JP2008024174A - 車両用パワーユニット支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のNVフィーリングを確保しつつ、乗り心地を高める。
【解決手段】車両用パワーユニット支持装置60は、動力源51と減速機52とを車幅方向に並べて互いに結合した構成の横置き型のパワーユニット50を、パワーユニット収容室に収容し、少なくともパワーユニットの車幅方向における両側に配置された動力源側マウント64及び減速機側マウント65によって、車体にパワーユニットを支持したものである。動力源側マウントの動ばね定数と、減速機側マウントの動ばね定数との、差の最大値は、少なくとも100N/mmに設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン等の動力源の一端に減速機が結合された構成の、パワーユニットを車体にマウントするためのパワーユニット支持装置に関する。
一般的な車両のパワーユニットとしては、縦置き型パワーユニットと横置き型パワーユニットとがある。縦置き型パワーユニットは、動力源と減速機とを車体前後方向に並べて互いに結合した構成である。
一方、横置き型パワーユニットは、動力源と減速機とを車幅方向に並べて互いに結合した構成である。このような横置き型パワーユニットは、例えば、エンジンのクランク軸を車幅方向に延ばし、その先端に減速機たるトランスミッションの入力軸を連結したものである。横置き型パワーユニットを車両のパワーユニット収容室(エンジンルーム)に収容するので、パワーユニット収容室の前後方向の長さを小さくすることができる。
このような横置き型パワーユニットを車体にマウントするための、パワーユニット支持装置が各種知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−148843公報
特許文献1に示す従来の車両用パワーユニット支持装置を、次の図13に基づいて説明する。図13(a),(b)は従来の車両用パワーユニット支持装置の説明図である。(a)は車両のパワーユニット及びパワーユニット支持装置の平面構成を示し、(b)は車両のパワーユニット及びパワーユニット支持装置の背面構成を示す。
従来の車両用パワーユニット支持装置200は、エンジン201とトランスミッション202とを車幅方向に並べて互いに結合することで構成された横置き型パワーユニット203を、サブフレーム204を介して車体205にマウントしたというものである。
詳しくは、エンジン201の重心211よりも下方でサブフレーム204に取り付けられたフロントマウント212、リヤマウント213並びにトランスロアマウント(図示せず)により、パワーユニット203の静荷重を受けることができる。
さらに、エンジン201の重心211よりも上方で車体205に取り付けられた左右のマウント(サイドエンジンマウント214並びにトランスアッパマウント215)により、パワーユニット203を支持することができる。
ところで、この種のパワーユニット支持装置によって、車体にパワーユニットをマウントした車両においても、乗り心地を一層高めることが好ましい。そのためには、パワーユニットをダイナミックダンパとして利用することが考えられる。
具体的には、パワーユニットを支持する左右のマウントのうち、一方の静的ばね定数を極端に大きい値に設定することによって、乗り心地を高めたい周波数領域の上下方向の振動に対して、ピッチングを励起させ(発生させる)、この結果、車両の乗り心地を改善することが考えられる。
「静的ばね定数」とは、静的状態において、荷重変化量とそれに対するマウントのたわみ変化量を表す値のことである。
ここで、従来例1と従来例2の2つを挙げて、実験した結果を説明する。従来例1は、パワーユニットを支持する左右のマウントの静的ばね定数に、極端な差を設けない、一般的な例である。従来例2は、上記従来例1と対比するために、パワーユニットを支持する左右のマウントの静的ばね定数に、極端な差を設けた例である。
従来例2によれば、左右のマウントのうち、一方における静的ばね定数を極端に大きい値に設定することによって、左右のマウントとパワーユニットとからなる振動系の、固有振動数を比較的大きい値に設定することができる。
このように、車体に対する固有振動数を適宜調節することで、ピッチングを発生させ上下方向の振動に対して作用させることにより、この結果、車体の振動のうち特定の周波数領域において、パワーユニットはダイナミックダンパの役割を果たすことができる。
言い換えると、従来例2によれば、上述のように、車体に対する上記振動系の固有振動数を、比較的大きい値に適宜調節することができる。この結果、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動に対して、パワーユニットにピッチングが発生する。このピッチングは、車体の上下方向の振動に対して作用する。つまり、車体の上下方向の振動と、車体に対するパワーユニットのピッチングとの、連成モード(互いに影響し合う運動関係)になる。この結果、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動において、パワーユニットはダイナミックダンパの役割を果たす。
図14は従来の車両用パワーユニット支持装置による振動特性の実験例を示すグラフであり、横軸を車体の周波数fr(Hz)、すなわち上下方向の振動数とし、縦軸を車体の振動の強さのレベルVc(dB)として表したものである。破線にて示す曲線は、従来例1の振動特性曲線である。実線にて示す曲線は、従来例2の振動特性曲線である。
なお、この図14のグラフは、周知の加振台に実験対象の車両を載せて加振することにより得られた、データである。
従来例1の振動特性曲線によれば、周波数frのうち、振動の強さのレベルVcが小さい谷の領域Bfと、レベルVcが大きい山の領域Tfとが有ることが判る。谷の領域Bfは、車体に対してパワーユニットが共振した周波数の領域、つまり、上下方向の共振領域Bfである。一方、山の領域Tfは、車体に対してパワーユニットが共振によって跳ね返り現象を発生したときの周波数の領域、つまり、上下方向の振動の反共振領域Tfである。反共振領域Tfの範囲は12〜16Hzであった。反共振領域Tfにおいて、振動の強さのレベルVcが最大のときの、周波数Tfpは14Hzであった。
車両の乗り心地を高める上で、反共振領域Tfは、できるだけ解消されることが好ましい。
