JP2007035283A - 正極および非水電解質二次電池 - Google Patents

正極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 可逆的な充放電を行うことが可能で、良好な充放電特性を得ることが可能で安価な正極および非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】 正極活物質を作製するために、80重量部の正極活物質としてのコバルト酸ナトリウム(NaCoO2 )粉末、10重量部の導電剤としてのカーボンブラック粉末であるケッチェンブラック粉末および10重量部の結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンをそれぞれ含む材料を用意する。上記コバルト酸ナトリウムとして、Nax Coy 2 (0<x≦1.0,y<1.5)を用いることが好ましい。また、上記コバルト酸ナトリウムの結晶系(結晶構造)は、六方晶系、単斜晶系または斜方晶系である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正極ならびに当該正極、負極および非水電解質からなる非水電解質二次電池に関する。
現在、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解質を使用し、例えばリチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二次電池が多く利用されている。
このような非水電解質二次電池において、一般に正極としてニッケル酸リチウム(LiNiO2 )、コバルト酸リチウム(LiCoO2 )等の層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ、負極としてリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料、リチウム金属、リチウム合金等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
上記非水電解質二次電池を用いることにより、150〜180mAh/gの放電容量、約4Vの電位および約260mAh/gの理論容量を得ることができる。
また、非水電解質として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )等の電解質塩を溶解させたものが使用されている。
一方、最近では、リチウムイオンの代わりにナトリウムイオンを利用した非水電解質二次電池の研究が始められている。このナトリウムイオンを利用した非水電解質二次電池の研究例は非常に少なく、正極に亜鉄酸ナトリウム(NaFeO2 )を用い、非水電解質に過酸化物である過塩素酸ナトリウム(NaClO4 )を用いたものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2003−151549号公報 第45回電池討論会要旨集 p268-p269
しかしながら、上記従来のリチウムイオンを利用した非水電解質二次電池においては、その正極として主にコバルト(Co)またはニッケル(Ni)の酸化物を使用するため、資源的に限りがある。
また、ニッケル酸リチウムまたはコバルト酸リチウムから全てのリチウムイオンが放出されると、ニッケル酸リチウムまたはコバルト酸リチウムの結晶構造が崩壊する。その結果、ニッケル酸リチウムまたはコバルト酸リチウムから酸素が放出され、結晶構造を維持できず電池特性を維持することができない。そのため、上記放電容量をさらに向上させることができない。ニッケルまたはコバルトの代わりに資源的に豊富なマンガン(Mn)を用いる場合もあるが、この場合、非水電解質二次電池の容量が半減する。
さらに、ナトリウムイオンを利用した上記従来の非水電解質二次電池では、非水電解質の安定性が低く、当該非水電解質を長時間使用するのは困難である。
本発明の目的は、可逆的な充放電を行うことが可能で、良好な充放電特性を得ることが可能で安価な正極および非水電解質二次電池を提供することである。
第1の発明に係る正極は、正極活物質を備え、正極活物質は、ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物からなるものである。
本発明に係る正極においては、正極活物質がナトリウムおよびコバルトを含む酸化物からなることにより、ナトリウムイオンが当該正極に対して十分に吸蔵および放出される。また、資源的に豊富なナトリウムを使用することにより低コスト化が図れる。さらに、上記酸化物からナトリウムイオンが放出されても、当該酸化物が熱安定性に優れていることにより、熱安定性に優れた正極を得ることができる。
したがって、本発明に係る正極を非水電解質二次電池に用いた場合には、可逆的な充放電を行うことが可能で、良好な充放電特性を得ることが可能となりかつ低コスト化を実現できる。
ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物は、Nax COy 2 を含み、xは0より大きく1.0以下であり、yは1.5未満であってもよく、当該Nax COy 2 はNaCoO2 であってもよい。
この場合、ナトリウムイオンが上記酸化物を含む正極に対して確実に吸蔵および放出される。
ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物の結晶系は、六方晶系、斜方晶系または単斜晶系であってもよい。
この場合、ナトリウムイオンが正極に対して効率よく吸蔵および放出される。
第2の発明に係る非水電解質二次電池は、第1の発明に係る正極と、負極と、非水電解質とを備えたものである。
本発明に係る非水電解質二次電池においては、第1の発明に係る正極を用いることにより、可逆的な充放電を行うことが可能で良好な充放電特性を得ることが可能な非水電解質二次電池を実現することができる。
