JP2007031624A - 反応性界面活性剤 - Google Patents

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聖二 山下
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Abstract

【課題】 重合時のエマルジョンの安定性が良好、かつ生成したエマルジョンの凝集物が少ない反応性界面活性剤を提供することである。
【解決手段】 下記一般式(1)で表わされる反応性界面活性剤である。
4O(AO)k(AO)m(AO)nCOCR=CHR (1)
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または水素原子、RおよびRは水素原子またはメチル基、AおよびAは炭素数2〜4のアルキレン基、Aは炭素数5〜22である直鎖の1,2−アルキレン基を表わし、kは平均が1〜500の1以上の整数、mは平均が1〜3の1以上の整数、nは平均が0〜5の0または1以上の整数を表わす。)

Description

本発明は非イオン性反応性界面活性剤に関するものである。詳しくは、該界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤、並びに得られるエマルジョンに関する。
界面活性剤は、乳化、分散、洗浄、湿潤、起泡等の性能を有しており、従来から繊維産業、医療産業、香粧品産業、樹脂産業、トイレタリー産業およびIT産業等幅広い分野で用いられている。
界面活性剤のうち、反応性界面活性剤は、乳化重合用乳化剤や懸濁重合用分散剤の用途において、重合後にフリーで存在する界面活性剤が少ないというメリットがあるため、エマルジョンの泡立ちや、樹脂化したときの接着性、耐候性、耐水性などが、非反応性の界面活性剤を使用した場合に比較して向上するといった利点があった。特に非イオン性の反応性界面活性剤(例えば特許文献1)は、乳化重合用に用いた場合、イオン性の反応性界面活性剤に比べて、得られるエマルジョンの乾燥被膜の耐水性が良好であった。
また、非イオン性反応性界面活性剤は他のビニルモノマーと共重合されて、得られるビニル重合体に帯電防止性の付与または染色性の付与などの効果を示すことがあった(例えば特許文献2)。
特開平4−50204号公報 特開平7−330845号公報
しかしながら非イオン性界面活性剤を乳化重合用乳化剤として使用する場合、非イオン性反応性界面活性剤は重合時のエマルジョンの安定性(以下、重合安定性と略記)が不十分であるため生成粒子が粗いことに問題があり、その結果として、生成したエマルジョンの経日安定性が悪く、静置しておくと沈降や凝集が起こることがあった。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は
下記一般式(1)で表わされる反応性界面活性剤;該反応性界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤;該乳化重合用乳化剤を用いてビニルモノマーを乳化重合して得られるビニル重合体エマルジョン;並びに該反応性界面活性剤を必須構成単位として含有するビニル重合体、である。
4O(AO)k(AO)m(AO)nCOCR=CHR (1)
式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または水素原子、RおよびRは水素原子またはメチル基、AおよびAは炭素数2〜4のアルキレン基、Aは炭素数5〜22である直鎖の1,2−アルキレン基を表わし、kは平均が1〜500の0又は1以上の整数、mは平均が1〜3の1以上の整数、nは平均が0〜5の0または1以上の整数を表わす。
本発明の反応性界面活性剤を乳化重合用乳化剤として用いると重合安定性が良好であり、得られたエマルジョンは凝集物が少ない。
本発明の反応性界面活性剤を表わす一般式(1)において、Rは炭素数1〜12のアルキル基または水素原子である。アルキル基は直鎖であっても分岐であってもよい。
直鎖アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシルなどが挙げられる。
分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、イソノニル、イソデシル、イソウンデシルおよびイソドデシルなどが挙げられる。
のうち好ましいのは、生分解性の観点から直鎖アルキル基であり、さらに好ましいのは炭素数1〜12の直鎖アルキル基、特に好ましいのはメチル、n−ブチルおよびn−ドデシルである。
が炭素数12を超えると得られるポリマーエマルジョンの凝集物が多くなる。
およびRは水素原子またはメチル基である。RとRは同じであっても、異なっていてもよい。
が水素原子であると反応性が良好である。
およびAは炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えばエチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基および1,4−ブチレン基などが挙げられる。好ましいのはエチレン基および1,2−プロピレン基、特に好ましいのはエチレン基である。
