JP5410655B2 - ガラス組成物、それを用いたガラス板およびその製造方法 - Google Patents

ガラス組成物、それを用いたガラス板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス組成物、それを用いたガラス板およびその製造方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、レーザ光による切断に適し、該切断によって、リブマークのない無
研磨、無研削の平滑な切断面を有する、寸法精度の良好なガラス板を与えるガラス組成物
、この組成物からなるガラス体をレーザ光により切断加工して得られた、フラットパネル
ディスプレイなどのガラス基板として好適なガラス板、および該ガラス板の製造方法に関
するものである。
一般に板ガラスは板形状に成形された後、所望の形状に切断加工された上で使用される
。従来、ガラスの切断は、カッターまたはレーザ光を用いてガラス表面に垂直クラックを
形成(スクライブ)し、その部分に曲げ応力を加えて破断させる方法が採られてきた。し
かしながら、この方法では切断面にリブマークと呼ばれる垂直クラック跡が残ることは不
可避であり、さらにハックルマークなどの破断面の乱れを起こしやすい。これらが強度や
寸法精度を低下させるため、高精度、高強度が要求される産業用ガラス基板には面取り加
工が必須であった。
また、破断の際に飛散するガラス片(カレット)はガラス表面に固着しやすく、表面の
欠陥として重大な問題を引き起こす。このため、曲げ応力などによる破断を伴わない切断
技術、いわゆるフルカット技術が研究されている。例えば、特許文献1には、レーザ光を
用いる脆性材料の割断装置が開示されている。
特開2006−347783号公報
本発明は、レーザ光による切断に適し、該切断によって、リブマークのない無研磨、無
研削の平滑な切断面を有する、寸法精度の良好なガラス板を与えるガラス組成物、および
この組成物からなるガラス体をレーザ光により切断加工して得られたフラットパネルディ
スプレイなどのガラス基板として好適なガラス板を提供することを目的とするものである
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化鉄を特定の割合
で含み、かつ板状ガラス体とした場合に、850〜1000nmの波長領域における所定
波長λでの光線吸収係数α(cm−1)と、厚さL(cm)とが特定の関係にあるガラス
組成物により、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ガラス組成として、質量%表示で、
SiO 54〜65%、
10〜14%、
Al 14〜19%、
MgO 1〜3%、
CaO 4〜7%、
SrO 1〜4%、
BaO 0〜2%、
Yb 0〜5%、
酸化鉄(Fe換算)0.05%を超え0.2%以下、
RO 5〜16%(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaの中から選ばれる少なくとも1種である。)、
およびR’O 0.2〜2%(ただし、R’はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種である。)を含むと共に、
熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物であるAs 、Sb 、SnO 、CeO を合計で0.1〜1.5%含み、
かつ板状ガラス体とした場合に、850〜1000nmの波長領域における所定波長λでの光線吸収係数α(cm−1)と、厚さL(cm)とが、下記の関係式(I)および(II)
α>0.2 …(I)
α<18.42/L …(II)
を満たすガラス組成物からなるガラス体を、850〜1000nmの波長領域における所定波長λのレーザ光照射によってフルカット切断加工する工程、を含むことを特徴とするガラス板の製造方法、
(2) ガラス板が、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に用いられる上記(1)項に記載のガラス板の製造方法、
(3) 板状ガラス体が、熔融ガラスをフュージョン法により成形したものである上記(1)または(2)項に記載のガラス板の製造方法、および
(4) レーザ光が、InGaAsレーザダイオードを用いた装置により発振されたものである上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、レーザ光による切断に適し、該切断によって、リブマークのない無研
磨、無研削の平滑な切断面を有する、寸法精度の良好なガラス板を与えるガラス組成物、
この組成物からなるガラス体をレーザ光により切断加工して得られた、フラットパネルデ
ィスプレイなどのガラス基板として好適なガラス板、および該ガラス板の製造方法を提供
