JP2007031896A - 発泡壁紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されている、
ことを特徴とする発泡壁紙に係る。
【選択図】なし
Description
1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されている、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 非発泡樹脂層の厚みが10μm以下である、前記項1に記載の発泡壁紙。
3. 前記樹脂成分のメルトフローレート値が100g/10分以上である、前記項1に記載の発泡壁紙。
4. 非発泡樹脂層の厚みが10μm以下であり、かつ、前記樹脂成分のメルトフローレート値が100g/10分以上である、前記項1に記載の発泡壁紙。
5. 前記重合体が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体である、前記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
6. 前記重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種である、前記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
7. 前記重合体が、水素結合を有する、前記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
8. 前記重合体が、樹脂組成物中70〜100重量%含有する、前記項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
9. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
10. 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、前記項1〜9のいずれかに記載の発泡壁紙。
11. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、前記項1〜10のいずれかに記載の発泡壁紙。
12. 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、前記項1〜11のいずれかに記載の発泡壁紙。
13. 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、前記項1〜12のいずれかに記載の発泡壁紙。
14. シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、前記項1〜13のいずれかに記載の発泡壁紙。
15. 少なくとも前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射により架橋されている、前記項1〜14のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
16. 前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層の少なくとも一方に架橋剤が含まれる、前記項15に記載の壁装用化粧シート。
本発明の発泡壁紙(本発明シート)は、紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されている、
ことを特徴とする。
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されており、
(4)非発泡樹脂層の厚みが10μm以下である、
ことを特徴とする。
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されており、
(4)前記樹脂成分のメルトフローレート値が100g/10分以上である、
ことを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていても良い。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でないが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、アクリル酸(CH2=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH2=C(CH3)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とする。
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層のおもて面に、必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
本発明シートは、発泡エンボス模様に加えて、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層Bである場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明シートの製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み8μm/100μm/10μmになるように製膜し、前記iii)層の面に裏打紙を積層した。このときの押し出し条件は、前記i)層の樹脂はシリンダー温度160℃とし、前記ii)層の樹脂はシリンダー温度120℃とし、前記iii)層の樹脂はシリンダー温度100℃とした。いずれも、ダイス温度は120℃とした。次に、前記i)層上から電子線(175KV 3Mrad)を照射して、前記ii)層を樹脂架橋させた後、i)層上にコロナ放電処理を行った。さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させた。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1560」)、MFR:60g/10分、メタクリル酸含有量:15重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部からなる組成物を用意した以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1110H」、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部及び架橋剤(製品名「オプスターJUA−702」、JSR社製)1重量部からなる組成物を用意し、さらに当該非発泡樹脂層の厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1110H」、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部からなる組成物を用意し、さらに当該非発泡樹脂層の厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1110H」、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部及び架橋剤(製品名「オプスターJUA−702」、JSR社製)1重量部からなる組成物を用意した以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名ニュクレル N1560)、MFR:60g/10分、メタクリル酸含有量:15重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部からなる組成物を用意し、さらに電子線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1110H」、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部からなる組成物を用意し、当該非発泡樹脂層の厚みを15μmとし、さらに電子線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
非発泡樹脂層を構成する樹脂をEMAA(製品名「ニュクレル N1110H」、MFR:100g/10分、メタクリル酸含有量:11重量%、三井・デュポンポリケミカル製)100重量部からなる組成物を用意し、さらに電子線を照射しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に対して、耐スクラッチ試験を行った。
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の表面を目視により観察した。
「気泡抜けが確認されない」を「○」、「僅かに気泡抜けが確認される」を「△」、「気泡抜けが確認され表面に大きく孔が空いている」を「×」と評価した。これを下記の表1に示す。
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の発泡ボリュームを発泡前後の厚み比率(倍率)により測定した。「5倍以上」を「○」、「5倍未満、4倍以上」を「△」、「4倍未満」を「×」と評価した。これを下記の表1に示す。
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙のエンボス適性をエンボス版の凹凸深さと壁紙表面の凹凸深さを測定し、賦型率を求めた。「賦型率60%以上」を「○」、「60〜40%」を「△」、「40%未満」を「×」と評価した。これを下記の表1に示す。
Claims (16)
- 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層であり、
(3)少なくとも非発泡樹脂層が架橋されている、
ことを特徴とする発泡壁紙。 - 非発泡樹脂層の厚みが10μm以下である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記樹脂成分のメルトフローレート値が100g/10分以上である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 非発泡樹脂層の厚みが10μm以下であり、かつ、前記樹脂成分のメルトフローレート値が100g/10分以上である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体である、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、水素結合を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、樹脂組成物中70〜100重量%含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、請求項1〜10のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、請求項1〜11のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、請求項1〜12のいずれかに記載の発泡壁紙。
- シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項1〜13のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 少なくとも前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射により架橋されている、請求項1〜14のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層の少なくとも一方に架橋剤が含まれる、請求項15に記載の壁装用化粧シート。
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