JP2005298323A - エキシマuvランプ装置用大型合成石英ガラス板 - Google Patents
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Abstract
エキシマUVランプ装置用窓材として用いたとき、全面にわたって光の取り出し効率が良く、均等であるエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板を提供する。
【解決手段】
本発明のエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板は、高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板が2枚以上の板を互いの端面を突き合わせて接合して成り、接合後の外周の全長が2700mm以上、厚さが3〜10mmで、厚さの変動幅が1mm以下、接合による板の曲がりが3mm以下、接合部での複屈折が80nm/cm以下で、接合部を含む板全体で長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無いことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
また、複数の板材を接合して形成された大型合成石英ガラス板も知られている。その接合方法としては、石英ガラス製の溶接棒を用いた方法が一般的であるが、この溶接棒を用いた接合方法で形成された大型合成石英ガラス板においては、その接合部分において、OH基濃度の変動幅が大きくなったり、泡が混入したりすることがしばしば起こるため、波長150〜250nmの真空紫外光を放出する光洗浄用エキシマUVランプ装置の光透過窓部分を構成する合成石英ガラス板としては適さないものであった。
(1) 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板が2枚以上の板を互いの端面を突き合わせて接合して成り、接合後の外周の全長が2700mm以上、厚さが3〜10mmで、厚さの変動幅が1mm以下、接合部での複屈折が80nm/cm以下で、接合部を含む板全体で長径1mm以上の独立気泡が無いことを特徴とするエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(2) 接合による板の曲がりが3mm以下であることを特徴とする上記(1)のエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(3) 接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無いことを特徴とする上記(1)または(2)のエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(4) 接合部におけるOH基濃度の変動幅が60wtppm以下である上記(1)〜(3)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(5) 板全体での波長172nmにおける透過率の変動幅が10%以下である上記(1)〜(4)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(6) 表面粗さRaが50nm以下、接合部以外における複屈折10nm/cm以下である上記(1)〜(5)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(7) 合成石英ガラス板中のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素各々の濃度が100wtppb以下、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cuの各元素濃度が50wtppb以下である上記(1)〜(6)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(8) 合成石英ガラス板の波長172nmにおける透過率が81%以上である上記(1)〜(7)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(9) OH基濃度が10wtppm以上350wtppm以下である上記(1)〜(8)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(10) Cl元素濃度が5wtppm以下である上記(1)〜(9)のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
(11) 接合する枚数が5枚以下である上記(1)〜(10)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
