JP5247078B2 - 酸化インジウム微粒子分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電膜を構成する材料として適用可能な酸化インジウム微粒子分散体、それを構成する酸化インジウム、およびそれらの製造方法に関するものである。
透明導電膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイのようなフラットディスプレイの表示電極や太陽電池用透明導電電極、あるいは熱線反射ガラス、電磁波防止膜などの用途に広く利用されている。なかでも、Snをドープした酸化インジウム(ITO)膜は、その高導電性、透明性から多くの用途に利用されている。その製造方法は、スパッタ−法などの気相法により製膜されることが一般的だが、高真空装置が必須であり、製造には多大な設備投資を要する。さらに、真空設備の維持にも過大なコストが必要となる。特に、液晶ディスプレイの表示電極のような大面積が必要とされる用途においては、その設備投資、維持費は莫大となる問題がある。
また、液晶ディスプレイの表示電極のように、電極にパターン形成が必要となる場合が多いが、スパッタ−法による製膜では、製膜効率が低く、ITOの無駄が多い。さらにパターン形成をするためには、フォトリソグラフィーを利用したエッチング工程が必須であるが、このエッチング工程では、電極パターン形成に伴い、不要なITOは利用されず除去されることになる。近年、インジウム資源の枯渇が問題となっており、このような製膜方法は希少な資源の浪費になっている(非特許文献1)。このような問題の解決策の一つとして、ITO微粒子の分散物を直接基材に塗布し、膜を得る方法が提案されている。この方法によれば、真空設備は必要でなく、かつ、直接パターン描画が可能であるため、ITOの無駄が減り、資源の節約という点でも好ましい(非特許文献2、3)。そのため、ITO微粒子を合成し、その分散物から、透明導電性膜を得る方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、ITO微粒子で製膜した場合、導電経路は粒子間接触によるために、スパッタ膜のような均一膜と比べ、導電性が劣る問題があった。それを解決するために、球状ITO微粒子による充填性を高め、導電性を向上させる方法が提案されている(特許文献2)。しかしながら、この方法によっても導電経路が粒子間接触である限りは、その導電面積を大きくすることに限界があり、低抵抗の膜を得るまでには至っていない。さらに、ITO微粒子分散体の分散が不十分であるために、50nm程度の薄膜にしないと、十分な透過率が得られない問題があった。
また、ITO粒子径をナノメーターレベルまで下げ、粒子径減少による融点降下を利用し、粒子を融合させ、高機能膜を得る方法が提案されている(特許文献3、4)。この場合、インジウムのカルボン酸塩をセルソルブ系、あるいはアルコール系溶媒中で加熱還流し、その後、加圧下で加熱することによりITOの微粒子分散体を得ている。また、サイコロ状や多面体の酸化インジウム微粒子についての提案がなされている(特許文献5、6)。
しかしながら、特許文献3、4に記載の方法では、低温で焼結することができないという課題がある。さらに、ITO分散体の分散が不十分で、凝集が起きているために、得られた膜の透過率が低いという課題がある。
また、特許文献5、6に記載の方法によると、立方体形状の酸化インジウム微粒子によって融点低下が達成されているものの、その後の本願発明者等の検討により、立方体の1辺の長さが30〜80nmでは仮に加熱を施しても、低温での焼結化が不十分であるという課題が確認されている。
特開平6−232586号公報 特開2003−261326号公報 特開2004−123418号公報 特開2006−96636号公報 特開平6−232586号公報 特開昭64−87519号公報 NEDO 平成17年度成果報告書 「廃棄物資源の再資源化・集積化のためのグローバルモデル構築に関する先導調査」40頁 Appl.Phys.,A81,1363-1368(2005) Mol.Cryst.Liq.Cryst.,417,105-114(2004)
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温でも焼結可能でかつ、透明で導電性の高い透明導電膜を形成することのできる酸化インジウム微粒子および、その製造方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の大きさを有する立方体形状の単結晶の酸化インジウム微粒子が、低い焼結温度を有すること、さらに、その微粒子からなる透明導電膜が良好な導電性を有することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
1.透明導電膜を形成するための酸化インジウム微粒子分散体であって、
スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、バナジウムのいずれかから選ばれる少なくとも一種以上の金属成分がドープされており、かつ、一辺の長さが1nm〜20nmである立方体形状からなる単結晶酸化インジウム微粒子からなる質量平均粒子径が50nm以下の二次凝集体が多価アルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒中に固形分濃度5〜90wt%で分散されていることを特徴とする透明導電膜形成用酸化インジウム微粒子分散体。
2.透明導電膜を形成するための酸化インジウム微粒子の製造方法であって、
スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、バナジウムのいずれかから選ばれる少なくとも一種以上の金属成分がドープされており、かつ、一辺の長さが1nm〜20nmである立方体形状からなる透明導電膜形成用単結晶酸化インジウム微粒子の製造方法であって、インジウムβ−ジケトン錯体と水とを、水のモル比/インジウムのβ−ジケトン錯体のモル比(=Mw)が1.5以上、4.5以下の範囲で、炭素原子数2乃至5の一価アルコール溶媒の存在の下、加圧下、200〜300℃の温度で加熱することを特徴とする酸化インジウム微粒子の製造方法。
