JP2007035471A - 導電膜または配線の製法 - Google Patents

導電膜または配線の製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007035471A
JP2007035471A JP2005218237A JP2005218237A JP2007035471A JP 2007035471 A JP2007035471 A JP 2007035471A JP 2005218237 A JP2005218237 A JP 2005218237A JP 2005218237 A JP2005218237 A JP 2005218237A JP 2007035471 A JP2007035471 A JP 2007035471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
dispersion
oxide powder
film
conductive film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005218237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5070524B2 (ja
Inventor
Kimitaka Sato
王高 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Holdings Co Ltd filed Critical Dowa Holdings Co Ltd
Priority to JP2005218237A priority Critical patent/JP5070524B2/ja
Publication of JP2007035471A publication Critical patent/JP2007035471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5070524B2 publication Critical patent/JP5070524B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】 高分子フイルムなどの熱に弱い基板上で導電性粉末の分散液またはペーストを焼結して導体膜を形成する。
【解決手段】 導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペースト中に200nm以下の金属粒子を分散配合し,この分散液またはペーストを基板に塗布し,次いで電磁波を照射して該分散液またはペースト中の粒子を焼結する導電膜または配線の製法である。また,導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペースト中に50nm以下の金属粒子を分散配合し,この分散液またはペーストを基板に塗布し,次いで400℃以下の温度で熱処理して該分散液またはペースト中の粒子を焼結する導電膜または配線の製法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性酸化物粉による透明導電膜や配線を有利に製造する方法に関する。
Sn含有In酸化物(ITO) やSnO2などは可視光に対する透光性と高い導電性を示すことから各種表示デバイスや太陽電池等の透明酸化物導電膜として用いられている。ITO用いた透明導電膜の形成には、スパッタ法等の物理的方法や、粒子分散液または有機化合物を塗布する塗布法が知られているが、塗布法はスパッタ法等の物理的方法に比べて高価な装置を用いることなく大面積や複雑形状の成膜が可能でコスト的に有利である。このためブラウン管の電磁波シールド膜として広く用いられているが、近年ではタッチパネル、液晶ディスプレイ(LCD) 、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネセンス(EL)等の表示デバイス、太陽電池用透明電極への適用も検討されている。
また塗布型の透明電極配線は、スクリーン印刷やインクジェット法等により透明導電膜を線状に配したものであり、末端デバイスと本体電源間の電子通路に供されることが多い。このため,表面抵抗よりも体積抵抗が低いことが重要である。体積抵抗は線径、膜厚および構造が同じであれば表面抵抗と比例することになり,また、形状的には横方向に細く縦方向に長い膜が配線であるため、実用上、膜と配線とに求められる特性は同じであることから、ますます複雑化するデバイスにおいては、両者の区別も定かでは無くなってきている。
特許文献1や特許文献2において、導電性金属酸化物微粒子の塗膜や、半導体微粒子分散液の塗膜にマイクロ波を照射して粒子間の焼結を行なわせる成膜法が提案されている。マイクロ波は誘電体損失の大きいもの以外は加熱しないで被加熱物自体が直接的に同時に発熱するので比較的均一に被加熱物を加熱でき、また通常の外部加熱方式に対して基材の熱変質が無いためにフイルムに損失を与えずに対象物質を焼結できるという特徴がある。
特開2000-123658 号公報 特開2004-342319 号公報
導電性酸化物を用いた透明導電膜や配線では導電性が良いこと,すなわち低抵抗で