(12) 用いる板の反りが0.5%以下である上記(1)〜(11)のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
このほか、接合前の合成石英ガラス板材において、反りが0.5%以下好ましくは0.1%以下であることが好ましい。反りが、この値を超えると、接合してできた合成石英ガラス板をエキシマUVランプに組込んだ場合に被処理物と合成石英ガラス板材との間隔のばらつきが大きくなり、洗浄が均等に行われなくなる。
エキシマUVランプ装置用の本大型合成石英ガラス板は、接合後における板の曲がりが3mm以下である。曲がりが3mmを超えると、エキシマUVランプに組込んだ場合に被処理物と合成石英ガラス板材との間隔のばらつきが大きくなり、洗浄が均等に行われなくなる。この曲がりは、小さければ小さいほど好ましいが、接合の労力と研磨のコストを考えると、その下限は0.001mm程度である。
また、エキシマUVランプ装置用の本合成石英ガラス板は、その接合部での複屈折が80nm/cm以下である。複屈折は石英ガラス中の残留応力と関係があり10nm/cm超、特に接合部での複屈折が80nm/cmを超えると機械的強度の低下を招くおそれがある。この複屈折は小さければ小さい方が好ましいが、0.01nm/cm以下にするには高度に制御された熱処理が必要になると考えられ、時間的にもコスト的にも過剰になるため、その下限値は0.01nm/cmでよい。また、接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無いエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板が好適である。長径1mm未満の泡であっても、100mm四方に10個を超える泡が存在する場合は紫外線の散乱が無視できなくなり、また複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡は合成石英ガラス板破損の原因ともなるため、このような泡の存在は避ける必要がある。
さらに本合成石英ガラス板は、板全体での波長172nmにおける透過率の変動幅が10%以下、好ましくは5%以下である。接合部での透過率の変動幅が10%を超えると紫外線光量が均一でなくなることから洗浄にムラができるもととなる。接合部での透過率の変動幅が0.01%未満になるようにするには接合条件を複雑に制御しなければならずコスト的にも時間的にも不利となるので、その下限は0.01%程度でよい。なお、合成石英ガラス板全体の波長172nmにおける透過率も81%以上であることが望ましい。
(1)まず、高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解によるスート体を合成する。高純度の珪素化合物とは、例えば、純度99.9999wt%の四塩化珪素等をいう。火炎加水分解によりスート体を合成することにより、製品の合成石英ガラス板が長径1mm以上の泡を含まなくなる。また、このスート体合成時にバーナーに供給される酸素および水素ガスの供給量を各々、2〜20リットル/分、6〜60リットル/分の割合とすることにより、製品の合成石英ガラス板のOH基濃度を10〜350wtppmとすることができる。上記スート体を透明ガラス化し、透明ガラス化された石英ガラスシリンダーを得る。この透明ガラス化は、高真空下で行い、スートに含まれる水蒸気や塩素を脱ガスさせることにより、製品合成石英ガラス板のOH基を10wtppm程度に低減させ、かつCl元素濃度を5wtppm以下とすることができる。
(2)ついで、特許文献2で示される方法で、上記石英ガラスシリンダーを旋盤に固定して酸水素火炎またはプロパンガス火炎のもとで均質化処理を行う。この均質化処理により、製品の合成石英ガラス板において、波長172nmにおける透過率の変動幅を10%以下にすることが達成される。また、この均質化処理により、板材全体のOH基濃度の変動幅を70wtppm以下にすることができる。また、板全体のOH基濃度の変動幅を70wtppm以下にするには、長手方向に均質なスート体を合成することも重要である。
(4)上記板状成形体を所定の厚さにスライスして、合成石英ガラス板材を得る。上記所定の厚さとは、製品合成石英ガラス板の好ましい厚さ3〜10mmに加工代、仕上げ代を加算した厚さである。
(5)ついで、以下のようにして接合を行うが、まず、上記未処理合成石英ガラス板の反りが0.5%以下であるものを選択する。なお、選択する複数の板材は、OH基濃度等の各ファクターにあまり差のないものを選択すべきである。その意味では、同一の上記板状成形体から切り出した板材を用いることが好ましい。また、接合する板材の端面部材は図3に示したように徐々に幅を狭くするように面取りを行っておくことが好ましい。例えば、12mm肉厚(先端端面4mm)の石英ガラス板材の場合でも、先端中央部にバーナ火炎が当たり、バーナ火炎による溶解も起こり易くなる。また同様に端面の面取り部分には45度面でバーナ火炎が当たることになり、より溶解がます。
