(第1の実施形態)
以下に本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1、図2は第1実施形態の冷蔵庫1の正面図、側面図である。冷蔵庫1は、上段に配設された冷蔵室2と、中段に配設された温度切替室3と製氷室4と、下段に配設された野菜室5と冷凍室6とを備えている。また、冷蔵室2内には、チルド室23(図3参照)が設けられている。なお、野菜室5の野菜の貯蔵に適した温度は約8℃、チルド室23の適した温度は約0℃になっている。
冷蔵庫の側面断面図を図3に示す。冷凍室6の背面には圧縮機35と凝縮機(不図示)と蒸発器17とが設けられている。そして、図示しないが、圧縮機35と蒸発器17との間には冷媒の循環路が設けられており、冷蔵室2と温度切替室3と製氷室4と野菜室5と冷凍室6と蒸発器17との間には空気の循環路が設けられている。また、冷蔵室2と温度切替室3と冷凍室6の後方には冷蔵室送風機28と温度切替室送風機14と冷凍室送風機18とがそれぞれ設けられている。
圧縮機35は循環冷媒を圧縮して高温高圧の気体とし、凝縮器(図示せず)は外部との間で熱交換をさせることにより冷媒を液化し、蒸発器17は冷媒を蒸発させて循環空気との間で熱交換をさせて空気を冷却し、温度切替室送風機14と冷凍室送風機18と冷蔵室送風機28とは冷気を冷蔵室2と温度切替室3と製氷室4と野菜室5と冷凍室6とチルド室23に送り込む。これにより、冷蔵室2と温度切替室3と製氷室4と野菜室5と冷凍室6とチルド室23とが冷却される。
冷気の循環経路である冷気通路31、32について説明する。冷気通路31は、蒸発器17から温度切替室3と製氷室4とチルド室23とにそれぞれ連通している。冷気通路32は、蒸発器17から冷気通路31を介して冷蔵室2に連通している。
冷蔵庫1の中段付近の正面断面図を図4に、冷蔵庫1の冷気の流れを図5に示す。蒸発器17で冷却された空気は、冷蔵室2とチルド室23と温度切替室3と製氷室4とに直接送り込まれる。そして、製氷室4内の冷気が冷凍室6へ送り込まれ、冷蔵室2とチルド室23内の冷気が野菜室5へ送り込まれる。
製氷室4と冷凍室6の冷気の流れを図6に示す。図4と図5と図6とを参照して、製氷室4と冷凍室6での冷気の流れについて説明する。
まず、製氷室4と冷凍室6との構成について説明する。冷蔵庫1の下方に蒸発器17が設けらている。製氷室4または冷凍室6の背面には、冷気を製氷室4へ送り込む冷凍室送風機18と、蒸発器17および製氷室4を連通させる冷気通路31とが設けられている。製氷室4と冷凍室6とは連通している。冷凍室6と蒸発器17との間には、冷凍室6内の空気を蒸発器17へ送出する戻り通風路21(図3参照)と、冷凍室ダンパ22が設けられている。なお、冷凍室ダンパ22の配置は上記構成に限定されるものではなく、例えば冷凍室6に設けてもよい。
蒸発器17で冷却された空気は、冷凍室送風機18の駆動により冷気通路31を介して製氷室4に送り込まれる(図4の矢印A参照)。製氷室4から冷凍室6へ流入した冷気は、冷凍室ダンパ22と戻り通風路21とを介して蒸発器17へ送出されて、蒸発器17で再び冷却される。制御部100が冷凍室ダンパ22の開閉量を調節することによって、冷凍室6から流出する空気の量を調節する。
冷蔵室2と野菜室5およびチルド室23と野菜室5との冷気の流れを図7に示す。図4と図5と図7とを参照して冷蔵室2と野菜室5およびチルド室23と野菜室5の冷気の流れについて説明する。温度冷却室3での冷気の流れについては、後で詳述する。
まず、冷蔵室2と野菜室5とチルド室23との構成について説明する。冷気通路31は、冷蔵室ダンパ27と冷気通路32とを介して冷蔵室2に、チルド室ダンパ25を介してチルド室23に連通する。冷蔵室2の背面下部には冷蔵室流出口(不図示)が設けられ、野菜室5には野菜室流入口(不図示)が設けられている。そして、冷蔵室2と野菜室5とは冷蔵室流出口と野菜室流入口とをつなぐ通路により連通している。また、チルド室23と野菜室5とも連通している。
冷蔵室2と野菜室5とでの冷気の流れについて説明する。蒸発器17で冷却された空気は、冷気通路31、32を通って、冷蔵室ダンパ27を介して冷蔵室2に流入する(図4の矢印B参照)。冷蔵室2内の冷気は冷蔵室流出口から野菜室流入口を介して野菜室5へ流入する。野菜室5の背面には野菜室流出口(不図示)が設けられており、野菜室流出口から流出した野菜室5内の冷気は戻り通路21に連通する戻り通風路19を介して蒸発器17に送出され、再び冷却される。そして、冷蔵室2と野菜室5とが冷却されて設定温度になると、制御部100は冷蔵室ダンパ27を閉鎖する。
チルド室23と野菜室5とでの冷気の流れについて説明する。蒸発器17で冷却された空気は、冷気通路31とチルド室ダンパ25とを介してチルド室に流入する(図4の矢印C参照)。チルド室内の冷気は野菜室5を経て、戻り通路19、20を介して蒸発器17に送出され、再び冷却される。そして、チルド室23が設定温度になると、制御部100はチルド室ダンパ25を閉鎖する。
