JP2007035089A - 光記録媒体 - Google Patents

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和俊 片山
Takeshi Tsunoda
毅 角田
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Abstract

【課題】 中間層を厚くしても、保存性と記録特性とを両立することができる光記録媒体を提供する。
【解決手段】 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、中間層と、カバー層とを有する光記録媒体であって、前記中間層の層厚が80〜300nmであることを特徴とする光記録媒体である。前記有機色素はオキソノール色素であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は光記録媒体に関し、特に、記録層とカバー層との間に中間層を有する追記型の光記録媒体に関する。
デジタルハイビジョン放送の開始によって、さらなる画像データ量の増加が見込まれており、それに伴い、記録媒体にも、高容量、高データ転送速度が求められるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。デジタルハイビジョン放送を家庭で録画しようとした場合、DVD±Rでは既に容量が不足すると言われており、次世代DVDの開発が盛んに行われている。一例として、BSデジタルハイビジョン放送を2時間録画・再生できるというブルーレイディスクレコーダーが発売されている。
このブルーレイディスクレコーダー用の記録媒体も同時に発売されたが、これは相変化型の記録層を有する媒体であった。相変化型の媒体の製造には大掛かりな真空成膜装置が必要であったり、その層構成が複雑であったりする。その点を考慮して、前記ブルーレイディスクも含めた次世代DVDシステムでも、より安価に記録媒体を製造するため、有機色素を用いた追記型のブルーレイディスク媒体の開発が進められている。有機色素をスピンコートで成膜する手法を採用した場合、CD−R、DVD−Rの製造で用いられてきた製造設備を継続して使用できるというメリットがある。
また、その反面、追記型のブルーレイディスク媒体にも従来のCD−RやDVD−Rと同様に高い保存性が求められている。
ところで、追記型のブルーレイディスク媒体は、例えば、基板上に、反射層、記録層、透明シート(カバー層)がこの順に積層された構成となっている。前記透明シートは、例えば、粘着剤を介して貼り合わされる。この粘着剤による記録層へ影響を防ぐため、通常は、中間層が設けられる(例えば、特許文献2参照。)。この中間層により、粘着剤の記録層への影響は遮断された。
このような中間層は、従来においては、厚くすると保存性は向上するが記録特性が悪化し、逆に、記録特性の向上を求めて薄くすると保存性が悪化するというトレードオフの問題があった。つまり、高品質を得るには、保存性と記録特性とのいずれかを犠牲にしなければならず、開発の方向は薄くする方向(例えば、30nm以下)にあり、薄くしても一定以上の保存性を得るための検討がなされていた。
特開平11−120617号公報 特開2002−373451号公報
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、中間層を厚くしても、保存性と記録特性とを両立することができる光記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、中間層と、カバー層とを有する光記録媒体であって、前記中間層の層厚が80〜300nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<2> 前記有機色素がオキソノール色素であることを特徴とする前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> 前記オキソノール色素が下記一般式(I)で表されるオキソノール色素であることを特徴とする前記<2>に記載の光記録媒体である。
Figure 2007035089
[一般式(I)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよく、Rはメチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよく、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
<4> 前記中間層が金属酸化物からなることを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
本発明によれば、中間層を厚くしても、保存性と記録特性とを両立することができる光記録媒体を提供することができる。
本発明の光記録媒体は、基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、中間層と、カバー層とを有する光記録媒体であって、前記中間層の層厚が80〜300nmであることを特徴としている。
本発明の光記録媒体においては、前述の通り、中間層の層厚を80〜300nmとしているが、80nm未満では十分な保存性を確保できず、300nmを超えると成膜に長時間必要であり生産効率が悪化する。中間層の層厚は、好ましくは81〜250nmであり、より好ましくは82〜200nmである。
前記中間層の構成成分としては、金属酸化物が好ましく、金属酸化物としては、Nbの酸化物又はTaの酸化物、TiO2、SiO2、GeO2、Si34、Ge34、MgF2、ZnO−Ga23、ZnO−Al23等の無機酸化物、窒化物、フッ化物などが挙げられ、中でも、Nbの酸化物又はTaの酸化物が好ましい。Nbの酸化物又はTaの酸化物としては、Ta25、Nb2x、NbO、TaOが好ましい。
中間層は、例えば、Taを含む化合物又はNbを含む化合物をターゲットとしたスパッタリングにより成膜することができる。この場合、成膜時の圧力は1×10-2〜1×10-5mbarとすることが好ましく、レート(スパッタ速度)は0.1〜10nm/secとすることが好ましい。ガスの種類はAr等を使用することができ、ガス流量は1〜50sccm(1〜50ml/min)、とすることが好ましい。スパッタ電力は0.2〜4kWとすることが好ましく、0.4〜3kWとすることがより好ましく、0.5〜2.5kWとすることがさらに好ましい。
RFスパッタ法により成膜する場合、そのチューニング(マッチング)を調整して、FWDに対するREFは10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは2.5%以下とする。また、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
また、ターゲットによっては、DCスパッタリングによる成膜も可能である。その場合、パルススパッタや、チョッパーなどにより、瞬間的にターゲットの帯電を除去する手法を組み合わせることが好ましい。