また、ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物からなる正極からナトリウムイオンが放出されても、上記酸化物が熱安定性に優れていることにより、熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
さらに、資源的に豊富なナトリウムを使用することにより非水電解質二次電池の低コスト化を図ることができる。
負極は、ゲルマニウム単体を含んでもよい。この場合、ゲルマニウム単体を含む負極に対してイオンが十分に吸蔵および放出される。
非水電解質は、六フッ化リン酸ナトリウムを含んでもよい。この場合、安全性が向上される。
負極は、金属からなる集電体を含み、ゲルマニウム単体は、集電体上に薄膜状に形成されてもよい。この場合、ゲルマニウム単体が集電体上に薄膜として容易に形成される。
非水電解質は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類およびアミド類からなる群から選択される1種または2種以上を含んでもよい。この場合、低コスト化が図れるとともに安全性が向上される。
本発明によれば、可逆的な充放電を行うことが可能で、良好な充放電特性を得ることが可能で安価な正極および非水電解質二次電池を得ることができる。
以下、本実施の形態に係る非水電解質二次電池について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池は、作用極(以下、正極と称する)、対極(以下、負極と称する)および非水電解質により構成される。
なお、以下に説明する各種材料および当該材料の厚さおよび濃度等は以下の記載に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
[正極の作製]
例えば80重量部の正極活物質としてのコバルト酸ナトリウム(NaCoO2 )粉末、10重量部の導電剤としてのカーボンブラック粉末であるケッチェンブラック粉末および10重量部の結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンをそれぞれ含む材料(以下、正極材料と呼ぶ)を用意する。
なお、本実施の形態では、NaCoO2 粉末を正極活物質として用いているが、Nax Coy 2 (0<x≦1.0,y<1.5)で表されるコバルト酸ナトリウム粉末を用いてもよい。
この場合、上記コバルト酸ナトリウム(Nax Coy 2 (0<x≦1.0,y<1.5))として、約6000種類の無機化合物および有機化合物のX線回折データが収録されているJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)における結晶系(結晶構造)が六方晶系、単斜晶系または斜方晶系のコバルト酸ナトリウムを用いることができる。
この正極材料を、この正極材料に対して例えば10重量%のN−メチルピロリドン溶液に混合することにより正極合剤としてのスラリーを作製する。
次に、ドクターブレード法により、上記スラリーを正極集電体である例えば厚さ30μmのアルミニウム箔の2cm×2cmの領域の上に塗布した後、乾燥させることにより正極活物質層を形成する。
次いで、正極活物質層を形成しないアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付けることにより正極を作製する。
なお、上記正極材料の結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレンの代わりに、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース等から選択される少なくとも1種を用いることができる。
なお、結着剤の量が多いと、正極材料に含まれる正極活物質の割合が少なくなるため、高いエネルギー密度が得られなくなる。したがって、結着剤の量は、正極材料の全体の0〜30重量%の範囲とし、好ましくは0〜20重量%の範囲とし、より好ましくは0〜10重量%の範囲とする。
また、上記正極材料の導電剤としては、ケッチェンブラックの代わりに、例えばアセチレンブラックおよび黒鉛等の他の炭素材料を用いることができる。なお、導電剤の添加量が少ないと、正極材料における導電性を充分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極材料に含まれる正極活物質の割合が少なくなり高いエネルギー密度が得られなくなる。したがって、導電剤の量は、正極材料の全体の0〜30重量%の範囲とし、好ましくは0〜20重量%の範囲とし、より好ましくは0〜10重量%の範囲とする。
さらに、正極集電体としては、電子導電性を高めるために発砲アルミニウムまたは発砲ニッケル等を用いることも可能である。
[負極の作製]
負極集電体として、電解法により銅が析出されることにより表面が凹凸状に形成された粗面化銅からなる例えば厚さ26μmの圧延箔を用意する。
上記圧延箔からなる負極集電体上に、図1に示すスパッタリング装置を用いて、例えば厚さ0.5μmのゲルマニウム(Ge)単体からなる負極活物質層を以下のように堆積させる。堆積条件を表1に示す。なお、堆積されたゲルマニウム単体は非晶質である。
Figure 2007035283
最初に、チャンバ50内を1×10-4 Paまで真空排気した後、チャンバ50内にアルゴンを導入し、チャンバ50内のガス圧力が1.7〜1.8×10-1 Paになるようにガス圧力を安定させる。
次に、チャンバ50内のガス圧力が安定した状態で、高周波電源52によりゲルマニウム単体の粉末のスパッタ源51に高周波電力を所定時間印加する。それにより、上記負極集電体上にゲルマニウム単体からなる負極活物質層が堆積される。
なお、このように、スパッタリング装置によりゲルマニウム単体からなる負極活物質層を堆積することに限定されず、例えば、ゲルマニウム単体を含む薄膜または箔を負極活物質層として負極集電体上に形成してもよい。
また、ゲルマニウム単体に限定されず、例えば錫(Sn)単体からなる負極活物質層を負極集電体上に形成してもよい。
次いで、ゲルマニウム単体からなる負極活物質層が堆積された負極集電体を、例えば2cm×2cmの大きさに切り取り、負極タブをこれに取り付けることにより負極を作製する。
