JP2007031217A - エキシマuvランプ装置用大型合成石英ガラス板 - Google Patents

エキシマuvランプ装置用大型合成石英ガラス板 Download PDF

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Abstract

【課題】エキシマUVランプ装置用窓材として用いたとき、全面にわたって光の取り出し効率が良く、均等であり、かつ長時間の使用後でもかかる良好な性質を維持しうるエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板を提供する。
【解決手段】高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板の外周の全長が1500mm以上、厚さの変動幅が1mm以下、そりが0.5%以下、表面粗さRaが50nm以下、複屈折が10nm/cm以下、長径1mm以上の泡を含まず、仮想温度が800℃以上1200℃以下であるエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
【選択図】図1

Description

本発明は、エキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板に関し、更に詳細には、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置の光透過窓部分を構成する大型合成石英ガラス板に関する。
波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置の光透過窓部分を構成する合成石英ガラス板においては、基板を均一に洗浄にするため、組成等が均一であり、しかも基板と光透過窓との間にUV吸収層となってしまう空気層を形成しないように、表面が粗くなく、また反りや波打ち等が無いことが好ましい。
ところで、近年、コストダウンのため、LCD基板が大型化されているが、更なるコストダウンのため、更なる基板の大型化が要求されている。これに伴って基板の洗浄装置であるエキシマUVランプ装置も大型化が必要であり、ひいては光透過窓材である合成石英ガラス板においても大型化が要求されている。
エキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板については、特開平11-60264号公報にガラスシリンダーから横型管引きと管開き処理による合成シリカガラス板材の製造方法が記されており、この方法によれば、大型の合成石英ガラス板を製造することが可能であると思われる。しかしながら、管開き処理で板を平坦にすることは難しく、面が反ったり波打ったりすることがあり、さらにガラスシリンダーの肉厚方向のOH基濃度分布などが板面に反映されるため板を平坦に研削加工したときに面内のOH基濃度などの変動幅が大きくなり、エキシマUVランプ装置用窓材として全面にわたって光の取り出し効率が良く、均等であるような板材を製造することは困難であった。
特開平11-60264号公報
本発明は、エキシマUVランプ装置用窓材として用いたとき、全面にわたって光の取り出し効率が良く、均等であり、かつ長時間の使用後でもかかる良好な性質を維持しうるエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板を提供することを目的とする。
上記の課題は、本発明の以下の(1)〜(20)のいずれかの構成のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板によって達成される。
(1) 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板の外周の全長が1500mm以上、厚さの変動幅が1mm以下、反りが0.5%以下、表面粗さRaが50nm以下、複屈折が10nm/cm以下、長径1mm以上の泡を含まず、仮想温度が800℃以上1200℃以下であることを特徴とするエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(2) 隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅が1%以下である上記(1)のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(3) 板全体の初期透過率の変動幅が5%以下である上記(1)または(2)のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(4) 隣接する1cmあたりのOH基濃度の変動幅が8wtppm以下である上記(1)〜(3)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(5) 板全体のOH基濃度の変動幅が80wtppm以下である上記(1)〜(4)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(6) Cl元素濃度が30wtppm以下である上記(1)〜(5)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(7) 厚さが3〜10mmである上記(1)〜(6)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(8) 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板が2枚以上の板を互いの端面を突き合わせて接合して成り、接合後の外周の全長が2700mm以上、厚さの変動幅が1mm以下、接合による板の曲がりが3mm以下、接合部での複屈折が80nm/cm以下で、接合部を含む板全体で長径1mm以上の独立気泡がなく、接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無く、仮想温度が800℃以上1200℃以下であることを特徴とするエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(9) 板全体での波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率の変動幅が10%以下である上記(8)のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(10) 表面粗さRaが50nm以下、接合部以外における複屈折が10nm/cm以下である上記(8)または(9)のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(11) 接合部におけるOH基濃度の変動幅が60wtppm以下である上記(8)〜(10)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(12) Cl元素濃度が30wtppm以下である上記(8)〜(11)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(13) 接合する枚数が5枚以下である上記(8)〜(12)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(14) 用いる板の反りが0.5%以下である上記(8)〜(13)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(15) F元素濃度が200wtppm以上2000wtppm以下である上記(1)〜(14)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(16) 