JPH1160264A - 高出力真空紫外線用合成シリカガラス大型板材およびその製造方法 - Google Patents

高出力真空紫外線用合成シリカガラス大型板材およびその製造方法

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JPH1160264A
JPH1160264A JP22445097A JP22445097A JPH1160264A JP H1160264 A JPH1160264 A JP H1160264A JP 22445097 A JP22445097 A JP 22445097A JP 22445097 A JP22445097 A JP 22445097A JP H1160264 A JPH1160264 A JP H1160264A
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宣夫 大橋
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茂 山形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、160〜200nmの波長域の高出
力真空紫外線に対して初期透過率が高く、耐久性、それ
らの均一性に優れたシリカガラス大型板材及びその製造
方法を提供すること。 【解決手段】高純度の合成シリカガラスからなり160
〜200nmの波長域で使用する高出力真空紫外線用合
成シリカガラス大型板材において、該合成シリカガラス
大型板材中のOH基濃度が5〜300wtppm、1c
m当たりのOH基濃度変動幅が10wtppm以下であ
ることを特徴とする高出力真空紫外線用合成シリカガラ
ス大型板材、及びスート再溶融法によるシリカガラスシ
リンダーの製造、それに続く横型管引きと管開き処理に
よる前記合成シリカガラス大型板材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高出力真空紫外線用合
成シリカガラス大型板材およびその製造方法、さらに詳
しくは160〜200nmの波長域の高出力紫外線、特
にエキシマレーザー、エキシマランプ等の高出力真空紫
外線を用いるドライ洗浄、光CVDの照射装置のウイン
ドウとして用いる合成石英ガラス大型板材及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術】現在、シリコン半導体素子の製造方法にお
ける洗浄処理手段として真空紫外線を使用したドライ洗
浄装置が開発されつつあり、その光源として波長160
〜200nmのArFエキシマレーザ(193nm)、
Xe2エキシマレーザ(172nm)、ArClエキシ
マレーザ(175nm)、Xe2エキシマランプ(17
2nm)、ArClエキシマランプ(175nm)等が
考えられている。前記ドライ洗浄装置にはウインドウ用
として大型のガラス板材を必要とするが、市販の窓用ガ
ラスで前記ウインドウを形成すると、ドライ洗浄装置で
放射する紫外線が短波長、高出力のため照射エネルギー
が水銀ランプやCWレーザー等に比べて大きく、大きな
ダメージを受け使用不能となる。そこで前記高出力真空
紫外線に対してもダメージの少ないシリカガラスでウイ
ンドウを形成することが検討されたが、従来の大型のシ
リカガラスは、高純度珪素化合物を酸水素火炎中に導入
し加水分解で得たガラス微粒子をターゲット上に直接堆
積するダイレクト法、又は高純度珪素化合物を酸水素火
炎で加水分解しで得た白色不透明スート体を電気炉内で
真空雰囲気下で透明固体化するVAD法によって合成シ
リカガラスインゴットを形成し、それをグラファイト型
枠を用いて真空電気炉で加熱プレス成型し、薄層板状に
切断、研磨して製造されるところから、製造可能な板材
の大きさに限界があった。さらに、前者のダイレクト法
で得たシリカガラス板材は、OH基含有量が400〜1
000wtppmと多く、長時間の高出力真空紫外線の
照射でダメージが生じソラリゼーションにより光透過率
が低下し、さらにインゴットが層状に形成されるところ
からOH基含有量が板材の中心部と外縁部とで100〜
400wtppmの変動幅ができ、真空紫外線の透過率
や耐紫外線性が板材中で不均一となり、ドライ洗浄装置
等のウインドウ用としては満足できるものではなかっ
た。また、後者のVAD法で得たシリカガラス板材は、
OH基含有量が100〜400wtppmと前記ダイレ
クト法に比べて少なく、かつOH基の変動幅も50〜2
00wtppmと少ないが、それでも依然としてOH基
含有量とOH基濃度変動幅が大きく、真空紫外線の透過
率や耐紫外線性が板材中で不均一となり大きな障害とな
っていた。そのため前記高出力真空紫外線に対してダメ
ージが少なく、かつ透過率が高く、しかもそれらの均一
