JPH10109550A - パワーユニットの懸架装置 - Google Patents

パワーユニットの懸架装置

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JPH10109550A
JPH10109550A JP26439196A JP26439196A JPH10109550A JP H10109550 A JPH10109550 A JP H10109550A JP 26439196 A JP26439196 A JP 26439196A JP 26439196 A JP26439196 A JP 26439196A JP H10109550 A JPH10109550 A JP H10109550A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/30Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions comprising means for varying fluid viscosity, e.g. of magnetic or electrorheological fluids

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ストッパを設けることなく、しかも振動吸収構
造を維持した状態で、エンジンやトランスミッション等
が一体化された構造体であるパワーユニットの過大な上
下移動を規制する。 【解決手段】エンジン12とトランスミッション13と
により構成されるパワーユニット11は、同パワーユニ
ット11の重心Gを上下から挟むように配置される一対
の上部エンジンマウント17,18及び一つの下部エン
ジンマウント19によって自動車のエンジンルーム内に
支持される。上部エンジンマウント17,18ではパワ
ーユニット11が下方へ移動するときに圧縮される弾性
体(ゴム体)を通じてその移動を規制し、下部エンジン
マウント19では同パワーユニット11が上方へ移動す
るときに圧縮される弾性体(ゴム体)を通じてその移動
を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
やトランスミッション等が一体化された構造体であるパ
ワーユニットを車体に懸架するパワーユニットの懸架装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記パワーユニットは、例えば
実開平1−145821号公報に記載されているような
複数のエンジンマウントによって、車両のエンジンルー
ム内に支持される。このエンジンマウントは基本的に、
パワーユニットに取り付けられる第1のブラケットと、
エンジンルーム内のメンバに取り付けられる第2のブラ
ケットと、両ブラケット間に設けられたゴムインシュレ
ータ(弾性体)とを有して構成されている。
【0003】同エンジンマウントのこうした構成によ
り、パワーユニットが自動車に搭載された状態において
は、パワーユニットの重力荷重によって第1のブラケッ
トが第2のブラケットへ向かって押圧され、ゴムインシ
ュレータが圧縮されるようになる。そして、この状態で
はパワーユニットに振動が発生しても、その振動はゴム
インシュレータにより吸収され、上記エンジンルーム内
のメンバには伝達されないようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車が例
えば波状路を走行すると、パワーユニットは車体に対し
て上下方向に揺れるようになる。そしてこのとき、パワ
ーユニットが車体に対して下方へ移動した場合には両ブ
ラケットが接近し、パワーユニットが車体に対して上方
へ移動した場合には両ブラケットが離間する。ところ
が、ゴムインシュレータは圧縮力には強いが引張力には
弱いため、パワーユニットの過大な上方移動に伴って両
ブラケットが大きく離間し、ゴムインシュレータに大き
な引張力が働くと、そのゴムインシュレータが引張方向
と交差する方向へ切断されることがある。
【0005】そこで、従来は、図6に示されるように、
上記エンジンルーム内のメンバ71にパワーユニット7
2の過大な上下動を規制するためのストッパ73を設
