JP2007168315A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】オキソノール骨格を有する色素を含む記録層を有する光記録媒体において、優れた再生耐久性を有する光記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に、色素を含む記録層を有する光記録媒体であって、前記色素が下記一般式(1)で表される色素であり、前記基板と前記記録層との間に、無機物からなる中間層を有することを特徴とする光記録媒体である。
Figure 2007168315


[一般式(1)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。Rはメチン炭素上の置換基を表し、nは0乃至1の整数を表し、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、光記録媒体、中でもレーザ光を用いて情報の記録及び再生を行うことができる追記型の光記録媒体に関する。
従来から、文字情報、画像情報、音声情報等を大量に記録・再生するための、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスク(光記録媒体)が提案されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プリグルーブ)のトラックピッチがCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、或いは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
また、最近は、デジタルハイビジョン放送の開始により、画像データ量の一層の増加が見こまれており、それに伴い、光記録媒体にも、高容量、高データ転送速度が求められるようになってきた。デジタルハイビジョン放送を家庭で録画しようとした場合、前述のDVD−Rでは既に容量が不足すると言われており、次世代DVDの開発も行われている。その一例として、このDVD−Rとほぼ同じ構成を有する追記型HD DVDが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
このHD DVDと呼ばれる光記録媒体は、高密度の記録を達成するために、基板には、DVD−Rよりも狭いトラックピッチ(0.3〜0.5μm)を有するプリグルーブが形成されており、また、波長400〜500nmの青紫色半導体レーザーを用いて記録再生することができる。
「日経エレクトロニクス10月13日号」日経BP社,2003年10月13日発行,p126−134
ところで、HD DVDの構成で使用される色素として種々提案されているが、オキソノール色素は屈折率が2を超え、1.9程度のフタロシアニンよりも好適に使用され得る。しかしながら、オキソノール色素は分解後、HD DVDで使用される波長400〜500nmの短波長のレーザー光に対して良好な再生耐久性が得られないという問題があった。
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、オキソノール骨格を有する色素を含む記録層を有する光記録媒体において、優れた再生耐久性を有する光記録媒体を提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、
<1>基板上に、色素を含む記録層を有する光記録媒体であって、前記色素が下記一般式(1)で表される色素であり、前記基板と前記記録層との間に、無機物からなる中間層を有することを特徴とする光記録媒体である。
Figure 2007168315

[一般式(1)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。Rはメチン炭素上の置換基を表し、nは0乃至1の整数を表し、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
<2> 前記中間層は、波長405nmにおける光透過率が50〜99%であることを特徴とする前記<1>に記載の光記録媒体である。
<3> 前記中間層は、Zn、Si、及びAlからなる群より選択される金属の窒化物、又は酸化物を少なくとも1種含有することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の光記録媒体である。
本発明によれば、オキソノール骨格を有する色素を含む記録層を有する光記録媒体において、優れた再生耐久性を有する光記録媒体を提供することができる。
本発明の光記録媒体は、基板上に、色素を含む記録層を有する光記録媒体であって、前記色素が一般式(1)で表される色素(詳細は後述する)であり、前記基板と前記記録層との間に、無機物からなる中間層を有することを特徴としている。
オキソノール骨格を有する色素は、記録後の分解物が再生レーザー光に対して弱く、連続再生中に分解物が変化し、記録部分の反射率変動を引き起こすと考えられる。一方、オキソノール骨格を有する色素を含む記録層に中間層を隣接して形成して記録した場合、ピット部に空隙が形成されることが確認されている(中間層なしでは空隙は形成されない)。空隙は光を吸収しないので、結果的にピット部の吸光性物質が少なくなっている。このことが、記録部分の反射率変動を抑制し、代表的な信号であるPRSNRの劣化の抑制につながったものと推定される。
一方、フタロシアニン等の色素は、分解物も記録/再生光に対して充分強いため、中間層の有無に依らず再生耐久性にはほとんど影響を与えない。
また、フタロシアニン色素の場合、隣接トラックへのピットの広がりを抑制する目的で基板と記録層との間に中間層を設けることで特性が改善されるが、元々ピットの隣接トラック方向への広がりの少ないオキソノール色素の場合、中間層は記録再生特性にはほとんど影響を与えず、再生耐久性が改善されるという予期せぬ効果が得られた。
以下、本発明の光記録媒体の各構成要素について説明する。
本発明の光記録媒体の層構成としては、基板上に、中間層、記録層と、反射層と、保護層とを順次有し、接着層を介して、保護層とダミー基板とを貼り合わせる構成、いわゆる「HD DVD」の構成を対象としている。
この層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよい。また、一部(基板、中間層、及び記録層を除く)を省略しても、別の異なる層を追加してもかまわない。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
以下、基板及び各層について説明する。なお、以下の説明において、基板とダミー基板とを総称して、単に「基板」という場合がある。
[基板]
本発明の光記録媒体の基板は、従来の光ディスクの基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。
基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
