JP2007030577A - エンジンマウント構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 僅かな構造改変のみで格別の補強構造物を必要とせずに、エンジン下面での低ばね定数化を残したままで、車体フレームの剛性を向上させて操縦安定性能を確保できるエンジンマウント構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 エンジンEおよびトランスミッションTの下部が車体に支持部3、4および5にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部に加えてエンジンEと車体サイドフレーム1、2との間にマウント部8、9を追加構成したことにより、支持部3、4および5の低ばね定数化を残したままで、エンジンE自体を補剛部材として利用して車体サイドフレーム1、2の剛性アップにより、操縦安定性能を向上させつつ、振動・騒音の抑制および乗心地の向上という相反する性能が両立できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジンEおよびトランスミッションTの下部が車体に支持部3、4および5にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部に加えてエンジンEと車体サイドフレーム1、2との間にマウント部8、9を追加構成したことにより、支持部3、4および5の低ばね定数化を残したままで、エンジンE自体を補剛部材として利用して車体サイドフレーム1、2の剛性アップにより、操縦安定性能を向上させつつ、振動・騒音の抑制および乗心地の向上という相反する性能が両立できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジンおよびトランスミッションの下部が車体に支持されたエンジンマウント構造に関する。
自動車等の車両において、直進走行や操舵走行の際の迅速な応答での安定した運転が可能な操縦安定性は、車体フレームの剛性や懸架装置の硬さ、さらには慣性重量として影響の大きいパワーユニットを支持するエンジンマウントのばね定数等に左右される。一方、走行中の乗心地や静粛性は適度の柔軟性を有する懸架装置が好適である。しかしながら、懸架装置が柔らか過ぎたり、車体剛性が低すぎると不快感が生じる。また、車体の剛性が低いと、荒れた路面での走行時に振動によりドラミング騒音が発生する虞れがある他、エンジンマウントのばね定数を上げても振動騒音性能が悪化した。車体剛性を上げるためのフレーム剛性のアップやサブフレームの追加は質量増加による重量増を招いた。
従来のエンジンマウント構造は図11に示すような構造が採用されている。エンジンおよびトランスミヨンから構成されるパワーユニットP/Uは、前部がエンジン下方の重心直下近の位置(F MTG(A)で示す)にて支持され、後部がトランスミッションT/Mの後方下部の位置(R MTG(B)で示す)にて支持されている。符号Cで示す部材は、前後ストッパとも言うべきピッチングストッパである。
このような従来のエンジンマウント構造にあって、車両の走行中に車線変更や旋回時等により車体に横力が加わった場合には、パワーユニットの動きを抑えて車両の挙動を安定させるために、特に前部F MTG(A)の支持部のばねを硬く構成しなければならなかった。つまり、図12において、エンジン下部の前部支持部F MTG(A)のばね定数を大きくせざるを得ないため、エンジン振動や騒音が直に車体フレーム等を介して乗員室内に侵入し、乗心地の低下や静粛性の劣化を招いていた。また、エンジン下部の支持部F MTG(A)とパワーユニットの重心位置との間にはかなりの距離Lがあるため、パワーユニットの左右の振動(図中一点鎖線)を抑制することが困難となり、操縦安定性能が劣化した。
つまり、エンジン支持部に関して、乗心地や静粛性能にとっては柔らかなばねの採用が望ましく、操縦安定性能にとっては硬いばねの採用が望ましい。このように、相反する性能を両立させることが難しいものであった。そのようなことから、大きな重量増を招くことなく、相反する静粛性能と操縦安定性能の向上を両立させる技術が提案されてきた。そのような車両のサスペンショ構造として、例えば下記特許文献1に開示されたものがある。
特開平7−228123号公報(請求項1参照)。
図13を用いて、前記特許文献1に開示された車両のサスペンショ構造について説明する。車輪22L、22Rを車体21に対して懸架するサスペンションロアアーム36L、36Rの基端が、横方向の剛性を変更操作可能な連結手段60L、60R(内筒と外筒との間に配設されたラバーが、内筒と外筒との相対回転により圧縮されて剛性が変化するもの)を介して車体21に連結されてなるとともに、該連結手段60L、60Rの横剛性変更操作部材70L、70Rとパワーユニット25との間にコントロールリンク72L、72Rが接続され、エンジンの加速時における上記パワーユニット25のトルク反力に基づく変位により、上記連結手段60L、60Rの横方向の剛性が変更されることを特徴とするものである。
