JP2007029858A - アンモニア合成触媒 - Google Patents

アンモニア合成触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2007029858A
JP2007029858A JP2005216892A JP2005216892A JP2007029858A JP 2007029858 A JP2007029858 A JP 2007029858A JP 2005216892 A JP2005216892 A JP 2005216892A JP 2005216892 A JP2005216892 A JP 2005216892A JP 2007029858 A JP2007029858 A JP 2007029858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia synthesis
catalyst
sol
synthesis catalyst
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005216892A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kajita
義雄 梶田
Atsushi Iwamoto
淳 岩本
Ryutaro Kato
龍太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005216892A priority Critical patent/JP2007029858A/ja
Publication of JP2007029858A publication Critical patent/JP2007029858A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01CAMMONIA; CYANOGEN; COMPOUNDS THEREOF
    • C01C1/00Ammonia; Compounds thereof
    • C01C1/02Preparation, purification or separation of ammonia
    • C01C1/04Preparation of ammonia by synthesis in the gas phase
    • C01C1/0405Preparation of ammonia by synthesis in the gas phase from N2 and H2 in presence of a catalyst
    • C01C1/0411Preparation of ammonia by synthesis in the gas phase from N2 and H2 in presence of a catalyst characterised by the catalyst
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】高活性なアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られるアンモニア合成触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】ゾルゲル法によるアンモニア合成触媒の製造方法であって、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩を溶解させる工程と、前記セシウム炭酸塩を溶解させたアルコール溶液中に、金属アルコキシドを懸濁させてゾルとする工程と、前記ゾルを加熱してゲルとする工程と、前記ゲルに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させる工程と、を含むアンモニア合成触媒の製造方法によれば、高活性なアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、窒素と水素の原料気体からアンモニアを合成するアンモニア合成触媒の製造方法に関し、特に、高活性なアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られるアンモニア合成触媒の製造方法に関する。
アンモニアの合成は、約1世紀にわたりハーバー法により工業レベルで大規模に行われている。ハーバー法は窒素と水素を原料としてアンモニアを合成するものであり、その合成には、アルミナ、酸化カリウム等を助触媒とした鉄系の3元触媒が主として用いられている。
しかしながら、ハーバー法を用いたアンモニア合成は、窒素と水素の平衡関係の必要性から反応器でのワンパス転化率が低く、反応効率を向上させるためには反応ガスを再循環させるとともに、合成したアンモニアを常に除去する必要がある。また、温度400〜500℃、圧力200〜250気圧という高温、高圧条件下で操業されるため、多大な経費を要する。
これに対して、低温、低圧条件下であっても、高いアンモニア合成活性を有する触媒として、ルテニウム系のアンモニア合成触媒が知られている。一般的に、アンモニア合成における律速段階は、窒素分子の解離ステップであるとされている。このため、触媒活性の高さは、アンモニアの原料となる窒素分子の三重結合を切断し、ルテニウム等の活性化物質上で吸着窒素原子に変換する能力の高さに依存する。吸着窒素分子の三重結合を切断するためには、電子供与性の高い材料を用いることが効果的であり、担体としての塩基性材料の使用や、促進剤としての電気陰性度の大きな材料の添加がなされている。
このため、アンモニア合成触媒の活性は、担体材料の種類によっても大きく変化し、マグネシアの他、アルミナ、希土類酸化物、活性炭等についても種々検討がなされている。しかしながら、上述した通り、アンモニア合成触媒反応では活性化物質への電子供与が窒素分子の解離を促進させるため、特に電子供与性を示さないアルミナや活性炭等では、多くの促進剤を添加する必要がある。
マグネシアを担体とした触媒に促進剤を添加したものとして、マグネシア担体にセシウムをドープしたルテニウム系触媒が開示されている(非特許文献1及び非特許文献2参照)。このルテニウム系触媒は、塩基性酸化物であるマグネシアを担体として用い、促進剤としてセシウムを用いたものである。塩基性酸化物に活性化物質としてルテニウムを担持させた場合には、電子が塩基性酸化物から活性化物質に流れ込む(電子供与する)ことにより、活性化物質上に吸着した窒素分子が解離されやすくなると考えられる。また、電気陰性度の大きな促進剤を添加した場合には、促進剤からも活性化物質へ電子が流れ込むことにより、さらに窒素分子の解離が起こりやすくなると考えられる。
"Preparation and Characterization of Chlorine-Free Ruthenium Catalysts and the Promoter Effect in Ammonia Synthesis" K.Aika, T.Takano and S.Murata, Journal of Catalysis 136, 126-140,(1992). "The Kinetics of Ammonia Synthesis over Ruthenium-Based Catalysts: The Role of Barium and Cesium" Dariusz Szmigielほか, Journal of Catalysis 205, 205-212,(2002).
