JP2007031259A - 金属酸化物粒子複合体、金属酸化物複合体ゾル、及び金属酸化物複合体ゾルの製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属酸化物粒子に有機リン化合物が化学的に結合した金属酸化物粒子複合体を構成し、これを所定の有機溶媒中に均一分散させてゾルとする。
【選択図】なし
Description
金属酸化物粒子に有機リン化合物が化学的に結合したことを特徴とする、金属酸化物粒子複合体に関し、さらに、
前記金属酸化物粒子複合体が有機溶剤中に均一分散したゾルに関する。
<金属酸化物粒子>
本発明の金属酸化物粒子複合体を構成する金属酸化物粒子としては、例えば珪素酸化物、アルミニウム酸化物、鉄酸化物、亜鉛酸化物、カルシウム酸化物、チタン酸化物、錫酸化物、ジルコニウム酸化物、マグネシウム酸化物、及び硫化亜鉛、またタルク、カオリナイトなどの粘土鉱物を例示することができる。しかしながら、機械的特性及び光学的特性を高い次元で両立させるには、シリカ、アルミナ、ヘマタイト、チタニア、カルシアが良く、中でも結晶性の良く、ナノサイズでありながら、アスペクト比の高い粒子を作ることができるアルミナが好ましい。
A1203・nH20
式中のnが0のときは酸化アルミニウムを示し、α、γアルミナまたはβ、ρ、χ、ε、γ、κ、κ’、θ、η、δ、λ型のアルミナである。式中のnが1のときはベーマイトを表す。また式中のnが1を越えて3未満である場合はベーマイトと非結晶構造のアルミナ水和物の混合物を示す。これは一般に疑ベーマイトと呼ばれている。さらにnが3以上では非結晶構造のアルミナ水和物を示す。本発明のアルミナ粒子はこれらのうちから選ばれる少なくとも1つであるが、結晶性や粒子安定性の面や入手の容易さからベーマイト、αアルミナ、γアルミナのいずれかが特に好ましい。
本発明の金属酸化物粒子複合体は、上述した金属酸化物粒子に対して化学的に結合した有機リン化合物を含んでいる。有機リン化合物は特に限定されないが、粒子表面への反応性、化合物としての安定性、入手の容易さなどの理由から、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類若しくは環状リン化合物が好ましく、特にリン酸エステル類が好ましい。さらに好ましくは、酸性リン酸エステル類、つまり酸性基(P−OH)を有するリン酸エステル類が好適である。特にアルミナ粒子表面への反応の場合、表面のAlOHは求核攻撃性を有する塩基性であり、有機リン酸は低温ではAlOHに水素結合で配位し、室温〜やや高温で脱水、脱エステル反応が進み、アニオンとなってアルミナ表面のルイス酸点(Al+部位)に吸着することになる。したがって、有機リン酸は酸性基(OH基)を有する方が粒子表面への反応性が高く、また解膠能力が高い。これは有機酸全般にも当てはまるが、特に有機リン化合物でその傾向が顕著である。
[論文2]Gray A. Nitowski, Virgina Polytech.Inst./State Univ. PhD論文 (1998)
[論文3]R.Coast,M.Pikus,P.N.Henriksen,G.A.Nitowski, J.Adhesion. Sci. Technol., vol.10, p.101-121 (1996)
[論文4]R.D.Ramsier, P.N.Henriksen, A.N.Gent, Surface Science, vol.203, p.72-88 (1988)
[論文5]MK.Templeton, W.H.Weinberg, J.Am.Chem.Soc., vol.107, p.774-779 (1985)
本発明の金属酸化物粒子複合体ゾルは、上述のようにして得た金属酸化物粒子複合体を所定の有機溶剤中に分散させて得る。この際、別の工程(別バッチ)にて前記金属酸化物粒子複合体を作製した後、この複合体を前記有機溶剤中に分散させるようにすることもできるが、前記金属酸化物粒子複合体を作製する過程において併せて得ることもできる。具体的には、上述の金属酸化物粒子を超音波、マイクロビーズミル、攪拌、高圧乳化などの少なくとも一つの手段を用いて前記有機溶剤中に強制的に分散させながら、所望の有機リン化合物を添加・反応させることによって、所定の金属酸化物粒子複合体を含むゾルとすることができる。
(1)粒子形状、粒子径
透過型電子顕微鏡(TEM:JEOUEM-1200EXII日本電子株式会社)にて粒子形状を観察した。試料を純水(2段蒸留水)にて希釈後、超音波洗浄器に15分間かけた。その後銅メッシュ上の親水処理済カーボン被覆コロジオン膜に試料を塗布し、乾燥させ観察試料を準備した。TEMにてその試料の電子顕微鏡像を120KV、70mA、10万倍にて撮影して、観察した。
粒子径は、TEMにて撮影した写真を市販のスキャナーで電子データとして取り込み、画像処理により粒子径を測定した(ソフト名:Scion Image for Windows(商標登録))。短軸径、長軸径、厚さ、一辺の長さ共にそれぞれ無作為に100個体選び、測定した。
粉末X線回折装置(X線解析装置:RINT-2000理学電機)を用いた。試料を測定用無反射板に圧粉することにより、これを観察試料とし、X線解析装置にて測定し、アルミナのJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)と比較することにより同定した。
TG−DTA(TG-DTA320セイコーインスツルメンツ)を用いて観察した。測定条件は、測定温度:室温〜9.00℃、昇温速度10℃/分とした。
得られたアルミナ粒子複合体ゾルを石英製セルに2ml測り採り、分光光度計(U4000)を用いて、平行光線透過率を測定した。
(A)ベーマイト粒子
機械攪拌機を備えたテフロン(商標登録)製ビーカーに塩化アルミニウム六水和物(2.0 M,40ml,25℃)を入れ、恒温槽で10℃に保ちつつ、攪拌(700rpm)しながら水酸化ナトリウム(5.0 M,40ml,25℃)を約6分かけて滴下した。滴下終了後さらに10分間攪拌を続け、攪拌終了後、溶液のpHを測定した(pH=7.08)。溶液をテフロンライナーを備えたオートクレーブに代え密栓し、オーブンで120℃、24時間経時させた(第1の熱処理)。第1の熱処理の終了後、前記オートクレーブをオイルバスへ移し、180℃、30分間加熱した(第2の熱処理)。第2の熱処理終了後、前記オートクレーブを流水へ入れ、急速冷却(約10℃)をした(第3の熱処理)。第3の熱処理終了後、前記オートクレーブを再びオーブンへ入れ150℃で、1日加熱を続けた(第4の熱処理)。その後、前記オートクレーブを流水で冷やし、遠心分離(30000rpm,30min)で上澄み除去後、遠心水洗3回、水メタノール混合溶液(体積比水:メタノール、0.5:9.5)遠心洗浄を1回行った。その後、凍結乾燥機を用いて乾燥させることにより無色結晶(A)を得た。この無色結晶はX線回折の結果ベーマイトであることが判明した。また、TEMを用いて粒子のサイズを調べたところ、長軸長さ125±13nm、短軸長さ(径)5.2±0.6アスペクト比が約20の針状だった。
上記(A)で得られたベーマイト粒子粉末10gをアルミナるつぼに入れ、600℃で5時間熱処理を行うことにより無色の粉末粒子(B)を得た。X線回折を用いて結晶相の同定を行ったところ、粉末粒子はγ-アルミナであることが判明した。
上記(A)で得られたベーマイト粒子粉末10gをアルミナるつぼに入れ、1100℃で3時間熱処理を行うことにより無色の粉末粒子(C)を得た。X線回折を用いて結晶相の同定を行ったところ、粉末粒子はα-アルミナであることが判明した。