本発明において、記録層に用いる有機色素としては、重量減少開始温度(TG−GTA)が低い色素を用いることが好ましい。この理由は以下のことから推察される。前提として、有機色素を用いた記録層への記録は、レーザー光の照射により色素がその光を吸収して局所的に温度上昇して空隙が生じ、その光学特性が変化することを利用している。このとき、中間層がある程度薄くないと該中間層は変形しづらく空隙が生じにくくなる。ところが、重量減少開始温度が低い色素は低い温度でも分解しやすく、厚い中間層により空隙が小さくなったとしても、空隙周辺の色素自体の光学特性に変化が生じ、その変化によって十分な感度を確保することができるものと推察される。このような色素を利用すれば中間層を厚くしても十分な記録特性が得られる。
具体例を挙げて説明する。重量減少開始温度が異なる色素として、フタロシアニン色素と、オキソノール色素とを考える。フタロシアニン色素の重量減少開始温度は300℃前後であり、オキソノール色素は200℃前後である。これらの色素を用いて光記録媒体を作製し、同一条件で記録した場合、オキソノール色素の重量減少開始温度は、フタロシアニン色素の重量減少開始温度よりも低いため、空隙周辺の色素に生じる光学特性の変化はオキソノール色素の方が大きいと推察される。従って、オキソノール色素を用いた方が中間層を厚くしても良好な記録特性を得ることができる。
本発明においては、上記観点から、重量減少開始温度が低い色素、すなわち、オキソノール色素を用いることが好ましい。本発明においてオキソノール色素とは、アニオン性発色団を有するポリメチン色素と定義する。オキソノール色素のうちでも、記録特性に優れる点で、下記一般式(I)で表されるオキソノール色素が好ましい。
Figure 2007035089
[一般式(I)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよく、Rはメチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよく、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
一般式(I)はアニオンの局在位置の表記の違いによる複数の互変異性体を含むものであるが、特にA、B、C、Dのいずれかが−CO−E(Eは置換基)である場合、酸素原子上に負電荷を局在させて表記することが一般的である。例えばDが−CO−Eである場合、表記としては下記一般式(II)が一般的であり、このような表記のものも一般式(I)に含まれる。
Figure 2007035089
一般式(II)におけるA、B、C、R、m、n、Yt+、tの定義は一般式(I)と同一である。
以下、上記一般式(I)で表されるオキソノール色素について説明する。一般式(II)において、A、B、C、及びDは、AとBのハメットの置換基定数σp値の合計及びCとDのハメットの置換基定数σp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基を表す。A、B、CおよびDはそれぞれ同一でもよく、また異なっていてもよい。また、AとB、もしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。A、B、C、及びDで表される電子吸引性基のハメットの置換基定数σp値は、それぞれ独立に0.30〜0.85の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、0.35〜0.80の範囲である。
ハメットの置換基定数σp値(以下、σp値という)は、例えばChem.Rev.91,165(1991)及びこれに引用されている参考文献に記載されており、記載されていないものについても同文献記載の方法によって求めることが可能である。AとB(CとD)が連結して環を形成している場合、A(C)のσp値は、−A−B−H(−C−10 D−H)基のσp 値を意味し、B(D)のσp 値は、−B−A−H(−D−C−H)基のσp値を意味する。この場合、両者は結合の方向が異なるためσp値は異なる。
A、B、C、及びDで表される電子吸引性基の好ましい具体例としては、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1乃至10のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素原子数2乃至12のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、デシルオキシカルボニル)、炭素原子数7乃至11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、炭素原子数1乃至10のカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシスルホニル基(例、メトキシスルホニル)、炭素原子数1乃至10のスルファモイル基(例、エチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフェニル基(例、メタンスルフェニル、エタンスルフェニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフェニル基(例、ベンゼンスルフェニル)、ハロゲン原子、炭素原子数2乃至10のアルキニル基(例、エチニル)、炭素原子数2乃至10のジアシルアミノ基(例、ジアセチルアミノ)、ホスホリル基、カルボキシル基、5員もしくは6員のヘテロ環基(例えば、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、3−ピリジル、5−(1H)−テトラゾリル、4−ピリミジル)を挙げることができる。
一般式(I)において、Rで表されるメチン炭素上の置換基としては、例えば以下に記載のものを挙げることができる。炭素原子数1〜20の鎖状又は環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、
アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)である。
Rとして好ましいものは、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至8の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子数6乃至10のアリールオキシ基、炭素原子数3乃至10のヘテロ環基であり、特に塩素原子、炭素原子数1乃至4のアルキル基(例:メチル、エチル、イソプロピル)、フェニル、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ)、フェノキシ、炭素原子数4乃至8の含窒素ヘテロ環基(例:4−ピリジル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル)が好ましい。
nは0乃至2m+1の整数を表すが、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成してもよい。このとき環員数は4乃至8が好ましく、特に5又は6が好ましく、環の構成原子は炭素原子、酸素原子又は窒素原子が好ましく、特に炭素原子が好ましい。