ここで、上記粗面化された圧延箔における日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められた表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さRaは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。算術平均粗さRaは、例えば触針式表面粗さ計により測定することができる。
表面が凹凸状に形成された圧延箔からなる負極集電体上に非晶質の負極活物質層を堆積させると、負極活物質層の表面は、負極集電体上の凹凸形状に対応した形状となる。
このような負極活物質層を用いて充放電を行うと、負極活物質層の膨張および収縮に伴う応力が負極活物質層の凹凸部に集中し、負極活物質層の凹凸部に切れ目が形成される。この切れ目によって充放電により発生する応力が分散される。それにより、可逆的な充放電が行われやすくなり、優れた充放電特性を得ることができる。
[非水電解質の作製]
非水電解質としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させたものを用いることができる。
非水溶媒としては、通常電池用の非水溶媒として用いられる環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類等およびこれらの組合せからなるものが挙げられる。
環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、これらの水素基の一部または全部がフッ素化されているものも用いることが可能で、例えば、トリフルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチルカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、これらの水素基の一部または全部がフッ素化されているものも用いることが可能である。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。環状エーテル類としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等が挙げられる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等が挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリル等が挙げられ、アミド類としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
電解質塩としては、例えば六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF6 )、四フッ化ホウ酸ナトリウム(NaBF4 )、NaCF3 SO3 、NaBeTi等の非水溶媒に可溶な過酸化物でない安全性の高いものを用いる。なお、上記の電解質塩のうち1種を用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態では、非水電解質として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比50:50の割合で混合した非水溶媒に、電解質塩としての六フッ化リン酸ナトリウムを1mol/lの濃度になるように添加したものを用いる。
[非水電解質二次電池の作製]
上記の正極、負極および非水電解質を用いて、以下に示すように、非水電解質二次電池を作製する。
図2は、本実施の形態に係る非水電解質二次電池の試験セルの概略説明図である。
図2に示すように、不活性雰囲気下において、上記正極1にリードを取り付けるとともに、上記負極2にリードを取り付ける。
次に、正極1と負極2との間にセパレータ4を挿入し、セル容器10内に正極1、負極2および例えばナトリウム金属からなる参照極3を配置する。そして、セル容器10内に上記非水電解質5を注入することにより試験セルとしての非水電解質二次電池を作製する。
(本実施の形態における効果)
本実施の形態では、コバルト酸ナトリウムを含む正極に対して、ナトリウムイオンが十分に吸蔵および放出される。また、ゲルマニウム単体を含む負極に対してもナトリウムイオンが十分に吸蔵および放出される。
また、上記のような正極および負極を用いることにより、可逆的な充放電を行うことが可能で良好な充放電特性を得ることが可能な非水電解質二次電池を実現することができる。
また、コバルト酸ナトリウムからナトリウムイオンが放出されても、コバルト酸ナトリウムが熱安定性に優れていることにより、熱安定性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
さらに、資源的に豊富なナトリウムを使用することにより非水電解質二次電池の低コスト化を図ることができる。
(実施例1およびその評価)
以下の点を除いて、上述の本実施の形態に基づいて作製した非水電解質二次電池の充放電特性を調べた。
実施例1で作製した非水電解質二次電池の構成が、上記本実施の形態に係る非水電解質二次電池の構成と異なる点は、負極2がナトリウム金属からなる点である。
図3は、実施例1の非水電解質二次電池の充放電特性を示したグラフである。
作製した上記非水電解質二次電池において、0.025mA/cm2 の定電流で参照極3を基準とする正極1の電位が4.3Vに達するまで充電を行った。その後、0.025mA/cm2 の定電流で、参照極3を基準とする正極1の電位が2.5Vに達するまで放電を行うことにより3サイクルの充放電特性を調べた。
その結果、図3に示すように、良好に充放電が行われていることがわかった。
すなわち、ナトリウムイオンが正極1に対して可逆的に吸蔵および放出されていることが明らかになった。それにより、リチウムイオンを利用する従来の非水電解質二次電池に代わる上記新たな非水電解質二次電池の有効性を確認することができた。