これに対して、従来例2の振動特性曲線によれば、特に反共振領域Tfにおいて、振動の強さのレベルVcを低減することができた。これは、反共振領域Tfにおいて、パワーユニットが上下運動に対してピッチ運動を作用しているからである。つまり、車体の上下方向の振動に対してパワーユニットのピッチングが作用、いわゆる連成モードになったからである。このため、反共振領域Tfにおける車体の共振を抑制することができた。この結果、車両の乗り心地は高まったということができる。
図15は従来の車両用パワーユニット支持装置を有した場合の、ステアリングハンドルの振動特性の実験例を示すグラフであり、横軸をエンジンの回転数Ne(rpm)とし、縦軸をエンジンからステアリングハンドルに伝わる振動の強さのレベルNV(dB)として表したものである。なお、レベルNVが大きい程、NV性能は低いということができる。「NV性能」とは、振動及び振動音を抑制する性能のことであり、ノイズ・アンド・バイブレーション性能の略称である。
破線にて示す曲線は、従来例1の振動特性曲線である。実線にて示す曲線は、従来例2の振動特性曲線である。
このグラフから明らかなように、エンジンが回転中では、従来例1の振動特性に対して、従来例2の振動特性は、レベルNVが大きくなる領域Ned(つまり、NV性能低下領域Ned)が発生することが判る。このように、NV性能低下領域Nedがあったのでは、エンジンから車体を介してステアリングハンドルに振動が伝わり易いので、運転者のNVフィーリング(振動及び振動音が抑制されたと感じる感覚)を高める上で不利である。
従来例2において、NV性能低下領域Nedが発生した原因は、乗り心地を高めるために、極端に大きい静的ばね定数に設定したので、動ばね定数(「動的ばね係数」とも言う。)も極端に大きい値になってしまったことにある。
本発明は、車両のNVフィーリング(運転者が振動及び振動音が抑制されたと感じる感覚)を確保しつつ、乗り心地を高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、動力源の一端に減速機が結合された構成のパワーユニットを、車両のパワーユニット収容室に収容し、少なくともパワーユニットの車幅方向における両側に配置された左右のマウントによって、車体にパワーユニットを支持した車両用パワーユニット支持装置であって、左のマウントの動ばね定数と、右のマウントの動ばね定数との、差の最大値は、少なくとも100N/mmに設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、動ばね定数の差の最大値は、車体の反共振領域に設定されていることを特徴とする。反共振領域とは、車体に対し、パワーユニットが共振によって跳ね返り現象を発生するときの周波数の領域のことである。
請求項3に係る発明では、動力源の一端に減速機が結合された構成のパワーユニットを、車両のパワーユニット収容室に収容し、少なくともパワーユニットの車幅方向における両側に配置された左右のマウントによって、車体にパワーユニットを支持した車両用パワーユニット支持装置であって、左のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数と、右のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数とは、少なくとも2倍の差を有して設定されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、左のマウントの動ばね定数と、右のマウントの動ばね定数との、差の最大値を、少なくとも100N/mmに設定することによって、目標とする周波数域で車体に対するパワーユニットの固有値を励起できる。
すなわち、車体に対して、左右のマウントとパワーユニットとからなる振動系の、固有振動数を適宜設定することによって、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動に対して、パワーユニットにピッチングを発生させることができる。
このピッチングは、車体の上下方向の振動に対して作用する。つまり、車体の上下方向の振動と、車体に対するパワーユニットのピッチングとの、連成モード(互いに影響し合う運動関係)になる。この結果、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動において、パワーユニットはダイナミックダンパの役割を果たす。
このように、目標とする周波数域において、パワーユニットがダイナミックダンパの役割を果たすことができる。つまり、ダイナミックダンパの作用によって、車体の共振を抑制することができる。この結果、所定の周波数域における振動の強さのレベルを低減することができる。このようにして、車両の乗り心地を高めることができる。
また、左右のマウントのうち、一方における静的ばね定数を極端に大きい値に設定する代わりに、一方における動ばね定数を大きく設定したので、静的ばね定数を大きくする必要はない。動ばね定数については、(1)所定の周波数域における振動の強さのレベルを低減するとともに、(2)エンジンから車体を介してステアリングハンドルに振動が伝わりにくい値に、適宜設定すればよい。
また、左右のマウントの静的ばね定数を極端に大きくしなくてもすむ。このため、操縦安定性を十分に確保することができる。
このようにして、車両のNVフィーリング及び操縦安定性を確保しつつ、乗り心地を高めることができる。
請求項2に係る発明では、動ばね定数の差の最大値を、特に、車体の共振を抑制するのに有効な反共振領域、つまり、車体に対してパワーユニットが共振によって跳ね返り現象を発生するときの周波数の領域に設定したものである。
このため、特に反共振領域において、パワーユニットがダイナミックダンパの役割を果たすので、反共振領域における振動の強さのレベルを低減することができる。つまり、車体の共振を抑制するのに有効な反共振領域で、ダイナミックダンパの作用を発揮するので、車体の共振を一層抑制することができる。このようにして、車両の乗り心地を更に高めることができる。
請求項3に係る発明では、左のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数と、右のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数とを、少なくとも2倍の差を有して設定したものである。この結果、左のマウントの動ばね定数と、右のマウントの動ばね定数との、差の最大値を大きく設定することができる。従って、目標とする周波数域で車体に対するパワーユニットの固有値を励起できる。