合成石英ガラス板の波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率をT1としたとき、T1が81%以上であり、エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける厚さ3mmあたりの透過率T2がT1×0.80以上である上記(1)〜(15)のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(17) エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の体積変化が5×10-4以下である上記(1)〜(16)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(18) エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後で照射部と未照射部の境界における複屈折が100nm/cm以下である上記(1)〜(17)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(19)OH基濃度が1wtppm以上400wtppm以下である上記(1)〜(18)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(20)合成石英ガラス板中のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素各々の濃度が100wtppb以下、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cuの各元素濃度が50wtppb以下である上記(1)〜(19)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
本発明によって得られた合成石英ガラス板は、大型で面精度が高く、また接合板においては接合部の精度が高く、しかも均質性に優れるため、これを光透過窓材として用いてエキシマUVランプ装置を構成した場合には、被処理物に対して高効率で均一な洗浄効果を示し、かつかかる良好な性質が長時間にわたって維持されるという効果を有する。
本発明のエキシマUVランプ装置用の大型合成石英ガラス板は、板材の外周の全長が1500mm以上の大型のものである。本ガラス板は、例えばその短辺が50mm以上、長辺が700mm以上とすることができる。上記全長の上限は特に無いが、現在のところ8000mm程度が可能である。厚さは、3〜10mm程度が好ましい。厚さの変動幅は、1mm以下である。厚さの変動幅が、上記値を超えると、エキシマUVランプに組込んだ場合に、厚さの厚い部分と薄い部分とで紫外光の透過性に差が生じることになり、洗浄ムラが生じる原因となる。この値は、小さければ小さい程良いが、現在のところ0.1mmが達成されている。
本合成石英ガラス板においては、反りが0.5%以下好ましくは0.1%以下、表面粗さRaが50nm以下好ましくは20nm以下、複屈折が10nm/cm以下好ましくは6nm/cm以下で、長径1mm以上の泡を含まない。反りが0.5%を超えるとエキシマUVランプに組込んだ場合に被処理物と合成石英ガラス板材との間隔のばらつきが大きくなり、洗浄が均等に行われなくなる。表面粗さRaが50nmを超えると表面での光の散乱により紫外光の取り出し効率が低下する。複屈折は石英ガラス中の残留応力と関係があり10nm/cmを超えると機械的強度の低下を招くおそれがある。長径1mm以上の泡があると紫外線の散乱によって洗浄効率が低下したり、破損の原因となったりする危険性がある。上記値については下限は特にないが、反りの下限が0.001%程度、表面粗さの下限が0.05nm程度、複屈折の下限が0.01nm/cm程度である。
本合成石英ガラス板は、波長172nmでの厚さ3mmにおける初期透過率が81%以上、隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅が0.01%以上1%以下好ましくは0.5%以下、板全体の初期透過率の変動幅が0.01%以上5%以下好ましくは3%以下、OH基濃度が1wtppm以上400wtppm以下好ましくは190〜320wtppm、隣接する1cmあたりのOH基濃度の変動幅が0.01wtppm以上8wtppm以下好ましくは5wtppm以下、板全体のOH基の変動幅が0.01wtppm以上80wtppm以下好ましくは60wtppm以下、Cl元素濃度が0.01wtppm以上5wtppm以下であることが望ましい。波長172nmにおける初期透過率が81%未満になると紫外線光量の不足により被洗浄物への洗浄効果が低下する。また隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅が1%を超えたり、板全体の初期透過率の変動幅が5%を超えたりすると紫外線光量が均一でなくなることから洗浄にムラができるもととなる。隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅および板全体の初期透過率の変動幅が0.01%未満になるようにするには原料となる石英ガラスインゴットの合成条件を高度に複雑に制御しなければならずコスト的にも時間的にも不利となる。ここで、初期透過率とは、エキシマUVランプの紫外光透過によるダメージが与えられる前の状態の透過率をいい、また隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅とは、互いに1cm離れた任意の2点における初期透過率の差をいう。またOH基は石英ガラス網目構造において構造の終端部になるが、このOH基が石英ガラス中に適量含まれていると網目構造内の内部歪みが緩和され、Si-O-Si結合角が安定値に近づきSi-Oの平均結合エネルギーが上昇すると言われている。ところが、OH基は高濃度に含まれると透過率を低下させることになる。そこで本合成石英ガラス板では、OH基濃度を1wtppm以上400wtppm以下の範囲とする。また、OH基濃度が不均一であると透過率、絶対屈折率等に板材の位置によって変化が生じ、洗浄にムラができるもととなる。そこで本合成石英ガラス板では、隣接する1cmあたりのOH基濃度の変動幅を8wtppm以下、板全体のOH基濃度の変動幅を80wtppm以下としている。なお隣接する1cmあたりのOH基濃度の変動幅および板全体のOH基濃度の変動幅が0.01wtppm未満になるようにするためには本合成石英ガラス板の母材である合成石英ガラスインゴットの選別が厳しくなりコストに反映されるため好ましくない。
さらに本合成石英ガラス板はCl元素濃度が30wtppm以下好ましくは5wtppm以下であることが望ましい。合成石英ガラスの製造工程中でCl2ガスに接触すると脱水反応が起こるが、このときにODCを同時に生成する。ODCは波長163nmに吸収ピークを持つため、波長172nmのエキシマUVランプ光の透過性に及ぼす影響が大きく、エキシマUVランプ用合成石英ガラス板にとっては望ましくない作用が生じる。またCl元素により形成するSi-Clは波長210〜220nmに吸収ピークを持つ、いわゆるE’センターの前駆体となる。ただしCl元素濃度が30wtppm以下好ましくは5wtppm以下であれば波長172nmでの透過率の低下はほとんど問題にならない。
仮想温度が高いことはすなわちシリカネットワーク中に三員環構造、四員環構造といった不整な構造の割合が大きいことを意味しているが、このような不整な構造部分は真空紫外線のような高いエネルギーを持つ光子によって(1)式のように乖離される。

≡Si−O−Si≡ + hν → ≡Si・+ ・O−Si≡
(1)