することができる。
まず、本発明のガラス組成物について説明する。
[ガラス組成物]
本発明のガラス組成物は、酸化鉄をFe換算で0.003〜2質量%含み、かつ
板状ガラス体とした場合に、850〜1000nmの波長領域における所定波長λでの光
線吸収係数α(cm−1)と、厚さL(cm)とが、下記の関係式(I)および(II)
α>0.2 …(I)
α<18.42/L …(II)
を満たすことを特徴とする。
なお、本明細書において、%は質量%を意味する。
特開2006−347783号公報に開示されているとおり、レーザ光によるフルカッ
トは使用されるレーザ光がガラスに深く進入し、なおかつそのエネルギーが十分にガラス
に吸収される必要がある。
フルカットに必要な深度までレーザ光のエネルギーが到達するためには、そのレーザ光の
波長λでの光線吸収係数α(cm−1)と、厚さL(cm)とが、下記の関係式
α<18.42/L
を満たすことが必要であり、入射したレーザ光の95%程度以下を吸収するα≦3.00
/Lがより好ましく、50%程度を吸収するα=0.693/Lが最適である。また、実
際にフルカットに必要な熱量をガラスに付与できるかは選択したレーザ光源の出力とαと
の関係に拠っている。
レーザ光源は次のとおり選択される。表示装置用などの可視光透過性が必要なガラス材
料では、可視光領域に大きな吸収があってはならない。従って、可視光レーザはこのよう
な用途のガラスのフルカットには適さない。一方、紫外線レーザは切断に必要な大出力を
得るのが困難である。さらに、一般的な酸化物系ガラスは遠赤外線領域のαが大きすぎる
ため、遠赤外線レーザもフルカットには適さない。従って、この用途に適するのは近〜中
赤外領域のレーザ光源であり、好適な光源として大出力が容易に得られるInGaAsレ
ーザダイオードが挙げられる。
現在市販されているInGaAsレーザダイオードを用いた装置の出力で容易に切断可
能とするには、α>0.2である必要があり、さらにはα≧1.5とすることが好ましい

InGaAsレーザダイオードの発振するレーザは例えば948nmや978nmであ
る。
酸化鉄はガラスの切断を安定させる必須成分である。酸化鉄の含有量は、Fe
換算して0.003〜2質量%である。ガラスの切断を安定化させるためには0.003
%以上である必要があり、好ましくは0.006%以上、特に好ましくは0.05%を超
える量である。
また酸化鉄の量が2%を超えると、ガラスが着色する傾向があり、可視光透過率が低下
するため、2%以下である必要があり、好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.2
%以下である。
酸化鉄が切断を安定化するしくみは必ずしも明らかではないが、酸化鉄のうちFeOが
波長1000nm付近を中心とした広い範囲の吸収帯を持つことが原因だと推定される。
一つには、この吸収帯によりクエンチング剤としてレーザ光のエネルギーが熱に変換さ
れる効率を高めると考えられる。さらに一方で、赤外線領域に広い吸収帯を持つことでガ
ラスの輻射率を増大させ、レーザ光照射により加熱された部位が、レーザ光通過後に格別
の冷却手段を用いずとも熱放射により速やかに冷却される効果を生じる。これによりレー
ザ光走査方向に対して後方の温度勾配が急峻になり、切断面先端にかかる熱応力が大きく
なる。これにより熱応力による切断の進展が基板の歪の影響を受け難くなって切断が安定
すると考えられる。なお、本発明は酸化鉄の添加による切断の安定化という現象に基づく
ものであり、ここに提示した推定メカニズムに制約を受けるものではない。
また、先に述べたとおり酸化鉄自身が広い吸収帯を持つことから、特に高い可視光透過
率を求められる用途でなければ、酸化鉄を0.05%を超える量添加することにより十分
なαを得ることができる。これにより、その他の吸収成分を添加せずとも安定したフルカ
ットが実現可能である。
Ybはレーザ光を吸収するための成分で、ガラスに添加することで850〜10
00nmに吸収帯を生じ、特に965〜980nmに強い吸収を生じる。これにより例え
ばInGaAsレーザダイオードによる948nmまたは976nmのレーザ光を効率的
に吸収することができるとともに、可視光領域に吸収帯がないために透明性を損なうこと
がない。なお、吸収係数の面からは特に吸収の強い965nm〜980nmの範囲内のレ
ーザを使うのが好ましいが、この吸収ピークは非常に狭く、僅かな波長の違いによっても
吸収係数に変化が生じるため、レーザダイオードの発振波長の個体差や温度変化による波
長シフトなどのために切断性が変化してしまうという問題を持つ。このため、948nm
付近の吸収係数の変化が小さな領域を使うのが好ましい。この場合、Ybの量は0
.08%以上が好ましく、さらには1.2%以上が好ましい。また、フラットパネルディ
スプレイ(FPD)用途においては一般的に2.3mm以下のガラス基板を用いるが、こ