すなわち、車体に対して、左右のマウントとパワーユニットとからなる振動系の、固有振動数を適宜設定することによって、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動に対して、パワーユニットにピッチングを発生させることができる。
このピッチングは、車体の上下方向の振動に対して作用する。つまり、車体の上下方向の振動と、車体に対するパワーユニットのピッチングとの、連成モード(互いに影響し合う運動関係)になる。この結果、車体の振動のうち、特定の周波数領域の上下方向の振動において、パワーユニットはダイナミックダンパの役割を果たす。
このように、目標とする周波数域において、パワーユニットがダイナミックダンパの役割を果たすことができる。つまり、ダイナミックダンパの作用によって、車体の共振を抑制することができる。この結果、所定の周波数域における振動の強さのレベルを低減することができる。このようにして、車両の乗り心地を高めることができる。
また、左右のマウントのうち、一方における静的ばね定数を極端に大きい値に設定する代わりに、一方における動ばね定数を大きく設定したので、静的ばね定数を大きくする必要はない。動ばね定数については、(1)所定の周波数域における振動の強さのレベルを低減するとともに、(2)エンジンから車体を介してステアリングハンドルに振動が伝わりにくい値に、適宜設定すればよい。
また、左右のマウントの静的ばね定数を極端に大きくしなくてもすむ。このため、操縦安定性を十分に確保することができる。
このようにして、車両のNVフィーリング及び操縦安定性を確保しつつ、乗り心地を高めることができる。
本発明を実施するための最良の形態を、添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、Upは上側、Dwは下側、CLは車幅中心(車体中心、車幅中心線)を示す。
図1は本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の正面図である。図2は本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の平面図である。図3は本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の斜視図である。
図1及び図2に示すように、車両10は車体20の前部に備えたパワーユニット収容室31(図1に示すエンジンルーム31)にパワーユニット50を収容し、このパワーユニット50のエンジン51で図示せぬ前輪を駆動する駆動方式の、フロントエンジン・フロントドライブ車と称する自動車である。
なお、車両10は、エンジン51で後輪を駆動する駆動方式のフロントエンジン・リヤドライブ車や、エンジン51で前輪並びに後輪を駆動する駆動方式の4輪駆動車と称するものであってもよい。
車体20の前部は、前後に延びる左右のフロントサイドフレーム21L,21Rと、これらのフロントサイドフレーム21L,21Rの上方で前後に延びる左右のアッパフレーム22L,22Rと、左右のフロントサイドフレーム21L,21Rの後端部から後方へ延びる左右のフロアフレーム23L,23Rとを、主要な構成メンバとした車体フレームである。左右のフロントサイドフレーム21L,21Rは後端部の内側面に、それぞれブラケット24L,24R(図2参照)を備える。25L,25Rはサイドアウトリガーである。
このような車体20は、図1〜図3に示すように、左右のフロントサイドフレーム21L,21Rの前部と、左右のブラケット24L,24Rとに、前後左右4個の防振用弾性ブッシュ32・・・を介して、フロントサブフレーム40を吊り下げた構成である。
フロントサブフレーム40は、前後に延びる平面視略矩形状を呈し、車体20の前後方向に延びる左右の縦メンバ41L,41Rと、これらの縦メンバ41L,41Rの前端間に掛け渡すべく車体20の左右方向に延びる前部横メンバ42と、左右の縦メンバ41L,41Rの後端間に掛け渡すべく車体の左右方向に延びる後部横メンバ43とからなる。
このフロントサブフレーム40には、図示せぬフロントサスペンション及びステアリングギヤボックスを取付けることができる。このようなフロントサブフレーム40は、車体20の一部であるので、特に説明をしない場合には車体20にフロントサブフレーム40を含むものとする。
図1及び図2に示すように、パワーユニット50は、右側のエンジン51と左側のトランスミッション52とを車幅方向に並べて互いに結合した構成、つまり、エンジン51の一端にトランスミッション52が結合された構成の、いわゆる横置き型のパワーユニットである。エンジン51は、出力軸を車幅方向に向けた動力源である。トランスミッション52は、入力軸をクラッチ等を介してエンジン51の出力軸に連結した減速機兼変速機である。
車体20に横置き型パワーユニット50をパワーユニット支持装置60によってマウントすることができる。
図1〜図3に示すように、パワーユニット支持装置60は、動力源前下部側マウント61、動力源後下部側マウント62、減速機サイド下側マウント63、動力源側マウント64及び減速機側マウント65を設けた構成である。
動力源前下部側マウント61、動力源後下部側マウント62及び減速機サイド下側マウント63は、パワーユニット50の重心Gc(図1参照)の位置よりも下方に配置されて、パワーユニット50の静荷重を支持する、すなわち、重量を支える静荷重支持マウントである。
一方、動力源側マウント64及び減速機側マウント65は、パワーユニット50の重心Gc(図1参照)の位置よりも上方に配置された支持部材であり、パワーユニット50の静荷重を支持しない又はほぼ支持しない。つまり、動力源側マウント64は、エンジン51(つまり、動力源)のうち、トランスミッション52とは反対側の端部51aに配置された支持部材である。減速機側マウント65は、トランスミッション52(つまり、減速機)のうち、エンジン51とは反対側の端部52aに配置された支持部材である。
動力源前下部側マウント61は、車幅中心CLの近傍で下端部をフロントサブフレーム40の前部横メンバ42に取り付けて、エンジンブラケット71を介してエンジン51の前下部を支持する部材である。この動力源前下部側マウント61は、例えば上下軸方向の減衰軸線を有する1方向液封エンジンマウントからなる。
動力源後下部側マウント62は、車幅中心CLの近傍で下端部をフロントサブフレーム40の後部横メンバ43に取り付けて、エンジンブラケット72を介してエンジン51の後下部を支持する部材である。この動力源後下部側マウント62は、例えばラバーマウントからなる。