(1)式の右辺≡Si・はE’センターと呼ばれる欠陥種であり、波長210〜220nmに吸収ピークを持つため、波長172nmの透過率はその影響を受け低下する。すなわち、紫外線の照射を長時間受け続けるに従い、波長172nmの透過率も低下していくこととなる。よって仮想温度が低い方がエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板としては望ましい。さらに、仮想温度を低下させると前記不整な構造の割合が低下するため紫外線に対する照射耐性が向上し、紫外線の照射による体積変化や複屈折を抑えることができる。石英ガラスの仮想温度を変化させるための手段としては大気炉あるいは雰囲気処理炉等による熱処理法を用いることができる。仮想温度を低くするには低い温度で、高くするには高い温度で熱処理を行う必要があるが、特に、意図する仮想温度が低い場合には、長時間の熱処理が必要になることが多い。すなわち、熱処理が長時間におよぶと板の変形が生じるおそれがあり、さらに時間当たりの生産性の面からも仮想温度には下限が与えられるべきであって、その範囲としては800℃以上1200℃以下が適当である。
石英ガラス中にFを含有させると紫外線に対して安定なSi-F結合が生成し前述の不整な構造を緩和させる作用があり、その効用によって紫外線の照射による透過率の低下を抑制する。また、特開2005-1923に記載されているように石英ガラスに紫外線を照射すると体積変化が生じることが知られているが、石英ガラス中にFを含有させることによって、紫外線に対して安定になり、体積変化や、それに伴う複屈折も抑制される。その下限は200wtppm程度である。しかし大量に添加させた場合には紫外線化学反応によるF2ガス生成のおそれや、シリカネットワーク中でODC(酸素欠乏欠陥)を生じさせるおそれがある。特にODCは波長163nmに吸収ピークを持つため、波長172nmのエキシマUVランプ光の透過性に及ぼす影響が大きく、エキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板にとっては望ましくない作用が生じる。したがってその上限は2000wtppm程度である。
石英ガラスに紫外線を照射すると、体積変化が生じることが知られている(特開2005-1923)が、この体積変化量が大きいと紫外線を受けていない、あるいは受けていても非常に弱い照射量であった部分と、通常の紫外線光量を受けた部分との間で大きな歪みが生じる。石英ガラス中の歪みは複屈折を測定することによって知ることができる。エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の体積変化は5×10-4以下、複屈折は100nm/cm以下であることが望ましい。エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の体積変化が5×10-4よりも大きかったり、複屈折が100nm/cmよりも大きくなったりすると、ランプ管の寸法精度が点灯中に変化をきたして被照射物に対する洗浄効果が低下する原因となる。体積変化および複屈折は、製造上の難易度を考慮すると、それぞれ1×10-6、1nm/cmが達成できれば十分といえる。
特開2005−1923
また本合成石英ガラス板は、アルカリ金属元素濃度およびアルカリ土類金属元素の各々の濃度が100wtppb以下好ましくは40wtppb以下、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cuの各元素濃度が50wtppb以下好ましくは20wtppb以下の高純度である。アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素は工場の建材や製造工程で使用されるグラファイト製容器等に含まれるが、これらが前記範囲を超えると石英ガラスの再結晶化が促進されクリストバライトを生成しやすくなり白色失透が起こる。またTi、Cr、Fe、Ni、Cuなどの遷移金属元素は合成石英を製造する装置に使用される耐熱金属中に含まれるがこれらの濃度が前記範囲を超えると紫外線を吸収し紫外線吸収端を長波長側にシフトさせ透過率の低下を招くため好ましくない。しかしいずれの元素も濃度が0.01wtppb未満になるようにするにはすべての製造工程でクリーンルーム並みの清浄な製造環境が必要となりコストが高くなるため望ましくない。
本合成石英ガラス板は以下のようにして製造することができる。
(1) まず、高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解によるスート体を合成する。高純度の珪素化合物とは、例えば、純度99.9999wt%の四塩化珪素等をいう。火炎加水分解により均一密度のスート体を合成することに始まる一連の製造方法によって、製品の合成石英ガラス板が長径1mm以上の泡を含まなくなる。また、このスート体合成時にバーナーに供給される酸素および水素ガスの供給量を各々、2〜30リットル/分、6〜90リットル/分の割合とすることにより、製品の合成石英ガラス板のOH基濃度を1〜400wtppmとすることができる。上記スート体を透明ガラス化前に1000℃以下の温度で10時間以上保持することにより、製造される各スート体ごとのOH基濃度のばらつきを抑制することができる。得られたスート体を真空雰囲気下1600℃で透明ガラス化し、透明ガラス化された石英ガラスシリンダーを得る。
(2) ついで、特許文献3で示される方法で、上記石英ガラスシリンダーを旋盤に固定して酸水素火炎またはプロパンガス火炎のもとで回転撹拌による均質化処理を行う。この均質化処理により、製品の合成石英ガラス板において、1cmで隣接する任意で2つの位置での波長172nmにおける初期透過率の変動幅を1%以下にすること、板全体の波長172nmにおける初期透過率の変動幅を5%以下にすること、および1cmで隣接する任意で2つの位置でのOH基濃度の変動幅を8wtppm以下にすること、板全体のOH基濃度の変動幅を80wtppm以下にすることが達成される。また、板全体のOH基濃度の変動幅を80wtppm以下にするには、長手方向にOH基濃度の均質なスート体を合成することも重要である。
米国特許第3485613号公報
(3) 均質化処理ののち、図1に示したように、グラファイト製容器(成形型)を用い、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1750〜1850℃にて加熱し自重による変形を行わせて板状石英ガラスインゴット(図2参照)に成形する。このとき、グラファイト製容器としては、灰分10wtppmを上回る一般純度のものではなく、灰分10wtppm以下の高純度のもの、特に2wtppm以下の超高純度のものを用いることが好ましい。これにより、成形されたガラスインゴットへの容器からのアルカリ金属およびアルカリ土類金属元素の浸透が浅くなる。そこで、図2に破線で示したようにガラスインゴットの周囲部分を切除すれば、上記アルカリ金属等の混入部分が排除できる。容器として灰分10wtppm以下の高純度以上のものを用いた場合には、この切除の厚さは10mm程度でよい。一般純度グラファイト製容器を用いると、高純度のものに比べ、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素が石英ガラスに深く浸透してしまい、切除部分を厚くしなければならない。以上により、上記した高純度の原料を用いることと相俟って、製品合成石英ガラス板のアルカリ金属およびアルカリ土類金属元素各々の濃度10wtppb以下が達成できる。
(4) 上記板状成形体を所定の厚さにスライスして、未処理合成石英ガラス板を得る。上記所定の厚さとは、製品合成石英ガラス板の好ましい厚さ3〜10mmに加工代、仕上げ代を加算した厚さである。
(5) 上記スライスされた板材を大気炉にて大気中800〜1200℃、150時間以下の熱処理を行うことによって仮想温度を800〜1200℃に設定するとともに複屈折が10nm/cm以下となるようにする。
(6) この後、製品合成石英ガラス板の厚さの変動幅を1mm以下とし、そりを0.5%以下とし、そして表面粗さRaを50nm以下とするように、例えば、大型オスカー型研磨機にて#1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨し、この後フッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、ならびに乾燥を行う。