あることが基本的に求められている。しかし,種々の要因により,その抵抗を低域まで低下させるには導電性酸化物の種類に応じてそれぞれ限界がある。本発明はこの限界を超えて,簡易に透明導電膜や配線の抵抗を低下させることを目的としたものである。またITO粒子を焼結させるためには一般に400℃以上の加熱が必要であり、フィルム上へ塗布したITO粒子の焼結は不可能であった。本発明はこれを可能とすることも目的の一つとする。
本発明者は,導電性酸化物を使用した塗布型フィルムにおいて、金属ナノ粒子を導電性酸化物に混合して導電性酸化物同士を焼結させると,低抵抗な透明導電膜や配線が形成できることを見い出した。とくにマイクロ波を用いて焼結させる場合に,低抵抗な透明導電膜や配線が有利に得られる。
すなわち本発明によれば,導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペースト中に200nm以下の金属粒子を分散配合し,この分散液またはペーストを基板に塗布し,次いで(1) 電磁波を照射して該分散液またはペースト中の粒子を焼結するか,または(2) 400℃以下の温度で熱処理して該分散液またはペースト中の粒子を焼結する導電膜または配線の製法を提供する。前記(1) において電磁波は周波数が1GHz〜1THzのマイクロ波を使用することができる。
ができる。
前記(1) および(2) において,導電性酸化物粉は,BET法による比表面積から計算される平均粒径が1nm以上200nm以下のものが使用でき,導電性酸化物粉に対する金属粒子の割合は重量百分率で0.1%以上,好ましくは0.5wt%であるのがよいが,あまり多いと透明導電膜の本来の透明性が損なわれるので,10wt%以下,好ましくは5wt%以下であるのがよい。配線の場合の金属粒子の割合は導電膜のような上限の制限はなく例えば90wt%以下であってもよい。導電性酸化物粉はBET法による比表面積から計算される平均粒径が1nm以上200nm以下のものが好ましい。代表的な導電性酸化物粉はスズ含有インジウムであり,代表的な金属粒子は銀である。前記(2) の場合の金属粒子は50nm以下であるのがよい。基板の材質は特に限定されないが,本発明では高分子フイルムであることができる。
本発明によると,導電性酸化物粉の分散液またはペーストの焼結性が向上すると共に,低温での焼結が可能となり,しかも透明導電膜または配線の抵抗を著しく低減できる。
本発明は導電性酸化物粉の分散液またはペーストを基板に塗布して焼結するさいに,該分散液またはペースト中に金属ナノ粒子を適量配合してから,マイクロ波または400℃以下の温度で熱処理して導電性酸化物粒子同士を焼結する点に特徴がある。
本発明が適用できる導電性酸化物としては,Sn含有In23(ITO)、Zn含有In23(IZO)、F含有In23(FTO)、Sb含有SnO2(ATO)、ZnO、Al含有ZnO(AZO)、Ga含有ZnO(GZO)、CdSnO3、Cd2SnO4、TiO2、CdOなどが挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。この中で特にInもしくはSnを主体とした金属酸化物が導電性、透明性、安全性を両立する上で好ましい。これらの導電性酸化物粉の粒径はBET法による比表面積から計算される粒径で1nm以上,好ましくは10nm以上で,200nm以下のものが好ましい。粒径が10nm未満では塗料化する場合の分散が難しくなり、200nmを越えるような粒子の場合は、膜の透明性が十分ではなくなる。
このような酸化物粒子は公知の方法で製造することができ、例えば特開2000-3618 号公報に記述されているようなスパッタリング法や真空蒸着法を採用してもよく、あるいは四塩化スズ添加した三塩化インジウムの溶液を用いて気相反応を行う方法、アンモニウム炭酸塩の溶液に三塩化インジウムと四塩化スズとの混合溶液を滴下してインジウムとスズの共沈水酸化物を生成させ、これを水洗、乾燥し、さらにこの乾燥物を水素雰囲気または真空雰囲気内で加熱還元した後、粉砕する還元焼成方法等を採用することができる。また上記製法において四塩化スズに代えて二塩化スズを用いてもよく、この場合低抵抗化がより有利となる。
上記酸化物粒子を液状媒体中に分散させて分散液またはペースト状に塗料化する。塗料化の方法は従来の方法を使用することができる。液状媒体としてはアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の有機溶媒や水を使用でき、分散剤としての界面活性剤やカップリング剤等を添加してビーズミル等の分散装置を用いて分散させるのが好ましい。バインダーを用いても用いなくてもよいが、バインダーを用いる場合はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩ビ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニールアルコール樹脂等が使用できるが、これに限られない。
本発明においては,このような導電性酸化物粉の分散液またはペースト中に金属ナノ粒子を0.1wt%以上配合し,導電性酸化物粒子間に金属ナノ粒子を介在させる。この金属ナノ粒子としては,Au,Ag,CuまたはNi等が適するが,特にAgが低抵抗率、耐候性およびコストの面から望ましい。