減速機サイド下側マウント63は、下端部をフロントサブフレーム40の左の縦メンバ41Lに取り付けて、減速機ブラケット(図示せず)を介してトランスミッション52の左下部を支持する部材である。この減速機サイド下側マウント63は、例えばラバーマウントからなる。
動力源側マウント64は、下端部を右のアッパフレーム22Rに取り付けて、エンジンブラケット74を介してエンジン51の右上部51a(すなわち、エンジン51のうち、トランスミッション52とは反対側の端部51a)を支持する、右のマウントである。
減速機側マウント65は、下端部を左のアッパフレーム22Lに取り付けて、減速機ブラケット75を介してトランスミッション52の左上部52a(すなわち、トランスミッション52のうち、エンジン51とは反対側の端部52a)を支持する、左のマウントである。
次に、動力源側マウント64の詳細な構成を説明する。図4は本発明に係る動力源側マウントの断面図である。図5は図4の5−5線断面図である。
図4及び図5に示すように、動力源側マウント64は、車体20とエンジン51(図1参照)との間に配置され、エンジン51を、振動を防止しつつ支持する防振支持機構であり、2方向液封マウントの機能を有する。従って、動力源側マウント64は、所定の上下軸方向の減衰軸線Vr1(ばね軸線Vr1)及びこの上下軸方向の減衰軸線Vr1に対する軸直角方向の減衰軸線Ho1を有する。
ここで、減衰軸線Vr1に対する軸直角方向の減衰軸線Ho1とは、減衰軸線Vr1に対して直角な方向に延びる軸線のことである。
詳しく述べると、動力源側マウント64は、エンジン51に取付ける第1取付部材101と、車体20に取付ける筒状の第2取付部材102と、これらの第1・第2取付部材101,102間を連結した弾性部材103と、この弾性部材103から距離を隔てて第2取付部材102に固定したダイヤフラム104と、少なくとも弾性部材103及びダイヤフラム104により区画した第1液室105と、この第1液室105を弾性部材103側の主液室106及びダイヤフラム104側の副液室107に仕切るように第2取付部材102に固定した仕切部材108とを備える。
これらの第1・第2取付部材101,102、弾性部材103、ダイヤフラム104、第1液室105及び仕切部材108は、動力源側マウント64における上下軸方向の減衰軸線Vr1上に配列したものである。主液室106及び副液室107は作動液Lqを封入する空間である。
第1取付部材101は、エンジンブラケット74を介してエンジン51に取付ける金属製部材である。
第2取付部材102は、弾性部材103を連結した金属製筒部材111と、この金属製筒部材111を圧入した金属製ブラケット112と、この金属製ブラケット112を支持するとともに車体20に取付けるように構成した樹脂製ブラケット113とからなる。
弾性部材103は、第1取付部材101と第2取付部材102との間で伝達される振動を、弾性変形することにより吸収するゴムブロックである。
この弾性部材103は、第1取付部材101を一体化した上端部から下端部にかけて概ね円柱状を呈した部材であって、下端部から下方へ大きく開放した下部空洞部121と、側部から側方へ大きく開放した前後一対又は左右一対の側部空洞部(第1側部空洞部122及び第2側部空洞部123)とを有する。
図5に示すように、弾性部材103を上下方向から見たときに、弾性部材103の軸心Vr1(すなわち、上下軸方向の減衰軸線Vr1)を通る一方の直線を第1線L1とし、軸心Vr1を通り第1線L1に直交する直線を第2線L2とする。第1・第2側部空洞部122,123は、第1線L1に対して、互いに線対称形である。
第2線L2は、上下軸方向の減衰軸線Vr1に対する軸直角方向の減衰軸線である。以下、第2線L2のことを、適宜「上下軸方向の減衰軸線Vr1に対する軸直角方向の減衰軸線Ho1」と言い換えることにする。
図4に示すように、ダイヤフラム104は、金属製筒部材111の下端(車体20側)を塞ぐとともに、仕切部材108側へ凸となるように湾曲した、薄膜状ゴム材等の弾性材からなり、動力源側マウント64の軸方向に変位可能である。
仕切部材108は、外周面に連通路109を形成した円盤状の部材である。連通路109は、主液室106と副液室107との間を連通するオリフィスの機能を有する。以下、連通路109のことを「第1オリフィス109」と言い換えることにする。
図4及び図5に示すように、金属製筒部材111は、内部に弾性部材103、ダイヤフラム104、仕切部材108、側部仕切り部材130を組付けた部材である。
側部仕切り部材130は、弾性部材103に液封性を確保しつつ嵌合することによって取付けたものである。側部仕切り部材130と第1側部空洞部122とによって第1側部液室131を構成し、側部仕切り部材130と第2側部空洞部123とによって第2側部液室132を構成した。第1側部液室131及び第2側部液室132の組合せ構造は第2液室133をなす。第2液室133は、作動液Lqを封入する空間である。
さらに側部仕切り部材130は、外周面に迷路状の連通路134を形成した平面視略C形状の部材である。この連通路134は、第1側部液室131と第2側部液室132との間を連通するオリフィスの機能を有する。以下、連通路134のことを「第2オリフィス134」と言い換えることにする。
第2オリフィス134の一端134aは、C形の一方の切欠き端135の近傍に且つ上部で、内外貫通した貫通孔である。また、第2オリフィス134の他端134bは、側部仕切り部材130において一端134aの斜め下方で、内外貫通した貫通孔である。
このような第2オリフィス134は、一端134aから側部仕切り部材130の外周面に沿って平面視時計回りに回り、他方の切欠き端136の近傍で下方へ降りた後に、元の一方の切欠き端135側へ平面視反時計回りに回り、その途中で若干上に延びた後に、他端134bに連なる。一端134aは第1側部空洞部122に連通し、他端134bは第2側部空洞部123に連通する。
次に、上記構成の動力源側マウント64による振動減衰作用について説明する。
図4に示すように、エンジン51(図1参照)から動力源側マウント64に軸方向(軸心Vr1の方向)の振動が作用した場合には、作動液Lqが第1オリフィス109を通って主・副液室106,107間を流れるとともに、弾性部材103が弾性変形することによって、振動を減衰させることができる。
また、エンジン51から動力源側マウント64に、軸直角方向の減衰軸線Ho1の振動や荷重が作用した場合には、作動液Lqが第2オリフィス134を通って第1・第2側部液室101,102間を流れるとともに、弾性部材103が弾性変形することによって、振動や荷重を吸収することができる。