ところが、これらのアンモニア合成触媒は、担体のマグネシアにルテニウムを担持させた後に促進剤を添加して得られるものであるため、担体に担持された活性化物質であるルテニウムの表面が促進剤で覆われてしまう。アンモニア合成触媒反応では、活性化物質であるルテニウム上で反応が進むため、露出しているルテニウムが減少することにより、活性点(反応点)も減少してしまう。この点、非特許文献1では、セシウムを添加することによりアンモニア合成活性が向上しているが、これは、原料気体と接触する露出した活性点が減少するというデメリットがあるものの、セシウムによる電子供与性の向上が著しく、活性点あたりの反応頻度が増加したからにすぎない。
また、非特許文献1及び非特許文献2のように、ルテニウム−マグネシア系の複雑な形状の触媒粒子に促進剤を単に添加しただけでは、均一に促進剤を担持させることは困難であり、担持状態及び担持量に偏りが生じ、全ての促進剤が十分な効果を発揮できないことが予想される。従って、アンモニア合成反応を実際に行うには未だ活性が十分であるとはいえず、従来に比して高い触媒活性を有するアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られる製造方法を開発することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高活性なアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られるアンモニア合成触媒の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩及び金属アルコキシドを添加、混合して得られるゾルを加熱してゲル化させ、そこに金属活性化物質を含む溶液を添加、混合して乾燥させることにより、高活性なアンモニア合成触媒を簡便且つ高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) ゾルゲル法によるアンモニア合成触媒の製造方法であって、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩を溶解させる工程と、前記セシウム炭酸塩を溶解させたアルコール溶液中に、金属アルコキシドを懸濁させてゾルとする工程と、前記ゾルを加熱してゲルとする工程と、前記ゲルに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させる工程と、を含むアンモニア合成触媒の製造方法。
(2) ゾルゲル法によるアンモニア合成触媒の製造方法であって、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩及び金属アルコキシドを添加して混合し、ゾルとする工程と、前記ゾルを加熱してゲルとする工程と、前記ゲルに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させる工程と、を含むアンモニア合成触媒の製造方法。
(3) 前記アルコールをエタノールとし且つ前記金属アルコキシドをマグネシウムエトキシドとする(1)又は(2)記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
(4) 前記金属活性化物質中の金属を、ルテニウムとする(1)から(3)いずれか記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
(5) 前記アンモニア合成触媒中におけるマグネシアに対するセシウムのモル比を0.006以上0.010以下とする(3)又は(4)記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
本発明に係るアンモニア合成触媒の製造方法は、促進剤のセシウムが担持された担体に、金属活性化物質を担持させることを特徴とする。具体的には、促進剤のセシウム炭酸塩と、金属アルコキシドを含むアルコール溶液中でゾルを形成した後、加熱してゲル化し、これに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させることによりアンモニア合成触媒を得るものである。この製法によれば、担体中に予め均一に促進剤のセシウムを担持させてから金属活性化物質を担持させるため、反応活性点である金属活性化物質の表面が促進剤によって覆われることもなく、高い触媒活性を維持できる。また、担体中に均一且つ微細に促進剤を担持させることができるため、促進剤から金属活性化物質への電子供与が効率的に行われ、触媒活性を向上させることができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、一連の操作を非水溶媒系で行うことができる。この点、従来の含浸法やゾルゲル法では、触媒に促進剤を水溶液にして添加したものである。このため、例えばマグネシアを用いた場合には、水の添加によってマグネシアが水酸化マグネシウムに変性し、焼成段階でマグネシアに戻った段階で粒子の粗大化、形状変化等の構造変化が生じ、活性が低下してしまうところ、本発明ではこれを回避できる。これは、本発明は非水溶媒系で製造を行うことにより、マグネシアが変性せず、マグネシア担体の微細構造を確保できるため、粒子の粗大化等によって促進剤、担体、及び、金属活性化物質の界面が減少するとともに、原料ガスとの接触面積が減少してしまうことがないからである。即ち、本発明によれば、ルテニウム(金属活性化物質)−マグネシア(担体)や、ルテニウム(金属活性化物質)−セシウム(促進剤)、セシウム(促進剤)−マグネシア(担体)等の構成要素間の界面を増加させることができるうえ、原料ガスとルテニウム(金属活性化物質)との接触面積を大きくすることができ、高い触媒活性を発現できる。