性にも優れた大型のシリカガラス板材の開発が熱望され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした現状に鑑み、
本発明者等は、鋭意研究を続けた結果、大型シリカガラ
ス板材のOH基濃度を5〜300wtppm、1cm当
たりのOH基濃度変動幅(ΔOH/cm)を10wtp
pm以下とすることで160〜200nmの波長域の高
出力真空紫外線であっても安定で、しかも透過率の高い
シリカガラス大型板材が得られることを見出し、本発明
を完成したものである。すなわち
【0004】本発明は、160〜200nmの波長域の
高出力真空紫外線に対して初期透過率が高く、耐久性、
およびそれらの均一性に優れたシリカガラス大型板材を
提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、上記大型シリカガラス板
材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、高純度の合成シリカガラスからなり160〜20
0nmの波長域で使用する高出力真空紫外線用合成シリ
カガラス大型板材において、該合成シリカガラス大型板
材中のOH基濃度が5〜300wtppm、1cm当た
りのOH基濃度変動幅(ΔOH/cm)が10wtpp
m以下であることを特徴とする高出力真空紫外線用合成
シリカガラス大型板材及びその製造方法に係る。
【0007】本発明の大型合成シリカガラス板材は、高
出力真空紫外線に対して安定した高純度の合成シリカガ
ラス板材であるが、前記高出力真空紫外線とはArFエ
キシマレーザ(193nm)、Xe2エキシマレーザ
(172nm)、ArClエキシマレーザ(175n
m)、Xe2エキシマランプ(172nm)、ArCl
エキシマランプ(175nm)等の波長160〜200
nmの紫外線をいう。また前記高純度とは、シリカガラ
ス板材中のLi、Na、K等のアルカリ金属元素及びM
g、Ca等のアルカリ土類金属元素濃度がそれぞれ10
wtppb以下、Ti、Cr、Mn、Fe等の遷移金属
元素濃度がそれぞれ1wtppb以下、Co、Ni、C
u等の遷移金属元素濃度がそれぞれ0.1wtppb以
下であることをいう。本発明の大型合成シリカガラス板
材中のアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素濃度
が前記範囲を超えるとシリカガラスの再結晶化が促進さ
れクリストバライトを生成し易くなり、白色失透するこ
とが起る。また遷移金属元素濃度が前記範囲を超える
と、紫外線を吸収し紫外線吸収端を長波長側にシフトさ
せ透過率の低下を招き好ましくない。
【0008】本発明の合成シリカガラス大型板材は上記
に加えてOH基濃度が5〜300wtppm、1cm当
たりのOH基濃度変動幅(ΔOH/cm)が10wtp
pm以下であることを必須とする。一般に、OH基はシ
リカガラス網目構造において構造の終端部になるが、こ
のOH基が適量シリカガラス中に含まれていると網目構
造内の内部歪みが除去され、Si−O−Siの結合角度
が安定値に近づきSi−Oの平均結合エネルギーが上昇
するといわれている。ところが、OH基はシリカガラス
の紫外線吸収端を長波長側にシフトさせる作用があり、
高濃度に含まれると透過率を低下させることになる。そ
こで、本発明の合成シリカガラス大型板材ではOH基濃
度を5〜300wtppmの範囲とする。特に波長16
0〜180nmの高出力真空紫外線用として使用する場
合にはOH基濃度を5〜100wtppmとするのが好
ましい。また、OH基濃度が不均一であると、透過率、
絶対屈折率等に板材の位置によってムラが生じ、結果的
に初期特性が悪化する。そこで本発明の合成シリカガラ
ス大型板材では1cm当たりのOH基濃度変動幅(ΔO
H/cm)を10wtppm以下とする。さらに、板材
全体のOH基濃度変動幅(ΔOH)を50wtppm以
下とするのが好ましい。
【0009】上記に加えて、本発明の合成シリカガラス
板材は含有する水素分子濃度を1×1017〜1×1020
分子/cm3の範囲に設定する。前記濃度の水素分子を
含有することでE'センター吸収帯の生成が抑制され透
過率の低下が起りにくくなる。さらに水分子濃度を1×
1017以下とすると、水分子に起因する紫外線吸収端の
長波長側ヘのシフトが抑制できて好適である。ただし、
ここでいう水分子とは、Siに結合したOH基ではな
く、シリカガラス網目構造の隙間に溶存する分子をい
う。
【0010】さらに、本発明の合成シリカガラス板材は
含有する塩素元素含有量を50wtppm以下とするの
がよい。塩素元素により形成するSi−Clは210n
mの吸収帯、いわゆるE'センター吸収帯生成のプリカ
ーサとなるが、前記範囲内であればプリカーサの生成が
抑えられ透過率の低下が抑制できる。
【0011】本発明の合成シリカガラス大型板材は以下
の製造方法で製造される。すなわち