次に、上記構成の動力源側マウント64及び減速機側マウント65の配置関係について説明する。
図1〜図3に示すように、減速機側マウント65は、動力源側マウント64と実質的に同じ構成であり、動力源側マウント64とは上下逆向きにして配置したものである。すなわち、減速機側マウント65は、第1取付部材101(図4参照)を車体20の左のアッパフレーム22Lに取付けるとともに、第2取付部材102(図4参照)を減速機ブラケット75を介してトランスミッション52に取付けた構成である。
図6は本発明に係る車両用パワーユニット支持装置の正面模式図であり、図1に対応させて模式的に表した。図7は本発明に係る車両用パワーユニット支持装置の平面模式図であり、図2に対応させて模式的に表した。
既に述べたことであるが、図6及び図7に示すように、動力源側マウント64は、所定の上下軸方向の減衰軸線Vr1(ばね軸線Vr1、弾性軸線Vr1)及びこの上下軸方向の減衰軸線Vr1に対する軸直角方向の減衰軸線Ho1を有する。
また、図6及び図7に示すように、減速機側マウント65も、所定の上下軸方向の減衰軸線Vr2(ばね軸線Vr2、弾性軸線Vr2)及びこの上下軸方向の減衰軸線Vr2に対する軸直角方向の減衰軸線Ho2を有する。
減速機側マウント65の上下軸方向の減衰軸線Vr2は、動力源側マウント64の上下軸方向の減衰軸線Vr1と同じ軸線である。減速機側マウント65の軸直角方向の減衰軸線Ho2も、動力源側マウント64の軸直角方向の減衰軸線Ho1と同じ軸線である。
ここで、減衰軸線Vr1,Vr2,Ho1,Ho2とは、各マウント64,65における減衰方向の軸線のことであり、ばね軸線又は弾性軸線とも言う。ばね軸線や弾性軸線とは、各マウント64,65における弾性方向の軸線(中心線)のことであり、いわゆる、荷重の方向と弾性変位の方向とが一致して、角変位を生じない軸のことを言う。
図6に示すように、車両10を正面から見たときに、動力源側マウント64の上下軸方向の減衰軸線Vr1と、減速機側マウント65の上下軸方向の減衰軸線Vr2とは、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも上方で交差するように、それぞれ傾斜している。
詳しくは、動力源側マウント64の上下軸方向の減衰軸線Vr1は、鉛直線VLに対して車幅中心線CL側に且つ車体上方に傾斜角θ1だけ傾斜している。減速機側マウント65の上下軸方向の減衰軸線Vr2は、鉛直線VLに対して車幅中心線CL側に且つ車体上方に傾斜角θ2だけ傾斜している。例えば、傾斜角θ1に対して傾斜角θ2は同一である。上下軸方向の減衰軸線Vr1,Vr2同士の交点Pvは、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも上方にある。
上述のように、パワーユニット支持装置60は、パワーユニット50の重心Gcよりも上方に配置された、動力源側マウント64(右のマウント64)のばね軸線Vr1と、減速機側マウント65(左のマウント65)のばね軸線Vr2とを、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも上方で、交差させた構成である。
当然のことながら、上下軸方向のばね軸線Vr1,Vr2同士の交点Pvは、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも上方の位置となる。この結果、動力源側マウント64及び減速機側マウント65だけから定まる弾性中心は、交点Pvの位置になる。
交点Pvの高さを適宜設定することによって、全てのマウント61〜65の複合的な弾性中心Ed、つまり、パワーユニット支持装置60全体の弾性中心Edを、最適な高さに自由に設定することができる。
本発明においては、図1及び図6に示すように、パワーユニット支持装置60全体の弾性中心Edを下方に移動させて、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも下方に設定したことを特徴とする。すなわち、パワーユニット支持装置60全体の弾性中心Edの位置が、パワーユニット50の重心Gcの位置よりも下方にくるように、上下軸方向の減衰軸線Vr1,Vr2同士の交点Pvの高さを設定した。
図7に示すように、各軸直角方向の減衰軸線Ho1,Ho2は、車両10を上から見たときに、車両10の前後方向及び車幅方向に対してそれぞれ傾斜している。しかも、車両10を上から見たときに、各軸直角方向の減衰軸線Ho1,Ho2は、互いに直角に交差するように傾斜している。
詳しくは、車体前後方向に延びる車幅中心線CLに対して平行な水平線をHLとしたときに、動力源側マウント64の軸直角方向の減衰軸線Ho1は、水平線HLに対して車幅中心線CL側に且つ車体後方に傾斜角α1だけ傾斜している。減速機側マウント65の軸直角方向の減衰軸線Ho2は、水平線HLに対して車幅中心線CL側に且つ車体後方に傾斜角α2だけ傾斜している。例えば、傾斜角α1は45°であり、傾斜角α1に対して傾斜角α2は同一である。軸直角方向の減衰軸線Ho1,Ho2同士の交点はPhである。
図8は本発明に係るパワーユニット支持装置を備えた車両の作用図であり、正面から見た車両を図6に対応させて模式的に表した。
パワーユニット支持装置60は、動力源側マウント64の上下軸方向の減衰軸線Vr1と、減速機側マウント65の上下軸方向の減衰軸線Vr2とを、車幅中央側に且つ上方に傾けて重心Gcの上方で交差させることで、全てのマウント61〜65の複合的な弾性中心Edを、パワーユニット50の重心Gcよりも下方に設定したものである。
このため、パワーユニット50には、弾性中心Edを中心として、図反時計回り(矢印Pr方向)のモーメントが働く。このため、車体20に対して、パワーユニット50は弾性中心Edを中心とした図反時計回り(矢印Pr方向)のロール運動をする。車体20のローリング方向Brに対して、パワーユニット50のローリング方向Prは同じである。従って、車体20のロール運動がパワーユニット50のロール運動によって打ち消されることはない。
このように、車両10を旋回させたときに、パワーユニット60にかかる遠心力fiによるモーメントの方向を、車体のローリング方向に合わせることができる。この結果、パワーユニット50のローリング方向Prを、車体20のローリング方向Brに合わせることができる。従って、車体20のローリングをパワーユニット50のローリングによって打ち消す作用がない。このように、走行中に重量物であるパワーユニット50の挙動が車体20に及ぼす影響を、抑制することができる。このため、車両10の操縦安定性を一層高めるとともに、乗り心地を一層良くすることができる。