温度切替室3の室内温度は低温の冷却モードと高温の保温モードとに切り替え可能である。以下、温度切替室3で切り替え可能な冷却モードと保温モードについて説明する。
温度切替室3は、蒸発器17で冷却された空気が送り込まれることによって冷蔵、冷凍、半冷凍、パーシャルまたはチルドなどの冷却モードとなる。冷却モードのなかの冷蔵、冷凍、チルド、パーシャル、半冷凍などの温度帯を冷却モードの温度帯とし、冷却モードの温度帯は使用者が設定部103により設定することができる。例えば、冷却モードの温度帯には、ワイン(8℃)、冷蔵(3℃)、チルド(0℃)、ソフト冷凍(−8℃)、冷凍(−15℃)等のがある。
また、温度切替室3にはヒータ15が設けられており、温度切替室3はヒータ15によって貯蔵物を保温する高温の保温モードとなる。保温モードでの温度切替室3の室内温度を50℃以上にするとよい。発育または繁殖温度が30℃〜40℃である主たる食中毒菌の増殖または繁殖を防止することができるとともに、加熱手段の容量や温度切替室3内の室内温度の分布にも適しているからである。
保温モードでの温度切替室3の室内温度は75℃以上にするとよい。例えば、腸管出血性大腸菌(病原性大腸菌O157)は75℃での約1分間の加熱により殺菌または滅菌されるため、75℃以上とすれば食中毒菌を殺菌または滅菌することができるためである。
また、保温モードでの温度切替室3の室内温度を80℃以下にするとよい。一般的に用いられる冷蔵庫の樹脂製部品の耐熱温度は80℃であるため、80℃以下とすれば特別な樹脂製部品を用いる必要がないためコストを抑えることができるからである。
したがって、保温モードでの温度切替室3の室内温度を50℃〜80℃とすれば、発育または繁殖温度が30℃〜40℃の主たる食中毒菌の増殖または繁殖防止することができるとともに、特別な樹脂製部品を用いる必要がなくコストを抑えることができる。また、保温モードでの温度切替室3の室内温度を75℃〜80℃とすれば、食中毒菌を殺菌または滅菌することができるとともに、特別な樹脂製部品を用いる必要がなくコストを抑えることができる。
55℃での食中毒菌の殺菌または滅菌の試験結果を以下に示す。試験サンプルは初期状態で大腸菌2.4×103CFU/mL、黄色ブドウ球菌2.0×103CFU/mL、サルモネラ2.1×103CFU/mL、腸炎ビブリオ1.5×103CFU/mL、セレウス4.0×103CFU/mLを含んでいる。この試験サンプルを40分間で3℃から55℃に加温し、55℃で3.5時間保温後、80分間で55℃から3℃に戻して再度各菌の量を調べた。その結果、いずれの菌も10CFU/mL以下(検出せず)のレベルまで減少していた。従って、温度切替室3の高温側の設定温度を55℃としても充分に殺菌または減菌効果がある。
なお、温度切替室3の冷却モードや保温モードへの切り替えは、使用者が行っても制御部100が行ってもよい。
温度切替室3の側面断面図を図8に示す。温度切替室3の構成について図8を参照しながら説明する。
温度切替室3は背面に背面板33を、前面に回動可能な扉9を設けている。背面板33と冷蔵庫1の背面の外壁である断熱壁10との間には導入通風路12が設けられてる。導入通風路12には、温度切替室3へ流入する冷気の流路を開閉して開閉量により温度切替室3へ流入する冷気の量を調整し、温度切替室3の室内温度を変化させる温度切替室吐出ダンパ13が設けられている。流入口33aと温度切替室吐出ダンパ13との間には温度切替室3に空気を送り込む温度切替室送風機14が設けられている。温度切替室送風機14の駆動によって冷気通路31から流れてきた冷気を温度切替室3に容易に送り込むことができる。なお、温度切替室吐出ダンパ13と温度切替室送風機14の配置は上記に限定されるものではなく、例えば温度切替室3に設けてもよい。
流出口33bの近傍には、開口部20aと20b、回動により開口部20aと20bとのうち一方を開いて他方を閉じるバッフル20cを備えた温度切替室戻りダンパ20が設けられている。温度切替室戻りダンパ20を制御することにより、冷却モードと保温モードでの温度切替室3内の空気の循環を変化させる。
温度切替室3の室内温度が冷却モードに切り替えられたとき、バッフル20cは、開口部20bを開放して開口部20aを閉鎖して、温度切替室3から流出した空気を戻り通風路19と戻り通風路19に連通する戻り通風路21を介して蒸発器17へ送出する(図4の矢印E参照)。また、温度切替室3の室内温度が保温モードに切り替えられたとき、バッフル20cは、開口部20aを開放して開口部20bを閉鎖して、温度切替室3から流出した空気を温度切替室送風機14の吸気側に送出して、温度切替室3の流出側の蒸発器17との冷気通路を閉鎖する。
温度切替室3の流入口33aと温度切替室送風機14との間に設けられたヒータ15を加温スピードが遅い安価なシート状のアルミ蒸着ヒータ等の熱伝導式ヒータとすると、温度切替室3を高温の保温モードに切り替えたとき、食中毒菌の発育温度帯である30〜45℃を通過するのに長時間を要することとなり、食中毒菌が発育または繁殖して食品衛生上の安全性が低下する。また、ヒータを貼り付ける周辺部品の耐熱温度(通常約80℃)の制約があるため、ヒータの容量を大きくして加熱スピードを速めることも困難である。また、広範囲にヒータを貼り付けると、放熱面が広範囲となり、温度切替室3の手前付近まで放熱面が及ぶと使用者が火傷する危険が生じる。