以上により、波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率が81%以上の、波長150〜250の真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用の製品大型合成石英ガラス板を得る。
また、本合成石英ガラス板は、図3に示したように、ガラスシリンダーを大型円筒型電気炉内で横型管引きしたのち、管開きする方法によっても製造することができる。この方法の場合においては、管開きの際のバーナー火力が常に一定になるように酸水素ガスまたはプロパンガスの流量をマスフローコントローラによって制御しつつ行うことにより、板のそりや波打ちを極力抑えることができる。さらに、この方法による場合もオスカー型研磨機によるラップ以降を上記と同様にして行うことにより、製品のそり等を本発明範囲内とすることができる。
本発明の他の実施の形態によるエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板は、以上説明した合成石英ガラス板2枚以上をそれらの端面を突き合わせた状態で直線状に接合してなるものであってもよい(接合後の合成石英ガラス板を本接合板材と称することもある)。本接合板材は、その外周の全長が2,700mm以上のものとすることができる。大きさに上限は無いが、現在10,000mm程度のものが達成できている。本接合板材は、その短辺が350mm以上、長辺が1,000mm以上とすることができる。
本接合板材は、接合後における板の曲がりが3mm以下である。曲がりが3mmを超えると、エキシマUVランプ装置に組込んだ場合に被処理物と合成石英ガラス板材との間隔のばらつきが大きくなり、洗浄が均等に行われなくなる。この曲がりは、小さければ小さいほど好ましいが、接合の労力と研磨のコストを考えると、その下限は0.001mm程度である。
また、本接合板材は、その接合部での複屈折が80nm/cm以下である。複屈折は石英ガラス中の残留応力と関係があり、特に接合部での複屈折が80nm/cmを超えると機械的強度の低下を招くおそれがある。この複屈折は小さければ小さい方が好ましいが、0.01nm/cm以下にするには高度に制御された熱処理が必要になると考えられ、時間的にもコスト的にも不利になるため、その下限値は0.01nm/cmでよい。また、接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無いエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板が好適である。長径1mm未満の泡であっても、100mm四方に10個を超える泡が存在する場合は紫外線の散乱が無視できなくなり、また複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡は合成石英ガラス板破損の原因ともなるため、このような泡の存在は避ける必要がある。
本接合板材においては、接合部におけるOH基濃度の変動幅が60wtppm以下好ましくは40wtppm以下である。OH基濃度が不均一であると透過率、絶対屈折率等に板材の位置によって変化が生じ、洗浄にムラができるもととなる。そこで本合成石英ガラス板では接合部におけるOH基濃度の変動幅を60wtppm以下としている。なお接合部におけるOH基濃度の変動幅が0.01wtppm未満になるようにするためには本合成石英ガラス板の母材である合成石英ガラスインゴットの選別が厳しくなりコストに反映されるため好ましくないので、その下限は0.01wtppm程度とする。
さらに本接合板材は、板全体での波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率の変動幅が10%以下、好ましくは5%以下である。接合部での透過率の変動幅が10%を超えると紫外線光量が均一でなくなることから洗浄にムラができるもととなる。接合部での透過率の変動幅が0.01%未満になるようにするには接合条件を複雑に制御しなければならずコスト的にも時間的にも不利となるので、その下限は0.01%程度でよい。なお、本接合板材全体の波長172nmにおける透過率も81%以上であることが望ましい。
本接合板材は以下のようにして製造することができる。
接合前の合成石英ガラス板の製造方法のうち上記した(1)〜(4)までの工程は同じであるので、まずこれらの工程を行う。
(5)’ついで、以下のようにして接合を行うが、まず、上記合成石英ガラス板の反りが0.5%以下であるものを選択する。または、反りが0.5%以下になるように加工したものを使用する。なお、選択する複数の板材は、OH基濃度等の各ファクターにあまり差のないものを選択すべきである。その意味では、同一の上記板状成形体から切り出した板材を用いることが好ましい。また、接合する板材の端面部材は図4に示したように徐々に幅を狭くするように面取りを行っておくことが好ましい。例えば、12mm肉厚(先端端面4mm)の石英ガラス板材の場合でも、先端中央部にバーナー火炎が当たり、バーナー火炎による溶解も起こり易くなる。また同様に端面の面取り部分には45度面でバーナー火炎が当たることになり、より溶解がます。
(6)’次に、本接合に用いて望ましい石英ガラス板材の接合装置を斜視説明図である図5を用いて説明する。図中、符号10は石英ガラス板材の接合装置である。この接合装置10は、第1石英ガラス板材Aを支持する固定支持手段14を有している。16は固定支持手段14を構成する第1基台である。この第1基台16の上面には第1石英ガラス板材Aの下部を支持する第1下部支持具18a,18b及び第1補助受け具18c,18dが設けられている。20a,20bは第1石英ガラス板材Aの上部を支持する第1上部支持具である。
22は第2石英ガラス板材Bを支持する可動支持手段で、前記固定支持手段14に相対向して接離可能に設けられている。26は可動支持手段22を構成する第2基台である。この第2基台26の上面にはレール28,28が長手方向に敷設され、このレール28,28上には可動台30が長手方向に摺動自在に取り付けられている。この可動台30の上面には第2石英ガラス板材Bの下部を支持する第2下部支持具32a,32b及び第2補助受け具32c,32dが設けられている。34a,34bは第2石英ガラス板材Bの上部を支持する第2上部支持具である。上述した各支持具18a,18b,20a,20b,32a,32b,34a,34bについては機械的な静的精度が保たれており、予め寸法設定された石英ガラス板材A,Bを支持するとその接合部位である端面A,Bが同一線上で互いに向き合うように構成されている。
36は第3基台で、第1基台16及び第2基台26の間に設けられている。この第3基台36の上面には一対のストレートバーナー38a,38bからなるバーナー手段38を保持するバーナー保持部材40が設置されている。このバーナー手段38は石英ガラス板材A,Bの接合部位A,Bに対して平行でかつその両側に位置する状態で設けられている。このバーナー保持部材40は上下動自在かつ傾斜角度調整可能に設置されており、したがって、バーナー手段38が上下方向に移動可能であり、かつ任意角度に傾斜することができるようになっている。
上記した構成により、機械的精度の確保された固定支持手段14に支持された第1石英ガラス板材Aの接合部位、即ち一方の端面Aと機械的精度の確保された可動支持手段22に支持された第2石英ガラス板材Bの接合部位、即ち一方の端面Bとをバーナー手段38の火炎F,Fによって溶融し、この溶融した接合部位A,Bを可動支持手段22を固定支持手段14方向に移動させて接合部位Bを接合部位Aを突き合わせかつ押圧させる。以上によれば、押圧力が均一かつ適切となり、2枚の板材の接合が良好になり、接合部に泡が残留してしまうといったようなおそれがなくなる。必要な場合には、以上を繰り返して好ましくは3〜5枚の接合を行う。酸水素火炎による加熱は、接合部におけるOH濃度の変動幅や上記の透過率の変動幅が上記の値以下となるようにするため、必要以上長時間行わないようにする。