金属ナノ粒子は,焼結をマイクロ波で行う場合には,平均粒径(DTEM)が200nm以下のものを,400℃以下の熱処理で行う場合には平均粒径(DTEM)が50nm以下のものを使用するのがよい。平均粒径DTEMはTEM(透過電子顕微鏡)観察により測定される平均粒径を表している。その測定は60万倍に拡大したTEM画像から重なっていない独立した粒子300個の径を測定して平均値を求める。
粒径が50nmを超える金属粒子ではその焼結には通常300℃以上の加熱が必要となる。通常用いられるプラスチックフィルムでは300℃を越えるような温度に耐えられない。最も耐熱性のあるポリイミド系のフィルムでも耐熱温度はせいぜい300℃〜350℃である。したがって,プラスチックフィルム上で焼結する場合には,粒径が50nm以下の金属ナノ粒子を用いると焼結温度が低下するので,400℃以下,好ましくは350℃以下,さらに好ましくは300℃以下の温度の熱処理でも焼結できる。
一方、マイクロ波を加熱源とする場合には,導電層が直接加熱される為に200nmまでの金属ナノ粒子が使用できる。マイクロ波ではプラスチックフィルムは加熱されないので,マイクロ波を加熱源とすればプラスチックフィルム上で焼結することができる。しかし、200nmを越えるような金属粒子を使用する場合には、導電性酸化物同士の焼結向上にあまり寄与せずに膜の光透過性が低下するようになるので望ましくない。
金属ナノ粒子の製法としては、気相法、液相法どちらでもかまわないが、工業的観点からは液相法が望ましい。液相法では,有機溶媒中で金属化合物を還元する方法として,還元剤として機能する有機溶媒例えばアルコールまたはポリオールを使用し、その還元反応を有機保護剤の存在下で進行させる方法によると、単分散化した金属ナノ粒子を得ることができる。
金属ナノ粒子を導電性酸化物粉の分散液またはペーストに配合するには,金属ナノ粒子を液状媒体中に分散させて塗料化してから該分散液またはペーストに配合するのがよい。この塗料化には,液状媒体としてアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の有機溶媒や水を使用し、分散剤として界面活性剤、カップリング剤等を添加してビーズミル等の分散装置で金属ナノ粒子を液状媒体中に分散させることができる。バインダーを用いる場合はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩ビ樹脂,ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を用いることができる。
このようにして得た金属ナノ粒子の塗料を前述の導電性酸化物粉の分散液またはペースト中に,導電性酸化物に対する金属ナノ粒子の割合が0.1wt%以上となるように配合し混合して,本発明に従う低温焼結性の導電性酸化物粉の分散液またはペーストを得ることができる。この分散液またはペーストを基板に塗布するには,スクリーン印刷、スピンコート,ディップコート,ロールコート,刷毛コート、スプレーコート等の処法で塗布できる。塗布層の厚みとしては0.1〜50μmの範囲であればよい。これ以上薄くなると十分な導電性が得られず、これより厚くなると透過率が低下する。好ましい塗布厚みは0.2μm以上20μm以下である。
本発明の分散液またはペーストを塗布する基板としては,有機高分子、プラスチック、ガラス等のフィルム等を挙げることが出来る。タッチパネル等のようにフレキシビリティーを要求される基板には、有機高分子フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET) 、ポリエチレンナフタレート(PEN) 、ポリイミド、アラミド等のフィルムやポリカーボネード等を用いることが出来る。
基板に分散液またはペーストを塗布したあとは,マイクロ波照射または熱照射によって分散液またはペースト中の粒子を焼結する。加熱源としてマイクロ波を用いる場合には,塗膜中の酸化物粒子を直接加熱出来る。塗膜中の金属ナノ粒子はマイクロ波を反射するが、酸化物粒子によって発生した熱エネルギーが金属ナノ粒子に伝達して溶融すると,酸化物粒子同士を接着する媒介となる。
マイクロ波としては1GHz〜1THzの周波数のものが使用可能である。マイクロ波を照射すると,プラスチックフイルム等の誘電損失の少ない物質では単に透過するだけであるが,酸化物粒子のように誘電損失の大きい物質ではマイクロ波が吸収されて熱を発生するので,導電性酸化物の塗膜を選択的に加熱する事が出来る。またマイクロ波高速応答性能を有しているので、加熱時間や出力調整によって必要な温度への制御を容易に行うことができる。最も一般的なマイクロ波の周波数は、2.45GHz(家庭用電子レンジ) もしくは28GHz(工業炉など) である。後記の実施例では2.45GHzのマイクロ波を用いたが,前記範囲の周波数を用いる場合にも同様の効果が得られる。照射投入電力は500〜1000W,照射時間は1〜10分でよいが,導電性酸化物と金属ナノ粒子の組成比によって最適照射条件が異 なる。