の厚みのガラス基板の切断に好適な吸収係数が得られるYbの量は10%以下が好
ましく、これを超える量の添加は切断の難度を高める。また、さらに厚さの大きなガラス
まで同一組成で製造する場合、例えば25mm厚のガラスを切断する場合は、Yb
の量は3.6%以下が好ましい。
前記酸化鉄やYbは光学吸収以外のガラスの物性に顕著な影響を与えないことか
ら、広い範囲の組成に添加して適切な吸収、ひいては良好なレーザ光切断性を得ることが
できる。したがって、その他の成分を調整することで各種の用途に好適なガラス組成物を
得ることができる。
例えば、ガラス組成として、質量%表示で、SiO 50〜70%、B 5〜
18%、Al 10〜25%、MgO 0〜10%、CaO 0〜20%、SrO
0〜20%、BaO 0〜20%、Yb 0〜5%、酸化鉄(Fe換算)
0.003〜0.2%、RO 5〜20%(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaの
中から選ばれる少なくとも1種である。)、およびR’O 0〜5%(ただし、R’は
Li、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種である。)を含むと共に、熔融ガラ
ス中で価数変動する金属の酸化物を合計で0〜2.5%含むガラス組成物からなるガラス
基板は、耐熱性、膨張係数、化学的耐久性などの物性および、フュージョン法に適した成
形性を持つことから、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置などのフラッ
トパネルディスプレイ(FPD)用として好適である。
次に、前記のガラス組成について説明する。
SiOは、ガラスの骨格をなす基本成分であり、50%未満では化学的耐久性が低く
、70%を超えるとガラスが失透を起こしやすくなり成形が困難に成るとともに、粘性が
高くなり溶融や均質化が困難となる。したがって、SiOの含有量は50〜70%であ
ることが好ましく、54〜65%であることがより好ましい。
は、液相温度を下げると共に、ガラスの粘性を下げ、熔融性を向上させる効果
を有する成分である。Bの含有量が5%未満では前記効果が十分に発揮されにくく
、18%を超えるとガラスの耐酸性が低下するとともに、揮発が増加してガラスの均質化
が困難になる。したがって、Bの含有量は5〜18%であることが好ましく、10
〜14%であることがより好ましい。
Alは、ガラスの化学的耐久性、耐熱性を向上させ、液相温度を下げる効果を有
する成分である。Alの含有量は10%未満では前記効果が十分に発揮されにくく
、25%を超えるとガラスの粘性が上昇して熔解が困難になるとともに、耐酸性が低下す
る。したがって、Alの含有量は10〜25%であることが好ましく、14〜19
%であることがより好ましい。
酸化鉄およびYbの作用については、前述したとおりであり、酸化鉄の含有量は
、Fe換算で0.003〜0.2%であることが好ましく、0.05%を超え、0
.2%以下であることがより好ましい。一方、Ybの含有量は0〜5%であること
が好ましく、1.2〜3%であることがより好ましい。
この他、任意成分として導入可能なものとしてMgO、CaO、SrO、BaO、Li
O、NaO、KO、熔融ガラス中で価数変動する金属酸化物を例示することができ
る。
MgO、CaO、SrO、BaOは、熔融性を改善する働きをし、炭酸塩原料や硝酸塩
原料として導入することができるので脱泡効果を高める働きもする。しかし、過剰の導入
により屈折率が低下したり、ガラスとしての安定性が損なわれるおそれがあるので、Mg
Oの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは1〜3%であり、CaOの含有量
は、好ましくは0〜20%、より好ましくは4〜7%である。また、SrOは、好ましく
は0〜20%、より好ましくは1〜4%であり、BaOの含有量は、好ましくは0〜2%
である。さらに、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量は、5〜20%であ
ることが好ましく、5〜16%であることがより好ましい。
LiO、NaO、KOは、少量導入すると熔融性が改善し、ガラス転移温度や軟
化温度も低下し、アニール温度や成形温度を低くすることができる。しかし、過剰の導入
により屈折率が低下したり、耐失透性が悪化するので、LiO、NaOおよびK
の合計含有量は、0〜5%であることが好ましく、0.20〜2.0%であることがより
好ましい。
熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物は、ガラスの清澄性を向上させ、製品中の泡
を減少させる作用を有するが、過剰の導入により着色や耐失透性の悪化が起こるので、そ