(7)’上記接合された板材を大気炉にて大気中800〜1200℃、150時間以下の熱処理を行うことによって、仮想温度を800〜1200℃に設定するとともに製品合成石英ガラス板の接合部での複屈折が80nm/cm以下、非接合部での複屈折が10nm/cm以下となるようにする。
(8)’この後、製品合成石英ガラス板の厚さの変動幅を1mm以下とし、そして表面粗さRaを50nm以下とするように、例えば、大型オスカー型研磨機にて#1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨し、この後フッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、ならびに乾燥を行う。
[実施例1]
回転するターゲット上に気化した純度99.9999wt%の高純度四塩化珪素を、酸素および水素ガスを各々20リットル/分、60リットル/分の割合で流した際の酸水素中で火炎加水分解してシリカスートを堆積させることにより作製した均一密度の多孔質スート体を、窒素雰囲気下900℃で24時間保持したのち、真空雰囲気下1600℃で透明ガラス化して円柱状石英ガラスシリンダーを製造した。上記石英ガラスシリンダーを超高圧水により縦方向に5分割し、5分割したうちの1片を旋盤に固定して酸水素火炎のもとで回転攪拌による均質化処理を行って、長さ1100mm、平均外径280mmの紡錘形状石英ガラス体を得た。
上記紡錘形状石英ガラス体を図1のように内寸1520×420×300mmの灰分2wtppm以下の超高純度グラファイト製容器に静置し、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1800℃にて加熱し自重による変形を行わせる工程を数回繰り返し、1520×420×100mmの石英ガラスインゴットを得た。グラファイト製容器によるアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の混入部分を削除するためにこの石英ガラスインゴットの周囲を厚さ10mmずつ図2に破線で示したようにバンドソー装置で切断し、その後所定の厚さになるようスライスして1500×400×6mmの合成石英ガラス板とした。前記合成石英ガラス板を大気炉にて950℃、70時間熱処理を行って仮想温度を調整し、その後大型オスカー型研磨機にて♯1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨したのちフッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って、1500×400×4mmの両面光学研磨仕上がりの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、1cmで隣接する172nm初期透過率変動幅、及びOH基濃度変動幅、板全体の172nm透過率変動幅及びOH基濃度変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、Cl元素濃度、仮想温度、F元素濃度は表1の通りであった。各ファクターの測定方法は本文の最後に記した。
図6に示したように、この合成石英ガラス板(図には符号46で示した)をエキシマUVランプ装置42に窓材として組込んで点灯したところ、表3のように測定位置にかかわらずほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。表3はエキシマUVランプ100時間点灯後の、位置Eにおける照度を100としたときの各点での放射光照射強度を表す。なお、図6において、符号41はエキシマUVランプを、符号48はエキシマUVランプ光をそれぞれ示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして(円柱状石英ガラスシリンダーを作るところまでは実施例1と全く一緒です)長さ2000mm、外径200mm、内径80mmの円柱状石英ガラスシリンダーを得た。
上記円柱状石英ガラスシリンダーの内圧を窒素ガスで調整しながら、グラファイトヒーターを通して加熱し、横型管引きで直径250mm、長さ1600mm、厚さ6mmの石英ガラスチューブを製造した。得られた石英ガラスチューブ1を図3に示すように軸方向に所定幅にわたって切り込み5を入れ、切り込み部の内側と外側から管軸方向全幅にわたって、マスフローコントローラによって流量を一定に制御された酸水素バーナー3で管周方向に順次加熱軟化させながら、管の接線方向に引っ張って平板化し、周囲をダイヤモンドカッターでトリミングすることによって1500×400×6mmの合成石英ガラス板に成型した。前記合成石英ガラス板を大気炉内、1000℃で50時間熱処理を行って仮想温度を調整し、オスカー型研磨機にて♯1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨したのちフッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って1500×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、1cmで隣接する172nm初期透過率変動幅、及びOH基濃度変動幅、板全体の172nm透過率変動幅及びOH基濃度変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、Cl元素濃度、仮想温度、F元素濃度は表1の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで(図6参照)点灯したところ、表3のように測定位置にかかわらずほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。
[実施例3]
多孔質スート体を恒温保持するときの雰囲気を四フッ化珪素とヘリウムの混合雰囲気でかつその比率を5:95とし、温度を400℃、時間を24時間とした以外は実施例1と同様にして1500×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、1cmで隣接する172nm初期透過率変動幅、及びOH基濃度変動幅、板全体の172nm透過率変動幅及びOH基濃度変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、Cl元素濃度、仮想温度、F元素濃度は表1の通りであった。各ファクターの測定方法は本文の最後に記した。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで(図6参照)点灯したところ、表3のように測定位置にかかわらずほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。
[実施例4]
回転するターゲット上に気化した純度99.9999wt%の高純度四塩化珪素を、酸素および水素ガスを各々20リットル/分、60リットル/分の割合で流した際の酸水素中で火炎加水分解してシリカスートを堆積させることにより作製した均一密度の多孔質スート体を、窒素雰囲気下900℃で24時間保持したのち、真空雰囲気下1600℃で透明ガラス化して円柱状石英ガラスシリンダーを製造した。上記石英ガラスシリンダーを超高圧水により縦方向に5分割し、5分割したうちの1片を旋盤に固定して酸水素火炎のもとで回転攪拌による均質化処理を行って、長さ1100mm、平均外径280mmの紡錘形状石英ガラス体を得た。
上記紡錘形状石英ガラス体を図1のように内寸1320×420×300mmの灰分2ppm以下の超高純度グラファイト製容器に静置し、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1800℃にて加熱し自重による変形を行わせる工程を数回繰り返し、1320×420×120mmの石英ガラスインゴットを得た。グラファイト製容器によるアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の混入部分を削除するためにこの石英ガラスインゴットの周囲を厚さ10mmずつ図2のようにバンドソー装置で切断し、その後所定の厚さになるようスライスして1300×400×6mmの合成石英ガラス板を16枚得た。それらの板の反りは、全て0.11%程度であった。