なおマイクロ波の照射にあたっては,照射方向に対して塗膜が基板の裏面となるようにして(アプリケータ内に設置した金属シートの上に塗膜付きの基板を塗膜面が下側となるように載せ,基板の上方から)マイクロ波を照射するのがよい。そのさい,金属シートとして多孔性の金属シート(発泡金属シート)を用いるのがよい。このようにすることにより,塗膜表面のひび割れを防止することができる。発泡金属シートとしては後記実施例では発泡Niシートを用いたが,電子伝導性が良く,放熱性に優れた材料であればこれに代えて使用できる。
マイクロ波の照射によって金属ナノ粒子配合の導電性酸化物の塗膜が焼結するメカニズムとしては,まず誘電損失の大きい酸化物粒子がマイクロ波によって加熱され、その熱が金属ナノ粒子に伝播し、融点の低い金属ナノ粒子の溶融物が酸化物粒子間に介在するようになり,この溶融物の存在により酸化物粒子間の焼結を励起するものと考えられる。
電気炉などを用いて熱照射で塗膜付き基板を加熱して塗膜の焼結を行う場合には,基板も雰囲気温度と同じ温度にさらされて加熱されることになるので、基板として高分子フイルムを用いる場合には,加熱温度は400℃が限界となる。例えば、耐熱フイルムとして使用されているポリイミド系の樹脂でも310℃が限界である。
マイクロ波照射時や熱照射時の雰囲気は大気中でも行えるが、不活性雰囲気、弱い還元雰囲気で行うことも出来る。
本発明者の経験によれば,金属ナノ粒子を配合しないで,スズ含有インジウム酸化物(ITO)だけで塗膜を作成した場合には,熱処理温度が400℃以下では粒子間焼結はみられず、抵抗値の低下も確認することはできない。しかし,スズ含有インジウム酸化物に低融点の金属ナノ粒子を添加した塗膜では400℃以下で熱処理した場合でも抵抗値の低下が確認できた。すなわち焼結が確認できた。この焼結の過程は次のように考えられる。まず、400℃以下の温度に於いて金属ナノ粒子の溶解が開始する。溶解した金属はITO粒子との接触部分にネックを形成する。ネックの表面張力によりITO粒子間の距離が縮まり、ITO粒子同士の焼結が開始される。400℃以下の温度に於いて、ITO粒子同士の焼結が生じているかは不明だが、熱処理後の抵抗減少が観られることから、焼結しているか、少なくとも金属ナノ粒子がITO粒子の距離を縮め、接着している状態が考えられる。
透明導電膜層の上部にはシリケートインク等を用いて、オーバーコート層をもうける
ことも出来る。オーバーコート層は膜強度向上、耐候性、反射低減、導電率向上などの目的で、用途に応じ用いられる。
以下に実施例を挙げるが,諸特性の測定条件を先ず説明する。
比表面積(g/m2):BET法(一点法)によって求めた。
平均粒径(nm):TEM写真中の200個の径をノギスで測定し,倍率換算してその平均値を求めた。
BET粒径(nm):下式を用いた求めた。
BET粒径(nm)=6/(ρ×BET法による比表面積)×109
ただし,ρは真比重(g/m3)である。例えばITOの場合の真比重ρは7.13×109g/m3の値を用いた。
シート抵抗:三菱化学株式会社製のLoresta HPを用いて四探針方式により測定した。
光透過率:日本電色工業株式会社製のNDH2000 を用いて全光透過率をJIS7361−1の規格に準拠した方法で測定した。
〔対照例1〕
SnO2を15%含有したITO粉末(BET粒径30nm)5gと,混合溶剤(エタノール:プロパノール=7:3)20gと,アニオン系分散剤0.25gとを,遊星ボールミル(フリッチェ製P−5型、容器容量80mL,PSZ0.3mmボール) に入れ、回転数300rpmで30分間回転させた。得られた分散液にエタノールを加えて、ITO粉末の含有量=2%,残部がエタノールおよびプロパノールからなる塗料を作製した。
この塗料を,ポリエチレンテレフタレートからなるフイルム基板に,アプリケーターを用いて塗布した。得られた塗膜の抵抗値は800Ω/ □、透明度は86%であった。
〔対照例2〕
フィルム基板上に塗料を塗布するまでは前記の対照例1と同様に行った。得られた塗膜付きのフィルム基板を電気炉に入れて200℃×1時間の熱処理を行なった。熱処理合金の塗膜の抵抗値は800Ω/ □、透明度は85%であり,対照例2のものと殆んど変化はなかった。
〔実施例1〕
まず,下記の方法で銀ナノ粒子の分散液を製造した。すなわち,溶媒兼還元剤としてイソブタノール(和光純薬株式会社製の特級)140mLに,有機保護材としてオレイルアミン(和光純薬株式会社製のMw=267)186mLと,銀化合物としての硝酸銀結晶( 関東化学株式会社製)19gと添加し、マグネットスターラーにて撹拌して硝酸銀を溶解させる。これらの溶液を還流器のついた容器に移してオイルバスに載せ、容器内に不活性ガスとしてN2を吹き込みながら、いずれも100℃の温度で還流を行った後,108℃迄温度を上げて再び還流し、反応を終了した。
反応後のスラリーを遠心分離器を用いて3000rpmで30分間の固液分離を実施したあと,その上澄みを廃棄した。得られた沈殿物にエタノールを加え、超音波分散で分散させた。この操作を三回繰り返し、沈殿物を得た。この沈殿物にケロシンを40mL添加し、超音波分散器にかけた。この銀粒子とケロシンの混濁液を遠心分離器を用いて3000rpmで30分間の固液分離を実施し,その上澄み液を回収した。この上澄み液は平均粒径10nmの銀粒子の分散液であった。