け、そのストッパ73によりエンジンマウント74のゴ
ムインシュレータ74aに過大な引張力が働くことを防
止するなどの対策も講じられている。
【0006】ただしこの場合、パワーユニット72をエ
ンジンルーム内に搭載する際に上記ストッパ73を別途
設けなければならないなど、パワーユニット72の搭載
構造並びに搭載作業が煩雑化することとなる。更に、パ
ワーユニット72の上下動がこのストッパ73によって
規制される際には、同ユニット72の振動が吸収されず
に直接上記メンバ71に伝達されることになり、実用上
は尚多くの問題を抱えることとなる。
【0007】本発明はこのような実情を鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ストッパ等を設けることな
く、しかも振動吸収構造を維持した状態でパワーユニッ
トの過大な上下移動を的確に規制することのできるパワ
ーユニットの懸架装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、特に、パワーユニットが
第1の方向へ移動するときに圧縮される第1の弾性体を
有する第1のマウント手段と、前記パワーユニットが前
記第1の方向とは逆の第2の方向へ移動するときに圧縮
される第2の弾性体を有する第2のマウント手段とを備
え、これら第1及び第2の二種類のマウント手段によっ
て前記パワーユニットをエンジンルーム内に支持するよ
うにした。
【0009】同構成によれば、パワーユニットが車体に
対して、例えば下方へ移動しようとすると、第1のマウ
ント手段に設けられた第1の弾性体が圧縮され、この第
1の弾性体により前記パワーユニットの下方移動が規制
される。又、パワーユニットが車体に対して、例えば上
方へ移動しようとすると、第2のマウント手段に設けら
れた第2の弾性体が圧縮され、この第2の弾性体により
前記パワーユニットの上方移動が規制される。従って、
前記ストッパ等を設けずとも、振動吸収構造が好適に維
持された状態で、パワーユニットの過大な上下移動等が
規制されるようになる。
【0010】請求項2記載の発明では、前記第1及び第
2のマウント手段を、それぞれ前記第1及び第2の弾性
体が前記パワーユニットの重力荷重を分担して受けるよ
うに設けた。
【0011】同構成によれば、パワーユニットの重力荷
重は、第1及び第2のマウント手段に設けられた第1及
び第2の弾性体にそれぞれ働くこととなり、それら両弾
性体に各々働くパワーユニットの重力荷重を小さくし、
両弾性体の弾力を低下させにくくすることができる。
【0012】請求項3記載の発明では、前記第1のマウ
ント手段は前記パワーユニットの重心を挟む上下両側の
内の一方側に配置され、前記第2のマウント手段は前記
パワーユニットの重心を挟む上下両側の内の他方側に配
置されるものとした。
【0013】同構成によれば、パワーユニットに上下方
向以外の振動が発生する場合であれ、それらの振動もパ
ワーユニットの重心を上下に挟むように配置された第1
及び第2のマウント手段を通じて抑えられるようにな
る。
【0014】請求項4記載の発明では、前記第1及び第
2のマウント手段は、それぞれ前記第1及び第2の弾性
体の変形に伴って容積が変化する主流体室及び副流体室
と、これら両流体室を連通する連通部とを備え、前記両
流体室内及び連通部内は電圧を印加することにより粘度
が変化する電気粘性流体が封入されてなるものとした。
【0015】同構成によれば、両流体室内及び連通部内
の電気粘性流体に印加される電圧に応じて、その粘度が
変化し、ひいては第1及び第2のマウント手段の動バネ
定数や減衰係数が変化する。このため、パワーユニット
の振動数等に合わせて、それら動バネ定数や減衰係数を
設定することにより、パワーユニットの振動自体を抑制
することもできるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるパワーユニ
ットの懸架装置の一実施形態を図1〜図5に従って説明
する。
【0017】図1に示すように、自動車のパワーユニッ
ト11は、エンジン12とトランスミッション13とか
ら構成されている。パワーユニット11の上部左側及び
右側には、上部ブラケット14,15がそれぞれ取り付
けられている。又、パワーユニット11の下部における