このように構成されているので、エンジン28の加速に伴って、トルク反力によりエンジン28本体が反時計方向にロールし、横剛性変更操作部材であるレバー70L、70Rがともに反時計方向に回動され、ロアアーム36L、36Rの基端にそれぞれ設けられている連結手段であるラバーブッシュ60L、60Rの横剛性が増加する。エンジン28の減速時にも同様にラバーブッシュ60L、60Rの横剛性が増加する。これにより、エンジンの加減速時にロアアーム36L、36Rの前輪22L、22Rに対する横方向の支持剛性を優れた応答性をもって増大させることができ、きわめて簡単かつ安価な構成によって、操縦安定性と乗心地を両立させることが可能となった。
しかしながら、前記サスペンショ構造にあっては、エンジンの加減速時以外には所定の剛性向上が得られず、定常走行操舵の際には依然として確実な操縦安定性が確保できない虞れがあった。
そこで本発明では、前記課題を解決して、僅かな構造改変のみで格別の補強構造物を必要とせずに、エンジン下面での低ばね定数化を残したままで、車体フレームの剛性を向上させて操縦安定性能を確保できるエンジンマウント構造を提供することを目的とする。
このため本発明は、エンジンおよびトランスミッションの下部が車体に支持部にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部に加えてエンジンと車体サイドフレームとの間にマウント部を追加構成したことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部が、エンジン前方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドと車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドとから構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部をトルクロール軸に対し法線方向で略左右方向に配設したことを特徴とする。また本発明は、前記マウント部における各ロッドの両端部がエンジンおよび車体サイドフレームにフローティング支持されるとともに、該フローティング支持部を構成するゴムブッシュ等を、車体前後方向および車体上下方向に対して車体幅方向に硬く構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、エンジンおよびトランスミッションの下部が車体に支持部にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部に加えてエンジンと車体サイドフレームとの間にマウント部を追加構成したことにより、エンジンおよびトランスミッションから構成されるパワーユニットを下部にて支持する支持部の低ばね定数化を残したままで、マウント部を介してエンジン自体を補剛部材として利用して車体サイドフレームの剛性アップが可能となるので、サスペンションのトー変化を抑制する等して操縦安定性能を向上させつつ、振動・騒音の抑制および乗心地の向上という相反する性能が両立できることとなった。また、パワーユニットの動きが抑えられて、房内レイアウト・スペースを有効に使える。
また、前記マウント部が、エンジン前方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成された場合は、エンジン下部およびトランスミッション下部の車体への支持部と前記マウント部とが前後に適度に配分されてパワーユニットの支持配分が適正化される。さらに、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成された場合は、パワーユニットの重心近傍位置のエンジン後方においてパワーユニットの横揺れ等を効果的に抑制することができる。
さらにまた、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドから構成された場合は、前記マウント部が車体の横方向に突っ張る機能に加えて、車体の前後方向にも突っ張る機能を併せ持つことになり、パワーユニットの横方向と前後方向の動きを同時に抑制することが可能となる。左右一対のロッドの配設で済み、安価である。また、前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドと車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドとから構成された場合は、ロッドの配設個数は前記の場合に比べて倍となるものの、前後方向に比べて横方向の確実な動きの抑制が可能となる。