(AO)や(AO)の部分はアルキレンオキシドの付加により形成される。このようなアルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド(以下EOと略称する)、1,2−プロピレンオキシド(以下POと略称する)、オキセタン、1,2−ブチレンオキシド(以下BOと略称する)およびテトラヒドロフラン等が挙げられる。好ましくはEO、POであり、より好ましくはEOである。これらのアルキレンオキシドは単独でも2種以上で併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも、またはそれらの併用でもよい。
および/またはAが炭素数5以上のアルキレン基である場合は、得られるポリマーエマルジョンの凝集物が多くなる。
は炭素数5〜22である直鎖の1,2−アルキレン基であり、例えば1,2−ペンチレン基、1,2−ヘキシレン基、1,2−オクチレン基、1,2−デシレン基、1,2−ドデシレン基、1,2−ヘキサデシレン、1,2−オクタデシレン基および1,2−ドコシレン基などが挙げられる。これらのうち重合安定性の観点から好ましいのは1,2−デシレン基、1,2−ドデシレン基および1,2−ヘキサデシレンである。
(AO)の部分は直鎖のα−オレフィンオキシドの付加により形成される。このようなα−オレフィンオキシドとしては、例えば1,2−ペンテンオキシド、1,2−ヘキセンオキシド、1,2−オクテンオキシド、1,2−デセンオキシド、1,2−ドデセンオキシド、1,2−ヘキサデセンオキシド、1,2−オクタデセンオキシドおよび1,2−ドコセンオキシド等が挙げられる。これらのうち好ましいのは1,2−デセンオキシド、1,2−ドデセンオキシドおよび1,2−ヘキサデセンオキシドである。これらのアルキレンオキシドは単独でも2種以上で併用してもよく、後者の場合はブロック付加でもランダム付加でも、またはそれらの併用でもよい。
の炭素数が4以下の場合は得られるポリマーエマルジョンの凝集物が多くなり、23以上の場合は重合安定性が不十分である。
kは平均が1〜500、好ましくは2〜100、より好ましくは5〜50の1以上の整数である。
kの平均が1未満の場合は重合安定性が不十分であり、平均が500を超える場合はエマルジョンから得られる塗膜の耐水性が不十分である。またkの平均が2〜100であれば界面活性剤の粘度が低く、取り扱い作業性の観点で好ましい。
mは平均が1〜3、好ましくは1〜2の1以上の整数である。
mの平均が1未満であると得られるポリマーエマルジョンの凝集物が多くなり、3を超えると重合安定性が不十分である。
またmの平均が1〜1.5であると重合安定性がさらに向上するため、粒径制御の観点で好ましい。
nは平均が0〜5、好ましくは0〜2、特に好ましくは0の0または1以上の整数である。
nの平均が5を超えると生成するエマルジョンの凝集物が多くなる。
またnの平均が2以下であるとエマルジョンの経日安定性がさらに向上して、凝集物が出来にくいため好ましい。
一般式(1)で表される反応性界面活性剤の製造方法は特に限定しないが、例えばRをアルキル基とするアルコールを出発物質として、AO、AOおよびAOの部分がそれぞれ所望の重合度となるように、対応するアルキレンオキシドを段階的に開環付加して得られたアルキルポリオキシアルキレン付加物(D)に、下記一般式(2)で表わされる不飽和カルボン酸またはそのエステル化物などの誘導体[以下、不飽和カルボン酸(誘導体)と記載する]とのエステル化反応もしくはエステル交換反応により簡便かつ高純度で得ることができる。
HOOCR=CHR (2)
アルキレンオキシドを開環付加重合させる際の反応温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、より好ましくは70℃〜160℃である。反応圧力は好ましくは−0.1〜0.5MPaである。各段階の反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、より好ましくは3〜10時間である。反応は、必要により触媒の存在下に行われる。
上記開環付加重合に用いる触媒としては、通常用いられる公知の触媒でよく、アルカリ触媒としては、例えば、水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、N(CHOH等のアンモニウム塩等]、酸化物(K2O、CaO、BaO等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物等)、アルカリ金属(Na、K等)、及びその水素化物(NaH、KH等)、アミン類(トリエチルアミン、トリメチルアミン等)等が挙げられる。酸触媒としては、ルイス酸[BF3、B(C、BCl3、AlCl3、FeCl3、SnCl3等]及びそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体、BF3・THF錯体(BF3・THF)]、プロトン酸(H2SO4、HClO4等)、過塩素酸塩[KClO4、NaClO4等のアルカリ金属の過塩素酸塩;Ca(ClO4)2、Mg(ClO4)2等のアルカリ土類金属の過塩素酸塩;Al(ClO4)3等の前記以外の金属の過塩素酸塩]等が挙げられる。
これらの触媒のうち好ましいのは、KOH、NaOH、CsOH、B(CおよびBF3・THFである。特にB(Cを用いると、全水酸基に占める1級水酸基の割合が増加するため、次のエステル化効率が良好となる。
これらの触媒は残存していても構わないが、吸着剤で処理した後、濾過を行って触媒を取り除く方法、中和した後、濾過を行なって触媒を取り除く方法、中和して触媒を不活性化する方法等により触媒を処理してもよい。