基板の厚さは、0.5〜1.0mmとすることが好ましく、0.55〜0.8mmとすることがより好ましい。
基板に形成されるプリグルーブは、反射率の確保、成形の容易さ、トラッキングの安定性の点から、溝深さは30〜130nmとすることが好ましく、40〜125nmとすることがより好ましく、50〜120nmとすることがさらに好ましい。また、溝幅(半値幅)は、140〜240nmとすることが好ましく、145〜230nmとすることがより好ましく、150〜220nmとすることがさらに好ましい。溝幅が狭いと溝部、広いとランド部(溝間部)の成型が困難となることがある。トラックピッチは330〜500nmとすることが好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面(プリグルーブが形成された面側)には、平面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤などの表面改質剤などを挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
[中間層]
本発明において、中間層は、基板と記録層との間に形成される必須の層であり、既述のように、この中間層と、オキソノール骨格を有する色素を含む記録層とにより、ピット部に空隙が形成される。
中間層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられるレーザー光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Al、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ga、In等の窒化物、酸化物、炭化物からなる材料が好ましく、中でも、Zn、Si、及びAlからなる群より選択される金属の窒化物、酸化物を少なくとも1種含む層であることが好ましい。具体的には、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga23、ZnO−Al23、Nb2、Ga、ITO、Siが好ましく、SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
また、中間層は硫黄を含まないことが望ましい。硫黄を含むと反射層に銀を用いた場合、銀を腐食させる場合があるからである。
また、中間層は水に腐食しない素材であることが望ましい。水に腐食する素材は湿熱保存性が悪くなる傾向にある。
中間層の厚さは1〜80nmとすることが好ましく、1〜50nmとすることがより好ましくは、1.5〜30nmとすることがさらに好ましい。薄すぎると記録時の空隙形成が不十分となり、厚すぎると溝幅が狭くなり記録特性が悪化することがある。
以上の中間層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
スパッタによる成膜時の圧力は13.3〜1.33×10−3Pa(1E−01〜1E−05torr)が好ましく、レートは0.1〜30nm/secが好ましく、ガス流量は1〜50sccmが好ましく、ガス種類はArが好ましく、スパッタ電力は0.2〜4kW(好ましくは0.4〜3kW、さらに好ましくは0.5〜2.5kW)である。
RFスパッタ法により成膜する場合、そのチューニング(マッチング)を調整して、FWDに対するREFは10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは2.5%以下である。また、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
DCスパッタ法による成膜の場合、パルススパッタ法やチョッパー等により瞬間的にターゲットの帯電を除去する手法を組み合わせることが好ましい。また、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
中間層の光透過率は50〜99%であることが好ましく、55〜98%であることがより好ましく、60〜95%であることがさらに好ましい。光透過率が低いと記録感度が悪化することがあり、媒体反射率が低くなるなどの弊害が生じることがある。光透過率が高いと、耐光性試験時の保存性が悪くなる傾向にある。中間層に用いられる無機物層は、記録再生波長である405mより短い領域では光吸収性が405nmでの吸収より大きく、耐光性試験時に照射される〜350nmの光から色素を保護する働きも有していると推定される。
[記録層]
記録層は、記録及び再生に使用されるレーザー光を吸収し得る色素を含有する層であって、デジタル情報などの符号情報(コード化情報)が記録される。
記録層には、下記一般式(1)で表される色素を含む。
Figure 2007168315

[一般式(1)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。Rはメチン炭素上の置換基を表し、nは0乃至1の整数を表し、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
一般式(1)はアニオンの局在位置の表記の違いによる複数の互変異性体を含むものであるが、特にA、B、C、及びDのいずれかが−CO−E(Eは置換基)である場合、酸素原子上に負電荷を局在させて表記することが一般的である。例えばDが−CO−Eである場合、表記としては下記一般式(2)が一般的であり、このような表記のものも一般式(1)に含まれる。
Figure 2007168315
一般式(2)におけるA、B、C、R、n、Yt+、tの定義は一般式(1)と同一である。
以下、上記一般式(1)で表されるオキソノール色素について説明する。一般式(2)において、A、B、CおよびDは、AとBのハメットの置換基定数σp値の合計及びCとDのハメットの置換基定数σp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基を表す。A、B、CおよびDはそれぞれ同一でもよく、また異なっていてもよい。また、AとB、もしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。A、B、C及びDで表される電子吸引性基のハメットの置換基定数σp値は、それぞれ独立に0.30〜0.85の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、0.35〜0.80の範囲である。
ハメットの置換基定数σp値(以下、σp値という)は、例えばChem.Rev.91,165(1991)及びこれに引用されている参考文献に記載されており、記載されていないものについても同文献記載の方法によって求めることが可能である。AとB(CとD)が連結して環を形成している場合、A(C)のσp値は、−A−B−H(−C−10 D−H)基のσp 値を意味し、B(D)のσp 値は、−B−A−H(−D−C−H)基のσp値を意味する。この場合、両者は結合の方向が異なるためσp値は異なる。