(6)次に、本接合に用いて望ましい石英ガラス板材の接合装置を斜視説明図である図4を用いて説明する。図中、符号10は石英ガラス板材の接合装置である。この接合装置10は、第1石英ガラス板材Aを支持する固定支持手段14を有している。16は固定支持手段14を構成する第1基台である。この第1基台16の上面には第1石英ガラス板材Aの下部を支持する第1下部支持具18a,18b及び第1補助受け具18c,18dが設けられている。20a,20bは第1石英ガラス板材Aの上部を支持する第1上部支持具である。
22は第2石英ガラス板材Bを支持する可動支持手段で、前記固定支持手段14に相対向して接離可能に設けられている。26は可動支持手段22を構成する第2基台である。この第2基台26の上面にはレール28,28が長手方向に敷設され、このレール28,28上には可動台30が長手方向に摺動自在に取り付けられている。この可動台30の上面には第2石英ガラス板材Bの下部を支持する第2下部支持具32a,32b及び第2補助受け具32c,32dが設けられている。34a,34bは第2石英ガラス板材Bの上部を支持する第2上部支持具である。上述した各支持具18a,18b,20a,20b,32a,32b,34a,34bについては機械的な静的精度が保たれており、予め寸法設定された石英ガラス板材A,Bを支持するとその接合部位である端面A1,B1が同一線上で互いに向き合うように構成されている。
36は第3基台で、第1基台16及び第2基台26の間に設けられている。この第3基台36の上面には一対のストレートバーナ38a,38bからなるバーナ手段38を保持するバーナ保持部材40が設置されている。このバーナ手段38は石英ガラス板材A,Bの接合部位A1,B1に対して平行でかつその両側に位置する状態で設けられている。このバーナ保持部材40は上下動自在かつ傾斜角度調整可能に設置されており、したがって、バーナ手段38が上下方向に移動可能であり、かつ任意角度に傾斜することができるようになっている。
上記した構成により、機械的精度の確保された固定支持手段14に支持された第1石英ガラス板材Aの接合部位、即ち一方の端面A1と機械的精度の確保された可動支持手段22に支持された第2石英ガラス板材Bの接合部位、即ち一方の端面B1とをバーナ手段38の火炎F,Fによって溶融し、この溶融した接合部位A1,B1を可動支持手段22を固定支持手段14方向に移動させて接合部位B1を接合部位A1を突き合わせかつ押圧させる。以上によれば、押圧力が均一かつ適切となり、2枚の板材の接合が良好になり、接合部に泡が残留してしまうといったようなおそれがなくなる。必要な場合には、以上を繰り返して好ましくは3〜5枚の接合を行う。酸水素火炎による加熱は、接合部におけるOH濃度の変動幅や上記の透過率の変動幅が上記の値以下となるようにするため、必要以上長時間行わないようにする。
(7)次に、歪み取りアニール(例えば、1150℃で30分間の熱処理)を行って、製品合成石英ガラス板の接合部での複屈折が80nm/cm以下、非接合部での複屈折が10nm/cm以下となるようにする。
(8)この後、製品合成石英ガラス板の厚さの変動幅を1mm以下とし、そして表面粗さRaを50nm以下とするように、例えば、大型オスカー型研磨機にて#1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨し、この後フッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、ならびに乾燥を行う。
以上により、上記した波長172nmにおける厚さ1cm当たりの透過率が81%以上の、波長150〜250の真空紫外光を放出するエキシマUVランプ用の製品大型合成石英ガラス板を得る。
また、接合前の板材は、図5に示したように、ガラスシリンダーを大型円筒型電気炉内で横型管引きしたのち、管開きする方法によっても製造することができる。この方法の場合においては、管開きの際のバーナー火力が常に一定になるように酸水素ガスまたはプロパンガスの流量をマスフローコントローラによって制御しつつ行うことにより、板材のそりや波打ちを極力抑えることができる。さらに、この方法による場合は、オスカー型研磨機によるラップを行う等することにより、板材のそり等を好ましい範囲内とすることができる。
回転するターゲット上に気化した純度99.9999wt%の高純度四塩化珪素を酸素及び水素ガスを各々20リットル/分、60リットル/分の割合で流した際の酸水素中で火炎加水分解してシリカスートを堆積させることにより作製した多孔質スート体を1600℃で透明ガラス化して円柱状石英ガラスインゴットを製造した。上記石英ガラスインゴットを旋盤に固定して酸水素火炎で加熱し、回転撹拌による均質化処理をしつつ、長さ1100mm、外径280mmの円柱状石英ガラス体を得た。