さらには、従来の含浸法やゾルゲル法では、触媒を一旦作製してから促進剤水溶液を添加し、乾燥を行っていたところ、本発明に係る製造方法では、促進剤を添加して焼成する工程が不要である。このため、工程数及び工程時間の削減ができるうえ、工程数を削減できる分、無駄な操作もなくなるため高い収率でアンモニア合成触媒が得られる。
本発明によれば、高活性なアンモニア合成触媒が簡便且つ高収率で得られるアンモニア合成触媒の製造方法を提供できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るアンモニア合成触媒製造方法は、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩を溶解させるセシウム炭酸塩溶解工程と、金属アルコキシドを懸濁させてゾルとするゾル化工程と、ゾルを加熱してゲルとするゲル化工程と、金属活性化物質を含む溶液を添加、混合し、乾燥させて触媒を得る触媒生成工程と、を含むことを特徴とする。以下、各工程について説明する。
<セシウム炭酸塩溶解工程>
この工程は、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩を溶解させる工程である。アルコールとしては、エタノールが好ましく用いられる。セシウム炭酸塩は、促進剤として機能するものであり、金属活性化物質に電子を供与することにより、触媒の活性を向上させる。電子供与性を有する促進剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属(例えば、Li、Na、K、Ca、Sr、Ba)の炭酸塩等が挙げられるが、アルコールとしてエタノールを用いた場合には、溶解性の関係からセシウム炭酸塩が好適に用いられる。
<ゾル化工程>
この工程は、セシウム炭酸塩を溶解させたアルコール溶液中に、金属アルコシキドを懸濁させてゾルとする工程である。金属アルコキシドとしては、マグネシウムエトキシド、マグネシウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムメトキシド、テトラエトキシシラン、バリウムエトキシド等が挙げられ、これらのうちマグネシウムエトキシドが好ましく用いられる。なお、上述したセシウム炭酸塩溶解工程及びゾル化工程の代わりに、アルコール溶液中にセシウム炭酸塩及び金属アルコキシドを添加して混合し、ゾルとする工程を採用してもよい。
<ゲル化工程>
この工程は、ゾル化工程で得られたゾルを加熱してゲル化する工程である。加熱条件については、アルコール溶液及び金属アルコキシドの種類に応じて適宜設定される。なお、ゲル化の際には、ゲル化促進のためアンモニア水等を添加してもよい。
<触媒生成工程>
この工程は、ゲル化工程で得られたゲルに、金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させることにより、目的とするアンモニア合成触媒を得る工程である。金属活性化物質としては、ルテニウムカルボニル錯体、ルテニウムアセチルアセトナト錯体等が挙げられ、これらのうちルテニウムカルボニル錯体が好ましく用いられる。乾燥条件については、金属活性化物質の種類に応じて適宜設定される。
<アンモニア合成触媒>
次に、本実施形態により得られるアンモニア合成触媒と、従来法により得られるアンモニア合成触媒との相違について説明する。先ず、従来の一般的な含浸法によるアンモニア合成触媒は、例えば、ルテニウム前駆体を溶媒に溶解させてルテニウム溶液とし、担体材料であるマグネシアを添加して攪拌した後、乾燥、焼成して製造される。そして、硝酸セシウム等の水溶液中に添加して乾燥、焼成することにより、セシウム促進剤が担持されたルテニウム系触媒が得られる。
また、従来のゾルゲル法によるアンモニア合成触媒は、例えば、マグネシウムエトキシドをエタノールに懸濁させ、さらに水を加えて加熱し分解させることで、水酸化マグネシウムのゾルを先ず作製する。次いで、このゾルにルテニウム溶液を添加して攪拌し、乾燥、焼成することにより製造される。そして、硝酸セシウム等の水溶液中に添加して乾燥、焼成することにより、セシウム促進剤が担持されたルテニウム系触媒が得られる。
上述した従来の含浸法及びゾルゲル法により得られる触媒を、模式的に表したものを図1に示す。図1に示す通り、これらの製造方法により得られるアンモニア合成触媒は、反応活性点であるルテニウム金属の表面の一部が、促進剤(セシウム)で覆われてしまうため、触媒活性が低下する。また、セシウムを触媒に単に添加するのみであるため、セシウムが触媒全体に均一に担持されておらず、表面に偏在している。このため、セシウムからルテニウムへの電子供与が効率的に行われず、触媒活性を向上させることが困難である。