続いて、上記16枚から選んだ合成石英ガラス板2枚を、図5を用いて説明した装置を用いて、次のようにして接合した。
まず、接合端部を図4のように面取り処理した一対の合成石英ガラス板材A,Bを所定の間隔をおいて縦置きに対置させた。つまり、固定支持手段14に一方の合成石英ガラス板材Aを縦置きに支持させ、可動支持手段22に他方の合成石英ガラス板材Bを縦置きに支持させた。可動支持部材22に支持された合成石英ガラス板材Bを移動させることによって合成石英ガラス板材A,Bを所定間隔をおいて縦置きに対置させた。
次に、バーナー手段38からの酸水素火炎を用いて合成石英ガラス板材A,Bの接合部位A,Bを均一に加熱溶融した。可動支持部材22に支持された合成石英ガラス板材Bを移動させることによってこの溶融した接合部位A,Bを突き合わせ、かつ押し合わせて均一な押圧力での押圧状態として溶着し、石英ガラス板材A,Bを接合して2600×400×6mmの接合合成石英ガラス板材を作成した。
続いて、前記接合合成石英ガラス板を大気炉にて950℃、70時間熱処理を行って仮想温度を調整し、これを大型オスカー型研磨機にて♯1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨したのちフッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って2600×400×4mmの両面光学研磨仕上がりの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、板全体の172nmにおける初期透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、仮想温度、F元素濃度、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表2の通りであった。
図7に示すように、この接合合成石英ガラス板(図には符号49で示した。符号47は接合部を示す)をエキシマUVランプ装置42に窓材として組込んで(図7参照)点灯したところ、表4に示したように測定位置に関わらず、ほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。なお表4はエキシマUVランプ100時間点灯後の、位置E2における照度を100としたときの各点での放射光照射強度を表す。
また、この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材と被処理物(表面の有機物汚染)との間隔が均一であり、接合部における照度の変動も極めて小さく、被処理物の全面に対して均等で良好な洗浄効果が得られ、処理時間も短時間で済んだ。
[実施例5]
実施例2と同様にして長さ2000mm、外径200mm、内径80mmの石英ガラスシリンダーを得た。
上記石英ガラスシリンダーの内圧を窒素ガスで調整しながら、円筒型グラファイトヒーターを通して加熱し、横型管引きで直径250mm、長さ1400mm、厚さ6mmの石英ガラスチューブを製造した。得られた石英ガラスチューブを図3に示すように軸方向に所定幅にわたって切り込み5を入れ、切り込み部の内側と外側から管軸方向全幅にわたって、マスフローコントローラによって流量を一定に制御された石英ガラス製酸水素バーナー3で管周方向に順次加熱軟化させながら、管の接線方向に引っ張って平板化し、周囲をダイヤモンドカッターでトリミングすることによって1300×400×6mmの合成石英ガラス板に成型した。同様にして複数枚の合成石英ガラス板を作製した。それらの反りは、全て0.12%程度であった。上記複数枚からOH基濃度等の各ファクターにあまり差のない2枚を選択し、これらの2枚の板を、実施例4と同様にして、接合以降を行って両面光学研磨仕上がりの2600×400×4mmの接合合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、板全体の172nmにおける初期透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、仮想温度、F元素濃度、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表2の通りであった。
図7に示したように、この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、表4に示したように測定位置に関わらず、ほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。
[実施例6]
多孔質スート体を恒温保持するときの雰囲気を四フッ化珪素とヘリウムの混合雰囲気でかつその比率を5:95とし、温度を400℃、時間を24時間とした以外は実施例4と同様にして2600×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、板全体の172nmにおける初期透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、仮想温度、F元素濃度、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表2の通りであった。
この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、表4に示したように測定位置に関わらず、ほぼ同一の均一な放射光照射強度となった。
[比較例1]
実施例1と同様にして1500×400×6mmの合成石英ガラス板を作製し、該合成石英ガラス板を大気炉内で熱処理(仮想温度調節処理)しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で1500×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、1cmで隣接する172nm初期透過率変動幅、及びOH基濃度変動幅、板全体の172nm透過率変動幅及びOH基濃度変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、Cl元素濃度、仮想温度、F元素濃度は表1の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材と被処理物との間隔が場所によって異なることにより、被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例1と同様にして測定した放射光照射強度を表3に示した。
[比較例2]
多孔質スート体を恒温保持するときの雰囲気を四フッ化珪素と塩素とヘリウムの混合雰囲気でかつその比率を10:5:85とし、尚且つ、真空加熱炉にて石英ガラス体を静置する容器として超高純度グラファイト製容器の代わりに灰分10wtppm以上の一般純度グラファイト製容器を用いた以外は実施例1と同様にして1500×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、1cmで隣接する172nm初期透過率変動幅、及びOH基濃度変動幅、板全体の172nm透過率変動幅及びOH基濃度変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、Cl元素濃度、仮想温度、F元素濃度は表1の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材の透過率が低いために被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例1と同様にして測定した放射光照射強度を表3に示した。
[比較例3]