アルキルポリオキシアルキレン付加物(D)のエステル化またはエステル交換に用いる不飽和カルボン酸(誘導体)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びその低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)、酸ハロゲン化物(例えばアクリル酸塩化物、クロトン酸臭化物等)、ならびに酸無水物(例えばアクリル酸無水物、メタクリル酸無水物等)などが挙げられる。これらのうちで好ましいのはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルである。
エステル化およびエステル交換は公知の方法で行うことができる。反応温度は、好ましくは70℃〜160℃であり、より好ましくは90℃〜130℃である。反応圧力は好ましくは−0.1〜0.2MPaである。反応時間は、好ましくは2〜24時間であり、より好ましくは3〜10時間である。反応は公知のエステル化触媒またはエステル交換触媒の存在下で行われ、必要により溶剤で希釈して行ってもよい。また、反応工程において不飽和カルボン酸または生成物が重合反応を起こさないように、通常、ラジカル重合禁止剤を反応系に添加する。
(D)と不飽和カルボン酸(誘導体)との仕込み比率は、水酸基[OH]とカルボニル基[CO]の当量比[OH]/[CO]として、好ましくは1/1〜1/2、より好ましくは1/1〜1/1.6であり、特に好ましくは1/1〜1/1.3である。
エステル化触媒あるいはエステル交換触媒としては、金属含有化合物(例えばジブチルスズオキシド、オルソジブチルチタネート、テトラブチルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸コバルト、酢酸ナトリウムおよび三酸化アンチモン等)、プロトン酸(H2SO4、p−トルエンスルホン酸およびHClO4等)、ルイス酸(BF3、BCl3、AlCl3、FeCl3およびSnCl3等)ならびにそれらの錯体[例えばBF3エーテル錯体およびBF3・THF錯体(BF3・THF)]等が挙げられる。
使用する触媒の量は、(D)と不飽和カルボン酸(誘導体)との合計重量に対して好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5%である(以下において、特に限定しない限り、%は重量%を表わす)。
ラジカル重合禁止剤としては、多価フェノール系化合物(ハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、カテコールおよび2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなど)、アミン系化合物(アルキル化ジフェニルアミン、フェノチアジンおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど)および/または酸素などが使用できる。ラジカル重合禁止剤の添加量は不飽和カルボン酸の重量に基づいて、通常0.1〜5%、好ましくは0.2〜1%である。
反応の終点は、酸価または水酸基価で管理することができる。
本発明の反応性界面活性剤のその他の製造方法としては、前記一般式(2)で示される不飽和カルボン酸に、一般式(1)におけるAO、AOおよびAOが所望の重合度になるようにアルキレンオキサイドを付加し、さらに、末端の水酸基をアルコキシ化する方法が挙げられる。しかし、アルコキシ化する場合にカルボン酸エステル基が分解しやすいので、好ましいのは前述のエステル化を最後に行う方法である。
本発明の反応性界面活性剤の表面張力は、ウイルヘルミ法で測定すれば、25℃、0.1%水溶液において通常20〜50 dyn/cm、好ましくは30〜40 dyn/cmである。
本発明の反応性界面活性剤は、従来の非反応性界面活性剤の各種の用途に使用でき、例えば、乳化剤、分散剤、浸透剤または可溶化剤等として使用することができる。
これらの用途のうち好ましいのは、ビニルモノマーとの反応性(ビニル重合性)を有する
という特長を生かすことのできる乳化重合用乳化剤としての用途である。
本発明の反応性界面活性剤を用いて乳化重合できるビニルモノマー(m)は特に限定されないが、例えば以下の非イオン性モノマー(m1)、アニオン性モノマー(m2)およびカチオン性モノマー(m3)が挙げられる。
(m1)非イオン性モノマー;
(m11)(メタ)アクリル酸エステル;
(m11−1)(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アルキル基としては炭素数1〜32(好ましくは1〜24)の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルおよび(メタ)アクリル酸テトラコシルなどが挙げられる。
(m11−2)(メタ)アクリル酸アルケニルエステル;
アルケニル基としては、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルケニル基が挙げられ、例えば(メタ)アクリル酸ブテニル、(メタ)アクリル酸オクテニル、(メタ)アクリル酸デセニル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸オレイルなどが挙げられる。
(m11−3)(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル;