上記円柱状石英ガラス体を図1のように内寸1320×420×300mmの表4記載のとおりの灰分2ppm以下の超高純度グラファイト製容器に静置し、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1800℃にて加熱し自重による変形を行わせ、1320×420×120mmの石英ガラスインゴットを得た。グラファイト製容器によるアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の混入部分を削除するためにこの石英ガラスインゴットの周囲を厚さ10mmずつ図2のようにバンドソー装置で切断し、その後所定の厚さになるようスライスして1300×400×6mmの合成石英ガラス板を16枚得た。それらの板の反りは、全て0.11%程度であった。
続いて、上記16枚から選んだ合成石英ガラス板2枚を、図4を用いて説明した装置を用いて、次のようにして接合した。
まず、接合端部を図3のように面取り処理した一対の合成石英ガラス板材A,Bを所定の間隔をおいて縦置きに対置させた。つまり、固定支持手段14に一方の合成石英ガラス板材Aを縦置きに支持させ、可動支持手段22に他方の合成石英ガラス板材Bを縦置きに支持させた。可動支持部材22に支持された合成石英ガラス板材Bを移動させることによって合成石英ガラス板材A,Bを所定間隔をおいて縦置きに対置させた。
次に、バーナ手段38からの酸水素火炎を用いて合成石英ガラス板材A,Bの接合部位A1,B1を均一に加熱溶融した。可動支持部材22に支持された合成石英ガラス板材Bを移動させることによってこの溶融した接合部位A1,B1を突き合わせ、かつ押し合わせて均一な押圧力での押圧状態として溶着し、石英ガラス板材A,Bを接合して2600×400×6mmの接合合成石英ガラス板材を作成した。
続いて、前記接合合成石英ガラス板を電気炉内、1150℃で30分間アニール処理して歪みを除去したのち、これを大型オスカー型研磨機にて♯1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨したのちフッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って2600×400×4mmの両面光学研磨仕上がりの合成石英ガラス板を製造した。
この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、表2に示したように測定位置に関わらず、ほぼ同一の均一な放射光照度強度となった。また、この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材と被処理物(表面の有機物汚染)との間隔が均一であり、接合部における照度の変動も極めて小さく、被処理物の全面に対して均等で良好な洗浄効果が得られ、処理時間も短時間で済んだ。
[そり]
そりは、JIS R3203:1981に基づき、該大型合成石英ガラス板を鉛直に立て、定規を水平に当てて測定するものとし、弓形の場合は弦の長さに対する弧の高さ、波形の場合は山から山まで(又は谷から谷まで)の距離に対する谷の深さ(又は山の高さ)を測り、次の式によってそりを算出する。
ここに C: そり(%)
h: 弧の高さ、谷の深さ又は山の高さ(mm)
l: 弦の長さ、山から山までの距離又は谷から谷までの距離(mm)
[曲がり]
接合した大型合成石英ガラス板の一方の面を鉛直の壁に接して立たせ、定規を水平に当てて壁から離れた最大の距離を測定する。次に、他方の面を同様に立たせて、定規を水平に当てて壁から離れた最大の距離を測定する。これら測定値の最大値を曲がりとする。
[泡]
散乱光の下で目視観察し、泡が発見された場合にこの大きさを測定する。
[複屈折]
偏光板歪計を使用したレターデーション測定法。
[表面粗さ]
触針式表面粗さ測定機による測定法。
[不純物元素分析]
ICP発光分光分析法による。
[透過率測定]
大型合成石英ガラス板の任意の位置から試料を切り出し、両面を表面粗さRaが0.25nm以下、平行度が角度5秒以下になるように鏡面研磨した試料片を用いた真空紫外分光光度計による測定法。
[板全体の172nm透過率変動幅]
大型合成石英ガラス板の対角線上の任意の30点の位置から寸法20×20×4mmの測定サンプルを30個切り出す。次いで透過率測定を全30サンプルで行い、この30サンプルの透過率の最大値と最小値の差を板全体の172nm透過率変動幅(%)とする。
[OH基濃度]
D.M.DODD
and D.B.FRASER, Optical determination of OH in fused silica, Journal of Applied
Physics, Vol. 37(1966)p. 3911文献記載の測定法。
前項目の透過率測定と同様、大型合成石英ガラス板の対角線上の任意の30点の位置から寸法20×20×4mmの測定サンプルを30個切り出し、各々OH基濃度を測定し、OH基濃度の最大値、最小値とする。
[接合部におけるOH基濃度変動幅]