次に、上記構成の動力源側マウント64及び減速機側マウント65の特性について説明する。ここで、左右のマウント64,65の静的ばね定数は、極端な差を設けることなく、例えば概ね同じに設定されている。
「静的ばね定数」とは、静的状態において、荷重変化量とそれに対するマウントのたわみ変化量を表す値のことである。動力源側マウント64及び減速機側マウント65の静的ばね定数は、図4に示す弾性部材103によって決まる。
図9は本発明に係る動力源側マウント及び減速機側マウントの振動減衰特性を示すグラフであり、横軸を各マウントの周波数fr(Hz)、すなわち振動数とし、縦軸を各マウントの減衰係数Cd(N・s/mm)として、各マウントにおける最大の減衰係数Cdに対する周波数frを表したものである。マウントの減衰係数Cdとは、マウントの減衰速度を1(mm/s)としたときの、減衰力(N)のことである。
破線にて示す曲線は、動力源側マウント64の振動減衰特性曲線である。実線にて示す曲線は、減速機側マウント65の振動減衰特性曲線である。
動力源側マウント64における最大の減衰係数Cdp1に対応する周波数fp1のことを、動力源側マウント64の最大減衰周波数fp1と言う。減速機側マウント65における最大の減衰係数Cdp2に対応する周波数fp2のことを、減速機側マウント65の最大減衰周波数fp2と言う。
動力源側マウント64の最大減衰周波数fp1と、減速機側マウント65の最大減衰周波数fp2とは、少なくとも2倍の差を有するように設定されている。つまり、fp1とfp2との関係は、いずれか小さい方の値に対して、大きい方の値は少なくとも2倍である。このように、fp1<fp2のときには「(fp2/fp1)≧2」の関係、fp1>fp2のときには「(fp1/fp2)≧2」の関係となるように設定した。
なお、fp1<fp2と、fp1>fp2の、どちらを選択するかは任意である。車両10の重心に対する各マウント64,65の位置関係を勘案して、車両10の乗り心地性能が高まる方を選択することが、より好ましい。
動力源側マウント64の最大減衰周波数fp1と、減速機側マウント65の最大減衰周波数fp2との差は、2倍から3.5倍までの範囲に設定されることが好ましい。
図9に示す好適な実施例においては、各マウント64,65の振動減衰特性曲線を次のように設定した。
動力源側マウント64における最大の減衰係数Cdp1に対して、減速機側マウント65における最大の減衰係数Cdp2は小さく設定されている。
動力源側マウント64の振動減衰特性曲線は、最大の減衰係数Cdp1のときに比較的小さい値の最大減衰周波数fp1となる、高い山形状の特性を有する。一方、減速機側マウント65の振動減衰特性曲線は、最大の減衰係数Cdp2のときに比較的大きい値の最大減衰周波数fp2となる、低い山形状の特性を有する。
より具体的には、動力源側マウント64の最大減衰周波数fp1を7Hzに設定し、減速機側マウント65の最大減衰周波数fp2を17Hzに設定した。この結果、fp1に対してfp2は、約2.4倍の差を有している。
このように設定した結果、動力源側マウント64及び減速機側マウント65の動ばね特性は、図10に示す特性にすることができる。
図10は本発明に係る動力源側マウント及び減速機側マウントの動ばね特性を示すグラフであり、横軸を各マウントの周波数fr(Hz)、すなわち振動数とし、縦軸を各マウントの動ばね定数Kd(N/mm)として、各マウントの周波数frに対する動ばね定数Kdを表したものである。破線にて示す曲線は、動力源側マウント64の動ばね特性曲線である。実線にて示す曲線は、減速機側マウント65の動ばね特性曲線である。
「動ばね定数」とは、実際の振動状態における、ばね特性を表す値のことであり、動的ばね係数とも言う。つまり、動的荷重の変化量とそれに対するマウントのたわみ変化量を表す値のことである。
なお、各マウント64,65の振動減衰特性や動ばね特性については、例えば、図4に示す第1オリフィス109の大きさ等を、適宜設定すること(チューニング)によって、最適な値に設定することができる。
図10に示すように、この実施例では、動力源側マウント64の動ばね特性と減速機側マウント65の動ばね特性とは、反共振領域Tf(図14も参照)において、両者の動ばね定数Kd1,Kd2の差の最大値ΔKmaxが、少なくとも100N/mmとなるように設定したものである。つまり、「ΔKmax=|Kd1−Kd2|≧100N/mm」の関係となるように設定した(Kd1とKd2の差の絶対値のうち、最大値ΔKmaxが100N/mm以上)。
最大値ΔKmaxは、100N/mmから250N/mmまでの範囲に設定することが好ましい。最も好ましい最大値ΔKmaxは、150N/mmである。
図10に示す好適な実施例においては、各マウント64,65の動ばね特性曲線を次のように設定した。
動力源側マウント64の動ばね特性曲線は、全体が概ね緩やかな山形状となる曲線である。一方、減速機側マウント65の動ばね特性曲線は、全体が緩やかな谷形状となる曲線である。動力源側マウント64の動ばね特性曲線に対して、減速機側マウント65の動ばね特性曲線は、動ばね定数Kdを全体的に小さく設定したものである。
より具体的には、反共振領域Tf=12〜16Hz(図14参照)のうち、各マウント64,65の固有振動数fcが14Hzのときに、次の関係式となるように設定した。
ΔKmax=|Kd1−Kd2|≧100N/mm
すなわち、各マウント64,65の固有振動数fcが14Hzのときに、動力源側マウント64の動ばね定数Kd1を270N/mmに設定し、減速機側マウント65の動ばね定数Kd2を150N/mmに設定した。この結果、動力源側マウント64の動ばね定数Kd1と、減速機側マウント65の動ばね定数Kd2との、差の最大値ΔKmaxは、120N/mmである。
このように設定した結果、車両用パワーユニット支持装置60による振動特性は、図11に示す特性を有している。また、車両用パワーユニット支持装置60を有した場合の、ステアリングハンドルの振動特性は、図12に示す特性を有している。
図11は車両用パワーユニット支持装置による振動特性の実験例を示すグラフであり、上記図14に対応している。つまり、図11は、横軸を周波数fr(Hz)、すなわち上下方向の振動数とし、縦軸を車体の振動の強さのレベルVc(dB)として表したものである。破線にて示す曲線は、上記図14に示す従来例1の振動特性曲線である。実線にて示す曲線は、実施例の振動特性曲線である。想像線にて示す曲線は、比較例の振動特性曲線である。