実施例4と同様にして1500×400×6mmの合成石英ガラス板を作製し、合成石英ガラス板を大気炉内で熱処理(仮想温度調整処理)しなかったこと、および接合時に従来から行われている方法である石英ガラス製の溶接棒を用いる方法によって接合を行った以外は実施例4と同様の方法で2600×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。石英ガラス製の溶接棒を用いる方法とは、石英ガラス製の溶接棒をバーナー加熱により溶融することによって石英ガラス部材同士を接合する手法である。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、板全体の172nmにおける初期透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、仮想温度、F元素濃度、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表2の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材と被処理物との間隔が場所によって異なることにより、被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例4と同様にして測定した放射光照射強度を表4に示した。
[比較例4]
多孔質スート体を恒温保持するときの雰囲気を四フッ化珪素と塩素とヘリウムの混合雰囲気でかつその比率を10:5:85とし、尚且つ、真空加熱炉にて石英ガラス体を静置する容器として超高純度グラファイト製容器の代わりに灰分10wtppm以上の一般純度グラファイト製容器を用いた以外は実施例4と同様にして2600×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmの初期透過率T1およびエキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける透過率T2、板全体の172nmにおける初期透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、体積変化、複屈折、仮想温度、F元素濃度、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表2の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材の透過率が低いために被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例4と同様にして測定した放射光照射強度を表4に示した。
[各測定方法]
[そり]
そりは、該大型合成石英ガラス板を鉛直に立て、定規を水平に当てて測定するものとし、弓形の場合は弦の長さに対する弧の高さ、波形の場合は山から山まで(又は谷から谷まで)の距離に対する谷の深さ(又は山の高さ)を測り、次の式によってそりを算出する。
Figure 2007031217
ここに C: そり(%)
h: 弧の高さ、谷の深さ又は山の高さ(mm)
l: 弦の長さ、山から山までの距離又は谷から谷までの距離(mm)
[曲がり]
曲がりは、接合によって作製された該大型合成石英ガラス板の長い板側を鉛直の壁に接合部が浮き上がらない方の面を接して立て、定規を水平に当てて、壁から離れた最大の距離を測定するものとする。
[泡]
散乱光の下で目視観察し、泡が発見された場合にこの大きさを測定する。
[複屈折]
偏光板歪計を使用したレターデーション測定法。
[表面粗さ]
触針式表面粗さ測定機による測定法。
[不純物元素分析]
ICP発光分光分析法による。
[透過率測定]
両面を表面粗さRaが0.25nm以下、平行度が角度5秒以下になるようにして厚さ3mmに鏡面研磨した試料片を用いた真空紫外分光光度計による測定法。透過率は次の式によって算出される。
Figure 2007031217
ここに T: 透過率(%)
I0:
光路上に試料片がないときの光量
I:
光路上に試料片を設置したときに試料片を通過して出射する光量
[1cmで隣接する172nm透過率変動幅]
大型合成石英ガラス板の対角線上の任意の30点の位置から寸法20×20×4mmの測定サンプルを30個切り出す。次いで、各測定サンプルを上記[透過率測定]に準じて鏡面研磨加工を施す。次に各測定サンプル内において、1cmで隣接する2つのポイントにおいて、各々172nm透過率を測定し、その2つのポイントの透過率差を求める。透過率測定を全30サンプルで行い、各サンプル内の透過率差における最大値を1cmで隣接する172nm透過率変動幅(%)とする。
[板全体の172nm透過率変動幅]
前項目の測定では、全30サンプル、計60ポイントの透過率データが得られることになる。この60ポイントの透過率の最大値と最小値の差を板全体の172nm透過率変動幅(%)とする。
[エキシマUVランプ光照射]
図8はエキシマUVランプ光照射図を示す。エキシマUVランプ41から受けるエキシマUVランプ光48が30 mW/cm2の位置に、30mm×30mmの寸法に切断した合成石英ガラス板片43を設置する。石英ガラス板片43の一部にはアルミ箔等からなる遮蔽物44を設け、エキシマUVランプ光が照射されない部分を作る。境界45はエキシマUVランプ光が照射される部分と遮蔽される部分との境界に相当する位置である。
[複屈折]
He-Neレーザ(632.8nm)を光源とする自動複屈折測定装置(ハインズインスツルメンツ社製、EXICOR
350AT)により、境界45付近を測定する。
[体積変化]
He-Neレーザ(632.8nm)を光源とする光干渉計(ザイゴ社製、Mark
GPIxp)により、境界45付近を測定し、屈折率変化Δnを求める。密度と屈折率の関係を表すLorentz-Lorenzの式と屈折率変化Δnを用いて次の式から密度変化を求める。
Figure 2007031217
ここに、ρc:密度変化
n0:遮蔽部の屈折率
n1:照射部の屈折率
密度変化から、体積変化Vcは次式のように求められる。
Figure 2007031217
[OH基濃度]
D.M.DODD
and D.B.FRASER, Optical determination of OH in fused silica, Journal of Applied
Physics, Vol. 37(1966) p. 3911文献記載の測定法による。
前項目の透過率測定と同様、大型合成石英ガラス板の対角線上の任意の30点の位置から寸法20×20×4mmの測定サンプルを30個切り出し、各々OH基濃度を測定し、OH基濃度の最大値、最小値とする。
[1cmで隣接するOH基濃度変動幅]
前項目のOH基濃度測定と同様、全30サンプルを用いて測定する。各測定サンプル内1cmで隣接する2つのポイント、計60ポイントにおいて、各々OH基濃度を測定し、その2つのポイントの濃度差を求める。OH基濃度測定を全30サンプルで行い、各サンプル内の濃度差における最大値を1cmで隣接するOH基濃度変動幅(wtppm)とする。
[板全体のOH基濃度変動幅]
前項目の測定では、全30サンプル、計60ポイントのOH基濃度データが得られることになる。この60ポイントのOH基濃度の最大値と最小値の差を板全体のOH基濃度変動幅(wtppm)とする。
[接合部におけるOH基濃度変動幅]
大型合成石英ガラス板から、接合部を含んだ40×20×4mmのサンプルを10個切り出し、それぞれのサンプルについて接合部と、接合部から10mm離れたポイントでのOH基濃度を測定し、その2つのポイントのOH基濃度差を求める。OH基濃度測定を全10サンプルで行い、各サンプル内のOH基濃度差における最大値を接合部におけるOH基濃度変動幅(wtppm)とする。
[Cl元素濃度]
HF水溶液により分解後、AgNO3添加による比濁法による測定法。
[仮想温度]
A. E. GEISSBERGER and F. L. GALEENER, Raman studies
of vitreous SiO2 versus fictive temperature, Physical Review B, Vol.