大型合成石英ガラス板から、接合部を含んだ40×20×4mmのサンプルを10個切り出し、それぞれのサンプルについて接合部と、接合部から10mm離れたポイントでのOH基濃度を測定し、その2つのポイントのOH基濃度差を求める。OH基濃度測定を全10サンプルで行い、各サンプル内のOH基濃度差における最大値を接合部におけるOH基濃度変動幅(wtppm)とする。
[Cl元素濃度]
HF水溶液により分解後、AgNO3添加による比濁法による測定法。
[放射光の強度]
高周波電源装置に接続して所定の電圧をかけ、点灯させて100時間後の窓材表面での波長172nmの放射光強度を測定した。図6のとおり、窓材の接合部(D2、E2、F2を結んだライン)及び接合部から10mm離れた点(D1、E1、F1、D3、E3、F3)、窓材の四隅(A、C、G、I)、前記四隅の中間(B、H)を測定点とし、測定した。測定点(A、B、C、D1、E1、F1、D3、E3、F3、G、H、Iは窓材の端から鉛直方向に50mmの位置で測定した。それぞれの位置での放射光強度を、中央の測定点(E2)の位置における強度を100としたときの相対強度で表す。
実施例1と同様の原理による方法によって長さ2000mm、外径200mm、内径80mmの石英ガラスシリンダーを得た。
上記石英ガラスシリンダーの内圧を窒素ガスで調整しながら、円筒型グラファイトヒーターを通して加熱し、横型管引きで直径250mm、長さ1400mm、厚さ6mmの石英ガラスチューブを製造した。得られた石英ガラスチューブを図3に示すように軸方向に所定幅にわたって切り込み5を入れ、切り込み部の内側と外側から管軸方向全幅にわたって、マスフローコントローラによって流量を一定に制御された石英ガラス製酸水素バーナー3で管周方向に順次加熱軟化させながら、管の接線方向に引っ張って平板化し、周囲をダイヤモンドカッターでトリミングすることによって1300×400×6mmの合成石英ガラス板に成型した。同様にして複数枚の合成石英ガラス板を作製した。それらの反りは、全て0.12%程度であった。上記複数枚からOH基濃度等の各ファクターにあまり差のない2枚を選択し、これらの2枚の板を、実施例1と同様にして、接合以降を行って両面光学研磨仕上がりの2600×400×4mmの接合合成石英ガラス板を製造した。
この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、実施例1と同様に表2に示したように測定位置に関わらず、ほぼ同一の均一な放射光照度強度となった。また、この接合合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、実施例1と同様に、窓材と被処理物(表面の有機物汚染)との間隔が均一であり、接合部における照度の変動も極めて小さく、被処理物の全面に対して均等で良好な洗浄効果が得られ、処理時間も短時間で済んだ。
表3記載の高純度合成石英ガラス粉を内寸1320×420×300mmの表4記載の超高純度グラファイト製容器に充填し、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1800℃にて加熱焼結を行い、1320×420×100mmの石英ガラスインゴットを得た。
その後、実施例1と同様の方法で1300×400×6mmの合成石英ガラス板を製造した。続いて、従来の溶接棒を用いた溶接方法を用いて2枚接合し、2600×400×6mmの接合合成石英ガラス板とした。前記合成石英ガラス板を電気炉内、1150℃で30分間アニール処理して歪みを除去したのち、電動ポリッシャにて♯2000の砥粒で研磨し、フッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って2600×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmにおける透過率、板全体の172nmにおける透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表1の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材と被処理物との間隔が場所によって異なることにより、被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例1と同様にして測定した放射光照度強度を図2に示した。
表3記載の普通純度石英ガラス粉を内寸1320×420×300mmの表4記載の一般純度グラファイト製容器に充填し、真空加熱炉にて真空雰囲気下、1800℃にて加熱焼結を行い、1320×420×100mmの石英ガラスインゴットを得た。グラファイト製容器によるアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の混入部分を削除するために石英ガラスインゴットの周囲を厚さ10mmずつ切断することをせず、所定の厚さになるようスライスして1300×400×6mmの合成石英ガラス板とした。続いて、従来の溶接棒を用いた溶接方法を用いて2枚接合し、2600×400×6mmの接合合成石英ガラス板とした。前記合成石英ガラス板を電気炉内、1300℃で5分間アニール処理して歪みを除去したのち、これをオスカー型研磨機にて♯1200の砥粒で両面ラップし、続いて酸化セリウムで研磨したのちフッ酸によるエッチング処理、純水による水洗、及び乾燥を行って2600×400×4mmの合成石英ガラス板を製造した。