左右方向中央部には、下部ブラケット16が取り付けら
れている。
【0018】各ブラケット14〜16には、一対の上部
エンジンマウント17,18及び一つの下部エンジンマ
ウント19がそれぞれ連結されている。又、各エンジン
マウント17〜19は、自動車のエンジンルーム内に位
置するサイドメンバ20,21及びセンタメンバ22に
連結されている。そして、パワーユニット11は各エン
ジンマウント17〜19により、エンジンルーム内に支
持されている。上部エンジンマウント17,18と下部
エンジンマウント19とは、パワーユニット11の重心
Gを上下から挟むように配置されている。
【0019】次に、図2を参照して、上部エンジンマウ
ント17,18の具体的構成を説明する。図2(a)に
示すように、上部エンジンマウント17は本体ケース2
3を備えている。この本体ケース23は、筒状に形成さ
れた円筒体24と、円筒体24の下端開口部を塞ぐよう
に設けられたカバー25とから構成されている。円筒体
24の下端部内周面には周方向へ延びる嵌込溝26が設
けられている。嵌込溝26にはカバー25の上端に設け
られた大径部25aが嵌め込まれている。このカバー2
5には、当該上部エンジンマウント17を図1に示した
サイドメンバ20に取り付けるためのボルト27が設け
られている。
【0020】円筒体24の内側にはダイヤフラム28及
び隔離部材29が設けられている。ダイヤフラム28は
シート状に形成され、カバー25の大径部25a内に挿
入されている。円筒体24の上端開口部の内周面は、下
方へ向かうほど縮径するテーパ状に形成されている。円
筒体24の上端開口部はゴム体30Aにより塞がれ、ゴ
ム体30Aは円筒体24の上端部の内周面に当接してい
る。又、ゴム体30Aの下端部には、円筒体24の上記
嵌込溝26内まで延びるシール部31が設けられてい
る。そして、ゴム体30Aには、当該上部エンジンマウ
ント17を図1に示した上部ブラケット14に取り付け
るためのボルト30aが設けられている。
【0021】前記隔離部材29の下端部外周面には、外
側方へ向かって突出するフランジ32が設けられてい
る。フランジ32は嵌込溝26に嵌め込まれた状態で、
円筒体24の周方向へ延びている。そして、前記シール
部31の下端部はフランジ32と嵌込溝26との間に挟
まれ、ダイヤフラム28の外縁部はフランジ32とカバ
ー25の大径部25aとの間に挟まれている。又、ゴム
体30Aとダイヤフラム28との間は、隔離部材29に
より主流体室33と副流体室34とに区画されている。
【0022】隔離部材29には、水平方向へ延びて両流
体室33,34を繋ぐ直線流路35と、鉛直方向へ螺旋
状に延びて両流体室33,34を繋ぐ螺旋流路36とが
設けられている。螺旋流路36の流通長さは、直線流路
35の流通長さよりも大きい値となっている。直線流路
35内には、一対の電極37,38が平行、且つ直線流
路35の流通方向に沿って設けられている。主流体室3
3、副流体室34、直線流路35及び螺旋流路36内に
は、電圧を印加することにより粘度が増加する電気粘性
流体が封入されている。
【0023】こうした上部エンジンマウント17におい
て通常時、ゴム体30Aにはパワーユニット11の重力
荷重が働き、その重力荷重によりゴム体30Aは下方へ
圧縮されるようになっている。又、パワーユニット11
が自動車の車体に対して上下に振動し、ゴム体30Aが
下方へ圧縮されたり上方へ引っ張られたりすると、ゴム
体30Aが変形して主流体室33の容積が変化する。主
流体室33の容積が変化すると、電気粘性流体が直線流
路35及び螺旋流路36を通って、主流体室33と副流
体室34との間を行き来するようになる。
【0024】一方、図2(b)に示すように、上部エン
ジンマウント18は、上記上部エンジンマウント17と
基本的に同一の構造を有して構成されるとともに、同上
部エンジンマウント17に対して上下逆向きとなるよう
に設けられている。上部エンジンマウント18のゴム体
30Bには、ボルト30aの代わりに下方へ突出するピ
ン41が設けられている。このピン41は前記上部ブラ
ケット15に取り付けられるようになっている。又、ゴ
ム体30Bのシール部31は、上方へ向かって嵌込溝2
6内まで延びている。
【0025】又、上部エンジンマウント18の円筒体2