A、B、C、D及びRは更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、一般式(I)におけるRで表される一価の置換基の例として先に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
熱分解性の観点からAとB、またはCとDが連結して環を形成することが好ましく、そのような環の例として以下のようなものが挙げられる。なお、例示中、Ra、Rb及びRcは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
Figure 2007035089
Figure 2007035089
Figure 2007035089
Figure 2007035089
好ましい環は、A−8、A−9、A−10、A−11、A−12、A−13、A−14、A−16、A−17,A−36、A−39、A−41、A−54、及びA−57で示されるものである。更に好ましくは、A−8、A−9、A−10、A−13、A−14、A−16、A−17及びA−57で示されるものである。最も好ましくは、A−9、A−10、A−13、A−17及びA−57で示されるものである。
a、Rb、及びRcで表される置換基は、それぞれ前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。またRa、Rb、及びRcはそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。炭素環としては、例えば、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼン環などの飽和または不飽和の4〜7員の炭素環を挙げることができる。また複素環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピラジン環などの飽和または不飽和の4〜7員の複素環を挙げることができる。これらの炭素環または複素環は更に置換されていてもよい。更に置換し得る基としては、前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。
一般式(I)において、mは0乃至3の整数であるが、このmの値によって該オキソノール色素の吸収波長が大きく変化する。記録再生に用いるレーザの発振波長に応じて最適な吸収波長の色素を設計する必要があるが、この点においてmの値の選択は重要である。録再生に用いるレーザの中心発振波長が780nmの場合(CD−R記録用の半導体レーザ)、一般式(I)においてmは2又は3が好ましく、中心発振波長が635nm又は650nmの場合(DVD−R記録用の半導体レーザ)、mは1又は2が好ましく、中心発振波長が550nm以下の場合(例えば、中心発振波長405nmの青紫色半導体レーザ)は、mは0又は1が好ましい。
一般式(I)において、Yt+ で表されるt価のカチオンは、無機又は有機の何れのカチオンでもよく、無機のカチオンとしては、例えば、水素イオン、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4 +)を挙げることができ、好ましくは金属イオンであり、特にアルカリ金属イオン(例:Li+、Na+、K+)又は遷移金属イオン(例:Cu2+、Co2+)が好ましい。また、遷移金属イオンの場合、有機リガンドが配位しているものでも良い。
t+で表されるt価の有機のカチオンとしては、オニウムイオンが好ましく、下記一般式(III)で表されるものが特に好ましい。これらの化合物は、対応するジピリジルと目的の置換基を持つハロゲン化物とのメンシュトキン反応(例えば、特開昭61−148162号公報参照)、あるいは特開昭51−16675号公報および特開平1−96171号公報に記載の方法に準ずるアリール化反応により容易に得ることができる。
Figure 2007035089
一般式(III)中R31およびR32はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R33は置換基を表し、sは0乃至8の整数を表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR33はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるアルキル基は、炭素原子数1〜18が好ましく、更に炭素数1〜8が好ましく、直鎖、分岐又は環状であってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、イソアミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチルを挙げることができる。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばビニル、2−プロペニル、2−メチルプロペニル、1,3−ブタジエニルを挙げることができる。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばエチニル、プロピニル、3,3−ジメチルブチニルを挙げることができる。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるアリール基は、炭素数6〜18が好ましく、更に炭素数6〜10が好ましく、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルを挙げることができる。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜7の飽和又は不飽和のヘテロ環基が好ましく、含有されるヘテロ原子としては窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、例えば4−ピリジル、2−ピリジル、2−ピラジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、2−イミダゾリル、2−フリル、2−チオフェニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチオキサゾリルを挙げることができる。
一般式(III)のR31およびR32は更に置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(I)のRを表す置換基として例示したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(III)においてR33で表される置換基は、一般式(II)のRと同義であり、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜8の無置換アルキル基である。