なお、この図11のグラフは、周知の加振台に実験対象の車両を載せて加振することにより得られた、データである。
上述のように、実施例は、左右のマウント64,65の動ばね定数の差の最大値ΔKmaxを、少なくとも100N/mmとなるように設定したものである。具体的には、左右のマウント64,65の動ばね特性を、図10に示すように設定した(最大値ΔKmax=120N/mm)。
この結果、図11のグラフから明らかなように、実施例の振動特性曲線によれば、特に反共振領域Tfにおいて、パワーユニット50がダイナミックダンパの役割を果たしているので、反共振領域Tfにおける振動の強さのレベルVcを低減することができた。つまり、ダイナミックダンパの作用によって、車体20の共振を抑制することができた。
この結果、車両10の乗り心地は高まったということができる。
このように、特に反共振領域Tfにおける振動の強さのレベルVcを低減するために、実験を繰り返した結果、最大値ΔKmaxを少なくとも100N/mmとすることによって、レベルVcを低減するという目的を達成することができた。
実施例は、車体20における上下方向の振動の固有振動数と、パワーユニット50におけるピッチングの固有振動数とを連成させたものである。
この結果、図11に示す実施例の振動特性曲線から明らかなように、車体20の振動特性は、特に共振領域Bf及び反共振領域Tfにおいて、起伏が緩やかで比較的浅く広い特性(つまり、変化が小さい特性)である。
すなわち、実施例の振動特性曲線は、従来例1の振動特性曲線に比べて、極端な谷や山の特性(変化が大きい特性)にならず、緩やかで比較的浅く広い谷や山の特性(変化が小さい特性)を有している。
このような特性にすることで、車両10の乗り心地を高めることができた。
一方、比較例は、最大値ΔKmaxを概ね90N/mmとなるように設定したものである。比較例の振動特性曲線によれば、最大値ΔKmaxが100N/mmに満たないので、特に反共振領域Tfにおける振動の強さのレベルVcが、十分に低減していないことが判る。
図12は車両用パワーユニット支持装置を有した場合の、ステアリングハンドルの振動特性の実験例を示すグラフであり、上記図15に対応している。つまり、図12は、横軸をエンジンの回転数Ne(rpm)とし、縦軸をエンジンからステアリングハンドルに伝わる振動の強さのレベルNV(dB)として表したものである。破線にて示す曲線は、上記図15に示す従来例1の振動特性曲線である。実線にて示す曲線は、実施例の振動特性曲線である。
上述のように、左右のマウント64,65の静的ばね定数は、従来例1と同様に、極端な差を設けていないので、このグラフから明らかなように、従来例1の振動特性に対して、実施例の振動特性は、概ね同様の特性に維持することができる。このため、パワーユニット50から車体20を介してステアリングハンドルに振動が伝わることを抑制することができるので、車両のNVフィーリング(運転者が振動及び振動音が抑制されたと感じる感覚)を高めることができる。
マウント64,65の最大減衰周波数fp1,fp2及び最大値ΔKmaxの設定手順は、次の通りである。実際には、実験によって最適値を求める。
先ず、エンジン51からステアリングハンドルに振動が伝わることを抑制できる、つまり、NV性能を十分に確保できる、マウント64,65の静的ばね定数を設定する。なお、左右のマウント64,65の静的ばね定数に、極端な差を設けない。
次に、設定された静的ばね定数の制限の中で、最大値ΔKmaxが100〜250N/mmの範囲に収まるように、最大減衰周波数fp1,fp2を設定する。具体的には、fp1とfp2との差が2〜3.5倍となるように、マウント64,65の振動減衰特性を設定する。
このように、左右のマウント64,65の動ばね特性については、それぞれの静的ばね定数と、図9に示す最大の減衰係数Cdp1,Cdp2及び最大減衰周波数fp1,fp2とを設定することにより、これに従属して設定される。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
図9に示すように、動力源側マウント64における最大の減衰係数Cdp1に対応する周波数fp1と、減速機側マウント65における最大の減衰係数Cdp2に対応する周波数fp2とは、少なくとも2倍の差を有して設定したものである。
このようにして、図10に示すように、動力源側マウント64の動ばね定数Kd1と、減速機側マウント65の動ばね定数Kd2との、差の最大値ΔKmaxを、少なくとも100N/mmに設定することによって、目標とする周波数域Tfで車体20に対するパワーユニット50の固有値を励起できる。
つまり、左右のマウント64,65とパワーユニット50とからなる振動系の、固有振動数を比較的大きい値に設定することができる。
このように、車体20に対するパワーユニット50の固有振動数を適宜調節することで、パワーユニット50にピッチングを発生させ、上下方向の振動に対して作用させることにより、この結果、車体20の振動のうち特定の周波数領域Tfにおいて、パワーユニット50はダイナミックダンパの役割を果たすことができる。
言い換えると、上述のように、車体20に対する上記振動系の固有振動数を、比較的大きい値に適宜調節することができる。この結果、車体20の振動のうち、特定の周波数領域Tfの上下方向の振動に対して、パワーユニット50にピッチングが発生する。このピッチングは、車体20の上下方向の振動に対して作用する。つまり、車体20の上下方向の振動と、車体20に対するパワーユニット50のピッチングとの、連成モード(互いに影響し合う運動関係)になる。この結果、車体20の振動のうち、特定の周波数領域Tfの上下方向の振動において、パワーユニット50はダイナミックダンパの役割を果たす。
このように、目標とする周波数域Tfにおいて、パワーユニット50がダイナミックダンパの役割を果たすことができる。つまり、ダイナミックダンパの作用によって、車体20の共振を抑制することができる。この結果、所定の周波数域Tfにおける振動の強さのレベルVcを低減することができる。このようにして、車両10の乗り心地を高めることができる。
また、両マウント64,65のうち、一方における静的ばね定数を極端に大きい値に設定する代わりに、一方における動ばね定数Kdを大きく設定したので、静的ばね定数を大きくする必要はない。動ばね定数Kdについては、(1)所定の周波数域Tfにおける振動の強さのレベルVcを低減するとともに、(2)エンジン51から車体20を介してステアリングハンドルに振動が伝わりにくい値に、適宜設定すればよい。