4には、外側方へ向かって突出する取付部42が設けら
れている。この取付部42は、ボルト43により前記サ
イドメンバ21に取り付けられている。
【0026】こうした上部エンジンマウント18におい
ても通常時、上記ゴム体30Bにはパワーユニット11
の重力荷重が働き、その重力荷重によりゴム体30Bは
下方へ圧縮される。そして、同上部エンジンマウント1
8においても、パワーユニット11が上下に振動し、ゴ
ム体30Bが下方へ圧縮されたり上方へ引っ張られたり
すると、ゴム体30Bが変形して主流体室33の容積が
変化する。主流体室33の容積が変化すると、電気粘性
流体が直線流路35及び螺旋流路36を通って、主流体
室33と副流体室34との間を行き来するようになる。
【0027】次に、図3を参照して、下部エンジンマウ
ント19の具体的構成を説明する。図3に示すように、
下部エンジンマウント19は、上下方向に対して上記上
部エンジンマウント17と同じ向きになるように設けら
れている。又、この下部エンジンマウント19も、基本
的には上記上部エンジンマウント17,18と同一の構
造を有して構成されるものであるが、同下部エンジンマ
ウント19における円筒体24の上端開口部の内周面
は、上方へ向かうほど縮径するテーパ状に形成されてい
る。又、円筒体24の上端開口部の内周面にはゴム体3
0Cが当接している。ゴム体30Cには上方へ突出する
ピン41が設けられ、このピン41は前記下部ブラケッ
ト16に取り付けられるようになっている。円筒体24
には上部エンジンマウント18と同様に取付部42が設
けられ、取付部42はボルト43により前記センタメン
バ22に取り付けられている。
【0028】こうした下部エンジンマウント19におい
ては通常時、前記ゴム体30Cにはパワーユニット11
の重力荷重が働き、その重力荷重によりゴム体30Cは
下方へ引っ張られる。そして、パワーユニット11が上
下に振動し、ゴム体30Cが下方へ引っ張られたり上方
へ圧縮されたりすると、同下部エンジンマウント19に
あっても、ゴム体30Cが変形して主流体室33の容積
が変化する。主流体室33の容積が変化すると、電気粘
性流体が直線流路35及び螺旋流路36を通って、主流
体室33と螺旋流体室34との間を行き来するようにな
る。
【0029】このように同実施形態の懸架装置では、上
下に振動するパワーユニット11が下方へ移動するとき
には、上部エンジンマウント17,18のゴム体30
A,30Bが圧縮されるとともに、下部エンジンマウン
ト19のゴム体30Cが引っ張られるようになってい
る。ここで、上部エンジンマウント17,18と下部エ
ンジンマウント19との間における鉛直方向の距離は、
パワーユニット11の下方移動時に下部エンジンマウン
ト19のゴム体30Cが引張力により切断されない値に
設定されている。
【0030】又、パワーユニット11が上方へ移動する
ときには、上部エンジンマウント17,18のゴム体3
0A,30Bが上方へ引っ張られるとともに、下部エン
ジンマウント19のゴム体30Cが上方へ圧縮されるよ
うになっている。そしてここでも、上部エンジンマウン
ト17,18と下部エンジンマウント19との間におけ
る鉛直方向の距離は、パワーユニット11の上方移動時
に上部エンジンマウント17,18のゴム体30A,3
0Bが引張力により切断されない値に設定されている。
【0031】次に、上記懸架装置の電気的構成を説明す
る。図2(a),(b)及び図3に示すように、上記各
エンジンマウント17〜19の電極37,38は、それ
ぞれ電子制御ユニット(以下、ECUという)44に接
続されている。ECU44は、電極37,38を介して
直線流路35内の電気粘性流体に電圧を印加するように
なっている。電極37,38に電圧が印加されると、直
線流路35内にある電気粘性流体の粘度が増加し、主流
体室33及び副流体室34内の電気粘性流体が直線流路
35を通過できなくなる。その結果、主流体室33及び
副流体室34内の電気粘性流体は、螺旋流路36を通っ
て両流体室33,34間を行き来するようになる。
【0032】ECU44には振動センサ47が接続さ
れ、同センサ47はパワーユニット11にの上下方向の
振動数を検出し、その検出した振動数に対応する検出信