これに対して、本実施形態に係る製造方法により得られるアンモニア合成触媒の好適な一例を、模式的に表したものを図2に示す。図2に示す通り、本実施形態のアンモニア合成触媒は、促進剤が担持されたマグネシア担体に、金属のルテニウムが担持されるため、露出したルテニウムの表面が促進剤で覆われることがない。従って、促進剤の添加による触媒活性点の減少を回避でき、高い触媒活性を発現できる。また、促進剤を含むアルコール溶液中でマグネシウムエトキシドからマグネシアを作製するため、促進剤が均一に担持されたマグネシアが得られる。このため、促進剤の担持状態及び担持量に偏りが無くなり、全ての促進剤が効率良く機能する結果、触媒活性がさらに向上する。
また、上記の従来法では、ルテニウム−マグネシア系触媒に促進剤を水溶液にして添加している。このため、水の添加によってマグネシアが水酸化マグネシウムに変性し、焼成段階でマグネシアに戻った段階で、粒子の粗大化、形状変化等の構造変化が生じ、触媒活性が低下する。これに対して、本実施形態に係る製造方法では、一連の操作をアルコール溶液中、即ち、非水溶媒系で行うためマグネシアが変性することがない。従って、マグネシア担体が微細構造を有しており、高い活性を発現できる。
<マグネシアに対するセシウムのモル比>
本実施形態に係るアンモニア合成触媒の製造方法において、Ruの量が12wt%及び5wt%のアンモニア合成触媒中におけるマグネシアに対するセシウムのモル比を変化させたときの、アンモニア合成活性及びアンモニア生成濃度を図3から図6に示す(アンモニア合成活性は、後述する活性計算式により算出される)。これらの図より、Ruの量が12wt%では、Cs/MgOのモル比が0.0072であるとき最も高い活性を示すことがわかる。また、Ruの量が5wt%では、Cs/MgOのモル比が0.0065であるとき最も高い活性を示すことがわかる。
また、図7には、横軸にCs/MgOのモル比、縦軸に各触媒の最高活性値をプロットしたグラフを示す。この図より、促進剤のセシウムの添加量には最適値が存在し、好ましいCs/MgOのモル比は0.006以上0.010以下である。モル比が0.006より小さい場合には十分な触媒反応の促進効果が得られない。一方、モル比が0.010より大きい場合には、活性化物質のルテニウムと担体のマグネシアとの接触面積が減少し、十分な活性が得られない。
<アンモニア合成活性評価>
本発明に係るアンモニア合成触媒の活性評価は、図8に示す触媒評価装置1により行うことができる。より具体的には、例えば表1に示すような各部品を用いた触媒評価装置1により、評価することができる。
Figure 2007029858
具体的には、この触媒評価装置1を用いて、次の操作を行うことによりアンモニア合成活性評価を行う。先ず、粒径0.60mm〜0.85mmのペレット状に成型したアンモニア合成触媒10を0.1g、石英管16に設置し、表2に示す前処理1及び前処理2を行う。前処理終了後、直ちに実験を表2に示す条件で開始する。実験中は触媒反応後のガスを希硫酸200mlに流通させ、その際の希硫酸の導電率を測定する。この際の導電率の変化量に基づいて、数式1に示した活性計算式によりアンモニア合成活性を算出する。
Figure 2007029858
Figure 2007029858
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例>
本発明に係る製造方法に従って、アンモニア合成触媒(Ru−Cs/MgO(Ru=5wt%[MgO比]、Cs[mol]/MgO[mol]=0.01)の製造を実施した。具体的な操作は以下の通りとした。
先ず、ねじ口瓶にCsCOを0.1419g入れ、エタノール60mlを加えて攪拌し、溶解させた。そこに、乳鉢で十分粉砕したMg(OEt)を5g加えた。また、加水分解させるために純水を5ml加えた。次いで、ねじ口瓶に軽く蓋をした後、ホットスターラー上で液温が70℃になるように調整しながら2時間、加熱攪拌した。2時間後、ゲル化促進のため、28%アンモニア水2mlを約5分間滴下し、更に1時間加熱攪拌を続けてゲル化させた。その後、ねじ口瓶を室温になるまで水冷した。
別途、Ru(CO)12を0.1857g、THF100mlに溶解させた。溶解させた後、この溶液をスターラーで攪拌中の上記ゲルに混合し、一夜(約10〜12時間)室温で攪拌した。その後、攪拌物をナスフラスコに移し換え、ロータリーエバポレーターにより乾固させた。
得られた乾固物を、100℃で12時間、大気乾燥させた後、加熱排気した。具体的には、昇温速度5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で1時間保持して残留THF成分を取り除いた。その後、同様の昇温速度で450℃まで昇温し、450℃で2時間加熱排気した。加熱排気処理終了後、減圧したまま室温まで冷却し、一昼夜(約10〜12時間)放置して目的物であるアンモニア合成触媒を得た。
<比較例>
従来の製造方法に従って、アンモニア合成触媒(Ru−Cs/MgO(Ru=5wt%[MgO比]、Cs[mol]/MgO[mol]=0.01)の製造を実施した。具体的な操作は以下の通りとした。
先ず、ねじ口瓶に乳鉢で十分に粉砕したMg(OEt)を5g入れ、エタノール60mlを加えて手で軽く振蕩した。また、加水分解させるために純水を5ml加えた。ねじ口瓶に軽く蓋をした後、ホットスターラー上で液温が70℃になるように調整しながら、70℃で2時間加熱、攪拌した。2時間後、ゲル化促進のため、28%アンモニア水2mlを約5分間滴下し、更に1時間加熱攪拌を続けてゲル化させた。その後、ねじ口瓶を室温になるまで水冷した。