3.インジウムβ−ジケトン錯体と水とを、水のモル比/インジウムのβ−ジケトン錯体のモル比(=Mw)が1.5以上、4.5以下の範囲で、炭素原子数2乃至5の一価アルコール溶媒の存在の下、加圧下、200〜300℃の温度で加熱する工程、引き続き、反応系内に多価アルコール系溶媒を加えた後、減圧濃縮する工程、さらに、再分散する工程とからなることを特徴とする上記1に記載の分散体の製造方法。
4.上記1に記載の酸化インジウム微粒子分散体を、基材上に塗布し、乾燥、加熱により焼結させて透明導電膜を製造する方法。
本発明に係る酸化インジウム微粒子分散体は、低温でも焼結可能であり、かつ、成膜後の抵抗が低く透過率が高いので、透明導電膜材料として非常に優れる。
本発明について、以下具体的に説明する。
(酸化インジウム微粒子)
本発明に用いる酸化インジウム微粒子は、個々の粒子が一辺の長さが1nm〜20nmである立方体形状の単結晶であることを特徴としている。
粒子が単結晶の立方体形状であるために、球体の場合よりも粒子径の減少による融点降下が大きくなると推察される。
ここで、本発明における立方体形状であるとは、実質的に立方体形状を有するものも含むものとする。例えば、1辺の長さが実質的に等しい正六面体や、該正六面体における頂点の角や、稜線の角がとれた粒子も含むものとする。より具体的には、粒子内の1辺の長さが互いに、±20%以内である粒子や、頂点の角部、稜線の角部が、所定の曲率半径で丸くなった粒子も含むものとする。そして、所定の曲率半径とは、角部を構成する辺の平均長さの、20%以内の長さを指すものとする。
ところで、立方体形状の粒子が球体形状の粒子に徴して融点が低くなる理由については明確には証明されていないが、本願発明者等は以下に説明する熱力学的な考え方より立方体形状の粒子のほうが球体形状の粒子に徴して融点が低くなると推察している。
半径rの固体球粒子がその粒子の融点Tにおいて周囲の液体と熱平衡状態にある時の固体球の表面がdw molだけ融解したとする。いま、Pを外圧、△Vを1molの固体と液体との容積差、△U、△Sをそれぞれ1mol当たりの固・液両相間の内部エネルギーおよびエントロピー差とした時、Gibbsの自由エネルギー変化△Gは、下記式(1)で与えられる。
△G=(△U−T△S+P△V)dw+δsl・dA=0 式(1)
σslは固・液界面の単位面積当たりの界面エネルギー、dAはdw molの融解による固・液界面の面積変化量である。この界面エネルギーの変化量σsl・dAは、粒径が大きい場合には第一項に比べて十分小さいため無視できるので、粒径によって固液界面の状態は変化しない。
一方、粒径が十分に大きい時の融点Tにおいて1mol当たりの融解熱Lは、L=△U+P△Vであり、粒径が大きい時には右辺第二項が小さいので、その時のTがTであることから、
(T−T)/T=δsl/L・dA/dw
球体では、
(T−T)/T=δsl/L・2M/ρs・1/r 式(2)
式(2)より融点降下は、粒子径に反比例することがわかる。式(2)において、ρsは固相の密度、Mは分子量を各々示す。
ここで、形状が立方体になった場合、同様につぎのようになる。
(T−Tc)/T=δsl/L・2M/ρs・1/r’ 式(3)
(r’:立方体1辺の長さの1/2)
ここで、同じ体積の球径と立方体1辺の長さを比較すると
r=1.241r’ 式(4)
が得られ、立方体融点降下/球体融点降下=1.241となる。
上記の理論を酸化インジウムに適用すると、酸化インジウムの融点は、1565℃であり、微粒子による融点降下で、球体における焼結点が仮に425℃になった場合、立方体での焼結点は150℃まで降下することになる。
特に、立方体形状による融点降下は、式(4)から、一辺の長さが小さくなればなるほど球体との差が大きくなり、より立方体形状の融点降下が大きくなるので、基材に透明導電性被膜を設ける際の一般的な温度範囲である150〜600℃に適用しやすくなる。
また、立方体形状の粒子が溶融すると、粒子はその表面積を最小にしようとするため、1辺の長さの、1.24倍の直径の球に近づくようになる。そのため、焼結粒子間に圧縮応力が働き、さらに粒子間接合が強くなり導電性が向上すると考えられる。
また、立方体形状の粒子が接合する場合、その稜や頂点で接触するよりも、面で接触する確率が高くなり、それだけ、粒子間電導面積が増えることになり抵抗の低下が見込まれる。この点も立体形状粒子の利点である。
立方体の一辺の長さは1nm〜20nmの必要があり、好ましくは、2nm〜15nmである。20nmを超えると融点降下は少なくなり、15nm以下であると焼結点が500℃以下となり好ましい。また、粒子径が1nmより小さくなりすぎると、導電性向上のためにドープする金属が粒子内に存在しない確率が増える。仮に、Snを1mol%ドープした場合、Sn原子の密度は、1辺が1.48nmの立方体に1つの割合と計算されるからである。ドープ金属が存在しない粒子は、導電性向上の障害となり好ましくなく、2nm以上であるとより好ましい。
本発明における単結晶とは、結晶のどの場所をとっても同じ結晶方位をもっており、それを構成している原子・分子が空間的に規則正しい配列になっているものをいう。これは透過型高分解能電子顕微鏡において、一方向の格子縞しか観察されないことから検証できる。本発明における酸化インジウム微粒子は、酸化インジウムを主成分として含有していることを特徴としている。ここで主成分とは、酸化インジウムの含有量が50wt%を超えることを言う。
本発明の酸化インジウム微粒子は、スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウムのいずれかから選ばれる少なくとも一種以上の金属成分がドープされていると、導電性が向上し好ましい。ドープされる金属成分としては、スズ、亜鉛がより好ましい。
ドープ成分の含有量は、全金属成分に対し、1mol%以上〜20mol%の範囲であり、好ましくは、3mol%〜15mol%の範囲である。ドープ量が少なすぎると、導電性が向上せず、ドープ量が多すぎると、逆に導電性を低下させる傾向がある。
本発明の酸化インジウム微粒子は、微粒子の集合体である導電性粉体として使用可能である。また、溶媒中に分散させたインクとしての形態、インクを基材に塗布し、製膜・乾燥させた透明導電性被膜のいずれの形態にも適用可能である。
本発明の酸化インジウム微粒子であれば、焼結温度を低くできるため、透明導電性被膜の形態において、製膜温度を600℃以下に低くでき、450℃以下であると、基材にガラスを用いた場合、その熱歪みを抑えることができ好ましく、250℃以下であると、さらに熱歪みを抑制できるだけでなく、基材に有機樹脂材料を使用できるので特に好ましい。