また、両マウント64,65の静的ばね定数を極端に大きくしなくてもすむ。このため、操縦安定性を十分に確保することができる。
さらにまた、両マウント64,65の動ばね定数Kdが小さい場合には、図8に示すように、車両10を旋回させたときに、パワーユニット50のローリング量は大きくなる。一方、両マウント64,65の動ばね定数Kdが大きい場合には、パワーユニット50のローリング量は小さくなる。しかも、パワーユニット50のローリング方向Prは、車体20のローリング方向Brに合っている。このため、両マウント64,65の動ばね定数Kdの値については、パワーユニット50の挙動が車体20に及ぼす影響を、極力抑制することができるように、最適な条件で設定すればよい。
従って、車両10のNVフィーリング及び操縦安定性を確保しつつ、乗り心地を高めることができる。
なお、本発明は実施の形態では、車両10は、車体20の前部に備えたパワーユニット収容室31にパワーユニット50を収容した構成に限定されるものではなく、例えば、車体20の中央部に備えたパワーユニット収容室31にパワーユニット50を収容した構成であってもよい。
また、パワーユニット50は、フロントサブフレーム40を介して車体20にマウントする構成に限定されるものではなく、車体20に直接マウントする構成であってもよい。
また、動力源51はエンジンに限定されるものではなく、例えば電動モータであってもよい。減速機52はトランスミッションに限定されるものではなく、単に減速機構だけの構成であってもよい。
また、パワーユニット支持装置60は、動力源51の一端に減速機52が結合された構成のパワーユニット50を、少なくともパワーユニット50の車幅方向における両側に配置された左右のマウント64,65によって、車体20に支持する構成であればよい。
また、左右のマウント64,65は、上下軸方向の減衰軸線Vr1,Vr2と軸直角方向の減衰軸線Ho1,Ho2とを有する2方向減衰構造であればよく、液封マウントの構成に限定されるものではなく、例えばラバーマウントの構成であってもよい。
また、左右のマウント64,65において、第1取付部材101は動力源51(又は減速機52)と車体20との一方に取付けるとともに、第2取付部材102は動力源51(又は減速機52)と車体20との他方に取付ける構成であればよい。
また、上下軸方向の減衰軸線Vr1,Vr2の傾斜角θ1,θ2及び軸直角方向の減衰軸線Ho1,Ho2の傾斜角α1,α2の大きさは任意であり、例えば、交点Pv,Phが車幅中心線CLに合致、又は、重心Gcを通り車幅中心線CLに平行な直線に合致する角度に設定してもよい。
本発明のパワーユニット支持装置60は、車体20の前部や中間部において、動力源51と減速機52とを車幅方向に並べて互いに結合した構成の横置き型のパワーユニット50を配置し、このパワーユニット50の静荷重を、パワーユニット50の重心Gcよりも下方に配置された静荷重支持マウント61〜63で支持した構成に好適である。
本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の正面図である。 本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の平面図である。 本発明に係る車両の前部及びパワーユニット支持装置の斜視図である。 本発明に係る動力源側マウントの断面図である。 図4の5−5線断面図である。 本発明に係る車両用パワーユニット支持装置の正面模式図である。 本発明に係る車両用パワーユニット支持装置の平面模式図である。 本発明に係るパワーユニット支持装置を備えた車両の作用図である。 本発明に係る動力源側マウント及び減速機側マウントの振動減衰特性を示すグラフである。 本発明に係る動力源側マウント及び減速機側マウントの動ばね特性を示すグラフである。 車両用パワーユニット支持装置による振動特性の実験例を示すグラフである。 車両用パワーユニット支持装置を有した場合の、ステアリングハンドルの振動特性の実験例を示すグラフである。 従来の車両用パワーユニット支持装置の説明図である。 従来の車両用パワーユニット支持装置による振動特性の実験例を示すグラフである。 従来の車両用パワーユニット支持装置を有した場合の、ステアリングハンドルの振動特性の実験例を示すグラフである。
符号の説明
10…車両、20…車体、31…パワーユニット収容室、50…パワーユニット、51…動力源(エンジン)、51a…動力源のうち減速機とは反対側の端部、52…減速機(トランスミッション)、52a…減速機のうち動力源とは反対側の端部、60…パワーユニット支持装置、61〜63…静荷重支持マウント、64…右のマウント(動力源側マウント)、65…左のマウント(減速機側マウント)、Kd1…右のマウントの動ばね定数、Kd2…左のマウントの動ばね定数、fp1…右のマウントにおける最大の減衰係数に対応する固有振動数、fp2…左のマウントにおける最大の減衰係数に対応する固有振動数、Tf…反共振領域Tf、ΔKmax…動ばね定数の差の最大値。

Claims (3)

  1. 動力源の一端に減速機が結合された構成のパワーユニットを、車両のパワーユニット収容室に収容し、少なくとも前記パワーユニットの車幅方向における両側に配置された左右のマウントによって、車体に前記パワーユニットを支持した車両用パワーユニット支持装置であって、
    前記左のマウントの動ばね定数と、前記右のマウントの動ばね定数との、差の最大値は、少なくとも100N/mmに設定されていることを特徴とした車両用パワーユニット支持装置。
  2. 前記動ばね定数の差の最大値は、前記車体の反共振領域に設定されていることを特徴とした請求項1記載の車両用パワーユニット支持装置。
  3. 動力源の一端に減速機が結合された構成のパワーユニットを、車両のパワーユニット収容室に収容し、少なくとも前記パワーユニットの車幅方向における両側に配置された左右のマウントによって、車体に前記パワーユニットを支持した車両用パワーユニット支持装置であって、
    前記左のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数と、前記右のマウントにおける最大の減衰係数に対応する周波数とは、少なくとも2倍の差を有して設定されていることを特徴とした車両用パワーユニット支持装置。
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