【0012】(i)合成シリカガラスシリンダーの製造 蒸留等の手段で超高純度化したSiCl4、HSiC
3、(CH32SiCl2、CH3SiCl3、CH3
i(OCH33、H Si(OCH33、Si(OC
34などの珪素化合物、好ましくはCH3Si(OC
33、H Si(OCH33、Si(OCH34の塩素
を含まない珪素化合物を酸水素ガスまたはプロパンガス
を使い火炎加水分解して、例えば特開平4−26061
8号公報、米国特許第5,609,666号明細書等に
記載の作成方法でバーナースイングにより軸方向のOH
基濃度を均一にしながら棒状ターゲット上に白色不透明
の大型スート体を形成する。前記大型スート体の形成に
おいて電気炉内の温度と時間と真空度によってOH基濃
度を調整する。次いで、同じ電気炉内で真空雰囲気下、
1500〜1700℃に加熱、溶融して気泡のない外径
80〜200mm、肉厚20〜70mm程度のシリンダ
ー状合成シリカガラス体とする。前記合成シリカガラス
の製造方法を本発明ではスート再溶融法という。
【0013】(ii)合成シリカガラス大型板材の製造 上記大型シリンダー状合成シリカガラス体の内圧をN2
ガスで調整しながら加熱し、管引きで外径200〜40
0mm、肉厚3〜10mm程度の大型チューブに成型す
る。得られた大型チューブの管軸方向に所定幅にわたっ
て切り込みを入れ、該切り込み部の内側と外側から管軸
方向全幅にわたって、管周方向に帯状バーナーで順次加
熱軟化しながら、管の接線方向に引っ張って図1のよう
に管開き処理で平板化し合成シリカガラス大型板材とす
る。図1において、1はシリカガラスチューブ、2は板
材の引張る方向、3は加熱手段、4は切込み部を示す。
得られた合成シリカガラス大型板材を電気炉内で歪み除
去処理し、エッチング洗浄、熱処理したのち、鏡面研磨
して寸法300×300mm角〜1000×1000m
m角、肉厚2〜8mmの合成シリカガラス大型板材に仕
上げる。得られた大型板材は、OH基濃度が調整された
軸方向が板面となるところから平板面のOH基濃度変動
幅は1cm当たり10wtppm以下と均一になる。そ
の一方で、チューブの径方向にあった大きなOH基濃度
変動幅は、大型板材の厚さ方向の変動幅となる。板材は
肉厚2〜8mmと薄い上に、OH基濃度が均一に漸増ま
たは漸減しているところから高出力真空紫外線の透過率
と、それによるソラリゼーションの程度にムラが少なく
板面方向に均一な特性を有する。
【0014】
【発明の実施の態様】次に具体例に基づいて本発明を詳
細に説明するが、本発明はそれにより限定されるもので
はない。
【0015】
【実施例】
実施例1〜6 (1)合成シリカガラスシリンダーの作成 蒸留精製して得た超高純度のCH3Si(OCH33
スを合計150リットル/分と固定し、酸素ガス合計及
び水素ガス合計を各々10〜100リットル/分、30
〜300リットル/分の範囲の割合で複数のバーナーに
供給し、バーナーをスイングさせながら特開平4−26
0618号公報に記載のように外付け法でOH基含有量
が数100wtppmの白色大型スート体に形成した。
前記大型スート体を円筒型高純度グラファイトヒーター
を内装したステンレススチール製電気炉内に設置し、電
気炉内を約103Pa以下の真空度にするとともに約6
00〜900℃の範囲の所定温度にて加熱処理し、OH
基濃度の調整を行った。OH基濃度は処理時の真空度、
温度及び時間を調整してコントロールした。次いで電気
炉中、真空下で約1500〜1700℃に加熱・再溶融
して外径150mm、厚さ40mmの合成シリカガラス
シリンダーを作成した。
【0016】(2)シリカガラスチューブの製造 上記シリカガラスシリンダーの内圧を窒素ガスで調整し
ながら、グラファイトヒーターを通して加熱し、横型管
引きで直径250mm、長さ1600mm、厚さ7mm
の大型シリカガラスチューブを製造した。
【0017】(3)合成シリカガラス大型板材の製造 得られた大型シリカガラスチューブ1を図1に示すよう
に軸方向に所定幅にわたって切り込み5を入れ、切込み
部の内側と外側から管軸方向全幅にわたって、管周方向
に帯状バーナー3で順次1800〜2000℃に加熱軟
化させながら、管の接線方向に引っ張って平板化し67
0×600×厚さ7mmの合成シリカガラス大型板材に
成型した。前記合成シリカガラス大型板材を電気炉内、
1150℃で30分間アニール処理して歪みを除去した
のち、5%HFで30分間のエッチング洗浄を行い、さ
らに板材の上下に高純度カーボンシートを敷いて汚染を
防ぎつつ、板材の外側にシリカガラス板を挟み、上から
重しをのせて、電気炉中、1200℃で2時間加熱加圧
した。得られた大型板材の両面を鏡面研磨し、650×
550×厚さ5mmの合成シリカガラス大型板材に仕上
げた。
【0018】次いで、実施例1〜3の試料については1
気圧、水素ガス雰囲気下で600℃、3時間のアニール