別途、Ru(CO)12を0.1857g、THF100mlに溶解させた。溶解させた後、この溶液をスターラー攪拌中の上記ゲルに混合し、一夜(約10〜12時間)室温で攪拌した。その後、攪拌物をナスフラスコに移し換え、ロータリーエバポレーターにより乾固させた。
得られた乾固物を、100℃で12時間、大気乾燥させた後、加熱排気した。具体的には、昇温速度5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で1時間保持して残留THF成分を取り除いた。その後、同様の昇温速度で450℃まで昇温し、450℃で2時間加熱排気した。加熱排気処理終了後、減圧したまま室温まで冷却し、一昼夜(約10〜12時間)放置して、Ru/MgO粉末を得た。
0.0918gのCsNOを水70mlに溶解させた後、作製したRu/MgO粉末1gを加えて懸濁させた。スターラーを用いて、室温下で10分間攪拌後、ウォーターバスで突沸しない程度(65℃)に加熱して液を留去して乾固させた。乾固後、乳鉢ですり潰して目的物であるアンモニア合成触媒を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたアンモニア合成触媒について、触媒量を0.2g、ガス流量を水素45ml/min、窒素15ml/minとした以外は、上述した評価方法に従って、アンモニア合成活性の評価を行った。評価結果を図9及び図10に示す。これらの図から明らかであるように、粒子が粗大化して構成要素間の界面が減少し、セシウムによってルテニウムの反応活性点が覆われてしまっている比較例に比べ、微細構造を有し反応活性点が十分確保されている実施例の方が、よりアンモニア合成活性が高いことが確認された。なお、本実施例の実験条件は前記の図5、6とは異なっているため、図9、10のアンモニア合成活性値は図5、6とは異なっている。しかし、各触媒間の活性データの相関性は図5、6と同様の傾向を示している。
従来のアンモニア合成触媒を模式的に表した図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒を模式的に表した図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒(Ru量12wt%)のCs/MgOモル比とアンモニア合成活性との関係を示す図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒(Ru量12wt%)のCs/MgOモル比とアンモニア生成濃度との関係を示す図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒(Ru量5wt%)のCs/MgOモル比とアンモニア合成活性との関係を示す図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒(Ru量5wt%)のCs/MgOモル比とアンモニア生成濃度との関係を示す図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒のCs/MgOモル比とアンモニア合成活性との関係を示す図である。 本発明に係るアンモニア合成触媒の評価に用いる触媒評価装置図である。 実施例及び比較例のアンモニア合成活性を示す図である。 実施例及び比較例のアンモニア生成濃度を示す図である。
符号の説明
1 触媒評価装置
10 アンモニア合成触媒
11 水素ボンベ
12 窒素ボンベ
13 マスフローコントローラー
14 SUS管
15 熱電対
16 石英管
17 ヒーター
18 ガラスウール
19 スターラー
20 ウォーターバス
21 硫酸
22 導電率電極
23 導電率計
24 ガラスボールフィルター

Claims (5)

  1. ゾルゲル法によるアンモニア合成触媒の製造方法であって、
    アルコール溶液中にセシウム炭酸塩を溶解させる工程と、
    前記セシウム炭酸塩を溶解させたアルコール溶液中に、金属アルコキシドを懸濁させてゾルとする工程と、
    前記ゾルを加熱してゲルとする工程と、
    前記ゲルに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させる工程と、を含むアンモニア合成触媒の製造方法。
  2. ゾルゲル法によるアンモニア合成触媒の製造方法であって、
    アルコール溶液中にセシウム炭酸塩及び金属アルコキシドを添加して混合し、ゾルとする工程と、
    前記ゾルを加熱してゲルとする工程と、
    前記ゲルに金属活性化物質を含む溶液を添加して混合し、乾燥させる工程と、を含むアンモニア合成触媒の製造方法。
  3. 前記アルコールをエタノールとし且つ前記金属アルコキシドをマグネシウムエトキシドとする請求項1又は2記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
  4. 前記金属活性化物質中の金属を、ルテニウムとする請求項1から3いずれか記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
  5. 前記アンモニア合成触媒中におけるマグネシアに対するセシウムのモル比を0.006以上0.010以下とする請求項3又は4記載のアンモニア合成触媒の製造方法。