さらに、前記マウント部をトルクロール軸に対し法線方向で略左右方向に配設した場合は、エンジン加減速時に発生するローリング振動やアイドリング振動の影響さらには振動伝達音の影響を受けにくくでき、前述の操縦安定性能の向上、振動・騒音の抑制および乗心地の向上がより効果的に行える。さらにまた、前記マウント部における各ロッドの両端部がエンジンおよび車体サイドフレームにフローティング支持されるとともに、該フローティング支持部を構成するゴムブッシュ等を、車体前後方向および車体上下方向に対して車体幅方向に硬く構成した場合は、操縦安定性に最も影響のあるパワーユニットの横方向の動きを確実に抑制することを可能にして、パワーユニットの前後および上下方向の振動吸収特性を有効に保持させることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明のエンジンマウント構造の第1実施例を示す側面図、図2はその平面図、図3は第1実施例の模式図、図4は図3の正面図で横方向の振動解析図、図5は上下方向の振動解析図、図6はロッドの説明図、図7はパワーユニットの振動系説明図、図8は本発明のエンジンマウント構造の第2実施例を示す平面および側面図、図9は本発明のエンジンマウント構造の第3実施例を示す平面および側面図、図10は本発明のエンジンマウント構造の第4実施例を示す平面および側面図である。本発明のエンジンマウント構造の基本的な構成は、図1に示すように、エンジンEおよびトランスミッションTの下部が車体に支持部3、4および5にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部3、4および5に加えてエンジンEと車体サイドフレーム1、2との間にマウント部8、9を追加構成したことを特徴とする。
図1の側面図はエンジンルームを車体側方から見た図である。車体の両側には前後方向に延びる左右の車体サイドフレーム1、2が配設(図2も参照)されており、これらの左右の車体サイドフレーム1、2に対してエンジンEの下部がエンジン支持部3、4により支持され、トランスミッションTの下部がフロアトンネル内においてクロスメンバ等によりトランスミッション支持部5により支持される。
本実施例では、これらのエンジンマウント構造において、これら支持部3、4および5に加えて、エンジンEの前方においてエンジンEと車体サイドフレーム1、2との間にマウント部8、9を追加構成したものである。すなわち、左右の車体サイドフレーム1、2の上面とエンジンEの前部との間にマウント部としてのマウントロッド8、9を介して支持される。エンジンEの後部上面と車体との間にはピッチングストッパー7が介設され、パワーユニットのピッチングが効果的に抑制される。
図2の平面図に示すように、エンジンEの下部の車体サイドフレーム1、2への支持は、左右の車体サイドフレーム1、2間に渡設されたクロスフレーム6上のエンジン支持部3、4によって支持される。エンジン支持部3、4によるエンジンEの下部の支持およびトランスミッション支持部5によるトランスミッションの下部の支持に加えて、エンジンEの前部から車体サイドフレーム1、2との間にマウント部が追加構成とされる。
これらのマウント部は、エンジンEの前部左右から突設された左右の支持点11、13と、左右の車体サイドフレーム1、2の上面の支持点10、12との間に渡設された左右のマウントロッド8、9により構成される。前記各支持点10、11、12、13におけるマウントロッド8、9の端部との間にはゴムブッシュ等の弾性材が介設され、追加マウント部におけるエンジンEの振動や騒音が車体サイドフレーム1、2に伝達されるのを有効に防止できる他、サスペンションのトー変化等に基づいて加わる荷重を車体サイドフレームから補剛体として機能するエンジンEに伝達する際にも、その衝撃を緩和することができる。
このように、前記追加構成されたエンジンEの前部のマウント部8、9の存在によって、左右の車体サイドフレーム1、2がエンジンEを介して有機的に連結・補剛されて剛性アップが可能となり、サスペンションのトー変化を抑制する等して操縦安定性能を向上させることができるとともに、その剛性アップ分だけ、エンジンEおよびトランスミッションTの下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させることができるので、振動・騒音の抑制および乗心地の向上という相反する性能が両立できる。
図3は第1実施例の模式図である。エンジン前方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向すなわち左右方向に突っ張るマウントロッド8、9を設定する。マウントロッド8、9は、トルクロール軸TRに対して法線方向で、略左右方向に配設される。マウントロッド8、9の両端部はゴムブッシュ等のフローティング支持がなされる。前記追加マウント部を構成するマウントロッド8、9はトルクロール軸TRに対し法線方向で略左右方向に配設され、それによって、エンジン加減速時に発生するローリング振動やアイドリング振動の影響を受けにくくできるので、前述の操縦安定性能の向上、振動・騒音の抑制および乗心地の向上がより効果的に行える。
図3の正面図で横方向の振動解析を示す図4にて明らかなように、エンジンEと車体サイドフレーム1、2との間に、左右方向に突っ張る形態にて設定されるマウントロッド8、9により、車線変更や旋回走行時にパワーユニットに加わる横方向の力を車体サイドフレーム1、2にて確実に受け止め、換言すれば、マウントロッド8、9を介してエンジンEを補剛体として左右の車体サイドフレーム1、2が有機的に連携して剛性を発揮するので、パワーユニットの横方向の動きを効率よく抑制し、車体とパワーユニットが位相差のない、ほぼ同一の挙動が可能となるので、高い操縦安定性能が可能となる。