号をECU44へ出力する。ECU44は、振動センサ
47からの検出信号に基づいて、電極37,38への電
圧印加をデューティ比制御し、各エンジンマウント17
〜19における減衰係数C及び動バネ定数Kdを変更す
る。そこでECU44は、これら減衰係数C及び動バネ
定数Kdを、上記パワーユニット11の上下方向の振動
数に応じて、好適な値に可変設定する。
【0033】因みに、電極37,38に電圧が印加され
ておらず、電気粘性流体が直線流路35と螺旋流路との
両方を通って両流体室33,34間を行き来できると
き、各エンジンマウント17〜19における減衰係数C
と動バネ定数Kdとは、それぞれ図4,図5に破線で示
す値となる。即ち、減衰係数C及び動バネ定数Kdは、
パワーユニット11の上下の振動数に応じて、それぞれ
図4,図5に破線で示す態様で推移する。
【0034】一方、電極37,38に電圧が印加され
て、電気粘性流体が螺旋流路36のみを通って両流体室
33,34間を行き来できるとき、各エンジンマウント
17〜19における減衰係数Cと動バネ定数Kdとは、
それぞれ図4,図5に実線で示す値となる。即ち、減衰
係数C及び動バネ定数Kdは、パワーユニット11の上
下の振動数に応じて、それぞれ図4,図5に実線で示す
態様で推移する。
【0035】次に、電気粘性流体のこうした特性もふま
えて、上記のように構成された懸架装置の作用を説明す
る。パワーユニット11の振動が少ない、いわば車両の
通常走行時には、パワーユニット11の重力荷重が各エ
ンジンマウント17〜19のゴム体30A,30B,3
0Cにそれぞれ働き、それら各ゴム体30A,30B,
30Cが同重力荷重を分担して受けるようになる。
【0036】ところが、自動車が波状路を走行したりす
ると、パワーユニット11が車体に対して上下方向に大
きく振動しようとする。このとき、パワーユニット11
が下方へ移動しようとすると、図2(a),(b)に示
した上部エンジンマウント17,18のゴム体30A,
30Bが共に圧縮される。即ち、この場合、上部エンジ
ンマウント17,18のゴム体30A,30Bによっ
て、パワーユニット11の下方移動が規制される。
【0037】又、同パワーユニット11の振動に伴い、
これが上方へ移動しようとすると、図3に示した下部エ
ンジンマウント19のゴム体30Cが圧縮される。即
ち、この場合、下部エンジンマウント19のゴム体30
Cによって、パワーユニット11の上方移動が規制され
る。
【0038】一方、ECU44は、パワーユニット11
の振動数に応じて、各エンジンマウント17〜19の電
極37,38に対する電圧印加を制御し、上記パワーユ
ニット11の振動が抑制されるよう、それら各エンジン
マウント17〜19における減衰係数C及び動バネ定数
Kdを設定する。従って、上記パワーユニット11の上
下移動の規制に併せ、その振動自体がこれら各エンジン
マウント17〜19により好適に抑制されるようにな
る。
【0039】又、上部エンジンマウント17,18と下
部エンジンマウント19とは、パワーユニット11の重
心Gを上下から挟むように配置されているため、同パワ
ーユニット11が水平方向等、上下方向以外の方向への
振動も、それら各エンジンマウント17〜19によって
好適に抑制される。
【0040】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、下記(a)〜(d)に示す効果が得られる。 (a)パワーユニット11の振動時において、パワーユ
ニット11が上方へ移動しようとすると、下部エンジン
マウント19のゴム体30Cが圧縮され、そのゴム体3
0Cの圧縮によりパワーユニット11の上方移動が規制
される。そのため、従来と異なり、ストッパ等を設ける
ことなく、しかも振動吸収構造を維持した状態で、パワ
ーユニット11の上方移動を規制することができる。
又、ストッパ等を設けなくてもよい分、自動車に対する
同パワーユニット11の搭載構造及び搭載作業が簡略化
されるとともに、その搭載も容易となる。
【0041】(b)パワーユニット11の振動が少ない
通常走行時には、パワーユニット11の重力荷重が各エ
ンジンマウント17〜19のゴム体30A,30B,3
0Cにそれぞれ働き、それら各ゴム体30A,30B,
30Cがパワーユニット11の重力荷重を分担して受け