の含有量は、0〜2.5%であることが好ましく、0.1〜1.5%であることがより好
ましい。前記の価数変動する金属の酸化物としては、As,Sb,SnO
,CeOなどを例示することができる。
本発明のガラス組成物においては、そのガラス体に対して、850〜1000nmの波
長領域における所定波長λのレーザ光による切断加工を容易に施すことができる。該レー
ザ光としてはInGaAsレーザダイオードを用いた装置により発振されるレーザ光(波
長948nmまたは976nm)が好適である。
本発明のガラス組成物においては、波長850m〜1000nmでのフルカットに好適
な吸収係数を選択することに加え、酸化鉄を添加することで安定した切断性を得ることが
できる。これらの効果として、無研磨で高い品質の切断面を持つガラス基板を生産するこ
とができる。
本発明のガラス組成物は、例えば、上記各成分に相当するガラス原料を秤量、調合して
熔融容器に供給し、加熱、熔融した後、清澄、均質化して所望組成を有するガラスを作製
し、その後、ダウンドロー法、フロート法、フュージョン法、ロールアウト法等の成形手
段を用いて板状ガラス体とすることができる。このうち、特にフュージョン法によるガラ
ス体は表面の平滑性が高く、高い平滑性が要求されるFPD用途にも無研磨で使用できる
。フュージョン法による板状ガラス体をレーザフルカットすることで切断面も含めてまっ
たく研削や研磨を行わず、したがって切断面のリブマークや、破断や研削、研磨に起因し
たクラックや研磨剤の固着などの表面欠陥がない優れたガラス板を得ることができる。
[ガラス板、ガラス板の製造方法]
本発明のガラス板は、前述した本発明のガラス組成物からなるガラス体が切断加工され
たガラス板であって、切断面の少なくとも一部がリブマークのない無研磨、無研削の平滑
面であることを特徴とする。
本発明のガラス板において、当該ガラス組成物からなるガラス体としては、その形状に
特に制限はないが、板状ガラス体であることが好ましい。この板状ガラス体は、前述した
ように、熔融した本発明のガラス組成物を、フュージョン法により成形して得られたもの
であることが、表面の平滑性の観点から好ましい。
また、本発明のガラス板は、当該ガラス組成物からなるガラス体を切断加工することに
より得られたものであって、切断面の少なくとも一部が、リブマークのない無研磨、無研
削の平滑面であればよいが、全ての切断面が、このような平滑面であることが好ましい。
前記平滑面は、850〜1000nmの波長領域における所定波長λのレーザ光を用い
、切断加工することにより得られる。したがって、本発明のガラス板は、必要な切断加工
の全てが、前記レーザ光を用いて行われたもの(レーザフルカットされたもの)であるこ
とが好ましい。
本発明はまた、当該ガラス組成物からなるガラス体を、850〜1000nmの波長領
域における所定波長λのレーザ光照射によって切断加工する工程、を含むことを特徴とす
るガラス板の製造方法をも提供する。
本発明のガラス板、特にフュージョン法で成形された当該ガラス組成物からなる板状ガ
ラス体を、前記のようにレーザフルカットして得られたガラス板は、表面平滑性に優れる
と共に、切断面のリブマークや、破断や研削、研磨に起因したクラックや研磨剤の固着な
どの表面欠陥がなく、液晶表示装置、有機EL素子、プラズマ表示装置などのFPDのガ
ラス基板として好適である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によっ
てなんら限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜2
(1)ガラスの作製
表1に示す実施例1〜4および比較例1〜2のガラス組成となるように、通常の工業用
ガラス原料である、精製硅砂,酸化ホウ素、アルミナ、塩基性炭酸マグネシウム,炭酸カ
ルシウム,硝酸ストロンチウムおよび硝酸バリウム、炭酸カリウム、酸化鉄、酸化スズ、
酸化イッテルビウムを用いて、ガラス原料バッチ(以下、バッチと呼ぶ)をそれぞれ調合
した。
調合したバッチは、白金ルツボの中でそれぞれ熔融および清澄した。まず、このルツボ
を1550℃に設定した電気炉で2時間保持して原料を粗熔解し、その後、ルツボを16
20℃に設定した電気炉に移し替え、温度を上昇させることによりガラス融液を清澄した
。このルツボを炉外に取り出し、ガラス融液をステンレス板上に流し出してガラス体を得
た。このガラス体を800℃に設定した別の電気炉の中で30分保持した後、その電気炉
の電源を切り、室温まで冷却することによって徐冷を行なった。この徐冷操作を経たガラ
ス体を試料ガラスとした。
得られた各試料ガラスについて、熱膨張係数とガラス転移点、吸収係数を測定した結果
およびレーザ光による切断テストの結果を表1に示す。なお、それぞれの測定は以下の方
法により行ったものである。
(熱膨張係数およびガラス転移点の測定)