図5はロール方向の振動解析図を示すもので、前述したように、トルクロール軸TRに対して法線方向で、略左右方向に配設されるマウントロッド8、9が、車体幅方向すなわち横方向の力に対して突っ張り、高い剛性を示すことから、その剛性アップ分だけ、エンジンEおよびトランスミッションTの下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させることができる。したがって、エンジンEについて見ると、エンジンEの下部における前部支持部3、4のばね定数が低い、すなわち柔らかくても、前記図12の一点鎖線のような振動を有効に抑止できるので、乗心地と静粛性すなわち騒音性能を最適のものにするばね定数を適宜に選定することができる。すなわち、操縦安定性と乗心地・静粛性との相反する特性を両立できることとなる。
図6はロッドの説明図である。マウントロッド8、9の両端部は、エンジンEおよび車体サブフレーム1、2に対してフローティング構造として、ゴムブッシュ等を介して支持マウントされる。フローティング支持部を構成するゴムブッシュ等は、車体前後方向および車体上下方向に対して車体幅方向に硬く構成される。図6(B)に示すように、トルクロール軸TRに対して法線方向で左右に方向に突っ張る形態にて設定されたマウントロッド8、9のフローティング支持部は、図6(A)に拡大して示すように、ロッド軸方向(車両幅方向)には圧縮方向として硬く、ロッド軸に直交する方向(車両前後方向および上下方向)には剪断方向として柔らかく構成される。図示の例では、内外の円筒状のブッシュ間にゴム等が介設されているが、ロッドの軸に対して直交配置された多板をゴム等を介設して食い違い状に対向配設したもの等により、ロッドの軸方向に圧縮力を作用させ、ロッド軸に直交する方向に剪断力を作用させるように構成してもよい。
図7はパワーユニットの振動系説明図で、前述したように、車体幅方向すなわち横方向の力に対してマウントロッド8、9が高い剛性を維持できることから、その剛性アップ分だけ、エンジンEおよびトランスミッションTの下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させることができる。したがって、図7に示すように、パワーユニットの質量m、エンジンEの前部支持部3、4のばね定数k、上下方向の力Fとすると、振動方程式により、パワーユニットにおける振動系の固有値を F=1/2π(k/m)1/2 から最適に設定することができる。
図8は本発明のエンジンマウント構造の第2実施例を示す平面および側面図である。前記実施例のものと同様に、トルクロール軸TRに対して法線方向で、略左右方向にマウントロッド8、9が配設され、車体幅方向すなわち横方向の力に対して突っ張り形態にて設定されるものであるが、本実施例では、エンジン支持部3、4によるエンジンEの下部の支持およびトランスミッション支持部5によるトランスミッションの下部の支持5に加えて、前記マウントロッド8、9がパワーユニットの重心近傍位置であるエンジンEの後部から車体サイドフレーム1、2との間に車体幅方向に渡設されたものである。各マウントロッド8、9の両端部のフローティング支持については、前述したものと同様なので説明は省略する。このように構成したので、エンジンEおよびトランスミッションTの下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させて乗心地と静粛性すなわち騒音性能を最適のものとしたまま、パワーユニットの重心近傍位置のエンジン後方において、パワーユニットの横揺れ等を効果的に抑制して操縦安定性を確保することができる。
図9は本発明のエンジンマウント構造の第3実施例を示す平面および側面図である。本実施例のものも前記第2実施例のものと同様であるが、トルクロール軸TRに対して法線方向に配設されるマウントロッド8、9の渡設方向が異なる。すなわち、パワーユニットの重心近傍位置であるエンジンEの後方において車体サイドフレーム1、2との間に車体後方に向けて傾斜して渡設されたマウントロッド8、9が設定されたものである。マウントロッド8、9を車体後方に向けて傾斜させて渡設したことで、マウント部の分力として、車体の横方向に突っ張る機能に加えて、車体の前後方向にも突っ張る機能を併せ持つことになり、パワーユニット下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させて乗心地と静粛性すなわち騒音性能を最適のものとしたまま、パワーユニットの重心近傍位置のエンジン後方において、パワーユニットの横方向と前後方向の動きを同時に抑制することが可能となる。しかも、左右一対のロッドの配設で済み、安価である。
図10は本発明のエンジンマウント構造の第4実施例を示す平面および側面図である。本実施例のものは、前記第2実施例のものと第3実施例のものを組み合わせた形態が採用される。つまり、エンジンEの後方において車体サイドフレーム1、2との間に、トルクロール軸TRに対して法線方向で、車体幅方向に渡設されるマウントロッド8、9に加えて、トルクロール軸TRに対して法線方向で、車体後方に向けて傾斜して渡設されたマウントロッド8A、9Aが設定されるものである。