得られた銀ナノ粒子の分散液と,対照例1で用いたITO粉末とをケロシンに分散させて,銀含有量が0.1wt%(実施例1−1),1wt%(実施例1−2),5wt%(実施例1−3,または10wt%(実施例1−4)となるように混合して,複合分散溶液を作製した。この複合分散溶液から塗料を作製し,得られた塗料をポリエチレンテレフタレートからなるフイルム基板に,アプリケーターを用いて塗布して塗膜を作製した。
家庭用電子レンジ(2.45GHz)のトレイの上に発泡Niシートを置き,この発泡Niシートに塗膜面が接するように,塗膜面を下にしてフイルム基板をセットし,マイクロ波を300秒間照射した。得られた各導電膜の膜抵抗と光透過率を測定し,その結果を表1に示した。
〔実施例2〕
実施例1と同様の液相法で,平均粒径が10nm,50nm,100nmおよび200nmの銀粒子の分散液を製造し,これらの分散液と対照例1で用いたITO粉末とを,いずれも銀含有量が0.1wt%となる量でケロシンに分散させて,銀粒子の平均粒径10nm(実施例2−1),50nm(実施例2−2),100nm(実施例2−3)および200nm(実施例2−4)の4種の複合分散液を作製し,これらの複合分散液から塗料を作製し,実施例1と同様の条件でマイクロ波を照射した。得られた各導電膜の膜抵抗と光透過率を測定し,その結果を表1に示した。
〔実施例3〕
使用したITO粉末のBET粒径が8nmのもの(実施例3−1)と,84nmのもの(実施例3−2)であった以外は,実施例1−2を繰り返した。得られた各導電膜の膜抵抗と光透過率を測定し,その結果を表1に示した。
〔実施例4〕
マイクロ波加熱に代えて,200℃×1時間の電気炉加熱を行なった以外は,実施例2−1と,実施例2−2を繰り返した。得られた各導電膜の膜抵抗と光透過率を測定し,その結果を表1に示した。
Figure 2007035471
表1に見られるように,銀ナノ粒子を配合したITO塗膜はマイクロ波加熱によって膜抵抗が大幅に低下することがわかる。また,銀ナノ粒子を配合しないITO塗膜は200℃加熱で膜抵抗が低下しないのに対し,銀ナノ粒子を配合したITO塗膜は200℃加熱で膜抵抗が低下することがわかる。

Claims (12)

  1. 導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペースト中に200nm以下の金属粒子を分散配合し,この分散液またはペーストを基板に塗布し,次いで電磁波を照射して該分散液またはペースト中の粒子を焼結する導電膜または配線の製法。
  2. 電磁波は周波数が1GHz〜1THzのマイクロ波である請求項1に記載の導電膜または配線の製法。
  3. 導電性酸化物粉は,BET法による比表面積から計算される平均粒径が1nm以上200nm以下である請求項1または2に記載の導電膜または配線の製法。
  4. 導電性酸化物粉に対する金属粒子の割合は重量百分率で0.1%以上である請求項1,2または3に記載の導電膜または配線の製法。
  5. 導電性酸化物粉はスズ含有インジウムであり,金属粒子は銀である請求項1〜4のいずれかに記載の導電膜または配線の製法。
  6. 導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペースト中に50nm以下の金属粒子を分散配合し,この分散液またはペーストを基板に塗布し,次いで400℃以下の温度で熱処理して該分散液またはペースト中の粒子を焼結する導電膜または配線の製法。
  7. 導電性酸化物粉は,BET法による比表面積から計算される平均粒径が1nm以上200nm以下である請求項6に記載の導電膜または配線の製法。
  8. 導電性酸化物粉に対する金属粒子の割合は重量百分率で0.1%以上である請求項6または7に記載の導電膜または配線の製法。
  9. 導電性酸化物粉はスズ含有インジウムであり,金属粒子は銀である請求項6〜8のいずれかに記載の導電膜または配線の製法。
  10. 基板が高分子フイルムである請求項1または9のいずれかに記載の導電膜または配線の製法。
  11. 導電性酸化物粉を液状媒体に分散させた分散液またはペーストにおいて、200nm以下の金属粒子を該導電性酸化物粉に対して0.1重量%以上配合したことを特徴とする分散液またはペースト。
  12. 導電性酸化物粉はスズ含有インジウムであり,金属粒子は銀である請求項11に記載の分散液またはペースト。
JP2005218237A 2005-07-28 2005-07-28 導電膜の製法 Expired - Fee Related JP5070524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218237A JP5070524B2 (ja) 2005-07-28 2005-07-28 導電膜の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005218237A JP5070524B2 (ja) 2005-07-28 2005-07-28 導電膜の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007035471A true JP2007035471A (ja) 2007-02-08
