JP2007031510A - ポリオレフィン系樹脂組成物および核形成ポリオレフィン系樹脂成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】核剤の多量添加による加工コストの上昇を避けて、成形品の物理的特性を向上させ、かつ加工サイクルを短縮できるポリオレフィン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】アルキル脂肪酸塩系核剤と平均粒子径0.1μm〜30μmの無機フィラーとを含有することを特徴とする高度に核形成可能なポリオレフィン系樹脂組成物、及び該組成物からなる成形品。
【選択図】なし
【解決手段】アルキル脂肪酸塩系核剤と平均粒子径0.1μm〜30μmの無機フィラーとを含有することを特徴とする高度に核形成可能なポリオレフィン系樹脂組成物、及び該組成物からなる成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物および高度に結晶化されたポリオレフィン系樹脂成形物に関する。
現在、ポリオレフィン系樹脂は、一般雑貨、医療器具、食品包装など、広範囲の最終用途に使用されている。しかし、そのような広範囲の使用を可能にするためには、ポリオレフィン系樹脂が特定の物理的特性を示す必要がある。特にポリオレフィン系樹脂においては、ポリオレフィン系樹脂の結晶化における結晶化配列の均一性は、ポリオレフィン系樹脂からなる成形物に優れた物理的特性を与え、広範囲の最終用途に使用できる有用なポリオレフィン成形品を提供するのに必要である。
また、特定の化合物または組成物をポリオレフィン系樹脂に添加しておくことにより、該樹脂が成形または加工される間に、ポリオレフィン系樹脂に結晶成長用の核形成部位を与えることは既知である。一般にそのような核形成化合物を含有するポリオレフィン系樹脂は、核剤非含有ポリオレフィン系樹脂よりも樹脂の結晶化が非常に速い。そのようなより速い、およびより高い温度でのポリオレフィン系樹脂の結晶化は、ポリオレフィン系樹脂の成形加工サイクル時間を短縮し、成形品において種々の物理的特性が向上する。また、そのようなより速い、およびより高い温度でのポリオレフィン系樹脂の結晶化を促進する化合物または組成物は、核剤として既知である。
ポリオレフィン系樹脂用の核剤としては、例えば、大日本インキ化学(株)製の商品名;AL-PTBBA500などのカルボン酸金属塩系核剤、旭電化工業(株)製の商品名;アデカスタブNA−11などのリン酸エステル塩系、Milliken Chemical社製のHyperform HPN-68Lなどのアルキル脂肪酸塩系、Milliken Chemical社製のMillad3988などのソルビトール系核剤などがある。これらの核剤はそれぞれポリオレフィン系樹脂に高い結晶化温度を付与し、成形品の種々の物理的特性を向上させる。
このように核剤をポリオレフィン系樹脂に添加することにより、ポリオレフィン系樹脂の加工サイクル時間を短縮し、成形品の種々の物理的特性を向上させることが可能であるが、十分な効果を発揮するためには、ある程度の添加量を必要とする。これは実用上の問題点として、高価な核剤添加によるコストアップが、核剤による加工サイクル時間を短縮することによるコストダウン効果を減少させる。従って核剤によるコストアップを抑えるために、核剤の添加量を減らすと、ポリオレフィン系樹脂成形品に要求される物理的特性の向上を確保しつつ、かつポリオレフィン系樹脂の加工サイクル時間を短縮することは困難であった。
従って本発明の目的は、核剤の多量添加による加工コストの上昇を避けて、成形品の物理的特性を向上させ、かつ加工サイクルを短縮できるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することである。
従って本発明の目的は、核剤の多量添加による加工コストの上昇を避けて、成形品の物理的特性を向上させ、かつ加工サイクルを短縮できるポリオレフィン系樹脂組成物を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、アルキル脂肪酸塩系核剤と平均粒子径0.1μm〜30μmの無機フィラーとを含有することを特徴とする高度に核形成可能なポリオレフィン系樹脂組成物、および該組成物からなる成形品を提供する。ここで上記核剤と無機フィラーとの含有量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり、それぞれ0.01質量部〜0.15質量部であることが好ましい。
すなわち、本発明は、アルキル脂肪酸塩系核剤と平均粒子径0.1μm〜30μmの無機フィラーとを含有することを特徴とする高度に核形成可能なポリオレフィン系樹脂組成物、および該組成物からなる成形品を提供する。ここで上記核剤と無機フィラーとの含有量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり、それぞれ0.01質量部〜0.15質量部であることが好ましい。
