光板。
  5. 請求項4に記載の偏光板を用いることを特徴とする、表示装置。
  6. 溶液流延製膜法による光学フィルムの製造装置であって、熱可塑性樹脂及び添加剤を含む樹脂溶液(ドープ)を、回転駆動するエンドレスベルト(支持体)上に流延する流延装置と、エンドレスベルト上に形成された流延膜(ウェブ)に含まれる溶剤の一部を蒸発させた後にエンドレスベルトから剥離する剥離ロールとを具備し、回転駆動するエンドレスベルト裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に近接して、大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置が備えられ、回転駆動するエンドレスベルト裏面および/または同裏面に接するロール表面および/または同裏面に接する巻回ドラム表面に、大気圧プラズマまたはエキシマUVを照射して高エネルギー表面処理を施し、可塑剤等付着物を除去することを特徴とする、光学フィルムの製造装置。
  7. エンドレスベルト裏面に接するロールが、バックロールまたはサポートロールであることを特徴とする、請求項6に記載の光学フィルムの製造装置。
  8. 大気圧プラズマ装置またはエキシマUV装置の両側にエアカーテンが設けられ、さらにその両外側に排気装置が設けられたことを特徴とする、請求項6または7に記載の光学フィルムの製造装置。
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JP2012133208A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Tohoku Ricoh Co Ltd オゾン分解装置及び改質装置及び画像形成装置

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