上記各試料ガラスに対して通常のガラス加工技術を施して、φ5mm、長さ18mmの
円柱形状のガラス試片をそれぞれ作製し、示差熱膨張計(理学株式会社製「サーモフレッ
クス TMA8140型」)を用い、熱膨張係数およびガラス転移点を測定した。
(吸収係数の測定)
上記各試料ガラスに対して通常のガラス加工技術を適用して切断、研削、光学研磨を行
ない、1辺が30mm,厚み0.7mmの略正方形であって、両側の主平面が光学研磨さ
れたガラス試片を作製した。このサンプルの波長948nm、976nmの吸収係数を、
分光光度計(「UV−3100PC」、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
(レーザーによる切断)
切断試験は以下のようにして行った。吸収係数と同様の方法で作製した1辺が100m
m、厚み0.7mmの基板をX-Yステージ上に設置し、ステージを移動させながらIn
GaAsレーザダイオードによる波長948nm、出力1.5kWのレーザ光を照射して
、照射後に格別の冷却手段を用いずに切断が可能であるか、また切断面が良好な状態でレ
ーザ光の通過位置をトレースしているかを調査した。
Figure 0005410655
実施例のガラスはいずれも100mm/sec以上の速度でレーザカットが可能であり
、切断面の品質も高かった。一方、比較例1のガラスは切断面がレーザ光を照射した位置
から外れる場合があり、比較例2のガラスはレーザ光による切断が不可能であった。以上
のことから、本発明のガラス組成物がレーザ光による切断に好適であることが明らかにな
った。
(2)フュージョン法によるガラス板の製造および切断
表1の実施例1と同一の組成となるように一般的な工業原料を用いて調合したバッチを
液晶用ガラス素板の生産装置を用いて熔融し、フュージョン法により厚さ0.7mmのガ
ラス基板を試作した。このガラス板の組成を分析したところ、極微量のS、Zr、Clを
含むほかは表1と同一であった。このガラス板にInGaAsレーザダイオードによる波
長948nmのレーザ光を照射したところ、良好な状態でフルカットでき、本発明のガラ
ス板が実際に工業的に生産された場合でも優れた切断性を持つことが明らかになった。
本発明のガラス組成物は、レーザ光により高い品質で切断することが可能であることか
ら、フラットパネルディスプレイ(FPD)用などの高い品質や端面強度が要求されるガ
ラス基板に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. ガラス組成として、質量%表示で、
    SiO 54〜65%、
    10〜14%、
    Al 14〜19%、
    MgO 1〜3%、
    CaO 4〜7%、
    SrO 1〜4%、
    BaO 0〜2%、
    Yb 0〜5%、
    酸化鉄(Fe換算)0.05%を超え0.2%以下、
    RO 5〜16%(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaの中から選ばれる少なくとも1種である。)、
    およびR’O 0.2〜2%(ただし、R’はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種である。)を含むと共に、
    熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物であるAs 、Sb 、SnO 、CeO を合計で0.1〜1.5%含み、
    かつ板状ガラス体とした場合に、850〜1000nmの波長領域における所定波長λでの光線吸収係数α(cm−1)と、厚さL(cm)とが、下記の関係式(I)および(II)
    α>0.2 …(I)
    α<18.42/L …(II)
    を満たすガラス組成物からなるガラス体を、850〜1000nmの波長領域における所定波長λのレーザ光照射によってフルカット切断加工する工程、を含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. ガラス板が、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に用いられる請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 板状ガラス体が、熔融ガラスをフュージョン法により成形したものである請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. レーザ光が、InGaAsレーザダイオードを用いた装置により発振されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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