本発明者らは、前記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の核剤に無機フィラーを併用することにより前記の問題点が解決されることを見出した。本発明はこの知見に基づいて為されたものであり、特にアルキル脂肪酸塩系核剤と無機フィラーとの併用効果によって、核剤の作用を増幅させ、核剤の添加量が少なくてもポリオレフィン系樹脂の結晶化をより促進することができることから、従来の核剤の単独使用と比較して、成形加工時におけるポリオレフィン系樹脂の結晶化温度を上げ、成形品の結晶化を促進することができ、極めて有用な高度に核形成されたポリオレフィン系樹脂成形品を提供することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂としては特に限定されないが、特に結晶化が要求されるポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂としては特に限定されないが、特に結晶化が要求されるポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、本発明で使用する核剤としては、従来公知のアルキル脂肪酸塩系核剤の何れの核剤も使用でき、例えば、Milliken Chemical社製のHyperform HPN-68Lなどのアルキル脂肪酸塩系核剤が挙げられる。該核剤のポリオレフィン系樹脂に対する添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり、0.01質量部〜0.15質量部(100〜1,500ppm)であることが好ましい。より好ましくは500〜1,000ppmである。核剤の添加量が100ppm未満であると、樹脂組成物の結晶化温度や成形品の物性向上などの核剤による効果が不十分である。一方、核剤の添加量が1,500ppmを超えると、樹脂組成物の結晶化温度の上昇に起因する成形工程のハイサイクル化によって得られるコストダウンよりも、核剤添加によるコストアップが大きくなる。
本発明において上記核剤と併用する無機フィラーとしては、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカなどが挙げられ、特に炭酸カルシウムが好ましい。これらの無機フィラーは平均粒子径0.1μm〜30μmであることが好ましい。無機フィラーの平均粒子径が0.1μm未満では無機フィラー自体の分散が難しく、所望の効果が低い。一方、無機フィラーの平均粒子径が30μmを超えると、成形品の透明性や色調に影響を与え、成形品の物性にも悪影響を与える。
上記の無機フィラーのポリオレフィン系樹脂に対する添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり、0.01質量部〜0.15質量部(100〜1,500ppm)であることが好ましい。無機フィラーの添加量が100ppm未満であると、樹脂組成物の結晶化温度の上昇が少ない。一方、無機フィラーの添加量が1,500ppmを超えると添加量に見合った作用効果の上昇がなく不経済である。特に無機フィラーの添加量は、核剤の添加量の0.5〜5質量倍の範囲の添加が好ましい。無機フィラーの添加量が、核剤の添加量の0.5質量倍未満であると、樹脂組成物の結晶化温度の上昇は小さくなり、目的とする効果を発現させるためにはより多くの核剤を使用することが必要になり、不経済となる。一方、無機フィラーの添加量が核剤の5質量倍を超えると、作用効果がそれ以上向上せず、不経済である。
本発明の組成物は、必要に応じて本発明の作用効果を損なわない範囲で、その他の成分、例えば、各種担体樹脂、染顔料、分散剤、紫外線吸収剤、安定剤などの添加物を配合することができる。本発明の樹脂組成物の製造は、特に制限はないが通常は所望成分を混合機(ヘンシェルミキサー)で混合後、混合物を押出機などの混練機で溶融混練して、ペレット状に賦形して成形材料として供給することができる。
本発明の成形物は、上記の本発明の組成物を、射出成形、押出成形、真空成形、ブロー成形などの従来公知の樹脂成形方法で任意の形状に成形して得られる。
本発明によれば、樹脂組成物の結晶化温度が高くなるので、ポリオレフィン系樹脂がより早く結晶化し、成形物の冷却時間を短くすることができる。樹脂組成物の成形サイクルの律速は冷却時間である場合に、冷却時間の短縮が成形サイクル時間の短縮になり、よって樹脂組成物の結晶化温度の上昇は成形のサイクルを速めることができる。また、核剤の効果によりポリオレフィン系樹脂の結晶化が容易になるので得られる成形品の結晶化度が高くなり、その結果、剛性などの成形品物性が向上する。
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
なお、ポリオレフィン系樹脂中における核剤の有効性は、核剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物のピーク結晶化温度によって一般に測定される。高い結晶化温度は、高度な核形成性を示すものであり、成形時に速い加工サイクル時間および優れた物理特性を生じる。以下にポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度を測定し、従来の技術と比較することにより、本発明の優位性を詳細に説明する。
なお、ポリオレフィン系樹脂中における核剤の有効性は、核剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物のピーク結晶化温度によって一般に測定される。高い結晶化温度は、高度な核形成性を示すものであり、成形時に速い加工サイクル時間および優れた物理特性を生じる。以下にポリオレフィン系樹脂組成物の結晶化温度を測定し、従来の技術と比較することにより、本発明の優位性を詳細に説明する。