そこで、ヒータ15は熱輻射式のガラス管ヒータとするとよい。熱輻射式のガラス管ヒータは加温スピードが速く、食品衛生上安全である。また、容量を大きくしても占有スペースが小さいため、温度切替室3の奥部に配置することにより使用者が火傷する危険も少なくなる。
背面板33の背部下方には、温度切替室3の室内温度を検知する温度センサ16が設けられている。また、ヒータ15近傍には温度センサ24が設けられており、温度センサ24は、ヒータ15の輻射熱を受けた空気が上昇することによって加熱されやすいヒータ15の上方近傍の温度を検知する。
温度切替室3内には貯蔵物を載置する引き出し式の収納ケース11と、収納ケース11の底面には貯蔵物の温度を検知する温度センサ34を設けられている。この温度センサ34により、収納ケース11に載置された貯蔵物の温度を正確に検知することができ、貯蔵物の低温での保存および貯蔵物の高温での保温をより適切に行うことができる。
なお、温度センサ16、24、34の配置は上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
温度切替室送風機14をヒータ15の表面へ向けて送風する構成とするとよい。これにより、ヒータ15の表面温度を下げて安全性を向上させる。流出口33bには、ヒータ15が所定温度たる高温となるとヒータ15への通電を遮断するヒューズ30が設けられている。なお、ヒータ15およびヒューズ30の配置は上記構成には限定されるものではない。
ヒータ15は、温度切替室3を高温の保温モードのみに用いるものではなく、例えば冷却モードの冷凍の室内温度から冷蔵の室内温度に切り替えるときに用いてもよい。これにより、室内温度を迅速に切り替えることができる。
温度センサ16、24および34は温度を検知して検出信号を制御部100に送る。この検出信号を受けた制御部100は、検出信号に基づいてヒータ15、温度切替吐出ダンパ13、送風機14を制御して温度切替室の室内温度を設定温度に維持する。
使用者が設定する設定部103を設けてもよい。制御部100は設定部103により設定された内容に基づいて、温度切替室3の動作を制御する。また、設定部103により設定された内容または制御部100が制御する動作を表示する表示部102を設けてもよい。表示部102には例えば液晶パネルやLEDを用いることができる。
温度切替室3での冷気の流れを図9に示す。以下、図8と図9を参照しながら温度切替室3が冷却モードに切り替えられたときの冷気の流れについて説明する。冷却モードに切り替えられたとき、温度切替室吐出ダンパ13は開放され、温度切替室戻りダンパ20は開口部20bを開放して開口部20aを閉鎖する。
蒸発器17で冷却された空気は、冷気通路31と開放された温度切替室吐出ダンパ13と導入通風路12とを介して背面板33の上部に設けられた流入口33aから温度切替室3に流入する(図4の矢印D参照)。そして、温度切替室3に流入した冷気は、背面板33の下部に設けられた流出口33bから導入通風路12へ流出する。導入通風路12に流入した冷気は開口部20bを経て、戻り通風路19と21とを介して蒸発器17に送出され、蒸発器17で再び冷却される。
ヒータ15により保温する第1の制御を図10に、ヒータ15により保温する第2の制御を図11に、本発明の制御のブロック図を図12に示す。以下、温度切替室3を高温の保温モードとする構成を図9および図12を参照しながら説明する。
温度切切替室3の室内温度が高温の保温モードに切り替えられたとき、制御部100は温度切替室吐出ダンパ13を閉鎖し、バッフル20cにより開口部20aを開放して開口部20bを閉鎖する。これにより、温度切替室3に冷気が送り込まれることはなくなる。そして、温度切替室送風機14の駆動により温度切替室3内で空気を循環させることができる。
また、制御部100はヒータ15を駆動させ、輻射熱により背面板33を介して温度切替室3の室内温度を昇温させる。そして、室内温度が設定温度に到達すると、ヒータ15の容量を下げて駆動することにより、温度切替室3内の室内温度を設定温度に維持する。
ヒータ15により保温する第1の制御について図10を参照しながら説明する。ヒータ15の容量は通電率により変化させることができる。図10(a)の縦軸はヒータ15のオンオフによる印加電圧を示しており、横軸は時間を示している。図10(b)の縦軸は温度切替室3の室内温度を示しており、横軸は時間を示している。
温度切替室3が低温の冷却モードから高温の保温モードに切り替えられて、室内温度が保温モードの設定温度まで昇温されるまでの昇温期間をT1とし、保温モードの設定温度で貯蔵物を保温する保温期間をT2とする。昇温期間T1では、通電率を100%としてヒータ15を駆動する。保温期間T2では、ヒータ15を繰り返してオンオフさせて、通電率を100%よりも低くしてヒータ15を駆動する。温度センサ16が所定の上限温度t1を検知するとヒータ15をオフに、温度センサ16が所定の下限温度t2を検知するとヒータ15をオンにする。昇温期間T1から保温期間T2への移行は温度センサ16と24と34のうちの少なくとも一つの検知により行われる。