A、B、C及びDで表される電子吸引性基の好ましい具体例としては、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1乃至10のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル)、炭素原子数2乃至12のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、デシルオキシカルボニル)、炭素原子数7乃至11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル)、炭素原子数1乃至10のカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシスルホニル基(例、メトキシスルホニル)、炭素原子数1乃至10のスルファモイル基(例、エチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル)、炭素原子数1乃至10のアルキルスルフェニル基(例、メタンスルフェニル、エタンスルフェニル)、炭素原子数6乃至10のアリールスルフェニル基(例、ベンゼンスルフェニル)、ハロゲン原子、炭素原子数2乃至10のアルキニル基(例、エチニル)、炭素原子数2乃至10のジアシルアミノ基(例、ジアセチルアミノ)、ホスホリル基、カルボキシル基、5員もしくは6員のヘテロ環基(例えば、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、3−ピリジル、5−(1H)−テトラゾリル、4−ピリミジル)を挙げることができる。
一般式(1)において、Rで表されるメチン炭素上の置換基としては、例えば以下に記載のものを挙げることができる。炭素原子数1〜20の鎖状又は環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素原子数6〜18の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、
アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)である。
Rとして好ましいものは、ハロゲン原子、炭素原子数1乃至8の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子数6乃至10のアリールオキシ基、炭素原子数3乃至10のヘテロ環基であり、特に塩素原子、炭素原子数1乃至4のアルキル基(例:メチル、エチル、イソプロピル)、フェニル、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ)、フェノキシ、炭素原子数4乃至8の含窒素ヘテロ環基(例:4−ピリジル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル)が好ましい。
A、B、C、D及びRは更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、一般式(1)におけるRで表される一価の置換基の例として先に挙げたものと同様のものを挙げることができる。
光ディスクに用いられる色素としては熱分解性の観点からAとB、またはCとDが連結して環を形成することが好ましく、そのような環の例として以下のようなものが挙げられる。なお、例示中、R、R、及びRは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
Figure 2007168315
Figure 2007168315
Figure 2007168315
Figure 2007168315
好ましい環は、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(16)、(17),(36)、(39)、(41)、(54)、及び(57)で示されるものである。更に好ましくは、(8)、(9)、(10)、(13)、(14)、(16)、(17)及び(57)で示されるものである。最も好ましくは、(9)、(10)、(13)、(17)及び(57)で示されるものである。
、R、及びRで表される置換基は、それぞれ前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。またR、R、及びRはそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成してもよい。炭素環としては、例えば、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼン環などの飽和または不飽和の4〜7員の炭素環を挙げることができる。また複素環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピラジン環などの飽和または不飽和の4〜7員の複素環を挙げることができる。これらの炭素環または複素環は更に置換されていてもよい。更に置換し得る基としては、前記Rで表される置換基として挙げたものと同義である。
一般式(1)において、Yt+で表されるt価のカチオンは、無機又は有機の何れのカチオンでもよく、無機のカチオンとしては、例えば、水素イオン、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4 +)を挙げることができ、好ましくは金属イオンであり、特にアルカリ金属イオン(例:Li+、Na+、K+)又は遷移金属イオン(例:Cu2+、Co2+)が好ましい。また、遷移金属イオンの場合、有機リガンドが配位しているものでもよい。
t+で表されるt価の有機のカチオンとしては、オニウムイオンが好ましく、下記一般式(3)で表されるものが特に好ましい。これらの化合物は、対応するジピリジルと目的の置換基を持つハロゲン化物とのメンシュトキン反応(例えば、特開昭61−148162号公報参照)、あるいは特開昭51−16675号公報および特開平1−96171号公報に記載の方法に準ずるアリール化反応により容易に得ることができる。
Figure 2007168315
一般式(3)式中R31およびR32はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、R33は置換基を表し、sは0乃至8の整数を表し、sが2以上の整数のとき、複数個のR33はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(3)において、R31もしくはR32で表されるアルキル基は、炭素原子数1〜18が好ましく、更に炭素数1〜8が好ましく、直鎖、分岐又は環状であってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、イソアミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチルを挙げることができる。
一般式(3)において、R31もしくはR32で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばビニル、2−プロペニル、2−メチルプロペニル、1,3−ブタジエニルを挙げることができる。