JP2005216892A 2005-07-27 2005-07-27 アンモニア合成触媒 Pending JP2007029858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005216892A JP2007029858A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 アンモニア合成触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005216892A JP2007029858A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 アンモニア合成触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007029858A true JP2007029858A (ja) 2007-02-08

Family

ID=37789755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005216892A Pending JP2007029858A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 アンモニア合成触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007029858A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102698749A (zh) * 2012-06-14 2012-10-03 福州大学 以钌氨络合物为前驱体的钌系氨合成催化剂
JP2017148810A (ja) * 2017-05-26 2017-08-31 住友化学株式会社 アンモニア合成触媒及びアンモニアの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102698749A (zh) * 2012-06-14 2012-10-03 福州大学 以钌氨络合物为前驱体的钌系氨合成催化剂
JP2017148810A (ja) * 2017-05-26 2017-08-31 住友化学株式会社 アンモニア合成触媒及びアンモニアの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107365286B (zh) 一种合成2,5-呋喃二甲酸的方法
JP5483705B2 (ja) 水素製造触媒およびそれを用いた水素製造方法
WO2002078840A1 (fr) Catalyseur de reformage d'hydrocarbures et procede de preparation du catalyseur, et procede de reformage d'hydrocarbures mettant en oeuvre ledit catalyseur
JP2016159209A (ja) アンモニア分解触媒及び該触媒の製造方法並びに該触媒を用いたアンモニアの分解方法
CN110368933B (zh) 一种以Ce-Ti复合氧化物为载体的钌基氨合成催化剂及其制备方法
JP3005647B2 (ja) 光触媒及びその製造方法とそれを用いた水素の製造方法
JP2005046742A (ja) Fischer−Tropsch合成用触媒の調製方法
JP2019155227A (ja) Co2メタン化触媒及びこれを用いた二酸化炭素の還元方法
CN113083294A (zh) 一种催化加氢催化剂及其制备方法和应用
CN102380420B (zh) 一种氨合成催化剂及其制备方法
JP2007029858A (ja) アンモニア合成触媒
JP2010241675A (ja) 水素製造方法
JPH08231204A (ja) 二酸化炭素改質反応による水素及び一酸化炭素の製造法
JP5747579B2 (ja) 二酸化炭素の還元方法
CN110172049B (zh) 5-羟甲基糠醛氧化酯化制备呋喃-2,5-二甲酸二甲酯的方法
CN115608375B (zh) 一种氨硼烷水解析氢用催化剂及其制备方法
KR101655092B1 (ko) 하이드로탈사이트형 화합물로부터 유도된 이산화탄소의 메탄화 반응용 촉매를 이용한 메탄의 제조방법, 메탄화 반응용 촉매, 및 그 촉매의 제조방법
JP4316181B2 (ja) 炭化水素の改質用触媒及びその製造方法、並びにその触媒を用いた炭化水素の改質方法
JP2017225955A (ja) MgO担持触媒の製造方法
CN107321357B (zh) 一种醋酸加氢催化剂的制备方法及其应用
CN113769741A (zh) 用于碳酸乙烯酯催化加氢的铜基催化剂及制备方法和应用
CN107349947B (zh) 一种醋酸加氢催化剂及其应用
CN109420526B (zh) 一种编织介孔聚合物载银催化剂及其制备方法与应用
JP2006314970A (ja) 触媒、触媒の製造方法、アンモニアの製造方法、および反応装置
CN110668916A (zh) 一种气固相法高效合成1r,2r-环己烷二甲醇的方法