アルキレン基としては炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレンなどが挙げられる。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜22、好ましくは1〜12の直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。
具体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
(m12)脂肪酸ビニルエステル;
脂肪酸としては総炭素数1〜30、好ましくは1〜24、さらに好ましくは1〜18の直鎖状または分岐状の脂肪酸が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニルなどが挙げられる。
(m13)芳香族ビニル系炭化水素;
スチレン、置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[アルキル置換スチレン(好ましくはα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレンなど)、アシル基置換スチレン(アセトキシスチレンなど)、フェノキシ基置換スチレン(フェノキシスチレンなど)など]、ジビニル置換芳香族炭化水素[好ましくはジビニルベンゼン、その他ジビニルトルエンおよびジビニルキシレンなど]、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
(m14)水酸基含有ビニルモノマー;
(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[アルキレン基としては、炭素数2〜20、好ましくは2〜6のアルキレン基、アルキレングリコール単位数は1〜50、好ましくは1〜20、具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9〜18)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノ(メタ)アクリレートなど]、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[2−ブテン−1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、p−ヒドロキシスチレンおよびトリエタノールアミンジ(メタ)アクリレートなど]が挙げられる。
(m15)非置換アミド基含有ビニルモノマー;
(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(m16)N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド;
N−モノアルキル(炭素数1〜30、好ましくは4〜30、さらに好ましくは8〜30の直鎖もしくは分岐)置換(メタ)アクリルアミド[例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルへキシル(メタ)アクリルアミド、N−デシル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−オクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−2−デシルテトラデシル(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリルアミドなど]、N,N−ジアルキル(炭素数1〜30、好ましくは4〜30、さらに好ましくは8〜30の直鎖もしくは分岐)置換(メタ)アクリルアミド[例えばN,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジドデシル(メタ)アクリルアミドなど]およびエチレンジ(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(m17)(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル;
(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸[クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、ならびに不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]の炭素数1〜24のアルキルジエステル[マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチルなど]が挙げられる。
(m18)脂肪族ビニル系炭化水素;
炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4-メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアルカジエン[好ましくは炭素数4〜5のブタジエン、イソプレン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]などが挙げられる。
(m19)アルキルアルケニルエーテル;
炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは炭素数1〜24のアルキル基である。具体的には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとしては、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなどが挙げられる。これらのうちで好ましいものは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
(m110)ビニルケトン類;
炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]が挙げられる。
(m111)脂環基(炭素数5〜24)含有ビニルモノマー;
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン、ピネン、リモネン、インデン、シクロアルキルカルボン酸ビニルエステル[シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタン酸ビニル、デカヒドロナフチル酸ビニルなど]、シクロアルキルカルボン酸プロペニルエステル[ビシクロペンチル酸プロペニルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デカヒドロナフチルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチルなど]、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸メチル、シクロヘプチル(メタ)アクリル酸エチルなどが挙げられる。
(m112)上記以外の非イオン性モノマー;
ニトリル基含有モノマー[(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなど]、ニトロ基含有モノマー[4−ニトロスチレンなど]およびハロゲン含有ビニルモノマー[塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジクロルスチレン、テトラフルオロスチレンおよび塩化アリルなど)]が挙げられる。
アニオン性モノマー(m2);
(m21)カルボキシル基含有ビニルモノマーおよびそれらの塩;
カルボキシル基を1個含有するビニルモノマー、例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど]など;カルボキシル基を2個以上含有するビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸などが挙げられる。
塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)塩、アンモニウム塩、アミン(アルキル基の炭素数が1〜4のアルキルアミン等:たとえば、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、モノブチルアミン)塩、第4級アンモニウム塩(アルキル基の炭素数が1〜4のテトラアルキルアンモニウム塩:たとえば、テトラメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩)等が含まれる。
(m22)スルホン酸基含有ビニルモノマーおよびそれらの塩;
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマー[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水酸基を含有するビニルモノマー[3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステルなど]などが挙げられる。塩としては上記と同様の塩が挙げられる。
(m23)硫酸基含有ビニルモノマーおよびそれらの塩;
(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートの硫酸化物などが挙げられる。塩としては上記と同様の塩が挙げられる。
(m24)リン酸エステル基含有ビニルモノマーおよびそれらの塩;
例えば、リン酸モノアルケニルエステル(炭素数2〜12)[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル、リン酸ドデセニルなど]、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜12)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェートなど]、ポリ(n=2〜20)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートエステルのリン酸エステルなどが挙げられる。塩としては上記と同様の塩が挙げられる。
(m3)カチオン性モノマー;
(m31)1級もしくは2級アミノ基含有モノマー:
アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど]およびこれらのモノアルキル(炭素数1〜6)置換体[モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートなど]およびモノ(メタ)アリルアミンなどが挙げられる。
(m32)3級アミノ基含有モノマー:
ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど]
、並びにモルホリノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(m33)第4級アンモニウム塩基含有モノマー:
上記の(m21)の第4級アンモニウム塩化物、例えば塩化トリメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよび塩化ジメチルジアリルなどが挙げられる。
上記のモノマーのうち好ましいのは、本発明の界面活性剤との相溶性の観点から(m1)、並びに(m1)と少量(例えば、10%以下)の(m2)の併用であり、特に好ましいのは(m1)のうちの(m11)、(m12)、(m13)および(m112)、並びに(m2)のうちの(m21)であり、それぞれのモノマーは1種でも2種以上の併用でもよい。
重合開始剤としては、有機過酸化物類(クメンハイドロパーオキシドおよびt−ブチルパーベンゾエート等)、アゾ化合物類(アゾビスジイソブチロニトリルおよび2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩等)ならびに無機過酸化物類(過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸ナトリウム等)等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の反応性界面活性剤を乳化重合用乳化剤として使用する場合の使用量は、原料モノマーの重量に対して通常0.1〜50%、好ましくは0.5〜30%、さらに好ましくは1〜10%である。また、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要により、その他の乳化重合用界面活性剤を併用することができる。
併用できる界面活性剤としては、以下に示す非反応性界面活性剤および本発明以外の反応性界面活性剤が挙げられる。
非反応性界面活性剤としては、以下のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜4)付加物(重合度=1〜100)、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜4、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜4,重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜4、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜4、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテルおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系エーテルカルボン酸またはその塩、[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキル(炭素数1〜4)硫酸高級脂肪酸アミノアルキル(炭素数2〜4)トリアルキル(炭素数1〜4)アンモニウム塩[(エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等)]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
本発明以外の反応性界面活性剤としては、例えば、特公昭49−46291号公報に記載のスルホコハク酸エステル型界面活性剤;特開昭62−100502号公報、特開昭63−23725号公報、特開平4−50202号公報、及び特開平4−50204号公報等に記載のアリル基又はプロペニル基を有する炭化水素置換フェノールのアルコキシレート;特開昭62−104802号公報等に記載の炭化水素基又はアシル基を有するグリセリン誘導体のアルコキシレート;特開昭62−11534号公報に記載のホルムアルデヒドで架橋した(置換)フェノールの誘導体;特開昭63−319035号公報、特開平4−50204号公報等に記載のα−オレフィンオキシド由来のアルキル基を含むもの等が挙げられる。
他の界面活性剤を併用する場合は、重合安定性をさらに向上させるという効果を発揮するために、アニオン性界面活性剤と併用することが好ましい。
好ましいアニオン性界面活性剤は、ソープフリーの観点からアニオン性反応性界面活性剤
であり、特にアルキルアリルスルホコハク酸型界面活性剤、ポリオキシアルキレンメタクリレート硫酸エステル型界面活性剤等と併用することが重合安定性の観点から好ましい。
併用の場合の他の界面活性剤の使用量は、そのイオン性にかかわらず界面活性剤の全量の重量に基づいて通常50%以下、好ましくは30%以下である。
重合安定性向上の目的で、さらに保護コロイド剤、例えば部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、および/またはヒドロキシエチルセルロースなどを使用することができるが、多量に使用すると本発明の目的に反するので界面活性剤の全量の重量に基づいて20%以下が好ましい。
乳化重合に際しては、必要によりその他の添加剤を用いることができる。該添加剤としては、還元剤(亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウムおよびL−アスコルビン酸等)、キレート剤(グリシン、アラニンおよびエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)、pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム等)ならびに連鎖移動剤(ジペンテンおよびチオグリコール酸アルキル等)等が使用できる。これらの添加剤の添加量は、使用されるモノマーの全量の重量に基づいて、それぞれ、通常2%以下、好ましくは1%以下である。