28, No. 6, pp. 3266〜71文献記載のラマン散乱分光光度法による測定法。
[F元素濃度]
フッ化物イオン選択性電極を用いたイオン選択性電極法による測定法
[放射光の強度(実施例1〜3、比較例1および2)]
高周波電源装置に接続して所定の電圧をかけ、点灯させて100時間後の窓材(合成石英ガラス板)表面での波長172nmの放射光強度を測定した。図6のとおり、窓材の中央(E)及び窓材の四隅(A、C、G、I)、前記四隅の中間(B、D、F、H)を測定点とし、測定した。中央の測定点(E)を除き、測定点は窓材の端から鉛直方向に50mmの位置で測定した。それぞれの位置での放射光強度を、中央の測定点(E)の位置における強度を100としたときの相対強度で表す。
[放射光の強度(実施例4〜6、比較例3および4)]
高周波電源装置に接続して所定の電圧をかけ、点灯させて100時間後の窓材表面での波長172nmの放射光強度を測定した。図7のとおり、窓材の接合部47及び接合部から10mm離れた点(D1、E1、F1、D3、E3、F3)、窓材の四隅(A、C、G、I)、前記四隅の中間(B、H)を測定点とし、測定した。測定点(A、B、C、D1、E1、F1、D3、E3、F3、G、H、Iは窓材の端から鉛直方向に50mmの位置で測定した。それぞれの位置での放射光強度を、中央の測定点(E2)の位置における強度を100としたときの相対強度で表す。
Figure 2007031217
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本エキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板の製造方法を説明するための斜視図である。 本エキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板の切り出し方法を説明するための斜視図である。 本エキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板の製造方法を説明するための斜視図である。 接合するに当たっての合成石英ガラス板の端部の前処理の状態を説明するための概略図である。 合成石英ガラス板どうしを接合する接合装置を説明するための説明斜視図である。 実施例1〜3、比較例1および2において製造された大型合成石英ガラス板を窓材として用いての放射光強度測定実験の仕様を説明するための図である。 実施例4〜6、比較例3および4において製造された大型合成石英ガラス板を窓材として用いての放射光強度測定実験の仕様を説明するための図である。 合成石英ガラス板片へのエキシマランプ光照射を説明するための図である。
符号の説明
1 石英ガラスチューブ
3 酸水素バーナー
5 切り込み
10 接合装置
14 固定支持手段
16 第1基台
18a,18b 第1下部支持具
20a,20b 第1上部支持具
22 可動支持手段
26 第2基台
28 レール
30 可動台
32a、32b 第2下部支持具
34a,34b 第2上部支持具
36 第3基台
38a,38b ストレートバーナー
38 バーナー手段
40 バーナー保持部材
A,B 石英ガラス板材
41 エキシマUVランプ
42 エキシマUVランプ装置
43 合成石英ガラス板片
44 遮蔽物
45 照射部と遮蔽部の境界
46 合成石英ガラス板
47 接合部
48 エキシマUVランプ光

Claims (20)

  1. 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板の外周の全長が1500mm以上、厚さの変動幅が1mm以下、そりが0.5%以下、表面粗さRaが50nm以下、複屈折が10nm/cm以下、長径1mm以上の泡を含まず、仮想温度が800℃以上1200℃以下であることを特徴とするエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  2. 隣接する1cmあたりの初期透過率の変動幅が1%以下である請求項1のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  3. 板全体の初期透過率の変動幅が5%以下である請求項1または2のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  4. 隣接する1cmあたりのOH基濃度の変動幅が8wtppm以下である請求項1〜3のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  5. 板全体のOH基濃度の変動幅が80wtppm以下である請求項1〜4のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  6. Cl元素濃度が30wtppm以下である請求項1〜5のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  7. 厚さが3〜10mmである請求項1〜6のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  8. 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板が2枚以上の板を互いの端面を突き合わせて接合して成り、接合後の外周の全長が2700mm以上、厚さの変動幅が1mm以下、接合による板の曲がりが3mm以下、接合部での複屈折が80nm/cm以下で、接合部を含む板全体で長径1mm以上の独立気泡がなく、接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無く、仮想温度が800℃以上1200℃以下であることを特徴とするエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  9. 板全体での波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率の変動幅が10%以下である請求項8のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  10. 表面粗さRaが50nm以下、接合部以外における複屈折が10nm/cm以下である請求項8または9のエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  11. 接合部におけるOH基濃度の変動幅が60wtppm以下である請求項8〜10のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  12. Cl元素濃度が30wtppm以下である請求項8〜11のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  13. 接合する枚数が5枚以下である請求項8〜12のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  14. 用いる板の反りが0.5%以下である請求項8〜13のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  15. F元素濃度が200wtppm以上2000wtppm以下である請求項1〜14のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  16. 合成石英ガラス板の波長172nmにおける厚さ3mmあたりの初期透過率をT1としたとき、T1が81%以上であり、エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の波長172nmにおける厚さ3mmあたりの透過率T2がT1×0.80以上である請求項1〜15のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  17. エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後の体積変化が5×10-4以下である請求項1〜16のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  18. エキシマUVランプ光を30mW/cm2で1000時間照射した後で照射部と未照射部の境界における複屈折が100nm/cm以下である請求項1〜17のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  19. OH基濃度が1wtppm以上400wtppm以下である請求項1〜18のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
  20. 合成石英ガラス板中のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素各々の濃度が100wtppb以下、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cuの各元素濃度が50wtppb以下である請求項1〜19のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
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