(D)ベーマイト粒子水ゾル
上記(A)で得られたベーマイト粒子粉末50gを蒸留水450gに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に30分間かけて均一なベーマイト粒子水ゾル(D)500gを作製した。
(E)フリーズドライベーマイト粒子
上記(D)で得られたベーマイト粒子水ゾル200gのフリーズドライを行った。共和真空技術(株)製凍結乾燥機RLEII-52を用いて、次の様にフリーズドライ乾燥を行った。(1)ベーマイト粒子水ゾル500gを凍結乾燥装置の棚にセットし、3時間かけて-40℃で凍結を行った。(2)この間、コールドトラップも並行して-50℃に冷却した。(3)10分のうちに速やかに排気を行い、0.2Torrの真空とした。(4)このまま20時間フリーズドライを行い、水分を昇華させた。(5)+30℃にて4時間2次乾燥を行い、僅かに残存する水分を除去した。(6)乾燥空気により常圧に戻した。この一連の操作の結果、45gのフリーズドライベーマイト粒子(E)が得られた。この粉末をTG分析にかけたところ、25℃から150℃までの加熱減量として0.9wt%であり、十分な乾燥が行われたことを確認できた。
(実施例1)
上記(E)のフリーズドライベーマイト粒子をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に40分間かけた。そこへブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)を、粒子重量に対して2wt%添加しよく攪拌した後、超音波分散機に120分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理することにより、テトラヒドロフランに分散したベーマイト粒子複合体ゾルを得ることができた。このゾルの平行光線透過率は60%であり、また、前記分散溶液を濃縮、乾爆し、TG-DTAを用いて粒子上に吸着している改質剤量を確認すると、粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記フリーズドライベーマイト粒子(E)に代えてγアルミナ粒子(B)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は45%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.0wt%であった。
前記フリーズドライベーマイト粒子(E)に代えてαアルミナ粒子(C)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は44%であり、改質剤量は粒子重量に対し0.9wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてブチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-504)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は57%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてブチルピロホスフェート(城北化学工業製JP-504A)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は59%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてn-ラウリルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は62%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.1wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて2-エチルヘキシルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-508)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は62%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてオレイルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-508-O)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は69%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.0wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてテトラコシルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-524R)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は71%であり、改質剤量は粒子重量に対し0.8wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてテトラコシルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-524R)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は53%であり、改質剤量は粒子重量に対し0.5wt%であった。
γアルミナ粒子(B)に代えてαアルミナ粒子(C)を用いた以外は、実施例10と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は52%であり、改質剤量は粒子重量に対し0.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてビス(2-エチルへキシル)ホスフェート(城北化学工業製LB-58)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は57%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート(城北化学工業製JPA-514)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は52%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.3wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてステアリルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は70%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.0wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてエチレングリコールモノエチルエーテルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は64%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてトリエチレングリコールモノエチルエーテルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は69%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.6wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてトリエチレングリコールモノブチルエーテルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は69%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は52%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.8wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は39%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.3wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は36%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.2wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて9-ヒドロ-10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-9-オキサ-10-フォスファフェナントレン-10-オキシドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は42%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.7wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて10-ベンジル-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナントレン-10-オキシドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は51%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.8wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてフェニルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は65%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてジフェニルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は62%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.7wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えて6,8-ジブロモ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は60%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノフェニルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は72%であり、改質剤量は粒子重量に対し0.9wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノフェニルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は70%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.0wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノフェニルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は70%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.1wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は75%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は73%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.4wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は72%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.3wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は69%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.6wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は65%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は64%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.5wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノベンジルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は80%であり、改質剤量は粒子重量に対し2.3wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノベンジルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は79%であり、改質剤量は粒子重量に対し2.2wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノベンジルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は75%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.9wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブトキシエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は74%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.9wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブトキシエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例2と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は74%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.8wt%であった。
前記ブトキシエチルアシッドホスフェート(城北化学工業製JP-506H)に代えてモノブトキシエチルアシッドホスフェートを用いた以外は、実施例3と同様の操作を実施してアルミナ粒子複合体ゾルを作製した。このゾルの平行光線透過率は71%であり、改質剤量は粒子重量に対し1.7wt%であった。
上記(A)のベーマイト粒子をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に130分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理し、ベーマイト粒子ゾルを得た。このゾルは懸濁状態であった。
日産化学製アルミナゾル520の粉末をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に130分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理し、ベーマイト粒子ゾルを得た。このゾルは懸濁状態であった。尚、アルミナゾル520は20wt%の水分散溶液として市販されているが、フリーズドライして乾爆粉末としてから用いた。粒子はベーマイト構造であり、粒子径10〜20nm、棒状、粒状の混合物である。
日本アエロジル社製酸化アルミニウムCの粉末をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に130分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理し、アルミナ粒子ゾルを得た。このゾルは懸濁状態であった。尚、酸化アルミニウムCは、粒子径約13nmの球状をとっている。
サンゴバン・セラミック・マテリアル製CAM9010の粉末をテトラヒドロフランに添加し、粒子10wt%の分散液としたものをよく攪拌した後、超音波分散機に130分間かけた。その後、得られた溶液をさらに高圧乳化装置で50MPaの圧力で処理し、アルミナ粒子ゾルを得た。このゾルは懸濁状態であった。尚、CAM9010は、長軸径約90nm、短軸径10〜15nmのサイズでちょうどラグビーボール形状を呈している。また、粒子は単独で存在するのではなく、4、5個の数珠繋ぎになっている。
各実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
Claims (19)
- 金属酸化物粒子に有機リン化合物が化学的に結合したことを特徴とする、金属酸化物粒子複合体。
- 前記有機リン化合物は、リン酸エステル類及び亜リン酸エステル類の少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記有機リン化合物は、酸性リン酸エステル類であることを特徴とする、請求項2に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記酸性リン酸エステル類は、一般式ROnP(O)(OX)3-n(n=1又は2であり、Rは炭素数1以上の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基若しくはアリール基からなる群より選択される1以上であって、ハロゲン原子、エーテル結合などによる酸素原子、チオエーテル結合やスルホン酸結合などによる硫黄原子が含まれていても良い。n=2の場合、2つのRは同一であっても良いし、異なっていても良い。Xは水素原子、金属イオン、アンモニウムイオン、及びアルキルアンモニウムイオンの少なくとも1つである。)で表されることを特徴とする、請求項3に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記一般式のRにおける炭素数が2以上であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記酸性リン酸エステルは、前記一般式におけるn=1のモノアルキルホスフェート及びモノアリールホスフェートの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記酸性リン酸エステルは、モノフェニルアシッドホスフェート、モノエチルアシッドホスフェート、モノブチルアシッドホスフェート、モノベンジルアシッドホスフェート及びブトキシエチルアシッドホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項6に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記金属酸化物粒子複合体における前記有機リン化合物の含有量が、前記金属酸化物粒子複合体の固形分に対して0.3wt%以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記金属酸化物粒子を構成する金属原子がAlを主成分とする粒子から選ばれる少なくとも1種類の粒子であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記金属酸化物粒子は、短軸長さ1〜10nm、長軸長さ20〜700nm、アスペクト比が5〜100の異方性を呈することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記金属酸化物粒子は、短軸長さ1〜10nm、長軸長さ20〜700nm、アスペクト比が5〜100の異方性を呈することを特徴とする、請求項9に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 前記金属酸化物粒子は、
Al2O3・nH2O
なる一般式で表されるアルミナ粒子であることを特徴とする、請求項11に記載の金属酸化物粒子複合体。 - 前記アルミナ粒子は、内部に中空部を有することを特徴とする、請求項12に記載の金属酸化物粒子複合体。
- 請求項1〜13のいずれか一に記載の金属酸化物粒子複合体が有機溶剤中に均一分散したゾル。
- 有機溶剤と金属酸化物粒子との混合物に有機リン化合物を加え、室温にて化学結合を形成させることを特徴とする、金属酸化物粒子複合体ゾルの製法。
- 前記金属酸化物粒子に前処理を施し、前記金属酸化物粒子表面の水分を除去することを特徴とする、請求項15に記載の金属酸化物粒子複合体ゾルの製法。
- 前記前処理は、フリーズドライ、及び常圧若しくは減圧下で100℃から300℃の温度をかけての強熱の少なくとも一方の手段を用いて行うことを特徴とする、請求項16に記載の金属酸化物粒子ゾルの製法。
- 前記有機リン化合物を加えた後、超音波振動、マイクロビーズミル、攪拌及び高圧乳化の少なくとも1つの手段を施すことを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一に記載のゾルの製法。
- 前記金属酸化物粒子を前記有機溶剤に加えた後、前記有機リン化合物を加える前に、超音波振動、マイクロビーズミル、攪拌及び高圧乳化の少なくとも1つの手段を施すことを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一に記載のゾルの製法。
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