乳化重合における重合温度は、重合しようとするモノマーの種類によって異なるが、通常−5〜100℃である。また普通に用いられる水系媒体として水の他にメタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の有機溶剤を併用してもよい。また、必要に応じて、乳化重合時または生成したエマルジョンに消泡剤、粘度調整剤、造膜助剤、防腐剤、凍結安定剤、架橋剤、可塑剤、帯電防止剤、顔料、染料などの添加剤を加えてもよい。これらの添加剤の添加量は、エマルジョンの樹脂成分の重量に基づいて、それぞれ、通常3%以下、好ましくは1%以下である。
本発明のビニル重合体エマルジョンは、上記の乳化重合用乳化剤を用いてビニルモノマーを乳化重合して得られるエマルジョンである。該エマルジョンの重合体の濃度は通常10〜70%、好ましくは25〜60%、特に好ましくは30〜45%である。また、該エマルジョンの平均粒子径は10〜10,000nmであり、粘度は25℃において10〜100,000mPa・sである。
本発明における平均粒子径は体積平均粒子径であり、例えば、レーザー回折粒度測定装置(マイクロトラック社製X−100)を用いて測定することができる。本発明におけるエマルジョンの粘度は、例えば、B型粘度計を用いて測定することができる。
本発明の反応性界面活性剤は懸濁重合用分散剤としても使用できる。
懸濁重合における本発明の反応性界面活性剤の使用方法、対象となるモノマー、併用できる他の界面活性剤、添加剤およびそれらの添加量などは上記の乳化重合用乳化剤として使用される場合と同様の範囲のものが同様の添加量で使用できる。
懸濁重合において、逆相懸濁重合を行うこともできる。その場合の有機溶剤系媒体としては、キシレン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびジオキサンなどが挙げられる。
懸濁重合によって得られるビニル重合体懸濁液の濃度は通常10〜70%、好ましくは25〜60%、特に好ましくは30〜45%である。また、該懸濁液の平均粒子径は1,000〜1,000,000nmであり、粘度は25℃において10〜100,000mPa・sである。
本発明のビニル重合体は、本発明の反応性界面活性剤を必須構成単位として得られるビニル重合体である。該ビニル重合体は上記の乳化重合もしくは懸濁重合によって得られたビニル重合体以外に、各種の樹脂成型品[ABS、アクリル樹脂、ゴムもしくはスチレン系樹脂などのビニル樹脂の成型品(繊維、板状品、フィルム、シート、ブロック状品など)]であってもよい。これらの樹脂成形品は、樹脂の重合時に本発明の反応性界面活性剤を他のモノマー(前述のモノマーなど)と共重合することによって得られ、その成型品は顔料分散性、調色性、染色性、帯電防止性、表面塗装性または防曇性等を改良することができる。
このような樹脂成型品の改質剤として使用される場合の、本発明の反応性界面活性剤と他のモノマーの仕込みモル%[反応性界面活性剤/他のモノマー]は、好ましくは0.1〜50%/50〜99.9%、好ましくは0.2〜30%/70〜99.8%である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において、部は重量部を示す。
製造例1
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1Lのステンレス製オートクレーブに、フェノール94g(1.0モル)および水酸化ナトリウム1gを仕込み、EO528g(12.0モル)を、反応温度120℃に保持制御しながら、2時間かけて滴下した後、140℃で2時間熟成した。これに90℃でイオン交換水10g、キョーワード600(吸着処理剤;協和化学工業社製)10gを加え、さらにキョーワード700(吸着処理剤;協和化学工業社製)をヌッチェにプレコートして濾過し、脱水処理してフェノールEO12モル付加物の液状の精製ポリエーテル(中間体1−1)600gを得た。
撹拌装置、温度制御装置、気体吹き込み管を備えた4つ口1Lコルベンに精製ポリエーテル(中間体1−1)311g(0.5モル)とAOEX−24(炭素数12〜14のα−オレフィンオキサイド、平均分子量196、ダイセル化学社製)118g(0.6モル)を仕込み、温度70℃として窒素雰囲気下で三フッ化ホウ素エーテラート2gを添加した。反応はすぐに始まり90℃まで温度上昇した。70℃で1時間熟成し、三フッ化ホウ素エーテラート1gを追加し、アクリル酸メチル52g(0.6モル)を仕込み、窒素/Air(=75/25vol%)混合気体を吹き込みながら120℃で反応した。水酸基価が1未満となった時点で、反応を終了し、120℃で過剰のアクリル酸メチルを減圧(10〜30mmHg)留去した。5%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えて混合撹拌し、静置分離した。上層を200gの飽和食塩水で2回水洗した後、キョーワード600(吸着処理剤;協和化学工業社製)10gを加え、さらにキョーワード700(吸着処理剤;協和化学工業社製)をヌッチェにプレコートして濾過し、脱水処理して本発明の反応性界面活性剤425gを得た(界面活性剤A1)。表面張力(25℃、0.1%水溶液)は31.6mN/mであった。