る。従って、各ゴム体30A,30B,30Cの一つ一
つに働くパワーユニット11の重力荷重が小さくなり、
それらゴム体30A,30B,30Cに常時大きな荷重
が働いて、その弾力が低下するのを抑えることができ
る。
【0042】(c)上部エンジンマウント17,18と
下部エンジンマウント19とがパワーユニット11の重
心Gを上下から挟むように配置されているため、パワー
ユニット11における上下方向以外の振動を好適に抑制
することができる。
【0043】(d)ECU44は、パワーユニット11
の振動数に応じて電気粘性流体への電圧印加を制御し、
パワーユニット11の振動が抑制される方向に、各エン
ジンマウント17〜19における減衰係数Cや動バネ定
数Kdを設定する。従って、パワーユニット11の振動
自体も、それら各エンジンマウント17〜19を通じて
好適に抑えることができる。
【0044】尚、本発明は、例えば以下のように変更し
て具体化することもできる。 (1)本実施形態では、パワーユニット11の上方移動
を下部エンジンマウント19のゴム体30Cで規制する
ようにしたが、これに代えてパワーユニット11の上方
移動を上部エンジンマウント17,18のゴム体30
A,30Bで規制するようにしてもよい。この場合、パ
ワーユニット11が上方へ移動しようとしたときに上部
エンジンマウント17,18のゴム体30A,30Bが
圧縮されるように、それら上部エンジンマウント17,
18を構成する。又、パワーユニット11が下方へ移動
しようとしたときに下部エンジンマウント19のゴム体
30Cが圧縮されるように、その下部エンジンマウント
19を構成する。
【0045】(2)パワーユニット11の上方移動時に
ゴム体が圧縮されるエンジンマウント(上記実施形態で
は下部エンジンマウント19)の個数を適宜変更しても
よい。エンジンマウントの個数を増やせば、パワーユニ
ット11の上方移動を、より確実に規制することができ
る。
【0046】(3)パワーユニット11の下方移動時に
ゴム体が圧縮されるエンジンマウント(上記実施形態で
は上部エンジンマウント17,18)の個数を適宜変更
してもよい。エンジンマウントの個数を増やせば、パワ
ーユニット11の下方移動を、より確実に規制すること
ができる。
【0047】(4)下部エンジンマウント19を実施形
態の状態よりも若干下方に配置し、パワーユニット11
が振動していないか或いは振動が少ない状態において、
下部エンジンマウント19のゴム体30Cがパワーユニ
ット11の重力荷重を受けないようにしてもよい。この
場合、下部エンジンマウント19におけるゴム体30C
の弾力低下を、より確実に抑制することができる。
【0048】(5)本実施形態では、上部エンジンマウ
ント17,18と下部エンジンマウント19とをパワー
ユニット11の重心Gを上下から挟むように配置した
が、上部エンジンマウント17,18と下部エンジンマ
ウント19とが重心Gを挟んでいなくてもよい。例え
ば、各エンジンマウント17〜19を全て重心Gよりも
上方に設けたり、それら全てを重心Gよりも下方に設け
たりしてもよい。この場合、パワーユニット11に対す
る各エンジンマウント17〜19の取付位置の選択範囲
を広くすることができる。
【0049】(6)本実施形態では、電気粘性流体を封
入するタイプのエンジンマウント17〜19を例示した
が、電気粘性流体を封入していないタイプのものであっ
てもよい。又、それら両タイプのエンジンマウントでパ
ワーユニット11を支持するようにしてもよい。電気粘
性流体を封入しないタイプのエンジンマウントでは、隔
離部材29やダイヤフラム28等を設けなくてもよい
分、エンジンマウントの構成を簡略化することができ
る。
【0050】(7)本実施形態では、パワーユニット1
1の振動数に応じて各エンジンマウント17〜19にお
ける減衰係数C及び動バネ定数Kdを設定したが、これ
に代えて車速度やエンジン回転数に応じて同減衰係数C
及び動バネ定数Kdを設定してもよい。この場合、EC
U44に車速を検出するための車速センサや、エンジン
回転数を検出するための回転数センサを接続することに
なる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1及び