実施例1
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製、商品名;ノバッテクBC03BSW)に対して、核剤(アルキル脂肪酸塩系核剤、Milliken Chemical社製、商品名;Hyperform HPN-68L)と無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロン200、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:5μm)をそれぞれ250ppm添加した混合物を、混合機(ヘンシェルミキサー)にて均一に混合し押出機にて溶融混練してペレット状の本発明のポリオレフィン系樹脂組成物とした。該樹脂組成物を用いて射出成形機にて90×50×2mmのプレートを成形した(成形条件:シリンダー温度220℃、金型温度25℃)。このプレートを切断し、示差走査熱量分析装置にて結晶化温度を測定した(測定条件:10℃/min.で200℃まで加熱溶融後10℃/min.で冷却)。その結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製、商品名;ノバッテクBC03BSW)に対して、核剤(アルキル脂肪酸塩系核剤、Milliken Chemical社製、商品名;Hyperform HPN-68L)と無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロン200、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:5μm)をそれぞれ250ppm添加した混合物を、混合機(ヘンシェルミキサー)にて均一に混合し押出機にて溶融混練してペレット状の本発明のポリオレフィン系樹脂組成物とした。該樹脂組成物を用いて射出成形機にて90×50×2mmのプレートを成形した(成形条件:シリンダー温度220℃、金型温度25℃)。このプレートを切断し、示差走査熱量分析装置にて結晶化温度を測定した(測定条件:10℃/min.で200℃まで加熱溶融後10℃/min.で冷却)。その結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、エスカロン200の代わりに、無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロン2300、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:1.6μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに、無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロン2300、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:1.6μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロンE−11、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:4μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(三共精粉(株)製、商品名;エスカロンE−11、物質名:炭酸カルシウム、平均粒子径:4μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(秩父石灰工業(株)製、水酸化カルシウム、平均粒子径:100μm以下)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(秩父石灰工業(株)製、水酸化カルシウム、平均粒子径:100μm以下)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(富士タルク(株)製、商品名;LMS−100、物質名:タルク、平均粒子径:6μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(富士タルク(株)製、商品名;LMS−100、物質名:タルク、平均粒子径:6μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(富士サイリシア化学(株)製、商品名;サイリシア730、物質名:シリカ、平均粒子径3μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(富士サイリシア化学(株)製、商品名;サイリシア730、物質名:シリカ、平均粒子径3μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(白石カルシウム(株)製、商品名;マイカC−3000、物質名:マイカ、平均粒子径21μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(白石カルシウム(株)製、商品名;マイカC−3000、物質名:マイカ、平均粒子径21μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例8