(実施例2およびその評価)
実施例2では、上述の本実施の形態に基づいて作製した非水電解質二次電池の充放電特性を調べた。
図4は、実施例2の非水電解質二次電池の充放電特性を示したグラフである。
作製した上記非水電解質二次電池において、0.3mA/cm2 の定電流で参照極3を基準とする正極1の電位が4.5Vに達するまで充電を行った。その後、0.3mA/cm2 の定電流で、参照極3を基準とする正極1の電位が2.5Vに達するまで放電を行うことにより5サイクルの充放電特性を調べた。
その結果、図4に示すように、良好に充放電が行われていることがわかった。
すなわち、ナトリウムイオンが正極1および負極2に対して可逆的に吸蔵および放出されていることが明らかになった。それにより、リチウムイオンを利用する従来の非水電解質二次電池に代わる上記新たな非水電解質二次電池の有効性を確認することができた。
(実施例1および実施例2の総合評価)
上記実施例1および実施例2における充放電試験の初期充電容量密度、初期放電容量密度、初期充放電効率および放電容量密度維持率を表2に示す。
Figure 2007035283
なお、初期充放電効率は、初期充電容量密度に対する初期放電容量密度の比率(%)により定義され、放電容量密度維持率は、初期放電容量密度に対するあるサイクル時の放電容量密度の比率により定義される。
実施例1の放電容量密度維持率は、初期放電容量密度に対する3サイクル時の放電容量密度の比率により算出し、実施例2の放電容量密度維持率は、初期放電容量密度に対する5サイクル時の放電容量密度の比率により算出した。
表2に示すように、実施例1および実施例2ともに、90%を超える良好な放電容量密度維持率を得られることがわかった。
(実施例3およびその評価)
実施例1の非水電解質二次電池を解体し、コバルト酸ナトリウム(NaCoO2 )からなる正極活物質層をXRD(X線回折装置)により測定した。なお、測定条件として、X線源にはCuKα線(λ=0.15418nm)を用い、印加電圧および印加電流をそれぞれ40kVおよび40mAとした。
図5は、実施例1のXRD測定の測定結果を示したグラフである。なお、XRD測定は、正極活物質層が空気に触れないようにするため正極活物質層をビニール袋内に入れ、このビニール袋を密閉して行った。なお、参考として、JCPDSにおけるカード番号301183のコバルト酸ナトリウム(NaCoO2 )、およびカード番号321068のコバルト酸ナトリウム(Na0.75 CoO2 )のXRDパターンを、それぞれ図6および図7に示す。
図5において、回折角2θが17°付近のX線のピークは、正極にナトリウムイオンが挿入された場合のものである。
上記XRD測定の結果、ナトリウムイオンがコバルト酸ナトリウムを含む正極1に確実に吸蔵されていることがわかった。
本発明に係る非水電解質二次電池は、携帯用電源および自動車用電源等の種々の電源として利用することができる。
スパッタリング装置の概略模式図である。 本実施の形態に係る非水電解質二次電池を示す斜視図である。 実施例1の非水電解質二次電池の充放電特性を示したグラフである。 実施例2の非水電解質二次電池の充放電特性を示したグラフである。 実施例1のXRD測定の測定結果を示したグラフである。 JCPDSにおけるカード番号301183のコバルト酸ナトリウム(NaCoO2 )のXRDパターンを示したグラフである。 JCPDSにおけるカード番号321068のコバルト酸ナトリウム(Na0.75 CoO2 )のXRDパターンを示したグラフである。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 参照極
4 セパレータ
5 非水電解質
10 セル容器
50 チャンバ
51 スパッタ源
52 高周波電源

Claims (9)

  1. 正極活物質を備え、
    前記正極活物質は、ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物からなることを特徴とする正極。
  2. 前記ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物は、Nax COy 2 を含み、前記xは0より大きく1.0以下であり、前記yは1.5未満であることを特徴とする請求項1記載の正極。
  3. 前記Nax COy 2 はNaCoO2 であることを特徴とする請求項2記載の正極。
  4. 前記ナトリウムおよびコバルトを含む酸化物の結晶系は、六方晶系、斜方晶系または単斜晶系であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の正極。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の正極と、負極と、非水電解質とを備えたことを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 前記負極は、ゲルマニウム単体を含むことを特徴とする請求項5記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記非水電解質は、六フッ化リン酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項5または6記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記負極は、金属からなる集電体を含み、
    前記ゲルマニウム単体は、前記集電体上に薄膜状に形成されたことを特徴とする請求項6または7記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記非水電解質は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類およびアミド類からなる群から選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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