(酸化インジウム微粒子の製造方法)
本発明の酸化インジウム微粒子の製造方法について、つぎに述べる。インジウムは、炭素原子数2乃至5の一価アルコールに200℃〜300℃の温度範囲で溶解させて製造する必要がある。そのため、本発明では、β−ジケトン錯体を用いることで溶解性を達成した。そして、インジウムのβ−ジケトン錯体を用いると、特異的に本発明の一辺が1nm〜20nmの立方体形状の単結晶が得られる。
インジウムβ−ジケトン錯体とは、β−ジケトンキレート化合物を有するインジウム化合物である。β−ジケトンを例示すると、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジベンゾイルメタン、トリフルオロアセチルアセトンなどである。
インジウムβ−ジケトン錯体としては、例えば、インジウムトリスアセチルアセトナト、インジウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)などを用いることができる。β−ジケトン錯体であると、後述する加熱工程で本発明の立方体形状の酸化インジウム微粒子が生成し、かつ、副生成物のβ−ジケトンが、酸化インジウム微粒子の分散剤として働き、本発明の酸化インジウム微粒子を得られやすくなる。そのため、さらに分散剤を別添加する必要がなく、酸化インジウム微粒子の分散体を基材に塗布し、焼成する際、容易に溜去できるので好ましい。
本発明の酸化インジウム微粒子の製造方法において、インジウムのβ−ジケトン錯体に対して、所定量の水が必要である。インジウムのβ−ジケトン錯体と水とのモル比(水のモル比/インジウムのβ−ジケトン錯体のモル比=Mw)は、1.5以上、4.5以下の範囲であると好ましい。Mwが1.5を下回ると、酸化物が生成せず、金属粒子が生じ易くなり、好ましくなく、Mwが4.5を上回ると、InOOHやIn(OH)などのインジウム含水酸化物が生じやすくまた好ましくない。Mwが1.6以上3.0以下の範囲であると、1辺が10nm以下の立方体形状の酸化インジウム微粒子が得られやすくなるのでさらに好ましい。
本発明の酸化インジウム微粒子の製造方法に使用される溶媒は、炭素原子数2乃至5の一価アルコール溶媒である。
具体的には、未置換のアルキルアルコール、アルケニルアルコール、シクロアルキルアルコールであり、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノールなどが挙げられる。この中で、特に、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2ジメチル−1−プロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、を用いることが好ましい。
炭素原子数が2を下回ると、InOOHやIn(OH)などのインジウム含水酸化物が生じやすくなり、好ましくなく、さらに後述する加熱工程において、超臨界状態になりやすくなり、生成する酸化物微粒子が凝集しやすくなる。また、炭素原子数が5を上回ると、溶媒の沸点が高くなるために、減圧濃縮をし難くなる問題があり、生産効率の点から炭素原子数は2乃至5が好ましい。
また、二価以上のアルコールを使用した場合においても、InOOHやIn(OH)などのインジウム含水酸化物が生じやすくなり、さらに、立方体形状が得にくくなるため好ましくない。炭素原子数が2を下回ったアルコールや二価以上のアルコールにおいて、インジウム含水酸化物が生じやすくなる理由は不明だが、溶媒の親水性が上がるために、反応途中の水が粒子表面から脱離しにくくなることや反応開始時の溶媒脱水が不十分になりやすくなることが理由として挙げられる。
尚、一価アルコール溶媒は、事前に脱水すること、あるいは、溶媒中の水分を測定しておくと、Mwを規定できるので好ましい。
上記した原料のインジウムのβ−ジケトン錯体、水、一価アルコール溶媒を耐圧加熱容器に入れ、加熱する。さらに、原料としてスズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウムのいずれかから選ばれる、少なくとも一種の金属成分を加えれば、金属成分がドープされた酸化インジウム微粒子を得ることができる。
本発明では、ドープされた金属成分の含有量は、全金属成分に対し、1mol%以上、20mol%以下の範囲であり、好ましくは、3mol%以上、15mol%以下の範囲である。ドープされる金属においては、例えば、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコキシド、β−ジケトン錯体などを用いることができる。なかでも、有機酸塩、アルコキシド、β−ジケトン錯体であると、分散体を基材に塗布し焼成する際、副生成物を容易に溜去できるので好ましい。ドープされる金属のうち、スズに関しては、加熱工程において酸化されるので、2価の原料を使用することも可能である。
インジウムのβ−ジケトン錯体は、加熱反応時において溶媒中に溶解すればよいので、常温、常圧で溶解している必要はない。加熱時の圧力は、用いる溶媒の種類と加熱温度により適宜決められる。本発明の製造方法の加熱工程においては、超臨界状態にならないことが好ましい。超臨界状態となると、生成する酸化物微粒子が凝集しやすくなる。しかし、一方加熱温度が高いと、粒子が小さくなりやすく、反応時間も少なくて済む。そのため、加圧下、加熱する温度は、200〜300℃の範囲が好ましい。200℃を下回ると、酸化物生成反応自体が進行せず、300℃を超えると、超臨界状態になりやすい問題がある。220〜280℃であると一次粒子粒径が単分散の立方体形状の単結晶が得られるのでさらに好ましい。
反応時間に到達するまでの昇温時間は、短いと一次粒子粒径が単分散で形状が小さい粒子になりやすく、5分〜2時間の範囲で昇温すると好ましい。5分を下回ると、装置上の加熱装置が過大となるため、生産効率上好ましくなく、2時間を上回ると、粒子が粗大になりやすい問題がある。また、加熱温度を保持する時間は、10分〜2時間の範囲が好ましい。10分を下回ると、反応が充分に完了せず問題がある。2時間を上回っても酸化インジウム微粒子の粒形、大きさが変わることはないが、反応が完了した後の加熱は生産効率上好ましくなく、溶媒、加圧容器の密封シールの変質を招くので、生産管理上も好ましくない。
加圧容器の形態は臨界状態に達することなく、加熱できれば特に制限されるものではなく、密閉式、バッチ式のマイクロボンベ、オートクレーブ、あるいは、連続式で反応液を流通させながら、加熱、加圧する方式などが挙げられる。
インジウムのβ−ジケトン錯体の溶媒に対する量は、特に制限されないが、0.01mol/l以上、0.5mol/l以下の範囲が好ましい。0.01mol/lを下回ると、得られる酸化物微粒子の量が少なく、後の濃縮工程における溶媒の無駄が増え、生産効率上好ましくなく、0.5mol/lを上回ると、粒子が粗大となりやすい。特に0.05mol/l以上、0.2mol/l以下の範囲であると、一次粒子粒径が単分散した酸化インジウム微粒子を得られやすく好ましい。
上記のように、加熱後の分散体には、すでに本発明の立方体形状の酸化インジウム微粒子が生成しており、この分散体から酸化インジウム微粒子を分離すること、あるいは、後述するようにこの分散体から減圧濃縮工程、さらに分散工程を経ることで、より安定した酸化インジウム微粒子分散体を得ることもできる。
尚、酸化インジウム微粒子の分離方法としては種々の方法が挙げられるが、例えば、加熱後の溶液にアミンを添加し、酸化インジウム微粒子を凝集、分離させたのち乾燥させることで、本発明の酸化インジウム微粒子が得られる。添加するアミンとしては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンが挙げられる。具体的には、ブチルアミン、プロピルアミン、ピリジンなどである。分離する方法としては、固液を分離できれば特に限定されるものではなく、ろ過、遠心分離などが挙げられる。
(酸化インジウム微粒子分散体)
上記の酸化インジウム微粒子の製造方法で得られる微粒子は、粒子径が小さいために、アミンを用いることなく一般的な手法で固形分として取り出すと、非常に大きな二次粒子径を有する二次凝集物を生じさせてしまう。そのため、後述する成膜に用いるためには、微粒子状態のまま製膜に用いることが好ましい。本発明においては、上記固形物を再度分散する方法もあるが、微粒子製造後、固形物として取り出すことはせず、分散状態のまま成膜に用いることが好ましいので以下に説明する。
本発明の酸化インジウム微粒子の分散体は、上記微粒子を分散媒に分散することで、酸化インジウム微粒子分散体とすることができる。
酸化インジウム微粒子分散体は、酸化インジウム微粒子が、多価アルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒に分散し、該酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径が50nm以下であり、固形分濃度が5〜90wt%であることが好ましい。
分散媒としては、二次凝集体の平均粒子径を50nm以下、10nm以上として均一に分散させることが可能なものであることが必要であり、液状の多価アルコール系溶媒が、その沸点が適度に高いため、揮発しにくく、印刷製に優れるので好ましく用いられる。さらに、酸化インジウム微粒子の分散性がよく二次凝集体の平均粒子径を50nm以下にしやすいため好ましい。
本発明に用いられる、多価アルコール系溶媒とは、単位分子中に水酸基を2個以上有する多価アルコールとその部分エーテル化合物を言う。多価アルコールを例示すると、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、13−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール等を挙げることができる。
さらに、多価アルコール部分エーテル化合物とは、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどを挙げることができる。これらの多価アルコール系溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の酸化インジウム微粒子分散体においては、二次凝集体の質量平均粒子径は50nm以下である必要がある。二次凝集体の質量平均粒子径が50nmを超えると、透明導電膜付き基材とした場合、可視光の散乱により透明性が著しく低下する。さらに、原理的に、50nm以下の膜厚を得ることが難しくなり、50nmの膜厚にすることが多い、液晶ディスプレイ用表示電極への適用が困難となる。二次凝集体の質量平均粒子径が30nm以下であると透明性、薄膜化の点で好ましく、20nm以下であると、さらに好ましい。
ところで、二次凝集せず、一次粒子のみが分散している分散体は一見好ましいように思われるが、分散性を維持するために粒子表面にオレイン酸、エチルヘキサン酸などの分散剤を多量に吸着させる必要があり、そのため、透明導電膜付き基材とした場合、粒子表面の分散剤が脱離しにくく、さらに脱離した場合は、分散剤の量だけ膜やせすることとなり膜亀裂、膜表面凹凸などを生じさせやすくなることになり好ましくない。
透明導電膜付き基材を作成するための酸化インジウム微粒子分散体としては、適度な大きさの二次凝集体(二次凝集体の質量平均粒子径は50nm以下、10nm以上)を含み、攪拌、超音波分散などにより容易に分散した状態が好ましい。
本発明の酸化インジウム微粒子分散体における固形分濃度は、5〜90wt%である必要がある。5wt%を下回ると、塗布後の溶媒蒸散による膜収縮が大きくなるために、面内収縮応力が増加し、透明導電膜に亀裂を生じさせやすくなる。亀裂が生じない場合でも面内応力が残り、基材にPETなどの透明プラスチックを使用した場合に透明導電膜付き基材が反ることになり好ましくない。90wt%を超えると、体積濃度が60wt%を超え、粒子間間隙が狭くなるために凝集しやすくなり好ましくない。例えば、1辺が5nmの立方体粒子の場合、90wt%で粒子間空隙が1nmよりも狭くなり、それだけ凝集しやすくなる。
(酸化インジウム分散体の製造方法)
本発明の酸化インジウム微粒子分散体の製造方法について、つぎに述べる。
前述の酸化インジウム微粒子を製造する工程で得られた、加圧加熱後の溶液の状態では、粒子同士は凝集しやすく、分散体から得られる透明導電性被膜の透過性が不十分であるため減圧濃縮工程、さらに分散工程をおこなうことが好ましい。この際、減圧濃縮する工程の前に、得られた溶液にβ−ジケトンを加え分散すると、この後工程の減圧濃縮工程において必要以上に凝集しにくくなるので好ましい。β−ジケトンを例示すると、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジベンゾイルメタン、トリフルオロアセチルアセトンなどである。加熱後添加されるβ−ジケトンは、原料として使用されるインジウムβ−ジケトン錯体を構成するβ−ジケトンと同一である必要はない。
分散の方法としては、一般的に固体粒子を液体に分散させる方法であれば、特に限定されるものではなく、超音波分散、マイクロビーズミル、攪拌、高速回転せん断分散、高圧噴射分散などが挙げられる。本発明の酸化インジウム微粒子分散体の製造方法においては、減圧濃縮後の酸化インジウム微粒子の凝集性は強くなく、粒子の立方体形状を破壊するまでの強い分散力は必要ない。得られる分散体への異物の混入がなく、工業的に簡便であるので超音波分散が好ましい方法として挙げられる。
本発明の酸化インジウム微粒子の分散体の製造方法においては、反応溶液に多価アルコール系溶媒を加え、減圧濃縮する。減圧濃縮の過程で、反応溶媒の一価アルコール、β−ジケトンを多価アルコールで置換する。そのため、多価アルコール系溶媒の蒸気圧は、反応溶媒の一価アルコール、β−ジケトンよりも低いことが好ましい。蒸気圧の差により、減圧濃縮後の分散体では多価アルコール径溶媒が有機溶媒の主成分となる。
減圧濃縮の方法としては、反応溶媒である一価アルコール溶媒、副生成物のβ−ジケトンが蒸散し、分散体の有機溶媒が多価アルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒にすることができれば、特に限定されるものではなく、多価アルコール系溶媒を加えた溶液をそのまま、減圧、加熱して濃縮する方法でも良いし、薄膜濃縮機などで連続的に濃縮してもよい。加える多価アルコール系溶媒の量と減圧濃縮により、得られる酸化インジウム微粒子分散体の固形分濃度を調整することができる。
上記のようにして得た減圧濃縮後の溶液に分散処理を施し、本発明の酸化インジウム微粒子分散体を得る。この場合の分散方法としても、一般的に固体粒子を液体に分散させる方法であれば、特に限定されるものではなく、超音波分散、マイクロビーズミル、攪拌、高速回転せん断分散、高圧噴射分散などが挙げられ、超音波分散が好ましい方法である。
(透明導電性被膜の製造方法)
本発明の酸化インジウム微粒子は、透明導電性被膜の原材料として用いることができる。また、本発明の酸化インジウム微粒子を原材料とする透明性導電膜を基材上に設けると、透明導電性被膜付き基材となる。透明導電性被膜付き基材は、例えば、フラットディスプレイの透明表示電極、太陽電池用透明導電電極、透明帯電防止膜、熱線反射ガラス、透明電磁波防止膜、透明面発熱体、透明ガスセンサー電極、電子ペーパー用表示電極、タッチパネル用透明電極、有機EL用透明電極、無機EL用透明電極などに使用することができる。
透明導電性被膜付き基材に用いる基材としては、材質、形状に特に限定されるものではなく、ガラス、セラミックなどの無機材料、およびアクリル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの有機樹脂材料が使用でき、フィルム、シートあるいはその他の成型体などを用いることができる。基材として、透明性を有していると、透明導電性被膜の特徴である透明性の利点を活用できるので好ましく、例えば、ガラス基材、アクリル基材、ポリイミド基材、PET、セルロースエステル類、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、メタクリル樹脂などを用いることができる。基材の形状としては、透明導電性被膜を設けることができれば特に限定されるものではないが、フィルム、シートなどの平面形状であると、フラットディスプレイの表示電極、太陽電池用透明導電電極などに適用しやすいので好ましい。
本発明において製造する透明導電被膜を構成するのは、透明導電酸化物である酸化インジウム微粒子である。酸化インジウム微粒子は成膜後の結晶径が光の波長よりも短いために、可視光に対する透過性に優れている。透過率としては、波長550nmにおいて、80%を上回ると透明電極としての用途に広く適用でき好ましく、85%を上回るとフラットディスプレイの表示電極においては輝度が向上し、太陽電池用透明電極においては、光利用効率が向上するため好ましい。
また、透明導電性被膜は、その電気抵抗が低いことが好ましく、30Ω/□〜3000Ω/□の範囲であると好ましい。30/□〜200Ω/□であると、フラットディスプレイの表示電極、太陽電池用透明電極として適用でき、1000Ω/□〜3000Ω/□であるとタッチパネル用電極、熱線反射ガラス用被膜として適用でき好ましい。
本発明の透明導電性被膜には、被膜の透明性を損ねない範囲で導電性フィラーを混入させ、導電性を向上させることができる。ここで、導電性フィラーとは、カーボンナノチューブ、金属ナノチューブ、金属ナノ粒子をいい、直径が本発明の酸化インジウム微粒子と同程度であると可視光範囲の散乱が少なく好ましく、2nm〜20nmであると好ましい。カーボンナノチューブ、金属ナノチューブの場合は、その長さと直径の比であるアスペクト比が大きいと、少ない添加量で導電性フィラーによる導電パスが形成されやすくなり好ましい。アスペクト比は、10〜1000であることが好ましい。
導電性被膜への導電性フィラーの混入方法は特に限定されるものではなく、導電性被膜を構成する微粒子分散体にあらかじめ混入する方法、導電性被膜を形成した後、さらに、導電性フィラー分散体を塗布する方法などが挙げられる。
透明導電性被膜は、上記した酸化インジウム微粒子の分散体を上記の分散体を基材上に塗布し、乾燥、焼成することで作成することができる。
酸化インジウム微粒子分散体を塗布する方法は、所定の厚さの被膜を均一に形成できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、スピンコート法、インクジェット法、オフセット印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ナノコンタクトプリント法などを使用できる。さらに、これらの方法を二つ以上組み合わせた方法も可能である。塗布回数も特に限定されるものではなく、一度塗りでも、数回の重ね塗りでもよい。
分散体を基材上に上記に例示した塗布方法で塗布した後、乾燥、焼成させる。乾燥方法としては、基材上に塗布した酸化インジウム微粒子分散体から、酸化物成分以外の溶媒成分を除去できれば特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、大気中での放置、加熱などが挙げられる。
さらに、後述する焼成工程と兼ねることも可能である。酸化インジウム微粒子分散体を塗布、乾燥した基材を、酸化インジウム微粒子が焼結するに充分な温度で加熱処理し、基材上に透明導電被膜を形成させる。焼結に要する温度は、酸化インジウム微粒子の、立方体一辺の長さに依存し、1辺の長さが小さければそれだけ低い温度で充分であり、150℃〜600℃が好ましく、さらに好ましくは、200℃〜500℃である。また、本発明の酸化インジウム微粒子は、その大きさと形状によりこのような低温において焼結が可能である。焼成温度の上限は、塗布する基材の軟化点より低い温度の耐熱許容温度であることが好ましい。
焼成雰囲気は、本発明の酸化インジウム微粒子が焼結できれば、特に限定されるものではなく、酸化性雰囲気、不活性雰囲気、還元性雰囲気、真空雰囲気などが挙げられる。酸化性雰囲気とは、通常の大気雰囲気など、酸素などの酸化性ガスを10vol%以上含む雰囲気をいう。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンや窒素などの不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素などの還元性ガスが存在する雰囲気を指す。これらのガスは、焼成炉中に充填して密封して焼成しても良いし、あるいは、焼成炉を流通系にしてこれらのガスを流しながらでも良い。大気雰囲気以外で焼成する場合には、焼成炉を一旦真空とした後、該当する雰囲気ガスで置換することが好ましい。
また、これらの雰囲気いずれも同様の効果があるのではなく、酸化性雰囲気ならば、酸化インジウム微粒子内の格子酸素原子が減らず、粒子表面に残存した有機分を酸化消失させる効果がある。一方、還元性雰囲気であれば、逆に酸化インジウム微粒子内の格子酸素原子が還元され、酸素欠陥を生じさせやすい効果がある。不活性雰囲気、真空雰囲気では、還元雰囲気よりも酸素欠損を生じさせる効果が穏やかである。
これら雰囲気を変えた焼成は、いずれか一つの一段階でも良いし、2つ以上を組み合わせた2段階以上の工程でもよい。酸化雰囲気で有機分を酸化消失させた後、それ以外の雰囲気で焼成すると酸素欠損が生じ、それにより電気伝導キャリアが発生し電気伝導性の向上があるので好ましい。
次に本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では、酸化インジウム微粒子の形状、大きさ、単結晶の確認は、透過型電子顕微鏡HF−2000(日立製作所株式会社製)を用いて観察測定し、被測定物の粒径測定に最も適した倍率で撮影した。各々の写真から、一番多数存在すると思われる一次粒子を3点選択し、その一辺の大きさを測定し、粒径辺長さとする。これらの値の平均値を酸化物微粒子の大きさとした。得られた粒子が酸化インジウム微粒子であることは、X線回折装置RINT−2500(株式会社リガク製)を用いて、回折パターンが立方晶の酸化インジウムと一致することで確認した。
透明導電性被膜付き基材の表面観察は、走査型電子顕微鏡S−5500(日立製作所株式会社製)を用いて行なった。
透明導電性被膜の厚さは、サーフェイスプロファイラAlpha−Step IQ(KLA−Tencor社製)で測定し、透過率は、分光光度計UV−2200A(島津製作所株式会社製)でおこなった。導電率は、4端子法でおこない、低抵抗率計ロレスターGP(三菱化学株式会社製)で測定した。
酸化インジウム微粒子の分散媒への分散は、超音波分散機(ソニックス アンド マテリアルズ社製)を用い、20分間行なった。分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は、レーザーゼーター電位計ELS−8000(大塚電子株式会社製)を用い測定した。
[実施例1]
50ml容量のSUS製加圧容器に脱水した1−プロパノール20ml、インジウムトリスアセチルアセトナト(アルドリッチ製)0.412g(1mmol)、アセチルアセトナトスズ(II)(和光純薬工業株式会社製)0.0165g(0.052mmol)、水30mgをいれ、密閉し攪拌しながら1時間で250℃に加圧加熱した。1時間攪拌しながら250℃で保持した後除冷し、青色半濁の分散体を得た。分散質は、1辺の長さが10nm立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶の単結晶酸化インジウムであった。
個々の微粒子は、図1に示すように(200)面に由来する結晶格子縞のみが観察され、結晶転移はなく、単結晶であると確認された。次に、分散体にアセチルアセトン1mlを加え、超音波分散を20分処理した後、エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を0.8ml加え、60℃で減圧蒸留した。ついで20分間超音波分散処理し、固形分濃度10wt%で、濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は、30nmであった。
[実施例2]
1−プロパノールの換わりに、1−ブタノールを使用した以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺5.9nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、固形分濃度10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。二次凝集体の質量平均粒子径は15nmであった。
[実施例3]
1−プロパノールの換わりに、1−ペンタノールを使用した以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺4.5nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、固形分濃度10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は14nmであった。
[実施例4]