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(日本化学(株)製、沈降性硫酸バリウム10、平均粒子径0.5μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(日本化学(株)製、沈降性硫酸バリウム10、平均粒子径0.5μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例9
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(竹原化学工業(株)製、商品名;NNカオリンクレー、物質名:カオリンクレー、平均粒子径:4.3μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、エスカロン200の代わりに無機フィラー(竹原化学工業(株)製、商品名;NNカオリンクレー、物質名:カオリンクレー、平均粒子径:4.3μm)を250ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同じポリプロピレン樹脂に対して、核剤(アルキル脂肪酸塩系核剤、Milliken Chemical社製、商品名;Hyperform HPN-68L)を250ppm添加した混合物を、混合機(ヘンシェルミキサー)にて均一に混合し押出機にて溶融混練してペレット状の比較例のポリオレフィン系樹脂組成物とした。該樹脂組成物を用いて射出成形機にて90×50×2mmのプレートを成形した(成形条件:シリンダー温度220℃、金型温度25℃)。このプレートを切断し、示差走査熱量分析装置にて結晶化温度を測定した(測定条件:10℃/min.で200℃まで加熱溶融後10℃/min.で冷却)。その結果を表1に示す。
実施例1と同じポリプロピレン樹脂に対して、核剤(アルキル脂肪酸塩系核剤、Milliken Chemical社製、商品名;Hyperform HPN-68L)を250ppm添加した混合物を、混合機(ヘンシェルミキサー)にて均一に混合し押出機にて溶融混練してペレット状の比較例のポリオレフィン系樹脂組成物とした。該樹脂組成物を用いて射出成形機にて90×50×2mmのプレートを成形した(成形条件:シリンダー温度220℃、金型温度25℃)。このプレートを切断し、示差走査熱量分析装置にて結晶化温度を測定した(測定条件:10℃/min.で200℃まで加熱溶融後10℃/min.で冷却)。その結果を表1に示す。
次に無機フィラー(特にエスカロン200)とアルキル脂肪酸塩系核剤(Hyperform HPN-68L)との組み合わせが、ポリオレフィン系樹脂に対して優れた適合性を示すことを詳細に説明する。
比較例2
実施例1において、Milliken Chemical社製Hyperform HPN-68Lの代わりに核剤(旭電化工業(株)製、商品名;アデカスタブNA−11)を250ppmおよび500ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表2に示す。なお、併せて実施例1の結果も記載する。
実施例1において、Milliken Chemical社製Hyperform HPN-68Lの代わりに核剤(旭電化工業(株)製、商品名;アデカスタブNA−11)を250ppmおよび500ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表2に示す。なお、併せて実施例1の結果も記載する。
比較例3
実施例1において、Hyperform HPN-68Lの代わりに核剤(大日本インキ工業(株)製、商品名;AL-PTBBA500)を250ppmおよび500ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表2に示す。
実施例1において、Hyperform HPN-68Lの代わりに核剤(大日本インキ工業(株)製、商品名;AL-PTBBA500)を250ppmおよび500ppm使用した以外は実施例1と同様の操作でペレットを得た。該ペレットを用いて実施例1と同様に成形品を作製して、結晶化温度を測定した。その結果を表2に示す。
上記の通り、本発明によれば、アルキル脂肪酸塩系核剤と無機フィラーとの併用効果によって核剤の効果を増幅させ、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を、少ない核剤の使用により促進することができることから、従来のアルキル脂肪酸塩系核剤の単独使用と比較してポリオレフィン系樹脂の結晶化温度を上げ、結晶化を促進することができるため、広範囲の最終用途に使用できる有用なポリオレフィン系樹脂組成物を提供することができる。
Claims (3)
- アルキル脂肪酸塩系核剤と平均粒子径0.1μm〜30μmの無機フィラーとを含有することを特徴とする高度に核形成可能なポリオレフィン系樹脂組成物。
- 核剤と無機フィラーとの含有量が、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり、それぞれ0.01質量部〜0.15質量部である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする高度に核形成されたポリオレフィン系樹脂成形物。
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