一般式(III)において、sは0乃至8の整数を表すが、sは0〜4が好ましく、更に0〜2であることが好ましく、特に0が好ましい。sが2以上の整数のとき、複数個のR33はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。また、一般式(III)において二つのピリジン環は、何れの位置で連結していてもよいが、ピリジン環の2位もしくは4位で連結するのが好ましく、特に両ピリジン環の4位同士で連結するのが好ましい。
一般式(I)で表されるオキソノール色素は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
本発明に用いられる一般式(I)で表されるオキソノール色素の具体例としては、特開昭63−209995号公報、特開平10−297103号公報、同11−78106号公報、同11−348420公報、特開2000−52658公報、特願平11−78106号公報に記載されたオキソノール色素の具体例を挙げることができる。その一部の化合物を以下に例示する。
Figure 2007035089
Figure 2007035089
Figure 2007035089
Figure 2007035089
本発明の光記録媒体の好ましい層構成は、基板上に、(中間層)、反射層、(中間層)、記録層、中間層、接着層、カバー層、(ハードコート層)をこの順に設けた構成である。なお、これ以外として、各層の間に、接着性・記録特性・保存性等を高める目的で他の層が設けられても構わない。また、上記構成中、カッコ内に記載された層は、必要に応じて形成される層を意味する。
本発明の光記録媒体の層構成の一例を模式的に図1に示す。図1に示す光記録媒体10は、基板12上に、記録層14と、中間層16と、接着層18と、透明シート20とがこの順に積層されてなる。
以下、上記光記録媒体を具体例として、本発明の光記録媒体の基板やその他の層等について説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(基板)
基板材料の具体例としては、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さ(記録層が形成される領域の平均の厚さ)は、1.1±0.3mmの範囲とすることが好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(基板の凸部をオングルーブといい、凹部をイングルーブという。ここで、「オングルーブ」を「グルーブ」ということがある。)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。
グルーブのトラックピッチは、300〜360nmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは、310〜340nmの範囲とする。
また、グルーブの深さ(溝深さ)は、20〜50nmの範囲とすることが好ましい。かかる範囲とすることで、トラッキングエラー信号が小さくなってトラッキングがかかりにくくなることを防ぎながら、成形が困難となることを防ぐことができる。より好ましくは、25〜40nmである。
オングルーブの半値幅は、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。かかる範囲とすることで、トラッキングエラーが低下を防ぎながら、ジッターを低減させることができる。より好ましくは70〜190nmの範囲とし、さらに好ましくは90〜180nmとする。
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成してもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
(反射層)
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、AgまたはAgを主成分とする合金(Ag:50質量%以上)である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
(記録層)
記録層は、反射層上に形成され、波長500nm以下のレーザ光により情報の記録が可能な層で、有機色素を含有する色素型である。
前記有機色素としては、既述のように、オキソノール色素が好適に用いられる。
記録層は、有機色素である記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
記録層は、さらに耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有することが好ましい。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号に記載されている化合物が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(IV)で表わされる化合
物を挙げることができる。
Figure 2007035089
(但し、R31は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Q-はアニオンを表わす。)
一般式(IV)において、R31は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般
的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの例としては、ClO4-、AsF6-、BF4-、及びSbF6-が好ましい。
一般式(IV)において、R31は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般
的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの例としては、ClO4-、AsF6-、BF4-、及びSbF6-が好ましい。
(中間層)
中間層は、既述の材料を用いて既述の方法により記録層上に形成される。なお、中間層は、記録層とカバー層との間に形成されることを必須とし、その他、「基板と反射層との間」および「反射層と記録層と間」の少なくともいずれかに形成されていてもよい。
(カバー層)
カバー層は、光記録媒体内部を汚染や傷、衝撃などから防ぐため、あるいは水分の浸入などを防ぐなどのために形成される。材料としては、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等からなるカバーシートで、少なくとも一方の面に粘着剤が付与されたものを挙げることができる。
なお、「透明」とは、記録光および再生光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
カバーシートの粘着剤が付与された面とは反対の面には、透明シートの傷つき防止のためハードコート層形成しておいてもよい。かかる透明シートを記録層上に形成するには、以下のようにして行うことが好ましい。
まず、ロール状に巻回されたカバーシートの一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させてカバーシート上にハードコート層を設ける。その後、カバーシートの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状のカバーシートの粘着層を貼り合わせ面として、記録層上に当該カバーシートを設けて、カバー層を形成する。なお、カバーシートの貼り合わせ方法等は、単なる例示であり、種々の方法を適用することができる。