第2のマウント手段にそれぞれ設けられた第1及び第2
の弾性体を通じて、パワーユニットの互いに逆方向への
移動が規制される。従って、前記ストッパ等を設けずと
も、振動吸収構造を好適に維持した状態でパワーユニッ
トの過大な上下移動等を規制することができる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、第1及び第
2の弾性体でパワーユニットの重力荷重を分担して受け
ることができ、請求項1記載の発明の効果に加え、前記
両弾性体の一つ一つに働くパワーユニットの重力荷重を
小さくし、両弾性体の弾力を低下させにくくすることが
できる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、第1及び第
2のマウント手段がパワーユニットの重心を上下に挟む
ように配置される。そのため、請求項1又は2記載の発
明の効果に加え、パワーユニットにおける上下方向以外
の振動についても、これを抑え易くすることができる。
【0054】請求項4記載の発明によれば、電気粘性流
体に印加する電圧に応じて、第1及び第2のマウント手
段の動バネ定数や減衰係数が任意に設定される。そのた
め、パワーユニットの振動数等に合わせて、それら動バ
ネ定数や減衰係数を設定することにより、パワーユニッ
トの振動自体を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるパワーユニット懸架装置を
示す正面図。
【図2】上部エンジンマウントを示す断面図。
【図3】下部エンジンマウントを示す断面図。
【図4】振動数の変化に対する減衰係数の変化を示すグ
ラフ。
【図5】振動数の変化に対する動バネ定数の変化を示す
グラフ。
【図6】ストッパを設けたエンジンマウント構造を示す
断面図。
【符号の説明】
11…パワーユニット、17,18…上部エンジンマウ
ント、19…下部エンジンマウント、30A,30B,
30C…ゴム体、33…主流体室、34…副流体室、3
5…直線流路、36…螺旋流路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエンジンやトランスミッション
    等が一体化された構造体であるパワーユニットを、弾性
    体を有する複数のマウント手段によりエンジンルーム内
    に支持するパワーユニットの懸架装置において、 前記パワーユニットが第1の方向へ移動するときに圧縮
    される第1の弾性体を有する第1のマウント手段と、前
    記パワーユニットが前記第1の方向とは逆の第2の方向
    へ移動するときに圧縮される第2の弾性体を有する第2
    のマウント手段とを備え、これら第1及び第2の二種類
    のマウント手段によって前記パワーユニットを前記エン
    ジンルーム内に支持するパワーユニットの懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のマウント手段は、そ
    れぞれ前記第1及び第2の弾性体が前記パワーユニット
    の重力荷重を分担して受けるように設けられる請求項1
    記載のパワーユニットの懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のマウント手段は前記パワーユ
    ニットの重心を挟む上下両側の内の一方側に配置され、
    前記第2のマウント手段は前記パワーユニットの重心を
    挟む上下両側の内の他方側に配置される請求項1又は2
    記載のパワーユニットの懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のマウント手段は、そ
    れぞれ前記第1及び第2の弾性体の変形に伴って容積が
    変化する主流体室及び副流体室と、これら両流体室を連
    通する連通部とを備え、前記両流体室内及び連通部内は
    電圧を印加することにより粘度が変化する電気粘性流体
    が封入されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のパワ
    ーユニットの懸架装置。
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