処理を行い、実施例4では100気圧、水素ガス雰囲気
下で600℃、3時間のアニール処理を行って水素分子
のドープを行った。得られた実施例1〜4の試料および
前記水素ドープ処理をしない実施例5、6の試料につい
て、OH基濃度、1cm当たりのOH基濃度変動幅(Δ
OH/cm)、板材全体におけるOH基濃度変動幅(Δ
OH)、水素分子濃度、水分子濃度、塩素元素含有量、
Xe2エキシマランプ及びArFエキシマレーザ照射に
対する透過率の測定を行い、それらの結果を表1に示し
た。
【0019】
【表1】
【0020】また、実施例5、6の合成シリカガラス大
型板材について不純物元素濃度を測定し、その結果を表
2に示す。
【0021】
【表2】 註:不純物元素の単位はwtppbである。
【0022】比較例1〜4 比較例1、2では、実施例1で使用した高純度珪素化合
物を原料として白色スート体を形成し、塩素ガス雰囲気
下、電気炉内で脱水処理を施し、さらに真空雰囲気下で
透明固体化して合成シリカガラスシリンダーを作成し
(スート法)、横型管引きで大型合成シリカガラスチュ
ーブとした後、管開きし、プレス成型、鏡面研磨を行っ
て、650×550×厚さ5mmの合成シリカガラス大
型板材を得た。比較例2では前記合成シリカガラス大型
板材をさらに水素ガス雰囲気下でアニール処理を施し水
素分子のドープを行った。該大型合成シリカガラス板材
のOH基濃度、1cm当たりのOH基濃度変動幅(ΔO
H/cm)、板材全体におけるOH基濃度変動幅(ΔO
H)、水素分子濃度、水分子濃度、塩素元素含有量、X
2エキシマランプ及びArFエキシマレーザ照射に対
する透過率の測定を行い、その結果を表3に示す。
【0024】比較例3では、超高純度SiCl4を原料
として、酸水素火炎加水分解法のダイレクト法でインゴ
ットの製造を行い、比較例4では前記原料を酸水素火炎
加水分解法のVAD法でインゴットの形成を行ったの
ち、グラファイト型枠を用いて真空電気炉内で加熱プレ
ス成型し、薄層板状に切断し、鏡面研磨によって合成シ
リカガラス大型板材を製造した。得られた各試料につい
て、OH基濃度、1cm当たりのOH基濃度変動幅(Δ
OH/cm)、板材全体におけるOH基濃度変動幅(Δ
OH)、水素分子濃度、水分子濃度、塩素元素含有量、
Xe2エキシマランプ及びArFエキシマレーザ照射に
対する透過率の測定を行い、その結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】上記実施例及び比較例の各物性値の測定法
は下記の方法による。
【0027】(i)OH基濃度の測定法 D.M. DODD and D.B. FRASE
R,Optical determination o
f OH in fused silica,Jour
nal of Applied Physics,Vo
l.37(1966)p.3911文献記載の測定法。
【0028】(ii)OH基濃度変動幅の測定法 650×550×厚さ5mmのシリカガラス大型板材に
おいて、面板の対角線方向に10mm間隔にて85点の
OH基濃度測定を行う。隣同志の2点のOH基濃度値よ
り1cm当たりのOH基濃度変動幅(ΔOH/cm)
を、85点のOH基濃度の最大と最小値から板材全体に
おけるOH基濃度変動幅(ΔOH)を計算する測定法。
【0029】(iii)水素分子濃度の測定法。 V.K.KHOTIMCHENKO、et al.,
Determin‐ing the content
of hydrogendissolved in q
uartz glass using themeth
ods ofRaman scattering an
d massspectrometry, Journ
al of AppliedSpectroscop
y, Vol.46, No.6,(1987) pp
632〜635文献記載の測定法。
【0030】(iv)水分子濃度の測定法。 Y.MORIMOTO,et al., Analys
is of gasrelease from vit
reous silica,Journal of N
on−Crystalline Solids,139
(1992)35〜46文献記載の測定法。
【0031】(v)塩素濃度の測定法。 HF水溶液により分解後、AgNO3添加による比濁法
による測定法。
【0032】(vi)シリカガラス中の不純物測定 Na、K、Mg、Ca、Ti、Feは原子吸光光度法に
よる測定法、Li、Sr、Cr、Mn、Co、Ni、C
uはプラズマ質量分析法により測定(ICP−MS
法)。
【0033】(vii)ArFエキシマレーザ照射前後
の193nmの透過率の測定法 サイズ30×20×厚さ5mm、両面鏡面研磨仕上した
サンプルに波長193nm、波長半値幅3nm、パルス
寿命半値幅17nsec、エネルギー密度50mJ/c