JP5070524B2 JP5070524B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=37794470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005218237A Expired - Fee Related JP5070524B2 (ja) 2005-07-28 2005-07-28 導電膜の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5070524B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007280910A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Ind Technol Res Inst 金属ナノ粒子を含むアルミニウム添加亜鉛酸化物透明導電膜とその製造方法
JP2008218243A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 透明導電性基板の製造方法及び透明導電性基板
JP2009051675A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp 導電性セラミックス焼結体の製造法
JP2009051676A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp 導電性セラミックス焼結体の製造方法
JP2009051674A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp セラミックスの製造方法
JP2010528428A (ja) * 2007-05-18 2010-08-19 アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド 金属インク
WO2010106920A1 (ja) * 2009-03-18 2010-09-23 コニカミノルタホールディングス株式会社 薄膜トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタ
JP2012028136A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Showa Denko Kk 導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法
WO2012115165A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 東京エレクトロン株式会社 膜形成方法および膜形成装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09286936A (ja) * 1996-04-22 1997-11-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電膜形成用塗布液、これを用いた透明導電膜及びその形成方法
JP2000123658A (ja) * 1998-10-09 2000-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜
JP2003151362A (ja) * 2001-08-31 2003-05-23 Toppan Printing Co Ltd 導電膜および導電膜の製造方法
JP2004203941A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 透明導電膜形成用塗料と透明導電膜及びその製造方法並びにそれを備えた表示装置
JP2005141981A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Bridgestone Corp 結晶性ito膜、ito膜の結晶化方法、透明導電性フィルム、タッチパネル及び色素増感型太陽電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09286936A (ja) * 1996-04-22 1997-11-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透明導電膜形成用塗布液、これを用いた透明導電膜及びその形成方法
JP2000123658A (ja) * 1998-10-09 2000-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 透明導電膜の製造方法及び透明導電膜
JP2003151362A (ja) * 2001-08-31 2003-05-23 Toppan Printing Co Ltd 導電膜および導電膜の製造方法
JP2004203941A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 透明導電膜形成用塗料と透明導電膜及びその製造方法並びにそれを備えた表示装置