例えば、ヒータ15として消費電力が約190Wで表面積が約10,990mm2を用いると、通電率が100%で内容積が約0.023m3の温度切替室3を約30分の時間で3℃から80℃まで昇温させる。そして、通電率を約15%で間欠運転して温度切替室3を約80℃に保持することができる。
温度切替室送風機14として軸流ファン付モータを用い、送風量が約0.4m3/分で運転する。この時、保温モードでヒータ15の表面温度は、可燃性冷媒であるイソブタンの発火点温度(494℃)よりも低い最高でも約250℃に維持される。このため、冷凍サイクルに封入する冷媒に可燃性冷媒であるイソブタンを用いても、蒸発器17等から漏れたイソブタンがヒータ15の発熱によって爆発等する危険性がない。そのため、使用者にとってより安全な冷蔵庫1を提供できる。
ヒータ15は貯蔵物を保温する保温モードの室内温度を維持するのに必要な容量よりも大きな容量で駆動可能とするとよい。これにより、温度切替室3を低温の冷却モードから高温の保温モードに切り替えて昇温するときに大きな容量で駆動して、迅速に高温の保温モードに切り替えることができる。
ヒータ15により保温する第2の制御について図11を参照しながら説明する。図11(a)の縦軸はヒータ15のオンオフによる印加電圧を、横軸は時間を示している。図11(b)の縦軸は温度切替室3の室内温度を、横軸は時間を示している。
温度切替室3が低温の冷却モードから高温の保温モードに切り替えられて、室内温度が保温モードの設定温度まで昇温するまでの昇温期間をT1とし、保温モードの設定温度で貯蔵物を保温する保温期間をT2とする。昇温期間T1では、通電率を100%としてヒータ15を駆動する。保温期間T2では、通電率を100%よりも低くしてヒータ15を駆動して温度切替室3の室内温度を設定温度に保つ。昇温時間では温度センサ16が設定温度を検知するまでヒータ15をオンとして駆動させる。保温期間ではヒータ15をオンオフして、ヒータ15の単位時間あたりの容量を所定の容量に保つことにより設定温度を維持する。
図8を参照しながら、温度切替室3と隣接する部屋との断熱について説明する。温度切替室3は、上下に設けられた断熱壁7、8と左右に設けられた図示しない断熱壁とにより、隣接する冷蔵室2と野菜室5と製氷室4とから断熱隔離されている。これにより、温度切替室3の室内温度が高温の保温モードに切り替えられたとしても、断熱壁7、8および図示しない断熱壁は、保温モードの影響によって隣接する各部屋の室内温度が上昇することを最小限に抑えることができる。
しかしながら、温度切替室3と隣接する各部屋とが断熱壁により断熱されていたとしても、温度切替室3の室内温度が高温の保温モードに設定されているとき、この高温の室内温度が少なからず隣接する各部屋の室内温度を上昇させる。また、温度切替室3の室内温度が長時間保温モードに維持されたり、保温モードが連続して設定されると、隣接する各部屋の室内温度の上昇が顕著となる。
冷蔵室2、製氷室4、野菜室5、冷凍室6などの各部屋は設定温度を設け、制御部100は各部屋の室内温度を設定温度に維持するように制御する。各部屋の室内温度を設定温度に維持する制御のフローチャートを図13を参照しながら以下説明する。なお、各部屋の設定温度とは、各部屋で貯蔵物を冷却保存するのに適した温度であって、予め記憶部111に記憶されている。例えば、冷蔵室2の設定温度は約3℃、チルド室の設定温度は約0℃、冷凍室の室内温度は約−15℃などとする。
冷蔵室2、製氷室4、野菜室5、冷凍室6の少なくとも一つには室内温度を検知する温度センサが設けられており、この温度センサが検知した検知温度は制御部100に送信される。ステップ#100において、制御部100は、送信されてきた検知温度とその部屋の設定温度とを比較して、検知温度がその部屋の室内温度よりも高いか否かを判断する。
検知温度が設定温度よりも高い場合には、ステップ#110へ移行して制御部100は圧縮機35を駆動して冷蔵庫1内を循環する空気を冷却し、ステップ#130へ移行して制御部100は、冷蔵室送風機28と温度切替室送風機14と冷凍室送風機18とのうち少なくとも一つを駆動して冷却された空気を各部屋に送り込み、各部屋を冷却する。
検知温度が設定温度よりも低い場合には、ステップ#120へ移行して、制御部100は、圧縮機35が駆動している場合には停止させ、圧縮機35が停止している場合には停止を維持する。そして、ステップ#140へ移行して、制御部100は、冷蔵室送風機28と温度切替室送風機14と冷凍室送風機18とのうちいずれかが駆動している場合には停止させ、冷蔵室送風機28と温度切替室送風機14と冷凍室送風機18とが停止している場合には停止を維持する。
なお、ステップ#130において、上記送風機(14、18、28)は、圧縮機35の駆動に連続して駆動させてもよいし、圧縮機35が駆動してから所定時間経過後に駆動させてもよい。
したがって、温度切替室3の室内温度が長時間保温モードに維持されたり、保温モードが連続して設定されると、隣接する各部屋の室内温度の上昇が顕著となり、この上昇した室内温度を設定温度に維持するために圧縮機35を常に駆動させなければならない。また、上記送風機(14、18、28)の駆動時間も長くなる。圧縮機35および上記送風機(14、18、28)が長時間駆動すると、長時間騒音に悩まされるとともに圧縮機35および上記送風機(14、18、28)への負担も増大する。この負担は圧縮機35と上記送風機(14、18、28)およびこれらを駆動する電子部品の寿命を短縮させる恐れもある。
そこで、温度切替室3の室内温度が保温モードから冷却モードに切り替えられると、制御部100は、温度切替室3を保温モード禁止状態に設定することとした。保温モード禁止状態とは温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替えることができない状態をいう。例えば、保温モード禁止状態では、使用者が設定部103から保温モードへの切り替えを設定したとしても、温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替えることができない。
温度切替室3の室内温度が保温モードから冷却モードに切り替えられたときの制御を、保温モード禁止状態の制御について示した図14に基づいて説明する。
ステップ#200において保温モードが終了すると、ステップ#210へ移行して、制御部100は温度切替室3の室内温度を冷却モードに切り替える。次に、ステップ#230へして、制御部100は保温モード禁止状態を設定する。
保温モード禁止状態において、使用者が設定部103から保温モードを設定したとしても、温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替えることができない。そこで、報知部110は、使用者が設定部103から保温モードを設定されたことを契機に「保温モード禁止状態です」などと使用者に報知してもよい。なお、報知部110は、音により聴覚的に報知するものであっても、液晶パネルやLEDなどから成る表示部102に表示して視覚的に報知するものであっても、携帯電話などの携帯端末やパーソナルコンピューターなどに文字情報たるメールにより報知してもよい。
使用者からの操作がなかったとしても、保温モード禁止状態が設定された後に、制御部100が報知部110に報知をさせるように制御してもよい。例えば、保温モード禁止状態が設定されたとき、制御部100は報知部110に「保温モード禁止状態が設定されました。今から○○分の間、保温モードを設定することができません。」と報知させてもよい。また、保温モード禁止状態が設定されて所定時間経過したとき、制御部100は報知部110に「保温モード禁止状態が設定されて○○分経過ました。今から○○分で保温モード禁止状態が解除されます。」と報知させてもよい。また、保温モード禁止状態が解除されたとき、制御部100は報知部110に「保温モード禁止状態が解除されました。」と報知させてもよい。
なお、報知部110が報知する契機となる情報は、タイマー10の計測結果、温度センサ(16、24、34)の検知結果および圧縮機35の駆動状況のいずれであってもよい。制御部100は、タイマー10の計測結果、温度センサ(16、24、34)および圧縮機35の駆動状況のいずれかの情報に基づいて報知する契機を決定して報知部110に報知させる。
報知部110はタイマーの計測結果に基づく情報、温度センサ(16、24、34)の検知結果および循環冷媒を圧縮する圧縮機35の駆動状況に基づく情報などのうち少なくとも一つの情報に基づく内容を報知する。
報知部110がタイマーの計測結果に基づく情報を報知する場合について説明する。タイマー10の計測結果に基づく情報としては、例えば、保温モードから冷却モードに切り替えられてからの経過時間でもよいし、保温モード禁止状態が解除されて、温度切替室3が室内温度を保温モードに切り替えることができる状態になるまでの時間などでもよい。
なお、報知部110の上記制御については、設定部103から使用者が設定することができるようにしてもよい。例えば、報知部110が報知するタイミングや、音声により報知するか表示部102に表示させて報知するかなどの報知方法、報知する内容などを設定部103から設定できる。これにより、使用者の用途に合わせて、報知部110を制御することができるため、利便性が向上する。
そして、ステップ#240に移行して、制御部100は所定条件を満たすか否かを判断する。所定条件を満たした場合には、ステップ#250へ移行して保温モード禁止状態を解除する。このとき、使用者が設定部103から保温モードへの切り替えを設定したとき、温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替えることができる。一方、所定条件を満たさない場合には、ステップ#240へ移行して制御部100は所定条件を満たすか否かを監視する。
保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件は、圧縮機35、冷蔵室送風機28、温度切替室送風機14および冷凍室送風機18への負担を判断できるものであればよい。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。これらの第2の実施形態〜第4の実施形態は、保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件を限定したものであり、全体構成および冷蔵庫1の動作制御は図1〜図14に示した第1の実施形態の冷蔵庫1のものと同様である。
(第2の実施形態)
本実施形態では、温度切替室3の室内温度が保温モードから冷却モードに切り替えられてからの経過時間を計測するタイマー10を備え、このタイマー10の計測結果に基づいて保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件を決定する。
第2の実施形態の冷蔵庫1の温度切替室3の保温モード禁止状態の制御を表したフローチャートを図15に示す。以下、図15を参照しながら第2の実施形態の制御を説明する。
ステップ#300において保温モードが終了するとステップ#310へ移行して冷却モードを開始する。次に、ステップ#320へ移行して、制御部100は温度切替室3を保温モード禁止状態に設定して、ステップ#330へ移行する。ステップ#330では、制御部100は、タイマー10による保温モードが終了してからの経過時間の計測を開始させる。
次に、ステップ#340へ移行して、制御部100はタイマー10の計測時間が所定時間となったか否かを判断する。タイマー10の計測時間が所定時間となっていた場合には、ステップ#350へ移行して制御部100はタイマー10による経過時間の計測を停止させ、ステップ#360へ移行して保温モード禁止状態を解除する。一方、タイマー10の計測時間が所定時間に満たない場合にはステップ#340へ移行して、制御部100はタイマー10の計測時間が所定時間となったか否かを再び監視する。
保温モード禁止状態を解除する契機となる所定時間は、圧縮機35、冷蔵室送風機28、温度切替室送風機14および冷凍室送風機18への負担を考慮して設定される。例えば、所定時間を圧縮機35が駆動して停止するまでの平均時間としてもよいし、温度切替室3の室内温度が保温モードの高温の設定温度から冷却モードの低温の設定温度になるまでの平均の時間としてもよい。
冷蔵庫1の庫内温度(各部屋の室内温度をいう。以下同じ。)は扉が開かれる度に上昇する。そのため、温度切替室3の室内温度が冷却モードに切り替えられてから冷蔵庫1の扉が開かれたにも関わらず、所定時間が経過したとして画一的に保温モード禁止状態を解除すると、冷蔵庫1の庫内温度が設定温度(各部屋において、貯蔵物を冷却保存するのに適した予め設定された温度。以下同じ。)となる前に保温モード禁止状態が解除される。そして、冷蔵庫1の庫内温度が設定温度となる前に保温モードが設定されて開始すると、冷蔵庫1の庫内温度を設定温度とするために圧縮機35を駆動しなければならないことに加えて、保温モードの影響による各部屋の室内温度の上昇を防止するためにも圧縮機35および上記送風機(14、18、28)を駆動しなければならず、圧縮機35および上記送風機(14、18、28)の駆動時間が長時間となり、負担がさらに増大する。
そこで、温度切替室3の室内温度が冷却モードに切り替えられてから、扉が開かれる毎に所定時間を延長してもよい。例えば、制御部100は、温度切替室3の室内温度が冷却モードに切り替えられてから冷蔵庫1の扉が開かる毎に所定時間に5分追加する。なお、追加する時間は5分に限られるものではなく、圧縮機35の性能や庫内温度と設定温度との差などに基づいて適宜変更可能である。これにより、冷蔵庫1の庫内温度が設定温度となる前に制御部100が保温モード禁止状態を解除することを防止し、圧縮機35および上記送風機(14、18、28)への負担をよりに軽減することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、制御部100が圧縮機35の駆動状態を監視し、圧縮機35の駆動状態に基づいて保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件を決定する。
第3の実施形態の冷蔵庫1の温度切替室3の保温モード禁止状態の制御を表したフローチャートを図16に示す。以下、図16を参照しながら第3の実施形態の制御を説明する。
ステップ#400において保温モードが終了するとステップ#410へ移行して冷却モードを開始する。そして、ステップ#420へ移行して、制御部100は圧縮機35が駆動しているか否かを確認する。圧縮機35が駆動している場合には駆動を維持し、圧縮機35が駆動していない場合には駆動を開始させる。この圧縮機35の駆動により、温度切替室3の室内温度は冷却モードの設定温度となるまで冷却され、その他の部屋も設定温度となるまで冷却される。
次に、ステップ#430へ移行して制御部100は温度切換室3を保温モード禁止状態に設定し、ステップ#440へ移行する。ステップ#440では、制御部100が圧縮機35が停止したか否かを判断する。圧縮機35は、冷蔵庫1の庫内温度が設定温度以下となったとき駆動を停止する。すなわち、圧縮機35がまだ駆動している場合には、冷蔵庫1の庫内温度は設定温度以上であり、その状態で保温モード禁止状態を解除して保温モードが開始した場合には、冷蔵庫1の庫内温度を設定温度とするために圧縮機35を駆動しなければならないことに加えて、保温モードの影響による各部屋の室内温度の上昇を防止するためにも圧縮機35および上記送風機(14、18、28)を駆動しなければならず、圧縮機35および上記送風機(14、18、28)への負担がさらに増大する。一方、圧縮機35が停止している場合には、冷蔵庫1の庫内温度は設定温度以下となっており、保温モード禁止状態を解除してもよい。
そこで、圧縮機35が停止している場合には、ステップ#450へ移行して保温モード禁止状態を解除する。一方、圧縮機35が駆動している場合には、ステップ#440へ移行して、制御部100は圧縮機35が停止しているか否かを監視する。
したがって、本実施形態では、圧縮機35の駆動状態に基づいて保温モード禁止状態を解除するため、圧縮機35や圧縮機35に連動して駆動する上記送風機(14、18、28)が連続駆動することによる負担を直接的に防止することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、温度切換室3に設けられた温度センサ(16、24、34)に基づいて保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件を決定する。
保温モードが終了して冷却モードが開始すると、制御部100は温度切換室3を保温モード禁止状態とする。そして、制御部100は、温度センサ(16、24、34)が検知する検知温度が冷却モードでの設定温度以下となっているか否かを監視する。検知温度が冷却モードでの設定温度以下となっている場合には、制御部100は保温モード禁止状態を解除する。一方、検知温度が冷却モードでの設定温度以上である場合には、制御部100は保温モード禁止状態を維持し、再び温度センサ(16、24、34)が検知する検知温度が冷却モードでの設定温度以下となっているか否かを監視する。
なお、保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件は温度切換室3の室内温度に基づいて決定されると限定されるものではなく、例えば野菜室5に温度センサを備え、この温度センサが検知する検知温度に基づいて決定してもよい。
(第5の実施形態)
本実施形態では、保温モード禁止状態において使用者が設定部103から保温モードを予約設定したとき、制御部100は保温モード禁止状態が解除された後に温度切替室3の室内温度を自動的に保温モードに移行させる。なお、保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件は実施形態1〜4のいずれかにより決定されればよい。
第5の実施形態の制御のフローチャートを図17に示す。以下、図17を参照しながら第5の実施形態の制御を説明する。
ステップ#500において保温モードが終了するとステップ#510へ移行して冷却モードを開始する。次に、ステップ#520へ移行して、制御部100は温度切替室3を保温モード禁止状態に設定して、ステップ#530へ移行する。
ステップ#530では、制御部100は、使用者が設定部103から保温モードを設定したか否かを判断する。使用者が保温モードを設定した場合には、ステップ#540へ移行して制御部100は報知部110に「保温モード禁止状態のため保温モードへ切り替えることができません」などと使用者に報知する。一方、使用者が保温モードを設定していない場合には、ステップ#530へ移行して、制御部100は使用者が設定部103から保温モードを設定するか否かを監視する。
ステップ#550では、報知部110または表示部102は使用者に保温モードを予約するか否かを使用者に尋ね、制御部100は使用者が設定部103から保温モードの予約の設定をしたか否かを判断する。
使用者が保温モードの予約の設定をした場合にはステップ#560へ移行し、制御部100は保温モードの予約の設定を記憶部111に記憶する。そして、ステップ#570へ移行して制御部100が所定条件を満たすか否かを判断し、所定条件を満たすとしてステップ#580へ移行して保温モードが解除された場合には、自動的にステップ#590へ移行して温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替える。
一方、使用者が保温モードの予約の設定をしない場合にはステップ#600へ移行し、制御部100は所定条件を満たすか否かを判断する。そして、所定条件を満たしてステップ#610へ移行し、保温モード禁止状態を解除した場合には、ステップ#620へ移行する。ステップ#620では、制御部100は使用者が設定部103から保温モードを設定するか否かを判断し、使用者が保温モードを設定した場合には、ステップ#630へ移行して制御部100は温度切替室3の室内温度を保温モードに設定する。
つまり、温度切替室3が保温モード禁止状態のときに、使用者が保温モードの予約の設定をした場合には、保温モード禁止状態解除後に自動的に温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替える。一方、温度切替室3が保温モード禁止状態のときに、使用者が保温モードの予約の設定をしない場合には、通常通り使用者からの保温モード設定の指示を待ってから温度切替室3の室内温度を保温モードに切り替える。
(第6の実施形態)
本実施形態では、温度切替室3の高温の保温モードで貯蔵物の保温を継続することができる最大の時間である保温上限時間を設けている。なお、保温モード禁止状態を解除する契機となる所定条件は実施形態1〜4のいずれかにより決定されればよく、保温モード禁止状態において使用者が設定部103から保温モードを予約設定したときは実施形態5に従って制御する。
保温上限時間とは、温度切替室3の室内温度が保温モードに切り替えられてから保温モードを継続することができる最大の時間をいう。つまり、温度切替室3の室内温度が保温モードに切り替えられてから保温上限時間が経過すると保温モードは終了して、温度切替室の室内温度は冷却モードに切り替えられる。
第6の実施形態の制御のフローチャートを図18に示す。以下、図18を参照しながら第6の実施形態の制御を説明する。
ステップ#700では、温度切替室3の室内温度が低温の冷却モードから高温の保温モードに切り替えられる。ステップ#710では、制御部100は、温度切替室吐出ダンパ13を閉鎖し、温度切替室戻りダンパ20のバッフル20cにより開口部20bを閉鎖する。ステップ#720では、制御部100は温度切替室送風機14を駆動し、導入通風路12内の空気を温度切替室3に送り込む。温度切替室3内の空気は、流出口33bから導入通風路12へ流出する(図4の矢印D参照)。導入通風路12へ流入した空気は、温度切替室送風機14の駆動により再び温度切替室3に送り込まれる。このようにして、温度切替室3を密閉して暖気の流出を防止するとともに、温度切替室3内の空気を循環させて温度切替室3の室内温度の分布を均一にすることができる。室内温度の分布を均一にすることによりヒータ15やヒータ15周辺の変形、発火、発煙などを防止することができる。
ステップ#730では、制御部100はヒータ15を駆動して温度切替室3内の空気の温度を昇温させる。ステップ#740では、制御部100はタイマー101をスタートして、保温モードに切り替えられてからの時間を計測する。
ステップ#750では、制御部100はヒータ15を制御して温度切替室3の室内温度を高温(保温モードでの設定温度)に維持する。なお、温度切替室3の室内温度を高温に維持する方法は、図10に示した第1の制御でも図11に示した第2の制御でもよい。
ステップ#760では、制御部100は保温モードに切り替えられてから保温上限時間が経過したか否かを判断する。保温上限時間が経過している場合には、ステップ#780へ移行して保温モードから冷却モードに切り替える。一方、保温上限時間がまだ経過していない場合には、ステップ#770へ移行する。
ステップ#770では、制御部100は使用者が設定部103により冷却モードへの切替設定をしたか否かを判断する。冷却モードへの切り替え設定がされた場合には、制御部100は保温モードを終了させて冷却モードに切り替える。一方、冷却モードへの切り替え設定がされていない場合にはステップ#750へ移行して、制御部100は再び保温モードに切り替えられてから保温上限時間が経過したか否かを監視する。
本実施形態によれば、温度切換室3の室内温度が保温モードで長時間維持されることを防止することができるため、保温する貯蔵物が乾燥など劣化することを防止することができるとともに、圧縮機35や上記送風機(14、18、28)への負担を軽減することができる。
保温上限時間は予め設定されてもよく、制御部100が状況に合わせて適宜決定してもよい。例えば、温度切替室3に保温する貯蔵物の種類、水分量、表面積および質量のうち少なくても一つを検知する貯蔵物センサ109を備え、この貯蔵物センサ109の検知結果に基づいて、制御部100が保温上限時間を決定してもよい。また、圧縮機35の駆動状況に基づいて、制御部100が保温上限時間を決定してもよい。
なお、本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。また、圧縮機35の駆動または停止の契機となる値を冷蔵庫1の設定温度としたが、これに限られるものではなく、設定温度よりも低い温度を契機として圧縮機35の駆動と停止とを切り替えてもよい。例えば、冷凍庫6の設定温度が約−22℃のとき、制御部100は圧縮機35を冷凍庫6の室内温度が−30℃となるまで駆動させて冷蔵庫1の庫内を冷却する。そして、冷凍庫6の室内温度が−30℃以下となったとき、制御部100は圧縮機35を停止させる。また、保温モードでの高温とは、冷却モードの温度よりも高く、貯蔵物を保温することができる温度を意味する。