製造例2
撹拌装置、温度制御装置付きの容積1Lのステンレス製オートクレーブに、ドデシルフェノール210g(0.8モル)および水酸化ナトリウム1gを仕込み、EO563g(12.8モル)を、反応温度を160℃に保持制御しながら、2時間かけて滴下した後、160℃で0.5時間熟成した。これに90℃でイオン交換水10g、キョーワード600(吸着処理剤;協和化学工業社製)10gを加え、さらにキョーワード700(吸着処理剤;協和化学工業社製)をヌッチェにプレコートして濾過し、脱水処理してドデシルフェノールEO16モル付加物の液状の精製ポリエーテル(中間体2−1)700gを得た。
撹拌装置、温度制御装置付きの容積2Lのステンレス製オートクレーブに、粗製ポリエーテル(中間体2−1)483g(0.5モル)とAOEX−68(炭素数16〜18のα−オレフィンオキサイド、平均分子量252、ダイセル化学社製)151g(0.6モル)を仕込み、温度70℃として窒素雰囲気下で三フッ化ホウ素エーテラート2gを添加した。反応はすぐに始まり85℃まで温度上昇した。70℃で1時間熟成し、同温度でEO44gを0.5時間で滴下した。さらに0.5時間熟成した後、三フッ化ホウ素エーテラート1gを追加し、アクリル酸メチル52g(0.6モル)を仕込み、窒素/Air(=75/25vol%)混合気体を吹き込みながら120℃で反応した。水酸基価が1未満となった時点で、反応を終了し、120℃で過剰のアクリル酸メチルを減圧(10〜30mmHg)留去した。5%水酸化ナトリウム水溶液200gを加えて混合撹拌し、分液ロートに移して静置分離した。上層を200gの飽和食塩水で2回水洗した後、キョーワード600(吸着処理剤;協和化学工業社製)10gを加え、さらにキョーワード700(吸着処理剤;協和化学工業社製)をヌッチェにプレコートして濾過し、脱水処理して本発明の反応性界面活性剤600gを得た(界面活性剤A2)。表面張力(25℃、0.1%水溶液)は30.3mN/mだった。
以上の製造例で得られた本発明の界面活性剤は以下の通りである。
界面活性剤A1
O(EO)12(C12〜1424-28O)1.2COCH=CH

界面活性剤A2
1225O(EO)16(C16-1832-36O)1.2(EO)COCH=CH
また、以下の実施例における比較品は以下の通りである。
比較品1
旭電化(株)社製「アデカリアソープNE−10」(下記式)をそのまま使用した。
Figure 2007031624

比較品2
O(EO)24(C12〜1424-28O)4COCH=CH
アルキレンオキサイドの仕込量を変えたこと以外は製造例1と同様にして製造した。
実施例1,2、比較例1,2
攪拌機、滴下ロート、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水360部、本発明の界面活性剤(A1)もしくは(A2)、または比較品1もしくは比較品2を7.2部、重炭酸ナトリウム0.48部、過硫酸アンモニウム1.2部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に75℃でメタクリル酸メチル130部、アクリル酸ブチル106部、メタクリル酸4部の混合モノマーを滴下ロートより3時間にわたって滴下し、さらに2時間80℃で熟成して重合を行った。40℃に冷却後、28%のアンモニア水でPHを8〜9に調整した。得られた重合体エマルジョンはモノマー転化率98%以上の乳白色のエマルジョンであった。
実施例1,2、比較例1,2で得られたエマルジョンの評価を次の通りに行った。結果を表1に示す。
(平均粒径)
レーザー回折粒度測定装置(マイクロトラック社製X−100)を用いて測定した。
(凝集物量)
製造したエマルジョン200gを225mlのガラス瓶に入れて密閉し、25℃で1週間静置した。これを50回上下に振って振とうした後、150メッシュの金網で濾過し、残渣を水で洗浄後130℃で1.5時間、循風乾燥機で乾燥して得た凝集物重量を、仕込みモノマー重量に対する%で表した。
Figure 2007031624
本発明の反応性界面活性剤は、乳化重合用乳化剤、懸濁重合用分散剤および樹脂の改質剤、例えば樹脂の帯電性向上、染色性向上等に利用できる。






































Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされる反応性界面活性剤。
    4O(AO)k(AO)m(AO)nCOCR=CHR (1)
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基または水素原子、RおよびRは水素原子またはメチル基、AおよびAは炭素数2〜4のアルキレン基、Aは炭素数5〜22である直鎖の1,2−アルキレン基を表わし、kは平均が1〜500の1以上の整数、mは平均が1〜3の1以上の整数、nは平均が0〜5の0または1以上の整数を表わす。)
  2. 前記nが0である請求項1記載の反応性界面活性剤。
  3. 請求項1または2記載の反応性界面活性剤からなる乳化重合用乳化剤。
  4. 請求項3記載の乳化重合用乳化剤を用いてビニルモノマーを乳化重合して得られるビニル重合体エマルジョン。
  5. 請求項1または2記載の反応性界面活性剤を必須構成単位として含有するビニル重合体。




























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