JP2005141981A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Bridgestone Corp 結晶性ito膜、ito膜の結晶化方法、透明導電性フィルム、タッチパネル及び色素増感型太陽電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007280910A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Ind Technol Res Inst 金属ナノ粒子を含むアルミニウム添加亜鉛酸化物透明導電膜とその製造方法
JP2008218243A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 透明導電性基板の製造方法及び透明導電性基板
JP2010528428A (ja) * 2007-05-18 2010-08-19 アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド 金属インク
JP2009051675A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp 導電性セラミックス焼結体の製造法
JP2009051676A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp 導電性セラミックス焼結体の製造方法
JP2009051674A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Tosoh Corp セラミックスの製造方法
WO2010106920A1 (ja) * 2009-03-18 2010-09-23 コニカミノルタホールディングス株式会社 薄膜トランジスタの製造方法及び薄膜トランジスタ
JP2012028136A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Showa Denko Kk 導電膜形成用導電粒子分散物、プリント配線板の製造方法及び導電膜形成方法
WO2012115165A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 東京エレクトロン株式会社 膜形成方法および膜形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5070524B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5070524B2 (ja) 導電膜の製法
TWI485070B (zh) 透明導電膜
JP6767723B2 (ja) 酸化物薄膜及び該薄膜を製造するためのスパッタリングターゲット用酸化物焼結体
JP4756163B2 (ja) 複合粒子粉の分散液及びペースト並びにこれに用いる銀粒子粉の製造法
JP2007314364A (ja) 酸化物焼結体、ターゲット、及びそれを用いて得られる酸化物透明導電膜ならびにその製造方法
CN104021838B (zh) 一种聚噻吩/混合价金属氧化物协同导电浆料及其制备方法
TW201345713A (zh) 具可撓性的透明電極及其製造方法
JP2012054222A (ja) 伝導性ペースト及びその製造方法
JP5290826B2 (ja) 多孔質銅焼結膜の製造方法、及び多孔質銅焼結膜
JP5924481B2 (ja) 銀微粒子の製造法及び該銀微粒子の製造法によって得られた銀微粒子並びに該銀微粒子を含有する導電性ペースト
JP5405935B2 (ja) 透明導電性シート
CN107025952A (zh) 电导体、其制造方法、和包括其的电子器件
Chen et al. Facile preparation of high conductive silver electrodes by dip-coating followed by quick sintering
JP2006009120A (ja) 金属微粒子分散体
JP2007027487A (ja) 導電膜または配線の形成法
JP5247078B2 (ja) 酸化インジウム微粒子分散体
JP4793537B2 (ja) 可視光透過型粒子分散導電体、導電性粒子、可視光透過型導電物品、およびその製造方法
JP2002226966A (ja) 透明電極膜及び同電極膜を形成するためのスパッタリングターゲット
JP2010146995A (ja) 透明導電性シートの製造方法
JP2008115024A (ja) 導電性酸化物粉体及び導電性酸化物粉体の製造方法
JP2012106880A (ja) 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法
JP2012106879A (ja) 酸化亜鉛系透明導電膜形成材料、その製造方法、それを用いたターゲット、および酸化亜鉛系透明導電膜の形成方法
JP2010146757A (ja) 透明導電性シートの製造方法
JP2010186642A (ja) 透明導電性シート及びその製造方法
JP4251448B2 (ja) アルミニウム置換スズ含有酸化インジウム粒子とその製造方法、ならびに該粒子を用いた導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5070524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees