JP5288601B2 - 透明導電膜の形成方法 - Google Patents

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本発明は、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、電界放電ディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、電子ペーパーなどの画像表示装置用透明電極、タッチパネル用透明電極、太陽電池用透明導電電極などに用いられる透明導電薄膜の製造方法に関する。
透明導電膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイのようなフラットディスプレイの表示電極、太陽電池用透明導電電極、熱線反射ガラス、電磁波防止膜などの用途に広く利用されている。なかでも、Snをドープした酸化インジウム(ITO)膜、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)膜、インジウムをドープした酸化亜鉛膜などの透明導電酸化物(TCO)は、その高導電性及び透明性から多くの用途に利用されている。その製造方法は、一般にスパッタ−法、蒸着法などの気相法により製膜されるが、気相法には、高真空装置が必須であり、多大な設備投資を要する。さらに、真空設備の維持にも過大なコストが必要となる。特に、液晶ディスプレイの表示電極のような大面積が必要とされる用途においては、その設備投資、維持費は莫大となる。
また、液晶ディスプレイの表示電極のように、電極にパターン形成が必要となる場合が多いが、スパッタ−法や蒸着法による製膜では、製膜効率が低く、酸化物原料の無駄が多い。さらにパターン形成をするためには、フォトリソグラフィーを利用したエッチング工程が必須であるが、このエッチング工程では、電極パターン形成に伴い、不要な酸化物は利用されず除去されることになる。特に近年、インジウム資源の枯渇が問題となっており、このような製膜方法は希少な資源の浪費になっている(非特許文献1参照)。
前記した問題の解決策のとして、TCO微粒子の分散物を直接基材に塗布し、膜を得る方法が提案されている。この方法によれば、真空設備は必要でなく、かつ、直接パターン描画が可能であるため、TCO原料の無駄が減り、資源の節約という点でも好ましい(特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。しかしながら、TCO微粒子で製膜した場合、導電経路は粒子間接触によるために、スパッタ膜のような均一膜と比べ、導電性が劣るという問題があった。
そこで、それを解決するために、TCO微粒子で構成された膜を加熱し、粒子間を焼結により結合させる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、実質的に400℃以上の高温が必要であり、透明導電膜を構成する基板に対して熱的損傷を及ぼす虞がある。
これらの方法に代えて、TCO微粒子で構成された膜に紫外線レーザーを照射し、室温付近で膜中のバインダー成分や分散剤などの有機物を除去する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。また、室温付近で酸素欠損型金属酸化物を酸化性雰囲気で紫外線レーザーを照射して、高導電性の透明導電膜を得る提案もされている(特許文献5参照)。さらに、基材にTCO酸化物粒子をパターニングし、室温付近において窒素雰囲気下で紫外線レーザーによりTCO酸化物粒子を焼成させる方法も提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、特許文献3、4に記載の方法では、膜中のバインダー成分や分散剤などの有機物を除去するのみであり、導電経路が粒子間接触であることに変わりがなく、導電性が改善されないという課題がある。
特許文献5に記載の方法では、用いられるTCO酸化物は、事実上表面が酸化物を構成する金属成分で被覆された粒子であり、レーザー照射時に、この金属部分が酸化物になることで、透明性と導電性を発現している。しかしながら、本法では、微粒子還元処理の際に900℃の高温加熱工程を行なうため、ナノ粒子の焼結反応が進行し、コーティング用ナノ粒子の粒度分布が生じるという問題がある。コーティング膜の粒子経や粒度分布が大きい場合には、粒子間の接合部分の導電性が悪くなり、結果として、膜全体の導電性が改善されないという問題もある。
特許文献6に記載の方法によれば、塗布後、レーザーによる焼成により導電性が向上するとされているが、透明導電膜の導電性は10−2Ωcmオーダーで充分でなく、その後の本願発明者等の検討により、特許文献6に記載の方法では、透明導電膜を形成している酸化物粒子の焼成が不十分であり、ほとんど焼結はしていないということが確認されている。
特開平6−232586号公報 特開平7−242842号公報 特開平11−276992号公報 特開2006−164800号公報 特開2006−049107号公報 特開2004−055363号公報 NEDO 平成17年度成果報告書 「廃棄物資源の再資源化・集積化のためのグローバルモデル構築に関する先導調査」40頁 Appl.Phys.,A81,1363−136(2005) Mol.Cryst.Liq.Cryst.,417,105−114(2004)
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温での熱処理をせずに、室温付近で基板上に透明で導電性の高い透明導電膜を形成する方法、及び該方法で製造された透明導電膜に関するものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、例えば、特定の大きさと形状を有する単結晶の酸化インジウム微粒子に、特定の照射方法により紫外線パルスレーザー光を照射し得られた透明導電膜が、予想外に良好な導電性を有することを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、具体的には、以下の[1]〜[10]である:
[1]In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物粒子を含有する第1の層を少なくとも有する酸化物透明導電膜であって、該第1の層を構成する酸化物粒子は、直径50nm以上200nm未満の酸化物大粒子と、該酸化物大粒子の全表面積の2〜30%を覆う量の直径5nm以上10nm未満の酸化物微小粒子とから構成される多結晶膜であることを特徴とする前記透明導電膜。
[2]In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子を含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後、25〜250℃の温度に保持した状態で、紫外線ランプを照射後又は紫外線ランプを照射せずに、非酸化性雰囲気下、紫外線パルスレーザー光を照射して該第1の層を形成する、前記[1]に記載の透明導電膜の製造方法。
[3]該分散液中に含有される酸化物微粒子が、一辺の長さが1nm以上20nm未満の立方体形状の単結晶の酸化インジウム微粒子を主成分とする、前記[2]に記載の方法。
[4]該酸化物微粒子は、酸化インジウム微粒子に、スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、ガリウム、フッ素、塩素、及び臭素の内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属成分がドープされているものである、前記[4]に記載の方法。
[5]前記紫外線パルスレーザー光の照射が走査照射である、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]紫外線ランプの照射が行われる場合、当該紫外線ランプの照射と該紫外線パルスレーザー光の照射がともに多段照射である、前記[2]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]該紫外線パルスレーザー光の照射が異なるエネルギーのパルスレーザーの多段照射である、前記[6]に記載の方法。
[8]該紫外線パルスレーザー照射後、さらに加熱処理を施す、前記[2]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物粒子であって該酸化物粒子の直径が10nm以上50nm未満の酸化物中粒子を含有する第2の層の上に、前記第1の層が積層されている、前記[1]に記載の透明導電膜。
[10]以下のステップ:
In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子を含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後25〜250℃の温度に保持した状態で、非酸化性雰囲気下、紫外線ランプを照射し、引き続き、紫外線パルスレーザー光を照射して該第2の層を形成し;そして
得られた第2の層上に、In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子を含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後、25〜250℃の温度に保持した状態で、紫外線ランプを照射せずに、非酸化性雰囲気下、紫外線パルスレーザー光を照射して該第1の層を形成する、
を含む、前記[9]に記載の透明導電膜の製造方法。
本発明に係る透明導電膜は、抵抗が低く透過率が高く優れた透明導電膜である。さらに本発明に係る透明導電膜の製造方法によれば、高温の熱処理を行なうことなく、20〜250℃の範囲の温度、特に200℃以下でも製膜可能であるので、生産効率の高いという顕著な効果が奏される。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明に係る透明導電膜は、In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる少なくとも一種類以上の金属の酸化物を含有する酸化物導電膜であり、さらに、これらの金属元素に別の群から選ばれる1種又は2種以上の金属元素がドープされていると導電性が向上するので好ましい。前記ドープされる元素としては、酸化インジウムにドープされる元素として、スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、ガリウム、フッ素、塩素、及び臭素からなる群から選択されるものが好ましく、酸化スズにドープされる元素としては、アンチモン、フッ素、モリブデン、リン、及び窒素から成る群から選択されることものが好ましく、そして酸化亜鉛にドープされる元素としては、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、スズ、インジウム、イットリウム、スカンジウム、フッ素、バナジウム、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、イリジウム、レニウム、及びセリウムから成る群から選択されるものが好ましい。
ドープ成分の含有量は、前記金属成分に対し、1mol%以上20mol%以下の範囲であり、好ましくは、3mol%〜15mol%の範囲である。ドープ量が少なすぎると導電性が向上せず、ドープ量が多すぎると逆に導電性を低下させる傾向がある。
さらに本発明に係る透明導電膜においては、該酸化物透明導電膜が直径50nm以上200nm未満の前記金属酸化物を含有する酸化物大粒子と、該酸化物大粒子の全表面積の2%以上30%以下を覆う直径5nm以上10nm未満の微小粒子とから構成されている多結晶膜であることができる。
本発明に係る透明導電膜における酸化物大粒子とは、膜を構成する結晶粒子一体化した膜構造をなした結晶粒界間を指し、本発明における多結晶膜とは、酸化物結晶粒同士が最密充填し粒界で連結している状態を指す。
本発明に係る透明導電膜においては、結晶粒同士が最密充填した粒界で連結しているために、結晶粒間の導電面積が大きく良好な導電性を発現できる。酸化物大粒子の直径が50nmを下回ると、電子移動の障壁である結晶粒界の数が飛躍的に増加して導電性が低下するため好ましくなく、200nmを上回ると、結晶大粒子の大きさを維持するために透明導電膜の膜厚を厚くする必要が生じるので好ましくない。さらに、結晶大粒子表面に直径5nm以上10nm未満の酸化物微小粒子があると、導電性がさらに増加するので好ましい。ここで、酸化物微小粒子とは、上記した結晶大粒子と一体化した突起状の構造を指し、その組成は結晶大粒子と本質的に同じ組成である。酸化物微小粒子は結晶大粒子の全表面の2%〜30%の範囲で覆っていると好ましい。2%を下回ると導電性が低下するので好ましくなく、30%を上回ると、表面散乱により導電膜の透過率が低下するので好ましくない。
上記の透明導電膜を第1の層とすると、該第1の層は、透明導電膜を設ける基材側に直径10nm以上50nm未満の前記金属の酸化物を含有する酸化物中粒子で構成された透明導電膜層(第2の層)上に形成されると、さらに導電性が向上し、基材との密着性も増加するので好ましい。
ここで酸化物中粒子とは、積層する第1の層と同じ組成の酸化物である。
この基材側に形成される第2の層の透明導電膜層においては、多結晶膜である必要はなく、結晶粒同士が細密充填していない多孔質状態でもよいが、粒子同士は粒界により連結している状態である。さらに酸化物中粒子の直径が10nmを下回ると基材との密着性が低下するので好ましくなく、50nmを上回ると、前記した多結晶膜との密着性が低下するので好ましくない。
上記した本発明に係る透明導電膜の形態は、電子顕微鏡により観察することができる。
以下、本発明に係る透明導電膜の製造方法について述べる。
本発明で使用する酸化物微粒子は、In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる少なくとも一種類以上の金属元素を含む酸化物微粒子である。さらにこれらの金属元素に別の群から選ばれる1種又は2種以上の金属元素がドープされていると導電性が向上し好ましい。前記ドープされる元素としては、酸化インジウムにドープされる元素として、スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、ガリウム、フッ素、塩素、及び臭素から成る群から選択されるものが好ましく、酸化スズにドープされる元素として、アンチモン、フッ素、モリブデン、リン、及び窒素から成る群から選択されるものが好ましく、そして酸化亜鉛にドープされる元素として、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、スズ、インジウム、イットリウム、スカンジウム、フッ素、バナジウム、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アンチモン、イリジウム、レニウム、及びセリウムから成る群から選択されるものが好ましい。
ドープ成分の含有量は、前記金属成分に対し、1mol%以上〜20mol%の範囲であり、好ましくは、3mol%〜15mol%の範囲である。ドープ量が少なすぎると、導電性が向上せず、ドープ量が多すぎると、逆に導電性を低下させる傾向がある。
これら酸化物微粒子を溶媒に分散させた分散液を基板に塗布する。使用する溶媒としては、酸化物微粒子が分散するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどの一価アルコール類、エチレングリコールなどの二価アルコール類とその部分エーテル化合物であるエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテルなどのセルソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトンなどのβ−ジケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジルなどのエステル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N、N−ジメチルホルムアミド、などのアミド類、N−メチルピロリドンなどの含窒素有機溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
酸化物微粒子を溶媒に分散させる方法としては、一般的に固体粒子を液体に分散させる方法であれば、特に限定されるものではなく、超音波分散、マイクロビーズミル、攪拌、高速回転せん断分散、高圧噴射分散などが挙げられる。
本発明における酸化物微粒子の分散液においては、二次凝集体の質量平均粒子径は50nm以下であると好ましい。二次凝集体の質量平均粒子径が50nmを超えると、基材に塗布し透明導電膜とした場合、可視光の散乱により透明性が著しく低下する。さらに、原理的に50nm以下の膜厚を得ることが難しくなり、50nmの膜厚にすることが多い液晶ディスプレイ用表示電極への適用が困難となる。二次凝集体の質量平均粒子径が30nm以下であると透明性、薄膜化の点で好ましく、20nm以下であるとさらに好ましい。
ところで、二次凝集せず、一次粒子のみが分散している分散液は一見好ましいように思われるが、分散性を維持するために粒子表面にオレイン酸、エチルヘキサン酸などの分散剤を大量に吸着させる必要があり、そのため、基材に塗布し透明導電膜とした場合、粒子表面の分散剤が脱離しにくく、さらに脱離した場合は、分散剤の量だけ膜やせすることとなり膜亀裂、膜表面凹凸などを生じさせやすくなり好ましくない。
本発明における酸化物微粒子を含有する分散液における固形分濃度は、1〜90wt%であると好ましい。1wt%を下回ると、塗布後の溶媒蒸散による膜収縮が大きくなるために、面内収縮応力が増加し、透明導電膜に亀裂を生じさせやすくなる。亀裂が生じない場合でも面内応力が残り、基材にPETなどの透明プラスチックを使用した場合に透明導電膜が形成された基材が反ることになり好ましくない。90wt%を超えると、酸化物微粒子の体積濃度が60wt%を超え、粒子間間隙が狭くなるために凝集しやすくなり好ましくない。
本発明の透明導電膜の製造方法に用いられる基材としては、材質、形状に特に限定されるものではなく、シリコン、化合物半導体、石英、無アルカリガラス、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、ランタンアルミネート(LaAlO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ランタンストロンチウムタンタルアルミニウム((LaSr1−x)(AlTa1−x)O)、ネオジウムガレート(NdGaO)、イットリウムアルミネート(YAlO)酸化アルミニウム(Al)、イットリア安定化ジルコニア((Zr、Y)O、YSZ)、金属基板などの無機材料、及びアクリル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの有機樹脂材料が使用でき、フィルム、シートあるいはその他の成型体などを用いることができる。基材として、透明性を有していると透明導電膜の特徴である高透過性の利点を活用できるので好ましく、例えば、ガラス基材、アクリル基材、ポリイミド基材、PET、セルロースエステル類、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、メタクリル樹脂などを用いることができる。基材の形状としては、透明導電膜を塗布できることができれば特に限定されるものではないが、フィルム、シートなどの平面形状であると、フラットディスプレイの表示電極、太陽電池用透明導電電極などに適用しやすいので好ましい。
酸化物微粒子を含有する分散液を基材上に塗布し、乾燥後、紫外線を照射して透明導電膜を得る。乾燥方法としては基材上に塗布した酸化物微粒子分散液から、酸化物成分以外の溶媒分を除去できれば特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、大気中での放置、加熱などが挙げられる。
さらに後述する紫外線照射工程と兼ねることも可能である。本発明に係る透明導電膜の製造方法において非酸化性雰囲気下で紫外線を照射する前に、酸化性雰囲気下で紫外線を照射することで、基材上に塗布した酸化物微粒子分散液から、酸化物成分以外の溶媒分を除去できる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、酸化物微粒子の分散液を基材に塗布する方法は、所定の厚さの塗布膜を均一に形成できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、スピンコート法、インクジェット法、オフセット印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、ナノコンタクトプリント法などを使用できる。さらに、これらの方法を二つ以上組み合わせた方法も可能である。塗布回数も特に限定されるものではなく、一度塗りでもよいが、厚み方向に均質な透明導電膜を得られるので、数回の重ね塗りが好ましい。
酸化物微粒子の分散液を基材に塗布する際にパターニング操作も併せておこなうことができる。上記した印刷塗布時にパターニングすることも可能であり、均一塗布膜とした後の紫外線照射時にパターニングすることも可能である。本発明の透明導電膜の製造方法によれば、基材上に塗布された酸化物微粒子は焼結し融着する。そのため、均一塗布膜にマスクを通して紫外線を照射した後、溶媒を用いて現像処理をすると、非照射部分のみが選択的に溶媒により除去され、照射部分のみが残り、マスクに忠実なパターンニングが可能となる。現像処理に用いられる溶媒としては、前記した酸化物微粒子を分散させた溶媒の他、例えば、水、メチルアミン、ジメチルアミンなどのアミン、クロロホルム、四塩化炭素などの脂肪族ハロゲン化炭化水素、モノクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、酸やアルカリ溶液などが挙げられる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法においては、25〜250℃の温度に保持し、上記酸化物微粒子に非酸化性雰囲気下で紫外線を照射する。好ましい温度の上限としては、150℃以下であると、基材にPETなどのポリエステル系の汎用透明樹脂を使用でき好ましい。好ましい温度の下限としては、25℃室温程度であれば問題なく、さらなる冷却は、過大な設備を要することになり好ましくなく、30℃以上であれば、本発明に係る透明導電膜の製造方法で発生する僅かな熱を制御でき好ましい。本発明に係る透明導電膜の製造方法によれば、基材の温度を上げることなく、基材上に塗布された酸化物微粒子が焼結し融着する。その結果、単なる粒子接触に比べ、粒子間の電気伝導面積が飛躍的に増加するので抵抗が大幅に低下する。さらに、粒子は各々が単結晶で結晶性が高いため、焼結、融着した部分も単結晶同士の粒界で構成されることとなり、従来技術において見られる、接触部で導電性が低下するという問題も生じない。さらに、焼結、融着時に基材との密着性が飛躍的に向上するため、透明導電膜をディスプレイなどの製品に適用した場合、製造工程及び使用時における耐久性が向上する等の利点もある。
基材の温度が上昇せず酸化物微粒子のみが焼結、融着する理由は明らかでなく、特定の理論により拘束されるものではないが、本発明者らは、以下のメカニズムによるものと推察している。
本発明に使用される透明導電性酸化物は、400nm〜800nmの波長の可視光では透過率が高いが、400nm以下の紫外線の吸収率が高い傾向がある。吸収された紫外線は熱エネルギーとなるが、50〜150nm程度の厚さの透明導電膜に比べ、1000倍以上の数mmの厚さを有する基材の熱容量が非常に大きいために、透明導電膜から基材への放熱量が多くなり、結果として基材と一体化した透明導電膜の温度はほとんど上昇しない。しかし、透明導電膜が酸化物微粒子で構成されていると、熱伝導は粒子間接触面積に比例し、その面積は非常に小さいために、発生した熱量は、粒子内に蓄積されやすくなる。そのため、個々の粒子の温度が微視的に上昇し、ついには、粒子の焼結点に達すると推察される。基材の熱容量と放熱量が酸化物微粒子の発生熱量よりも非常に大きいために、巨視的には、基材を含めた透明導電膜の温度上昇としては観察されない。
焼結点に達した粒子が融着すると、伝熱面積が飛躍的に増加するために基材への放熱量が増え、紫外線吸収による透明導電膜の熱上昇は抑制され、ついには低下する。つまり、酸化物微粒子のみの温度が、焼結・融着するまでの間上昇することとなる。このようなメカニズムにより基板材料の温度上昇なく室温付近で、酸化物微粒子が焼結するものと推察され、透明導電膜の導電性が向上するものと考えられる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、25〜250℃の温度に保持する方法は、基材を含めた透明導電膜を保持できれば特に制限されるものではなく、その方法として、冷却、加熱のいずれも選択できる。冷却の方法としては、例えば、基材を保持している面を25〜50℃に保持できるよう冷媒を循環させる冷却装置や冷気を基材表面に当て冷却する空冷などが挙げられる。加熱の方法として、例えば、基材を保持している面をヒーターなどで加熱する方法、赤外線やマイクロ波などの電磁波を照射し基材表面を加熱する方法などが挙げられる。あるいは特に冷却も加熱もせず室温に放置するのみでも、前述のように基材を含めた透明導電膜全体の温度は上昇しない。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において使用されうる非酸化性雰囲気とは、通常の大気雰囲気などの、酸素などの酸化性ガスを10vol%以上含む酸化性雰囲気以外の雰囲気を意味し、不活性雰囲気、還元性雰囲気、真空雰囲気などが挙げられる。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオンや窒素などの不活性ガスで満たされた雰囲気であり、なかでも窒素雰囲気が簡便で安価であるため好ましい。また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素などの還元性ガスが存在する雰囲気を指し、水素ガスが比較的取り扱いが簡便であるため好ましい。これら不活性雰囲気と還元性雰囲気は各々単体、あるいは混合して使用することもできる。窒素などの不活性雰囲気中に、水素などの還元性雰囲気を1〜50vol%の濃度で混合すると、得られる透明導電膜の導電性、透過率を制御できるので好ましい。
本発明に用いる酸化インジウム微粒子は、好ましくは、個々の粒子が一辺の長さが1nm以上20nm未満であり立方体形状の単結晶である。
粒子が単結晶の立方体形状であると、球体の場合よりも粒子径の減少による融点降下が大きくなると推察される。
ここで、立方体形状とは、実質的に立方体形状を有するものも含むものとする。例えば、一辺の長さが実質的に等しい正六面体や、該正六面体における頂点の角や、稜線の角がとれた粒子も含むものとする。より具体的には、粒子内に一辺の長さが互いに、±20%以内である粒子や、頂点の角部、稜線の角部が所定の曲率半径で丸くなった粒子も含むものとする。そして、所定の曲率半径とは、角部を構成する辺の平均長さの、20%以内の長さを指すものとする。
ところで、球体形状の粒子の融点に比較して立方体形状の粒子の融点が低くなる理由については明らかでないが、本願発明者らは以下に説明する熱力学的な考え方より立方体形状の粒子の融点は球体形状の粒子の融点に比較してより低くなると推察している。
半径rの固体球粒子がその粒子の融点Tにおいて周囲の液体と熱平衡状態にある時の固体球の表面がdw molだけ融解したとする。いま、Pを外圧、ΔVを1molの固体と液体との容積差、ΔU、ΔSをそれぞれ1mol当たりの固・液両相間の内部エネルギー及びエントロピー差とした時、Gibbsの自由エネルギー変化ΔGは、下記式(1)
ΔG=(ΔU−TΔS+PΔV)dw+δsl・dA=0 式(1)
{式中、σslは固・液界面の単位面積当たりの界面エネルギーであり、dAはdw molの融解による固・液界面の面積変化量である。}で与えられる。この界面エネルギーの変化量σsl・dAは、粒径が大きい場合には第一項に比べて十分小さいため無視できるので、粒径によって固液界面の状態は変化しない。
一方、粒径が十分に大きい時の融点Tにおいて1mol当たりの融解熱Lは、L=ΔU+PΔVであり、粒径が大きい時には右辺第二項が小さいので、その時のTがTであることから、
(T−T)/T=δsl/L・dA/dw
となる。
球体では、固相の密度をρs、分子量をMとすると
(T−T)/T=δsl/L・2M/ρs・1/r 式(2)
となる。
式(2)より融点降下は、粒子径に反比例することがわかる。
ここで、形状が立方体になった場合、融点降下は、同様に以下のようになる:
(T−Tc)/T=δsl/L・2M/ρs・1/r’ 式(3)
{式中、r’は立方体1辺の長さの1/2である。}。
ここで、同じ体積の球径と立方体1辺の長さを比較すると、
r=1.241r’ 式(4)
なる関係があるので、立方体融点降下/球体融点降下=1.241となる。したがって、酸化インジウムの融点は1565℃であり、微粒子による融点降下で、球体における焼結点が仮に425℃になった場合、立方体の焼結点は150℃まで降下することになる。
特に、立方体形状による融点降下は、式(4)から、一辺の長さが小さくなればなるほど球体との差が大きくなり、より立方体形状の融点降下が大きくなるので、紫外線照射による酸化物微粒子の焼結が進みやすくなり、透明導電膜の導電性が向上する。
さらに、立方体形状の粒子が溶融すると、その表面積を最小にするように表面張力が働くため、1辺の長さの1.24倍の直径の球に近づくようになる。そのため、焼結粒子間に圧縮応力が働き、さらに粒子間接合が強くなり導電性が向上すると考えられる。また、立方体形状の粒子が接合する場合、その稜や頂点で接触するよりも、面で接触する確率が高くなり、それだけ、粒子間電導面積が増えることになるので導電性の向上が見込まれる。この点も立体形状粒子の利点である。
立方体の一辺の長さは1nm以上20nm未満であることができ、好ましくは2nm以上15nm未満である。20nm以上であると融点降下は少なくなり、15nm未満であると焼結点が500℃以下となり紫外線照射による焼結が進みやすくなるので好ましい。また、粒子径が1nmより小さくなると、導電性向上のためにドープする金属が粒子内に存在しない確率が増える。仮に、Snを1mol%ドープした場合、Sn原子の密度は、1辺が1.48nmの立方体に1つの割合と計算されるからである。ドープ金属が存在しない粒子は、導電性向上の障害となるので好ましくなく、2nm以上であることが好ましい。
本発明における単結晶とは、結晶のどの場所をとっても同じ結晶方位をもっており、それを構成している原子・分子が空間的に規則正しい配列になっているものをいう。これは透過型高分解能電子顕微鏡において、一方向の格子縞しか観察されないことから検証できる。例えば、本発明における酸化インジウム微粒子は、酸化インジウムを主成分として含有していることを特徴としている。ここで主成分とは、酸化インジウムの含有量が50wt%を超えることを言う。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、紫外線とは波長10nm以上400nm以下の電磁波である。波長が10nmを下回る紫外線では酸化物微粒子の照射による焼結が起きないために導電性が向上せず好ましくなく、400nmを超えると、酸化物微粒子による吸収が不十分であるため紫外線照射による焼結が進みにくくなり好ましくない。
紫外線照射装置としては、特に限定されるものではなく、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、高圧UVランプ、低圧UVランプ、誘電体バリア放電エキシマランプなどの紫外線ランプ、XeF(351nm)、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F2(157nm)などのエキシマレーザー、Arイオンレーザー(第二高調波:257nm)、YAGレーザーの第三高調(355nm)、第四高調波(266nm)などが挙げられる。中でもエキシマランプ、エキシマレーザー、Arイオンレーザーは照射エネルギーが高いので、好ましい。
これら紫外線照射装置の照射出力は、紫外線照射により基材上の酸化物微粒子の焼結を進行させる照射出力を有していればよく、1mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲が好ましい。1mJ/cmを下回ると、照射による焼結が進行にくく1000mJ/cmを上回ると照射出力が強すぎるために、照射中に基材温度が250℃を超える虞があるため好ましくない。
紫外線レーザーの照射は、パルス照射が好ましく、周波数としては1Hz〜1000Hzの範囲であると好ましい。周波数が1Hzを下回ると酸化物微粒子の焼結が進行しにくくなり、1000Hzを上回ると基材温度が250℃を超える虞があるため好ましくない。
本発明においては、これら紫外線照射装置を2種類以上組み合わせて照射すると好ましく、紫外線ランプ照射後、紫外線パルスレーザーを照射するという順番で紫外線を照射すると、得られる透明導電膜の導電性が高く、透過率が高いので特に好ましい。このような紫外線照射の順番(組み合わせ)で良好な特性を有する透明導電膜が得られる理由は明らかでないが、比較的低出力である紫外線ランプの照射により酸化物微粒子表面に吸着している有機物が分解され酸化物微粒子表面が清浄となった後、紫外線パルスレーザーによる酸化物微粒子の焼結が起きるために、粒界に導電性を妨げる不純物が残りにくくなるためと推定される。あるいは、焼結時に有機物の分解ガス発生量が少なくなるために、緻密な導電膜となり導電性が向上すると推定される。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、種々のエネルギーの紫外線パルスレーザー光を多段照射すると得られる透明導電膜の導電性と透過率が高くなり特に好ましい。複数段階に渡ってレーザー照射を行なう際には、最初の段階では、これに続く後の段階ほどには強くないエネルギーで照射することが特に有効である。レーザー多段照射が有効である理由は明らかでないが、上記、紫外線ランプ照射後、パルスレーザー照射が有効であると同様の理由で、比較的低いエネルギー照射により、酸化物表面に吸着している有機物を遊離させ、その後、強いエネルギー照射により焼結させることで、緻密な導電膜となるメカニズムであると推定される。
さらに本発明に係る透明導電膜の製造方法において、紫外線パルスレーザー光照射の前段階において紫外線ランプ照射を行う場合においても、種々のエネルギーの紫外線ランプを多段照射すると得られる透明導電膜の導電性と透過率が高くなるため好ましい。この場合も最初の段階では、これに続く後の段階ほどに強くないエネルギーで照射することが特に有効である。この方法が有効な理由は明らかでないが、紫外線ランプ照射により酸化物微粒子表面の有機物が段階的に分解されるために、より粒子の充填状態が密になり、紫外線ランプ照射に続くパルスレーザー光照射による焼結で、緻密な導電膜となりやすく導電性が向上すると推定される。さらに、得られる透明導電膜内に不純物が残りにくくなるために、透過率も高くなると推定される。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、紫外線パルスレーザー光を走査照射すると得られる透明導電膜の導電性が高く好ましい。本発明において、走査照射とは、パルスレーザー光に対し被照射膜を相対的に移動させながら照射することを指す。さらに、パルスレーザー光を被照射膜に対し1度以上の角度で斜め方向から照射してもよい。この場合でも、被照射膜は、パルスレーザー光に垂直な法線面に平行な速度ベクトルを有することになる。
走査照射すると透明導電膜の導電性が向上する理由はつぎのように推定される。
パルスレーザー光を照射すると、前記したように透明導電膜を構成する粒子の温度が上昇、焼結点に達し粒子が融着する。融着後、基材への放熱量が増え、紫外線吸収による透明導電膜の熱上昇が抑制され、ついには低下する。この過程において、パルスレーザー光を走査照射すると、透明導電膜の面内走査方向に熱勾配が生じ、照射部から非照射部への熱移動が起きる。この熱移動は面内走査方向に起きるために、照射部の熱上昇と降下は、走査照射しない場合に比べ、緩やかになると予想される。いわば余熱、除冷が微視的に行なわれることになり、透明導電膜へのヒートショックが少なくなる。結果として得られる透明導電膜の膜欠陥が少なくなるために導電性が高まると考えられる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、酸化物微粒子の分散液を基材に塗布して製膜した後25〜250℃の温度に保持した状態で、紫外線ランプを照射し、引き続き、紫外線パルスレーザー光を照査して前記した酸化物中粒子を含有する第2の層を形成する工程(以下、工程1とする)と、第2の層上に、同様の分散液を塗布し、製膜した後、紫外線ランプを照射することなく、引き続き紫外線パルスレーザー光を照射して、前記した酸化物大粒子と酸化物微小粒子とから構成されている第1の層を形成する工程(以下、工程2とする)を、工程1、工程2の順に行って製造すると、得られる透明導電膜の導電性が高く、透過率が高くなるので特に好ましい。
上記工程(以下、工程1+2とする)で特に導電率と透過率が高くなる理由は明らかでないが、本発明者らは、上記工程で得られた透明導電膜層の形態から、性能向上のメカニズムを以下のように推定している。
工程1+2により得られた透明導電膜の断面構造はつぎのようになっている。まず、工程1で得られる基材側の第2の層は、直径10nm以上50nm未満の結晶粒で構成され、粒子間の焼結が進行しているが、比較的粒子成長が進んでおらず、塗布した酸化物微粒子の形態を反映している透明導電膜層となっている。続く工程2を経ると、工程1で得られた第2の層の上に、直径50nm以上200nm未満の結晶粒が最密充填し、かつ、その結晶粒表面に、全表面の2%以上30%以下の範囲で覆った、直径5nm以上10nm未満の突起上の構造が存在する第1の層が形成される。
本発明者の検討により、工程1を繰り返しても、上記第1の層の形態を有する透明導電膜層を得られないことがわかっている。さらに、工程1を経ずに工程2だけを行っても、同様に、上記第1の層の形態を有する透明導電膜は得られず、さらには、工程1よりもアブレーションを起こし易く、製膜が安定しないことがわかっている。
以上より工程1における、紫外線ランプの照射その後の紫外線パルスレーザー光の照射により、基材と密着性のよい透明導電膜層が形成され、その透明導電膜層を下地層として、工程2における紫外線ランプの照射を伴わない紫外線パルスレーザー光の照射により、塗布された酸化物微粒子の焼結・溶融が進み、結晶粒の成長と細密充填が成されると推定される。工程1により生成された透明導電膜層により、基材との密着性が向上し、焼結・溶融時の基材への熱移動を緩和することで、高い導電性と透過率を有する透明導電膜となると推定される。
基材側に設けられる第2の層の透明導電膜層は、10nmから50nmの大きさの結晶粒であることが好ましい。10nmを下回ると、酸化物微粒子の焼結が進行しておらず、基材との密着性が低下し好ましくなく、50nmを上回ると、その後に行われる工程2において、アブレーションを起こし易くなるため好ましくない。
本発明に係る透明導電膜の製造方法において、紫外線照射後の膜を加熱処理することで、可視領域の透過率や導電性を制御することも可能である。温度範囲は、特に制限はないが、用いている基板の耐熱性を考慮して加熱処理することが好ましく、具体的には、PETでは、150℃以下、ガラス基板では、600℃以下である。その際、雰囲気の制御を行うことも透過率や導電性の制御に有効である。加熱時の雰囲気としては、前記した非酸化性雰囲気や大気雰囲気、水素、一酸化炭素などの還元性ガスが存在する還元性雰囲気などが挙げられる。ここで、還元性雰囲気は、透明導電膜が還元され金属膜とならない程度の還元性ガスであると好ましく、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気中に、水素などの還元性雰囲気を1〜50vol%の濃度で混合すると、得られる透明導電膜の導電性、透過率を制御でき好ましい。
これら加熱時の雰囲気の条件としては、単一条件でも導電性、透過率の制御をおこなうことができるが、雰囲気、温度を二種類以上組み合わせて多段階の熱処理をおこなうと、導電性、透過率が向上し好ましく、大気雰囲気で加熱後、還元性雰囲気で加熱すると、高い導電性と透過率の導電膜を得られるので特に好ましい。
例えば、照射後の膜を200℃空気中で焼成すると(1段階処理)、可視領域の透過率が向上する。この効果に関しては十分な理解は進んでいないが、カーボン等の不純物層が酸化により除去されたことが考えられる。このような酸化性雰囲気を用いた焼成では、導電性の低下が見られることもあるが、次いで200℃非酸化性雰囲気で焼成すると(2段階処理)、酸素欠損に伴うキャリア密度の上昇により、透過率の変化なしに導電性が向上し、好ましい結果が得られる。
以下、本発明を実施例1〜5、及び比較例1〜3によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では、酸化インジウム微粒子の形状、大きさ、単結晶の確認は、透過型電子顕微鏡HF−2000(日立製作所株式会社製)を用いて観察測定し、被測定物の粒径測定に最も適した倍率で撮影した。次に、各々の写真から、一番多数存在すると思われる一次粒子を3点選択し、その一辺の大きさを測定し、粒径辺長さとする。これらの値の平均値を酸化物微粒子の大きさとした。得られた粒子が酸化インジウム微粒子であることは、X線回折装置RINT−2500(株式会社リガク製)を用いて、回折パターンが立方晶の酸化インジウムと一致することで確認した。
透明導電膜付き基材の表面観察は、走査型電子顕微鏡S−5500(日立製作所株式会社製)を用いて行ない、断面観察は、走査型電子顕微鏡HF−2300A(日立製作所株式会社製)を用いて行った。
透明導電膜の厚さは、サーフェイスプロファイラAlpha−Step IQ(KLA−Tencor社製)で測定し、透過率はISO20508:2003(E)に準拠し、分光光度計UV−2500(島津製作所株式会社製)でおこなった。導電率は、4端子法で行ない、低抵抗率計ロレスターGP(三菱化学株式会社製)で測定した。
酸化インジウム微粒子の分散媒への分散は、超音波ホモジナイザー US−150T(日本精機株式会社製)を用い、20分間行なった。分散液中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は、レーザーゼーター電位計ELS−8000(大塚電子株式会社製)を用い測定した。
[実施例1]
50mlのステンレス製加圧容器に脱水した1−プロパノール30ml、インジウムトリスアセチルアセトナト(アルドリッチ製)1.236g(3mmol)、アセチルアセトナトスズ(II)(和光純薬工業株式会社製)0.0165g(0.052mmol)、水を125mg入れ、密閉し攪拌しながら1時間で250℃に加熱した。1時間攪拌しながら250℃で保持した後除冷し、濃青色半濁の分散液を得た。分散質は、1辺の長さが8nmの立方体形状の微粒子で構成されており、立方晶の単結晶酸化インジウムであった。
個々の微粒子は、図1に示すように(200)面に由来する結晶格子縞のみが観察され、結晶転移はなく、単結晶であると確認された。つぎに、分散体にアセチルアセトン3mlを加え、超音波分散を20分間処理した後、エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)を1.2ml加え、60℃で減圧蒸留した。ついで20分間超音波分散処理し、固形分濃度18wt%で濃青色半透明の濃縮分散液を得た。濃縮分散液中に存在する酸化インジウム微粒子の二次凝集体の質量平均粒子径は17nmであった。
得られた濃縮分散液をブタノールで希釈して6%に調整した。この分散液を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより4000rpmで製膜した。100℃で5分間乾燥させた後、空気中でエキシマランプ(172nm、10mW/cm2)を5分間照射した。続いて、窒素雰囲気中、25℃の室温で、KrFエキシマレーザー(248nm)を、100mJ/cm2、5Hz、5ショット照射した。再び、6%分散液を滴下、製膜、紫外線照射の操作を計5回繰り返した。照射後のガラス基板の温度は、照射前とほとんどかわらず室温であった。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
紫外線照射前の膜の表面SEM像を図2に、エキシマレーザー照射後の表面SEM像を図3に示す。レーザー照射により酸化インジウム微粒子が焼結・融着していることがわかる。
[実施例2]
実施例1と同様にして得られた固形分濃度18%の酸化インジウム濃縮分散液をアセチルアセトンで希釈して5%に調整した。この分散液を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより4000rpmで製膜した。100℃で5分間乾燥させた後、空気中でエキシマランプ(172nm、10mW/cm)を5分間照射した。続いて、窒素雰囲気中でKrFエキシマレーザー(248nm)を100mJ/cm、5Hz、5ショット照射した。再び、5%分散液を滴下、スピンコーターにより製膜、100℃で5分間乾燥させた後、窒素雰囲気中、25℃の室温でKrFエキシマレーザー(248nm)を90mJ/cm、5Hz、2ショット照射、その後、130mJ/cm、5Hz、2ショット照射した。この紫外線照射の操作を計3回繰り返した。照射後のガラス基板の温度は、照射前とほとんどかわらず室温であった。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られた固形分濃度18%の酸化インジウム濃縮分散液をアセチルアセトンで希釈して5%に調整した。この分散液を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより4000rpmで製膜した。100℃で5分間乾燥させた後、窒素雰囲気中、25℃の室温でKrFエキシマレーザー(248nm)を60mJ/cm、50Hz、2分間照射した。再び、5%分散液を滴下、製膜、紫外線照射の操作を計3回繰り返した。照射後のガラス基板の温度は、照射前とほとんどかわらず室温であった。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様にして得られた固形分濃度18%の酸化インジウム濃縮分散液をアセチルアセトンで希釈して8%に調整した。この分散液を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより3000rpmで製膜した。100℃で5分間乾燥させた後、空気中でエキシマランプ(222nm、15mW/cm)を5分間照射した。続いて、窒素雰囲気中でKrFエキシマレーザー(248nm)を70mJ/cm、60Hz、スキャン速度20mm/sで3回スキャン照射を行った(工程1−1)。同様に、8%溶液を基板に3000rpmで塗布して、エキシマランプ(222nm、15mW/cm)を5分間照射した。その後、窒素雰囲気中でKrFエキシマレーザー(248nm)を70mJ/cm、60Hz、スキャン速度20mm/sで2回スキャン照射を行った(工程1−2)。次いで、以下の工程を繰り返し、計2回おこなった(工程2)。工程2:5%分散液を滴下、スピンコーターにより製膜、100℃で5分間乾燥させた後、窒素雰囲気中、25℃の室温でKrFエキシマレーザー(248nm)を140mJ/cm、60Hz、スキャン速度20mm/sでスキャン照射。
得られた透明導電膜の表面SEM像を図5に、断面TEM像を図6に示す。工程1+工程2の操作により透明導電膜表面は、緻密に一体化した多結晶膜となり、その結晶粒の大きさは、平均径120nmであり、その表面の12%は平均径5nmの凸部で覆われていた。さらにその断面方向の構造は、基材側に平均径28nmの粒子で形成された層と、その上部に平均径120nmで緻密に一体化し形成された多結晶膜の層とで形成されていた。
[実施例5]
実施例4と同様の工程により(工程1−1、1−2、工程2)得られた膜を200℃、大気中で12時間焼成し、その後、Ar-H2(5%)雰囲気中で、200℃、12時間焼成した。結果、透過率85%、シート抵抗55Ω/□(Ω/sq.)の透明導電膜が得られた。
[比較例1]
実施例1と同様にして得られた固形分濃度18%酸化インジウム濃縮分散液をアセチルアセトンで希釈して5%に調整した。この分散液を10mm角のガラス基板に滴下し、スピンコーターにより4000rpmで製膜した。100℃で乾燥させた後、窒素中、250℃で1時間加熱処理をした。再び5%分散液を滴下、製膜、加熱処理の操作を計4回繰り返した。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
[比較例2]
製膜後の加熱温度を400℃とした以外は、比較例1と同様の方法で透明導電膜を得た。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
[比較例3]
製膜後の加熱雰囲気を空気とした以外は、比較例2と同様の方法で透明導電膜を得た。
得られた膜の体積抵抗、透過率の値を表1に示す。
以上の測定結果によれば、実施例1〜5の透明導電膜は、比較例1〜3の透明導電膜と比較して体積抵抗が小さく、高温の加熱処理を行なうことなく導電性に優れていることがわかる。また、実施例1〜5の透明導電膜は、実用上充分な透明性を備えていることがわかる。
本発明に係る透明導電膜の製造方法によれば、低コストでインジウム資源を節約可能であるインク塗布方法において、25〜250℃の範囲の温度、特に200℃以下の比較的低い温度でも低抵抗で高透過率の透明導電膜を製造することがでる。具体的には、フラットディスプレイの透明表示電極、太陽電池用透明導電電極、透明帯電防止膜、熱線反射ガラス、透明電磁波防止膜、透明面発熱体、電子ペーパー用表示電極、タッチパネル用透明電極、有機EL用透明電極、無機EL用透明電極等に使用される透明導電膜の分野に適用できる。
本発明に用いた酸化インジウム微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 本発明に用いた酸化インジウム微粒子分散液を基材に塗布後、紫外線ランプ照射前の透明導電膜の走査型電子顕微鏡写真である。 酸化インジウム微粒子分散液を基材に塗布後、紫外線照射して得た本発明の製造方法によって得られた透明導電膜の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の製造方法における、走査照射の一例を示す断面平面概略図である。 本発明に係る酸化インジウム透明導電膜の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明に係る酸化インジウム透明導電膜の断面透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 透明導電膜
2 基板
3 パルスレーザー光発振機
4 パルスレーザー光
5 基板の移動方向

Claims (9)

  1. In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物粒子を含有する第1の層を少なくとも有する酸化物透明導電膜であって、該第1の層を構成する酸化物粒子は、直径50nm以上200nm未満の酸化物大粒子と、該酸化物大粒子の全表面積の2〜30%を覆う量の直径5nm以上10nm未満の酸化物微小粒子とから構成される多結晶膜であることを特徴とする前記透明導電膜。
  2. In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子であって一辺の長さが1nm以上20nm未満の立方体形状の単結晶の酸化インジウム微粒子を主成分とするものを含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後、25〜250℃の温度に保持した状態で、紫外線ランプを照射した後又は紫外線ランプを照射せずに、非酸化性雰囲気下で、紫外線パルスレーザー光を照射して該第1の層を形成する、請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 該酸化物微粒子は、酸化インジウム微粒子に、スズ、亜鉛、モリブデン、チタン、ジルコニウム、ガリウム、フッ素、塩素、及び臭素の内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属成分がドープされているものである、請求項に記載の方法。
  4. 前記紫外線パルスレーザー光の照射が走査照射である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 紫外線ランプの照射が行われる場合、当該紫外線ランプの照射と該紫外線パルスレーザー光の照射がともに多段照射である、請求項2〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 該紫外線パルスレーザー光の照射が異なるエネルギーのパルスレーザーの多段照射である、請求項に記載の方法。
  7. 該紫外線パルスレーザー照射後、さらに加熱処理を施す、請求項2〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物粒子であって該酸化物粒子の直径が10nm以上50nm未満の酸化物中粒子を含有する第2の層の上に、前記第1の層が積層されている、請求項1に記載の透明導電膜。
  9. 以下のステップ:
    In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子であって一辺の長さが1nm以上20nm未満の立方体形状の単結晶の酸化インジウム微粒子を主成分とするものを含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後25〜250℃の温度に保持した状態で、非酸化性雰囲気下、紫外線ランプを照射し、引き続き、紫外線パルスレーザー光を照射して該第2の層を形成し;そして
    得られた第2の層上に、In、Sn、及びZnの内のいずれかから選ばれる一種類以上の金属の酸化物微粒子であって一辺の長さが1nm以上20nm未満の立方体形状の単結晶の酸化インジウム微粒子を主成分とするものを含有する分散液を基材上に塗布して製膜した後、25〜250℃の温度に保持した状態で、紫外線ランプを照射せずに、非酸化性雰囲気下、紫外線パルスレーザー光を照射して該第1の層を形成する、
    を含む、請求項に記載の透明導電膜の製造方法。
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