アセチルアセトナトスズ(II)を0.0032g(0.010mmol)とした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた淡青色半濁の分散質は、1辺6nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、10wt%の淡青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は11nmであった。
[実施例5]
アセチルアセトナトスズ(II)を0.0558g(0.176mmol)とした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた緑青色半濁の分散質は、1辺10nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、10wt%の濃緑青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は22nmであった。
[実施例6]
加圧加熱温度を230℃とした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた黄青色半濁の分散質は、1辺15nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は40nmであった。
[実施例7]
加圧加熱温度を300℃とした以外は、実施例3と同様の方法で分散体を作成した。得られた黄青色半濁の分散質は、1辺4nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は11nmであった。
[実施例8]
加圧加熱保持時間を6時間とした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺11nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、固形分濃度10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は28nmであった。
[実施例9]
水を57mgとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺11nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、固形分濃度10wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は29nmであった。
[実施例10]
1−プロパノールの換わりにエタノールを使用した以外は、実施例6と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺6nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、13wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は27nmであった。
[実施例11]
加圧加熱温度を220℃とした以外は、実施例10と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺8nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶単結晶の酸化インジウムであった。減圧蒸留後超音波分散し、12wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は29nmであった。
[実施例12]
インジウムトリスアセチルアセトナトを1.236g(3mmol)、アセチルアセトナトスズ(II)を0.0495g(0.156mmol)、水を125mgとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色半濁の分散質は、1辺6nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方体単結晶の酸化インジウムであった。分散体にアセチルアセトン3mlを加え、超音波分散を20分処理した後、エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を1.2ml加え、60℃で減圧蒸留し、ついで超音波分散処理を20分間行い、固形分濃度20wt%の濃青色透明の濃縮分散体を得た。濃縮分散体中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は17nmであった。
[実施例13]
実施例12で得られた濃縮分散体を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、400℃の温度で1時間空気加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜は図2に示すように焼結が進んでいる。酸化インジウムの融点は1565℃であり、それを考慮すると本発明の酸化インジウムがその立体形状、大きさにより易焼結性であることがわかる。
[実施例14]
実施例12で得られた濃縮分散体を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、500℃で1時間空気加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜の膜厚は、276nmであった。塗膜の波長550nmにおける透過率は97%で面積抵抗は、2200Ω/□であった。
[実施例15]
実施例12で得られた濃縮分散体を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、500℃で1時間空気加熱処理し、さらに500℃で1時間窒素中加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜の膜厚は、270nmであった。塗膜の波長550nmにおける透過率は96%で面積抵抗は、140Ω/□であった。
[実施例16]
実施例12で得られた濃縮分散体を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、500℃の温度で1時間空気加熱処理し、さらに280℃で1時間水素ガス中加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜の膜厚は、275nmであった。塗膜の波長550nmにおける透過率は97%で面積抵抗は、110Ω/□であった。