このような構成により、パワーユニット下部の支持部3、4および5の低ばね定数化を残存させて乗心地と静粛性すなわち騒音性能を最適のものとしたまま、パワーユニットの重心近傍位置のエンジン後方において、ロッドの配設個数は前記実施例の場合に比べて倍となるものの、前後方向に比べて横方向の確実な動きの抑制が可能となり、パワーユニットの横揺れ等を効果的に抑制して操縦安定性を確保することができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、エンジンの形状、形式およびその車体サイドフレームへの支持形態(ゴムブッシュ等の介設、ゴム等のばね定数等およびクロスフレーム(台形、X字形、方形等)等を介したマウント部の設置等)、トランスミッションの形状、形式およびその車体サイドフレームへの支持形態(ゴムブッシュ等の介設、ゴム等のばね定数等、クロスメンバ等を介したフロアトンネル内等への支持等)、追加構成とされるマウント部の形状、形式およびそのエンジンおよび車体サイドフレームへの支持形態(ゴムブッシュ等の介設、ゴム等のばね定数等、マウントロッドの介設等)ならびに渡設部位(エンジンの前方、後方の重心位置近傍の他、トルクロール軸上近傍であればエンジン側面等と車体サイドフレームとの間に渡設されることも本発明の範疇内である)、マウントロッドの形状(円形、方形や板状体等の断面形状、直線状や湾曲状等の平面視形状、直線状や湾曲状等の正面視形状)、形式、マウントロッド両端部のフローティング形態(横方向に硬く、前後および上下方向に柔らかければ、実施例の内外筒缶にゴムを介設したものの他、ロッドの軸に対して直交配置された多板をゴム等を介設して食い違い状に対向配設したもの等により、ロッドの軸方向に圧縮力を作用させ、ロッド軸に直交する方向に剪断力を作用させるように構成してもよい。)、車体サイドフレームの形状(車両前方に対して後方を狭く形成したり、低く形成する等、方形閉断面形状等のフレームの断面形状等)等については適宜選定できる。
1 左車体サイドフレーム
2 右車体サイドフレーム
3 左エンジン支持部
4 右エンジン支持部
5 トランスミッション支持部
6 クロスフレーム
7 ピッチングストッパー
8 左マウントロッド(マウント部)
9 右マウントロッド(マウント部)
10 支持点(車体サイドフレーム)
11 支持点(エンジン)
12 支持点(車体サイドフレーム)
13 支持点(エンジン)
2 右車体サイドフレーム
3 左エンジン支持部
4 右エンジン支持部
5 トランスミッション支持部
6 クロスフレーム
7 ピッチングストッパー
8 左マウントロッド(マウント部)
9 右マウントロッド(マウント部)
10 支持点(車体サイドフレーム)
11 支持点(エンジン)
12 支持点(車体サイドフレーム)
13 支持点(エンジン)
Claims (7)
- エンジンおよびトランスミッションの下部が車体に支持部にて支持されたエンジンマウント構造において、これら支持部に加えてエンジンと車体サイドフレームとの間にマウント部を追加構成したことを特徴とするエンジンマウント構造。
- 前記マウント部が、エンジン前方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント構造。
- 前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント構造。
- 前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドから構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント構造。
- 前記マウント部が、エンジン後方において車体サイドフレームとの間に車体幅方向に渡設されたロッドと車体後方に向けて傾斜して渡設されたロッドとから構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント構造。
- 前記マウント部をトルクロール軸に対し法線方向で略左右方向に配設したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエンジンマウント構造。
- 前記マウント部における各ロッドの両端部がエンジンおよび車体サイドフレームにフローティング支持されるとともに、該フローティング支持部を構成するゴムブッシュ等を、車体前後方向および車体上下方向に対して車体幅方向に硬く構成したことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載のエンジンマウント構造。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101612366B1 (ko) * | 2010-09-29 | 2016-04-14 | 현대자동차주식회사 | 핸들링 성능 개선을 위한 엔진 마운트 |
DE102017220208B4 (de) * | 2017-11-14 | 2020-04-09 | Audi Ag | Fahrzeugachse für ein zweispuriges Fahrzeug |
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2005
- 2005-07-25 JP JP2005213624A patent/JP2007030577A/ja not_active Withdrawn
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