カバーシートの厚さは、0.03〜0.15mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、取り扱いが容易となり、しかも、コマ収差を抑えることができるという利点がある。
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。なお、予め粘着剤が付与された市販の透明シートを使用することもできる。
また、ハードコート層に使用される放射線硬化樹脂としては、放射線照射により硬化可能な樹脂であればよく、より詳細には、分子中に、2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であることが好ましい。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
次に、本発明の光記録媒体への情報の記録方法および記録した情報の再生方法について説明する。
光記録媒体への情報の記録は、例えば、次のように行われる。
まず、光記録媒体を定線速度にて回転させながら、透明シート側(基板の反対側)から記録用の350〜500nm(好ましくは、400〜440nm)のレーザ光を照射する。このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
350〜500nmの発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.80以上がより好ましい。
一方、記録された情報の再生は、光記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら、情報の記録に使用したレーザと同一波長もしくはそれ以下の波長のレーザ光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により厚さ1.1mmの基板を成形した。基板の溝トラックピッチは320nm、オングルーブ部の半値幅は120nm、溝深さは35nmであった。
この基板上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%、からなるターゲットを用いて、真空成膜法により反射層を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
下記化学式で表される有機色素Aを、TFP100mlに対し2gの比率になるよう秤量して溶解させた。該液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。この液を用いて、スピンコート法で反射層上に厚さ50nmの記録層を形成した。その後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理した。
Figure 2007035089
加熱処理後、真空成膜法により、Nb24.83からなるターゲットを用いてパルスDCスパッタ法で83nmの厚みの中間層を形成した。投入電力は1.5kW、Ar流量は10sccmで行った。
中間層を形成した後、一方の面に厚さ80μmの粘着層が形成されたポリカーボネートフィルム(厚み80μm)を貼り合せて光記録媒体を作製した。
作製した光記録媒体を、波長:403nm、NA=0.85のレーザー光学系を搭載したDDU−1000(パルステック工業(株)製)にセットして、イングルーブ部にトラッキングをかけて6mW及び8mWで8T単一波を記録、0.3mWのパワーで再生して信号振幅をアナログオシロスコープで評価した。このとき、線速は5.28m/sで、記録時のレーザーの発光パターンを最適化して行った。また、3〜10mWまで1mW毎に記録パワーを変更した時、初めて8T信号振幅が確認できたパワーの立ち上がりパワーとした。結果を下記表1に示す。
また、作製した光記録媒体を空冷式Xe照射機にて4MLx・hrの照射量になるまで光照射を行い、記録層の褪色性を評価した。評価は分光光度計(島津製作所社製分光光度計)を用いて反射モードで測定し、褪色テスト前後の350〜400nmの反射スペクトル変化を比較した。
[実施例2]
中間層の層厚を200nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。
[比較例1]
中間層の層厚を7nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。
[比較例2]
中間層の層厚を30nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。
Figure 2007035089
表1より、実施例1〜2の光記録媒体は、いずれも、80nm以上の中間層を有し、その層厚を7nm、30nmとした比較例1、2と同等以上の立ち上がりパワー(感度)、信号振幅、保存性を得ることができたことが分かる。
なお、比較例1における保存前後での反射率変化を図1のグラフに示す。比較例1では、保存前後で反射率が低下しているのが分かる。なお、特にグラフでは示さないが実施例1〜2では保存前後での反射率が概ね維持された。
本発明の光記録媒体の層構成を示す模式断面図である。 比較例1の保存前後での反射率変化をグラフで示す図である。
符号の説明
10 光記録媒体
12 基板
14 記録層
16 中間層
18 接着層
20 透明シート

Claims (4)

  1. 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、中間層と、カバー層とを有する光記録媒体であって、
    前記中間層の層厚が80〜300nmであることを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記有機色素がオキソノール色素であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記オキソノール色素が下記一般式(I)で表されるオキソノール色素であることを特徴とする請求項2に記載の光記録媒体。
    Figure 2007035089
    [一般式(I)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよく、Rはメチン炭素上の置換基を表し、mは0乃至3の整数を表し、nは0乃至2m+1の整数を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよく、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
  4. 前記中間層が金属酸化物からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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