この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、曲がり、表面粗さRa、接合部以外の部分での最大複屈折、接合部における複屈折、この合成石英ガラス板の厚さの変動幅、そり、表面粗さRa、面内の最大複屈折、長径1mm以上の泡の数、不純物元素濃度、波長172nmにおける透過率、板全体の172nmにおける透過率変動幅、接合部でのOH基濃度の変動幅、OH基濃度の最小値および最大値、Cl元素濃度、接合した2枚それぞれの板の反りは表1の通りであった。
この合成石英ガラス板をエキシマUVランプ装置に窓材として組込んで点灯したところ、窓材の透過率が低いために被処理物に対して均等な洗浄効果が得られず、被処理物の表面全体に洗浄効果を及ぼすには長時間を要した。実施例1と同様にして測定した放射光照度強度を図2に示した。
14 固定支持手段
16 第1基台
18a,18b 第1下部支持具
20a,20b 第1上部支持具
22 可動支持手段
26 第2基台
28 レール
30 可動台
32a、32b 第2下部支持具
34a,34b 第2上部支持具
36 第3基台
38a,38b ストレートバーナ
38 バーナ手段
40 バーナ保持部材
A,B 石英ガラス板材
Claims (12)
- 高純度の珪素化合物を原料とし、火炎加水分解法によって合成される合成石英ガラスからなり、波長150〜250nmの真空紫外光を放出するエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板において、該合成石英ガラス板が2枚以上の板を互いの端面を突き合わせて接合して成り、接合後の外周の全長が2700mm以上、厚さが3〜10mmで、厚さの変動幅が1mm以下、接合部での複屈折が80nm/cm以下で、接合部を含む板全体で長径1mm以上の独立気泡が無いことを特徴とするエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 接合による板の曲がりが3mm以下であることを特徴とする請求項1のエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 接合部において長径1mm未満の独立気泡が100mm四方に10個以下で、複数個の泡が連なり全長として10mm以上となる泡が無いことを特徴とする請求項1または2のエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 接合部におけるOH基濃度の変動幅が60wtppm以下である請求項1〜3のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 板全体での波長172nmにおける透過率の変動幅が10%以下である請求項1〜4のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 表面粗さRaが50nm以下、接合部以外における複屈折10nm/cm以下である請求項1〜5のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 合成石英ガラス板中のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素各々の濃度が100wtppb以下、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cuの各元素濃度が50wtppb以下である請求項1〜6のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 合成石英ガラス板の波長172nmにおける透過率が81%以上である請求項1〜7のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
- OH基濃度が10wtppm以上350wtppm以下である請求項1〜8のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
- Cl元素濃度が5wtppm以下である請求項1〜9のいずれかのエキシマUVランプ装置用大型合成石英ガラス板。
- 接合する枚数が5枚以下である請求項1〜10のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
- 用いる板の反りが0.5%以下である請求項1〜11のいずれかのエキシマUVランプ装置用合成石英ガラス板。
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