一般式(3)において、R31もしくはR32で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばエチニル、プロピニル、3,3−ジメチルブチニルを挙げることができる。
一般式(3)において、R31もしくはR32で表されるアリール基は、炭素数6〜18が好ましく、更に炭素数6〜10が好ましく、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルを挙げることができる。
一般式(3)において、R31もしくはR32で表されるヘテロ環基は、炭素数4〜7の飽和又は不飽和のヘテロ環基が好ましく、含有されるヘテロ原子としては窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、例えば4−ピリジル、2−ピリジル、2−ピラジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、2−イミダゾリル、2−フリル、2−チオフェニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチオキサゾリルを挙げることができる。
一般式(3)のR31およびR32は更に置換基を有していてもよく、置換基としては一般式(1)のRを表す置換基として例示したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(3)においてR33で表される置換基は、一般式(2)のRと同義であり、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜8の無置換アルキル基である。
一般式(3)において、sは0乃至8の整数を表すが、sは0〜4が好ましく、更に0〜2であることが好ましく、特に0が好ましい。sが2以上の整数のとき、複数個のR33はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、また互いに連結して環を形成していてもよい。また、一般式(3)において二つのピリジン環は、何れの位置で連結していてもよいが、ピリジン環の2位もしくは4位で連結するのが好ましく、特に両ピリジン環の4位同士で連結するのが好ましい。
一般式(1)で表されるオキソノール色素は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
本発明に用いられる一般式(1)で表されるオキソノール色素の具体例としては、特開昭63−209995号公報、特開平10−297103号公報、同11−78106号公報、同11−348420公報、特開2000−52658公報、特願平11−78106号公報に記載されたオキソノール色素の具体例を挙げることができる。その一部の化合物を以下に例示する。
Figure 2007168315
記録層は、さらに記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有することが好ましい。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号に記載されている化合物が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(4)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2007168315

[一般式(4)中、R41は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Q-はアニオンを表わす。]
一般式(4)において、R41は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの例としては、ClO4-、AsF6-、BF4-、及びSbF6-が好ましい。
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
記録層を溶剤塗布により形成する方法としては、まず、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥する方法がある。
塗布液中の記録物質(上記の色素、化合物)の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロバノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブナラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
記録層の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
なお、記録層は単層でも重層でもよい。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
[反射層]
情報の再生時における反射率の向上の目的で、記録層に隣接して反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Agを50atm%以上含む金属である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板若しくは記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
[接着層]
接着層は、上記反射層と、第2の基板とを貼り合わせるために形成される。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、中でも、ディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」、「SD−661」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。
また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましく、5〜500μmの範囲がより好ましく、10〜100μmの範囲が特に好ましい。
[ダミー基板]
ダミー基板には、プリグルーブが形成されていない点以外は、既述の基板と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。
また、ダミー基板にも既述の基板と同様のプリグルーブが形成され、また、貼り合わせ面に、記録層が形成されていてもよい。更に、ダミー基板と記録層との間に誘電体層が設けられてもよいし、記録層の基板とは反対の面に反射層が設けられてもよい。なお、ダミー基板側に設けられる、誘電体層、記録層、及び反射層も、上述の各層と同様である。このように、ダミー基板側に記録層が形成されている積層体と、上述のように、既述の基板上に、誘電体層、記録層、及び反射層がこの順に形成されている積層体と、を両基板を外側にして接着層により貼り合せることにより、両面で情報の記録及び再生が可能な光記録媒体を得ることができる。
[保護層]
本発明の光記録媒体では、記録層を物理的及び化学的に保護する目的で、該記録層に隣接して保護層が設けられることある。なお、ダミー基板側にも記録層が形成されている場合にも、当該記録層に隣接して保護層を設けてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。或いは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
[記録方法]
本発明の光記録媒体への情報(デジタル情報)の記録方法について説明する。
本発明の光記録媒体への情報の記録には、少なくとも、レーザー光を射出するレーザーピックアップと、光記録媒体を回転させる回転機構と、を有する記録装置を用いる。まず、回転機構を用いて、未記録の光記録媒体を所定の記録線速度にて回転させながら、レーザーピックアップからレーザー光を照射する。この照射光により、記録層中の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性が変わることにより情報が記録される。
なお、記録された情報の再生は、回転させた状態の光記録媒体の記録層に向けてレーザーピックアップからレーザー光を照射して行う。
レーザー光の記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザー光のパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲が更に好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
レーザー光のパワーとしては、記録線速度によって異なるが、記録線速度が6.61m/sの場合、1〜20mWの範囲が好ましく、3〜15mWの範囲がより好ましく、5〜12mWの範囲が更に好ましい。また、記録線速度が2倍になった場合には、レーザー光のパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましい。
本発明においては、記録及び再生の光源として、350〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーを用いることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により厚さ0.6mmの基板を成形した。基板の溝トラックピッチは400nm、溝部の半値幅は190nm、溝深さは90nmであった。また、この基板の成形と同様にして、溝のないダミー基板を成形した。
この基板上にZnO(3部)−Ga(7部)からなるターゲットを用いて、RFスパッタ法により20nmの中間層を成膜した。成膜した中間層の405nmにおける光透過率は80%であった。
下記式で表される色素をTFP100mlに対し2gの比率になるよう秤量して溶解させた液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。この液を用いて、スピンコート法で中間層付きの基板上に厚さ55nmの記録層を形成した。
Figure 2007168315
さらに、記録層を形成後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理した。
加熱処理後の試料に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%からなるターゲットを用いて、真空成膜法により反射層を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
次いで、反射層上に、紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製 SD640)を滴下、塗布し、その上に、ダミー基板を載せた後、3600r.p.m.で回転させて紫外線硬化性樹脂を延展させた後にUVを照射することで、紫外線硬化性樹脂を硬化させ2枚の基板を貼り合わせて光記録媒体を得た。
作製した光記録媒体を、波長:403nm、NA=0.65のレーザー光学系を搭載したDDU−1000(パルステック工業社製)にセットして、クロック周波数64.8MHz、線速6.61m/sにてランダム信号(2T〜11T)を10mWの記録パワーで記録、同一トラックを30分間、0.4mWのパワーで再生して、11T信号のHiレベル、Loレベル、PRSNRの変化を測定した。記録時には発光波形を最適化して行った。
[実施例2]
中間層をSiOからなるターゲットを用いて30nmの厚みに成膜したこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、同様にして評価を行った。尚、中間層成膜後の405nmにおける光透過率は84%であった。
[実施例3]
中間層をSiからなるターゲットを用いてパルスDC法で20nmの厚みに成膜したこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、同様にして評価を行った。尚、中間層成膜後の405nmにおける光透過率は40%であった。
[比較例1]
中間層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製し、同様にして評価を行った。
以上の実施例1〜3及び比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2007168315
表1より、実施例1〜3の光記録媒体は、比較例1に記載の光記録媒体と比較して再生耐久試験時の反射率変化が抑制されていることが分かる。また、実施例1、2の光情報記録媒体は、中間層成膜後の光透過率が高く、初期特性も良好である。

Claims (3)

  1. 基板上に、色素を含む記録層を有する光記録媒体であって、
    前記色素が下記一般式(1)で表される色素であり、
    前記基板と前記記録層との間に、無機物からなる中間層を有することを特徴とする光記録媒体。
    Figure 2007168315

    [一般式(1)中、A、B、C、及びDは、AとBのハメットのσp値の合計及びCとDのハメットのσp値の合計がそれぞれ0.6以上となる電子吸引性基であり、AとBもしくはCとDは連結して環を形成していてもよい。Rはメチン炭素上の置換基を表し、nは0乃至1の整数を表し、Yt+はt価のカチオンを表し、tは1乃至10の整数を表す。]
  2. 前記中間層は、波長405nmにおける光透過率が50〜99%であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記中間層は、Zn、Si、及びAlからなる群より選択される金属の窒化物、又は酸化物を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
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