2/shot、周波数100Hzで照射ショット数1
×106shotsのレーザ照射した時の193nmで
の透過率を測定する測定法。
【0034】(viii)Xe2エキシマランプ照射前
後の波長172nmの透過率の測定法 サイズφ40×厚さ5mm、両面鏡面研磨仕上したサン
プルに波長172nm、波長半値幅14nm、平均ラン
プエネルギー密度7mW/cm2で21日間照射した時
の172nmでの透過率を測定する測定法。
【0035】〈評価〉上記表1、3から明らかなように
本発明の合成シリカガラス大型板材は、耐エキシマ光性
およびその均一性に優れている。特に、実施例1、2、
4については、OH基濃度が低くH2分子濃度が高いた
め、より耐エキシマ光性に優れている。
【0036】一方、比較例1、2の合成シリカガラス大
型板材は、初期特性と耐エキシマ光性に劣り、比較例
3、4の合成シリカガラス大型板材は、耐エキシマ光性
に劣る上にOH基濃度変動幅が大きく、透過率に分布が
あり不均一となっている。
【0037】
【発明の効果】本発明の合成シリカガラス大型板材は、
160〜200nmの波長域の高出力真空紫外線に対し
て優れた初期透過率を示すとともに耐久性、それらの均
一性に優れ、高出力真空紫外線を用いたドライ洗浄装置
のウインドウ材として有用である。前記合成シリカガラ
ス大型板材は超高純度珪素化合物を原料として従来から
知られているスート再溶融法を用いて大型のシリカガラ
スシリンダーを形成し、それを横型管引き処理により大
型チューブとしたのち、管開きして大型板材を成型する
ことで容易に製造でき、工業的で、しかも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における管開き成型の概略図
である。
【符号の説明】
1 シリカガラスチューブ 2 板材を引張る方向 3 加熱手段 5 切込み部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂田 重政 福井県武生市北府2丁目13番60号 信越石 英株式会社武生工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高純度の合成シリカガラスからなり160
    〜200nmの波長域で使用する高出力真空紫外線用合
    成シリカガラス大型板材において、該合成シリカガラス
    大型板材中のOH基濃度が5〜300wtppm、1c
    m当たりのOH基濃度変動幅(ΔOH/cm)が10w
    tppm以下であることを特徴とする高出力真空紫外線
    用合成シリカガラス大型板材。
  2. 【請求項2】合成シリカガラス大型板材中のアルカリ金
    属元素濃度及びアルカリ土類金属元素濃度がそれぞれ1
    0wtppb以下、Ti、Cr、Mn、Feの遷移金属
    元素濃度がそれぞれ1wtppb以下、Co、Ni、C
    uの遷移金属元素濃度がそれぞれ0.1wtppb以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の高出力真空紫
    外線用合成シリカガラス大型板材。
  3. 【請求項3】合成シリカガラス大型板材中の水素分子濃
    度が1×1017〜1×1020(molecule/cm
    3)の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の
    高出力真空紫外線用合成シリカガラス大型板材。
  4. 【請求項4】合成シリカガラス大型板材中の水分子濃度
    が1×1017(molecule/cm3)以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高出力真空紫外線用
    合成シリカガラス大型板材。
  5. 【請求項5】合成シリカガラス大型板材全体におけるO
    H基濃度変動幅(ΔOH)が50wtppm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高出力真空紫外線用
    合成シリカガラス大型板材。
  6. 【請求項6】高純度珪素化合物を原料として酸水素炎加
    水分解法により白色スート体を形成し、該スート体のO
    H基濃度調調整を行い、透明ガラス化してシリンダー状
    合成シリカガラス体を製造し、それを横型管引きで合成
    シリカガラスチューブとしたのち、管開き処理で大型板
    材に成型することを特徴とする高出力真空紫外線用合成
    シリカガラス大型板材の製造方法。
  7. 【請求項7】水素分子をドーピングにより濃度調整する
    ことを特徴とする請求項6記載の高出力真空紫外線用合
    成シリカガラス大型板材の製造方法。
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