[実施例17]
実施例12で得られた濃縮分散体を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、250℃で1時間空気加熱処理し、さらに280℃で1時間水素ガス中加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜の膜厚は、275nmであった。塗膜の波長550nmにおける透過率は94%で面積抵抗は560Ω/□であった。
[比較例1]
インジウムトリスアセチルアセトナトに換えて、酢酸インジウム(和光純薬工業株式会社製)0.2920g、アセチルアセトナトスズ(II)の代わりに酢酸スズ(IV)(和光純薬工業株式会社製)0.01845gを使った以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた青色白濁の分散質は、立方体で立方晶の酸化インジウムであったが、1辺の長さが43nmの粒子で構成されていた。
さらに、上記の方法によって得られた分散体を、10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。110℃で乾燥した後、400℃の温度で1時間空気加熱処理した。ガラス基板上の透明被膜は、実施例13に比べ焼成が進んでいなかった。本比較例で得られた酸化インジウムは、立方体ではあるが、一辺の長さが長いことから、400℃という低温では焼結が進まないことがわかる。
[比較例2]
加圧加熱温度を190℃とした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた淡黄色液体中には、ほとんど酸化インジウムは含まれておらず、反応が進行していなかった。
[比較例3]
原料の水を24mgとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。黒色半濁の分散体が得られ、粒子は金属Inと酸化インジウムの混合物であった。
[比較例4]
1−プロパノールに換えて、エチレングリコールとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた白濁の分散体中には、水酸化インジウムのみ含まれていた。
[比較例5]
1−プロパノールに換えて、1,3−ブタンジオールとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた白濁の分散体中の粒子は、インジウム水酸化物(In(OH)、InOOH)の混合物であった。
[比較例6]
1−プロパノールに換えて、2−エトキシエタノールとした以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた淡黄色の分散体中には、ほとんど酸化インジウムは含まれておらず、反応が進行していなかった。
[比較例7]
エタノールに換えて、メタノールとした以外は、実施例10と同様の方法で分散体を作成した。得られた黄白色の分散体中の粒子は、インジウム水酸化物(In(OH)、InOOH)の混合物であった。
[比較例8]
減圧濃縮前にエチレングリコールを加えない以外は、実施例1と同様の方法で分散体を作成した。得られた固形分濃度10wt%の淡青白色の分散体は、凝集・ゲル化し、酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は1μm以上であった。
本発明の酸化インジウム微粒子の透過型電子顕微鏡写真である 本発明の酸化インジウム微粒子の濃縮分散体を製膜後、加熱して得た、本発明の透明導電性被膜付き基材の操作型電子顕微鏡写真である。
本発明の酸化インジウム微粒子と分散体によれば、低コストでインジウム資源を節約可能であるインク塗布方法において、300℃以下の低温でも低抵抗で高透過率の透明導電被膜付き基材を提供することができる点で有用である。具体的には、フラットディスプレイの透明表示電極、太陽電池用透明導電電極、透明帯電防止膜、熱線反射ガラス、透明電磁波防止膜、透明面発熱体、透明ガスセンサー電極、電子ペーパー用表示電極、タッチパネル用透明電極、有機EL用透明電極、無機EL用透明電極等に使用される透明導電膜の分野に適用できる。

Claims (4)

  1. 透明導電膜を形成するための酸化インジウム微粒子分散体であって、
    スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、バナジウムのいずれかから選ばれる少なくとも一種以上の金属成分がドープされており、かつ、一辺の長さが1nm〜20nmである立方体形状からなる単結晶酸化インジウム微粒子からなる質量平均粒子径が50nm以下の二次凝集体が多価アルコール系溶媒を主成分とする有機溶媒中に固形分濃度5〜90wt%で分散されていることを特徴とする透明導電膜形成用酸化インジウム微粒子分散体。
  2. 透明導電膜を形成するための酸化インジウム微粒子の製造方法であって、
    スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、バナジウムのいずれかから選ばれる少なくとも一種以上の金属成分がドープされており、かつ、一辺の長さが1nm〜20nmである立方体形状からなる透明導電膜形成用単結晶酸化インジウム微粒子の製造方法であって、インジウムβ−ジケトン錯体と水とを、水のモル比/インジウムのβ−ジケトン錯体のモル比(=Mw)が1.5以上、4.5以下の範囲で、炭素原子数2乃至5の一価アルコール溶媒の存在の下、加圧下、200〜300℃の温度で加熱することを特徴とする酸化インジウム微粒子の製造方法。
  3. インジウムβ−ジケトン錯体と水とを、水のモル比/インジウムのβ−ジケトン錯体のモル比(=Mw)が1.5以上、4.5以下の範囲で、炭素原子数2乃至5の一価アルコール溶媒の存在の下、加圧下、200〜300℃の温度で加熱する工程、引き続き、反応系内に多価アルコール系溶媒を加えた後、減圧濃縮する工程、さらに、再分散する工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の分散体の製造方法。
  4. 請求項1に記載の酸化インジウム微粒子分散体を、基材上に塗布し、乾燥、加熱により焼結させて透明導電膜を製造する方法。
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